JP2001002991A - 乗り物用のコーティング剤及びコーティング剤の塗布方法 - Google Patents

乗り物用のコーティング剤及びコーティング剤の塗布方法

Info

Publication number
JP2001002991A
JP2001002991A JP11174729A JP17472999A JP2001002991A JP 2001002991 A JP2001002991 A JP 2001002991A JP 11174729 A JP11174729 A JP 11174729A JP 17472999 A JP17472999 A JP 17472999A JP 2001002991 A JP2001002991 A JP 2001002991A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating agent
vehicle
water
silicone compound
amphoteric surfactant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11174729A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshimichi Tani
好通 谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TANI KK
Original Assignee
TANI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TANI KK filed Critical TANI KK
Priority to JP11174729A priority Critical patent/JP2001002991A/ja
Publication of JP2001002991A publication Critical patent/JP2001002991A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、シリコーン化合物のエマルジョンと
両性界面活性剤でレベリング性の高いコーティング剤を
実現する。 【解決手段】 実施例1のコーティング剤は、第1シリ
コーン化合物を2.0パーセント、水を96.8パーセ
ント、両性界面活性剤のアルキルベタインを1.2パー
セントである。実施例2のコーティング剤は、第1シリ
コーン化合物を1.0パーセント、水を98.4パーセ
ント、両性界面活性剤のアルキルアミドプロピルベタイ
ンを0.6パーセントである。実施例3のコーティング
剤は、第2シリコーン化合物を0.7パーセント、水を
98.7パーセント、両性界面活性剤のアルキルアミド
プロピルベタインを0.6パーセントである。実施例4
のコーティング剤は、第1シリコーン化合物を15.0
パーセント、水を76.0パーセント、両性界面活性剤
のアルキルアミドプロピルベタインを9.0パーセント
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗装された外面を
持つ乗り物の表面に光沢を与えて美観を改善すると共
に、その表面を保護するコーティング剤及びこのコーテ
ィング剤の塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の塗装表面の艶だし、劣化防止等の
目的で塗布されるワックスは、種々の蝋やシリコン等の
油性分から作られている。従来、上記ワックスやコーテ
ィング剤等の塗装保護材の塗布は、次のように行われ
る。ワックスやコーティング剤などの塗装保護剤が、ス
ポンジ、ウエス等を用いて手作業で直接車両表面に塗布
されるか、又は、種々の散布機(スプレーガン、エアゾ
ール等)を使って直接車両表面に噴霧される。そして、
その塗布又は噴霧直後か、またはコーティング剤の乾燥
後に、乾いたタオル等を用いて余分なワックス又はコー
ティング剤が手作業で拭き取られている。
【0003】また、複数の回転ブラシを内側に備えた門
形の洗車機で、車両の洗車と、ワックス掛けとが同時に
行われる場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、洗車機
によるワックス洗車では、手作業が不要なので便利であ
るが、ワックス効果、塗装保護効果は低く、耐久性が弱
い。又、洗車機によるコーティング剤掛けは、散布後、
乾いたタオル等で車両表面を手作業で拭き取り、コーテ
ィング剤を均一化する必要があった。
【0005】また、最近、拭き取り不要のシリコーン化
合物系のコーティング剤が使用されているが、洗車機を
必要としており、ガソリンサービスステーションへ車両
を運ぶ必要がある。この場合、東北、北海道などでの冬
場は、外気温低下に伴う凍結などの問題で、洗車機が使
えないといった欠点が生じている。
【0006】さらに、C1〜C3(炭素数が1個から3
個、以下同様)のアルコール(メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール)の働きで、ワックス成分を車両
表面に広く分散させるコーティング剤がある。この場
合、C1〜C3のアルコール(メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール)が、作業時、空中に散布され、
臭気による作業者への健康上の悪影響、又は発火などの
作業中の危険性を伴うといった問題がある。
【0007】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであり、洗車機等の特別な機械なしで、迅
速かつ簡便で、しかも手作業の拭き取り作業なしでコー
ティング膜を形成できると共に、生物学的な有害物質を
用いることなくコーティング剤塗布を行えるコーティン
グ剤及びコーティング剤の塗布方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、エマルジョン状態のシリコーン化合物を
用いた。特に、エマルジョン状態又はマイクロエマルジ
ョン状態のアミノ変性シリコーンオイルを用いると共
に、両性界面活性剤を添加してコーティング剤を構成し
た。
【0009】
【発明の実施の形態】1.実施例の要約 以下に説明する本発明のコーティング剤は、エマルジョ
ン状態のシリコーン化合物と両性界面活性剤とから構成
されていることを特徴とする。しかも、このシリコーン
化合物が変性シリコーンオイルで、例えばアミノ変性シ
リコーンオイルであることを特徴とする。さらに、上記
アミノ変性シリコーンオイルのエマルジョン状態がマイ
クロエマルジョン状態のものでもよい。また、上記コー
ティング剤のシリコーン化合物のシリコーン成分が0.
