JP4571301B2 - 乗り物の表面の改善方法及び改善装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗り物の表面の改善方法及び改善装置に関し、例えば塗装された外面を持つ乗り物(車両、自動車)の表面を洗浄し艶を出し光沢を与えて美観を改善すると共に、その表面にコーティグ被膜を形成し、表面を保護する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両などの乗り物の表示面の改善(洗浄、つや出し)では、先ず乗り物の表面を界面活性剤などで洗浄し、この後、乗り物の表面に残った界面活性剤を水で洗い流し、しかる後、乗り物の表面にワックスを塗布していた。このようなワックスは、種々の蝋やシリコン等の油性分から作られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなワックスは、乗り物の表面を洗浄するのに使用した界面活性剤を除去してから、塗布しなければならなかった。また、このような手法では、乗り物の表面の洗浄に使用した界面活性剤を洗い流さなくてはならず、界面活性剤の除去作業が余分に必要となっていて、手間がかかっていた。
【0004】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、界面活性剤を有効に利用して乗り物の表面にコーティング皮膜を形成して、乗り物の表面を改善するものである。また、乗り物の表面の洗浄に使用した界面活性剤を洗い流さなくても済み、界面活性剤の除去作業が不要な乗り物の表面の改善方法及び改善装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、水と両性界面活性剤とを混合発泡させたものを乗り物の表面に塗布し、この後、乗り物の表面に上記発泡状態の両性界面活性剤及び水が残存している状態で、シリコーン化合物を当該乗り物の表面に塗布するようにした。
【0006】
この場合、水濡れ状態にある乗り物の表面に上記シリコーン化合物を散布することで、当該乗り物の表面の水分と、上記両性界面活性剤との相互作用で、上記シリコーン化合物が当該乗り物の表面全体に拡散・付着すると共に、この後の水洗浄で余剰の両性界面活性剤が除去されて保護膜が形成される。これにより、界面活性剤を有効に利用して乗り物の表面にコーティグ被膜を形成することができる。また、乗り物の表面の洗浄に使用した界面活性剤を除去する手間が省け、乗り物の表面の改善(洗浄・つや出し)の作業の効率が非常に向上する。
【0007】
【発明の実施の形態】
1.洗車装置(乗り物の表面の改善装置)25
図1は、乗り物の表面の改善装置の一例の洗車装置25の内部の様子を示す。
この洗車装置25は、門形に形成された洗車機本体2を有する。この洗車機本体2は、車両1の上方を覆うように構成されている。この洗車機本体2は、車両1の前後方向に移動されるべく、一組のレール3上に載置されている。そして、洗車機本体2全体をこのレール3上0を移動させるための、搬送用のモータ26が洗車機本体2内に装備されている。これにより、一組のレール3間に停車された車両1上を、モータ26の動力によって、洗車機本体2が往復移動される。
【0008】
上記洗車機本体2の前部及び後部の下端には、リミットスイッチSW1、SW2が取り付けられている。このリミットスイッチSW1、SW2は防水タイプのスイッチで構成される。また、レール3の両端には、ストッパ4、5が立設されている。そして、洗車機本体2がストッパ4側に移動されたとき、リミットスイッチSW1がストッパ4に当接され、逆に、洗車機本体2がストッパ5側に移動されたとき、リミットスイッチSW2がストッパ5に当接される。
【0009】
このリミットスイッチSW1、SW2は、上記モータ26の回転停止に用いられる。つまり、洗車機本体2がストッパ4方向に移動し、リミットスイッチSW1がストッパ4に当接されると、モータ26の回転が停止され、それ以上の洗車機本体2の移動が防止される。同じように、リミットスイッチSW2の働きにより、洗車機本体2がストッパ5を越えて移動されることが防止される。つまり、リミットスイッチSW1、SW2の働きで、洗車機本体2が、ストッパ4、5間を往復移動される。
【0010】
洗車機本体2内側には、上方回転ブラシ6と側方回転ブラシ8、9が設置されている。上方回転ブラシ6は、車両の上面に接触しながら、上下に揺動される。
側方回転ブラシ8、9は、車両1の両側面に接触されつつ、左右方向に揺動される。これらの回転ブラシ6、8、9は布、スポンジまたはブラシなどからなる。
さらに、洗車機本体2内には、洗浄剤供給装置11とシリコーン化合物供給装置10とが具備されている。
【0011】
洗浄剤供給装置11は、コンプレッサ17、洗浄剤収納タンク18、電磁バルブ31、ホース19及び洗浄体供給ノズル16から構成されている。洗浄剤収納タンク18は、電磁バルブ31及びホース19を介してノズル16に繋がれている。電磁バルブ31は、制御回路60と接続されており、その開閉が制御される。洗浄剤収納タンク18には、両性界面活性剤と水とが混合されて収納されている。
【0012】
そして、コンプレッサ17からノズル16へと送られる圧縮空気により、洗浄剤収納タンク18からの両性界面活性剤及び水の混合物に空気が高圧で混入されて噴霧され発泡される。なお、この両性界面活性剤及び水の混合物の噴霧発泡は、コンプレッサ17によらず、次のようにされてもよい。例えば、LPガスなどの加圧ガスで液を噴霧するエアゾール容器が、洗車機本体2内側に取り付けられる。そして、このエアゾール容器が電磁ソレノイド等で操作されて、両性界面活性剤及び水の混合物が噴霧発泡されてもよい。すなわち、両性界面活性剤及び水の混合物が車両1上に噴霧発泡できれば、如何なるものでもよい。
【0013】
