JP7255725B2 - 動態画像解析システム及び動態画像解析プログラム - Google Patents

動態画像解析システム及び動態画像解析プログラム Download PDF

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Description

本発明は、動態画像解析システム及び動態画像解析プログラムに関する。
残気量、機能的残気量、全肺気量、これらをもとに算出できる残気率(残気量/全肺気量)等の呼吸機能に関する指標(呼吸機能指標と呼ぶ。)は、COPD等の肺疾患を診断する上で有用な情報であるが、スパイロメトリーでは簡便に測定することができず、通常、ヘリウム閉鎖回路法や窒素洗い出し開放回路法、体プレチスモグラフ法などの方法で測定が行われている。しかし、一般的に、これらの測定が可能な医療機器は高額かつ大型であり、とりわけ診療所、小病院等の小規模な医療施設では、残気量、機能的残気量、全肺気量の測定を行うことが難しく、簡便にこれらの値を測定する手法が望まれている。
また、動的肺過膨張の状態を把握することも、COPD患者の息切れの原因を考える上で非常に重要である。動的肺過膨張は、COPDの早期から認められるため、早期診断に有効な情報であり、動的肺過膨張の状態を示す指標を簡便に測定する手法が望まれている。
例えば、特許文献1には、スパイロメトリー等により測定した最大呼気位から最大吸気位における換気量(肺活量又は一回換気量)と最大呼気位と最大吸気位間で変化する胸部動態画像の肺野領域の信号値の総信号変化量に基づいて、最大吸気位と最大呼気位間のそれぞれの位相における推定換気量を算出する手法が記載されている。
特開2009-153678号公報
しかし、特許文献1に記載の技術は、あくまでスパイロメトリーで測定可能な情報を画像から推定する手法であり、残気量、機能的残気量、全肺気量、残気率等の呼吸機能指標の推定方法は、何ら記載されていない。
本発明の課題は、残気量、機能的残気量、全肺気量、残気率等の呼吸機能指標を簡便に取得できるようにすることである。
上記課題を解決するため、本発明の動態画像解析システムは、
被検者の胸部に対して放射線を照射する動態撮影を行うことにより得られた動態画像から肺野の面積を算出する肺野面積算出手段と、
前記肺野面積算出手段により算出された前記肺野の面積に基づいて、前記肺野の機能的残気量及び残気率の少なくとも1つを推定する推定手段と、
を備える。
また、本発明の動態画像解析プログラムは、
被検者の胸部に対して放射線を照射する動態撮影を行うことにより得られた動態画像に関する解析を行う動態画像解析プログラムであって、
コンピュータに、
前記動態画像から得られた肺野の面積に基づいて、前記肺野の機能的残気量及び残気率の少なくとも1つを推定する処理を実行させる。
本発明によれば、残気量、機能的残気量、全肺気量、残気率等の呼吸機能指標を簡便に取得することが可能となる。
本発明の実施形態における放射線画像解析システムの全体構成を示す図である。 図1の撮影用コンソールの制御部により実行される撮影制御処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態において図1の診断用コンソールの制御部により実行される呼吸機能指標推定処理Aを示すフローチャートである。 (a)は、深呼吸下で放射線撮影された胸部正面画像の最大吸気位(深吸気位)の肺野面積と残気量との関係を示す散布図、(b)は、深吸気位の肺野面積と機能的残気量との関係を示す散布図、図4(c)は、深吸気位の肺野面積と全肺気量との関係を示す散布図である。 第1の実施形態において抽出される肺野領域を示す図である。 第2の実施形態において図1の診断用コンソールの制御部により実行される呼吸機能指標推定処理Bを示すフローチャートである。 肺野の末梢側の領域の抽出手法を説明するためである。 胸部正面のフレーム画像(胸部正面画像)と、胸部正面画像のA-A´で示す位置における側面の呼吸による変化を模式的に示す図である。 (a)は、図8に示す3つの胸部正面画像のA-A´における出力信号値を模式的に示す図、(b)は、差分信号値を模式的に示す図である。 (a)は、撮影装置が有する被検者が浅く腰掛けることのできる椅子、(b)は、撮影装置が有する被検者の骨盤(腰)を左右からはさんで固定する機構、図10(c)は、撮影装置が有する被検者の骨盤(腰)を後から撮影台に押さえつけるようにして固定する機構を示す図である。 (a)は、閉塞性肺疾患の被検者に対して運動負荷時又は頻呼吸過程において撮影した胸部画像から算出した左右肺の横隔膜の位置の時間変化のグラフ、(b)は、閉塞性肺疾患の被検者に対して運動負荷時又は頻呼吸過程において撮影した胸部画像から算出した左右肺の肺野面積の時間変化のグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
<第1の実施形態>
〔放射線画像解析システム100の構成〕
まず、本発明の第1の実施形態の構成を説明する。
図1に、本実施形態における放射線画像解析システム100の全体構成を示す。
図1に示すように、放射線画像解析システム100は、撮影装置1と、撮影用コンソール2とが通信ケーブル等により接続され、撮影用コンソール2と、診断用コンソール3とがLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNTを介して接続されて構成されている。放射線画像解析システム100を構成する各装置は、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じており、各装置間の通信は、DICOMに則って行われる。
〔撮影装置1の構成〕
撮影装置1は、例えば、呼吸運動に伴う肺の膨張及び収縮の形態変化、心臓の拍動等の、周期性(サイクル)を持つ被写体の動態を撮影する撮影手段である。動態撮影とは、被写体に対し、X線等の放射線をパルス状にして所定時間間隔で繰り返し照射するか(パルス照射)、もしくは、低線量率にして途切れなく継続して照射する(連続照射)ことで、被写体の動態を示す複数の画像を取得することをいう。動態撮影により得られた一連の画像を動態画像と呼ぶ。また、動態画像を構成する複数の画像のそれぞれをフレーム画像と呼ぶ。なお、以下の実施形態では、パルス照射により胸部正面の動態撮影を行う場合を例にとり説明する。
放射線源11は、被写体M(被検者の胸部)を挟んで放射線検出部13と対向する位置に配置され、放射線照射制御装置12の制御に従って、造影剤が投与されていない状態の被写体Mに対し放射線(X線)を照射する。
放射線照射制御装置12は、撮影用コンソール2に接続されており、撮影用コンソール2から入力された放射線照射条件に基づいて放射線源11を制御して放射線撮影を行う。撮影用コンソール2から入力される放射線照射条件は、例えば、パルスレート、パルス幅、パルス間隔、1撮影あたりの撮影フレーム数、X線管電流の値、X線管電圧の値、付加フィルター種等である。パルスレートは、1秒あたりの放射線照射回数であり、後述するフレームレートと一致している。パルス幅は、放射線照射1回当たりの放射線照射時間である。パルス間隔は、1回の放射線照射開始から次の放射線照射開始までの時間であり、後述するフレーム間隔と一致している。