01重量パーセント以上30.0重量パーセント以下で
あり、上記両性界面活性剤の濃度が0.005重量パー
セント以上,40.00重量パーセント以下であることを
特徴とする。
【0010】本発明に係るコーティング剤の塗布方法
は、水塗れ状態にある被保護面(車両1)に上記コーテ
ィング剤(コーティング剤収納タンク18内のコーティ
ング剤)を散布し、該被保護面の水分と、上記コーティ
ング剤の両性界面活性剤との相互作用で、エマルジョン
状態の上記シリコーン化合物が該被保護面全体に拡散・
付着すると共に、後水洗浄(水洗い行程E)で余剰両性
界面活性剤を除去して保護膜を形成して、拭き取り手作
業を省いたことを特徴とする。
【0011】さらに、手動又は電動で駆動されるピスト
ンによって送出される気体の圧力差で上記コーティング
剤を噴出させるか(手動式のスプレーガン、エアー加圧
式スプレー又は、コーティング剤収納タンク18及びコ
ンプレッサ17を用いたコーティング剤供給装置1
1)、又は予め蓄えられた圧縮物質の膨張圧力で上記コ
ーティング剤を噴出させるか(エアゾール式スプレ
ー)、又は上記コーティング剤を自然落下させる(シャ
ワー)と共に、該噴出粒子を水滴状、キリ状又は泡状に
したことを特徴とする。
【0012】2.洗車装置25 図1は、洗車装置25の内部の様子を示す。この洗車装
置25は、門形に形成された洗車機本体2を有する。こ
の洗車機本体2は、車両1の上方を覆うように構成され
ている。この洗車機本体2は、車両1の前後方向に移動
されるべく、一組のレール3上に載置されている。そし
て、洗車機本体2全体をこのレール3上を移動させるた
めの、搬送用のモータ26が洗車機本体2内に装備され
ている。これにより、一組のレール3間に停車された車
両1上を、モータ26の動力によって、洗車機本体2が
往復移動される。
【0013】上記洗車機本体2の前部及び後部の下端に
は、リミットスイッチSW1、SW2が取り付けられて
いる。このリミットスイッチSW1、SW2は防水タイ
プのスイッチで構成される。また、レール3の両端に
は、ストッパ4、5が立設されている。そして、洗車機
本体2がストッパ4側に移動されたとき、リミットスイ
ッチSW1がストッパ4に当接され、逆に、洗車機本体
2がストッパ5側に移動されたとき、リミットスイッチ
SW2がストッパ5に当接される。
【0014】このリミットスイッチSW1、SW2は、
上記モータ26の回転停止に用いられる。つまり、洗車
機本体2がストッパ4方向に移動し、リミットスイッチ
SW1がストッパ4に当接されると、モータ26の回転
が停止され、それ以上の洗車機本体2の移動が防止され
る。同じように、リミットスイッチSW2の働きによ
り、洗車機本体2がストッパ5を越えて移動されること
が防止される。つまり、リミットスイッチSW1、SW
2の働きで、洗車機本体2が、ストッパ4、5間を往復
移動される。
【0015】洗車機本体2内側には、上方回転ブラシ6
と側方回転ブラシ8、9が設置されている。上方回転ブ
ラシ6は、車両の上面に接触しながら、上下に揺動され
る。側方回転ブラシ8、9は、車両1の両側面に接触さ
れつつ、左右方向に揺動される。さらに、洗車機本体2
内には、洗浄液体供給装置10とコーティング剤供給装
置11とが具備されている。
【0016】洗浄液体供給装置10は、水槽タンク1
3、洗浄剤収納タンク14、電磁バルブ27、28、ホ
ース15及び洗浄液体供給ノズル12から構成されてい
る。水槽タンク13には、水が収納されており、電磁バ
ルブ27の開閉で洗浄液体供給ノズル12から水が放出
される。つまり、水槽タンク13内の水が、加圧されて
電磁バルブ27へ送出される。他方、洗浄剤収納タンク
14には、可性ソーダを主成分とした洗浄剤が収納され
ている。この洗浄剤収納タンク14にも、電磁バルブ2
8が繋がれている。これら電磁バルブ27、28はホー
ス15によって、洗浄液体供給ノズル12と接続されて
いる。
【0017】この洗浄液体供給ノズル12は、上記水ま
たは洗浄剤を車両1に噴霧できるよう、車両1の斜め上
方において、対峙して取り付けられている。また、電磁
バルブ27、28は、制御回路60(図3参照)に接続
されており、その開閉が制御される。例えば、制御回路
60によって、電磁バルブ27、28の開閉がそれぞれ
制御され、水または洗浄剤が洗浄液体供給ノズル12よ
り噴霧される。
【0018】コーティング剤供給装置11は、コンプレ
ッサ17、コーティング剤収納タンク18、電磁バルブ
31、ホース19及びノズル16から構成されている。
コーティング剤収納タンク18は、電磁バルブ31及び
ホース19を介してノズル16に繋がれている。
【0019】電磁バルブ31は、制御回路60と接続さ
れており、その開閉が制御される。コーティング剤収納
タンク18には、シリコーン化合物と両性界面活性剤と
水とが混合されたコーティング剤が収納されている。こ
のコーティング剤は、水中油滴型のエマルジョン状態に
されている。このコーティング剤の説明は下記に記述さ
れている。そして、コンプレッサ17からノズル16へ
と送られる圧縮空気により、コーティング剤収納タンク
18内のコーティング剤が噴霧される。なお、このコー
ティング剤の噴霧は、コンプレッサ17によらず、次の
ようにされてもよい。例えば、LPガスなどの加圧ガス
で液を噴霧するエアゾール容器が、洗車機本体2内側に
取り付けられる。そして、このエアゾール容器が電磁ソ
レノイド等で操作されて、コーティング剤が噴霧されて
もよい。すなわち、コーティング剤が車両1上に噴霧で
きれば、如何なるものでもよい。
【0020】したがって、手動式のポンプによって液を
噴霧する手動式のスプレーガンや、加圧空気によって液
を噴霧するエア加圧式スプレーや、液自体を加圧してノ
ズルより噴霧するモーター動力式スプレーや、液を自然
落下によって車両1表面に散布する落下式(シャワー
式)液散布機でもよい。加えて、コーティング剤の散布
状態は、霧状、泡状、水滴状の如何なるものでもよい。
【0021】また、洗車機本体2内部の上方には、ブロ