したがって、手動式のポンプによって液を噴霧発泡する手動式のスプレーガンや、加圧空気によって液を噴霧発泡するエア加圧式スプレーや、液自体を加圧してノズルより噴霧発泡するモーター動力式スプレーでもよい。加えて、洗浄剤収納タンク18内の撹拌機構によって界面活性剤及び水の混合物を泡立たせ、この発泡状態の界面活性剤及び水の混合物を上方より車両に自然落下させたり、空気圧で車両に吹きかけたりする。この撹拌機構は、回転スクリュー、循環式ポンプなど種々のものがある。
【0014】
この発泡された泡は、非常に泡立ちが良い状態にあり、車両1の垂直面に付着しても容易に落下せず、かなり長い間付着している。例えば、スポンジに界面活性剤及び水を染み込ませて、このスポンジをよく揉むと、非常に泡立ちがよく、空気の含有率が高い泡が出来上がる。このような泡が上述のようにして生成され、車両1表面に塗布される。この泡は、次にシリコーン化合物が塗布されるまで、落下せずにそのまま車両1表面に付着し続けるほど、空気の含有率が高くて泡立ちがよく、容易に落下しない。
【0015】
上記両性界面活性剤には、N−(3−アシルアミノプロピル)−N、N−ジメチルアンモニオカルボキシメチルベタイン、N−(2−アシルアミノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−グリシンナトリウム、アルキルジメチルカルボキシメチルベタイン、N−アルキルβ−アミノプロピオン酸ナトリウム、アルキルジメチルアミンオキサイド等があるが、ジメチル・アルキルベタイン型や、アミドベタイン型が好ましい。
【0016】
洗浄剤収納タンク18に収納される両性界面活性剤、及び後述するシリコーン化合物収納タンク13に収納されるシリコーン化合物には、必要により、車両1表面を保護する脂肪酸アミン系等の防錆剤、ワックス、石油系炭化水素、代替フロン、フロン等が混合されてもよい。
【0017】
また、洗車機本体2内部の上方には、送風機構つまりブロア63が、その排風口63aを車両1へ向けるように設置されている。このブロア63から吹き出される風により、車両1上に残留される水分等が吹き飛ばされる。水槽タンク14には、水が収納されており、電磁バルブ28の開閉でノズル12から水が放出される。つまり、水槽タンク14内の水が、加圧されて電磁バルブ28へ送出される。
【0018】
このノズル12は、上記水または/及びシリコーン化合物を車両1に噴霧できるよう、車両1の斜め上方において、対峙して取り付けられている。また、電磁バルブ27、28は、制御回路60(図3参照)に接続されており、その開閉が制御される。例えば、制御回路60によって、電磁バルブ27、28の開閉がそれぞれ制御され、水または/及びシリコーン化合物がノズル12より噴霧される。
【0019】
シリコーン化合物供給装置11は、シリコーン化合物収納タンク13、電磁バルブ27、ホース15及びノズル12から構成されている。シリコーン化合物収納タンク13は、電磁バルブ27及びホース15を介してノズル12に繋がれている。
【0020】
電磁バルブ27は、制御回路60と接続されており、その開閉が制御される。
シリコーン化合物収納タンク13には、シリコーン化合物が収納されている。このシリコーン化合物は、通常オイルであって液状であり、シリコーン化合物収納タンク13に圧力が掛けられて、ノズル12より勢いよく噴出され、車両1表面に噴霧塗布される。このシリコーン化合物の塗布は、上述したコンプレッサ18及び電磁バルブ31の様な加圧噴霧装置、エア加圧式スプレー、モーター動力式スプレー、エアゾール容器などによって踏む塗布してもよい。このシリコーン化合物は後述される。
【0021】
上記シリコーン化合物収納タンク13に収納されるシリコーン化合物は、洗浄剤による化学的な侵食に対する防護能力が十分なものであり、しかも、車両1の塗装面に残存する水の滑性を利用してコーティング被膜を形成することができる。この噴霧塗布されるシリコーン化合物には、各種溶剤が混合されてもよいし、水が混合されてもよい。
【0022】
このシリコーン化合物としては、アミノ変性シリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーン化合物等がある。シリコーン化合物は、珪素と酸素とが交互に結合してできた主鎖よりなるポリマー(シリコーン化合物)であって、耐候性、対溶剤性、難燃性、低毒性、電気絶縁性、撥水性等の特徴を持つ。他のシリコーン化合物としては、フッソ重合体、天然ワックス、合成ワックス、シリコン樹脂、フッ素樹脂、含フッソ重合体等でもよいし、これらとシリコーン化合物とを混合してもよい。
【0023】
なお、このようなシリコーン化合物収納タンク13に収納されるシリコーン化合物に対しては、水及び界面活性剤が混合されて、当該シリコーン化合物が水に分散された状態にされて、車両1表面に踏む塗布されてもよい。例えば、水にシリコーン化合物と界面活性剤/石油系炭化水素(灯油)/代替フロン/フロンなどとを混合して分散(乳化、溶解)させる。この分散状態は水中油滴型又はその他のエマルジョン状態、又はマイクロエマルジョン状態である。
【0024】
そしてさらに、シリコーン化合物の界面自由エネルギーを減少させるべく、分子中にアニオン基とカチオン基を併せ持った両性界面活性剤が加入添加混合されてもよい。この両性界面活性剤の働きによって、エマルジョン状態のシリコーン化合物粒子が連続相である水中により良く分散される。この両性界面活性剤は、上記洗浄剤収納タンク18に収納される界面活性剤と同じものである。むろん異なっていてもよい。
【0025】
車両1表面に噴射されたシリコーン化合物は、既に塗布されている又は上記混合されている両性界面活性剤と水との相互作用によって車両1表面に一様に広がる。なぜなら、発泡状態の両性界面活性剤と水の混合物に、シリコーン化合物が噴霧塗布されて車両1の表面で混合されると、シリコーン化合物粒子が水に分散した状態になって、水の流れに伴ってシリコーン化合物の粒子が車両1表面に容易に均一に拡散して広がる。