放射線検出部13は、FPD(Flat Panel Detector)等の半導体イメージセンサーにより構成される。FPDは、例えば、ガラス基板等を有しており、基板上の所定位置に、放射線源11から照射されて少なくとも被写体Mを透過した放射線をその強度に応じて検出し、検出した放射線を電気信号に変換して蓄積する複数の検出素子(画素)がマトリックス状に配列されている。各画素は、例えばTFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング部を備えて構成されている。FPDにはX線をシンチレーターを介して光電変換素子により電気信号に変換する間接変換型、X線を直接的に電気信号に変換する直接変換型があるが、何れを用いてもよい。
放射線検出部13は、撮影台15に保持され(図10(a)~(c)参照)、被写体Mを挟んで放射線源11と対向するように設けられている。
読取制御装置14は、撮影用コンソール2に接続されている。読取制御装置14は、撮影用コンソール2から入力された画像読取条件に基づいて放射線検出部13の各画素のスイッチング部を制御して、当該各画素に蓄積された電気信号の読み取りをスイッチングしていき、放射線検出部13に蓄積された電気信号を読み取ることにより、画像データを取得する。この画像データがフレーム画像である。読取制御装置14は、取得したフレーム画像を撮影用コンソール2に出力する。画像読取条件は、例えば、フレームレート、フレーム間隔、画素サイズ、画像サイズ(マトリックスサイズ)等である。フレームレートは、1秒あたりに取得するフレーム画像数であり、パルスレートと一致している。フレーム間隔は、1回のフレーム画像の取得動作開始から次のフレーム画像の取得動作開始までの時間であり、パルス間隔と一致している。
ここで、放射線照射制御装置12と読取制御装置14は互いに接続され、互いに同期信号をやりとりして放射線照射動作と画像の読み取りの動作を同調させるようになっている。
〔撮影用コンソール2の構成〕
撮影用コンソール2は、放射線照射条件や画像読取条件を撮影装置1に出力して撮影装置1による放射線撮影及び放射線画像の読み取り動作を制御するとともに、撮影装置1により取得された動態画像を撮影技師等の撮影実施者によるポジショニングの確認や診断に適した画像であるか否かの確認用に表示する。
撮影用コンソール2は、図1に示すように、制御部21、記憶部22、操作部23、表示部24、通信部25を備えて構成され、各部はバス26により接続されている。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部21のCPUは、操作部23の操作に応じて、記憶部22に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って後述する撮影制御処理を始めとする各種処理を実行し、撮影用コンソール2各部の動作や、撮影装置1の放射線照射動作及び読み取り動作を集中制御する。
記憶部22は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成される。記憶部22は、制御部21で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。例えば、記憶部22は、図2に示す撮影制御処理を実行するためのプログラムを記憶している。また、記憶部22は、被写体部位(ここでは、胸部とする)に対応付けて放射線照射条件及び画像読取条件を記憶している。各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部21は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
操作部23は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部21に出力する。また、操作部23は、表示部24の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部21に出力する。
表示部24は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニターにより構成され、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、操作部23からの入力指示やデータ等を表示する。
通信部25は、LANアダプターやモデムやTA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークNTに接続された各装置との間のデータ送受信を制御する。
〔診断用コンソール3の構成〕
診断用コンソール3は、撮影用コンソール2から動態画像を取得し、取得した動態画像や動態画像の解析結果を表示して医師の診断を支援するための放射線画像解析装置である。
診断用コンソール3は、図1に示すように、制御部31、記憶部32、操作部33、表示部34、通信部35を備えて構成され、各部はバス36により接続されている。
制御部31は、CPU、RAM等により構成される。制御部31のCPUは、操作部33の操作に応じて、記憶部32に記憶されているシステムプログラムや、各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って、後述する呼吸機能指標推定処理Aを始めとする各種処理を実行し、診断用コンソール3の各部の動作を集中制御する。制御部31は、肺野面積算出手段、推定手段として機能する。
記憶部32は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成される。記憶部32は、制御部31で呼吸機能指標推定処理Aを実行するためのプログラムを始めとする各種プログラムやプログラムによる処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部31は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
また、記憶部32には、撮影された動態画像が患者情報(例えば、患者ID、患者の氏名、身長、体重、年齢、性別等)、検査情報(例えば、検査ID、検査日、被写体部位(ここでは、胸部)、撮影方向(正面、側面)等)に対応付けて記憶されている。
また、記憶部32には、胸部正面画像から算出した肺野面積から残気量、機能的残気量、全肺気量の推定値を算出するための算出式又は胸部正面画像から算出した肺野面積と残気量、機能的残気量、全肺気量との対応関係を示すテーブルや、胸部正面画像から算出した肺野面積の変化率ΔV%から残気率の推定値を算出するための算出式又は胸部正面画像から算出した肺野面積の変化率ΔV%と残気率との対応関係を示すテーブル等が記憶されている。もしくは、多数の被検者について、ヘリウム閉鎖回路法、窒素洗い出し解放回路法、又は体プレスチモグラフ法などの方法で測定した残気量、機能的残気量、全肺気量、残気率の測定値のそれぞれと、深呼吸下で放射線撮影された胸部正面画像から算出した最大吸気位(深吸気位)の肺野面積、又は、肺野面積の変化率ΔV%との対応関係の統計データ、又は散布図等が記憶されている。
