JP2017176828A - 呼吸機能検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被験者に所定の周期で呼吸を行わせた後の呼吸機能測定からなる肺気量分画検査を実施可能な呼吸機能検査装置を提供する。【解決手段】被験者に行わせる呼吸周期として異なる複数の基準周期を設定し、被験者の呼吸周期を基準周期に誘導するための誘導報知を実行し、当該基準周期に対応した呼吸機能検査の完了後に次の基準周期での誘導報知に移行する。実行されている誘導報知の基準周期と誘導報知中に計測される被験者の呼吸周期が合致しているか否かを判定し、合致していないと判定された場合は所定の報知を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、被験者の呼吸機能を検査する呼吸機能検査装置に関する。
慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease(以下「COPD」と称する))は気流閉塞により呼出後に肺に残る空気の量(以下「残気量」と称する)が増加する疾患である。また、運動等の動作によって呼吸が速くなって呼気時間が短縮されると、残気量は更に増加する。この現象は動的肺過膨張と呼ばれている。残気量が増加すると、呼出が不十分なまま次の吸気を行うことになるため、吸気量が減少して呼吸困難を引き起こすこととなる。動的肺過膨張の状態は、被験者になんらかの運動動作を行わせた直後、または安静状態よりも速い呼吸を行わせた直後に最大吸気量(Inspiratory Capacity(以下「IC」と称する))等を測定することで確認できる。
例えば、非特許文献1に示されるように、メトロノームの動作に合わせて被験者に安静状態よりも速い呼吸(以下、過呼吸と称する)を30秒間行わせ、次いでその直後にIC測定を行う手法が提案されている。この場合、過呼吸時の換気測定及びIC測定が合わさって1つの肺気量分画検査となる。被験者に行わせる過呼吸速度を変更する際は、医師、看護師、又は検査技師(以下、検査実施者と称する)が、各肺気量分画検査の終了後にメトロノームの設定を変更し、その後、次の肺気量分画検査、即ち過呼吸時の換気測定及びIC測定が行われる。
上記のような従来の検査方法では、被験者に所定の周期で呼吸を行わせるために、IC測定用の呼吸機能検査装置とは別にメトロノームを準備した上で、そのメトロノームに所定の動作周期を設定しなければならず、検査実施者にとっては不便であった。
本発明は、このような背景のもとになされたものであり、その目的は、被験者に所定の周期で呼吸を行わせることが可能な呼吸機能検査装置を提供することにある。
上記課題を解決すべく以下の手段を採った。なお後述する発明を実施するための最良の形態の説明及び図面で使用した符号を参考のために括弧書きで付記するが、本発明の構成要素は該付記したものには限定されない。
手段1は、被験者の呼吸機能を検査する呼吸機能検査装置(スパイロメータ100)であって、基準周期を設定可能な設定手段(CPU14、操作キー17、ディスプレイ18)と、被験者の呼吸周期を前記設定手段により設定された基準周期(第1呼吸:RR1、第2呼吸:RR2、第3呼吸:RR3)に誘導するための誘導報知を実行する誘導報知手段(ディスプレイ18、スピーカ20、報知ランプ21)と、を含むことを特徴とする。
また、手段2は、手段1の呼吸機能検査装置であって、
前記設定手段は、異なる複数の基準周期(RR1〜RR3)を設定可能であると共に、基準周期毎に誘導報知を行う順序(第1呼吸〜第3呼吸)を設定可能であり、前記誘導報知手段は、前記設定手段により設定された基準周期及び順序に基づいて誘導報知を実行することを特徴とする。
また、手段3は、手段2の呼吸機能検査装置であって、
前記誘導報知手段は、所定の基準周期の誘導報知が終了した後、所定の操作(操作キー17の操作)に基づいて次の基準周期の誘導報知に移行する(第1測定が終了していれば移行操作に応じてRR2に対応した誘導報知を実行し、第2測定が終了していれば移行操作に応じてRR3に対応した誘導報知を実行する)ことを特徴とする。
また、手段4は、手段2の呼吸機能検査装置であって、
前記誘導報知手段は、所定の基準周期の誘導報知が終了した後、当該基準周期に対応した検査の完了に基づいて次の基準周期の誘導報知に移行する(RR1に対応した第1測定が終了すると自動的にRR2に対応した誘導報知を実行し、RR2に対応した第2測定が終了すると自動的にRR3に対応した誘導報知を実行する)ことを特徴とする。
また、手段5は、手段2の呼吸機能検査装置であって、
前記誘導報知手段が、前記設定手段により設定された基準周期及び順序に基づいて誘導報知を実行しているときに、設定されていた基準周期を変更操作に基づいて変更可能である(第1測定終了後にRR2を変更可能であり、第2測定終了後にRR3を変更可能である)ことを特徴とする。
また、手段6は、手段2の呼吸機能検査装置であって、
基準周期毎(RR1〜RR3)の検査結果(第1測定〜第3測定の各結果)を比較可能に表示する検査結果表示手段(ディスプレイ18)を含むことを特徴とする。
また、手段7は、手段6の呼吸機能検査装置であって、
前記検査結果表示手段(ディスプレイ18)は、基準周期毎(RR1〜RR3)に、誘導報知の終了後において検査された最大吸気位(第1〜第3最大吸気位)及び最大呼気位(第1〜第3最大呼気位)の少なくとも一方に基づく検査結果(最大吸気量IC1〜IC3、予備呼気量ERV1〜ERV3、肺活量VC1〜VC3、努力性肺活量FVC1〜FVC3)を表示することを特徴とする。
また、手段8は、手段6又は7の呼吸機能検査装置であって、
前記検査結果表示手段(ディスプレイ18)は、基準周期毎(RR1〜RR3)に、誘導報知の終了後において検査された努力性肺活量(第1呼吸後に計測された努力性肺活量FVC1、第2呼吸後に計測された努力性肺活量FVC2、第3呼吸後に計測された努力性肺活量FVC3)に基づく検査結果を表示することを特徴とする。
また、手段9は、手段6〜8から選択されるいずれかの呼吸機能検査装置であって、
前記検査結果表示手段(ディスプレイ18)は、基準周期毎(RR1〜RR3)に、誘導報知の終了後において検査された予備呼気量(第1呼吸後に計測された予備呼気量ERV1、第2呼吸後に計測された予備呼気量ERV2、第3呼吸後に計測された予備呼気量ERV3)に基づく検査結果を表示することを特徴とする。
また、手段10は、手段6〜9から選択されるいずれかの呼吸機能検査装置であって、
前記検査結果表示手段(ディスプレイ18)は、基準周期毎(RR1〜RR3)に、誘導報知期間中又は誘導報知終了後における呼気位(第1〜第3呼気位)及び吸気位(第1〜第3吸気位)の少なくとも一方の上昇を把握可能な態様で表示することを特徴とする。
また、手段11は、手段1〜10から選択されるいずれかの呼吸機能検査装置であって、
被験者の呼吸周期を計測する呼吸周期計測手段(フローセンサ50、圧力センサ11)と、前記呼吸周期計測手段により計測される呼吸周期が、実行されている誘導報知の基準周期(RR1〜RR3)と合致しているか否かを判定する周期判定手段(CPU14)と、を含み、前記周期判定手段により合致していないと判定された場合に所定の報知を行う(計測されたRRと設定したRRとの間に5以上のずれが生じれば、ディスプレイ18やスピーカ20によって、実際の呼吸周期が誘導目標の呼吸周期から乖離していることを報知する)ことを特徴とする。
また、手段12は、手段11の呼吸機能検査装置であって、
前記呼吸周期判定手段(CPU14)により合致していないと判定された場合に検査を中止する(設定したRRと計測されたRRとの間に10以上のずれが生じれば、自動的に検査を中止する)ことを特徴とする。
また、手段13は、手段1〜12から選択されるいずれかの呼吸機能検査装置であって、
前記誘導報知は、呼気を行うべき期間及び吸気を行うべき期間を被験者に示す(ディスプレイ18に表示されるキャラクタの画像によって呼気を行うべき期間及び吸気を行うべき期間をガイドすると共に、スピーカ20から出力される効果音によって呼気から吸気に切り換えタイミング及び吸気から呼気に切り換えるタイミングをガイドする)ものであることを特徴とする。
また、手段14は、手段13の呼吸機能検査装置であって、
前記誘導報知における呼気を行うべき期間及び吸気を行うべき期間を設定可能である(例えば、キャラクタが示す吸気時間と呼気時間の長さの比を、1:2に設定可能である)ことを特徴とする。
また、手段15は、手段1〜14から選択されるいずれかの呼吸機能検査装置であって、
第1発光装置(呼気ランプ24)及び第2発光装置(吸気ランプ22)を含み、
前記誘導報知が行われていない期間において、被験者の呼気が検出されているときに前記第1発光装置(呼気ランプ24)を発光させ、被験者の吸気が検出されているときに前記第2発光装置(吸気ランプ22)を発光させ、前記誘導報知において、設定された基準周期(RR1〜RR3)に基づいて呼気を促すときに前記第1発光装置(呼気ランプ24)を発光させ、設定された基準周期に基づいて吸気を促すときに前記第2発光装置(吸気ランプ22)を発光させることを特徴とする。
また、手段16は、手段15の呼吸機能検査装置であって、
第3発光装置(プラトーランプ23)を含み、
前記誘導報知が行われていない期間において、被験者の呼吸終末が検出されているときに前記第3発光装置(プラトーランプ23)を発光させ、
被験者の呼吸周期を計測する呼吸周期計測手段(圧力センサ11)と、
前記呼吸周期計測手段により計測される呼吸周期が、実行されている誘導報知の基準周期と合致しているか否かを判定する周期判定手段(CPU14)と、をさらに含み、
前記呼吸周期判定手段(CPU14)により合致していないと判定された場合(計測されたRRと設定したRRとの間に5以上のずれが生じた場合)に、前記第3発光装置(プラトーランプ23)を発光させることを特徴とする。
また、手段17は、手段1〜16から選択されるいずれかの呼吸機能検査装置であって、
呼吸経路(フローセンサ50)に設けられた抵抗体(スクリーン55)の前後の差圧に基づいて呼吸流量を検査可能な差圧式の呼吸機能検査装置であり、
第1圧力ポート(40)と第2圧力ポート(41)との差圧を検出するための圧力センサ(圧力センサ11)と、
前記圧力センサの出力値に基づいてゼロ点調整(本来差圧がゼロとなるべき状態における圧力センサ11の出力値(又は出力値に基づいて算出される計測差圧)を記憶する処理)を実行するゼロ点調整手段(CPU14)と、を含むことを特徴とする。
また、手段18は、手段17の呼吸機能検査装置であって、
前記抵抗体(スクリーン55)の呼吸口側(接続口52側)に位置する前部から前記第1圧力ポート(40)に圧力を伝達可能な第1経路(差圧チューブ30)と、前記抵抗体(スクリーン55)の呼吸口側(接続口52側)とは反対側の後部から前記第2圧力ポート(41)に圧力を伝達可能な第2経路(差圧チューブ31)と、が少なくとも設けられ、
