JP2015093039A - 呼吸機能検査装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】呼吸機能検査の精度を向上させることができる呼吸機能検査装置及びプログラムを提供すること。
【解決手段】所定の呼吸パターンに従う被験者(103)の呼吸に基づき呼吸機能を検査する呼吸機能検査装置(1)であって、前記呼吸パターンにおける設定呼吸量を保持する設定呼吸量保持手段(17)と、前記呼吸パターンに従い呼吸する前記被験者の実際の呼吸量を取得する呼吸量取得手段(3、11、13、15)と、(a)前記実際の呼吸量、及び(b)少なくとも、前記実際の呼吸量を取得したタイミング、及び/又は、そのタイミングより後における前記設定呼吸量を視覚的に表示する表示手段(21、7A)と、を備えることを特徴とする呼吸機能検査装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、呼吸機能検査装置及びプログラムに関する。
従来、所定の呼吸パターンに従って被験者に呼吸を行わせ、そのときの呼吸量に基づき呼吸機能を検査する呼吸機能検査装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2007−229101号公報
呼吸機能を精度よく検査するためには、被験者の実際の呼吸のパターンが、理想の呼吸のパターンに近いことが望ましい。特許文献1記載の技術では、音声により、被験者の呼吸をガイドする。しかしながら、音声によるガイドでは、被験者の呼吸を充分にコントロールすることはできず、検査の精度を向上させることは困難である。
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、呼吸機能検査の精度を向上させることができる呼吸機能検査装置及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の呼吸機能検査装置は、所定の呼吸パターンに従う被験者の呼吸に基づき呼吸機能を検査する呼吸機能検査装置である。本発明の呼吸機能検査装置は、呼吸パターンにおける設定呼吸量を保持する設定呼吸量保持手段と、呼吸パターンに従い呼吸する被験者の実際の呼吸量を取得する呼吸量取得手段と、(a)実際の呼吸量、及び(b)少なくとも、実際の呼吸量を取得したタイミング、及び/又は、そのタイミングより後における設定呼吸量を視覚的に表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
本発明の呼吸機能検査装置によれば、被験者は、前記(a)及び(b)を見て、実際の呼吸量と、設定呼吸量との関係を容易に把握することができる。そのため、被験者は、実際の呼吸量が設定呼吸量と一致するように、実際の呼吸量を調整することができる。その結果、呼吸機能検査の精度が向上する。
呼吸機能検査装置1の構成を表すブロック図である。 呼吸機能検査装置1の構成を表す斜視図である。 図3A、3B、3Cは、呼吸パターンを表す説明図である。 呼吸機能検査装置1が実行する処理を表すフローチャートである。 図5Aは連続波形200を表す説明図であり、図5Bはディスプレイ7Aに表示するグラフを表す説明図である。 呼吸量の表示処理の例を表す説明図である。 呼吸量の表示処理の例を表す説明図である。 呼吸量の表示処理の例を表す説明図である。 図9Aは、動肺コンプライアンス測定における呼吸パターンを表す説明図であり、図9Bは呼吸量と胸腔内圧との関係を表すグラフである。 図10Aは呼吸量の表示を行わなかった場合における呼吸量の推移を表す実験結果であり、図10Bは呼吸量の表示を行った場合における呼吸量の推移を表す実験結果である。 ディスプレイ7Aに表示するグラフを表す説明図である。 呼吸機能検査装置1が実行する処理を表すフローチャートである。 ディスプレイ7Aに表示するグラフを表す説明図である。 呼吸機能検査装置1の構成を表すブロック図である。 呼吸機能検査装置1の構成を表す斜視図である。 ディスプレイ7Aに表示するグラフを表す説明図である。