操作部33は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、ユーザーによるキーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部31に出力する。また、操作部33は、表示部34の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部31に出力する。
表示部34は、LCDやCRT等のモニターにより構成され、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、各種表示を行う。
通信部35は、LANアダプターやモデムやTA等を備え、通信ネットワークNTに接続された各装置との間のデータ送受信を制御する。
〔放射線画像解析システム100の動作〕
次に、本実施形態における上記放射線画像解析システム100の動作について説明する。
(撮影装置1、撮影用コンソール2の動作)
まず、撮影装置1、撮影用コンソール2による撮影動作について説明する。
図2に、撮影用コンソール2の制御部21において実行される撮影制御処理を示す。撮影制御処理は、制御部21と記憶部22に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
まず、撮影実施者により撮影用コンソール2の操作部23が操作され、被検者(被写体M)の患者情報、検査情報の入力が行われる(ステップS1)。
次いで、放射線照射条件が記憶部22から読み出されて放射線照射制御装置12に設定されるとともに、画像読取条件が記憶部22から読み出されて読取制御装置14に設定される(ステップS2)。
次いで、操作部23の操作による放射線照射の指示が待機される(ステップS3)。ここで、撮影実施者は、被写体Mを放射線源11と放射線検出部13の間に配置してポジショニングを行う。また、被検者に対し、呼吸状態(ここでは、深呼吸)を指示する。撮影準備が整った時点で、操作部23を操作して放射線照射指示を入力する。
操作部23により放射線照射指示が入力されると(ステップS3;YES)、放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影開始指示が出力され、動態撮影が開始される(ステップS4)。即ち、放射線照射制御装置12に設定されたパルス間隔で放射線源11により放射線が照射され、放射線検出部13によりフレーム画像が取得される。
予め定められたフレーム数の撮影が終了すると、制御部21により放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影終了の指示が出力され、撮影動作が停止される。撮影されるフレーム数は、少なくとも1呼吸サイクルが撮影できる枚数である。撮影は、撮影直前及び撮影中に、被写体Mに造影剤が投与されない状態で行われる。
撮影により取得されたフレーム画像は順次撮影用コンソール2に入力され、撮影順を示す番号(フレーム番号)と対応付けて記憶部22に記憶されるとともに(ステップS5)、表示部24に表示される(ステップS6)。撮影実施者は、表示された動態画像によりポジショニング等を確認し、撮影により診断に適した画像が取得された(撮影OK)か、再撮影が必要(撮影NG)か、を判断する。そして、操作部23を操作して、判断結果を入力する。
操作部23の所定の操作により撮影OKを示す判断結果が入力されると(ステップS7;YES)、動態撮影で取得された一連のフレーム画像のそれぞれに、動態画像を識別するための識別IDや、患者情報、検査情報、放射線照射条件、画像読取条件、撮影順を示す番号(フレーム番号)等の情報が付帯され(例えば、DICOM形式で画像データのヘッダ領域に書き込まれ)、通信部25を介して診断用コンソール3に送信される(ステップS8)。そして、本処理は終了する。一方、操作部23の所定の操作により撮影NGを示す判断結果が入力されると(ステップS7;NO)、記憶部22に記憶された一連のフレーム画像が削除され(ステップS9)、本処理は終了する。この場合、再撮影が必要となる。
(診断用コンソール3の動作)
次に、診断用コンソール3における動作について説明する。
診断用コンソール3においては、通信部35を介して撮影用コンソール2から動態画像の一連のフレーム画像が受信されると、受信された動態画像が記憶部32に記憶されるとともに、制御部31と記憶部32に記憶されているプログラムとの協働により図3に示す呼吸機能指標推定処理Aが実行される。
ここで、本願発明者は、多数の被検者について、ヘリウム閉鎖回路法、窒素洗い出し解放回路法、又は体プレスチモグラフ法などの方法で、残気量(RV)、機能的残気量(FRC)、全肺気量(TLC)を測定するとともに、胸部正面画像から肺野面積を算出し、残気量、機能的残気量、全肺気量のそれぞれと肺野面積との関係について検討した。
図4(a)は、深呼吸下で放射線撮影された胸部正面画像の最大吸気位(深吸気位)の肺野面積と残気量との関係を示す散布図、図4(b)は、深吸気位の肺野面積と機能的残気量との関係を示す散布図、図4(c)は、深吸気位の肺野面積と全肺気量との関係を示す散布図である。図4(a)~(c)に示すように、肺野面積は、残気量、機能的残気量、全肺気量と高い相関があり、肺野面積に基づいて、残気量、機能的残気量、全肺気量を推定可能であることが見出された。
また、同様に、肺野面積の変化率ΔV%((深吸気位の肺野面積-深呼気位の肺野面積)/深吸気位の肺野面積)と残気率との関係を検討した結果、肺野面積の変化率ΔV%は残気率と相関があり、肺野面積の変化率ΔV%に基づいて、残気率を推定可能であることが見出された。
呼吸機能指標推定処理Aは、肺野面積より、残気量、機能的残気量、全肺気量、及び残気率を推定する処理である。
以下、図3を参照して呼吸機能指標推定処理Aの流れについて説明する。
まず、受信された動態画像から、深吸気位及び深呼気位のフレーム画像における肺野面積が算出される(ステップS11)。
例えば、ステップS11においては、まず、動態画像の各フレーム画像から肺野領域が抽出される。肺野領域の抽出は、公知のいずれの手法を用いてもよい。例えば、フレーム画像の各画素の信号値(濃度値)のヒストグラムから判別分析によって閾値を求め、この閾値より高信号の領域を肺野領域候補として1次抽出する。次いで、1次抽出された肺野領域候補の境界付近でエッジ検出を行い、境界付近の小ブロックでエッジが最大となる点を境界に沿って抽出すれば肺野領域の境界(図5に実線Rで囲んだ領域R)を抽出することができる。
次いで、各フレーム画像の肺野面積が算出される。例えば、各フレーム画像の肺野領域内の画素値をカウントして画素サイズを乗算することにより肺野面積を算出することができる。各フレーム画像から算出した肺野面積のうち、最大の面積が深吸気位の肺野面積、最小の面積が深呼気位の肺野面積である。
次いで、深吸気位又は深呼気位のフレーム画像における肺野面積に基づいて、残気量、機能的残気量、全肺気量が推定される(ステップS12)。
