JP4571235B2 - 経路制御装置、経路異常予測装置、方法、およびプログラム - Google Patents

経路制御装置、経路異常予測装置、方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、複数の伝送経路が利用可能なネットワークにおける経路制御装置、経路異常予測装置、方法、およびプログラムに関する。
従来、複数の端末装置(パソコン、PDA、携帯電話、カーナビなどの車載機器など)に中継機能を備え、各端末装置間を無線通信によって相互接続してなるメッシュネットワークが実用化されている。
メッシュネットワークには、各端末装置の参加、移動、脱退に応じてネットワークを動的に構成可能であるという、従来の固定的なネットワークにはない柔軟性がある。しかし、その反面、端末の移動や、障害物による無線通信環境の変化などにより、伝送品質の劣化が発生し、データの伝送経路が絶たれる問題が起こり得る。
そのため、メッシュネットワークでは、複数の伝送経路(単に経路とも言う)のなかから1つを動的に選択してデータの伝送に利用する制御が行われる。一般的に、伝送経路が動的に制御されるネットワークは、アドホックネットワークと呼ばれている。
アドホックネットワークにおいて、高品質かつ高信頼なデータ伝送を行う上で好ましい経路を選択するための種々の技術が周知となっている(例えば、特許文献1および特許文献2を参照)。
特許文献1は、データの送信前および送信中に送信先へ通じる複数の経路に経路調査フレームを送信することにより、各経路上の中継局の状態に関する経路情報(例えば、リトライ回数や回線負荷値)を収集し、収集された経路情報を用いて、データの送信に先立って使用すべき経路を決定し、またデータの通信中にも異常を検出して経路を切り替える技術を開示している。
特許文献2は、各経路に所定のパケットを送信することにより、経路を構成する中継端末が中継するパケットの遅延の原因になるトラフィック量の総量を取得し、取得されたトラフィック量の総量が最も小さい経路をパケットの伝送に使用する技術を開示している。
特開2001−136178号公報 特開2005−347879号公報
しかしながら、従来の技術では、データの伝送に使用している経路に、伝送品質が劣化し、また負荷が上昇するような異常が発生した場合に、経路をすばやく切り替えることができないという第1の課題がある。この課題は、異常が発生したことを、リトライ回数、回線負荷値、トラフィック量の総量といった経路情報を用いて事後に検出するために生じる。
また、少ないリソース(例えば、通信量、消費電力、所要時間)で、かつ異常を適時に発見できる経路情報を収集するための好適な方法が開示されていないという第2の課題がある。
例えば、リソースを抑えるために、予め設定されたしきい値に達しない程度の異常を示す経路情報は収集しないという単純な方法では、しきい値に応じてリソースの抑制効果と異常を見逃す危険性とが相反するため、好適なしきい値を見出せないことが多い。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、アドホックネットワークにおいて経路切り替えをすばやく行うことができる経路制御技術の提供を第1の目的とする。
また、経路情報の収集に必要なリソースを抑え、かつ起こり得る異常も見落としにくい経路制御技術の提供を第2の目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の経路制御装置は、複数の中継器を介して送信端末から受信端末までデータを伝送するための経路を制御する経路制御装置であって、前記送信端末から前記受信端末までデータを伝送するための複数の経路を示す経路情報を生成する経路情報生成部と、前記経路情報で示される各経路に少なくとも1つずつ定められる監視候補となる中継器において1つの送信元から1つの宛て先へ中継される1つ以上のパケットの列であるフローの個数を、各中継器における伝送品質の劣化および負荷の上昇を含む異常の発生のしやすさを表す異常生起確度値として用いて、各中継器における前記異常を予測する経路異常予測部と、前記異常生起確度値に基づいて、前記送信端末から前記受信端末までのデータの伝送に用いるべき経路を選択する迂回経路選択部とを備える。
ここで、前記迂回経路選択部は、前記監視候補としての前記中継器の1つ以上において前記異常が予測された場合に、前記経路情報によって示される前記複数の経路の中から、前記異常が予測された前記中継器含む経路を除外して、前記送信端末から前記受信端末までのデータの伝送に用いるべき経路を選択してもよい。
また、前記経路異常予測部は、前記各中継器が中継するフローのうち、前記送信端末から前記受信端末へのフロー以外のフローの個数を、前記異常生起確度値として用いてもよい。
また、前記経路異常予測部は、前記各中継器が中継するフローのうち、受信のための通信回線の伝送帯域よりも、送信のための通信回線の伝送帯域のほうが小さいフローの個数を、前記異常生起確度値として用いてもよい。
また、前記経路異常予測部は、前記監視候補となる前記各中継器の異常生起確度値を監視すべき頻度を表す監視頻度値を記憶している監視頻度値記憶部と、前記各中継器について所定の確率値である選択確率値を生成する選択確率値生成部と、前記監視頻度値と前記選択確率値とに従って、前記各中継器の中から異常生起確度値の監視の対象となる中継器を特定する監視対象特定部と、前記監視対象特定部によって特定された中継器から異常生起確度値を取得する異常生起確度値取得部と、前記取得された異常生起確度値を記憶する異常生起確度値記憶部と、前記記憶された異常生起確度値を用いて、前記監視頻度値記憶部に記憶されている前記監視頻度値の妥当性を表す活性度を算出する活性度算出部と、前記活性度に基づき、前記監視頻度値記憶部に記憶されている前記監視頻度値を更新する監視頻度値更新部とを有してもよい。
また、前記迂回経路選択部は、前記監視候補となる前記各中継器との通信における伝送品質を表す伝送品質値を測定し、測定された前記伝送品質値によって表される伝送品質が予め定められた基準よりも悪い中継器を含む経路をさらに除いた経路の中から、前記送信端末から前記受信端末までのデータの伝送に用いるべき経路を選択してもよい。
また、前記迂回経路選択部は、前記監視候補となる前記各中継器のいずれについても伝送品質が予め定められた基準よりも悪いことを示す伝送品質値が測定された場合、前記各中継器から中継器内での輻輳のレベルを表す負荷値を収集し、前記伝送品質値にかかわらず、収集された前記負荷値によって表される輻輳のレベルが予め定められた基準よりも高い中継器を含む経路の中から、前記送信端末から前記受信端末までのデータの伝送に用いるべき経路を選択してもよい。
また、前記経路異常予測部は、前記異常が予測された中継器の周囲で発生している異常の規模を示す異常発生規模情報を取得し、取得された前記異常発生規模情報によって示される異常の規模が予め定められた基準よりも小さい場合は、前記迂回経路選択部における前記経路の選択を抑止してもよい。
また、前記経路異常予測部は、前記異常が予測された中継器の周囲で発生している異常の規模を示す異常発生規模情報を取得し、前記迂回経路選択部は、取得された前記異常発生規模情報によって示される異常の規模が予め定められた基準よりも大きい場合は、前記経路情報によって示される前記複数の経路の中から、前記異常が予測された前記中継器含む経路を除外して、経路のホップ数が最も大きな1つを選択してもよい。
また、前記経路制御装置は、前記送信端末か、または前記ネットワークを構成する前記複数の中継器の1つに設けられてもよい。