前記第1圧力ポートと前記前部とを圧力的に接続し且つ前記第1圧力ポートと前記第2圧力ポートとを圧力的に遮断した(スクリーン55前方側の圧力は第1圧力ポート40に伝達するがスクリーン55後方側の圧力は第1圧力ポート40に伝達しない)検査可能状態と、前記第1圧力ポートと前記前部とを圧力的に遮断し且つ前記第1圧力ポートと前記第2圧力ポートとを圧力的に接続した(スクリーン55前方側の圧力は第1圧力ポート40に伝達せずスクリーン55後方側の圧力(大気圧)が第1圧力ポート40及び第2圧力ポート41に伝達する)調整状態と、に制御可能であり、
前記ゼロ点調整手段は、前記調整状態における前記圧力センサ(圧力センサ11)の出力値に基づいてゼロ点調整を実行することを特徴とする。
また、手段19は、手段18の呼吸機能検査装置であって、
前記第2経路(差圧チューブ31)から前記第1経路(差圧チューブ30)に圧力を伝達可能な第3経路(チューブ34)が設けられ、
制御弁(バルブV1及びバルブV2、又は三方弁)の動作に基づいて前記第1経路を開状態とし前記第3経路を閉状態とすることにより前記検査可能状態に制御し、前記第1経路を閉状態とし前記第3経路を開状態とすることにより前記調整状態とすることを特徴とする。
また、手段20は、手段19の呼吸機能検査装置であって、
前記第1経路(差圧チューブ30)の、前記第3経路(チューブ34)との接続部よりも抵抗体(スクリーン55)側には第1制御弁(バルブV1)が設けられ、前記第3経路(チューブ34)には第2制御弁(バルブV2)が設けられ、
前記第1制御弁(バルブV1)を開状態とする一方で前記第2制御弁(バルブV2)は閉状態とすることにより前記検査可能状態に制御し、前記第1制御弁(バルブV1)を閉状態とする一方で前記第2制御弁(バルブV2)は開状態とすることにより前記調整状態に制御することを特徴とする。
また、手段21は、手段17〜20から選択されるいずれかの呼吸機能検査装置であって、基準周期毎(RR1〜RR3)に前記ゼロ点調整を実行可能である(RR1、RR2、RR3と、誘導する呼吸周期が変化する毎にゼロ点調整を実行可能である)ことを特徴とする。
また、手段22は、手段1〜21から選択されるいずれかの呼吸機能検査装置であって、時間肺活量に関する検査結果(%FEV1.0、及び%FEV1.0に応じたCOPD病期分類)と、最大吸気量又は予備呼気量に関する検査結果(IC0に対してのIC1、IC2、IC3の減少率、あるいは、ERV0に対してのERV1、ERV2、ERV3の増加率等)との関係を表示することを特徴とする。
また、手段23は、手段1〜22から選択されるいずれかの呼吸機能検査装置であって、
COPDの病期分類(I期〜IV期)と、最大吸気量又は予備呼気量に関する検査結果(IC0に対してのIC1、IC2、IC3の減少率、あるいは、ERV0に対してのERV1、ERV2、ERV3の増加率等)の関係を表示することを特徴とする。
また、手段24は、手段23の呼吸機能検査装置であって、
最大吸気量又は予備呼気量(IC0に対してのIC1、IC2、IC3の減少率、あるいは、ERV0に対してのERV1、ERV2、ERV3の増加率等)に基づいてCOPDの病期分類(I期〜IV期)を判定する病期分類判定手段(CPU14)を含むことを特徴とする。
本発明によれば、被験者に所定の周期で呼吸を行わせることが可能になる。
図1はスパイロメータの一例を示す機能ブロック図である。 図2はスパイロメータの本体部の一例を示す外観斜視図である。 図3はスパイロメータが備えるフローセンサの一例を示す図である。 図4は呼吸容量の時間推移の一例を示す図である。 図5は連続測定時の呼吸容量の時間推移の一例を示す図である。 図6は誘導すべき呼吸周期を設定する画面の一例を示す図である。 図7は測定呼吸周期を設定呼吸周期に誘導するための表示情報の一例を示す図である。 図8は連続測定時の報知の一例を示すフローチャートである。 図9は最大吸気量ICの減少率の一例を示す図である。 図10は過呼吸時の呼気位の上昇率の一例を示す図である。 図11は最大吸気量ICの減少率と%FEV1.0及びCOPD病期分類との関係を示す図である。 図12はCOPDにおけるI期〜IV期の各病期分類に該当する被験者に関しての、最大吸気量ICの平均減少率を示す図である。
以下、本発明に係る呼吸機能検査装置の一例であるスパイロメータ100に関して、図面を参照して説明する。なお、以下の説明においては、呼吸流量を「フロー」と称し、呼吸容量を「ボリューム」と称する場合がある。
[1−1.スパイロメータ100の構成]
図1はスパイロメータ100の一例を示す機能ブロック図であり、図2はスパイロメータ100の本体部10の一例を示す外観斜視図である。また、図3はスパイロメータ100が備えるフローセンサ50及び圧力センサ11の一例を示す図である。
図1及び図2に示すように、スパイロメータ100は、本体部10、並びに、フローセンサ50等からなる。本体部10は、操作キー17、ディスプレイ18、プリンタ19、スピーカ20、報知ランプ21、圧力センサ11、A/D変換器12、CPU14、ROM13、RAM15、及びRS232Cコネクタ16等を備えている。
図3に示すフローセンサ50は、本体部10に着脱自在に設けられており、差圧チューブ30及び差圧チューブ31の一端が接続されている。差圧チューブ30及び差圧チューブ31の他端は、本体部10に設けられた圧力センサ11の第1圧力ポート40及び第2圧力ポート41にそれぞれ接続される。フローセンサ50の構成の詳細については後述する。
操作キー17には、測定項目の設定画面や測定条件の入力画面等の表示、測定の開始及び測定の終了等、予め設定された機能が割り当てられており、検査実施者が各キーを押し下げることによって該当する機能が実行される。操作キー17には、ディスプレイ18に出力されるデータをプリントアウトする際に操作する印刷キーも含まれる。また、測定項目の設定及び測定条件の入力、並びに、年齢、身長等の被験者情報の入力等を行うための、図示しない0〜9の10個の数値キーや方向キー等を備える。なお、ディスプレイ18を、タッチパネル式のディスプレイにより構成して、ディスプレイ上の操作によって、測定項目の設定及び測定条件の入力、並びに、被験者情報の入力等を可能としても良い。
図2に示すように、報知ランプ21は、吸気ランプ22、プラトーランプ23、及び呼気ランプ24から構成される。後述するように、呼吸周期の誘導が行われていない期間においては、被験者が吸気中には吸気ランプ22が発光し、呼気中には呼気ランプ24が発光する。プラトーランプ23は、フローが減少して所定の閾値以下となっている状態(ボリュームの変化がゼロ近くになっている状態)で発光することにより、吸気終末の報知(吸気ランプ22発光中のプラトーランプ23の発光)及び呼気終末の報知(呼気ランプ24発光中のプラトーランプ23の発光)が行われる。なお、以下の説明では、本体部10に備えられた報知ランプ21の発光によって報知を行うとしているが、報知ランプ21を模した画像をディスプレイ18に表示し、吸気ランプ22、プラトーランプ23、及び呼気ランプ24に該当する画像が発光又は点滅するように構成してもよい。
フローセンサ50は、呼吸流量に対応した差圧を発生させるものである。図3に示すようにフローセンサ50は、図示しないフィルタやマウスピースを接続するための接続口52を備えている。被験者がこのフローセンサ50のハンドル56を把持した状態で、接続口52に接続されたマウスピースを介して呼吸を行うことにより、フローセンサ50内に差圧が生じ、この差圧が差圧チューブ30及び差圧チューブ31を介して本体部10内の圧力センサ11に伝達される。これによって呼吸流量の計測が実行され、計測された呼吸流量が積分されることによって肺活量等の呼吸容量が計測される。
圧力センサ11は、検出される差圧に対応したアナログ信号を出力するものである。本例では、半導体の差圧センサであり、差圧チューブ30及び31によって伝達される差圧を検出するための差圧検出部と、該差圧検出部により検出される差圧に対応した電圧を出力するための出力端子を備える。
A/D変換器12は、アナログ信号をディジタル信号に変換するためのものである。本例では、半導体のA/Dコンバータであり、圧力センサ11の出力端子から出力されるアナログ信号を、後述するCPU14において処理可能なディジタル信号に変換して、ディジタル出力端子から出力する。
CPU14は、ROM13に記憶されている計測プログラムをRAM15を作業領域として実行することにより、接続される各構成要素の動作を制御して、あるいは各構成要素からの信号を受信して各種の処理を行うものである。本例では、A/D変換器12からの出力であり前記差圧に対応した値を示すディジタル信号に基づいて、呼気流速や吸気流速といった呼吸流量を算出する処理を行う。この算出処理は、予め記憶している差圧と呼吸流量との間の関係式に基づいて行う。即ちディジタル信号から差圧を特定し、該特定した差圧を関係式に入力して呼吸流量を算出する。また、本例ではこの呼吸流量(フロー)の積分を行うことによって呼吸容量(ボリューム)が算出される。このようにして計測されたフロー信号及びボリューム信号は、RAM15に蓄積され、計測が終了するとRAM15に蓄積された計測データがROM13に記憶される。ROM13に記憶された計測データは、ディスプレイ18に表示可能である。
不揮発性のメモリであるROM13は、上記のように計測データを記憶する他、呼吸機能用の計測プログラムも記憶している。またROM13には、ガイド用の音声データも記憶されており、この音声データはスピーカ20によって再生される。ディスプレイ18はLCDのディスプレイであり、本体部10の上面に設けられ、CPU14からLCDドライバ回路(図示せず)を介して出力制御が行われることで所定のデータを画面に出力するものである。プリンタ19は例えばサーマル式のプリンタであって、CPU14からサーマルヘッドのドライバを介して印字制御が行われることで所定のデータを視認可能に紙上に出力するものであり、例えばディスプレイ18に表示されているデータの印刷を行う。スピーカ20は音声ガイドによって被験者に呼気や吸気を促すための音声出力手段であり、予めROM13に記憶されている音声データに基づいた音声が出力される。
RS232Cコネクタ16は、例えばPC等のスパイロメータ外部の装置と、RS232C用のケーブルを介してデータを送受するための端子である。なお、本例では外部PCとのインターフェイスをRS232Cコネクタとしているが、これに限らず他のインターフェイスであってもよい。
[1−2.フローセンサ50の構成]
フローセンサ50について図3を用いて詳述する。フローセンサ50の筐体となるフローセンサケース51の側面には、フィルタやマウスピースを接続するための接続口52が設けられている。フローセンサケース51の下部にはフローセンサケース51を把持するためのハンドル56が設けられている。