【0026】
そして、シリコーン化合物のアミノ基が物質に吸着する作用等により、シリコーン化合物が車両1表面の微少凹凸に付着される。この後、両性界面活性剤が水で洗い流されると、シリコーン化合物のみが車両1表面に残留される。これにより、車両1表面にシリコーン化合物の被膜が形成される。むろん、この両性界面活性剤は洗い流さなくても、その後の空気中の水分の吸収や雨が車両1表面に降りかかることによって洗い流される。
【0027】
これは、衣料品の洗濯の際、使用済みの洗濯水で新たな衣料を洗濯した場合、油性分の汚れが再び衣料品に付着する現象の応用である。したがって、シリコーン化合物への両性界面活性剤の添加量は、エマルジョン状態のシリコーン化合物を、シリコーン化合物の水溶液中により良く分散させるのに必要な、最低限の量が好ましい。
【0028】
図2は、本発明による洗車装置25の内部の様子を示す。洗車機本体2の両側壁を繋ぐように架設された支持軸20に、2つの揺動アーム21、22が取り付けられている。このアーム21、22の先端には、上方回転ブラシ6が回転自在に取り付けられている。また、揺動アーム21の回転支持部分には、電動機23が装着されており、この電動機23の回転力で、揺動アーム21、22が上下動される。
【0029】
したがって、支持軸20を中心に回転する揺動アーム21、22により、上方回転ブラシ6が上下に揺動される。また電動機23は、上方回転ブラシ6自体の回転にも活用される。これにより、上方回転ブラシ6は、回転されつつ車両1上を上下に揺動される。また、洗車機本体2内の側面には、図示しない電動機で回転される側方回転ブラシ8、9が設置されている。
【0030】
上記洗浄剤供給装置11の洗浄剤供給ノズル16は支持軸20の適所に、1つまたは複数箇所固定されている。このノズル16の噴出口は、車両1へ向けられている。また、洗車機本体2の内側に設けられた敷設台24上に、コンプレッサ17及び洗浄剤収納タンク18が固定されている。そして、コンプレッサ17から延びるホース19が、側壁に沿って洗車機本体2内部の上方へ導かれる。このホース19は、回転ブラシ6、8やその他の駆動機構の動きに支障がないように配設された後、洗車機本体2内部上方から垂下されて、各洗浄剤供給ノズル16に繋がれている。
【0031】
なお、上記ノズル12及び洗浄剤供給ノズル16は洗車機本体2の内側の上方だけでなく側方に設けられてもよい。また、側方回転ブラシ8、9は、電動機(図示せず)から伝達される動力により、回転されつつ、車両1に適度に押しつけられる。
【0032】
図3は、本洗車装置に使用される制御回路60の機能ブロックを示す。この制御回路60は、洗車機本体2内に設置されており、主に、CPU50、ROM51、RAM52及び各駆動回路とインターフェイス回路56から構成される。そして、各デバイスが接続されたシステムバス53を介して、データまたはチップアドレス等の情報が、各デバイス間で双方向伝達される。
【0033】
CPU50によって、上記各デバイスの動作が制御される。このCPU50が実行するプログラムは、ROM51に記憶されている。また、上記RAM52には、各種汎用データなどのテンポラリ情報が記憶される。駆動回路54は、上記洗車機本体2内の電磁バルブ27、28、31、モータ26、電動機23、コンプレッサ17及びブロア63と接続されており、これら装置のオン・オフがコントロールされる。
【0034】
また、インターフェイス回路56には、リミットスイッチSW1、SW2及び操作パネル&表示装置58が接続されている。そして、リミットスイッチSW1、SW2からのオン・オフ信号が入力されると共に、操作パネル&表示装置58の操作パネルからは、洗車機本体2の動作を指令する信号が伝達される。操作パネルは、洗車機本体2外面に設置されており(図示せず)、使用者による動作命令の入力手段として利用される。さらに、洗車機本体2の動作状態を示す情報が、インターフェイス回路56を介して表示装置(液晶ディスプレイ等、図示せず)に出力される。
【0035】
2.洗車方法(乗り物の表面の改善方法)
上記構成の洗車機本体2による乗り物の表面の改善方法の一例の洗車方法を、図4のフローチャートに基づきながら説明する。車両1が一組のレール3間の所定位置に停車された後、洗車機本体2の作動スイッチが操作者によってオンされると、先ず、ステップ500〜512において車両の水洗い(水洗い工程A)が行われる。
【0036】
この水洗い工程Aは、車両1の泥やその他の汚れ取りのために行われる。すなわち、洗車機本体2が、ストッパ5(図1)の直前位置からストッパ4方向(図1の矢印61)へ移動される(ステップ500)。この移動の開始に際して、電磁バルブ28が開放され、車両1に水が噴霧される(ステップ502)。それと同時に、回転ブラシ6〜9が回転されつつ車両1に接触させる等の、その他の処理が行われる(ステップ504)。
【0037】
これらステップ500〜504の処理は、洗車機本体2がストッパ4方向に移動されて、リミットスイッチSW1がストッパ4に接触するまで繰り返される(ステップ506)。なお、洗車機本体2がストッパ4の直前まで移動されたとき、上方回転ブラシ6及び側方回転ブラシ8、9は、車両1の後面の洗浄の後、完全に車両1より離れるように設定されている。つまり、ブラシ6〜9によって、完全に車両1の後面が洗浄される。
【0038】
そして、洗車機本体2がストッパ4に当接するまで、上記水洗い作業が行われた結果、車両表面に付着した泥等が、水噴霧を伴う回転ブラシ6〜9の洗浄により除去される。リミットスイッチSW1がストッパ4に当接されると、洗車機本体2の矢印61(図1参照)方向への移動が停止される(ステップ508)。そして、電磁バルブ28が閉じられ(ステップ510)、水の噴霧が停止される。
さらに、回転ブラシ6〜9の回転を停止させる等の、その他の処理が行われる(ステップ512)。なお、この水洗い工程Aは省略され、いきなり次の洗剤洗い工程Bから開始されてもよい。
