JP7353991B2 - 呼気成分検査装置 - Google Patents
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Description
呼気成分検査装置は、例えば、呼気採取管と、吸引ポンプと、ガスセンサとを有している。被験者が呼気採取管の吹き込み口から装置内に呼気を吹き込むと、吹き込んだ呼気の大半は呼気採取管の排気口から排出されるが、吹き込まれた呼気の一部が吸引ポンプにより吸引されてガスセンサに導かれる。
いずれも、コントローラは、呼気採取管内の圧力を圧力センサにより監視して検知することで、呼気が吹き込まれたこと、また呼気が一定量以上吹き込まれ続けていることを認識している。正しく吹き込まれた場合は、正しく測定できたと判断されて測定結果が表示される。意図しない方法(吹き込まれていない状態、または連続して吹き込まれていない状態)の場合、エラー判定をして測定動作を途中で中断する。
特に、被験者の呼気の強さ(流量)が、測定に大きな影響を与える。例えば半導体式の装置であれば、呼気が強ければセンサの低感度側にシフトし、その結果、本来の濃度よりも低い濃度値が正常な値として出力される。
ガスセンサは、呼気のガス成分を検出する。
圧力センサは、呼気採取管内の圧力を測定する。
制御部は、ガスセンサによる測定動作における呼気の適正圧力に対応する基準音と、圧力センサの検出結果に基づいて変化する調整音とをスピーカに発生させることで、被験者が呼気吹き込みの強さを調整できるようにする。
以上より、被験者は、呼気を吹き込みながら基準音と調整音とを聞くことができ、調整音を基準音に近づくように呼気吹き込みの強さを調整できる。具体的には、実際の呼気圧力が適正圧力に近づくと、調整音が基準音に近づく。このように被験者の調整によって適正圧力が得られ、その結果、ガスセンサは、呼気のガス成分をより正確に検出できる。
なお、適正圧力とは、一つの値ではなく、所定の範囲として設定されている。
この装置では、実際の呼気圧力が適正圧力に近づくと、調整音の高さが基準音の高さに近づく。その結果、ガスセンサは、呼気のガス成分を正確に検出できる。
この装置では、被験者は、一定のピッチで基準音と調整音の比較を行うことができ、比較的短期間で呼気の吹きこみの圧力を適正圧力に近づけることができる。
この装置では、基準音と調整音がワンセットとなって発生することで、すなわち、先が基準音で後が調整音という順番で音が鳴るので、被験者は、聞こえている音が基準音か調整音かを間違えずに把握できる。
この装置では、基準音が連続して発生しているので、すなわち、基準音が連続して鳴り調整音が断続的に鳴るので、被験者は、聞こえている音が基準音か調整音かを間違えずに把握できる。
なお、「連続して発生」とは、所定期間にわたって途切れることなく発生という意味であり、呼気の吹き込み中の全期間又は一部期間であってもよい。
ガスセンサは、呼気のガス成分を検出する。
圧力センサは、呼気採取管内の圧力を測定する。
制御部は、ガスセンサによる測定動作における呼気の適正圧力に対応する基準音と、圧力センサの検出結果に基づいた調整音とをスピーカに発生させることで、被験者が呼気吹き込みの強さを調整できるようにする。
制御部は、さらに、呼気の圧力と適正圧力との差を示すガイド音をスピーカに発生させることで、被験者に呼気吹き込みの強さをガイドする。
以上より、被験者は、呼気を吹き込みながら基準音と調整音とを聞くことができ、調整音を基準音に近づくように呼気吹き込みの強さを調整できる。具体的には、実際の呼気圧力が適正圧力に近づくと、調整音が基準音に近づく。このように被験者の調整によって適正圧力が得られ、その結果、ガスセンサは、呼気のガス成分をより正確に検出できる。
(1)呼気成分検査装置の概略
図1~図3を用いて、第1実施形態の呼気成分検査装置1(以下、「装置1」という、呼気成分検査装置の一例)を説明する。図1及び図2は、第1実施形態の呼気成分検査装置の斜視図である。図3は、呼気成分検査装置の内部正面図である。