本発明は、このような経路制御装置として実現できるのみならず、経路異常予測装置、経路制御方法およびプログラムとして実現することもできる。
以上説明したように、本発明の経路制御装置によれば、中継器において中継されるフローの個数を異常生起確度値として用いて当該中継器の異常を予測し、異常が予測された中継器を含む経路を除外して、新たにデータの伝送に用いるべき経路を選択する。これにより、所定の統計量に反映されるような伝送品質の劣化や負荷の上昇が実際に生じる前に、すばやい迂回処理が可能になる。
また、異常の発生のしやすさに応じた監視頻度に従って確率的に選ばれた中継器から異常生起確度値を収集して異常の予測に用いる。これにより、監視コスト(監視パケットの量、消費電力、観測所要時間)を抑え、かつ異常の見落としも確率的に回避可能になる。
図1は、本発明の経路制御方法に従って伝送経路の制御が行われるアドホックネットワークの一例を模式的に示す図である。 図2(A)〜(D)は、フローの交差について説明する図である。 図3(A)、(B)は、フローに発生する伝送帯域ギャップについて説明する図である。 図4は、本発明の実施の形態にかかるネットワークシステムの構成の一例を示す図である。 図5は、中継器の動作の一例を示すフローチャートである。 図6は、端末装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図7(A)は、中継器で中継されるフローの一例を示す図である。図7(B)は、フロー情報テーブルの一例を示す図である。 図8は、交差フロー数決定処理の一例を示すフローチャートである。 図9(A)は、中継器200で生じている伝送帯域ギャップの一例を示す図である。図9(B)は、フロー情報テーブルの一例を示す図である。 図10は、伝送帯域ギャップ数決定処理の一例を示すフローチャートである。 図11は、経路異常予測部の機能的な構成の一例を示すブロック図である。 図12は、各中継器の監視頻度値と異常生起確度値の一例を示す図である。 図13は、各中継器の監視頻度値と異常生起確度値の一例を示す図である。 図14は、異常生起確度値テーブルのデータ構造の一例を示す図である。 図15は、監視頻度値テーブルのデータ構造の一例を示す図である。 図16は、活性度算出部によって実行される処理の一例を示すフローチャートである。 図17は、監視頻度値更新部によって実行される処理の一例を示すフローチャートである。 図18は、監視対象選択部によって実行される処理の一例を示すフローチャートである。 図19は、正規化済監視頻度値テーブルのデータ構造の一例を示す図である。 図20は、迂回経路選択処理の一例を示すフローチャートである。 図21は、本発明の経路制御方法が適用されるネットワークの具体的な構成の一例を示す模式図である。 図22は、ネットワークにおける異常の発生のしかたについて説明する図である。 図23は、本発明の変形例にかかるネットワークシステムの構成の一例を示す図である。 図24は、異常の規模を判定する処理の一例を示すフローチャートである。
本発明の実施の形態にかかる経路制御装置および経路制御方法について、図面を参照しながら説明する。
(経路制御の概要)
図1は、本発明の経路制御方法に従って伝送経路の制御が行われるアドホックネットワークの一例を模式的に示す図である。
図1には、一例として、複数の中継器を通信回線で相互に接続してなるアドホックネットワークにおいて、送信端末から受信端末までの3つの経路(1つの主経路および2つの迂回経路)が示されている。各経路には監視候補となる中継器が少なくとも1つずつ定められる。主経路は現用の経路を示し、迂回経路は待機中の経路を示す。
図1に示すアドホックネットワークにおいて、監視対象としての中継器に異常が予測された場合に、前記複数の経路の中から、異常が予測された中継器を含む経路を除外して、送信端末から受信端末までのデータの伝送に用いるべき新たな経路が選択される。典型的には、主経路上の中継器に異常が予測された場合に、迂回経路の1つが新たな主経路として選択される。経路の選択基準については、後ほど詳しく説明する。
異常とは、中継器が望ましい通信状態から逸脱すること(例えば、伝送品質が劣化すること、および負荷が上昇することを含む)を言う。異常が発生しやすい状況を検出することを、異常を予測すると言う。
本発明では、異常を予測するために、従来の異常検出に用いられるリトライ回数、回線負荷値、トラフィック量などの、異常が実際に生じている事実を反映する統計量ではなく、中継器によって中継されるフローの個数を、異常の発生のしやすさを表す異常生起確度値として用いる。フローとは、1つの送信元から1つの宛て先へ中継される1つ以上のパケットの列を言う。どのようなフローの個数を異常生起確度値として数えるかは、後ほど詳しく説明する。
異常生起確度値は、監視候補の中から所定の監視頻度に従って監視対象に選ばれた中継器から、周期的に収集される。この監視頻度は、既に収集されている異常生起確度値を用いて、異常が発生しやすい中継器ほど高い頻度で監視対象に選ばれ、かつ異常が発生しにくい中継器も低い頻度で監視対象に選ばれるように定められる。監視対象になるべき中継器は、この監視頻度に選択確率値を加えることで、確率的に選択される。
以上のように実行される経路制御によれば、中継器において中継されるフローの個数を異常生起確度値として用いて異常を予測するので、所定の統計量に反映されるような伝送品質の劣化や負荷の上昇が実際に生じる前に、主経路における異常を予測して迂回経路への切り替えを行うことができる。その結果、すばやい迂回処理が可能になる。
また、異常の発生のしやすさに応じた監視頻度に選択確率値を加えることで確率的に選ばれた中継器から異常生起確度値を収集して異常の予測に用いる。その結果、監視コスト(監視パケットの量、消費電力、観測所要時間)を抑え、かつ異常の見落としも確率的に回避できる。
(交差フロー数および伝送帯域ギャップ数の定義)
異常生起確度値の一例として、交差フロー数および伝送帯域ギャップ数を定義する。異常生起確度値は、前述したように、中継器において中継されるフローの個数であり、中継器における異常の発生しやすさを表す。
まず、交差フロー数の定義について説明する。
図2(A)〜図2(D)は、フローの交差について説明する図である。
フローとは、前述したように、1つの送信端末から1つの受信端末へ伝送される1つ以上のパケットの列を言う。つまり、同一の送信元IPアドレスおよびポート番号、ならびに、同一の宛て先IPアドレスおよびポート番号を持った1つ以上のパケットの列を1つのフローと数える。
中継器が複数のフローを中継する場合、1つのフローを着目するフローとして、送信元IPアドレスおよびポート番号、ならびに、宛て先IPアドレスおよびポート番号のうちのいずれか1つでも着目するフローとは異なるフローを、着目するフローに対して交差するフローと定義する。
図2(A)には、着目するフローとは送信元IPアドレスおよび宛て先IPアドレスのいずれもが異なる2本の交差するフローが模式的に示されている。なお、IPアドレスの違いは図中で中継器からの方向の違いで表現される。
また、図2(B)には、着目するフローとは送信元IPアドレスおよび宛て先IPアドレスのいずれもが異なる3本の交差するフローが模式的に示されている。
また、図2(C)には、着目するフローとは送信元IPアドレスが同一でかつ宛て先IPアドレスが異なる2本の交差するフローが模式的に示されている。