【0039】
次に、ステップ520〜532の洗剤洗い工程Bが開始される。この洗剤洗い工程Bは、車両1表面の水垢やその他の汚れを除去して発泡された両性界面活性剤及び水を車両1表面に塗布するために行われる。初めに、洗車機本体2がストッパ4の直前位置からストッパ5方向へ移動(図1の矢印62)される(ステップ520)。洗車機本体2の移動に伴い、電磁バルブ31が開放されると共に、コンプレッサ17が稼動される(ステップ522)。コンプレッサ17の稼働に合わせて、その他の処理が行われる(ステップ524)。これらステップ520〜524の処理は、リミットスイッチSW2がストッパ5に当接されるまで繰り返される(ステップ526)。
【0040】
電磁バルブ31が開放されると共に、コンプレッサ17が稼動されることで、洗浄剤供給ノズル16から車両1へ向けて、両性界面活性剤及び水の混合物が勢いよく噴射され、発泡された界面活性剤及び水が車両1表面に塗布される。これにより、車両1表面全面が泡で覆われ、車両1表面の塗装部分があまり見えないくらいに塗布され、水垢やその他の汚れが除去される。
【0041】
このとき、回転ブラシ6〜9の回転は停止されており、車両1への発泡両性界面活性剤及び水の混合物の噴射塗布のみが行われる。しかし、車両1表面に付着した泡が増加し、この泡が取り除かれないほど加圧状態であれば、回転ブラシ6〜9も回転される。この回転ブラシは上記水洗い工程Aで使用された回転ブラシと異なる回転ブラシが使用されてもよい。
【0042】
またこのとき、両性界面活性剤及び水は発泡状態であるので、そのまま車両1表面にとどまっている。この発泡された泡は、非常に泡立ちが良い状態にあり、車両1の垂直面に付着しても容易に落下せず、かなり長い間付着している。例えば、スポンジに界面活性剤及び水を染み込ませて、このスポンジをよく揉むと、非常に泡立ちがよく、空気の含有率が高い泡が出来上がる。このような泡が上述のようにして生成され、車両1表面に塗布される。この泡は、次にシリコーン化合物が塗布されるまで、落下せずにそのまま車両1表面に付着し続けるほど、空気の含有率が高くて泡立ちがよく、容易に落下しない。
【0043】
この後、リミットスイッチSW2がストッパ5に当接されると、洗車機本体2の移動が停止される(ステップ528)。この洗車機本体2の停止に併せて、電磁バルブ31が閉じられると共に、コンプレッサ17が停止される(ステップ530)。さらに、その他の処理が行われる(ステップ532)。
【0044】
次に、シリコーン化合物の塗布工程C及びDが実行される。つまり、車両1の表面に発泡した両性界面活性剤及び水が塗布されて、車両1表面が泡で覆われている状態で、シリコーン化合物の塗布作業が、図4のステップ540〜582(1往復)によって行われる。初めに、洗車機本体2の矢印61方向への移動が開始される(ステップ540)。洗車機本体2の移動に伴い、電磁バルブ27が開放され、シリコーン化合物が車両1表面に噴霧塗布される(ステップ542)。
電磁バルブ27の開放に合わせて、その他の処理が行われる(ステップ544)。これらステップ540〜544の処理は、リミットスイッチSW1がストッパ4に当接されるまで繰り返される(ステップ546)。
【0045】
電磁バルブ27が開放されることで、ノズル12から車両1へ向けて、勢いよくシリコーン化合物が噴射される。これにより、水垢の落ちた車両1の塗装面全体に、シリコーン化合物が噴射される。このとき、回転ブラシ6〜9の回転は停止されており、車両1へのシリコーン化合物の噴射のみが行われる。こうして、シリコーン化合物が、泡で覆われた車両1の表面(塗装面)に噴射されるので、水と両性界面活性剤との相互作用により車両1の表面にシリコーン化合物が均一に広げられる。
【0046】
このとき、回転ブラシ6〜9の回転は停止されており、車両1へのシリコーン化合物の噴射塗布のみが行われる。しかし、車両1表面に付着した泡とこのシリコーン化合物がよく混合撹拌され、このシリコーン化合物及びこの泡が取り除かれないほど加圧状態であれば、回転ブラシ6〜9も回転される。この回転ブラシは上記水洗い工程Aや洗剤洗い工程Bで使用された回転ブラシと異なる回転ブラシが使用されてもよい。
【0047】
この後、リミットスイッチSW1がストッパ4に当接されると、洗車機本体2の移動が停止される(ステップ548)。この洗車機本体2の停止に併せて、電磁バルブ27が閉じられ(ステップ550)、その他の処理が行われる(ステップ552)。
【0048】
尚、車両1表面が泡立っている状態でのシリコーン化合物の塗布は、泡が十分に車両1表面に残っている状態で行うのが好ましい。泡の量が少なすぎると、シリコーン化合物の分散性及び延びが悪くなり形成されるシリコーン化合物の保護膜がムラになり、逆に泡の量が多すぎると、シリコーン化合物が車両1表面に到達するまで時間がかかる。このようにして、水と両性界面活性剤との相互作用により、車両1の表面にシリコーン化合物が均一に広げられる。
【0049】
次に、洗車機本体2の矢印62方向への移動が開始される(ステップ560)。洗車機本体2の移動に伴い、再び電磁バルブ27が開放され、同様にしてシリコーン化合物が車両1表面に噴霧塗布される(ステップ562)。電磁バルブ27の開放に合わせて、その他の処理が行われる(ステップ564)。これらステップ560〜564の処理は、リミットスイッチSW2がストッパ5に当接されるまで繰り返される(ステップ566)。
【0050】
電磁バルブ27が開放されることで、ノズル12から車両1へ向けて、勢いよくシリコーン化合物が噴射される。これにより、水垢の落ちた車両1の塗装面全体に、シリコーン化合物が噴射される。この後、リミットスイッチSW2がストッパ5に当接されると、洗車機本体2の移動が停止される(ステップ568)。
この洗車機本体2の停止に併せて、電磁バルブ27が閉じられ(ステップ570)、その他の処理が行われる(ステップ572)。なお、このシリコーン化合物の塗布工程Dは省略され、シリコーン化合物の塗布工程Cのみが行われてもよい。