装置1は、被験者によって吹き込まれた呼気中アルコール(ガス成分の一例)を検査するための吹き込み式である。装置1は、終末呼気に含まれるアルコールの濃度を測定するので、アルコール測定の精度が高い。
装置1は、呼気採取管5(呼気採取管の一例)を有している。呼気採取管5は、被験者が吹き込んだ呼気をその軸方向に通過させるパイプである。呼気採取管5は、筐体3の上部に着脱不能に固定されている。ただし、呼気採取管5が被験者により交換可能な構成でもよい。
吹き込み口5bは、筐体3の壁面から内側に位置しており、そこには被験者が咥えるためのマウスピース6が装着される。排気口5cは、筐体3の壁面と面一になっている。
筐体3は、呼気採取管5の環状部5eに軸方向片側から当接する第1当接部3dを有している。また、呼気採取管5の本体5aの軸方向中間部には、固定部品24が差し込まれており、筐体3は固定部品24に対して軸方向両側から当接する第2当接部3eと第3当接部3fとを有している。このようにして、呼気採取管5が筐体3に対して軸方向に位置決めされている。
ガスセンサ7と呼気採取管5とは、第1配管21によって接続されている。
圧力センサ11は、第3配管23を介して第2配管22に接続されている。これにより、圧力センサ11は、第2配管22、ガスセンサ7、第1配管21、吸引ポンプ9のベローズ、及び呼気採取管5内の圧力を測定できる。
装置1は、種々の情報を表示するディスプレイ33を有している。
装置1は、種々の情報を音声によって出力するスピーカ35を有している。
装置1は、外部の情報処理装置と通信を行うための外部インターフェイス37を有している。
筐体3内の下部には、電池39を収納可能である。電池39は収納状態において回路基板に電気的に接続されて電源を供給する。
図4を用いて、装置1の制御構成を説明する。図4は、呼気成分検査装置の制御構成の機能ブロック図である。
装置1は、コントローラ50(制御部の一例)を有している。
コントローラ50は、プロセッサ(例えば、CPU)と、記憶装置(例えば、ROM、RAM、HDD、SSDなど)と、各種インターフェイス(例えば、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、通信インターフェイスなど)を有するコンピュータシステムである。コントローラ50は、記憶部55(記憶装置の記憶領域の一部又は全部に対応)に保存されたプログラムを実行することで、各種制御動作を行う。
コントローラ50の各要素の機能は、一部又は全てが、コントローラ50を構成するコンピュータシステムにて実行可能なプログラムとして実現されてもよい。その他、制御部の各要素の機能の一部は、カスタムICにより構成されていてもよい。
コントローラ50は、記憶部55に記憶されているプログラムを読み取り実行することによって、呼気流入判定部51と、音声情報生成部52と、ガス濃度測定部53と、表示情報生成部54と、を実現する。
音声情報生成部52は、各種音声情報(後述する基準音、調整音など)を生成し、それを用いてスピーカ35に音を出させる。音声情報生成部52は、音の高さを変化させるための変調器、合成器、アンプ等を含んでいてもよい。
ガス濃度測定部53は、ガスセンサ7の出力に基づいて、呼気中のアルコールの濃度を測定する。具体的には、ガス濃度測定部53は、ガスセンサ7の出力電流に基づいて、呼気中のアルコール濃度を算出する。
コントローラ50は、吸引ポンプ9、ディスプレイ33、スピーカ35に制御信号等を出力する。
図5~図7を用いて、装置1の測定制御動作を説明する。図5は、呼気成分検査装置の検査制御動作を示すフローチャートである。図6は、基準音と調整音の発生タイミングを示す模式図である。図7は、調整音の時間変化を示すグラフである。
さらに、制御フローチャートの各ブロックは、単一の制御動作とは限らず、複数のブロックで表現される複数の制御動作に置き換えることができる。