本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
<第1の実施形態>
1.呼吸機能検査装置1の構成
図1及び図2に基づき、呼吸機能検査装置1の構成を説明する。呼吸機能検査装置1は、所定の呼吸パターンに従う被験者の呼吸に基づき呼吸機能を検査する呼吸機能検査装置である。呼吸機能検査装置1は、図1に示すように、時計3と、入力部5と、報知部7と、制御部9とを備える。
時計3は、時間信号(その時点の時刻を表す信号)を出力する。入力部5は、キーボード、マウス、タッチパネル、各種スイッチ等で構成され、ユーザの入力操作を受け付ける。入力部5へ入力される情報としては、検査項目(例えば、肺活量測定、動的肺過膨張測定、一秒率、動肺コンプライアンス測定等)と、被験者情報(被験者の人種、性別、年齢、身長、体重、疾病等)とがある。
報知部7は、画像を表示可能なディスプレイ7A、音声を出力可能なスピーカ7B、及び振動を発生可能なバイブレータ7Cを備える。よって、報知部7は、ディスプレイ7Aによる視覚的な報知と、スピーカ7Bによる音声の報知と、バイブレータ7Cによる振動の報知とを行うことができる。
制御部9は、プログラムをインストールされたマイクロコンピュータから構成される。制御部9は、そのプログラムにより、時計3、入力部5、及び後述する流量センサ101からの入力に基づき、後述する処理を実行し、報知部7を用いて報知を行う。上記のプログラムは、呼吸機能検査装置1が備えるメモリ27(図2参照)に記憶されている。制御部9は、機能的に、時間信号取得部11、呼吸信号取得部13、呼吸量取得部15、呼吸パターン決定部17、設定呼吸量取得部19、表示部21、呼吸状態判定部23、及び呼吸機能検査部25を備える。
時間信号取得部11は、時計3から時間信号を取得する。呼吸信号取得部13は、流量センサ101から呼吸信号を取得する。なお、流量センサ101は、被験者の呼吸による単位時間当りの空気の流量を検出するセンサであり、呼吸信号は、その流量を表す信号である。呼吸量取得部15は、時間信号を使用して呼吸信号を積算し、被験者の実際の呼吸量(単位はL(リットル))を取得する。
呼吸パターン決定部17は、入力部5への入力結果に応じて、呼吸パターン及び設定呼吸量を決定する。詳しくは後述する。設定呼吸量取得部19は、呼吸パターン決定部17で決定した設定呼吸量から、表示を行う呼吸量を取得する。表示部21は、報知部7のディスプレイ7Aに表示する画像を決定する。呼吸状態判定部23は、被験者の実際の呼吸量と、同じタイミングにおける設定呼吸量との差を算出し、その差を呼吸機能検査部25に出力する。
呼吸機能検査部25は、呼吸量取得部15から被験者の実際の呼吸量を継続的に取得し、周知の方法で呼吸機能の検知(例えば、肺活量測定、動的肺過膨張測定、一秒率、動肺コンプライアンス測定等)を行う。また、呼吸機能検査部25は、呼吸状態判定部23から入力した差の値が所定の閾値以上である場合、呼吸機能の検知を正常に行えないと判断し、処理を中止する。
図2に示すように、流量センサ101は、被験者103がくわえるマウスピース105に設置され、被験者の呼吸によってマウスピース105内を流れる空気の流量を検出し、その流量を表す呼吸信号を出力する。
なお、呼吸パターン決定部17は、設定呼吸量保持手段及び呼吸パターン決定手段の一実施形態である。また、時計3、時間信号取得部11、呼吸信号取得部13、及び呼吸量取得部15は、呼吸量取得手段の一実施形態である。また、表示部21及びディスプレイ7Aは、表示手段の一実施形態である。
2.呼吸機能検査装置1が実行する処理
(1)呼吸パターン決定処理
図3A、3B、3C、及び図9Aに基づき、呼吸機能検査装置1(特に呼吸パターン決定部17)が実行する呼吸パターン決定処理を説明する。呼吸パターン決定処理は、呼吸機能の検査を開始する前に実行される。呼吸パターン決定処理では、まず、入力部5へ入力された検査項目に応じて、対応する呼吸パターンを決定する。