【0051】
上記シリコーン化合物の塗布工程Dが完了されると、車両1表面の水洗い行程E(図5)が実行される。初めに、洗車機本体2の矢印61方向への移動が開始される(ステップ600)。洗車機本体2の移動に伴い、電磁バルブ28が開放されてノズル12から水のみが車両1へ噴霧される(ステップ602)。この作業に伴ってその他の処理が実行される(ステップ604)。そして、ステップ600〜604の処理は、リミットスイッチSW1がストッパ4に当接されるまで上記作業が繰り返される(ステップ606)。
【0052】
リミットスイッチSW1がストッパ4に当たってONになると、洗車機本体2の移動が停止される(ステップ608)。この洗車機本体2の停止に併せて、電磁バルブ28が閉じられると共に(ステップ610)、その他の処理が合わせて実行される(ステップ612)。この水洗い行程Eで、車両1表面に残っている不要な泡状の界面活性剤が除去される。この水洗い行程Eでは、回転ブラシ6〜9の回転は停止されているが、場合によって回転される。なお、この水洗い行程Eは省略され、このまま車両1を次の乾燥工程Fに移行させてもよい。
【0053】
次に、乾燥工程Fが実行される。洗車機本体2が矢印62方向へ復動されると共に(ステップ620)、ブロア63が稼動される(ステップ622)。これにより、車両1表面に残存する水分が飛散され、コーティング被膜の定着が促進される。このブロア63の駆動に伴って、その他の処理が実行される(ステップ624)。なお、この乾燥工程Fでも、回転ブラシ6〜9の回転は行われない。ステップ620〜624の処理は、リミットスイッチSW1がストッパ4に当接されるまで繰り返される(ステップ626)。
【0054】
リミットスイッチSW1がストッパ4に当たってONになると、洗車機本体2の移動が停止される(ステップ628)。この洗車機本体2の停止に併せて、ブロア63の稼動が停止されると共に(ステップ630)、その他の処理が実行される(ステップ632)。これにより乾燥工程Fが終了される。なお、この乾燥工程Fは省略され、車両1を自然乾燥させてもよい。以上のようにして、車両1の洗車とシリコーン化合物塗布作業が洗車装置25を用いて行われる。
【0055】
なお、上記水洗い工程A、E、洗剤洗い工程Bまたは/及び上記シリコーン化合物塗布工程C及びDが手作業で行われてもよい。すなわち、上記両性界面活性剤を発泡させるには、洗車装置25を用いず、スポンジに両性界面活性剤及び水を染み込ませ、このスポンジを手または機械でよく揉んで泡立たせ、この泡を車両1表面に塗るようにしてもよい。また、手動式のスプレーガン等で、直接、両性界面活性剤及び水の発泡混合による泡が車両1表面に吹き付けられてもよい。
【0056】
さらに、場合によって、手動式のスプレーガン等で、直接、上記シリコーン化合物が車両1表面の泡の上に吹き付けられるし、この後、この吹き付けられたシリコーン化合物が両性界面活性剤及び水とよく混ざり合うように、スポンジなどで上記泡が撹拌される。また、さらに、シリコーン化合物塗布後に、不要な両性界面活性剤も、水道栓に取り付けたホースによる直接的な水洗いで除去されてもよい。つまり、シリコーン化合物の塗布及び不要両性界面活性剤の水洗いが、手作業で行われても良い。このほか上記洗車工程の全て又は一部が手作業で行われてもよい。
【0057】
したがって、シリコーン化合物の塗布に用いる機材も、加圧空気によって液を噴霧するエア加圧式スプレーや、液自体を加圧してノズルより噴霧するモーター動力式スプレーや、液を自然落下によって車両1表面に散布する落下式(シャワー式)液散布機等、如何なるものでもよい。しかも、シリコーン化合物噴霧後の界面活性剤除去も、単に水をかける単純な水洗いでも良い。特に、本発明のシリコーン化合物は、塗布後の簡単な水洗いだけで不要な界面活性剤成分を除去できるので、シリコーン化合物塗布作業で洗車機が必須の手段とされていない。
【0058】
3.シリコーン化合物
図6は、各シリコーン化合物と色々な界面活性剤とを組み合わせた各シリコーン化合物の塗布結果を示す。使用されたシリコーン化合物は以下のものである。
第1シリコーン化合物は、例えば、ジメチルアミノポリシロキサンのマイクロエマルジョン状態のアミノ変性シリコーンオイルで、液中の有効成分が約20パーセントのものである。
【数1】
Figure 0004571301
【0059】
第2シリコーン化合物は、例えば、ジメチルアミノポリシロキサンのマイクロエマルジョン状態のアミノ変性シリコーンオイルで、液中の有効成分は約30パーセントである。
【数2】
Figure 0004571301
【0060】
また、用いられた界面活性剤には、比較のため以下の界面活性剤と、本発明の両性界面活性剤とが用いられた。第1界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレン・アルキルエーテルのノニオン(非イオン)界面活性剤である。PH(ペーハー)は6〜8である。
【数3】
Figure 0004571301
【0061】
第2界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレン・アルキルエーテル硫酸塩のアニオン(陰イオン)界面活性剤である。PH(ペーハー)は6〜8である。
【数4】
Figure 0004571301
【0062】
そして、本発明に係る両性界面活性剤としての第3界面活性剤は、例えば、アルキルベタインであり、PH(ペーハー)が6〜8の性質を有する。
【数5】
Figure 0004571301
【0063】
さらに、本発明に係る両性界面活性剤としての第4界面活性剤は、例えば、アルキルアミドプロピルベタインであり、PH(ペーハー)が6〜8の性質を有する。
【数6】
Figure 0004571301
【0064】