なお、各装置の動作は、コントローラ50から各装置への指令の結果であり、これらはソフトウェア・アプリケーションの各ステップによって表現される。
ステップS2では、ウォームアップが実行される。
呼気流入判定部51は、圧力センサ11の検出結果に基づいて、呼気採取管5の本体5aへの流入の有無と、その継続の有無とを判定する。ただし、この実施形態では呼気流入判定部51の動作は、説明の簡略化を目的として省略される。つまり、以下の説明では呼気が流入しており、継続している状態を前提としている。
ステップS5では、基準音・調整音発生動作が実行される。具体的には、コントローラ50が基準音と調整音をスピーカ35に発生させる。
基準音の高さ(周波数)は一定である。調整音の高さ(周波数)は、息の強さ(つまり、呼気採取管5内の圧力)に応じて変化させられる。
基準音の高さは、特定調整音の高さと同じ又は近くに設定されている。特定調整音とは、呼気吹き込みによって発生した圧力が適正圧力に一致したときに発生させられるものである。
一例として、基準音は1000Hzであり、調整音は500~1500Hzである。
ステップS7では、規定時間が経過しているか否かが判断される。規定時間が経過していればプロセスはステップS8に移行し、規定時間が経過していなければステップS6に戻る。
ステップS8では、呼気がガスセンサ7に吸引される。具体的には、コントローラ50が、吸引ポンプ9を駆動することによって、ガスセンサ7に一定量の呼気を導入する。
アルコールの濃度の出力方法は、ディスプレイ33による表示以外に、スピーカ35による音声出力、外部インターフェイス37を介した外部の情報処理装置への例えば電子メールによる通知、外部インターフェイス37を介した外部のプリンターによる印刷出力、記憶部55への記録でもよい。上記の出力方法は、1種類でもよいし、2種類以上組み合わせられてもよい。
上記のように、ガスセンサ7による測定動作における呼気の適正圧力に対応する基準音と、圧力センサ11の検出結果に基づいて変化する調整音とをスピーカ35が発生することで、被験者が呼気吹き込みの強さを調整可能になる。
以上より、被験者は呼気を吹き込みながら基準音と調整音とを聞くことができ、調整音を基準音に近づくように(この実施形態では、調整音の高さが基準音の高さに近づくように)呼気吹き込みの強さを調整できる。具体的には、実際の呼気圧力が適正圧力に近づくと、調整音が基準音に近づく。その結果、ガスセンサ7は、呼気のガス成分をより正確に検出できる。
さらに、この呼気成分検査装置1では、被験者は、一定のピッチで基準音と調整音の比較を行うことができ、比較的短期間で呼気の吹きこみの圧力を適正圧力に近づけることができる。
第1実施形態では一定のピッチで基準音と調整音は発生していたが、基準音と調整音の発生タイミングは、被験者が両者を比較できれば十分であるので、第1実施形態に限定されない。
図8を用いて、基準音と調整音の発生タイミングの変形例を第2実施形態として説明する。図8は、第2実施形態の基準音と調整音の発生タイミングを示す模式図である。
この呼気成分検査装置では、基準音と調整音がワンセットとなって発生することで、すなわち、先が基準音で後が調整音という順番で音が鳴るので、被験者は、聞こえている音が基準音か調整音かを間違えずに把握できる。
第1実施形態及び第2実施形態では基準音は間欠的に発生していたが、基準音と調整音の発生タイミングは、被験者が両者を比較できれば十分であるので、第1実施形態及び第2実施形態に限定されない。
図9を用いて、基準音と調整音の発生タイミングの変形例を第3実施形態として説明する。図9は、第3実施形態の基準音と調整音の発生タイミングを示す模式図である。
この呼気成分検査装置では、基準音が連続して発生しているので、すなわち、基準音が連続して鳴り調整音が断続的に鳴ることで、被験者は、聞こえている音が基準音か調整音かを間違えずに把握できる。なお、「連続して発生」とは、所定期間にわたって途切れることなく発生という意味であり、呼気の吹き込み中の全期間又は一部期間であってもよい。