また、図2(D)には、着目するフローとは送信元IPアドレスが異なりかつ宛て先IPアドレスが同一の交差するフロー、着目するフローとは送信元IPアドレスおよび宛て先IPアドレスが逆になっている交差するフロー、ならびに、着目するフローとは送信元IPアドレスおよび宛て先IPアドレスが一致するが送信元ポート番号および宛て先ポート番号の少なくともいずれか一方が異なる交差するフローが模式的に示されている。
本発明では、送信端末から受信端末へ流れるフローを着目するフローとし、各中継器において、着目するフローに対して交差するフローの個数を交差フロー数と定義する。
交差フロー数が多いほど、中継器で中継されるべきトラフィック量が多くなりやすく、かつ無線通信環境の変化(例えば、機器の移動や障害物の変化など)に対する安定性の余裕が小さくなりやすいため、中継器で異常が発生しやすくなると判断する。
次に、伝送帯域ギャップ数の定義について説明する。
図3(A)、図3(B)は、フローに発生する伝送帯域ギャップについて説明する図である。
ある種の無線通信の規格では、通信回線における信号の減衰の大きさによって伝送帯域を変化させることが規定される。例えば、無線LANの規格であるIEEE802.11a、11gでは、無線リンクの伝送帯域を、信号の減衰が大きくなるにつれて段階的に、54Mビット/秒から48、36、24、12、9、6Mビット/秒へ落とすことが規定されている。
このような規格に基づく通信では、車々間通信において中継器として機能する車が移動する場合や、道路に固定的に設置された基地局間を障害物としてのトラックが通過する場合など、信号の減衰により無線リンクの伝送帯域が大きく低下することがある。
中継器が中継する1つのフローに関して、受信側と送信側のそれぞれの無線リンクの伝送帯域は、一般的には独立して変動する。
図3(A)には、受信側の無線リンクの伝送帯域よりも送信側の無線リンクの伝送帯域のほうが大きい場合が模式的に示されている。
図3(B)には、受信側の無線リンクの伝送帯域よりも送信側の無線リンクの伝送帯域のほうが小さい場合が模式的に示されている。
本発明では、フローの受信側の無線リンクの伝送帯域よりも当該フローの送信側の無線リンクの伝送帯域のほうが小さい場合を、伝送帯域ギャップが生じていると定義する。そして、中継器において、伝送帯域ギャップが生じているフローの個数を伝送帯域ギャップ数と定義する。
伝送帯域ギャップ数が大きいほど、中継器内のバッファで残留するパケットが多くなりやすいため、中継器で異常が発生しやすくなると判断する。
(経路制御装置を含むネットワークの構成)
図4は、本実施の形態にかかる経路制御装置としての端末装置300を含むネットワークシステム100の構成の一例を示す図である。
図4に示すように、本実施の形態にかかるネットワークシステム100は、端末装置300、端末装置400を含む複数の端末装置と複数の中継器200とが通信回線で接続されてなるアドホックネットワークである。端末装置300および端末装置400は、それぞれ上述の送信端末および受信端末に対応する。ここで、それぞれの通信回線は無線回線であっても有線回線であってもよく、また、一部または全ての端末装置は中継器としての機能を含んでいてもよい。
ネットワークシステム100を、一般的な通信ネットワークシステムとして考える場合、具体的に、端末装置300は、カメラ、携帯電話、テレビ、カーナビ、パソコンなどの機器に対応し、中継器200は、ルータ、スイッチなどの機器に対応する。
図4において、中継器200は、パケットを受信するパケット受信部206と、受信したパケットの転送先を判定する経路制御部207と、決定された転送先へパケットを送信するパケット送信部208と、交差フロー数および伝送帯域ギャップ数の一方または両方を異常生起確度値として決定する異常生起確度値決定部209とを備える。
端末装置300は、データの送受信を行うデータ送受信部301と、主経路と迂回経路とを示す経路情報を生成する経路情報生成部302と、中継器200から収集した異常生起確度値(交差フロー数および伝送帯域ギャップ数の一方または両方)を用いて中継器の異常を予測する経路異常予測部303と、主経路上の中継器に異常が予測されたときに迂回経路の1つを新たな主経路として選択する迂回経路選択部304と、通信制御を行う通信部305とを備える。
以下では、中継器200および端末装置300のそれぞれの動作の概要を、従来の技術に属する事項を含めて簡略に説明し、その後、中継器200の特徴的な動作、および端末装置300の特徴的な構成と動作について詳細に説明する。
(中継器の動作の概要)
中継器200の動作の概要について説明する。
図5は、中継器200の動作の一例を示すフローチャートである。
パケット受信部206は、通信回線で接続された中継器または端末装置からデータを受信する(S101)。
経路制御部207は、経路制御部207が管理する経路情報に基づき、パケットの行き先ごとの送信キューにパケットを格納する(S102)。
パケット送信部208は、各送信キューの残量に基づき、送信キューごとの送信間隔を制御し、パケットを送信する(S103)。
異常生起確度値決定部209は、異常生起確度値としての交差フロー数および伝送帯域ギャップ数の一方または両方の最新値を、後ほど詳しく述べる手順に従って、周期的に決定する(S104)。
異常生起確度値決定部209は、端末装置300からの問合せに応じて、決定した異常生起確度値を通知する(S105)。
(端末装置の動作の概要)
経路制御装置としての端末装置300の動作の概要について説明する。
図6は、端末装置300の動作の一例を示すフローチャートである。
経路情報生成部302は、主経路と迂回経路とを示す経路情報を生成し、主経路を示す経路情報を主経路上の中継器200へ通知する(S201)。
データ送受信部301は、テキスト、映像、音声など様々な種類の情報を含むデータを、主経路を介して伝送する(S202)。
通信部305は、主経路および迂回経路のそれぞれにおける各中継器200から、各中継器200の異常生起確度値決定部209にて決定された異常生起確度値を収集する(S203)。
経路異常予測部303は、各中継器200から収集された異常生起確度値に従って異常が発生しやすい中継器ほど高い頻度で監視対象に選ぶための監視頻度値を決定し、決定された監視頻度値を用いて監視対象になるべき中継器を選択する(S204)。
経路異常予測部303は、通信部305を介して、監視対象に選ばれた中継器から最新の異常生起確度値を収集する(S205)。
経路異常予測部303による中継器の選択および監視のための構成および処理については、後ほど詳細に説明する。
迂回経路選択部304は、監視対象に選ばれた中継器200について、伝送品質を表す伝送品質値、および負荷の大きさを表す負荷値を取得する(S206)。
経路異常予測部303は、収集された異常生起確度値を用いて、中継器の異常を予測する(S207)。例えば、主経路上の中継器200から、予め定められた良判定の上限値を超える異常生起確度値が取得された場合、主経路上の中継器に異常が予測されたことを迂回経路選択部304へ通知する(S207でYES)。
迂回経路選択部304は、前記通知を受けると、決定された伝送品質値によって表される伝送品質が予め定められた基準よりも悪い中継器を含まない迂回経路(典型的には、決定された伝送品質値によって示される伝送品質が最も良い迂回経路)を新たな主経路として選択する。そして、新たな主経路を示す経路情報を新たな主経路上の中継器200へ通知することにより、新たな主経路を介してデータの伝送を行う(S208)。
迂回経路選択部304による迂回経路選択処理については、後ほど詳細に説明する。
(交差フロー数、伝送帯域ギャップ数の決定処理の詳細)