上記各シリコーン化合物、界面活性剤及び水を混合したシリコーン化合物の濃度パーセントを示す。比較例1では、第1シリコーン化合物及び界面活性剤が3.0パーセント、水が97.0パーセントの比率で車両1上で混合塗布され、界面活性剤は塗布されなかった。
【0065】
比較例2では、第1界面活性剤が0.4パーセント、水が99.6パーセントの比率で混合発泡されて車両1表面に塗布され、さらに第1シリコーン化合物が車両1上に散布塗布された。比較例3では、第2界面活性剤が0.8パーセント、水が99.2パーセントの比率で混合発泡されて車両1表面に塗布され、さらに第1シリコーン化合物が車両1上に散布塗布された。
【0066】
本発明に係る実施例1では、第3界面活性剤が1.2パーセント、水が98.8パーセントの比率で混合発泡されて車両1上に塗布され、第1シリコーン化合物が車両1上に散布塗布された。本発明に係る実施例2では、第4界面活性剤が0.6パーセント、水が98.4パーセントの比率で混合発泡されて車両1上に塗布され、第1シリコーン化合物が車両1上に散布塗布された。
【0067】
本発明に係る実施例3では、第4界面活性剤が0.6パーセント、水が99.4パーセントの比率で混合発泡されて車両1上に塗布され、第2シリコーン化合物が車両1上に散布塗布された。本発明に係る実施例4では、第4界面活性剤が9.0パーセント、水が76.0パーセントで混合発泡されて車両1上に塗布され、第1シリコーン化合物が車両1上に散布塗布された。
【0068】
図6は、上記比較例1〜3と実施例1〜4それぞれの車両1表面への塗布の結果、形成された保護膜の評価結果を示す。図6で示されるように、比較例1〜3のシリコーン化合物では、レベリング性、ムラ付き性、撥水性、仕上がり性の何れかに欠点が生じた。これに対し、本発明に係る実施例1〜4では、コーティング膜の形成結果において、全ての特性で十分な効果が得られた。
【0069】
なお、レベリング性とは、シリコーン化合物塗布の際の、車両1表面におけるシリコーン化合物液の広がり度合いをいう。したがって、レベリング性が良ければ、速やかに車両1表面にシリコーン化合物が拡散するので、作業が容易かつ手作業が不要になる。
【0070】
水濯ぎ性とは、車両1に吹き付けられたシリコーン化合物の残存界面活性剤の除去容易性を表す。ムラ付き性とは、シリコーン化合物で形成される乾燥後の保護膜において、シリコーン化合物が付着していない部分の有無と、膜の厚みの均一性を表す。よって、ムラ付き性が無いほど、形成されたコーティング膜においてシリコーン化合物の付着していない部分が少なく、かつ保護膜の厚みが均一であることになる。撥水性は、形成したコーティング膜による水はじき度合いを表す。そして、仕上がり性は、形成されたコーティング膜による車両1表面の光沢等の視覚的な美観の良さを示す。
【0071】
上記各シリコーン化合物塗布結果の評価を示す図6から次のことが理解される。シリコーン化合物のみを車両1に散布した場合(比較例1)では、塗装面上でハジキ現象が発生してムラ付きが起こり、コーティング効果にバラツキがでた。
つまり、シリコーン化合物が車両1表面により広く分散されず、シリコーン化合物の付着しない車両の塗装面部分があった。このためシリコーン化合物塗布後に、布等を利用した手作業によって、シリコーン化合物を均一に塗りのばさねばならなかった。
【0072】
また、事前にノニオン界面活性剤を発泡塗布した例(比較例2)では、レベリング性を改善することができないし、コーティング膜形成時の視覚的美観(光沢等)が好ましくなかった。しかも、ノニオン界面活性剤を増量するとレベリング性は改善されるものの、撥水性等のコーティング効果が、逆に低下してしまった。
【0073】
事前にアニオン界面活性剤を発泡塗布した例(比較例3)では、レベリング性の問題は改善できるが、撥水性等のコーティング効果が低下している。つまり、散布されたシリコーン化合物が速やかに車両1表面に広がるが、水洗いによって容易にコーティング膜が剥離した。
【0074】
これに対して、本発明に係る実施例1〜4の実験結果で示されるように、事前に両性界面活性剤を発泡塗布した例では、レベリング性、水濯ぎ性、ムラ付き性、撥水性、仕上がり性何れに於いても良い結果が得られた。
【0075】
しかも、上記実施例1〜4における両性界面活性剤と水の濃度比率が最も効率良く、これ以下の濃度では、十分なコーティング膜が形成されず、撥水性等の効果が得られなかった。特に、実施例4の濃度比率のとき、最もレベリング性、撥水性及び仕上がり性が改善された。
【0076】
また、これ以上の濃度比率では、その効果に変化がなく、むしろ、使用されない両性界面活性剤が増加するなど、不経済であった。さらに、両性界面活性剤を臨界ミセル濃度以上に多くしてもコーティング膜の形成に効果的な影響は与えないようであった。
【0077】
なお、上記各シリコーン化合物は、水に混合されて、車両1表面に塗布されてもよい。この場合、上記シリコーン化合物は0.01パーセント〜30.0パーセント、水は99.9パーセント〜70パーセント混合される。この場合、上記両性界面活性剤もさらに混合されてもよい。この両性界面活性剤の混合によって、上記シリコーン化合物は、エマルジョン状態またはマイクロエマルジョン状態となる。
【0078】
なお、シリコーン化合物のこのエマルジョンの中では、アミノ変性シリコーンオイルのエマルジョンが塗装面への吸着性が高く好ましい。さらに、通常のエマルジョン(分散、乳化)よりマイクロエマルジョンのほうが、シリコーンオイルが水溶液に可溶化(分散、乳化)しており、より液安定性が高く、好ましい。マイクロエマルジョンは、エマルジョンよりシリコーン化合物の粒子が小さく、分散から溶解にかけての粒子状態の中では、溶解により近い状態となっている。
【0079】
本発明のシリコーン化合物に用いる両性界面活性剤としては、上述したようにジメチル・アルキルベタイン型、アルキルグリシン型、アミドベタイン型、イミダゾリン型等が挙げられるが、ジメチル・アルキルベタイン型、アミドベタイン型が好ましかった。