ア63が、その排風口63aを車両1へ向けるように設
置されている。このブロア63から吹き出される風によ
り、車両1上に残留される水分等が吹き飛ばされる。
【0022】上記コーティング剤収納タンク18に収納
されるコーティング剤は、洗浄剤による化学的な侵食に
対する防護能力が十分なものであり、しかも、車両1の
塗装面に残存する水の滑性を利用してコーティング被膜
を形成できるものがよい。よって、本発明では、シリコ
ーン化合物が用いられた。
【0023】このシリコーン化合物としては、アミノ変
性シリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、ポリ
エーテル変性シリコーン等がある。シリコーンは、珪素
と酸素とが交互に結合してできた主鎖よりなるポリマー
(コーティング剤)であって、耐候性、対溶剤性、難燃
性、低毒性、電気絶縁性、撥水性等の特徴を持つ。他の
コーティング剤としては、フッソ重合体、天然ワック
ス、合成ワックス、シリコン樹脂、フッ素樹脂等でもよ
いし、これらとシリコーン化合物とを混合してもよい。
【0024】なお、シリコーン化合物単体では、水溶液
中に容易に分散(乳化、溶解)されない。そこで、水に
シリコーン化合物と界面活性剤などとを混合して分散
(乳化、溶解)させる。この分散状態はエマルジョン状
態、又はマイクロエマルジョン状態である。
【0025】そしてさらに、シリコーン化合物の界面自
由エネルギーを減少させるべく、分子中にアニオン基と
カチオン基を併せ持った両性界面活性剤が加入添加混合
されている。この両性界面活性剤の働きによって、エマ
ルジョン状態のシリコーン化合物粒子が連続相である水
中により良く分散される。
【0026】このように、両性界面活性剤でシリコーン
化合物がより良く水中に分散されたコーティング剤がコ
ーティング剤収納タンク18に収納されている。そし
て、コンプレッサ17の圧力で、ノズル16からこのコ
ーティング剤が車両1表面全体に噴射される。
【0027】車両1表面に噴射されたコーティング剤
は、両性界面活性剤と水との相互作用によって車両1表
面に一様に広がる。なぜなら、シリコーン化合物がもと
もとエマルジョン状態であり、しかも、両性界面活性剤
の加入混合によって水中にシリコーン化合物粒子がさら
により良く分散した状態になっているので、水の流れに
伴ってシリコーン化合物の粒子が車両1表面に容易に均
一に広がる。
【0028】そして、シリコーン化合物のアミノ基が物
質に吸着する作用等により、シリコーン化合物が車両1
表面の微少凹凸に付着される。この後、両性界面活性剤
が水で洗い流されると、シリコーン化合物のみが車両1
表面に残留される。これにより、車両1表面にシリコー
ン化合物の被膜が形成される。
【0029】これは、衣料品の洗濯の際、使用済みの洗
濯水で新たな衣料を洗濯した場合、油性分の汚れが再び
衣料品に付着する現象の応用である。したがって、コー
ティング剤への両性界面活性剤の添加量は、エマルジョ
ン状態のシリコーン化合物を、コーティング剤の水溶液
中により良く分散させるのに必要な、最低限の量が好ま
しい。
【0030】コーティング剤に添加される両性界面活性
剤には、N−(3−アシルアミノプロピル)−N、N−
ジメチルアンモニオカルボキシメチルベタイン、N−
(2−アシルアミノエチル)−N−(2−ヒドロキシエ
チル)−グリシンナトリウム、アルキルジメチルカルボ
キシメチルベタイン、N−アルキルβ−アミノプロピオ
ン酸ナトリウム、アルキルジメチルアミンオキサイド等
があるが、ジメチル・アルキルベタイン型や、アミドベ
タイン型が好ましい。
【0031】コーティング剤収納タンク18に収納され
るコーティング剤には、必要により、車両1表面を保護
する脂肪酸アミン系等の防錆剤、ワックス、石油系炭化
水素等が混合されてもよい。
【0032】図2は、本発明による洗車装置25の内部
の様子を示す。洗車機本体2の両側壁を繋ぐように架設
された支持軸20に、2つの揺動アーム21、22が取
り付けられている。このアーム21、22の先端には、
上方回転ブラシ6が回転自在に取り付けられている。ま
た、揺動アーム21の回転支持部分には、電動機23が
装着されており、この電動機23の回転力で、揺動アー
ム21、22が上下動される。
【0033】したがって、支持軸20を中心に回転する
揺動アーム21、22により、上方回転ブラシ6が上下
に揺動される。また電動機23は、上方回転ブラシ6自
体の回転にも活用される。これにより、上方回転ブラシ
6は、回転されつつ車両1上を上下に揺動される。ま
た、洗車機本体2内の側面には、図示しない電動機で回
転される側方回転ブラシ8、9が設置されている。
【0034】上記コーティング剤供給装置11のノズル
16は支持軸20の適所に、1つまたは複数箇所固定さ
れている。このノズル16の噴出口は、車両1へ向けら
れている。また、洗車機本体2の内側に設けられた敷設
台24上に、コンプレッサ17及びコーティング剤収納
タンク18が固定されている。そして、コンプレッサ1
7から延びるホース19が、側壁に沿って洗車機本体2
内部の上方へ導かれる。このホース19は、回転ブラシ
6、8やその他の駆動機構の動きに支障がないように配
設された後、洗車機本体2内部上方から垂下されて、各
ノズル16に繋がれている。
【0035】なお、上記洗浄液体供給ノズル12及びノ
ズル16は洗車機本体2の内側の上方だけでなく側方に
設けられてもよい。また、側方回転ブラシ8、9は、電
動機(図示せず)から伝達される動力により、回転され
つつ、車両1に適度に押しつけられる。図3は、本洗車
装置に使用される制御回路60の機能ブロックを示す。
この制御回路60は、洗車機本体2内に設置されてお
り、主に、CPU50、ROM51、RAM52及び各
駆動回路とインターフェイス回路56から構成される。
そして、各デバイスが接続されたシステムバス53を介
して、データまたはチップアドレス等の情報が、各デバ
イス間で双方向伝達される。
【0036】CPU50によって、上記各デバイスの動