このフローセンサケース51内の流管53内には呼吸抵抗を生ずる抵抗体としてスクリーン55が配置されている。このスクリーン55はメッシュ状物であって、気体の流れを制限するように配置されており、この流管53内に気体の流れが生じるとスクリーン55の前後に差圧が発生する。このスクリーン55の前後の圧力は、該スクリーン55の前後に配される圧力ポートの各々と接続される差圧チューブ30及び差圧チューブ31を介して、圧力センサ11の第1圧力ポート40及び第2圧力ポート41に伝達される構成となっている。即ち、差圧チューブ30がスクリーン55の前方(接続口52側)の圧力を圧力センサの第1圧力ポート40に伝達し、差圧チューブ31がスクリーン55の後方の圧力を圧力センサの第2圧力ポート41に伝達する。
なお、図3に示す差圧チューブ30、31は、図2に示す差圧チューブ接続口32、33よりも本体外部側(フローセンサ50側)のチューブと、差圧チューブ接続口32、33よりも本体内部側(圧力センサ11側)のチューブとが、差圧チューブ接続口32、33を介して接続されることにより構成されるものである。図2に示す差圧チューブ接続口32、33は、図3に示すバルブV1よりも上流側(流管53側)に位置している。
本体部10の圧力センサ11は、圧力センサの第1圧力ポート40及び第2圧力ポート41に伝達される圧力差を検出することにより、流管53内を流れる気体の流速、即ち呼吸流量を計測することができる。この呼吸流量は、呼吸流速とも呼ばれる。なお、この方式のフローセンサは、いわゆる差圧式と呼ばれるものであり、本例においては、スクリーン55がメッシュ状物であることから可動部が無いため安価で故障しにくいという特徴を有している。なお、流管53内に配置する抵抗体は、可動部を有するものであっても良い。例えば、流管内に柔軟な弁を配置して、フローに応じて弁の形状が変化することにより、弁の前後にフローに応じた差圧を生じさせるものであっても良い。
[1−3.ゼロ点調整]
呼吸機能検査装置の校正として、圧力センサ11に生じる電気的変化や温度及び湿度の変化等に起因する測定誤差を解消するために行われるゼロ点調整がある。ゼロ点調整とは、圧力センサ11の第1圧力ポート40及び第2圧力ポート41に伝達される圧力に差が無い(差圧がゼロとなる)状態としたときの、圧力センサ11の出力値(あるいは出力値に基づいて算出される計測差圧)を呼吸流量のゼロ点として規定する処理であり、通常1回の測定毎に行われる。従来の呼吸機能検査装置においてゼロ点調整を行う際は、被験者がマウスピースを外すことによって呼吸機能検査装置内に流出入する吐気及び吸気を遮断して、差圧がゼロの状態とする必要がある。即ち、ゼロ点調整を行っている間は次の検査を開始することができないため、肺気量分画検査を中断を挟まずに連続して実施することは不可能となる。
例えば、従来の呼吸機能検査において肺活量等を3回連続して検査する場合は、少なくとも、1回目の検査開始前、1回目の検査終了後から2回目の検査開始前までの間、及び2回目の検査終了後から3回目の検査開始前までの間にそれぞれゼロ点調整が必要となる。具体的には、従来の呼吸機能検査装置において肺活量等を3回連続して検査する場合の流れは以下のようになる。まず、検査実施者が検査装置を操作してゼロ点調整を行った後、被験者がマウスピースを装着して1回目の検査が行われる。1回目の検査終了後に被験者はマウスピースを外し、検査実施者が検査装置を操作してゼロ点調整を行う。次いで、被験者がマウスピースを装着して2回目の検査が行われる。2回目の検査終了後に被験者はマウスピースを外し、検査実施者が検査装置を操作してゼロ点調整を行う。次いで、被験者がマウスピースを装着して3回目の検査が行われる。
これに対して、本実施形態のスパイロメータ100は、以下に説明するバルブV1及びV2を含む機構を有し、該機構を制御することにより、検査を中断せずに呼吸流量のゼロ点調整行うことが可能な構成となっている。バルブV1及びV2は、いずれも二方向の電磁弁によって構成される。
図3に示すように、差圧チューブ30にはバルブV1が設けられている。バルブV1を「開」とすることで、スクリーン55の前方(接続口52側)と第1圧力ポート40が圧力的に接続され、スクリーン55の前方(接続口52側)の圧力が第1圧力ポート40に伝達される。バルブV1を「閉」とすることで、スクリーン55の前方(接続口52側)と第1圧力ポート40が圧力的に遮断され、スクリーン55の前方(接続口52側)の圧力は第1圧力ポート40に伝達されない。
また、差圧チューブ30におけるバルブV1と第1圧力ポート40との間には、差圧チューブ30と差圧チューブ31を連結するチューブ34が設けられており、更にチューブ34にはバルブV2が設けられている。バルブV2を「開」とすることにより、差圧チューブ30及び31は圧力的に接続され、バルブV2を「閉」とすることにより、差圧チューブ30及び31は圧力的に遮断される。
通常の呼吸機能検査時には、バルブV1は「開」、バルブV2は「閉」に設定される検査可能状態とする。それによって、流管53内における、スクリーン55の前方側(接続口52側)の圧力は、差圧チューブ30によって圧力センサ11の第1圧力ポート40に伝達され、スクリーン55の後方側(大気開放側)の圧力は、差圧チューブ31によって圧力センサ11の第2圧力ポート41に伝達される。
スパイロメータ100においてゼロ点調整を行う際には、バルブV1は「閉」、バルブV2は「開」に設定される調整状態とする。それによって、流管53内の、スクリーン55の前方側は第1圧力ポート40と圧力的に遮断され、スクリーン55の後方側は差圧チューブ31及び差圧チューブ30の両方を介して圧力センサ11の第2圧力ポート41及び第1圧力ポート40と圧力的に接続される。即ち、被験者がマウスピースをくわえて呼吸を行っている状態においても、差圧チューブ30及び差圧チューブ31を介して圧力センサ11の第1圧力ポート40及び第2圧力ポート41に伝達される圧力に差が生じない状態とすることができる。そのため、被験者がマウスピースを外すことなく、ゼロ点調整を行うことが可能となっている。
バルブV1およびバルブV2の開閉、並びにゼロ点調整処理の実行は、CPU14から出力される信号によって制御される。具体的には、例えば、肺活量等の一回の測定が開始される前のタイミングで、自動的にゼロ点調整が実行され、ゼロ点調整の終了後に検査が開始される。あるいは、一回の測定が終了した後のタイミングで、自動的にゼロ点調整が実行され、ゼロ点調整の終了後、次の検査が開始される。なお、検査実施者が所定の操作キー17(例えば、ゼロ点調整を実行させるための専用のキー、あるいは、検査を開始させるための開始キーや、検査を終了させるための終了キー等)を操作したことに応じて、ゼロ点調整処理を実行するようにしてもよい。
流管53において、スクリーン55の前方開口側(接続口52側)には、被験者のマウスピースが接続されるのに対して、スクリーン55の後方開口側(接続口52と反対側)は、大気に開放されている。そのため、流管53内において、スクリーン55の後方側は、スクリーン55の前方側よりもゼロ点調整時の被験者の呼吸による影響を受けにくい。従って、ゼロ点調整時に差圧チューブ31及び差圧チューブ30を介して差圧センサ11の第1圧力ポート40及び第2圧力ポート41に伝達される圧力は、スクリーン55の前方側(接続口52側)の圧力ではなく、上記の例で説明したように、スクリーン55の後方側の圧力とする方が好ましい。
なお、図3及び上記の説明では、二方弁であるバルブV1及びV2の2つを組み合わせた機構及びその制御について説明したが、バルブV1及びV2の代わりに三方弁(三岐弁)を1つ設けて、同様の機能を実現するようにしてもよい。この三方弁に関しては、前述したV1及びV2が一体化された機能を有するものであっても良く、スクリーン55の前方側から第1圧力ポート40への圧力の伝達を許容する一方、差圧チューブ31から差圧チューブ30への圧力の伝達を遮断する検査可能状態(例えば、三方弁の駆動弁が差圧チューブ30におけるチューブ34との接続口を塞いだ状態)と、スクリーン55の前方側から第1圧力ポート40への圧力の伝達を遮断する一方、差圧チューブ31から差圧チューブ30への圧力の伝達を許容する調整状態(例えば、三方弁の駆動弁が差圧チューブ30におけるチューブ34との接続口よりも上流側(スクリーン55の前方側)を塞いだ状態)と、を切り換えることが可能であれば良い。
なお、図3に示した形態では、調整状態においてスクリーン55の後方側(大気開放側)の圧力を第1圧力ポート40に伝達するためのチューブ34が設けられているが、このようなチューブ34を設けない構成としても良い。例えば、差圧チューブ30に開放孔(大気側と差圧チューブ30内とを圧力的に接続するための孔)を形成しておき、差圧チューブ30における開放孔を閉鎖すると共にスクリーン55の前方側から第1圧力ポート40への圧力の伝達を許容する第1接続状態と、開放孔を開放すると共に開放孔の上流側(スクリーン55の前方側)を閉鎖することにより第1圧力ポート40を開放孔を通じて大気側と圧力的に接続する第1開放状態と、に切り換え可能な構成とする。
同様に、差圧チューブ31に開放孔(大気側と差圧チューブ31内とを圧力的に接続するための孔)を形成しておき、差圧チューブ31における開放孔を閉鎖すると共にスクリーン55の後方側から第2圧力ポート41への圧力の伝達を許容する第2接続状態と、開放孔を開放すると共に開放孔の上流側(スクリーン55の後方側)を閉鎖することにより第2圧力ポート41を開放孔を通じて大気側と圧力的に接続する第2開放状態と、に切り換え可能な構成とする。このようにチューブ34を設けない構成では、差圧チューブ30及び31を、それぞれ第1接続状態及び第2接続状態とすることにより検査可能状態に制御可能であり、それぞれ第1開放状態及び第2開放状態とすることにより調整状態に制御可能である。
[2−1.ボリューム信号]
次に、スパイロメータ100(CPU14等)により測定される呼吸容量の測定手順と、呼吸機能検査の測定内容等について、図4を用いて説明する。被験者がフローセンサ50を把持して、フローセンサ50の接続口52に装着された図示しないマウスピースを口に含んだ状態で、呼吸(呼気及び吸気)を行うと、呼吸計測手段(フローセンサ50、差圧チューブ30及び31、圧力センサ11、A/D変換器12、CPU14等)により呼吸流量(フロー)が計測され、さらに該呼吸流量の積分値として呼吸容量(ボリューム)が計測される。ここで計測された呼吸流量の時系列データは、RAM15に蓄積され、例えば、図4に示すように、横軸(X軸)を時間とし、縦軸(Y軸)を呼吸容量とした曲線(以下、ボリューム曲線と称する)が、ディスプレイ18に表示される。
図4は、最大吸気量(IC)及び肺活量(VC)測定を行ったときの呼吸容量の時間推移の一例である。一般的に、これらの呼吸機能検査では、まず被験者に所定時間の安静呼吸を行わせ、安静時換気測定を行った後に、本検査としてIC及びVC測定が行われる。さらに、本検査において、肺活量(VC)と最大吸気量(IC)との差分により、予備呼気量(ERV)を算出するようにしても良い。また、肺活量(VC)に代えて、最大吸気位からの一気の呼出を行わせることによって努力性肺活量(FVC)を測定するようにしても良い。