異常生起確度値決定部209による交差フロー数および伝送帯域ギャップ数の決定処理について、詳細に説明する。
まず、異常生起確度値決定部209が交差フロー数を決定し、決定された交差フロー数を異常生起確度値として端末装置300へ通知する場合について説明する。
図7(A)は、中継器200で中継されるフローの一例を示す図である。図7(A)の例では、主経路上で伝送される着目するフロー1(アドレスAからアドレスBへのパケットの列)に対して、2つの交差するフロー2およびフロー3(アドレスCからアドレスDへのパケットの列)が示されている。
図7(B)は、異常生起確度値決定部209に設けられるフロー情報テーブルの一例を示す図である。フロー情報テーブルには、中継器200が中継する個々のフローについてフロー情報が記録される。フロー情報は、フローを識別する識別番号、フローを構成するパケットの送信元IPアドレス、送信元ポート番号、宛て先IPアドレス、宛て先ポート番号、およびフローが最後に確認された時刻である更新時刻からなる。
図7(B)に示されるフロー情報テーブルの内容例は、図7(A)に対応しており、例えば、フロー1について、識別番号が1、送信元アドレスがA、送信元ポート番号が1000、宛て先アドレスがB、宛て先ポート番号が2000、更新時刻がT1であるフロー情報が記録されている。
図8は、異常生起確度値決定部209によって実行される交差フロー数決定処理の一例を示すフローチャートである。交差フロー数決定処理は、例えば、中継器200が1つのパケットを中継するたびに実行される。
経路制御部207は、中継するパケットを解析することにより、パケットのIPヘッダーから送信元IPアドレスおよび宛て先IPアドレスを抽出し、パケットのTCPヘッダーまたはUDPヘッダーから送信元ポート番号および宛て先ポート番号を抽出する(S301)。
異常生起確度値決定部209は、送信元IPアドレス、宛て先IPアドレス、送信元ポート番号、および宛て先ポート番号の値が抽出されたそれぞれの値と一致するフロー情報をフロー情報テーブルから検索する。当該フロー情報がフロー情報テーブルに存在すれば、フロー情報テーブルにおける当該フロー情報の更新時刻を現在時刻に変更する。当該フロー情報がフロー情報テーブルに存在しなければ、当該フロー情報を、更新時刻を現在時刻として生成して、フロー情報テーブルへ追加する(S302)。
更新時刻と現在時刻との比較によって一定期間更新されていないことが示されるフロー情報を、フロー情報テーブルから削除する(S303)。
異常生起確度値決定部209は、端末装置300から異常生起確度値の問合せがあった場合に、フロー情報テーブルに記録されているフロー情報の個数から1減じた数である交差フロー数を異常生起確度値として、端末装置300へ通知する(S304)。
次に、異常生起確度値決定部209が伝送帯域ギャップ数を決定し、決定された伝送帯域ギャップ数を異常生起確度値として端末装置300へ通知する場合について説明する。
図9(A)は、中継器200で生じている伝送帯域ギャップの一例を示す図である。図9(A)の例では、主経路上で伝送される着目するフロー1(アドレスAからアドレスBへのパケット列)に対して、2つの交差するフロー2およびフロー3(アドレスCからアドレスDへのパケット列)が示されている。
フロー1について受信側の伝送帯域10Mbpsよりも送信側の伝送帯域5Mbpsのほうが小さく、またフロー2およびフロー3について受信側の伝送帯域10Mbpsよりも送信側の伝送帯域8Mbpsのほうが小さい。つまり、図9(A)の例では、フロー1、フロー2、およびフロー3の全てに伝送帯域ギャップが生じている。
ここでは、このようなフローごとの受信側の伝送帯域を示す情報およびフローごとの送信側の伝送帯域を示す情報は、例えばパケット受信部206およびパケット送信部208でそれぞれ記録されているとする。
図9(B)は、異常生起確度値決定部209によって管理されるフロー情報テーブルの一例を示す図である。フロー情報テーブルには、中継器200において伝送帯域ギャップが生じている個々のフローについて、フローを識別する識別番号、フローを構成するパケットの送信元IPアドレス、送信元ポート番号、宛て先IPアドレス、宛て先ポート番号、更新時刻からなるフロー情報が記録される。
図9(B)に示されるフロー情報テーブルの内容例は、図9(A)に対応しており、例えば、伝送帯域ギャップが生じている識別番号が1のフローについて、送信元アドレスとしてA、送信元ポート番号として1000、宛て先アドレスとしてB、宛て先ポート番号として2000、更新時刻(フロー情報が最後に確認された時刻)としてT1が記録されている。
図10は、異常生起確度値決定部209によって実行される伝送帯域ギャップ数決定処理の一例を示すフローチャートである。伝送帯域ギャップ数決定処理は、例えば、中継器200が1つのパケットを中継するたびに実行される。
経路制御部207は、前述のステップS301と同様にして、中継するパケットから送信元IPアドレス、送信元ポート番号、宛て先IPアドレス、および宛て先ポート番号を抽出する(S401)。
異常生起確度値決定部209は、中継するフローの受信側の伝送帯域を示す情報、および送信側の伝送帯域を示す情報を、それぞれパケット受信部206およびパケット送信部208から取得する。
取得された情報によって中継するフローに伝送帯域ギャップが生じていると示される場合に、前述のステップS302と同様にして、中継するフローについてのフロー情報をフロー情報テーブルに追加するか、または当該フロー情報の更新時刻を変更する(S402)。
更新時刻と現在時刻との比較によって一定期間更新されていないことが示されるフロー情報を、フロー情報テーブルから削除する(S403)。
異常生起確度値決定部209は、端末装置300から異常生起確度値の問合せがあった場合に、フロー情報テーブルに記録されているフロー情報の個数である伝送帯域ギャップ数を異常生起確度値として、端末装置300へ通知する(S404)。
(経路異常予測部の構成の詳細)
経路異常予測部303の構成について、詳細に説明する。
図11は、経路異常予測部303の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
経路異常予測部303は、異常生起確度値取得部106、異常生起確度値記憶部107、活性度算出部109、監視頻度値更新部110、監視頻度値記憶部111、選択確率値生成部112、および監視対象選択部113から構成される。
異常生起確度値取得部106は、監視対象選択部113によって監視対象に選ばれた中継器から異常生起確度値(前述の交差フロー数および伝送帯域ギャップ数)を取得する。
異常生起確度値の取得は、監視対象の中継器に対して問合せパケットを発行することによって行われる。異常生起確度値の収集は、一定周期(例えば、現在時刻が計測予定時刻と一致または超過した時点で)行ってもよく、またその他の時間スケジューリングに従って行ってもよい。
異常生起確度値取得部106は、主経路上の中継器から異常生起確度値を取得した場合に、その異常生起確度値が予め定められた良判定の上限値を超えていれば、主経路において異常が発生しやすい状況になっていると判断して、主経路において異常が予測されたことを迂回経路選択部304へ通知する。
異常生起確度値記憶部107は、異常生起確度値取得部106で取得された異常生起確度値を中継器ごとに記憶する。
活性度算出部109は、異常生起確度値記憶部107で記憶されている各中継器の異常生起確度値と、監視頻度値記憶部111で記憶されている各中継器の監視頻度値とから、異常生起確度値が大きい中継器ほど監視頻度値が高いという傾向の強さを表す活性度を算出する。