作が制御される。このCPU50が実行するプログラム
は、ROM51に記憶されている。また、上記RAM5
2には、各種汎用データなどのテンポラリ情報が記憶さ
れる。駆動回路54は、上記洗車機本体2内の電磁バル
ブ27、28、31、モータ26、電動機23、コンプ
レッサ17及びブロア63と接続されており、これら装
置のオン・オフがコントロールされる。
【0037】また、インターフェイス回路56には、リ
ミットスイッチSW1、SW2及び操作パネル&表示装
置58が接続されている。そして、リミットスイッチS
W1、SW2からのオン・オフ信号が入力されると共
に、操作パネル&表示装置58の操作パネルからは、洗
車機本体2の動作を指令する信号が伝達される。操作パ
ネルは、洗車機本体2外面に設置されており(図示せ
ず)、使用者による動作命令の入力手段として利用され
る。さらに、洗車機本体2の動作状態を示す情報が、イ
ンターフェイス回路56を介して表示装置(液晶ディス
プレイ等、図示せず)に出力される。
【0038】3.洗車方法 上記構成の洗車機本体2による洗車方法を、図4のフロ
ーチャートに基づきながら説明する。車両1が一組のレ
ール3間の所定位置に停車された後、洗車機本体2の作
動スイッチが操作者によってオンされると、先ず、ステ
ップ70〜82において車両の水洗い(水洗い工程A)
が行われる。この水洗い工程Aは、車両1の泥取りのた
めに行われる。すなわち、洗車機本体2が、ストッパ5
(図1)の直前位置からストッパ4方向(図1の矢印6
1)へ移動される(ステップ70)。この移動の開始に
際して、電磁バルブ27が開放され、車両1に水が噴霧
される(ステップ72)。それと同時に、回転ブラシ6
〜9が回転されつつ車両1に接触させる等の、その他の
処理が行われる(ステップ74)。
【0039】これらステップ70〜74の処理は、洗車
機本体2がストッパ4方向に移動されて、リミットスイ
ッチSW1がストッパ4に接触するまで繰り返される
(ステップ76)。なお、洗車機本体2がストッパ4の
直前まで移動されたとき、上方回転ブラシ6及び側方回
転ブラシ8、9は、車両1の後面の洗浄の後、完全に車
両1より離れるように設定されている。つまり、ブラシ
6〜9によって、完全に車両1の後面が洗浄される。
【0040】そして、洗車機本体2がストッパ4に当接
するまで、上記作業が行われた結果、車両表面に付着し
た泥等が、水噴霧を伴う回転ブラシ6〜9の洗浄により
除去される。リミットスイッチSW1がストッパ4に当
接されると、洗車機本体2の矢印61(図1参照)方向
への移動が停止される(ステップ78)。そして、電磁
バルブ27が閉じられ(ステップ80)、水の噴霧が停
止される。さらに、回転ブラシ6〜9の回転を停止させ
る等の、その他の処理が行われる(ステップ82)。
【0041】次に、ステップ84〜96の洗剤洗い工程
Bが開始される。この洗剤洗い工程Bは、車両1表面の
水垢を除去するために行われる。初めに、洗車機本体2
がストッパ4の直前位置からストッパ5方向へ移動(図
1の矢印62)される(ステップ84)。この移動開始
に併せて、電磁バルブ27、28が開放される(ステッ
プ86)。これにより、洗浄液体供給ノズル12から水
と洗浄剤との混合液体が、車両1に噴霧される。この混
合液体の噴霧に併せ、回転ブラシ6〜9が回転される等
の、その他の処理が行われる(ステップ88)。
【0042】これらステップ84〜88の処理は、洗車
機本体2が矢印62方向に移動されて、リミットスイッ
チSW2がストッパ5に接触するまで行われる(ステッ
プ90)。これにより、塗装面に塗布したワックスによ
る水垢が、上記混合液体を伴う回転ブラシ6〜9のブラ
ッシングにより、活性分解して除去される。そして、リ
ミットスイッチSW2がストッパ5に当たると、洗車機
本体2の矢印62方向への移動が停止される(ステップ
92)。
【0043】この後、電磁バルブ27、28が閉じられ
る(ステップ94)。なお、洗車機本体2がストッパ5
で停止されると、回転ブラシ6〜9は、車両1の前部を
ブラッシング後に離脱される。この後、回転ブラシ6〜
9の回転を停止させる等の、その他の処理が行われる
(ステップ96)。これで、洗剤洗い工程Bが終了され
る。
【0044】次に、水洗い工程Cが開始される。この水
洗い工程Cでは、上記工程Bで、車両1に散布された洗
浄剤が洗い流される。つまり、洗車機本体2が、ストッ
パ5の直前位置からストッパ4方向(図1の矢印61)
への移動が開始される(ステップ98)。このとき、電
磁バルブ27が開放され、車両1に水が噴霧される(ス
テップ100)。それと同時に、回転ブラシ6〜9が回
転されつつ車両1に接触させる等の、その他の処理が行
われる(ステップ102)。
【0045】これらステップ98〜102の処理は、洗
車機本体2が矢印61方向に移動されて、リミットスイ
ッチSW1がストッパ4に接触するまで繰り返される
(ステップ104)。リミットスイッチSW1がストッ
パ4に接触されると、洗車機本体2の移動が停止される
(ステップ106)。そして、電磁バルブ27が閉じら
れ(ステップ108)、水の噴霧が停止される。さら
に、回転ブラシ6〜9の回転が停止される等の、その他
の処理が行われる(ステップ110)。以上の水洗い工
程Cにより車両1上に残存した洗浄剤等が水洗いされ
る。
【0046】次に、コーティング剤の塗布工程Dが実行
される。つまり、車両1の表面が塗れた状態で、コーテ
ィング剤の塗布作業が、図4のステップ112〜124
によって行われる。初めに、洗車機本体2の矢印62方
向への移動が開始される(ステップ112)。洗車機本
体2の移動に伴い、電磁バルブ31が開放されると共
に、コンプレッサ17が稼動される(ステップ11
4)。コンプレッサ17の稼働に合わせて、その他の処
理が行われる(ステップ116)。これらステップ11
2〜116の処理は、リミットスイッチSW2がストッ
パ5に当接されるまで繰り返される(ステップ11
8)。
【0047】電磁バルブ31が開放されると共に、コン