【0080】
上記発泡塗布される界面活性剤としては、両性界面活性剤のほか、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤が考えられる。これらは実験の結果、以下のとおりであった。カチオン界面活性剤は、洗浄力が弱く、シリコーン化合物の保護膜に対する悪影響がなく、車両1表面の塗装表面に対する悪影響がない。ノニオン界面活性剤は、洗浄力が強く、シリコーン化合物の保護膜に対する悪影響がなく、車両1表面の塗装表面に対する悪影響がある。
【0081】
アニオン界面活性剤は、洗浄力が強く、シリコーン化合物の保護膜に対する悪影響があり、車両1表面の塗装表面に対する悪影響がない。両性界面活性剤は、洗浄力が強く、シリコーン化合物の保護膜に対する悪影響がなく、車両1表面の塗装表面に対する悪影響がない。したがって、使用する界面活性剤としては、両性界面活性剤がいちばん優れている。
【0082】
4.洗車装置71
上述の作業工程A、B、C、D、E、Fは、図7に示す洗車装置71によって半自動または手動で行ってもよい。この洗車装置71には切り替えボタン72、73、74、75が設けられ、上記作業工程A、B、C、Dが手動で切り換えられる。この洗車装置71内には上記洗車装置25に備えられている各装置・部品と同じ装置・部品が備えられている。ただし、レール3、ストッパ4、5、回転ブラシ6、8、9、支持軸20、揺動アーム21、22、電動機23、施設台24、モータ26、リミットスイッチSW1、SW2などは省略される。
【0083】
また、スプレーノズル76からは水及び両性界面活性剤が混合された泡が発泡噴霧される。スプレーノズル77からは水またはシリコーン化合物が排出/噴出/噴霧される。作業者はスプレーノズル76及びスプレーノズル77を切り替え、切り替えボタン72、73、74、75を選んで押すことにより、上記作業工程A、B、C、D、E、Fを順次行うことができる。
【0084】
切り替えボタン72、73、74、75のオン操作によって、上記作業工程A、B、C、D、E、Fがそれぞれスタートされる。また、切り替えボタン72、73、74、75のオフ操作によって、上記リミットスイッチSW1、SW2のオンに応じた上記処理が行われ、上記作業工程A、B、C、D、E、Fがそれぞれ終了される。
【0085】
本発明は上記実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。特に、本発明では、洗車装置25を用いる必要はまったくなく、噴霧/発泡手段を備えた小型の洗車機や、スプレー等の噴霧/発泡手段を利用し、手作業で両性界面活性剤の発泡/塗布、シリコーン化合物の塗布が行われても良い。この場合、シリコーン化合物塗布の作業場は如何なる場所でも可能で、周囲環境への影響及び周囲環境からの悪影響に注意を払う必要がない。つまり、如何なる場所でも、簡単にシリコーン化合物塗布作業が実施できる。
【0086】
ところで、図1の洗浄剤供給装置11のホース19及びシリコーン化合物供給装置10のホース15は、ベルヌーイの定理を利用して、洗剤またはシリコーン化合物が噴出されている。すなわち、T字型をしたパイプの足部分がタンク内の液中に差し込まれた状態で、T字型パイプの上部直線部分のパイプ内に流速の速い気体が通過されると、そのパイプ内の気圧がタンク内の気圧より低下する。この結果、タンク内の液がT字型のパイプの足部分から吸い出され、通過する気体に伴って上部直線部分のパイプより噴出される。
【0087】
したがって、流速の速い気体を生成するのに、上例のようなコンプレッサ17または水槽タンク14における加圧水で生成する必要はない。例えば、手動又は電動で駆動されるピストンによって送出される気体の圧力差で上記水及び両性界面活性剤の混合物またはシリコーン化合物が噴出発泡されてもよい。
【0088】
また、予め蓄えられた圧縮物質の膨張圧力で上記水及び両性界面活性剤の混合物またはシリコーン化合物を噴出発泡させてもよい。この場合、シリコーン化合物は加圧された水とともに噴出される。さらに、上記水及び両性界面活性剤の混合物を発泡させてから自然落下させてもよい。これにより、当該水及び両性界面活性剤の混合物からなる、噴出物(粒子)または自然落下物(粒子)が泡状にされる。
【0089】
また、シリコーン化合物収納タンク13からのホース15と、水槽タンク14からのホース15とは合流して、1本のホースとなってノズル12につながっている。しかし、シリコーン化合物収納タンク13からのホース15と、水槽タンク14からのホース15とは分離され、ホースの先端にそれぞれノズルが取り付けられてもよい。
【0090】
加えて、シリコーン化合物を車両1表面に噴射させる際、シリコーン化合物を霧状にするばかりでなく、水滴状にされてもよいし、泡状で散布されてもよいし、単にシリコーン化合物がそのまま車両1にかけられても良い。泡状にするには、シリコーン化合物の液中に直接圧縮空気を送り込み、泡だてられた液剤が噴出されればよい。
【0091】
さらにまた、上記実施例では、形成される保護膜にシリコーン化合物が用いられたが、本発明では、これに限定されない。すなわち、天然ワックス、純粋カルバナワックス、合成ワックス、シリコン樹脂、フッ素樹脂等如何なるものが、シリコーン化合物(保護剤)の主成分として用いられても良い。
【0092】
なお、上記実施例では、自動車の塗装面にシリコーン化合物を塗布したが、他の乗り物、例えば、航空機、自動二輪、船舶等の塗装面の保護に用いても良いし、家屋、鉄橋、ビルディングなどの外壁保護に用いられても良い。つまり、塗装面の保護ならば、如何なるものに本発明のシリコーン化合物が用いられても良い。特に、本発明のシリコーン化合物は、アルコール等が含まれないので、塗装面を溶かす等の悪影響が心配ない。