安静時換気測定においては安静吸気位と安静呼気位が測定され、次いで、本検査において最大吸気位と最大呼気位が測定される。ここで、安静吸気位とは安静呼吸時において息を吸い込んだ状態のボリュームであり、安静呼気位とは安静呼吸時において息を吐いた状態のボリュームである。また、最大吸気位とはできるだけ息を吸い込んだ状態のボリュームであり、最大呼気位とはできるだけ息を吐き切った状態におけるボリュームである。
各吸気位及び各呼気位の特定はCPU14によって行われる。最大吸気位及び最大呼気位の特定の方法としては、例えば、ボリューム信号の時間微分値が正から負に転換する時刻(ボリューム信号が増加から減少に転ずる時刻)を特定して、その時刻における計測データを当該呼吸周期における吸気のピークとして特定する。同様に、ボリューム信号の時間微分値が負から正に転換する時刻を特定して、当該呼吸周期における呼気のピークとして特定する。
また、最大吸気位及び最大呼気位の特定は、呼吸流量(フロー)が所定値以下であるか否かを判定することで行ってもよい。これは、人が最大限の努力で最大呼気又は最大吸気を行う場合には、最大呼気点又は最大吸気点において、呼吸流量がほぼ零になるという特性を利用する方法である。即ち、被験者が最大呼気を行う場合には、徐々に吐き出す息の流量が低下して最大呼気位でほぼ零となり、最大吸気を行う場合には、徐々に吸い込む息の流量が低下して最大吸気位でほぼ零となる。そのため呼吸流量の絶対値が零近くに定めた所定値以下となった場合や、呼吸流量の時間積分値(ボリューム)の変化が零近くに定めた所定値以下となった場合には、最大限の努力で呼気又は吸気を行ったと判定することができる。
[2−2.連続検査]
次に、本実施形態のスパイロメータ100による連続検査について、図5〜図8を用いて説明する。以下に説明する連続検査は、特に動的肺過膨張の検査手段として有効であるが、本発明はこれに限定されるものではない。スパイロメータ100の機能は図1〜図4で説明したものと同様であるため、重複する部分については説明を省略する。
なお、呼吸速度を示す表記として、以下の説明においては、毎分当たりの呼吸回数、即ち呼吸周期を、RR(Respiratory Rate)と称する。例えば、RR=20とは毎分当たり20回(呼吸1回あたり3秒)、RR=30とは毎分当たり30回(呼吸1回あたり2秒)、RR=40とは毎分当たり40回(呼吸1回あたり1.5秒)の呼吸速度を示す。
図5は、以下に説明する連続検査時の呼吸容量の時間推移の一例である。横軸(X軸)を時間とし、縦軸(Y軸)を呼吸容量としたボリューム曲線は、検査中に随時ディスプレイ18に表示され、検査終了後にプリンタ19によって印刷することが可能である。また、検査終了後に測定データはRAM15に記憶される。図6は、誘導すべき呼吸周期を設定するための画面の一例である。図7は、被験者の呼吸周期を、設定された呼吸周期に誘導するための表示情報の一例である。図8は、連続検査時にスピーカ20から出力される音声及び報知ランプ21による光による報知処理及びCPU14が行う処理の一例を説明するためのフローチャートである。
本実施形態における連続検査は、基礎検査、本検査1、本検査2、及び本検査3から構成され、図5に示すように、基礎検査、本検査1、本検査2、本検査3の順に、中断を挟むこと無く連続して行われる。基礎検査は、安静換気測定とそれに続く基礎測定から構成される。本検査1〜3は、それぞれ第1〜第3呼吸時の換気測定とそれに続く第1〜第3測定から構成される。第1〜第3呼吸は、それぞれ所定の呼吸周期で所定時間、被験者に行わせる過呼吸である。本実施形態においては、呼吸周期は、第1呼吸ではRR1=20、第2呼吸ではRR2=30、第3呼吸ではRR3=40に設定し、第1〜第3呼吸の呼吸時間はそれぞれ30秒間に設定する。以下、連続検査について、図5〜図8を用いて時系列に沿って説明する。
まず、検査実施者は操作キー17を操作して、被験者のID番号、性別、年齢、身長及び体重等の被験者情報を入力する。入力された情報は、CPU14を介してROM13に記憶される。被験者情報は、予めROM13に記憶された性別や年齢毎の呼吸機能の標準値データと被験者の測定値データとを比較参照するために使用される。
次に、検査実施者は操作キー17、図示しない0〜9の10個の数値キー及び方向キーを操作して、これから行う呼吸機能検査の検査内容の設定を行う。具体的には、連続検査の内容として、検査項目(IC、VC等)、基礎検査の測定項目(安静換気測定とそれに続く基礎測定の項目)、本検査の測定項目(第1〜第3呼吸時の換気測定とそれに続く第1〜第3測定の項目)、本検査の実施回数(この場合は3回)、本検査の実施回数(この場合は第1〜第3呼吸時)に応じた各RR設定値(RR1=20、RR2=30、RR3=40)及び各呼吸時間(この場合は全て30秒間)等を入力する。このようにして、誘導目標となる呼吸周期を各々設定すると共に、各呼吸周期に誘導する順序(この場合は、最初がRR1=20、2番目がRR2=30、最後がRR3=40の順序となる)を設定する。
ここで、測定項目とは、安静吸気位、安静呼気位、最大吸気位及び最大呼気位等である。検査実施者が検査項目(IC、VC、ERV等)を入力又はメニューから選択することで、各検査に必要な測定項目が自動的に選択されるように予め設定しておき、入力作業を簡略化してもよい。入力された情報は、CPU14を介してRAM15に記憶され、これらの設定情報に基づいて、CPU14は連続検査の測定及び報知を制御する。
また、本検査の実施回数が操作キー17によって入力されることにより、図6に示すように、設定された実施回数に応じた呼吸周期の設定画面がディスプレイ18に表示される。本例では、本検査の実施回数として3が設定されたため、3回の本検査各々に対応した呼吸周期(RR1〜RR3)を設定画面に入力することになる。
本例では、1回目の本検査において、呼吸周期を20回/分に誘導しようとしているため、RR1=20と入力している。この場合には、1回の呼吸周期が3.0秒となる。また、1呼吸周期における吸気と呼気の時間比を1:2と設定しているため、吸気をする期間が1.0秒、呼気をする期間が2.0秒なるように被験者を誘導する。また、2回目の本検査において、呼吸周期を30回/分に誘導しようとしているため、RR2=30と入力している。この場合には、1回の呼吸周期が2.0秒となる。また、1呼吸周期における吸気と呼気の時間比を1:2と設定しているため、吸気をする期間が0.7秒、呼気をする期間が1.3秒なるように被験者を誘導する。さらに、3回目の本検査において、呼吸周期を40回/分に誘導しようとしているため、RR3=40と入力している。この場合には、1回の呼吸周期が1.5秒となる。また、1呼吸周期における吸気と呼気の時間比を1:2と設定しているため、吸気をする期間が0.5秒、呼気をする期間が1.0秒なるように被験者を誘導する。
このように、本検査の進行に伴い、段階的にRRが増加してゆく(呼吸周期が短くなってゆく)ように設定するものとする。なお、吸気期間と呼気期間の時間比は、本例のように1:2に限らず、例えば1:3等の他の時間比に設定しても良く、本検査毎に異なる時間比に設定しても良い。
図7は、被験者の呼吸周期を、設定した周期に誘導するためにディスプレイ18に表示される画像の一例である。本例では、画面に表示されるキャラクタが旗を振る動作を行うことにより、吸気と呼気を交互に促す態様となっている。ここで、図7に示すように、キャラクタにより吸気が促される期間と、呼気が促される期間は、図6において設定された呼吸周期及び吸気と呼気との時間比に基づいて決定されている。また、キャラクタが吸気を促す態様となっている期間は、笛の音を模した第1の効果音(比較的高い周波数の効果音とする)がスピーカ20から出力されるようになっている。そして、キャラクタが呼気を促す態様となっている期間は、笛の音を模した第2の効果音(比較的低い周波数の効果音とする)がスピーカ20から出力されるようになっている。
これにより、被験者が、キャラクタの吸気誘導及び第1の効果音に合わせて吸気を行い、キャラクタの呼気誘導及び第2の効果音に合わせて呼気を行うことにより(これに伴い、第1の効果音(高い周波数)と第2の効果音(低い周波数)の切り換えタイミングに合わせて、吸気と呼気が切り換えられることにより)、被験者の実際の呼吸周期が、設定されている呼吸周期に誘導され(近づいてゆき)、また、被験者の吸気と呼気の時間比も、設定されている時間比に誘導される(近づいてゆく)ことになる。
次いで、図8に示す連続測定のフローに関して説明する。被験者がマウスピースを口にくわえて呼吸を行うと、スパイロメータ100は、信号の入力、即ち被験者の呼吸開始を圧力センサ11からの出力によって検出する(S10 : 図5のA点)。CPU14は連続検査の測定及び報知の制御を開始し、スピーカ20から「楽な呼吸をして下さい」という音声が出力され、基礎検査が開始される(S20) 。
(基礎検査)
基礎検査では、まず所定時間(例えば30秒間)の安静呼吸中に安静換気測定が行われて、安静呼気位、安静吸気位、呼気時間、吸気時間等が測定され、測定データはRAM15に蓄積される。以下、各呼気位及び吸気位の測定においては、呼気時間及び吸気時間も同時に測定され、測定データは随時CPU14で処理され、RAM15に蓄積されるものとする。
安静換気測定に続いて、基礎測定として最大吸気位及び最大呼気位の測定が行われる。スパイロメータ100は、スピーカ20から「胸一杯息を吸ってー」という音声を出力し、被験者にできるだけ息を吸い込むように促す。CPU14はボリューム信号の時間微分値が正から負に転換する時刻を特定して、その時刻における計測データを最大吸気位として特定する。続いて、「最後まで吐いてー」という音声を出力し、被験者に吸い込んだ息をできるだけ吐き出すように促す(S30)。CPU14はボリューム信号の時間微分値が負から正に転換する時刻を特定して、最大呼気位として特定し、基礎測定が終了する。
基礎測定終了後、CPU14は、安静呼気位と最大吸気位の差分から、安静呼吸後の最大吸気量IC0を算出する(S40)。更に、最大吸気位と最大呼気位の差分から安静呼吸後の肺活量VC0を算出するようにしてもよく、肺活量と最大吸気位の差分から安静呼吸後の予備呼気量ERV0を算出するようにしても良い。
S20及びS30においては、前述したディスプレイ18に表示される画像や音声による呼吸の誘導だけでなく、図2に示した報知ランプ21の発光による誘導も併せて行われる。報知ランプ21は、吸気ランプ22、プラトーランプ23及び呼気ランプ24から構成され、被験者が吸気中には吸気ランプ22が発光し、呼気中には呼気ランプ24が発光する。プラトーランプ23は、呼気流量が所定値以下であるとき(又は、呼吸流量の時間積分値(ボリューム)の変化が所定値以下であるとき)に発光する。