プレッサ17が稼動されることで、ノズル16から車両
1へ向けて、勢いよくコーティング剤が噴射される。こ
れにより、水垢の落ちた車両1の塗装面全体に、コーテ
ィング剤が噴射される。このとき、回転ブラシ6〜9の
回転は停止されており、車両1へのコーティング剤の噴
射のみが行われる。こうして、コーティング剤が、車両
1の濡れた塗装面に噴射されるので、水と両性界面活性
剤との相互作用により車両1の表面にシリコーン化合物
が均一に広げられる。
【0048】この後、リミットスイッチSW2がストッ
パ5に当接されると、洗車機本体2の移動が停止される
(ステップ120)。この洗車機本体2の停止に併せ
て、電磁バルブ31が閉じられると共に、コンプレッサ
17が停止される(ステップ122)。さらに、その他
の処理が行われる(ステップ124)。
【0049】尚、車両表面が濡れた状態でのコーティン
グ剤の塗布は、霧吹きで塗装面を濡らした程度に少量の
水が残っている状態で行うのが好ましい。水の残量が多
すぎると、コーティング剤を定着させるまでの塗布量が
多くなるし、水の残量が少なすぎると、滑性を得られ
ず、コーティング剤の延びが悪くなりムラになる。そこ
で、コーティング剤の塗布の前に、ブロア63等による
送風で、車両1の余剰残存水が飛散されてもよい。
【0050】上記コーティング剤の塗布工程Dが完了さ
れると、車両1表面の水洗い行程E(図5)が実行され
る。初めに、洗車機本体2の矢印61方向への移動が開
始される(ステップ126)。洗車機本体2の移動に伴
い、電磁バルブ27が開放されて洗浄液体供給ノズル1
2から水のみが車両1へ噴霧される(ステップ12
8)。この作業に伴ってその他の処理が実行される(ス
テップ130)。そして、リミットスイッチSW1がス
トッパ4に当接されるまで上記作業が繰り返される(ス
テップ132)。
【0051】リミットスイッチSW1がストッパ4に当
たってONになると、洗車機本体2の移動が停止される
(ステップ134)。この洗車機本体2の停止に併せ
て、電磁バルブ27が閉じられると共に(ステップ13
6)、その他の処理が合わせて実行される(ステップ1
38)。この水洗い行程Eで、車両1に噴射されたコー
ティング剤中の不要な界面活性剤成分が除去される。こ
の水洗い行程Eでは、回転ブラシ6〜9の回転は停止さ
れている。
【0052】次に乾燥工程Fが実行される。洗車機本体
2が矢印62方向へ復動されると共に(ステップ14
0)、ブロア63が稼動される(ステップ142)。こ
れにより、車両1表面に残存する水分が飛散され、コー
ティング被膜の定着が促進される。このブロア63の駆
動に伴って、その他の処理が実行される(ステップ14
4)。なお、この乾燥工程Fでも、回転ブラシ6〜9の
回転は行われない。ステップ140〜144の処理は、
リミットスイッチSW1がストッパ4に当接されるまで
繰り返される(ステップ146)。
【0053】リミットスイッチSW1がストッパ4に当
たってONになると、洗車機本体2の移動が停止される
(ステップ148)。この洗車機本体2の停止に併せ
て、ブロア63の稼動が停止されると共に(ステップ1
50)、その他の処理が実行される(ステップ15
2)。これにより乾燥工程Fが終了される。以上のよう
にして、車両1の洗車とコーティング剤塗布作業が洗車
装置25を用いて行われる。
【0054】なお、上記コーティング剤塗布作業のみが
手作業で車両1に吹き付けられても良い。すなわち、洗
車装置25を用いず、手動式のスプレーガン等で、直
接、コーティング剤が車両1表面に吹き付けられてもよ
い。さらに、コーティング剤塗布後に、不要な両性界面
活性剤も、水道栓に取り付けたホースによる直接的な水
洗いで除去されてもよい。つまり、コーティング剤の塗
布及び不要両性界面活性剤の水洗いが、手作業で行われ
ても良い。このほか上記洗車工程の全てが手作業で行わ
れてもよい。
【0055】したがって、コーティング剤の塗布に用い
る機材も、加圧空気によって液を噴霧するエア加圧式ス
プレーや、液自体を加圧してノズルより噴霧するモータ
ー動力式スプレーや、液を自然落下によって車両1表面
に散布する落下式(シャワー式)液散布機等、如何なる
ものでもよい。しかも、コーティング剤噴霧後の界面活
性剤除去も、単に水をかける単純な水洗いでも良い。特
に、本発明のコーティング剤は、塗布後の簡単な水洗い
だけで不要な界面活性剤成分を除去できるので、コーテ
ィング剤塗布作業で洗車機が必須の手段とされていな
い。
【0056】4.コーティング剤 次に、各シリコーン化合物と色々な界面活性剤とを組み
合わせた各コーティング剤の塗布結果を説明する。使用
されたシリコーン化合物は以下のものである。第1シリ
コーン化合物は、例えば、ジメチルアミノポリシロキサ
ンのマイクロエマルジョン状態のアミノ変性シリコーン
オイルで、液中の有効成分が約20パーセントのもので
ある。
【数1】
【0057】第2シリコーン化合物は、例えば、ジメチ
ルアミノポリシロキサンのマイクロエマルジョン状態の
アミノ変性シリコーンオイルで、液中の有効成分は約3
0パーセントである。
【数2】
【0058】また、用いられた界面活性剤には、比較の
ため以下の界面活性剤と、本発明の両性界面活性剤とが
用いられた。第1界面活性剤は、例えば、ポリオキシエ
チレン・アルキルエーテルのノニオン(非イオン)界面
活性剤である。PH(ペーハー)は6〜8である。
【数3】
【0059】第2界面活性剤は、例えば、ポリオキシエ
チレン・アルキルエーテル硫酸塩のアニオン(陰イオ
ン)界面活性剤である。PH(ペーハー)は6〜8であ
る。
【数4】
【0060】そして、本発明に係る両性界面活性剤とし
ての第3界面活性剤は、例えば、アルキルベタインであ
り、PH(ペーハー)が6〜8の性質を有する。
【数5】
【0061】さらに、本発明に係る両性界面活性剤とし
ての第4界面活性剤は、例えば、アルキルアミドプロピ
ルベタインであり、PH(ペーハー)が6〜8の性質を
有する。
【数6】
【0062】上記各シリコーン化合物、界面活性剤及び