ここで、記憶部32には、多数の被検者について、深吸気位又は深呼気位の胸部正面画像を撮影してその肺野面積を算出するとともに、ヘリウム閉鎖回路法、窒素洗い出し解放回路法、又は体プレスチモグラフ法などの方法で残気量、機能的残気量、全肺気量を測定することにより取得した統計データに基づいて決定した、深吸気位若しくは深呼気位の胸部正面画像における肺野面積を変数とした残気量、機能的残気量、肺気量の推定値の算出式、または、深吸気位若しくは深呼気位の胸部正面画像における肺野面積と、残気量、機能的残気量、肺気量の推定値との対応関係を示すテーブルが記憶されている。ステップS12においては、記憶部32に記憶されているこれらの算出式又はテーブルに基づいて、残気量、機能的残気量、全肺気量が推定される。
次いで、以下の(式1)に基づいて、肺野面積の変化率ΔV%が算出される(ステップS13)。
ΔV%=(深吸気位の肺野面積-深呼気位の肺野面積)/深吸気位の肺野面積
・・・(式1)
次いで、算出されたΔV%に基づいて、残気率が推定される(ステップS14)。
ここで、記憶部32には、多数の被検者について、深吸気位及び深呼気位の胸部正面画像を撮影してその肺野面積に基づいて肺野の面積変化率ΔV%を算出するとともに、ヘリウム閉鎖回路法、窒素洗い出し解放回路法、又は体プレスチモグラフ法などの方法で測定した残気量及び全肺気量に基づいて残気率(残気量/全肺気量)を算出することにより取得した統計データに基づいて決定した、ΔV%を変数とした残気率の推定値の算出式、または、ΔV%と残気率の推定値との対応関係を示すテーブルが記憶されている。ステップS14においては、記憶部32に記憶されているこれらの算出式又はテーブルに基づいて、残気率が推定される。
なお、残気率は、深吸気位及び深呼気位の胸部正面画像の肺野面積の変化量(深吸気位の肺野面積-深呼気位の肺野面積)に基づいて、推定することとしてもよい。また、残気率は、ステップS12で推定された残気量を全肺気量で除算することにより求めることとしてもよい。
そして、残気量、機能的残気量、肺気量、残気率の推定結果が表示部34に表示され(ステップS15)、呼吸機能指標推定処理Aは終了する。もしくは、記憶部32に記憶されている、多数の被検者に対するヘリウム閉鎖回路法、窒素洗い出し解放回路法、又は体プレスチモグラフ法などの方法で測定した残気量、機能的残気量、全肺気量、残気率の測定値のそれぞれと、深呼吸下で放射線撮影された胸部正面画像から算出した最大吸気位(深吸気位)の肺野面積、又は、肺野面積の変化率ΔV%との対応関係の散布図上に、ステップS11で算出された肺野面積、又は、ステップS13で算出された肺野面積の変化率ΔV%に対応した位置に垂直線を引いた図を表示部34に表示することで、図から残気量、機能的残気量、肺気量、残気率が推定できるようにしても良い(第2~第5の実施形態についても同様)。
このように、第1の実施形態によれば、胸部画像から簡便に残気量、機能的残気量、全肺気量、残気率を推定することが可能となる。
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態における放射線画像撮影システム100の構成は、図1を用いて第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用し、以下、第2の実施形態における放射線画像解析システム100の動作について説明する。
第2の実施形態においては、撮影装置1により頻呼吸時又は運動負荷時の被写体Mを動態撮影し、得られた動態画像に対して図6に示す呼吸機能指標推定処理Bを実行する。
以下、図6を参照して呼吸機能指標推定処理Bについて説明する。呼吸機能指標推定処理Bは、制御部31と記憶部32に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
まず、受信された頻呼吸時又は運動負荷時の被写体Mの動態画像から、深吸気位及び深呼気位のフレーム画像における肺野面積が算出される(ステップS21)。ステップS21の処理は、ステップS11で説明したものと同様であるので説明を援用する。
次いで、深吸気位又は深呼気位のフレーム画像における肺野面積に基づいて、被写体Mの残気量又は機能的残気量が推定される(ステップS22)。
ここで、記憶部32には、第1の実施形態と同様に、多数の被検者について、深吸気位又は深呼気位の胸部正面画像を撮影してその肺野面積を算出するとともに、ヘリウム閉鎖回路法、窒素洗い出し解放回路法、又は体プレスチモグラフ法などの方法で残気量又は機能的残気量を測定することにより取得した統計データに基づいて決定した、深吸気位若しくは深呼気位の胸部正面画像における肺野面積を変数とした残気量又は機能的残気量の算出式、または、深吸気位若しくは深呼気位の胸部正面画像における肺野面積と残気量又は機能的残気量の推定値との対応関係を示すテーブルが記憶されている。ステップS22においては、記憶部32に記憶されているこれらの算出式又はテーブルに基づいて、残気量又は機能的残気量が推定される。
そして、頻呼吸時又は運動負荷時の残気量又は機能的残気量が動態肺過膨張を表す指標として表示部34に表示され(ステップS23)、呼吸機能指標推定処理Bは終了する。
COPDの初期症状として、動的肺過膨張がある。動的肺過膨張は、頻呼吸や運動負荷等により呼吸数が多くなると、肺から空気をうまく排出できずに肺が膨らみすぎて、空気が吸えなくなる状態のことをいう。すなわち、COPDの初期の患者は、頻呼吸時又は運動負荷時に動的肺過膨張により残気量又は機能的残気量が増えると考えられる。そこで、呼吸機能指標推定処理Bでは、頻呼吸時又は運動負荷時に深吸気位又は深呼気位の胸部正面画像を撮影してその肺野面積に基づいて残気量又は機能的残気量を推定し、この残気量又は機能的残気量を動的肺過膨張の指標とする。残気量又は機能的残気量が多いほど動的肺過膨張の可能性が高いことを表す。
なお、図6に示す呼吸機能指標推定処理Bでは、頻呼吸時又は運動負荷時に動態撮影を行い、得られた動態画像の深吸気位及び深呼気位のフレーム画像から算出した肺野面積に基づいて残気量又は機能的残気量を推定し、この残気量又は機能的残気量を動的肺過膨張の指標として出力したが、運動負荷をかける前と後(又は、頻呼吸過程)に動態撮影を行い、得られた各動態画像のフレーム画像のうち、深吸気位及び深呼気位のフレーム画像から算出した肺野面積に基づいて、統計データに基づいて決定した算出式又はテーブルを用いて、運動負荷をかける前と後(又は、頻呼吸過程)の残気量又は機能的残気量を推定し、その変化(変化量又は変化率)を動的肺過膨張の指標として出力してもよい。残気量又は機能的残気量の変化が大きいほど動的肺過膨張の可能性が高いことを表す。
このように、第2の実施形態では、胸部画像から簡便に動的肺過膨張の指標を取得することが可能となる。
<第3の実施形態>
上記第1の実施形態における図3のステップS11及び第2の実施形態における図6のステップS21においては、図5において実線で示した両肺の領域(領域R)を肺野領域として抽出し、その肺野面積に基づいて、残気量、機能的残気量、全肺気量、残気率、動的肺過膨張の指標等の呼吸機能指標を推定することとして説明したが、COPDでは肺野の末梢側(胸郭側)から病変が生じるため、末梢側のみの肺野面積を用いた方がこれらの呼吸機能指標のCOPDに対する感度が高くなり、COPDをより早期に発見することが可能となると考えられる。そこで、第3の実施形態では、肺野の末梢側の一部の面積に基づいて残気量、機能的残気量、全肺気量、残気率、動的肺過膨張の指標を推定する例について説明する。