具体的には、被験者が安静呼吸を行うと、吸気中には吸気ランプ22が発光し、呼気中には呼気ランプ24が発光する(S20)。続いて最大吸気を行うと、吸気ランプ22が発光し、吸気流量が所定値以下になると(又は、呼吸流量の時間積分値(ボリューム)の変化が所定値以下になると)、更にプラトーランプ23が発光する。被験者は吸気ランプ22及びプラトーランプ23の両方が発光していることを確認して最大呼気に移行する。被験者が最大呼出を行うと、呼気ランプ24が発光し、呼気流量が所定値以下になると(又は、呼吸流量の時間積分値(ボリューム)の変化が所定値以下になると)、更にプラトーランプ23が発光する。被験者は呼気ランプ24及びプラトーランプ23の両方が発光していることを確認して呼出を終了する(S30)。
また、上記の説明では、プラトーランプ23は、呼気流量または吸気流量が所定値以下であるとき(又は、呼吸流量の時間積分値(ボリューム)の変化が所定値以下であるとき)に発光するとしたが、CPU14が、ボリューム信号の時間微分値が所定値以下であることに基づいて最大呼気位及び最大吸気位を特定した後、発光信号コマンドを出力することで、プラトーランプ23を発光させるようにしてもよい。
以上説明したように、基礎検査は、被験者に安静呼吸を所定時間行わせ、安静換気測定として安静呼気位及び安静吸気位の測定を行った後に、基礎測定として最大吸気位及び最大呼気位の測定を行うものであり、通常の肺活量測定と同様の検査である。基礎検査で得られた測定データは、続いて行われる本検査1〜3の基準となるデータとして利用される。
(本検査1)
続いて、中断を挟まずに連続して本検査1が行われる。本検査1は、被験者に第1呼吸としてRR1=20の呼吸周期で30秒間の呼吸を行わせ、第1呼吸換気測定として第1呼気位の測定を行う(S50:図5のB点からC点)。続いて第1測定として第1最大吸気位及び第1最大呼気位の測定を行う(S60:図5のC点からD点)。第1呼気位及び第1最大呼気位の差分から第1呼吸後の最大吸気量IC1が算出される(S70)。更に、第1最大吸気位と第1最大呼気位の差分から第1呼吸後の肺活量VC1を算出し、第1呼吸後の肺活量と第1最大吸気位の差分から第1呼吸後の予備呼気量ERV0を算出するようにしても良い。
以下、本検査1についてS50から時系列に沿って詳述する。安静呼吸後の肺活量VC0の算出(S40)に次いで、スパイロメータ100は、スピーカ20から「ランプの点滅に合わせて、30秒間、呼吸をして下さい」という音声を出力し、吸気ランプ22及び呼気ランプ24を交互に発光させて、被験者にRR1=20の呼吸周期で呼吸を繰り返すように促す(S50 : 図5のB点)。ここで、RR1=20の場合には、1回あたりの呼吸の長さが3秒であることに基づいて、設定された吸気と呼気の時間比率(例えば1:2)に基づいて吸気ランプ22及び呼気ランプ24を、交互に発光させる。本例では、吸気ランプ22の発光時間が1.0秒、呼気ランプ24の発光時間が2.0秒となる。
被験者は、ディスプレイ18に表示されるキャラクタの画像と共に、交互に発光する吸気ランプ22及び呼気ランプ24を目視しながら、吸気ランプ22が発光したときに息を吸い込み、呼気ランプ24が発光したときに息を吐き出す動作を所定時間(この場合は30秒間)繰り返して行う。また、この際、スピーカ20から出力される効果音のタイミングに合わせて呼吸を行うようにする。
第1呼吸中の30秒間は、第1呼吸換気測定として、安静呼吸時の安静呼気位に対応する第1呼気位、安静呼吸時の安静吸気位に対応する第1吸気位が各呼吸毎に測定され、測定データはRAM15に蓄積される。
(呼吸周期エラー報知)
第1呼吸(S50)の実施中、CPU14は、呼吸流量(フロー)に基づいて計算される被験者の呼吸周期(測定したRR)と、設定したRR(この場合はRR1=20)を比較し、所定値以上のずれ(例えば5以上のずれ)を検出した場合は、スピーカ20からの音声出力によって呼吸周期エラー報知を行う。上記のずれが所定値以上大きくなった場合(例えば10以上のずれが生じた場合)、又は上記のずれが所定の呼吸回数(例えば3回)以上継続した場合は、自動的に検査を中止し、その旨を報知するように設定する。このようにすることにより、第1呼吸が設定した呼吸周期で適切に行われた場合のみ、次の第1測定が行われることとなり、本検査1で得られる測定データの信頼性が向上する。なお、呼吸流量(フロー)に基づいて計算される呼吸1回あたりの時間と、設定したRR1に応じた1回の呼吸時間(3秒)とを比較するようにしても良い。
また、呼吸周期エラー報知に複数の段階を設けてもよい。その場合は、第一段階として、上記のずれが所定値に近づいた際に被験者が呼吸周期を調整するように促す報知を行うようにする。そして報知に従って被験者が呼吸周期の調整を行い、所定の時間内または呼吸回数内に再び所定の呼吸周期に戻った際はエラーを解除するように設定する。第2段階として、更にずれが大きくなった場合や所定の時間内または呼吸回数内に所定の呼吸周期に戻らない場合は、自動的に検査を中止し、その旨を報知するように設定する。このようにすることにより、被験者の負担となる検査のやり直しをできるだけ回避することができる。
また、以上の説明では、音声出力によって呼吸周期エラー報知を行うとしたが、報知ランプ21の発光、ディスプレイ18への文字メッセージの表示としてもよく、またはこれらを組み合わせた報知を行うようにしてもよい。報知ランプ21を使用する場合は、第1呼吸中は使用しないプラトーランプ23を点滅させたり、通常時とは異なる色で発光させたりする等の方法でエラー報知を行うように設定すればよい。
また、CPU14が、測定されている呼吸周期と、設定されている呼吸周期との間に、所定値以上のずれ(例えば10以上のずれ)を検出した場合には、被験者が、設定されている呼吸周期(誘導目標となっている呼吸周期)で呼吸をすることが困難であることも考えられる。このような場合に、CPU14は、呼吸周期エラー報知を実行すると共に、図6に示した呼吸周期の設定画面を再度表示して、現在誘導目標となっている呼吸周期(例えば、RR1の値)を変更するように促しても良い。
検査実施者は、現在目標としている呼吸周期よりも負担が少ないように(呼吸速度が遅くて済むように)、図6に示す設定画面に目標とする呼吸周期を改めて入力する。CPU14は、変更後の呼吸周期を誘導目標として、改めてキャラクタの画像、報知ランプ21、及びスピーカ20から出力する効果音等によって、被験者の呼吸を誘導する。このように、被験者が誘導目標となっている呼吸周期で呼吸を行うことが困難であると判定される場合には、測定の途中で、誘導目標とする呼吸周期を変更するようにしても良い。
(第1呼気位の特定方法)
次に、第1呼気位の特定方法について説明する。図5に示すように、第1呼吸時のボリューム曲線は安静呼吸時のように平行とならず、時系列に沿って徐々に上昇する。即ち、第1呼気位及び第1吸気位は、第1呼吸の開始時点から終了時点まで徐々に上方向へ移動する。この第1呼気位及び第1吸気位の上昇は、被験者に安静呼吸よりも速い呼吸を行わせることによって動的肺過膨張による呼出不足が顕著に現れるために生じる現象である。
最大吸気位IC1を算出するためには、上記の現象を考慮して第1呼気位を特定する必要がある。そのため、図5においては、第1呼吸の最後の1回の呼気位を第1呼気位としてIC1の算出に使用している。第1呼吸の最後の1回の呼気位が不安定となる場合は、最後から2回目の呼気位を使用する。または、第1呼吸の最後の数回(例えば3回)の呼気位の平均値を第1呼気位としてIC1の算出に使用するように設定する。
第1呼吸の終了後、続けて第1測定に移行する(S60:図5のC点)。第1測定時のディスプレイ18及びスピーカ20、並びに報知ランプ21による報知態様は、基礎測定時と同様であるため説明を省略する。
スパイロメータ100は、スピーカ20から「胸一杯息を吸ってー」という音声を出力し、被験者にできるだけ息を吸い込むように促す。基礎測定時と同様に、CPU14は第1最大吸気位を特定する。続いて、「最後まで吐いてー」という音声を出力し、被験者に吸い込んだ息をできるだけ吐き出すように促す(S60)。基礎測定時と同様に、CPU14は第1最大呼気位を特定し、本検査1が終了する。なお、図5において、第1呼吸の最後の1回が終了した後、第1最大吸気を行うまでの間に、ボリューム曲線がやや呼気側に下がっている箇所があるが、これは、「これから胸一杯息を吸う」ことを意識した被験者が条件反射的にやや大きい呼気を行う反応の結果であるため、測定データとしては無視される。
次いで、CPU14は、特定した第1呼気位と第1測定によって測定された第1最大吸気位の差分を、第1呼吸後の最大吸気量IC1として算出する(S70)。
S70に続いて、CPU14は、全検査が終了したかどうかを判定する。本実施例では、連続検査開始前に検査実施者によって「本検査の実施回数は3回」と設定されたので、CPU14は検査が全て終了していないと判断し(S80:No)、S50に戻って本検査2に移行する。この際、検査項目名IC1はIC2に更新される。
(本検査2)
続いて、中断を挟まずに連続して本検査2が行われる。RRの設定値は、RR1=20からRR2=30に変更される。RRの設定値に応じた処理以外は本検査1と同様のため、共通する部分については説明を省略する。
本検査2においては、被験者に第2呼吸としてRR2=30の速さで30秒間の呼吸を行わせ、第2呼吸換気測定として第2呼気位の測定を行う(S50:図5のD点からE点)。続いて第2測定として第2最大吸気位及び第2最大呼気位の測定を行う(S60:図5のE点からF点)。続いて、第2呼気位及び第2最大呼気位の差分から第2呼吸後の最大吸気量IC2が算出される(S70)。S70に続いて、CPU14は、設定された検査が全て終了していないと判断し(S80:No)、本検査3に移行する。この際、検査項目名IC2はIC3に更新される。
(本検査3)
続いて、中断を挟まずに連続して本検査3が行われる。RRの設定値は、RR2=30からRR3=40に変更される。RRの設定値に応じた処理以外は本検査1及び本検査2と同様のため、共通する部分については説明を省略する。
本検査3においては、被験者に第3呼吸としてRR2=40の速さで30秒間の呼吸を行わせ、第3呼気位の測定を行う(S50:図5のF点からG点)。続いて第3測定として第3最大吸気位及び第3最大呼気位の測定を行う(S60:図5のG点からH点)。続いて、第3呼気位及び第3最大呼気位の差分からIC3が算出される(S70)。CPU14は、3回の本検査が終了したことで、予め設定された検査が全て終了したと判断し(S80:Yes)、スピーカ20から「検査を終了します」という音声を出力して、被験者に検査終了を報知する(S90)。
(連続検査時の過呼吸時間の変更)
以上説明したように、被験者に行わせる過呼吸速度は、基礎検査開始前にスパイロメータ100に第1呼吸〜第3呼吸の呼吸周期RR1〜RR3として設定され、検査中は各設定値に対応した報知が行われる。そのため、基礎検査、本検査1、本検査2、及び本検査3は、過呼吸速度の設定変更のために途中で中断することなく、連続して実施することが可能である。