例えば、検査項目が肺活量測定である場合、図3Aに示す呼吸パターンを決定する。また、検査項目が動的肺過膨張測定である場合、図3Bに示す呼吸パターンを決定する。また、検査項目が一秒率測定である場合、図3Cに示す呼吸パターンを決定する。また、検査項目が動肺コンプライアンスである場合、図9Aに示す呼吸パターンを決定する。呼吸パターン決定部17は、検査項目の種類と、呼吸パターンとを対応付けたマップを予め備えており、そのマップを用いて、上記のように呼吸パターンを決定する。
図3A、3B、3C、及び図9Aに示す呼吸パターンおいて、横軸は検査を開始した時点を基準とする時間であり、縦軸は被験者の呼吸量である。縦軸における原点は安静呼息位である。
なお、図9Aに示す呼吸パターンは、呼吸量が小の条件1と、呼吸量が中の条件2と、呼吸量が大の条件3とに区分される。図9Aに示す呼吸パターンを用いて動肺コンプライアンス測定を行う場合、条件1、2、3のそれぞれの呼吸量を取得する。また、条件1、2、3の呼吸をしているときの被験者の胸腔内圧をそれぞれ推定する。胸腔内圧は、特開2002−355227号公報等に開示されている周知の方法を用いて、被験者の脈波信号から推定することができる。
そして、図9Bに示すように、横軸を推定した胸腔内圧とし、縦軸を呼吸量としてグラフ上にプロットする。本発明者等の研究によれば、呼吸量と胸腔内圧との間に、以下の式1で表される一次式の関係があることが分かっている。
(式1) Y=aX+b
上記式1においてXは推定胸腔内圧であり、Yは呼吸量である。aは定数の傾きであり、bは定数の切片である。傾きaは肺のふくらみ易さ、あるいは肺の柔軟性(すなわち動肺コンプライアンス)を表し、切片bは呼気をどれだけ吐き切れるか(すなわち呼気のし易さ)を表す。
次に、呼吸機能検査装置1は、上記のように決定した呼吸パターンの各タイミングにおける理想の呼吸量(以下、設定呼吸量とする)を、入力部5へ入力された被験者情報に基づき設定し、保持する。この設定呼吸量は、精度の高い検査を行うために理想的な呼吸量である。呼吸パターン決定部17は、検査項目ごとに、被験者情報と、呼吸パターンの各タイミングにおける設定呼吸量とを対応付けたマップを予め備えており、そのマップを用いて、設定呼吸量を決定する。なお、決定した呼吸パターンと設定呼吸量とは、後述する呼吸量の表示処理で使用する。
(2)呼吸量の表示処理
図4、図5A、5Bに基づき、呼吸機能の検査中、呼吸機能検査装置1が所定時間ごとに繰り返し実行する呼吸量の表示処理を説明する。なお、呼吸機能の検査中、被験者は、呼吸パターンに従い呼吸を行っている。
図4のステップ1では、ディスプレイ7Aに連続波形200のグラフを表示済みであるか否かを判断する。ここで、連続波形200のグラフとは、図5Aに示すように、横軸を時間(検査を開始した時点を基準とする時間)の軸とし、縦軸を呼吸量とするグラフにおいて、前記呼吸パターン決定処理で決定した呼吸パターンを表したものである。この連続波形200において、任意のタイミングtにおける呼吸量Xは、前記呼吸パターン決定処理で決定した設定呼吸量である。なお、連続波形200のグラフにおいて、縦軸の原点は、安静呼息位である。
連続波形200のグラフを表示済みである場合はステップ3に進む。一方、連続波形200を未だ表示していない場合はステップ2進む。ステップ2では、呼吸パターン決定処理で決定した呼吸パターンと設定呼吸量とを用いて、ディスプレイ7Aに連続波形200のグラフを表示する。本ステップ2で表示された連続波形200のグラフは、呼吸機能の検査が終了するまで、継続的に表示される。
ステップ4では、時計3及び時間信号取得部11を用いて、その時点の(リアルタイムの)時間tを取得する。なお、この時間tは、検査を開始した時点を基準とする時間である。
ステップ5では、呼吸信号取得部13及び呼吸量取得部15を用いて、前記ステップ4で取得した時間tにおける、被験者の実際の呼吸量を取得する。