監視頻度値更新部110は、算出された活性度に基づいて各中継器の新たな監視頻度値を算出し、監視頻度値記憶部111が記憶している監視頻度値を新たな監視頻度値で更新する。
監視対象選択部113は、監視頻度値記憶部111で記憶されている各中継器の監視頻度値に、選択確率値生成部112が生成する選択確率値を加えることで、監視対象になる中継器を確率的に選択する。
監視対象に選ばれた中継器は、異常生起確度値取得部106が次に異常生起確度値を取得する対象になるとともに、迂回経路選択部304へ通知され、迂回経路選択部304が伝送品質値および負荷値を決定する対象にもなる。
これら一連の処理が繰り返し実行されることにより、各中継器を監視するための頻度に異常の起こりやすさに応じた重み付けを行いつつ、全ての中継器への監視を行き届かせることができる。
(経路異常予測部における中継器の選択および監視処理の詳細)
上述のように構成される経路異常予測部303における中継器の選択および監視処理について、さらに詳細に説明する。
まず、各中継器の監視精度の考え方について説明する。なお、ここでは、監視精度とは監視頻度の妥当性のことを意味する。
図12および図13は、各中継器の監視頻度値と異常生起確度値の一例を示す図である。図12および図13の例では、送信端末から受信端末への伝送経路として、実線で示される主経路と、点線で示される3つの迂回経路とが示されている。また、主経路および各迂回経路には、それぞれ1つの中継器が監視候補として定められている。監視候補であるこれらの4つの中継器から監視対象になる中継器が確率的に選ばれ、異常生起確度値および伝送品質値が取得される。
ここで、異常生起確度値は、前述の交差フロー数また伝送帯域ギャップ数である。中継器4の異常生起確度値50が、中継器1〜中継器3の異常生起確度値5の10倍であることは、中継器4では、中継器1〜中継器3に比べて異常が発生しやすいことを示している。
また、監視頻度値は、監視対象として各中継器が選択される頻度を表す。例えば、中継器1の監視頻度値が0.2であることは、中継器1が、全ての監視回数のうち20%の回数で監視されることを示している。
異常が発生しやすい中継器ほど高い頻度で監視することは、限られた監視回数の中で異常を的確に予測する上で妥当である。
しかしながら、図12の例では、高頻度で監視される中継器は中継器3であり、異常が発生しやすいと考えられる中継器4は、他の異常が発生しにくいと考えられる中継器1および中継器2と同じ監視頻度値しか与えられていない。
このように異常生起確度値が大きい中継器ほど監視頻度値が高いという傾向が弱い場合を、監視精度が低い状態であると定義する。
これに対し、図13の例では、他の中継器に比べて異常生起確度値が大きい中継器4の監視頻度値が最も高く、その他の3つの中継器の監視頻度値はいずれも低い。
このように異常生起確度値が大きい中継器ほど監視頻度値が高いという傾向が強い場合を、監視精度が高い状態であると定義する。
(異常生起確度値記憶部107)
異常生起確度値記憶部107は、異常生起確度値取得部106で取得された異常生起確度値を、異常生起確度値テーブルを用いて記憶する。
図14は、異常生起確度値テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
異常生起確度値テーブルにおいて、第1列に各中継器の識別番号、第2列に各中継器のIPアドレス、第3列に各中継器から取得された異常生起確度値(交差フロー数または伝送帯域ギャップ数)が記録される。
(監視頻度値記憶部111)
監視頻度値記憶部111は、各中継器の監視頻度値を、監視頻度値テーブルを用いて記憶する。
図15は、監視頻度値テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
監視頻度値テーブルにおいて、第1列に各中継器の識別番号、第2列に各中継器のIPアドレス、第3列に各中継器の監視頻度値が記録される。
(活性度算出部109)
活性度算出部109は、前述した監視精度の高さを表す活性度αを算出する。活性度αは、異常が発生しやすい中継器ほど高い頻度で監視されるという傾向の強さを数値化した指標であり、具体的には、異常生起確度値と監視頻度値との相関の大きさで与えられる。
図16は、活性度算出部109によって実行される処理の一例を示すフローチャートである。
活性度算出部109は、異常生起確度値テーブルから各中継器の異常生起確度値liを読み込み(S40)、監視頻度値記憶部111の監視頻度値テーブルから各中継器の監視頻度値miを読み込み(S41)、読み込んだ異常生起確度値と監視頻度値とを用いて、式1に従って活性度αの変化分を算出する(S42〜S44)。
Figure 0004571235
式1は活性度αのダイナミクスの定義の一例であり、nは監視候補である中継器の台数、liは異常生起確度値テーブルに記録されている中継器iの異常生起確度値、miは同中継器の監視頻度値、N、δはダイナミクスの変化速度を司る定数を表す。異常生起確度値と監視頻度値の積和演算の項は、これらの相関の大きさを示す。
iおよびmiの上側に付くチルダーは、各値が正規化されていること、つまり、式2、式3の関係にあることを示している。
Figure 0004571235
Figure 0004571235
式1で算出された活性度αの変化分を用いて、式4に従って活性度αを更新する(S45)。ここで、Δtは更新周期によって決定される時間間隔である。
Figure 0004571235
活性度αの変域を、扱い易さのために0から1の閉区間に制限する(S46〜S49)。この制限により、活性度αは0以上1以下の実数値になる。
活性度αが0に近い状態は、監視精度が低い状態に対応し、活性度αが1に近い状態は、監視精度が高い状態に対応する。なぜなら、式4のダイナミクスに従えば、活性度αは、各中継器の監視頻度値が異常生起確度値から見て望ましい状態であるほど1に近づき、各中継器の監視頻度値が異常生起確度値と乖離しているほど0に近づく挙動を示すからである。
(監視頻度値更新部110)
監視頻度値更新部110は、活性度算出部109によって決定された活性度αの値を基に、監視候補である各中継器に対する新たな監視頻度値miを算出する。
図17は、監視頻度値更新部110によって実行される処理の一例を示すフローチャートである。
監視頻度値更新部110は、活性度算出部109から決定された活性度αを読み込み(S50)、監視頻度値記憶部111の監視頻度値テーブルから監視頻度値miを読み込み(S51)、監視頻度値の最大値mmaxを検索する(S52)。読み込んだ活性度α、監視頻度値mi、および監視頻度値の最大値mmaxを用いて、各中継器の新たな監視頻度値を算出する(S53〜S56)。
監視頻度値の算出について、さらに説明を続ける。
式5は、監視頻度値miのダイナミクスの定義の一例であり、式中のβ、γ、ψはダイナミクスの変化速度を司る定数である。
Figure 0004571235
更新頻度値が最大になる中継器に対するこの非線形常微分方程式の定常解は、式6のようになることが分かっている。
Figure 0004571235
また、その他の中継器に対する定常解は式7のようになる。
Figure 0004571235
式5に従って監視頻度値miの変化分を算出し、算出された監視頻度値miの変化分を用いて、式8に従って監視頻度値を更新する。このとき、ΔTは更新周期によって決定される時間間隔である。
Figure 0004571235
