JP4570971B2 - 酒気帯びチェッカーおよび酒気帯び検知方法 - Google Patents

酒気帯びチェッカーおよび酒気帯び検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両運行前に運転手が呼気を吹きかけて自己の酒気帯びの状態を確認したり、携帯電話に接続したチェッカーを用いて管理者に報告したりする酒気帯びチェッカー(アルコールセンサ)の測定精度向上、信頼性向上の方法に関する。
近年、車両運転手は、車両の運行業務前などにアルコールセンサ(酒気帯びチェッカー)を用いて、自己の酒気帯びの状況を把握したり、通信機能付きのアルコールセンサ(酒気帯びチェッカー)を用いて管理者に酒気帯び状態を報告したりするように義務づけられていることが多い。この際に使用するアルコールセンサ(酒気帯びチェッカー)は、半導体式ガスセンサを使用した安価なものとなっているため、吹きかけ量によっては、必ずしも正しい酒気帯び量(呼気中アルコール濃度)を測定、表示できない場合がある。
特願2003−419172号明細書 特開2003−115902号公報
本発明は、アルコールセンサへの呼気吹きかけ流量(流速)を安定化する、または、吹きかけ流量(流速)を検知して補正を行うことによって、酒気帯び量(呼気中アルコール濃度)の測定精度向上、信頼性向上を実現する手段を提供する。
呼気に含まれるアルコール濃度は、口唇部からの距離によって拡散し、低下する傾向がある。また、呼気流量の低下によって、アルコールセンサ(酒気帯びチェッカー)の検知濃度が低下する傾向がある。この問題を回避するには、まず、拡散を防ぐためにマウスピースを用いて呼気を導入し、かつ、その呼気から一定流量の呼気ガスを検知素子(半導体ガスセンサ)に導く方法が考えられる。(しかし、この方法は、マウスピースを用いるため衛生上の問題があり、かつ、ポンプを搭載しなければならないことからコストや信頼性の問題がある)。
また、アルコールセンサ(半導体ガスセンサ)では、測定前にガス検知部(素子)表面を清浄に保つため、ヒートクリーニングをしたり、動作点(動作温度)の設定のためにガス検知部(素子)近傍にヒータを組み込んでいる。このヒータは、呼気に触れると温度低下を来すため、この温度低下は、呼気流量(流速)の情報を与える。そのため、このヒータの温度低下を検知・測定し、この検知結果を基に得られた呼気流量または流速を用いて、測定結果に補正を加えることによって、呼気流量(流速)に関わらず、呼気中アルコール濃度を高精度に測定できる。
このような本発明による第の酒気帯びチェッカーは、ヒートクリーニングおよび動作点設定のためのヒータを具備し、かつ呼気中に含まれるアルコール濃度を測定するアルコールセンサと、前記ヒータの温度低下を電圧変動により検知するためのヒータ電流検知抵抗およびヒータ電流出力端子と、該検知結果を基に得られた呼気流量または流速を用いて、前記アルコールセンサのガス濃度出力を補正する手段を設けたことを特徴とする。
さらに、第の酒気帯びチェッカーと同様に、アルコールセンサ(半導体ガスセンサ)の流路の前または後にファン式流量・流速計を設けることによって、呼気流量(流速)を検知して、補正を行うことによって、呼気流量(流速)に関わらず、呼気中アルコール濃度を高精度に測定できる。
このような本発明の第の酒気帯びチェッカーは、呼気中に含まれるアルコール濃度を測定するアルコールセンサと、前記呼気を前記アルコールセンサに導く呼気吹きかけ流路と、前記呼気吹きかけ流路の入口または出口部分に設けられたファン式流量・流速計と、前記ファン式流量・流速計によって検知された風量または風速出力による検知結果を基に前記アルコールセンサのガス濃度出力を補正する手段を設けたことを特徴とする。
前記発明と同様に、呼気流量(流速)によって音量または発音周波数が変化する笛と、その音を検知するマイクを設けることによって、呼気流量(流速)を検知して、補正を行うことによって、呼気流量(流速)に関わらず、呼気中アルコール濃度を高精度に測定できる。本発明では、被検者が笛の音を耳によって確認することができるため、被検者自らが吹きかけ量を一定にするように工夫することをも可能とする利便性がある。