水を混合したコーティング剤の濃度パーセントを示す。
比較例1のコーティング剤は、第1シリコーン化合物を
3.0パーセント、水を97パーセントの比率で混合さ
れた。
【0063】比較例2のコーティング剤は、第1シリコ
ーン化合物を2.0パーセント、水を97.6パーセン
ト、第1界面活性剤を0.4パーセントの比率で混合さ
れた。比較例3のコーティング剤は、第1シリコーン化
合物を2.0パーセント、水を97.2パーセント、第
2界面活性剤を0.8パーセントの比率で混合された。
【0064】本発明に係る実施例1のコーティング剤
は、第1シリコーン化合物を2.0パーセント、水を9
6.8パーセント、第3界面活性剤を1.2パーセント
の比率で混合された。本発明に係る実施例2のコーティ
ング剤は、第1シリコーン化合物を1.0パーセント、
水を98.4パーセント、第4界面活性剤を0.6パー
セントの比率で混合された。
【0065】本発明に係る実施例3のコーティング剤
は、第2シリコーン化合物を0.7パーセント、水を9
8.7パーセント、第4界面活性剤を0.6パーセント
の比率で混合された。本発明に係る実施例4のコーティ
ング剤は、第1シリコーン化合物を15.0パーセン
ト、水を76.0パーセント、第4界面活性剤を9.0
パーセントの比率で混合された。
【0066】図6は、上記比較例1〜3と実施例1〜4
それぞれのコーティング剤を車両1表面に塗布されて形
成された保護膜の評価結果を示す。図6で示されるよう
に、比較例1〜3のコーティング剤では、レベリング
性、ムラ付き性、撥水性、仕上がり性の何れかに欠点が
生じた。これに対し、本発明に係る実施例1〜4では、
コーティング膜の形成結果において、全ての特性で十分
な効果が得られた。
【0067】なお、レベリング性とは、コーティング剤
塗布の際の、車両1表面におけるコーティング剤液の広
がり度合いをいう。したがって、レベリング性が良けれ
ば、速やかに車両1表面にコーティング剤が拡散するの
で、作業が容易かつ手作業が不要になる。
【0068】水濯ぎ性とは、車両1に吹き付けられたコ
ーティング剤の残存界面活性剤の除去容易性を表す。ム
ラ付き性とは、シリコーン化合物で形成される乾燥後の
保護膜において、シリコーン化合物が付着していない部
分の有無と、膜の厚みの均一性を表す。よって、ムラ付
き性が無いほど、形成されたコーティング膜においてシ
リコーン化合物の付着していない部分が少なく、かつ保
護膜の厚みが均一であることになる。撥水性は、形成し
たコーティング膜による水はじき度合いを表す。そし
て、仕上がり性は、形成されたコーティング膜による車
両1表面の光沢等の視覚的な美観の良さを示す。
【0069】上記各コーティング剤塗布結果の評価を示
す図6から次のことが理解される。本発明で用いたエマ
ルジョン状態のシリコーン化合物のみを車両1に散布し
た場合(比較例1)では、塗装面上でハジキ現象が発生
してムラ付きが起こり、コーティング効果にバラツキが
でた。つまり、シリコーン化合物が車両1表面により広
く分散されず、シリコーン化合物の付着しない車両の塗
装面部分があった。このためコーティング剤塗布後に、
布等を利用した手作業によって、コーティング剤を均一
に塗りのばさねばならなかった。
【0070】また、エマルジョン状態のシリコーン化合
物とノニオン界面活性剤とを組み合わせたコーティング
剤(比較例2)では、レベリング性を改善することがで
きないし、コーティング膜形成時の視覚的美観(光沢
等)が好ましくなかった。しかも、ノニオン界面活性剤
を増量するとレベリング性は改善されるものの、撥水性
等のコーティング効果が、逆に低下してしまった。
【0071】エマルジョン状態のシリコーン化合物と、
アニオン界面活性剤とからなるコーティング剤(比較例
3)では、レベリング性の問題は改善できるが、撥水性
等のコーティング効果が低下している。つまり、散布さ
れたコーティング剤が速やかに車両1表面に広がるが、
水洗いによって容易にコーティング膜が剥離した。
【0072】これに対して、本発明に係る実施例1〜4
の実験結果で示されるように、両性界面活性剤とエマル
ジョン状態のシリコーン化合物とが混合されたコーティ
ング剤では、レベリング性、水濯ぎ性、ムラ付き性、撥
水性、仕上がり性何れに於いても良い結果が得られた。
【0073】しかも、上記実施例1〜4におけるシリコ
ーン化合物と両性界面活性剤との濃度比率が最も効率良
く、コーティング剤全体の重量に対してこれ以下の濃度
では、十分なコーティング膜が形成されず、撥水性等の
効果が得られなかった。特に、実施例4の濃度比率のと
き、最もレベリング性、撥水性及び仕上がり性が改善さ
れた。
【0074】また、これ以上の濃度比率では、その効果
に変化がなく、むしろ、使用されないシリコーン化合物
や両性界面活性剤が増加するなど、不経済であった。さ
らに、両性界面活性剤を臨界ミセル濃度以上に多くして
もコーティング膜の形成に効果的な影響は与えないよう
であった。
【0075】なお、シリコーン化合物のエマルジョンの
中では、アミノ変性シリコーンオイルのエマルジョンが
塗装面への吸着性が高く好ましい。さらに、通常のエマ
ルジョン(分散、乳化)よりマイクロエマルジョンのほ
うが、シリコーンオイルが水溶液に可溶化(分散、乳
化)しており、より液安定性が高く、好ましい。マイク
ロエマルジョンは、エマルジョンよりシリコーン化合物
の粒子が小さく、分散から溶解にかけての粒子状態の中
では、溶解により近い状態となっている。
【0076】本発明のコーティング剤に用いる両性界面
活性剤としては、上述したようにジメチル・アルキルベ
タイン型、アルキルグリシン型、アミドベタイン型、イ
ミダゾリン型等が挙げられるが、ジメチル・アルキルベ
タイン型、アミドベタイン型が好ましかった。
【0077】本発明は上記実施例に限定されず、本発明
の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。特に、
本発明では、洗車装置25を用いる必要はまったくな