第1~第3実施形態では被験者は自らの判断によって呼気の吹きこみ強さを調整していた。しかし、吹きこみ強さが弱い場合に強くすることを教示し、吹きこみ強さが強い場合に弱くすることを教示するガイド手段を設けてもよい。
図10を用いて、そのような実施例を第5実施形態として説明する。図10は、第4実施形態の基準音と調整音の発生タイミングを示す模式図である。なお、呼気成分検査装置の基本的な構成及び動作は第1実施形態と同じであるので、異なる点を中心に説明する。
具体的には、ガイド音は、呼気の圧力と適正圧力の差が大きい段階では「ピッ、ピッピッ」となり、差が小さくなる「ピー」となる。ただし、ガイド音のパターンは特に限定されない。
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
本実施形態の呼気成分検査装置は呼気中のアルコール濃度を測定して飲酒による酩酊度を検査するアルコール検査装置として用いることが好ましいものであるが、その他の各種呼気成分をガスセンサにより検出する構造の呼気成分検査装置として、広く利用できる。
ガスセンサとしては、様々な方式を採用可能である。
例えば、調整音の発生タイミングが吹き込み圧力によって変化する場合は、被験者は基準音と調整音を比較することで、調整音の発生タイミングを基準音の発生タイミングに合わせることができる。ここで、「発生タイミング」とは、例えば、基準音及び調整音がそれぞれ複数回鳴る設定の時に、基準音及び調整音のそれぞれの複数回の音の間隔である。
3 :筐体
5 :呼気採取管
6 :マウスピース
7 :ガスセンサ
9 :吸引ポンプ
11 :圧力センサ
31 :操作ボタン
33 :ディスプレイ
35 :スピーカ
50 :コントローラ
51 :呼気流入判定部
52 :音声情報生成部
53 :ガス濃度測定部
54 :表示情報生成部
55 :記憶部
Claims (6)
- 被験者によって吹き込まれた呼気のガス成分を検査するための装置であって、
呼気採取管と、
前記呼気のガス成分を検出するガスセンサと、
前記呼気採取管内の圧力を測定する圧力センサと、
スピーカと、
前記ガスセンサによる測定動作における前記呼気の適正圧力に対応する基準音と、前記圧力センサの検出結果に基づいて変化する調整音とを前記スピーカに発生させることで、前記被験者が呼気吹き込みの強さを調整できるようにする制御部と、
を備えた、呼気成分検査装置。 - 前記制御部は、前記呼気の圧力が前記適正圧力と同一になる又は近づくと、前記スピーカに、前記調整音の高さを前記基準音の高さと同一にする又は近づけさせる、請求項1に記載の呼気成分検査装置。
- 前記制御部は、前記スピーカに、前記基準音及び前記調整音を一定ピッチで交互に発生させる、請求項1又は2に記載の呼気成分検査装置。
- 前記制御部は、前記スピーカに、前記基準音と前記調整音の各組を所定間隔で発生させる、請求項1又は2に記載の呼気成分検査装置。
- 前記制御部は、前記スピーカに、前記基準音を連続して発生させる、請求項1又は2に記載の呼気成分検査装置。
- 被験者によって吹き込まれた呼気のガス成分を検査するための装置であって、
呼気採取管と、
前記呼気のガス成分を検出するガスセンサと、
前記呼気採取管内の圧力を測定する圧力センサと、
スピーカと、
前記ガスセンサによる測定動作における前記呼気の適正圧力に対応する基準音と、前記圧力センサの検出結果に基づいて変化する調整音とを前記スピーカに発生させることで、前記被験者が呼気吹き込みの強さを調整可能とし、さらに、前記呼気の圧力と適正圧力との差を示すガイド音を前記スピーカに発生させることで、前記被験者に呼気吹き込みの強さをガイドする、制御部と、
を備えた、呼気成分検査装置。
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