ステップ6では、前記ステップ5で取得した実際の呼吸量を、前記ステップ2で表示した連続波形200のグラフに重ねて表示する。すなわち、図5Bに示すように、連続波形200のグラフにおいて、横軸における位置を前記ステップ4で取得した時間tとし、縦軸における位置を前記ステップ5で取得した実際の呼吸量とする点に、矢印の先頭201をプロットする。また、過去に本ステップ6の処理を行っていた場合は、過去においてプロットした矢印の先頭201を結ぶ軌跡203を表示する。なお、過去においてプロットした矢印の先頭201は消去する。
ステップ6では、前記ステップ3で取得した時間tから、Δtだけ後の時点(以下、t+Δtとする)における設定呼吸量を取得する。そして、図5Bに示すように、連続波形200のグラフにおいて、横軸における位置をt+Δtとし、縦軸における位置を上記のように取得した設定呼吸量とする点に、例えば星型の追跡ポインター205を表示する。
以上の処理を所定時間ごとに繰り返すことにより、連続波形200のグラフにおいて、実際の呼吸量を表現する矢印の先頭201が、時間の経過とともに徐々に右方向へ移動する。このとき、被験者の呼吸が、連続波形200に沿って行われている場合、矢印の先頭201は連続波形200の上を移動する。一方、被験者の呼吸が、連続波形200に沿っていない場合、矢印の先頭201は連続波形200から外れた経路上を移動する。
また、矢印の先頭201が、徐々に右方向へ移動するにつれて、軌跡203も右方向に延びてゆく。また、追跡ポインター205は、矢印の先頭201よりもΔtだけ右に位置しながら、連続波形200上を右方向に移動してゆく。
3.呼吸機能検査装置1の表示例
決定した呼吸パターンが図3Aに示すものである場合における呼吸量の表示処理の例を図6に示す。図6において207は肺活量測定タイミングを表し、209の領域は安静呼吸の領域を表し、211はトップラインを表し、213はベースラインを表し、αは肺活量を表す。なお、被験者の安静呼吸の周期及びベースライン、トップラインが2泊以上連続して一致した場合、肺活量測定に入る。なお、図6における連続波形200は、呼吸パターンを概念的に示すものであり、実際の呼吸パターンを必ずしも正確に反映するものではない。
また、決定した呼吸パターンが図3Bに示すものである場合における呼吸量の表示処理の例を図7に示す。図7において215はIC測定タイミングを表し、217は過換気の領域を表し、βは最大吸気量を表す。なお、図7における連続波形200は、呼吸パターンを概念的に示すものであり、実際の呼吸パターンを必ずしも正確に反映するものではない。
また、決定した呼吸パターンが図9Aに示すものである場合における呼吸量の表示処理の例を図8に示す。
4.呼吸機能検査装置1奏する効果
(1)呼吸機能検査装置1は、呼吸機能の検査中、図5Bに示すグラフをディスプレイ7Aに表示することができる。このグラフには、リアルタイムにおける実際の呼吸量が矢印の先頭201で表示される。また、このグラフには、各タイミングにける設定呼吸量を表す連続波形200も表示される。連続波形200には、矢印の先頭201と同じタイミングにおける設定呼吸量(連続波形200のうち、横軸の座標が矢印の先頭201と同じ部分)と、矢印の先頭201よりも後のタイミングにおける設定呼吸量(連続波形200のうち、矢印の先頭201よりも右側の部分)とが含まれる。また、グラフには、リアルタイムよりもΔtだけ後のタイミングにおける設定呼吸量を表す追跡ポインター205も表示される。
被験者は、矢印の先頭201、連続波形200、及び追跡ポインター205を見比べることで、実際の呼吸量と、設定呼吸量との関係を容易に把握することができる。また、被験者は、設定呼吸量が今後、どのように変化してゆくのかを知ることができる。そのため、被験者は、実際の呼吸量が設定呼吸量と一致するように、実際の呼吸量を調整することができる。その結果、呼吸機能検査の精度が向上する。
呼吸機能検査装置1を用い、図5Bに示すグラフをディスプレイ7Aに表示しながら呼吸機能の検査を行った際の呼吸量の推移を図10Bに示す。図10Bに示すように、呼吸量、呼吸周期、呼吸波形の全てが安定していた。