第3の実施形態における放射線画像解析システム100の構成及び撮影動作は、第1及び第2の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用する。また、診断用コンソール3における各呼吸機能指標の算出処理の流れは第1の実施形態及び第2の実施形態で説明したものと略同様であるが、動態画像の各フレーム画像から肺野領域を抽出した後、肺野の末梢側の領域を抽出してその面積を算出する点、深吸気位及び/又は深呼気位のフレーム画像から算出された肺野の末梢側の面積に基づいて各呼吸機能指標を推定する点が異なるので、以下、肺野の末梢側の領域の抽出手法及び肺野の末梢側の面積に基づく各呼吸機能指標の推定手法について説明する。
肺野の末梢側の領域の抽出手法としては、例えば、第1の実施形態で説明した手法により胸部正面画像(フレーム画像)から肺野領域を抽出し、図7に示すように、肺尖の頂点Pから下ろした垂線L1を肺野の中枢側と末梢側の境界として、この垂線L1と肺野の胸郭側の輪郭L2とに囲まれた領域(すなわち、肺野の胸郭側の一部)を肺野の末梢側の領域として抽出することができる。肺野の末梢側の面積は、抽出された肺野の末梢側の領域の画素値をカウントして画素サイズを乗算することにより求めることができる。もしくは、横隔膜から所定の位置(高さ)において、左右片肺毎に、肺野の中枢側と胸郭側の輪郭とを端点とする水平線を引き、この水平線の中点から下ろした垂線を、肺野の中枢側と末梢側の境界としてもよい。
肺野の末梢側の面積に基づいて残気量、機能的残気量、全肺気量、残気率を推定する手法としては、第1の実施形態で説明した手法と同様の手法を用いることができる。
すなわち、統計データに基づいて決定した、深吸気位若しくは深呼気位の胸部正面画像における肺野の末梢側の面積を変数とした残気量、機能的残気量、全肺気量の推定値の算出式、または、深吸気位若しくは深呼気位の胸部正面画像における肺野の末梢側の面積と、残気量、機能的残気量、肺気量の推定値との対応関係を示すテーブルを記憶部32に記憶しておき、制御部31は、記憶部32に記憶されているこれらの算出式又はテーブルに基づいて、深吸気位又は深呼気位のフレーム画像から算出した肺野の末梢側の面積から残気量、機能的残気量、全肺気量を推定することができる。
また、統計データに基づいて決定した、深呼吸下で撮影された胸部正面画像における肺野の末梢側の面積の面積変化率ΔV%を変数とした残気率の推定値の算出式、または、深呼吸下で撮影された胸部正面画像における肺野の末梢側の面積の面積変化率ΔV%と残気率の推定値との対応関係を示すテーブルを記憶部32に記憶しておき、制御部31は、記憶部32に記憶されている上記の算出式又はテーブルに基づいて、深吸気位及び深呼気位のフレーム画像を用いて算出した肺野の末梢側の面積の面積変化率ΔV%から残気率を推定することができる。
このように、第3の実施形態においては、COPDの病変が発生する、肺野の末梢側の面積に基づいて、残気量、機能的残気量、肺気量、残気率、又は動的肺過膨張の指標を算出するので、COPDに対する感度の高い残気量、機能的残気量、肺気量、残気率、又は動的肺過膨張の指標を求めることが可能となる。
<第4の実施形態>
上記第1の実施形態における図3のステップS11及び第2の実施形態における図6のステップS21においては、図5において実線で示した両肺の領域(領域R)を肺野領域として抽出し、その肺野面積に基づいて、残気量、機能的残気量、全肺気量、残気率、動的肺過膨張の指標を推定することとして説明したが、一般的に、肺の伸縮は、背側の方が大きい(図8参照)。そこで、第4の実施形態では、動態画像から深呼気位又は深吸気位の背側肺底端を推定し、推定した背側肺底端を肺野の下端とした肺野面積に基づいて、残気量、機能的残気量、全肺気量、残気率、動的肺過膨張の指標を算出する。
第4の実施形態における放射線画像解析システム100の構成及び撮影動作は、第1及び第2の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用する。また、診断用コンソール3における各呼吸機能指標の算出処理の流れは第1の実施形態及び第2の実施形態で説明したものと略同様であるが、動態画像の各フレーム画像から背側肺底端を推定し、推定した背側肺底端を肺野の下端とした肺野面積を算出する点、深吸気位及び/又は深呼気位のフレーム画像から算出された、背側肺底端を肺野の下端とした肺野面積に基づいて各呼吸機能指標を推定する点が異なるので、以下、動態画像の各フレーム画像から背側肺底端の位置を推定する手法及び背側肺底端を肺野の下端とした肺野面積に基づく各呼吸機能指標の推定手法について説明する。
まず、背側肺底端の推定手法及び肺野面積の算出手法について説明する。
図8は、胸部正面の動態画像のフレーム画像(胸部正面画像)と、胸部正面画像のA-A´で示す位置における側面の呼吸による変化を模式的に示す図である。図9(a)は、図8に示す3つの胸部正面画像のA-A´で示す位置における出力信号値を模式的に示す図、図9(b)は、差分信号値を模式的に示す図である。なお、図9(a)、(b)において、破線で示す線は、図8の深呼気位の出力信号値を示しており、一点鎖線で示す線は、図8の中間位相における出力信号値及び中間位相と深呼気位とのフレーム間差分値を示しており、実線で示す線は、図8の深吸気位における出力信号値及び深吸気位と中間位相とのフレーム間差分値を示している。また、図9(a)において、GB間は深呼気位、中間位相、深吸気位の3つの線が略重なっている。
呼吸サイクルは、呼気期と吸気期により構成される。呼気期は、横隔膜が上がることによって肺から空気が排出され、肺野の領域が小さくなる。深呼気位では、横隔膜の位置が最も高い状態となる。吸気期は、横隔膜が下がることにより肺に空気が取り込まれ、胸郭中の肺野の領域が大きくなる。深吸気位では、横隔膜の位置が最も下がった状態となる。
このように、肺野領域は、空気の出入りの行われる領域であるため、周囲の肺野外領域に比べて組織の密度が低く、放射線透過量が多い。そのため、X線撮影を行うと、肺野領域は肺野外領域に比べて信号値が大きくなる。
図8の側面図においてBで示す位置は、最大呼気位における横隔膜の上端位置である。図8の側面図においてCで示す位置は、中間位相における横隔膜の上端位置である。図8の側面図においてDで示す位置は、最大吸気位における横隔膜の上端位置である。これらの横隔膜の上端位置は、組織の密度の薄い肺野領域内の信号値から肺野外領域の信号値へと移行する境界であり、図8の胸部正面画像において肺底位置として目視により認識することができる。
一方、図8の側面図においてEで示す位置は、中間位相における横隔膜の下端位置である。図8の側面図においてFで示す位置は、深吸気位における横隔膜の下端位置である。図8の側面図からわかるように、横隔膜は、実際には背面側に大きく動くものであり、肺野は横隔膜背面部の下端位置まで存在する。すなわち、横隔膜背面部の下端位置は、背側肺底端と推定することができる。横隔膜背面部の下端位置は、目視では観察することができないが、隣接するフレーム画像間でフレーム間差分処理を行うことで、認識することができる。