(連続検査時のゼロ点調整)
図3において説明したように、スパイロメータ100におけるゼロ点調整は、CPU14が図3に示したバルブV1及びバルブV2の開閉を制御することにより、被験者がマウスピースをくわえたままの状態で行うことが可能である。即ち、被験者はマウスピースを介して呼吸を開始した時点(S10:図5のA点)から全検査の終了(S90:図5のH点)に至るまで、マウスピースを外す必要は無い。そのため、基礎検査、本検査1、本検査2、及び本検査3は、ゼロ点調整のために途中で中断することなく、連続して実施することが可能である。
図5の連続検査におけるゼロ点調整はCPU14の制御によって行われ、その実施タイミングは、被験者の呼吸信号検出時(図5のA点)、本検査1開始前(図5のB点)、本検査2開始前(図5のD点)、及び、本検査3開始前(図5のF点)である。具体的には、本検査1開始前とは基礎測定の最大呼気位測定後から第1呼吸開始までの期間を、本検査2開始前とは第1測定の第1最大呼気位測定後から第2呼吸開始までの期間を、本検査3開始前とは第2測定の第2最大呼気位測定後から第3呼吸開始までの期間、を示している。また、必要に応じて、第1〜第3測定前(図5のC点、E点、及びG点)において更に実施するようにしてもよい。
S30又はS60において、CPU14は、各最大呼気位の測定終了を検出した後に、続けてバルブV1及びV2を制御してゼロ点調整を行う。ゼロ点調整に要する時間は約2秒程度であるため、被験者は最大呼気を行った次の呼吸から、報知に従って第1〜第3呼吸を開始することができる(S50)。なお、本検査1−3に対応したゼロ点調整は、いずれも自動的に実行されるようになっているが、これに限らず、操作キー17の操作に応じて実行されるようにしても良い。
以上説明したように、過呼吸の周期については、第1呼吸はRR1=20、第2呼吸はRR2=30、第3呼吸はRR3=40に設定し、最大吸気位及び最大呼気位測定前の被験者の呼吸が徐々に速くなるように誘導している。
図5では、各検査における最大吸気量ICを、IC0(基礎検査)、IC1(本検査1)、IC2(本検査2)、IC3(本検査3)とし、肺活量VCをVC0(基礎検査)、VC1(本検査1)、VC2(本検査2)、VC3(本検査3)として、それぞれのボリュームを両端矢印付き実線で示している。ここで、ICの値は、IC0、IC1、IC2、IC3の順に小さくなっている。これは被験者に各IC測定前に第1〜3呼吸を行わせることによって顕在化する現象であり、被験者の動的肺過膨張の程度が大きいほどICの減少度合いは大きくなる。
また、図5において、各検査における予備呼気量ERVを、ERV0(基礎検査)、ERV1(本検査1)、ERV2(本検査2)、ERV3(本検査3)として示すと共に、ERV0を基準(100%)としたときの、ERV1、ERV2、ERV3の大きさを、それぞれ風船の画像により示すようにしている。これにより、検査実施者は、本検査を重ねる毎に、被験者の肺に残留するガスが増加する(被験者が徐々に息を吐ききれなくなる)様子を把握し易くなる。
なお、各検査において、肺活量(VC)に代えて、努力性肺活量(FVC)を測定するようにしても良い。即ち、基礎検査、及び、本検査1〜3において、被験者に最大吸気位からの一気の呼出を行わせることにより、FVC0(基礎検査)、FVC1(本検査1)、FVC2(本検査2)、FVC3(本検査3)を測定しても良い。
なお、上記の説明では、連続検査の開始前に検査実施者が検査内容の設定を行い、連続検査開始後はCPU14の制御によって自動的に連続検査が進行するとして説明したが、これに限定されるものではなく、検査実施者の操作キー17の操作によって連続検査を行うようにしてもよい。具体的には、第1〜3呼吸の開始、基礎測定及び第1〜第3測定の開始に関しては、検査実施者が操作キー17に割り当てられた開始キーを押すことによって開始させるようにする。または、第1〜3呼吸の終了、基礎測定及び第1〜第3測定の終了に関しては、検査実施者が操作キー17に割り当てられた終了キーを押すことによって終了させるようにする。
また、連続検査開始前に設定した各呼吸周期及び順序は、各本検査前に設定画面(図6)を表示させて、検査実施者の操作キー17の操作によって変更できるようにしてもよい。また、連続検査開始前には各呼吸周期及び順序を設定することなく連続検査を開始するようにして、各本検査前に設定画面(図6)を表示させて、検査実施者の操作キー17の操作によって当該本検査における呼吸周期を設定するようにしても良い。
また、CPU14が、設定操作によらず予め定められた各呼吸周期及び順序(初期設定)に基づいて連続検査を開始し、検査実施者が必要に応じて設定画面(図6)を表示させて、操作キー17を操作することによって各呼吸周期及び順序を任意に変更可能としてもよい。このように、連続検査の開始後に誘導目標となる呼吸周期の設定又は変更を可能とすることにより、被験者の状態を考慮した測定が可能となる。
(作用及び効果)
以上説明したように、COPD疾患を持つ被験者の動的肺過膨張の状態を詳細に調査するためには、過呼吸時の換気測定及びそれに続く最大吸気位測定から成る肺気量分画検査を、過呼吸速度を変化させて連続して行う手法が効果的である。しかしながら、非特許文献1に示されるような従来技術では、1回の肺気量分画検査の終了後、次に被験者に行わせる過呼吸速度に合わせてメトロノームの周期設定を変更する必要がある。検査実施者がメトロノームの設定変更を行っている間は、次の検査を開始することができないため、上記のような肺気量分画検査を連続して実施することができない。
具体的には、従来の呼吸機能検査装置を使用した場合は、本検査1、及び本検査2の後に、メトロノームの設定及びゼロ点調整のために検査は中断される。被験者の呼吸は中断中の時間の経過と共に徐々に安静呼吸に近づき、中断時間が長くなると完全に安静呼吸に戻ってしまう。中断時間はメトロノームの設定及びゼロ点調整に要する時間に依存し、これらは検査実施者の作業習熟度にも依存するため、一旦検査を中断した後に検査を再開するまでの時間は一定とならない。そのため、検査再開時の被験者の呼吸状態(安静呼吸からの乖離度)も一定とならず、結果として検査によって得られる測定データの信頼度は低くなってしまう。
これに対して、本実施形態のスパイロメータ100では、メトロノームの設定が不要であり、且つゼロ点調整のために検査を中断する必要も無いため、上記のような従来の呼吸検査装置を使用する際の問題は回避され、信頼度の高い測定データを得ることが可能である。
また、上記のような肺気量分画検査においては、被験者に所定の周期で過呼吸を行わせた後に最大吸気を行わせる必要があるため、通常の呼吸機能検査に比べて、被験者に要求される呼吸動作の手順は増加する。しかしながら、従来の呼吸機能検査装置には、上記の肺気量分画検査を誘導するための報知機能、並びに、上記の肺気量分画検査を連続して行うように促す報知機能が備わっていないため、被験者が手順通りの呼吸動作を行うことが困難である。
また、従来の呼吸機能検査装置を使用する場合、検査実施者は、被験者がメトロノームの動作に合わせて過呼吸を行っているかどうかの確認、過呼吸時間の計測、ゼロ点調整、並びに被験者への測定時の声掛けによる誘導を同時に行う必要があるため、通常の呼吸機能検査に比べて作業負担が増大してしまう。
これに対して、本実施形態のスパイロメータ100では、検査中の音声及びランプの発光による報知によって、被験者は容易に検査手順通りの呼吸動作を行うことが可能となる。同時に、検査実施者はメトロノームの設定、ゼロ点調整、及び被験者への詳細な声掛けによる呼吸動作の誘導を行う必要がなくなるため、作業負担が大幅に軽減される。
(IC減少率)
図9は、図5に示した連続検査の結果得られた測定データを用いて、IC0〜IC3の減少度合いを被験者A〜C毎にグラフ化した例である。縦軸(Y軸)は、IC0を基準(0%)としたIC減少率である。被験者のCOPD症状の程度は、被験者Aでは軽度、被験者Bは中度、被験者Cは重度となっている。なお、図8及び下記の説明では、IC0を基準としたICの減少率を算出しているが、基準は検査実施者が適切に設定すればよく、例えばIC1を基準としたICの減少率を指標として用いてもよい。
図9に示すように、IC0を基準とした減少率は、COPD症状の程度に対応して、被験者A、B、Cの順に大きくなっている。症状が重度の被験者Cの場合は、IC3はIC0に比べて約60%減少している。これに対して、症状が中度の被験者Bの場合、IC3はIC0に比べて約20%の減少であり、症状が軽度の被験者Aの場合は10%以下の減少に留まっている。
また、図9において被験者C’として示した点線は、被験者Cに投薬等の治療を行った後に、同じ連続検査を実施した結果である。IC3はIC0に比べて約40%減少となり、治療前に比べて症状が改善していることがわかる。
なお、図9及び後述する図10のグラフに関しては、測定項目に関するX軸及び測定結果に関するY軸に加えて、時間軸であるZ軸を更に設けた三次元グラフとして、各被験者の測定結果曲線が時系列でどのように変化しているかを容易に把握できるようにしても良い。これにより、特定の被験者の測定結果曲線が、治療や投薬の前後でどのように変化したのかを把握することが容易となる。
(過呼吸中の呼気位上昇率)
図5に示した連続検査の結果得られる測定データから、IC以外の指標を用いて被験者動的肺過膨張の度合いを分析することも可能である。図10は、その一例として、第1〜第3呼吸中の呼気位の上昇率を算出し、動的肺過膨張の指標としてグラフ化したものである。図10の縦軸(Y軸)は、第1〜第3呼吸の最初の各1回と最後の各1回の呼吸における呼気位の上昇率である。COPD症状の程度は、図9と同様に、被験者Aでは軽度、被験者Bは中度、被験者Cは重度となっている。
図10に示すように、第1〜第3呼吸中の呼気位の上昇率は、COPD症状の重い被験者ほど大きくなっている。症状が重度の被験者Cの場合は、第1呼吸の1回目と最後の1回の呼吸において呼気位が約20%上昇し、第3呼吸の最初の1回の呼吸と最後の1回の呼吸においては呼気位が50%以上上昇している。これに対して、症状が中度の被験者Bの場合、第3呼吸中の呼気位の上昇率は約25%であり、症状の軽い被験者Aの場合、第3呼吸中の呼気位の上昇率は約10%となっている。
(過呼吸中のボリューム曲線の傾き)
また、図5に示した第1〜第3呼吸時のボリューム曲線の傾き度合いを、動的肺過膨張の指標として用いることも可能である。例えば、第1〜第3呼吸中の各呼吸の呼気位からなるデータを直線近似や曲線近似、あるいは対数近似することで、第1〜第3呼吸時のボリューム曲線の傾き度合いを指標化する。また、指標化する際に、呼気位の代わりに吸気位や振幅の中心値を抽出してもよく、またこれらの組み合わせを用いてもよい。スパイロメータ100を使用した連続検査を実施することにより、このように動的肺過膨張の度合いを数値化して定量的に分析することが可能となる。