【0093】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、水と両性界面活性剤とを混合発泡させたものを乗り物の表面に塗布し、この後、乗り物の表面に上記発泡状態の両性界面活性剤及び水が残存している状態で、シリコーン化合物を当該乗り物の表面に塗布するようにした。
【0094】
この場合、水濡れ状態にある乗り物の表面に上記シリコーン化合物を散布することで、当該乗り物の表面の水分と、上記両性界面活性剤との相互作用で、上記シリコーン化合物が当該乗り物の表面全体に拡散・付着すると共に、この後の水洗浄で余剰の両性界面活性剤が除去されて保護膜が形成される。これにより、界面活性剤を有効に利用して乗り物の表面にコーティグ被膜を形成することができる等の効果を奏する。また、乗り物の表面の洗浄に使用した界面活性剤を除去する手間が省け、乗り物の表面の改善(洗浄・つや出し)の作業の効率が非常に向上する等の効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 洗車装置25の内部を透視した様子を示す図である。
【図2】 洗車装置25の内部の様子を示す図である。
【図3】 制御回路60の機能ブロックを示す図である。
【図4】 洗車装置25の動作フローチャートを示す図である。
【図5】 洗車装置25の動作フローチャートを示す図である。
【図6】 各界面活性剤とシリコーン化合物とによって形成された保護膜の評価を示す。
【図7】 別の洗車装置71を示す。
【符号の説明】
1…車両、2…洗車機本体、3…レール、4、5…ストッパ、6…上方回転ブラシ、8、9…側方回転ブラシ、10…シリコーン化合物供給装置、11…洗浄剤供給装置、12…ノズル、13…シリコーン化合物収納タンク、14…水槽タンク、15…ホース、16…洗浄剤供給ノズル、17…コンプレッサ、18…洗浄剤収納タンク、19…ホース、20…支持軸、21、22…揺動アーム、23…電動機、24…敷設台、25…洗車装置、26…モータ、27、28、31…電磁バルブ、50…CPU、51…ROM、52…RAM、53…システムバス、54…駆動回路、56…インターフェイス回路、58…操作パネル&表示装置、60…制御回路、61…矢印、62…矢印、63…ブロア、63a…排風口、71…洗車装置、72、73、74、75…切り替えボタン、76、77…スプレーノズル。

Claims (8)

  1. 水と両性界面活性剤とを混合発泡させたものを乗り物の表面に塗布する第1の工程と、
    この第1の工程の後、乗り物の表面に上記発泡状態の両性界面活性剤及び水が残存している状態で、アミノ変性シリコーンオイルを当該乗り物の表面に塗布する第2の工程とを備えたことを特徴とする乗り物の表面の改善方法。
  2. 乗り物の表面に水と両性界面活性剤とを混合発泡させたものを塗布するための第1の塗布機構、当該乗り物の表面にアミノ変性シリコーンオイルを塗布するための第2の塗布機構を備えた装置において、
    初めに、上記第1の塗布機構を作動させて、水と両性界面活性剤とを混合発泡させたものを乗り物の表面に塗布し、
    この後、上記第2の塗布機構を作動させて、上記乗り物の表面に発泡状態の両性界面活性剤及び水が残存している状態で、アミノ変性シリコーンオイルを当該乗り物の表面に塗布することを特徴とする乗り物の表面の改善装置。
  3. 上記第1の工程では、乗り物の表面の汚れが洗浄され、
    上記第2の工程では、乗り物の表面に上記アミノ変性シリコーンオイルの成分が乗り物の表面に塗布付着されて、コーティング被膜が形成される請求項1記載の乗り物の表面の改善方法。
  4. 上記第1の工程の前には、乗り物の表面が水を使って洗浄される工程があり、
    上記第2の工程の後には、乗り物の表面が水を使って洗い流される工程、さらに乗り物の表面が乾燥される工程があり、または上記第2の工程の後には、乗り物の表面が乾燥される工程があり、
    上記塗布される乗り物の表面は乗り物の塗装部分の表面であり、上記乗り物は車両または自動車である請求項1または3記載の乗り物の表面の改善方法。
  5. 上記アミノ変性シリコーンオイルは、エマルジョン状態またはマイクロエマルジョン状態である請求項1、3または4記載の乗り物の表面の改善方法。
  6. 上記アミノ変性シリコーンオイルには水が混合され、この水との混合物では、アミノ変性シリコーンオイルが0.01重量パーセント以上30.0重量パーセント以下混合され、上記水及び両性界面活性剤の発泡混合物では、両性界面活性剤が0.005重量パーセント以上40.00重量パーセント以下混合されている請求項1、3、4または5記載の乗り物の表面の改善方法。
  7. 水濡れ状態にある乗り物の表面に上記アミノ変性シリコーンオイルを散布することで、当該乗り物の表面の水分と、上記両性界面活性剤との相互作用で、上記アミノ変性シリコーンオイルが当該乗り物の表面全体に拡散・付着すると共に、この後の水洗浄で余剰の両性界面活性剤が除去されて保護膜が形成され、拭き取り手作業が省かれる請求項1、3、4、5または6記載の乗り物の表面の改善方法。
  8. 上記水と両性界面活性剤とが混合発泡された泡は、非常に泡立ちが良く、乗り物の垂直面に付着しても容易に落下せず長い間付着し、空気の含有率が高く、次に上記アミノ変性シリコーンオイルが塗布されるまで、落下せずにそのまま乗り物の表面に付着し続け、
    手動又は電動で駆動されるピストンによって送出される気体の圧力差で上記水及び両性界面活性剤の混合物が噴出発泡されるか、または予め蓄えられた圧縮物質の膨張圧力で上記水及び両性界面活性剤の混合物を噴出発泡させるか、または上記水及び両性界面活性剤の混合物を発泡させてから自然落下させるかし、当該噴出物(粒子)または自然落下物(粒子)を泡状にした請求項1、3、4、5、6または7記載の乗り物の表面の改善方法。
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