隣接するフレーム画像間でフレーム間差分処理を行うと、図9(b)に示すように、横隔膜の上端位置L11は、フレーム間差分値が最大の位置となる。また、横隔膜の下端位置L12は、上端位置L11よりも下側であって、フレーム間差分値が略0との境界の位置となる。なお、フレーム画像間の差分値は、例えば、n枚目のフレーム画像の画素の信号値からn-1枚目のフレーム画像の同じ画素の信号値を引くことにより算出する。1フレーム目の画像については1フレーム目の画像から最終のフレーム画像(例えば、9フレームあれば9フレーム目)を引いた差分値を算出する。なお、フレーム間差分処理を行う前に、動態画像に時間方向のローパスフィルター処理を施して、換気による信号値の時間変化を抽出しておくことが好ましい。
背側肺底端を肺野の下端が推定されると、制御部31は、推定した背側肺底端を肺野の下端とした肺野面積を算出する。例えば、図3のステップS11で抽出した肺野領域の側端部の下端と横隔膜の背側肺底端を結ぶ肺野領域の側端部を補間により求め、ステップS11で抽出された肺野領域の面積と、その肺野領域と背側肺底端に囲まれた領域の面積とを加算した領域を、肺野面積として算出する。ステップS11で抽出した肺野領域と背側肺底端との間の肺野側端部は、例えば、上述のように補間処理等により求めてもよいし、或いは、各フレーム画像の背側肺底端を求めてその両端の軌跡から肺野側端部を推定してもよい。
次に、背側肺底端を肺野の下端とした肺野面積に基づいて残気量、機能的残気量、全肺気量、残気率、動的肺過膨張の指標を推定する手法について説明する。
背側肺底端を肺野の下端とした肺野面積に基づいて残気量、機能的残気量、全肺気量、残気率を推定する手法としては、第1の実施形態で説明した手法と同様の手法を用いることができる。
すなわち、統計データに基づいて決定した、深吸気位若しくは深呼気位の胸部正面画像における背側肺底端を肺野の下端とした肺野面積を変数とした残気量、機能的残気量、全肺気量の推定値の算出式、または、深吸気位若しくは深呼気位の胸部正面画像における背側肺底端を肺野の下端とした肺野面積と、残気量、機能的残気量、肺気量の推定値との対応関係を示すテーブルを記憶部32に記憶しておき、制御部31は、記憶部32に記憶されているこれらの算出式又はテーブルに基づいて、深吸気位又は深呼気位のフレーム画像から算出した背側肺底端を肺野の下端とした肺野面積から残気量、機能的残気量、全肺気量を推定することができる。
また、統計データに基づいて決定した、深呼吸下で撮影された胸部正面画像における背側肺底端を肺野の下端とした肺野面積の面積変化率ΔV%を変数とした残気率の推定値の算出式、または、深呼吸下で撮影された胸部正面画像における背側肺底端を肺野の下端とした肺野面積の面積変化率ΔV%と残気率の推定値との対応関係を示すテーブルを記憶部32に記憶しておき、制御部31は、記憶部32に記憶されている上記の算出式又はテーブルに基づいて、深吸気位及び深呼気位のフレーム画像を用いて算出した背側肺底端を肺野の下端とした肺野面積の面積変化率ΔV%から残気率を推定することができる。
このように、第4の実施形態においては、背側肺底端を肺野の下端とした肺野面積に基づいて、残気量、機能的残気量、肺気量、残気率、又は動的肺過膨張の指標を算出するので、より精度良く残気量、機能的残気量、肺気量、残気率、又は動的肺過膨張の指標を求めることが可能となる。
<第5の実施形態>
上記第1の実施形態~第4の実施形態では、両肺の肺野領域の面積に基づいて、残気量、機能的残気量、全肺気量、残気率、動的肺過膨張の指標を推定することとして説明したが、片肺毎に肺野面積を算出し、算出した肺野面積に基づいて、片肺毎に残気量、機能的残気量、全肺気量、又は動的肺過膨張の指標を算出することとしてもよい。
スパイロメトリーを始めとする従来の検査では、両肺の情報しか得ることができないが、動態画像を用いることで、片肺毎に残気量、機能的残気量、全肺気量、残気率、動的肺過膨張の指標を推定することが可能となる。これにより、左肺と右肺の比較が可能となる。また、片肺を手術した場合の術側肺の残気量、機能的残気量、全肺気量、又は動的肺過膨張の指標を算出することが可能となるので、これらの値の経時変化を算出することで、手術後の肺の経時変化等を算出することが可能となる。
以上説明したように、診断用コンソール3の制御部31によれば、一方向から胸部を放射線撮影することにより得られた胸部画像から肺野の面積を算出し、算出した肺野の面積に基づいて、肺野の残気量、機能的残気量、全肺気量、又は残気率を推定する。
したがって、従来のように高額かつ大がかりな医療機器を必要とせずに、胸部画像を用いて、残気量、機能的残気量、全肺気量等の呼吸機能指標を簡便に取得することが可能となる。
なお、上記実施形態における記述内容は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記第1~第5の実施形態においては、胸部正面の一方向から胸部を動態撮影することにより得られた胸部動態画像から算出した深吸気位又は深呼気位の肺野面積に基づいて、肺野の残気量、機能的残気量、全肺気量、残気率、又は動的肺過膨張の指標等の呼吸機能指標を作成することとして説明したが、胸部側面から胸部を動態撮影することにより得られた胸部動態画像から算出した深吸気位又は深呼気位の肺野面積に基づいて、肺野の残気量、機能的残気量、全肺気量、残気率、動的肺過膨張の指標等の呼吸機能指標を作成してもよい。ただし、患者被ばく低減の観点からは、胸部正面画像を撮影することが好ましい。
また、上記実施形態においては、胸部を動態撮影することにより得られた胸部動態画像から深吸気位又は深呼気位のフレーム画像を特定し、特定したフレーム画像から算出した肺野面積に基づいて、肺野の残気量、機能的残気量、全肺気量、残気率、動的肺過膨張の指標等を作成することとして説明したが、深吸気位又は深呼気位の胸部正面を静止画撮影することにより得られた胸部正面画像から肺野面積を算出し、算出した肺野面積に基づいて、肺野の残気量、機能的残気量、全肺気量、残気率、動的肺過膨張の指標等を作成することとしてもよい。
また、肺野の残気量、機能的残気量、全肺気量、残気率は全てを推定する必要はなく、例えば、ユーザーにより選択された呼吸機能指標だけを推定することとしてもよい。また、本願発明者は、多数の被検者について、深呼吸下で放射線撮影された胸部正面画像の最大吸気位(深吸気位)の肺野面積と呼吸機能検査(スパイロメトリー)で測定した肺活量(VC)の関係を検討した結果、両者の間に高い相関関係があることを見出しており、肺野面積に基づいて、肺野の残気量、機能的残気量、全肺気量、残気率を推定すると同時に、同様の手法を用いて、肺野面積に基づいて、肺活量を推定することとしてもよい。これにより、胸部画像を用いて、簡便に肺活量を推定することができ、ユーザーは残気量、機能的残気量、全肺気量、残気率、肺活量の推定値から、閉塞性肺疾患、拘束性肺疾患の特徴を見出すことが可能となる。また、残気量の推定値は、肺野面積に基づいて算出した全肺気量の推定値から、肺野面積に基づいて算出した肺活量の推定値を差し引くことで、算出してもよい。
また、上記実施形態においては、推定した呼吸機能指標を表示部34に表示することとして説明したが、呼吸機能指標の出力については特に限定されず、例えば、プリンターにより用紙に印刷してもよいし、音声により出力してもよいし、呼吸機能指標のデータを通信ネットワークNTを介して外部装置に出力することとしてもよい。