監視頻度値更新部110は、監視候補である各中継器について算出された新たな監視頻度値miで、監視頻度値テーブルに記録されている監視頻度値を更新する。
(選択確率値生成部112)
選択確率値生成部112は、監視対象選択部113で監視対象になる中継器を確率的に選択する際に用いられる乱数である選択確率値を発生させる。選択確率値は乱数であることが望ましいが、比較的生成が容易な疑似乱数によって代用してもよい。またその場合に用いる確率分布としては、一般的な一様分布やガウス分布等でよい。
選択確率値の変動範囲は、式6および式7から決定することができる。活性度αが0の場合を考えると、解間の距離Dは、式9で与えられる。
Figure 0004571235
これより、選択確率値ηiを式10のように決定する。
Figure 0004571235
Random関数は、規定された範囲内の実数乱数または疑似実数乱数を生成するものであり、κは零以上の値を取る調整係数である。κを大きくすることによって生成される選択確率値の振幅を大きくすることができる。
(監視対象選択部113)
図18は、監視対象選択部113によって実行される処理の一例を示すフローチャートである。
監視対象選択部113は、監視頻度値記憶部111が管理する監視頻度値テーブルから各中継器の監視頻度値miを読み出し、式11によって示すように選択確率値生成部112によって生成された対応する中継器の選択確率値ηiと加算することによって、監視対象の中継器を確率的に選択する(S60〜S64)。
Figure 0004571235
更新された各中継器の監視頻度値は確率値になるように式12によって正規化される(S65〜S67)。
Figure 0004571235
図19は、このようにして求められた正規化済監視頻度値を記録する正規化済監視頻度値テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
正規化済監視頻度値テーブルにおいて、第1列に各中継器の識別番号、第2列に各中継器のIPアドレス、第3列に式12によって算出された正規化済監視頻度値が記録される。
監視対象選択部113は、正規化済監視頻度値を各中継器のインデックスに対する確率分布として見ることにより、選択対象の中継器のインデックスを確率変数とみなし、この確率変数が取る値によって監視対象の中継器を選択する(S68、S69)。
以上説明した動作によって、監視頻度値に従って選択された中継器を監視するため、経路上の全ての中継器を常時監視する場合と比べて、監視処理に要するリソースが節約され、狭帯域網でも良好な監視処理が実行可能になる。
また、中継器において中継されるフローの個数を故障生起確度値として用いて故障を予測するため、リトライ回数、回線負荷値、トラフィック量などの、異常が実際に生じている事実を反映する統計量を参照して故障を検出する従来の方法に比して、そのような統計量に反映される異常が実際に生じる前に、早期に異常を予測することが可能になる。
(迂回経路選択処理の詳細)
次に、迂回経路選択部304による迂回経路選択処理について、詳細に説明する。
図20は、迂回経路選択部304によって実行される処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、経路異常予測部303から主経路において異常が予測されたことを示す通知を受信した場合に実行される。
迂回経路選択部304は、この処理に先立って、経路異常予測部303で監視対象に選ばれた中継器について、伝送品質を表す伝送品質値(例えば、ロス率、遅延時間、ジッター値など)を測定し、また当該中継器における負荷の大きさを示す負荷値(例えば、バッファ使用率など)を当該中継器から取得し、図示しないテーブルを用いて、中継器ごとに伝送品質値および負荷値を記憶している。
迂回経路選択部304は、経路異常予測部303から主経路において異常が予測されたことを示す通知を受信すると、記憶されている伝送品質値と負荷値とを用いて、新たな主経路になるべき迂回経路を選択する。
具体的には、次のような経路選択処理が実行される。
迂回経路選択部304は、各迂回経路における中継器について記憶されている伝送品質値を参照し、伝送品質値によって示される最も伝送品質の良い(例えば、ロス率が最も低い)中継器を含む迂回経路を新たな主経路として選択する(S501)。
ただし、最も良い伝送品質が所定の基準を満たさない(例えば、最も低いロス率が所定のしきい値以上である)場合は(S502でNO)、各中継器について記憶されている負荷値を参照し、負荷が低い(例えば、バッファ使用率が所定のしきい値未満である)中継器を含む迂回経路を除外して新たな主経路を選びなおす(S503)。
伝送品質が悪いにもかかわらず負荷が低い中継器では、輻輳ではなく伝送誤りによる伝送品質の劣化が優勢になっていると考えられる。そして、伝送誤りは、輻輳と比べて容易には回復しないことが多い。
上記の処理により、輻輳と伝送誤りとを区別して、回復が難しい伝送誤りが発生している迂回経路を新たな主経路の候補から除外できるので、新たな主経路を適切に選択し、高信頼な伝送を実現することが可能になる。
なお、上記では、ロス率、遅延時間、ジッター値などの測定結果を伝送品質値として用いる例を説明したが、迂回経路選択部304は、これらの値を測定せず、前述の異常生起確度値(交差フロー数および伝送帯域ギャップ数)の時間的な変化の大きさを、伝送品質値として用いてもよい。
交差フロー数および伝送帯域ギャップ数が激しく変化する中継器では、伝送品質も大きく変化し、その結果、所望の伝送品質を安定して維持することが難しいと考えられるからである。異常生起確度値の時間的な変化の大きさは、例えば、1つの中継器から所定の期間内に取得された複数の異常生起確度値の分散値で表すことができる。
また、上記では、経路異常予測部303にて主経路における異常が予測された際に、迂回経路選択部304にて新たな主経路を1つ選択する例を説明したが、迂回経路選択部304が行うべき処理はこの例に限られない。
例えば、送信端末から受信端末へのマルチパス伝送が行われるネットワークでは、迂回経路選択部304は、マルチパスを構成する経路ごとに伝送するデータ量の割当て(例えば、伝送品質が高い経路には伝送品質が低い経路に比べてより多くのデータ量を割当てる)を行ってもよい。また、経路ごとに伝送するデータの振分け(例えば、伝送品質が最も高い経路を用いて制御信号などの重要度の高いデータを伝送する)を行ってもよい。
(適用例)
次に、本発明の経路制御方法の適用例について説明する。
図21は、本発明の経路制御方法が適用されるネットワークの具体的な構成の一例を示す模式図である。
図21の例では、送信端末であるカメラから、受信端末であるテレビまで、1つの主経路と2つの迂回経路とが示されている。また、監視候補である中継器が、各経路に1つずつ示されている。
図21の例では、監視候補である各中継器から収集された異常生起確度値によって異常が発生しやすいと示される中継器は高頻度で監視対象に選ばれ、異常が発生しにくいと示される中継器も低頻度で監視対象に選ばれる。
そして、監視対象に選ばれた中継器について、新たな異常生起確度値および伝送品質値が収集され、収集された異常生起確度値および伝送品質値を用いて、主経路における異常を予測し、新たな主経路になるべき迂回経路を選択することで、異常を未然に回避することが試みられる。
このような処理によって、異常が発生しやすい中継器ほど高い頻度で監視することは、限られた監視回数の中で異常を的確に予測する上で妥当である。