このような本発明の第の酒気帯びチェッカーは、呼気中に含まれるアルコール濃度を測定するアルコールセンサと、前記呼気を前記アルコールセンサに導く呼気吹きかけ流路と、前記呼気吹きかけ流路の入口または出口部分に設けられた呼気流量または風速に応じて、発音量または発音周波数が変化する笛と、その近傍に設けられた発音量または発音周波数を検知するマイクロフォンと、前記検知結果を基に得られた呼気流量または流速を用いて、前記アルコールセンサのガス濃度出力を補正する手段を設けたことを特徴とする。
本発明はまた、酒気帯び検知方法に関するものであり、本発明による第の酒気帯び検知方法は、酒気帯びチェッカーのアルコールセンサに呼気を吹きかける過程、前記アルコールセンサに設けられたヒータの温度低下を電圧変動により検知する過程、前記検知結果を基に得られた呼気流量または流速を用いて、前記アルコールセンサのガス濃度出力を補正する過程を含むことを特徴とする。
また、本発明による第の酒気帯び検知方法は、酒気帯びチェッカーのアルコールセンサに呼気を吹きかける過程、前記吹きかけ流路の入口または出口における風量または風速出力より吹きかけ量を検知する過程、前記検知結果を基に前記アルコールセンサのガス濃度出力を補正する過程を含むことを特徴とする。
更に、本発明による第の酒気帯び検知方法は、酒気帯びチェッカーのアルコールセンサに呼気を吹きかける過程、前記吹きかけ流路の入口または出口における笛の発音量または発音周波数の変化を検知する過程、前記検知結果を基に得られた呼気流量または流速を用いて、前記アルコールセンサのガス濃度出力を補正する過程を含むことを特徴とする。
図7に、吹きかけ距離と表示値の関係を示した。横軸は、口唇部から酒気帯びチェッカーセンサ部までの距離(cm)である。この距離が近づく程、高い表示値を示しており、呼気アルコール濃度のみでなく、吹きかけ距離にセンシティブであることを示している。口唇部からの呼気が拡散し、センサに直接吹きかかる以外にも広がってしまうことが原因と考えられる。
本発明では、このような現象を解決するために、種々の工夫をしているが、請求項1および請求項8では、呼気ガスがマウスピース外に拡散することがないために、口唇部と吹きかけ部の距離に依存しなくなる。かつ、吸引ポンプによって一定呼気量をセンサ部に導入するためセンサ表示値の安定性が得られる。
請求項2、請求項3、請求項4および請求項9,請求項10,請求項11では、吹きかけ距離によってセンサ出力自体は、吹きかけ距離によって変化していることになるが、それと同時にセンサに届いている呼気量(流量、流速)を、ヒータ温度の低下、ファン式流量・流速計、笛(音量、周波数)によって検知し、この検知結果を基にセンサ出力に補正を加え、センサ表示値を算出するために、呼気吹きかけ量(流量、流速)に関わらず、呼気中アルコール濃度の値を正確、高精度に測定できることになる。
請求項5、請求項6および請求項12,請求項13では、呼気流量・流速の変化を避けるために、被験者の肺の収縮力を利用して、酒気帯びチェッカーへの呼気導入(吹きかけ)を実現するのではなく、請求項5、請求項12では、大きく開けた口唇部から吸気ファンの一定風量によって、呼気をセンサ部に導くようにするために、肺活量の個人差などが除けることになる。また、請求項6、請求項13では、一度風船に呼気を収集し、風船の持つ固有の収縮力によって酒気帯びチェッカーへの呼気導入を実現するために、肺活量の個人差などが除けることになる。
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明による第1の酒気帯びチェッカーおよび酒気帯び検知方法を示す概略図であるが、酒気帯びチェッカーの呼気導入部(吹きかけ口)にマウスピース(透明樹脂製)を設置した様子を示している。このマウスピース10は、中空円筒形をしており、被験者が口に銜えることが可能なようになっている。被検者は、このマウスピース10を口に銜えて呼気を吹き込む。吹き込まれた呼気の一部を細孔チューブ11を介して、内部に設けた吸引ポンプ12によって一定流量、アルコールセンサ(半導体ガスセンサ;図示せず)へと導入する(吹きかける)。