また、特に動態撮影では、長い時間(20秒程度)連続して撮影を行うため、立位での撮影時の被検者の体動を抑制するために、撮影装置1に、骨盤(腰)を固定する機構を備えることが好ましい。例えば、図10(a)に示すように被検者(図10(a)~(c)においてHで示す)が浅く腰掛けることのできる椅子16や、図10(b)に示すように被検者の骨盤(腰)を左右からはさんで固定する機構17、図10(c)に示すように被検者の骨盤(腰)を後から撮影台15に押さえつけるようにして固定する機構18等を備えていることが好ましい。完全な座位で撮影した場合は、被検者の消化器系の内臓や横隔膜が上昇し、被検者の深呼吸を妨げることになるため、浅く腰掛けることのできる椅子16を備えることで、被検者の呼吸を妨げることなく、被検者の体動を抑制することができる。同様に、骨盤(腰)を左右からはさんで固定する機構17や、骨盤(腰)を後から撮影台15に押さえつけるようにして固定する機構18も、被検者の呼吸や胸郭の動きを妨げることなく、被検者の体動を抑制することができる。また、骨盤(腰)を後から撮影台15に押さえつけるようにして固定する機構18を備える場合は、同時に、被検者の腹側にも固定する図示しない機構を設け、撮影中の被検者の腰部分の動きがより抑制されるよう、被検者の腰を前後からはさんで固定することが好ましい。これらの機構により、20秒程度の動態撮影の間、被検者の体動を抑制することができ、とりわけ肺野内の信号値の変化量を定量化又は視覚化する場合において、ノイズ成分となる体動によって生じる信号値の変化量を抑制することができる。
また、診断用コンソール3の制御部31は、胸部動態画像における肺野内の構造物の動きと横隔膜の動きとの関連性を定量化、可視化することとしてもよい。例えば、あるフレーム画像における横隔膜を含む局所領域と、横隔膜を含まない肺野内の複数の局所領域のそれぞれに対して、テンプレートマッチング等の手法を用いて、時間的に複数フレーム離れたフレーム画像内で対応する領域の位置を求め、それぞれの局所領域に対する移動量、移動方向を算出する。それぞれの局所領域に対して、算出した移動量を数値として胸部動態画像上に重畳させて表示するか、もしくは、移動量に応じた長さ及び移動方向に応じた向きの矢印を胸部動態画像上に重畳させて表示するか、もしくは、肺野内の各局所領域を移動量に応じた彩度及び移動方向に応じた色相の色でマップ化したカラー画像を胸部動態画像上に重畳させて表示することにより、胸部動態画像における肺野内の構造物の動きと横隔膜の動きとの関連性を定量化、可視化することができる。これにより、横隔膜に対して肺野内の動きが悪いところをユーザーが容易に認識することができ、病態の把握に役立てることができる。例えば、横隔膜は動いているが、肺血管が動いていない場合、肺の中身が動いておらずガス交換がされていない等を把握することができる。また、前述の移動量及び移動方向は、横隔膜を含む局所領域の移動量、移動方向を基準とした値としてもよい。例えば、横隔膜を含まない肺野内の各局所領域の移動量、移動方向は、それぞれ、横隔膜を含む局所領域の移動量で除算した値、横隔膜を含む局所領域の移動方向からずれた角度としてもよい。これにより、横隔膜の動きを基準とした肺野内の構造物の動きを定量値として算出することができ、ユーザーは横隔膜の動きを基準とした肺野内の構造物の動きの関連性をより把握しやすくなる。
また、テンプレートマッチング等の手法を用いて、時間的に複数フレーム離れたフレーム画像内で対応する領域の位置を求める前に、各フレーム画像に対して、既知の手法を用いて、肋骨陰影を減弱したフレーム画像を生成し、生成したフレーム画像に対して、時間的に複数フレーム離れたフレーム画像内で対応する領域の位置を算出することとしてもよい。一般的には、呼吸下の胸部動態画像においては、肋骨と肺血管が逆方向に動くため、このように肋骨陰影を減弱することで、胸部動態画像における肺野内の肺血管の動きと横隔膜の動きとの関連性を、より精度よく定量化できるようになる。
上記では、胸部動態画像における肺野内の構造物の動きと横隔膜の動きとの関連性を定量化、可視化することとしたが、同様の手法で、肺野内の構造物の動きと心臓の動きとの関連性を定量化、可視化することとしてもよい。横隔膜の動きと同様、これにより、心臓の動きに対して肺野内の動きが悪いところをユーザーが容易に認識することができ、病態の把握に役立てることができる。
また、肺炎や肺線維症等の疾患がある患者の肺野は、X線透過量が少なくなるため、健常者の肺野に比べてX線画像では信号値が低くなり、白っぽく(低い濃度で)映る。肺野が白く映っている場合、横隔膜の動き量が同じであっても、肺野内の信号値の変化量が大きくなるため、動態画像、あるいは、肺野内の局所的な信号値の変化量の定量値(数値)、あるいは、信号値の変化量に応じた色を動態画像上に重畳表示する等により視覚化した画像では肺野の動きが良いように(健康に)見えてしまう。そこで、診断用コンソール3の制御部31は、動態画像の各フレーム画像内の肺野濃度(信号値)に基づいて信号値の変化量を補正することが好ましい。肺野内の信号値の変化量を算出する際、例えば、肺野内の信号値から得られる特徴量(例えば肺野内の平均信号値)と補正係数との関係を示す算出式又は肺野内の信号値から得られる特徴量と補正係数との対応関係を示すテーブル等が記憶部32に記憶されており、動態画像の信号値の変化量を算出する対象となるフレーム画像において肺野内の信号値から得られる特徴量を算出し、前述の記憶部32に記憶された算出式又はテーブルに基づき、特徴量に対応する補正係数を取得し、算出した肺野内の信号値の変化量に取得した補正係数を乗じることで、補正した肺野内の信号値の変化量を得ることができる。これにより、肺炎や肺線維症等の疾患がある患者で、肺野が白く映っている場合であっても、信号値の変化量の増大を抑制することができ、ユーザーは、より適切に、信号値の変化量に基づいて、肺野内の動きの状態を把握できるようになる。さらに、前述の肺野内の信号値から得られる特徴量は、診断用コンソール3の制御部31が撮影装置1から放射線照射条件を受信し、受信した放射線照射条件、及び、記憶部32に記憶された患者の身長、体重等の体型情報に基づいて算出されることが好ましい。肺野内の信号値は、患者の身長、体重、放射線照射条件に依存し、例えば、放射線照射条件が同じであっても、患者が大きい体型の場合は、X線透過量が少なくなり、肺野内の信号値が小さくなる。そのため、患者の体型の大きさに応じた係数を乗じる等により、前述の肺野内の信号値から得られる特徴量の値を調整することで、肺野内の信号値の変化量をより精度よく補正することできる。
また、異なる時期に撮影した複数の胸部画像(動態画像)を表示する場合、制御部31は、胸部の特定箇所(例えば、肺尖、肺門、同じ頸椎等)が同一位置(高さ)となるように位置調整して画像を表示部34に並列表示することとしてもよい。これにより、複数の胸部画像を比較しやすくすることができ、異なる時期における変化が把握しやすくなる。