一方、図5Bに示すグラフをディスプレイ7Aに表示しないで呼吸機能の検査を行った際の呼吸量の推移を図10Aに示す。図10Aに示すように、呼吸量、及び呼吸周期が呼吸ごとにばらつき、呼吸の波形が左右非対称となった。
(2)呼吸機能検査装置1は、検査する呼吸機能の種類と、被験者情報とに基づき、呼吸パターン及び設定呼吸量を決定することができる。
<第2の実施形態>
1.呼吸機能検査装置1の構成
本実施形態の呼吸機能検査装置1は、前記第1の実施形態と同様の構成を有する。
2.呼吸機能検査装置1が実行する処理
(1)呼吸パターン決定処理
本実施形態の呼吸機能検査装置1は、前記第1の実施形態と同様に、呼吸パターン及び設定呼吸量を決定する。
(2)呼吸量の表示処理
本実施形態の呼吸機能検査装置1は、基本的には、前記第1の実施形態と同様に、呼吸量の表示を行う。ただし、本実施形態では図11に示すように、連続波形200を表示するのではなく、呼吸パターンにおける変曲点P、Pでの設定呼吸量を選択して表示する。変曲点Pは、変曲点のうち、終末呼気位置であり、変曲店Pは、変曲点のうち、終末吸気位置である。
3.呼吸機能検査装置1奏する効果
本実施形態の呼吸機能検査装置1は、前記第1の実施形態と略同様の効果を奏することができる。
<第3の実施形態>
1.呼吸機能検査装置1の構成
本実施形態の呼吸機能検査装置1は、前記第1の実施形態と同様の構成を有する。
2.呼吸機能検査装置1が実行する処理
(1)呼吸パターン決定処理
本実施形態の呼吸機能検査装置1は、前記第1の実施形態と同様に、呼吸パターン及び設定呼吸量を決定する。
(2)呼吸量の表示処理
図12及び図13に基づき、呼吸機能の検査中、呼吸機能検査装置1が所定時間ごとに繰り返し実行する呼吸量の表示処理を説明する。
図12のステップ11では、ディスプレイ7Aの表示をリセットする。
ステップ12では、時計3及び時間信号取得部11を用いて、その時点での(リアルタイムの)時間tを取得する。
ステップ13では、呼吸信号取得部13及び呼吸量取得部15を用いて、前記ステップ12で取得した時間tにおける、被験者の実際の呼吸量を取得する。
ステップ14では、前記ステップ12で取得した時間tにおける設定呼吸量を取得する。
ステップ15では、前記ステップ12で取得した時間tからΔtだけ後の時点(t+Δtの時点)における設定呼吸量を取得する。
ステップ16では、図13に示すように、縦軸を呼吸量とする棒グラフをディスプレイ7Aに表示する。この棒グラフには、前記ステップ13で取得した実際の呼吸量を表す長さの棒219を表示する。
ステップ17では、図13に示す棒グラフに、前記ステップ14で取得した設定呼吸量を表す長さの棒221を追加する。棒221は棒219の右隣にある。
ステップ18では、図13に示す棒グラフに、前記ステップ15で取得した設定呼吸量を表す、矢印形状の追跡ポインター223を追加する。追跡ポインター223の縦軸方向の位置は、前記ステップ15で取得した設定呼吸量に対応する位置である。また、追跡ポインター223の横軸方向の位置は、棒221と重複する位置である。追跡ポインター223の形状は、その後に設定呼吸量が増加する場合は上向きの矢印となり、その後に設定呼吸量が減少する場合は下向きの矢印となる。
以上の処理を所定時間ごとに繰り返すことにより、図13に示す棒グラフにおいて、棒219の長さが、実際の呼吸量を反映して、時間の経過とともに変動する。また、棒221の長さが、実際の呼吸量を取得したタイミングtと同じタイミングにおける設定呼吸量を反映して、時間の経過とともに変動する。また、追跡ポインター223の位置が、実際の呼吸量を取得したタイミングtよりΔtだけ後のタイミング(t+Δt)における設定呼吸量を反映して、時間の経過とともに上下する。また、追跡ポインター223の矢印の向きが、その後、設定呼吸量が増加するのか減少するのかを表示する。なお、棒219、221は表示物の一実施形態である。
3.呼吸機能検査装置1奏する効果