したがって、監視回数を抑制し、かつ異常を的確に予測することができるため、迂回経路が増えた場合や、監視候補である中継器が数多くある場合でも、少ない量の観測パケットを用いて中継器の状態を適正に把握することが可能となり、その結果、省電力化や、観測パケットによるネットワーク負荷の軽減に貢献できる。
なお、特定の条件下では、中継器からの異常生起確度値の収集および監視頻度値の更新を停止してもよい。例えば、伝送経路や伝送帯域を予約する通信方式の場合、通信が終了するまで、交差フロー数が変化しないため、中継器からの異常生起確度値の収集および監視頻度値の更新を停止し、監視対象とする中継器を固定してもよい。
(異常の規模に応じて経路制御を行う変形例)
次に、ネットワークにおける異常の規模に応じて経路制御を行う変形例について説明する。
図22は、ネットワークにおける異常の発生のしかたについて説明する図である。
異常の発生のしかたには、経路上の中継器と隣接の多数の中継器とで広域に異常が発生する場合(図22(A))と、経路上の中継器のみで局所的に異常が発生する場合(図22(B))とがある。異常が局所的である場合は短時間での回復を期待して迂回処理を行わず、異常が大規模である場合にのみ迂回処理を行うことで、頻繁な迂回処理による伝送性能の劣化を抑制することが可能になる。
異常の規模に応じた経路制御を行うネットワークシステムについて、図23および図24を参照して詳細に説明する。
図23は、異常の規模を判定し、判定された異常の規模に応じて経路制御を行うネットワークシステム101の構成の一例を示すブロック図である。
ネットワークシステム101における中継器210は、図4のネットワークシステム100における中継器200と比べて、局所異常状態判定部211および広域異常状態判定部212が追加される。
局所異常状態判定部211は、中継器210における輻輳状態または伝送誤りの程度を判定し、判定の結果を表す情報を保持している。輻輳状態の程度を表す情報は、例えば中継器210におけるバッファ使用率であり、伝送誤りの程度を表す情報は、例えば中継器210と隣接する他の中継器との間でのパケットの送信にかかる伝送誤り率、ロス率、および遅延時間などの測定結果である。
広域異常状態判定部212は、中継器210から所定のホップ数までにある他の中継器から輻輳状態または伝送誤りの程度に関する情報を収集し、収集された情報を用いて輻輳状態または伝送誤りが広域的に発生しているかを判定する。
また、ネットワークシステム101における端末装置310は、図4のネットワークシステム100における端末装置300と比べて、経路異常予測部303が経路異常予測部313に変更される。
経路異常予測部313は、経路異常予測部303と比べて、異常生起確度値を用いて主経路における異常を予測する点で同様であるが、異常の規模を示す異常発生規模情報を中継器から収集して、異常生起確度値とともに迂回の要否判断に用いる点で異なる。
経路異常予測部313は、例えば、主経路上の中継器から収集した異常生起確度値から異常が予測された場合、その中継器に対して問合せを行うことにより、異常が予測された中継器の周囲で発生している異常の規模を示す異常発生規模情報を取得する。そして、取得された異常発生規模情報によって示される異常の規模が予め定められた基準よりも小さい場合には、迂回処理を抑止する。
このように構成される中継器210の動作について、前述の中継器200の動作と異なる点について詳細に説明する。
図24は、中継器210によって実行される、異常規模判定処理の一例を示すフローチャートである。なお、中継器210は、上述の中継器200による処理(図5を参照)と同様の処理を実行し、さらに図24に示される処理を実行する。中継器200と同様の処理については、ここでは説明を繰り返さない。
局所異常状態判定部211は、中継器210における輻輳状態または伝送誤りに関する情報として、例えば、パケット受信部206およびパケット送信部208におけるパケットの伝送誤り率、ロス率、および遅延時間などを測定する(S601)。
広域異常状態判定部212は、中継器210から所定のホップ数までにある他の中継器で測定された輻輳状態または伝送誤りに関する情報を収集する(S602)。
具体的に、広域異常状態判定部212は、他の中継器に対して問合せパケットを送ることで、他の中継器から通知される情報を収集してもよい。
広域異常状態判定部212は、収集された情報を用いて輻輳状態または伝送誤りが広域に発生しているかを判定する(S603)。
広域異常状態判定部212は、一例として、収集された情報によって伝送誤り率、ロス率、および遅延時間の劣化(例えば、予め定められたしきい値からの超過)が生じていると示される中継器の数を、単純に異常の規模として決定する。
また、広域異常状態判定部212は、伝送誤り率、ロス率、および遅延時間の劣化が、中継器210から何ホップ目にある中継器まで連続して発生しているかを特定し、特定されたホップ数を異常の規模として決定してもよい。
さらにまた、広域異常状態判定部212は、収集された各中継器の伝送誤り率、ロス率、遅延時間の劣化の度合い(例えば、予め定められたしきい値からの超過量)の合計を異常の強さと定義し、前述のホップ数と異常の強さの積を異常の規模として決定してもよい。
広域異常状態判定部212は、端末装置310からの問合せに応じて、決定された異常の規模を示す異常発生規模情報を通知する(S604)。
端末装置310における経路異常予測部313は、上述のようにして通知される異常の規模を示す異常発生規模情報を、異常生起確度値とともに用いて迂回の要否判断を行う。
例えば、主経路上の中継器から通知される異常発生規模情報が、何ホップ目の距離にある中継器まで連続して輻輳状態または伝送誤りが発生しているかを示す値であるとして、その値が0である場合、経路異常予測部313は、異常が生じていないか、または生じているとしても主経路上の中継器のみに限定されていて短時間での回復が期待されると判断して、迂回経路選択部304に対して迂回処理を指示しない。
他方、前述の値が1以上の値である場合、経路異常予測部313は、主経路上の中継器の周囲で広域の異常が生じていて回復は難しいと判断して、迂回経路選択部304に対して迂回処理を指示する。
なお、主経路上の中継器から通知される異常発生規模情報は、迂回の要否判断に用いられるのみならず、新たな主経路になるべき迂回経路の選択に用いることもできる。
具体的には、迂回経路選択部304は、例えば、主経路上の中継器から通知される異常発生規模情報によって、主経路上の中継器の周囲で広域の異常が生じていることが示される場合には、迂回経路の中で経路のホップ数が最も大きな1つを選択する。
そのような迂回経路は主経路からの距離が離れている可能性が高いため、主経路上の中継器の周囲で生じている異常の影響を受けにくい迂回経路が、新たな主経路として選択されやすくなる。
(まとめ)
以上説明したように、本発明の経路制御装置によれば、中継器において中継されるフローの個数を異常生起確度値として用いて中継器の異常を予測し、異常が予測された中継器を含む経路を除外して、新たにデータの伝送に用いるべき経路を選択するので、所定の統計量に反映されるような伝送品質の劣化や負荷の上昇が実際に生じる前に、すばやい迂回処理が可能になる。
また、異常の発生のしやすさに応じた監視頻度に従って確率的に選ばれた中継器から異常生起確度値を収集して異常の予測に用いるので、監視コスト(監視パケットの量、消費電力、観測所要時間)を抑え、かつ異常の見落としも確率的に回避できる。
本発明にかかる経路制御装置は、メッシュネットワークなどのネットワークシステムに利用できる。
100、101 ネットワークシステム
106 異常生起確度値取得部
107 異常生起確度値記憶部
109 活性度算出部