また、動的肺過膨張の状態を示す指標としては、運動負荷時又は頻呼吸過程において撮影された胸部画像の各フレーム画像に対して、左右それぞれの肺に対して、エッジ認識等の手法により横隔膜の位置(高さ)を算出するか又は前述の方法で肺野輪郭を検出して肺野面積を算出し、算出した左右肺の横隔膜の位置又は肺野面積の時間変化を表示部34にグラフ表示してもよい。COPD等の閉塞性肺疾患の被検者では、図11(a)、(b)に示すように、運動負荷時又は頻呼吸過程において、時間が経過するにつれ、横隔膜の位置が下がってくるとともに、肺野面積は上昇し、吸気位と呼気位間での横隔膜位置の移動量又は肺野面積の変化量が小さくなる。したがって、ユーザーは、表示された横隔膜の位置又は肺野面積の時間変化のグラフにより、動的肺過膨張の程度を把握することができる。さらには、左右肺の横隔膜位置又は肺野面積の時間変化から、呼気位における横隔膜位置又は肺野面積の時間推移を算出し、それらの増減の程度を示す定量値を動的肺過膨張の状態を示す指標として算出してもよい。例えば、算出した呼気位における肺野面積の時間推移を直線近似もしくは曲線近似したときの近似式のパラメータ(例えば直線近似したときの傾き)を算出し、動的肺過膨張の状態を示す指標として表示する。動的肺過膨張の程度が強い場合は、例えば、呼気位における肺野面積の時間推移を直線近似したときの傾きが大きくなるため、ユーザーは本定量値を確認することによって、より簡便に被検者の動的肺過膨張の程度を把握することができる。さらに、最大吸気位で静止画撮影された胸部正面画像、もしくは、胸部正面の動態画像の最大吸気位におけるフレーム画像にて、左右肺の横隔膜位置又は肺野面積を算出し、算出した最大吸気位における左右肺の横隔膜位置又は肺野面積と、運動負荷時又は頻呼吸過程において撮影された胸部正面の動態画像の各フレーム画像から算出した左右肺の横隔膜の位置又は肺野面積との差分を算出し、算出した差分値の時間変化を表示部34にグラフ表示してもよい。これにより、最大吸気量(IC)に相当する呼吸機能指標の時間変化が表示されることとなり、ユーザーは本時間変化を確認することによって、被検者の運動耐容能や労作時における呼吸困難の程度をより把握しやすくなる。ここで、肺野面積の算出にあたっては、上記第4の実施形態で説明したように、動態画像の各フレーム画像から背側肺底端を推定し、推定した背側肺底端を肺野の下端とした肺野面積を算出してもよい。これにより、呼吸時の伸縮が大きい背側の動きに基づいて、より精度良く動的肺過膨張の指標を求めることが可能となる。また、頻呼吸過程において撮影する場合は、撮影装置1が、音声やモニター画面による表示によって、被検者に息を吸うタイミングと吐くタイミングを指示する呼吸のガイダンス機構を有することが好ましい。
また、例えば、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリー等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
その他、放射線画像解析システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
100 放射線画像解析システム
1 撮影装置
11 放射線源
12 放射線照射制御装置
13 放射線検出部
14 読取制御装置
2 撮影用コンソール
21 制御部
22 記憶部
23 操作部
24 表示部
25 通信部
26 バス
3 診断用コンソール
31 制御部
32 記憶部
33 操作部
34 表示部
35 通信部
36 バス

Claims (14)

  1. 被検者の胸部に対して放射線を照射する動態撮影を行うことにより得られた動態画像から肺野の面積を算出する肺野面積算出手段と、
    前記肺野面積算出手段により算出された前記肺野の面積に基づいて、前記肺野の機能的残気量及び残気率の少なくとも1つを推定する推定手段と、
    を備える動態画像解析システム
  2. 前記動態画像は、前記被検者の胸部正面に対して放射線を照射する動態撮影を行うことにより得られた胸部動態画像である請求項1に記載の動態画像解析システム。
  3. 前記推定手段は、前記被検者以外の多数の被検者から得られた統計データに基づいて決定した算出式又はテーブルと、前記被検者の前記肺野の面積とに基づいて、前記肺野の機能的残気量及び残気率の少なくとも1つを推定する請求項1又は2に記載の動態画像解析システム
  4. 前記統計データは、前記被検者以外の多数の被検者から得られたデータであって、前記動態撮影により得られた肺野の面積と、前記動態撮影とは異なる方法により得られた機能的残気量との関係とを示すデータを含む請求項に記載の動態画像解析システム
  5. 前記統計データは、前記被検者以外の多数の被検者から得られたデータであって、前記動態撮影により得られた肺野の面積の変化率と、前記動態撮影とは異なる方法により得られた残気率との関係とを示すデータを含む請求項3又は4に記載の動態画像解析システム
  6. 前記動態撮影とは異なる方法は、ヘリウム閉鎖回路法、窒素洗い出し解放回路法、又は体プレスチモグラフ法である請求項4又は5に記載の動態画像解析システム
  7. 前記肺野面積算出手段は、前記動態画像を構成する複数のフレーム画像のうちの深吸気位に対応するフレーム画像又は深呼気位に対応するフレーム画像に基づいて、前記肺野の面積を算出する請求項1~のいずれか一項に記載の動態画像解析システム
  8. 前記肺野面積算出手段により算出された前記肺野の面積は、胸郭側の一部の面積である請求項1~のいずれか一項に記載の動態画像解析システム
  9. 前記肺野面積算出手段により算出された前記肺野の面積は、前記動態画像から前記肺野の背側肺底端を推定し、前記背側肺底端を前記肺野の下端とした肺野面積である請求項1~のいずれか一項に記載の動態画像解析システム
  10. 前記肺野面積算出手段により算出された前記肺野の面積は、前記肺野の片肺の面積である請求項1~のいずれか一項に記載の動態画像解析システム
  11. 前記動態画像は、頻呼吸時又は運動負荷時に撮影された動態画像であり、
    前記推定手段は、前記肺野面積算出手段により前記頻呼吸時又は運動負荷時に撮影された動態画像から算出された前記肺野の面積に基づいて推定した前記肺野の機能的残気量を動的肺過膨張の指標として推定する請求項1~10のいずれか一項に記載の動態画像解析システム
  12. 前記動態画像は、運動負荷前後又は頻呼吸過程において撮影された動態画像であり、
    前記推定手段は、運動負荷前後又は頻呼吸過程において撮影された動態画像から算出された肺野の面積に基づいて、運動負荷前後又は頻呼吸過程における機能的残気量を推定し、推定した運動負荷前後又は頻呼吸過程における機能的残気量の変化を動的肺過膨張の指標として推定する請求項1~10のいずれか一項に記載の動態画像解析システム
  13. 被検者の胸部に対して放射線を照射する動態撮影を行うことにより得られた動態画像に関する解析を行う動態画像解析プログラムであって、
    コンピュータに、
    前記動態画像から得られた肺野の面積に基づいて、前記肺野の機能的残気量及び残気率の少なくとも1つを推定する処理を実行させる動態画像解析プログラム。
  14. 前記動態画像は、前記被検者の胸部正面に対して放射線を照射する動態撮影を行うことにより得られた胸部動態画像である請求項13に記載の動態画像解析プログラム。
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