く、スプレー等の噴霧手段を利用し、手作業のみでコー
ティング剤塗布が行われても良い。この場合、本発明の
コーティング剤が、水と両性界面活性剤と、化学的に安
定なシリコーン化合物とが混合されたものであるので、
作業者に生物的な悪影響を及ぼす虞がほとんどなく、作
業時の安全性がより確実に確保されている。しかも、コ
ーティング剤塗布の作業場は如何なる場所でも可能で、
周囲環境への影響及び周囲環境からの悪影響に注意を払
う必要がない。つまり、如何なる場所でも、簡単にコー
ティング剤塗布作業が実施できる。
【0078】ところで、図1のコーティング剤供給装置
11は、ベルヌーイの定理を利用して、コーティング剤
が噴出されている。すなわち、T字型をしたパイプの足
部分がタンク内の液中に差し込まれた状態で、T字型パ
イプの上部直線部分のパイプ内に流速の速い気体が通過
されると、そのパイプ内の気圧がタンク内の気圧より低
下する。この結果、タンク内の液がT字型のパイプの足
部分から吸い出され、通過する気体に伴って上部直線部
分のパイプより噴出される。
【0079】したがって、流速の速い気体を生成するの
に、上例のようなコンプレッサ17で生成する必要はな
く、手動で往復運動されるピストン等で生成する装置
(手動式のスプレー)が利用されてもよい。さらには、
タンク内に加圧して閉じこめられた圧縮物質のその膨張
力を利用してコーティング剤が噴出されてもよい(エア
ゾールタイプのスプレー)。また、コーティング剤を上
方より自然落下させて、シャワー状に散布する装置が利
用されてもよい。
【0080】加えて、コーティング剤を車両1表面に噴
射させる際、コーティング剤を霧状にするばかりでな
く、水滴状にされてもよいし、泡状で散布されてもよい
し、単にコーティング剤がそのまま車両1にかけられて
も良い。泡状にするには、コーティング剤液中に直接圧
縮空気を送り込み、泡だてられた液剤が噴出されればよ
い。
【0081】さらにまた、上記実施例では、コーティン
グ剤にシリコーン化合物が用いられたが、本発明では、
これに限定されない。すなわち、天然ワックス、純粋カ
ルバナワックス、合成ワックス、シリコン樹脂、フッ素
樹脂等如何なるものが、コーティング剤(保護剤)の主
成分として用いられても良い。
【0082】なお、上記実施例では、自動車の塗装面に
コーティング剤を塗布したが、他の乗り物、例えば、航
空機、自動二輪、船舶等の塗装面の保護に用いても良い
し、家屋、鉄橋、ビルディングなどの外壁保護に用いら
れても良い。つまり、塗装面の保護ならば、如何なるも
のに本発明のコーティング剤が用いられても良い。特
に、本発明のコーティング剤は、アルコール等が含まれ
ないので、塗装面を溶かす等の悪影響が心配ない。
【0083】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、物体の
表面保護としてエマルジョン状態のシリコーン化合物
と、両性界面活性剤とを少なくとも含むコーティング剤
を用いた。これにより、散布されたコーティング剤が水
と両性界面活性剤との間で生ずる性で迅速かつ広範囲に
保護対象表面に拡散するので、保護膜の形成に手作業を
必要としない。
【0084】しかも、コーティング剤塗布後、簡単な水
洗いのみで不要な両性界面活性剤を除去できるので、手
作業による布ふき作業が全く必要でない。つまり、コー
ティング剤の噴霧に特別な装置を必要とせず、単にコー
ティング液を保護対象表面に流すだけでもコーティング
膜を形成させることができる。
【0085】しかも、化学的に安定なシリコーン化合物
と、両性界面活性剤からコーティング剤が構成されてい
るので、生物学的に、作業者、作業周囲環境及び被保護
対象表面に悪影響を及ぼすことが極めて少ない。特に、
シリコーン化合物の拡散にメタノール、エタノール等の
アルコール類を用いないので、作業者に対する生物学的
な悪影響や、保護対象面への悪影響を与える虞も極めて
少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 洗車装置25の内部を透視した様子を示す図
である。
【図2】 洗車装置25の内部の様子を示す図である。
【図3】 制御回路60の機能ブロックを示す図であ
る。
【図4】 洗車装置25の動作フローチャートを示す図
である。
【図5】 洗車装置25の動作フローチャートを示す図
である。
【図6】 各界面活性剤とシリコーン化合物とが混合さ
れたコーティング剤による保護膜の評価を示す。
【符号の説明】
1…車両、2…洗車機本体、3…レール、4、5…スト
ッパ、6…上方回転ブラシ、8、9…側方回転ブラシ、
10…洗浄液体供給装置、11…コーティング剤供給装
置、12…洗浄液体供給ノズル、13…水槽タンク、1
4…洗浄剤収納タンク、15…ホース、16…ノズル、
17…コンプレッサ、18…コーティング剤収納タン
ク、19…ホース、20…支持軸、21、22…揺動ア
ーム、23…電動機、24…敷設台、25…洗車装置、
26…モータ、27、28、31…電磁バルブ、50…
CPU、51…ROM、52…RAM、53…システム
バス、54…駆動回路、56…インターフェイス回路、
58…操作パネル&表示装置、60…制御回路、61…
矢印、62…矢印、63…ブロア、63a…排風口。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコーン化合物と両性界面活性剤とを
    混合したことを特徴とする乗り物用のコーティング剤。
  2. 【請求項2】 上記シリコーン化合物がエマルジョン状
    態の変性シリコーンオイルであることを特徴とする請求
    項1記載の乗り物用のコーティング剤。
  3. 【請求項3】 上記変性シリコーンオイルがアミノ変性
    シリコーンオイルであることを特徴とする請求項2記載
    の乗り物用のコーティング剤。
  4. 【請求項4】 上記アミノ変性シリコーンオイルがマイ
    クロエマルジョン状態であることを特徴とする請求項3
    記載の乗り物用のコーティング剤。