これによれば、被験者がマウスピースを銜えるので、呼気がマウスピース外に拡散することがない。このため口唇部と吹きかけ部の距離に依存しなくなる。かつ、吸引ポンプによって一定呼気量をアルコールセンサに導入するためアルコールセンサ表示値の安定性が得られる。
図2は本発明の第2の酒気帯びチェッカーおよび酒気帯び検知方法を示す概略図であるが、アルコールセンサ(半導体ガスセンサ)が封入されたメタル缶内部のガス検知素子部を拡大して示したものである。本例では、ヒータ20の周囲に、酸化スズのガス検知素子部21が塗布されるようにして構成されている。このヒータ20は、通常は、測定動作前のヒートクリーニングと動作温度(点)設定のために使用されているが、呼気吹きかけ時には、温度が低下するためにその温度低下を、ヒータ電流検知抵抗22の一端の電圧変動としてヒータ電流出力端子23で検知し、これに基づいて呼気流量・流速を検知する。この結果に基づき、アルコールセンサのガス濃度出力を補正する手段によりセンサ出力(ガス濃度出力)を補正する。
前記ヒータ20は、呼気に触れると温度低下を来すが、この温度低下は、呼気流量(流速)の情報を与える。そのため、このヒータの温度低下を検知・測定し、測定結果に補正を加えることによって、呼気流量(流速)に関わらず、呼気中アルコール濃度を高精度に測定できる。
図3は本発明の第3の酒気帯びチェッカーおよび酒気帯び検知方法を示す概略図であるが、アルコールセンサ30の後背面に、呼気流量・流速を測定するためのファン式流量・流速計31を設置した様子を示している。酒気帯びチェッカーCに測定のため呼気を吹きかけると、酒気帯びチェッカーCの呼気導入口32より呼気が酒気帯びチェッカーC内に導入され、呼気吹きかけ流路33を通ってアルコールセンサ30に到達する。この際の呼気流量・流速をこのファン式流量計31によって検知して、前記アルコールセンサ30のガス濃度出力を補正する手段によりセンサ出力(ガス濃度出力)を補正し、高精度、正確な呼気中アルコール濃度を表示できるようにする。
図4は本発明の第4の酒気帯びチェッカーおよび酒気帯び検知方法を示す概略図であるが、呼気導入口42とアルコールセンサ40の間に、笛41を設置した様子を示している。この笛41は、風量によって音量や周波数が変わるものを用いる。また、呼気導入口42より呼気吹きかけ流路43を通って笛41の振動体を通過した呼気は、そのまま背面に流れ、アルコールセンサ40入力となる。呼気吹きかけ時にこの笛41が音を発し、それを近くに設置したマイクロフォン44によって検知、呼気流量・流速を導くことによって、センサ出力(ガス濃度出力)を補正する。本発明では、呼気を導入する際に笛の音を被検者自らの耳で確認することもできるため、一定流量の呼気導入(吹きかけ)を実現しやすいという利点もある。
図5は本発明の第5の酒気帯びチェッカーおよび酒気帯び検知方法を示す概略図であるが、アルコールセンサ(半導体ガスセンサ)50背面に、吸気ファン51を設けることによって、一定流れを作りだし、この流れに乗せて、被検者の呼気を測定する。被検者は、測定時、口を大きく開け、できるだけ息を止めるようにする。もし困難な場合には、僅かに吐き出すようにしても良い。このようにすることで、被検者の肺の収縮によらない呼気中アルコール濃度測定が実現できる。ここで、52は呼気導入口、53は呼気吹きかけ流路である。
前述の本発明による第3,第4および第5の発明の上述の態様においては、ファン式流量・流速計31、笛41および吸気ファン51は呼気吹きかけ流路33,43,53の出口部分に設けられているが、これらを入口部分に設けてもよいことは明らかである。
図6は本発明の第6の酒気帯びチェッカーおよび酒気帯び検知方法を示す概略図であるが、3方コック61を利用して、マウスピース62から、導入流路63を介し呼気を一度風船64に収集し、その後、3方コック61を切り替えて、風船64の持つ固有の収縮力によってアルコールセンサ60への呼気導入(吹きかけ)を実現する。このようにすることによって、被検者による肺活量や肺収縮力の違い、個人毎による吹きかけ強さのイメージの相違などを回避することができる。