110 監視頻度値更新部
111 監視頻度値記憶部
112 選択確率値生成部
113 監視対象選択部
200、210 中継器
206 パケット受信部
207 経路制御部
208 パケット送信部
209 異常生起確度値決定部
211 局所異常状態判定部
212 広域異常状態判定部
300、310、400 端末装置
301 データ送受信部
302 経路情報生成部
303、313 経路異常予測部
304 迂回経路選択部
305 通信部

Claims (13)

  1. 複数の中継器を介して送信端末から受信端末までデータを伝送するための経路を制御する経路制御装置であって、
    前記送信端末から前記受信端末までデータを伝送するための複数の経路を示す経路情報を生成する経路情報生成部と、
    前記経路情報で示される各経路に少なくとも1つずつ定められる監視候補となる中継器において1つの送信元から1つの宛て先へ中継される1つ以上のパケットの列であるフローの個数を、各中継器における伝送品質の劣化および負荷の上昇を含む異常の発生のしやすさを表す異常生起確度値として用いて、各中継器における前記異常を予測する経路異常予測部と、
    前記異常生起確度値に基づいて、前記送信端末から前記受信端末までのデータの伝送に用いるべき経路を選択する迂回経路選択部と
    を備える経路制御装置。
  2. 前記経路異常予測部は、前記各中継器が中継するフローのうち、前記送信端末から前記受信端末へのフロー以外のフローの個数を、前記異常生起確度値として用いる
    請求項1に記載の経路制御装置。
  3. 前記経路異常予測部は、前記各中継器が中継するフローのうち、受信のための通信回線の伝送帯域よりも、送信のための通信回線の伝送帯域のほうが小さいフローの個数を、前記異常生起確度値として用いる
    請求項1に記載の経路制御装置。
  4. 前記経路異常予測部は、
    前記監視候補となる前記各中継器の異常生起確度値を監視すべき頻度を表す監視頻度値を記憶している監視頻度値記憶部と、
    前記各中継器について所定の確率値である選択確率値を生成する選択確率値生成部と、
    前記監視頻度値および前記選択確率値に従って、前記各中継器の中から異常生起確度値の監視の対象となる中継器を特定する監視対象特定部と、
    前記監視対象特定部によって特定された中継器から異常生起確度値を取得する異常生起確度値取得部と、
    前記取得された異常生起確度値を記憶する異常生起確度値記憶部と、
    前記記憶された異常生起確度値を用いて、前記監視頻度値記憶部に記憶されている前記監視頻度値の妥当性を表す活性度を算出する活性度算出部と、
    前記活性度に基づき、前記監視頻度値記憶部に記憶されている前記監視頻度値を更新する監視頻度値更新部と
    を有する請求項1に記載の経路制御装置。
  5. 前記迂回経路選択部は、
    前記監視候補となる前記各中継器について、伝送品質を表す伝送品質値を決定し、
    決定された前記伝送品質値によって表される伝送品質が予め定められた基準よりも悪い中継器を含む経路を除いた経路の中から、前記送信端末から前記受信端末までのデータの伝送に用いるべき経路を選択する
    請求項1に記載の経路制御装置。
  6. 前記迂回経路選択部は、
    前記監視候補となる前記各中継器から、中継器における負荷の大きさを表す負荷値を収集し、
    収集された前記負荷値によって表される負荷の大きさが予め定められた基準よりも小さい中継器を含む経路をさらに除いた経路の中から、前記送信端末から前記受信端末までのデータの伝送に用いるべき経路を選択する
    請求項5に記載の経路制御装置。
  7. 前記経路異常予測部は、前記異常が予測された中継器の周囲で発生している異常の規模を示す異常発生規模情報を取得し、取得された前記異常発生規模情報によって示される異常の規模が予め定められた基準よりも小さい場合は、前記迂回経路選択部における前記経路の選択を抑止する
    請求項1に記載の経路制御装置。
  8. 前記経路異常予測部は、前記異常が予測された中継器の周囲で発生している異常の規模を示す異常発生規模情報を取得し、
    前記迂回経路選択部は、取得された前記異常発生規模情報によって示される異常の規模が予め定められた基準よりも大きい場合は、前記経路情報によって示される前記複数の経路の中から、前記異常が予測された前記中継器含む経路を除外して、経路のホップ数が最も大きな1つを選択する
    請求項1に記載の経路制御装置。
  9. 前記経路制御装置は、前記送信端末か、または前記複数の中継器の1つに設けられる
    請求項1に記載の経路制御装置。
  10. 複数の中継器を介して送信端末から受信端末までデータを伝送するための経路を制御する経路制御方法であって、
    前記送信端末から前記受信端末までデータを伝送するための複数の経路を示す経路情報を生成する経路情報生成ステップと、
    前記経路情報で示される各経路に少なくとも1つずつ定められる監視候補となる中継器において1つの送信元から1つの宛て先へ中継される1つ以上のパケットの列であるフローの個数を、各中継器における伝送品質の劣化または負荷の上昇を含む異常の発生のしやすさを表す異常生起確度値として用いて、各中継器における異常を予測する経路異常予測ステップと、
    前記異常生起確度値に基づいて、前記送信端末から前記受信端末までのデータの伝送に用いるべき経路を選択する迂回経路選択ステップと
    を含む経路制御方法。
  11. 複数の中継器を介して送信端末から受信端末までデータを伝送するための経路を制御するためのコンピュータ実行可能なプログラムであって、
    前記送信端末から前記受信端末までデータを伝送するための複数の経路を示す経路情報を生成する経路情報生成ステップと、
    前記経路情報で示される各経路に少なくとも1つずつ定められる監視候補となる中継器において1つの送信元から1つの宛て先へ中継される1つ以上のパケットの列であるフローの個数を、各中継器における伝送品質の劣化または負荷の上昇を含む異常の発生のしやすさを表す異常生起確度値として用いて、各中継器における異常を予測する経路異常予測ステップと、
    前記異常生起確度値に基づいて、前記送信端末から前記受信端末までのデータの伝送に用いるべき経路を選択する迂回経路選択ステップと
    をコンピュータに実行させるプログラム。
  12. 前記迂回経路選択部は、前記監視候補としての前記中継器の1つ以上において前記異常が予測された場合に、前記経路情報によって示される前記複数の経路の中から、前記異常が予測された前記中継器含む経路を除外して、前記送信端末から前記受信端末までのデータの伝送に用いるべき経路を選択する
    請求項1に記載の経路制御装置。
  13. 複数の中継器を介して送信端末から受信端末までデータを伝送するための経路の異常を予測する経路異常予測装置であって、
    前記送信端末から前記受信端末までデータを伝送するための複数の経路を示す経路情報を生成する経路情報生成部と、
    前記経路情報で示される各経路に少なくとも1つずつ定められる監視候補となる中継器において同一の送信元から同一の宛て先へ伝送される1つ以上のパケットの列であるフローの個数を、各中継器における伝送品質の劣化および負荷の上昇を含む異常の発生のしやすさを表す異常生起確度値として用いて、各中継器における前記異常を予測する経路異常予測部と
    を備える経路異常予測装置。
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