  5. 【請求項5】 上記シリコーン化合物のシリコーン成分
    が0.01重量パーセント以上30.0重量パーセント以
    下であり、上記両性界面活性剤の濃度が0.005重量
    パーセント以上,40.00重量パーセント以下であるこ
    とを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の乗り
    物用のコーティング剤。
  6. 【請求項6】 水塗れ状態にある被保護面に上記コーテ
    ィング剤を散布することで、該被保護面の水分と、上記
    コーティング剤の両性界面活性剤との相互作用で、エマ
    ルジョン状態の上記シリコーン化合物が該被保護面全体
    に拡散・付着すると共に、後水洗浄で余剰両性界面活性
    剤を除去して保護膜を形成し、拭き取り手作業を省いた
    ことを特徴とする上記乗り物用のコーティング剤の塗布
    方法。
  7. 【請求項7】 手動又は電動で駆動されるピストンによ
    って送出される気体の圧力差で上記コーティング剤を噴
    出させるか、又は予め蓄えられた圧縮物質の膨張圧力で
    上記コーティング剤を噴出させるか、又は上記コーティ
    ング剤を自然落下させると共に、該噴出粒子を水滴状、
    キリ状又は泡状にしたことを特徴とする上記乗り物用の
    コーティング剤の塗布方法。
JP11174729A 1999-06-21 1999-06-21 乗り物用のコーティング剤及びコーティング剤の塗布方法 Pending JP2001002991A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11174729A JP2001002991A (ja) 1999-06-21 1999-06-21 乗り物用のコーティング剤及びコーティング剤の塗布方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11174729A JP2001002991A (ja) 1999-06-21 1999-06-21 乗り物用のコーティング剤及びコーティング剤の塗布方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001002991A true JP2001002991A (ja) 2001-01-09

Family

ID=15983646

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11174729A Pending JP2001002991A (ja) 1999-06-21 1999-06-21 乗り物用のコーティング剤及びコーティング剤の塗布方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001002991A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003003127A (ja) * 2001-06-20 2003-01-08 Ge Toshiba Silicones Co Ltd 撥水性つや出し剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003003127A (ja) * 2001-06-20 2003-01-08 Ge Toshiba Silicones Co Ltd 撥水性つや出し剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3328344B2 (ja) 発泡型洗浄艶出し剤の発泡状態保持時間を制御する方法
JPH0672239B2 (ja) 艶出し洗浄方法
MX2008007043A (es) Composicion de lavado y encerado seca rociable y metodo para su uso.
US6562114B1 (en) Wax and method of wax application
JPH08112576A (ja) 塗装面の洗浄方法
JP3769710B2 (ja) 自動車用洗浄剤組成物
JPH06506496A (ja) 低揮発性有機化合物の洗浄組成物及び方法
JPWO2003016452A1 (ja) 乗り物の洗浄剤、乗り物の洗浄方法及び乗り物の洗浄装置
WO1994019441A1 (en) Washing method and composition
JPH11500480A (ja) 表面クリーニングのためのプロセスと組成物
JP2001002991A (ja) 乗り物用のコーティング剤及びコーティング剤の塗布方法
JP4571301B2 (ja) 乗り物の表面の改善方法及び改善装置
CS186491A3 (en) Process, wiper and cleaning means for cleaning glass panes
JPH11217586A (ja) 乗り物用の洗浄剤、乗り物の洗浄方法及び乗り物の洗浄装置
JP2503060B2 (ja) 洗浄と撥水性付与を兼ねた艶出し剤
KR20000048559A (ko) 연마 도포구에서의 다목적 클리너 및 광택제
JP4334260B2 (ja) 光沢撥水付与組成物、その製造方法及び自動塗布方法
US5073407A (en) Method of treating a surface
US8449663B2 (en) Wax composition, method for manufacturing, and method for waxing
JPH09277913A (ja) 洗車装置
JP2530390B2 (ja) 洗車方法及び洗車装置
JPH11115694A (ja) 乗り物の洗浄方法及び乗り物の洗浄装置
JP2766483B2 (ja) 車輌のつや出し方法
JP4358566B2 (ja) 車両塗装面の艶出し方法
JP2001011435A (ja) 撥水処理剤