本発明による酒気帯びチェッカーによれば、アルコールセンサへの呼気吹きかけ流量(流速)を安定化する、または、吹きかけ流量(流速)を検知して補正を行うことによって、酒気帯び量(呼気中アルコール濃度)の測定精度向上、信頼性向上を実現できる。
マウスピースとポンプを用いて呼気流量を安定化する本発明による第1の一態様を示す概略図。 吹きかけ時にセンサ内蔵ヒータの温度低下を検知して補正する本発明による第2の発明の一態様を示す概略図。 ファン式流量・流速計を組み込んで補正を行う本発明による第3の発明の一態様を示す概略図。 笛とマイクを組み込んで補正する本発明による第4の発明の一態様を示す概略図。 呼気ファンによって一定流量を呼気する本発明による第5の発明の一態様を示す概略図。 風船を膨らませて安定呼気する本発明による第6の発明の一態様を示す概略図。 吹きかけ距離と表示値の関係を表す図。
符号の説明
10 マウスピース
11 細孔チューブ
12 吸引ポンプ
20 ヒータ
21 ガス検知素子部
22 ヒータ電流検知抵抗
23 ヒータ電流出力端子
30 アルコールセンサ
31 ファン式流量・流速計
32 呼気導入口
33 呼気吹きかけ流路
40 アルコールセンサ
41 笛
42 呼気導入口
43 呼気吹きかけ流路
44 マイクロフォン
50 アルコールセンサ
51 吸気ファン
52 呼気導入口
53 呼気吹きかけ流路
60 アルコールセンサ
61 三方コック
62 マウスピース
63 導入流路

Claims (6)

  1. ヒートクリーニングおよび動作点設定のためのヒータを具備し、かつ呼気中に含まれるアルコール濃度を測定するアルコールセンサと、前記ヒータの温度低下を電圧変動により検知するためのヒータ電流検知抵抗およびヒータ電流出力端子と、該検知結果を基に得られた呼気流量または流速を用いて、前記アルコールセンサのガス濃度出力を補正する手段を設けたことを特徴とする酒気帯びチェッカー。
  2. 呼気中に含まれるアルコール濃度を測定するアルコールセンサと、前記呼気を前記アルコールセンサに導く呼気吹きかけ流路と、前記呼気吹きかけ流路の入口または出口部分に設けられたファン式流量・流速計と、前記ファン式流量・流速計によって検知された風量または風速出力による検知結果を基に前記アルコールセンサのガス濃度出力を補正する手段を設けたことを特徴とする酒気帯びチェッカー。
  3. 呼気中に含まれるアルコール濃度を測定するアルコールセンサと、前記呼気を前記アルコールセンサに導く呼気吹きかけ流路と、前記呼気吹きかけ流路の入口または出口部分に設けられた呼気流量または風速に応じて、発音量または発音周波数が変化する笛と、その近傍に設けられた発音量または発音周波数を検知するマイクロフォンと、前記検知結果を基に得られた呼気流量または流速を用いて、前記アルコールセンサのガス濃度出力を補正する手段を設けたことを特徴とする酒気帯びチェッカー。
  4. 気帯びチェッカーのアルコールセンサに呼気を吹きかける過程、前記アルコールセンサに設けられたヒータの温度低下を電圧変動により検知する過程、前記検知結果を基に得られた呼気流量または流速を用いて、前記アルコールセンサのガス濃度出力を補正する過程を含むことを特徴とする酒気帯び検知方法。
  5. 気帯びチェッカーのアルコールセンサに呼気を吹きかける過程、前記吹きかけ流路の入口または出口における風量または風速出力より吹きかけ量を検知する過程、前記検知結果を基に前記アルコールセンサのガス濃度出力を補正する過程を含むことを特徴とする酒気帯び検知方法。
  6. 気帯びチェッカーのアルコールセンサに呼気を吹きかける過程、前記吹きかけ流路の入口または出口における笛の発音量または発音周波数の変化を検知する過程、前記検知結果を基に得られた呼気流量または流速を用いて、前記アルコールセンサのガス濃度出力を補正する過程を含むことを特徴とする酒気帯び検知方法。
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