(1)呼吸機能検査装置1は、呼吸機能検査中、図13に示すグラフをディスプレイ7Aに表示することができる。このグラフには、リアルタイムにおける実際の呼吸量が棒219の長さとして表示される。また、このグラフには、リアルタイムにおける設定呼吸量が棒221の長さとして表示される。さらに、このグラフには、リアルタイムよりもΔtだけ後のタイミングにおける設定呼吸量を表す追跡ポインター223も表示される。また、このグラフでは、追跡ポインター223の形状(上向き矢印か、下向き矢印か)により、その後における設定呼吸量の変化の方向も表示される。
被験者は、棒219の長さと棒221の長さとを見比べることで、実際の呼吸量と、設定呼吸量との関係を容易に把握することができる。また、被験者は、追跡ポインター223の表示により、設定呼吸量の変化の方向を知ることができる。
そのため、被験者は、実際の呼吸量が設定呼吸量と一致するように、実際の呼吸量を調整することができる。その結果、呼吸機能検査の精度が向上する。
(2)呼吸機能検査装置1は、呼吸機能の種類と、被験者情報とに基づき、呼吸パターン及び設定呼吸量を決定することができる。
<第4の実施形態>
1.呼吸機能検査装置1の構成
図14及び図15に基づき、呼吸機能検査装置1の構成を説明する。呼吸機能検査装置1の構成は、基本的には前記第1の実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、図14に示すように、さらに、制御部9の一部として、胸腔内圧算出部29を備えている。胸腔内圧算出部29は脈波センサ107から取得した被験者の脈波に基づき、特開2002−355227号公報等に開示されている周知の方法を用いて、被験者の胸腔内圧を推定する。呼吸機能検査装置1は、胸腔内圧を用いて、上述したとおり、動肺コンプライアンス測定を行うことができる。
脈波センサ107は、図15に示すように、被験者103の指先から脈波信号を取得し、呼吸機能検査装置1に出力する。
2.呼吸機能検査装置1が実行する処理
(1)呼吸パターン決定処理
本実施形態の呼吸機能検査装置1は、前記第1の実施形態と同様に、呼吸パターン及び設定呼吸量を決定する。
(2)呼吸量の表示処理
本実施形態の呼吸機能検査装置1は、前記第1の実施形態と同様に、呼吸量の表示を行う。
3.呼吸機能検査装置1奏する効果
(1)本実施形態の呼吸機能検査装置1は、前記第1の実施形態と略同様の効果を奏することができる。
(2)本実施形態の呼吸機能検査装置1は、胸腔内圧算出部29を備え、被験者の胸腔内圧を推定することができる。そのため、動肺コンプライアンス測定を一層容易に行うことができる。
<その他の実施形態>
(1)前記第1〜第4の実施形態において、ディスプレイ7Aの表示とともに、スピーカ7Bによる音声や、バイブレータ7Cによる振動を用いて被験者の呼吸をガイドしてもよい。例えば、実際の呼吸量が設定呼吸量より所定の閾値以上ずれている場合、音声(例えば、「もっと吸って下さい」という音声等)や振動により、被験者に指示を出すようにしてもよい。
(2)前記第1〜第4の実施形態において、呼吸パターンの一部の波形で、実際の呼吸量が設定呼吸量より所定の閾値以上ずれている場合、そのずれている波形を補正してから、呼吸機能の検査を行うことができる。また、そのずれている波形を除外して、呼吸機能の検査を行うことができる。
(3)前記第3の実施形態において、呼吸機能の検査中、ディスプレイ7Aに示す表示は、図16に示すものであってもよい。
この表示では、リアルタイムにおける実際の呼吸量に対応する扇状部材225と、リアルタイムにおける設定呼吸量に対応する扇状部材227とを表示する。扇状部材225では、扇の要229及び左側の半径231の位置は一定であり、右側の半径233が、リアルタイムにおける実際の呼吸量に応じて移動する。扇状部材225の中心角θは、リアルタイムにおける実際の呼吸量に比例する。
また、扇状部材227では、扇の要235及び左側の半径237の位置は一定であり、右側の半径239が、リアルタイムにおける設定呼吸量に応じて移動する。扇状部材227の中心角θは、リアルタイムにおける設定呼吸量に比例する。