また、以上説明した以外のデータを指標として用いることも可能である。例えば、安静呼吸時の1回換気量(安静呼気位と安静吸気位の差分)と、第1〜第3呼吸時の1回換気量(第1〜第3呼気位と第1〜第3吸気位の差分)を指標とし、比較することも可能である。
また、以上説明した基礎検査及び第1〜3検査においては、最大吸気位、最大呼気位の順に測定を行うとしたが、これは最大呼気位、最大吸気位の順で行ってもよい。または最大呼気位、最大吸気位、最大呼気位の順で行ってもよい。または、最大吸気量ICの算出に必要な最大吸気位の測定のみを行い、最大呼気位の測定を行わないようにしてもよい。
また、以上説明した基礎検査及び第1〜3検査においては、通常の肺活量測定に相当する最大吸気位及び最大呼気位の測定を実施しているが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば前述した努力性肺活量の測定を行ってもよい。その場合は、被験者に対して、最大吸気位からできるだけ速く最大呼気位まで息を吐き出す動作を促す報知を行うように設定すればよい。
(1秒量(FEV1.0)と最大吸気量(IC)との関係)
COPDの診断においては、被験者の1秒量(FEV1.0)に基づいて病期分類が判定されるようになっている。1秒量(FEV1.0)とは、努力性肺活量(FVC)を測定する際に、最初の1秒間で吐き出せる息の量である。また、1秒率(FEV1.0%)とは、努力性肺活量(FVC)に対しての1秒量(FEV1.0)の割合である。1秒率(FEV1.0%)の値が70%未満のとき、COPDと診断される。さらに、性別、年齢、身長から求めた1秒量の標準値に対する測定された1秒量(FEV1.0)の割合である対標準1秒量(%FEV1.0)の値によってCOPDの病期分類が診断される。
図11には、各被験者について、安静呼吸後に努力性肺活量(FVC)の測定を行うことにより得られた対標準1秒量(%FEV1.0)と、別途、前述した図5に示した方法に基づいてIC0、IC1、IC2、及びIC3を測定して得られたICの減少率との関係を示している。
図11に示すように、対標準1秒量(%FEV1.0)の値が80%以上の場合には、COPD病期分類のI期(軽度の気流閉塞)と診断される。対標準1秒量(%FEV1.0)の値が50%以上80%未満の場合には、COPD病期分類のII期(中等度の気流閉塞)と診断される。対標準1秒量(%FEV1.0)の値が30%以上50%未満の場合には、COPD病期分類のIII期(高度の気流閉塞)と診断される。対標準1秒量(%FEV1.0)の値が30%未満の場合には、COPD病期分類のIV期(極めて高度の気流閉塞)と診断される。
図11(a)は、横軸(X軸)をIC0に対してのIC1の減少率[(IC1−IC0)×100/IC0]とし、縦軸(Y軸)を対標準1秒量(%FEV1.0)としたときの両者の関係を示している。このときのXとYとの近似直線を求めた結果、Y=0.4546X+63.829であり、決定係数Rは0.1153となっている。
図11(b)は、横軸(X軸)をIC0に対してのIC2の減少率[(IC2−IC0)×100/IC0]とし、縦軸(Y軸)を対標準1秒量(%FEV1.0)としたときの両者の関係を示している。このときのXとYとの近似直線を求めた結果、Y=0.7006X+72.532であり、決定係数Rは0.3245となっている。
図11(c)は、横軸(X軸)をIC0に対してのIC3の減少率[(IC3−IC0)×100/IC0]とし、縦軸(Y軸)を対標準1秒量(%FEV1.0)としたときの両者の関係を示している。このときのXとYとの近似直線を求めた結果、Y=0.7258X+77.05であり、決定係数Rは0.4261となっている。
図11(a)〜(c)に示すように、安静呼吸後に測定されたIC0を基準としたIC(IC1,IC2,IC3)の減少率と、COPD病期分類に用いられる対標準1秒量(%FEV1.0)との関係は、本検査の増加(図5に示す本検査1〜3)に伴い過呼吸速度が早くなる(呼吸周期が短くなる)ことに応じて、徐々に高い相関を示すようになっている。従って、IC0を基準とした場合のICの減少率を、COPDの診断に用いることも可能となる。例えば、IC0を基準としたときのIC3の減少率[(IC3−IC0)×100/IC0]が−60%であることに基づいて、COPD病期分類では重症のIII期(高度の気流閉塞)又はIV期(極めて高度の気流閉塞)の可能性が高いことを推定することができる。努力性肺活量(FVC)の測定では、最大吸気位から努力して一気に呼出を行わなければならないことから被験者の負担が大きいが、これを行わずともCOPDの病期分類をある程度推定することが可能となる。
一方で、図11(c)に示すように、COPDの病期分類ではI期に該当する被験者であっても、IC3の減少率が−40%近かったりするケースや、COPDの病期分類ではII期に該当する被験者であっても、IC3の減少率が−60%近かったりするケースも存在する。これらのケースに該当する被験者は、診断された病期分類が比較的軽症であるにもかかわらず、日常生活においては重症患者と同等の苦しさを感じているともいえる。そして、日常生活では、最大吸気位から努力して一気の呼出を行うケースがほぼ存在しないため、時間肺活量である1秒量(FEV1.0)よりも、呼吸速度の変化に伴う最大吸気量(IC)の減少度を示す指標の方が、QOL(Quolity of life)の観点からは、より実態に即した指標であるともいえる。
従って、COPD疾患を持つ被験者の動的肺過膨張の状態を詳細に調査するためには、時間肺活量(1秒量あるいは、2秒量〜5秒量等)に関連した検査のみならず、過呼吸時の換気測定及びそれに続く最大吸気位測定から成る肺気量分画検査を、過呼吸速度を変化させて連続して行う手法が効果的である。
図12は、COPDの各病期分類(I期〜IV期)に該当する被験者に関しての、ICの平均減少率を示すグラフである。本例では、IC0に対してのIC1の減少率[(IC1−IC0)×100/IC0]が、I期の被験者の場合には平均で−0.04、II期の被験者の場合には平均で−11.06、III期の被験者の場合には平均で−16.09、IV期の被験者の場合には平均で−17.65となっている。そして、IC0に対してのIC2の減少率[(IC2−IC0)×100/IC0]が、I期の被験者の場合には平均で−4.37、II期の被験者の場合には平均で−17.46、III期の被験者の場合には平均で−29.58、IV期の被験者の場合には平均で−31.80となっている。そして、IC0に対してのIC3の減少率[(IC3−IC0)×100/IC0]が、I期の被験者の場合には平均で−4.65、II期の被験者の場合には平均で−23.32、III期の被験者の場合には平均で−36.33、IV期の被験者の場合には平均で−40.96となっている。
ここで、本実施形態のスパイロメータ100においては、CPU14が、被験者の1秒量(FEV1.0)を測定して対標準1秒量(%FEV1.0)を算出し、当該被験者がCOPDであるか否かを判定可能であると共に、COPDの場合には何れの病期分類(I期〜IV期)に属するかの判定が可能となっている。そして、これらの判定結果をディスプレイ18に表示させることが可能となっている。さらに、CPU14は、COPDにおける各病期分類に属する被験者に関してのICの平均減少率を算出して、図12に示すように、各病期分類毎のICの平均減少率をグラフとして表示させることも可能である。
COPDの各病期分類に属する被験者毎にICの減少率を算出した結果、IC0に対してのIC3の減少率[(IC3−IC0)×100/IC0]に関しては、図12の右側に示す集計値となった。まず、I期の被験者に関しては、サンプル数20に対して最大が28.75であり、最少が−30.62となった(平均値は−4.65)。さらに正規分布に基づく標準偏差σは18.13であり、平均値+1σは13.48、平均値−1σは−22.78となった。この結果に基づくと、CPU14は、IC0に対してのIC3の減少率が0未満であり−22.78以上の場合にはI期の可能性が高いと判定して、その旨をディスプレイ18に表示することが可能である。
また、II期の被験者に関しては、サンプル数70に対して最大が22.17であり、最少が−57.52となった(平均値は−23.32)。さらに正規分布に基づく標準偏差σは15.26であり、平均値+1σは−8.06、平均値−1σは−38.57となった。この結果に基づくと、CPU14は、IC0に対してのIC3の減少率が−8.06以下であり−38.57以上の場合にはII期の可能性が高いと判定して、その旨をディスプレイ18に表示させることが可能である。
また、III期の被験者に関しては、サンプル数32に対して最大が−9.02であり、最少が−59.22となった(平均値は−36.33)。さらに正規分布に基づく標準偏差σは12.47であり、平均値+1σは−23.86、平均値−1σは−48.81となった。この結果に基づくと、CPU14は、IC0に対してのIC3の減少率が−23.86以下であり−48.81以上の場合にはIII期の可能性が高いと判定して、その旨をディスプレイ18に表示させることが可能である。
また、IV期の被験者に関しては、サンプル数14に対して最大が−20.87であり、最少が−66.36となった(平均値は−40.96)。さらに正規分布に基づく標準偏差σは13.24であり、平均値+1σは−27.72、平均値−1σは−54.20となった。この結果に基づくと、CPU14は、IC0に対してのIC3の減少率が−27.72以下であり−54.20以上の場合にはIV期の可能性が高いと判定して、その旨をディスプレイ18に表示させることが可能である。
また、COPDの病期分類に関して他の判定方式を採用しても良い。例えば、CPU14は、図12に示すグラフに基づいて、IC0に対してのIC(IC1〜IC3のいずれかであり特にIC3が好ましい)の減少率が、0未満でありI期の平均値(IC3の場合は−4.65)以上である場合にはI期の可能性が高いと判定し、I期の平均値(IC3の場合は−4.65)未満でありII期の平均値(IC3の場合は−23.32)以上である場合にはII期の可能性が高いと判定し、II期の平均値(IC3の場合は−23.32)未満でありIII期の平均値(IC3の場合は−36.33)以上である場合にはIII期の可能性が高いと判定し、III期の平均値(IC3の場合は−36.33)未満である場合にはIV期の可能性が高いと判定しても良い。
このように、最大吸気量ICの検査結果に基づいてCOPDの病期分類を判定し、判定結果をディスプレイ18に表示することが可能である。これら図12に示した結果によれば、過呼吸時の換気測定及びそれに続く最大吸気位測定から成る肺気量分画検査を、過呼吸速度を変化させて連続して行ったときの測定結果(IC1〜IC3、ERV1〜ERV3)に基づいて、COPDの病期分類を判定することが可能となる。