よって、この表示では扇状部材225の面積と、中心角θにより、リアルタイムにおける実際の呼吸量が表示され、扇状部材227の面積と、中心角θにより、リアルタイムにおける設定呼吸量が表示される。また、この表示では、リアルタイムよりΔtだけ後のタイミングにおける半径239の位置に、追跡ポインター229が表示される。
被験者は、扇状部材225、227の面積、中心角の大きさを見比べることで、実際の呼吸量と、設定呼吸量との関係を容易に把握することができる。また、被験者は、追跡ポインター229を見て、設定呼吸量が今後どのように変化してゆくのかを知ることができる。
そのため、被験者は、実際の呼吸量が設定呼吸量と一致するように、実際の呼吸量を調整することができる。その結果、呼吸機能検査の精度が向上する。なお、扇状部材225、227は表示物の一実施形態である。
(4)前記第1の実施形態において、連続波形200は表示しなくてもよい。この場合、追跡ポインター205の表示により、被験者の呼吸をガイドできる。また、連続波形200のうち、リアルタイムの部分を選択的に表示してもよい。また、連続波形200のうち、過去の部分は消去してもよい。また、軌跡203は表示しなくてもよい。
(5)前記第3の実施形態において、棒219、221は縦に並べて表示してもよい。
(6)前記第1〜第4の実施形態における構成の全部又は一部を適宜選択して組み合わせてもよい。
1…呼吸機能検査装置、3…時計、5…入力部、7…報知部、7A…ディスプレイ、7B…スピーカ、7C…バイブレータ、9…制御部、11…時間信号取得部、13…呼吸信号取得部、15…呼吸量取得部、17…呼吸パターン決定部、19…設定呼吸量取得部、21…表示部、23…呼吸状態判定部、25…呼吸機能検査部、27…メモリ、29…胸腔内圧算出部、101…流量センサ、103…被験者、105…マウスピース、107…脈波センサ、200…連続波形、201…矢印の先頭、203…軌跡、205、223、229…追跡ポインター、219、221…棒、225、227…扇状部材、229、235…要、231、233、237、239…半径

Claims (6)

  1. 所定の呼吸パターンに従う被験者(103)の呼吸に基づき呼吸機能を検査する呼吸機能検査装置(1)であって、
    前記呼吸パターンにおける設定呼吸量を保持する設定呼吸量保持手段(17)と、
    前記呼吸パターンに従い呼吸する前記被験者の実際の呼吸量を取得する呼吸量取得手段(3、11、13、15)と、
    (a)前記実際の呼吸量、及び(b)少なくとも、前記実際の呼吸量を取得したタイミング、及び/又は、そのタイミングより後における前記設定呼吸量を視覚的に表示する表示手段(21、7A)と、
    を備えることを特徴とする呼吸機能検査装置。
  2. 前記表示手段は、一方の軸を時間軸とし、他方の軸を呼吸量の軸とするグラフにおいて、前記(a)及び前記(b)を表示することを特徴とする請求項1に記載の呼吸機能検査装置。
  3. 前記表示手段は、前記グラフにおいて、前記設定呼吸量の波形(200)を表示することを特徴とする請求項2に記載の呼吸機能検査装置。
  4. 前記表示手段は、表示物(219、221、225、227)の長さ、面積、又は角度により、前記(a)及び前記(b)を表示することを特徴とする請求項1に記載の呼吸機能検査装置。
  5. 前記呼吸機能の種類と、前記被験者の情報とに基づき、前記呼吸パターン及び前記設定呼吸量を決定する呼吸パターン決定手段(17)を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の呼吸機能検査装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の呼吸機能検査装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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