図11の例では、安静呼吸後に測定したIC0を基準とした場合のIC(IC1,IC2,IC3)の減少率と、対標準1秒量(%FEV1.0)との関係を示しているが、これに限らず、安静呼吸後に測定したERV0を基準とした場合のERV(ERV1、ERV2,ERV3)の増加率と、対標準1秒量(%FEV1.0)との関係を示すようにしても良い。具体的には、(a)横軸(X軸)をERV0に対してのERV1の増加率[(ERV1−ERV0)×100/ERV0]とし、縦軸(Y軸)を対標準1秒量(%FEV1.0)としたときの両者の関係を示すグラフを作成すると共に、XとYとの近似直線を求める。同様に、(b)横軸(X軸)をERV0に対してのERV2の増加率[(ERV2−ERV0)×100/ERV0]とし、縦軸(Y軸)を対標準1秒量(%FEV1.0)としたときの両者の関係を示すグラフを作成すると共に、XとYとの近似直線を求める。さらに、(c)横軸(X軸)をERV0に対してのERV3の増加率[(ERV3−ERV0)×100/ERV0]とし、縦軸(Y軸)を対標準1秒量(%FEV1.0)としたときの両者の関係を示すグラフを作成すると共に、XとYとの近似直線を求める。
また、図12の例では、各病期分類(I期〜IV期)に関するICの減少率をディスプレイ18に表示するようにしたが、各病期分類(I期〜IV期)に関する予備呼気量ERVの増加率をディスプレイ18に表示するようにしても良い。具体的には、病期分類(I期〜IV期)毎に、ERV0に対してのERV1の増加率[(ERV1−ERV0)×100/ERV0]の平均値、ERV0に対してのERV2の増加率[(ERV2−ERV0)×100/ERV0]の平均値、ERV0に対してのERV3の増加率[(ERV3−ERV0)×100/ERV0]の平均値、を算出する。そして、ICの場合と同様に、病期分類(I期〜IV期)毎にERVの増加率に関するグラフを作成し、ディスプレイ18に表示する。また、ICの場合と同様に、測定されたERVの増加率に基づいてCOPDの病期分類を判定して、判定結果をディスプレイ18に表示しても良い。
上記の説明では、過呼吸速度は、第1呼吸はRR1=20、第2呼吸はRR2=30、第3呼吸はRR3=40に設定し、それぞれ30秒間呼吸させるとして説明したが、各RRの設定値及び呼吸時間はこれらに限られるものではない。安静時のRRは、被験者の年齢やCOPD症状の程度によって異なるため、それらを勘案して検査実施者が調整すればよい。例えば症状の軽い被験者の場合は、更に本検査4としてRR4=50で30秒間呼吸後のIC検査を行うようにする。逆に症状の重い被験者の場合は、本検査3を行わず、本検査2までで検査終了とする。または、RR1=20、RR2=25、RR3=30というように、RRの増加分を減らして調整する。また、過呼吸時間を30秒よりも短く、又は長く設定する等の調整を行うようにすればよい。
なお、上記の説明では、ディスプレイ18に表示される情報、スピーカ20から出力される音声、及び報知ランプ21の発光という各手段によって被験者の呼吸周期を、目標とする周期に誘導するようにしたが、これらの手段のうちのいずれか1つ又は2つを使用するようにしてもよい。また、第1〜第3呼吸中に、各第1〜第3呼吸の残り時間や残り呼吸回数をカウントダウンする文字情報をディスプレイ18に表示しても良い。
10…本体部
11…圧力センサ
13…ROM
14…CPU
15…RAM
17…操作キー
18…ディスプレイ
20…スピーカ
21…報知ランプ
50…フローセンサ
100…スパイロメータ

Claims (24)

  1. 被験者の呼吸機能を検査する呼吸機能検査装置であって、
    基準周期を設定可能な設定手段と、
    被験者の呼吸周期を前記設定手段により設定された基準周期に誘導するための誘導報知を実行する誘導報知手段と、
    を含む呼吸機能検査装置。
  2. 請求項1の呼吸機能検査装置であって、
    前記設定手段は、異なる複数の基準周期を設定可能であると共に、基準周期毎に誘導報知を行う順序を設定可能であり、
    前記誘導報知手段は、前記設定手段により設定された基準周期及び順序に基づいて誘導報知を実行する呼吸機能検査装置。
  3. 請求項2の呼吸機能検査装置であって、
    前記誘導報知手段は、所定の基準周期の誘導報知が終了した後、所定の操作に基づいて次の基準周期の誘導報知に移行する呼吸機能検査装置。
  4. 請求項2の呼吸機能検査装置であって、
    前記誘導報知手段は、所定の基準周期の誘導報知が終了した後、当該基準周期に対応した検査の完了に基づいて次の基準周期の誘導報知に移行する呼吸機能検査装置。
  5. 請求項2の呼吸機能検査装置であって、
    前記誘導報知手段が、前記設定手段により設定された基準周期及び順序に基づいて誘導報知を実行しているときに、設定されていた基準周期を変更操作に基づいて変更可能である呼吸機能検査装置。
  6. 請求項2の呼吸機能検査装置であって、
    基準周期毎の検査結果を比較可能に表示する検査結果表示手段を含む呼吸機能検査装置。
  7. 請求項6の呼吸機能検査装置であって、
    前記検査結果表示手段は、基準周期毎に、誘導報知の終了後において検査された最大吸気位及び最大呼気位の少なくとも一方に基づく検査結果を表示する呼吸機能検査装置。
  8. 請求項6又は7の呼吸機能検査装置であって、
    前記検査結果表示手段は、基準周期毎に、誘導報知の終了後において検査された努力性肺活量に基づく検査結果を表示する呼吸機能検査装置。
  9. 請求項6〜8から選択されるいずれかの呼吸機能検査装置であって、
    前記検査結果表示手段は、基準周期毎に、誘導報知の終了後において検査された予備呼気量に基づく検査結果を表示する呼吸機能検査装置。
  10. 請求項6〜9から選択されるいずれかの呼吸機能検査装置であって、
    前記検査結果表示手段は、基準周期毎に、誘導報知期間中又は誘導報知終了後における呼気位及び吸気位の少なくとも一方の上昇を把握可能な態様で表示する呼吸機能検査装置。
  11. 請求項1〜10から選択されるいずれかの呼吸機能検査装置であって、
    被験者の呼吸周期を計測する呼吸周期計測手段と、
    前記呼吸周期計測手段により計測される呼吸周期が、実行されている誘導報知の基準周期と合致しているか否かを判定する周期判定手段と、を含み、
    前記周期判定手段により合致していないと判定された場合に所定の報知を行う呼吸機能検査装置。
  12. 請求項11の呼吸機能検査装置であって、
    前記周期判定手段により合致していないと判定された場合に検査を中止する呼吸機能検査装置。
  13. 請求項1〜12から選択されるいずれかの呼吸機能検査装置であって、
    前記誘導報知は、呼気を行うべき期間及び吸気を行うべき期間を被験者に示すものである呼吸機能検査装置。
  14. 請求項13の呼吸機能検査装置であって、
    前記誘導報知における呼気を行うべき期間及び吸気を行うべき期間を設定可能である呼吸機能検査装置。
  15. 請求項1〜14から選択されるいずれかの呼吸機能検査装置であって、
    第1発光装置及び第2発光装置を含み、
    前記誘導報知が行われていない期間において、被験者の呼気が検出されているときに前記第1発光装置を発光させ、被験者の吸気が検出されているときに前記第2発光装置を発光させ、
    前記誘導報知において、設定された基準周期に基づいて呼気を促すときに前記第1発光装置を発光させ、設定された基準周期に基づいて吸気を促すときに前記第2発光装置を発光させる呼吸機能検査装置。
  16. 請求項15の呼吸機能検査装置であって、
    第3発光装置を含み、
    前記誘導報知が行われていない期間において、被験者の呼吸終末が検出されているときに前記第3発光装置を発光させ、
    被験者の呼吸周期を計測する呼吸周期計測手段と、
    前記呼吸周期計測手段により計測される呼吸周期が、実行されている誘導報知の基準周期と合致しているか否かを判定する周期判定手段と、をさらに含み、
    前記呼吸周期判定手段により合致していないと判定された場合に、前記第3発光装置を発光させる呼吸機能検査装置。
  17. 請求項1〜16から選択されるいずれかの呼吸機能検査装置は、
    呼吸経路に設けられた抵抗体の前後の差圧に基づいて呼吸流量を検査可能な差圧式の呼吸機能検査装置であり、
    第1圧力ポートと第2圧力ポートとの差圧を検出するための圧力センサと、
    前記圧力センサの出力値に基づいてゼロ点調整を実行するゼロ点調整手段と、を含む呼吸機能検査装置。
  18. 請求項17の呼吸機能検査装置であって、
    前記抵抗体の呼吸口側に位置する前部から前記第1圧力ポートに圧力を伝達可能な第1経路と、前記抵抗体の呼吸口側とは反対側の後部から前記第2圧力ポートに圧力を伝達可能な第2経路と、が少なくとも設けられ、
    前記第1圧力ポートと前記前部とを圧力的に接続し且つ前記第1圧力ポートと前記第2圧力ポートとを圧力的に遮断した検査可能状態と、前記第1圧力ポートと前記前部とを圧力的に遮断し且つ前記第1圧力ポートと前記第2圧力ポートとを圧力的に接続した調整状態と、に制御可能であり、
    前記ゼロ点調整手段は、前記調整状態における前記圧力センサの出力値に基づいてゼロ点調整を実行する呼吸機能検査装置。
  19. 請求項18の呼吸機能検査装置であって、
    前記第2経路から前記第1経路に圧力を伝達可能な第3経路が設けられ、
    制御弁の動作に基づいて前記第1経路を開状態とし前記第3経路を閉状態とすることにより前記検査可能状態に制御し、前記第1経路を閉状態とし前記第3経路を開状態とすることにより前記調整状態とする呼吸機能検査装置。
  20. 請求項19の呼吸機能検査装置であって、
    前記第1経路の、前記第3経路との接続部よりも抵抗体側には第1制御弁が設けられ、前記第3経路には第2制御弁が設けられ、
    前記第1制御弁を開状態とする一方で前記第2制御弁は閉状態とすることにより前記検査可能状態に制御し、前記第1制御弁を閉状態とする一方で前記第2制御弁は開状態とすることにより前記調整状態に制御する呼吸機能検査装置。
  21. 請求項17〜20から選択されるいずれかの呼吸機能検査装置であって、
    基準周期毎に前記ゼロ点調整を実行可能である呼吸機能検査装置。
  22. 請求項1〜21から選択されるいずれかの呼吸機能検査装置であって、
    時間肺活量に関する検査結果と、最大吸気量又は予備呼気量に関する検査結果の関係を表示する呼吸機能検査装置。
  23. 請求項1〜22から選択されるいずれかの呼吸機能検査装置であって、
    COPDの病期分類と、最大吸気量又は予備呼気量に関する検査結果の関係を表示する呼吸機能検査装置。
  24. 請求項23の呼吸機能検査装置であって、
    最大吸気量又は予備呼気量に基づいてCOPDの病期分類を判定する病期分類判定手段を含む呼吸機能検査装置。
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