JP4570388B2 - 光伝送路 - Google Patents

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Description

本発明は、WDM伝送用の光ファイバを有する光伝送路に関し、更に詳しくは、1.55μm帯のWDM伝送に用いられる光伝送路に関する。
波長1550nmで5〜25ps/nm/km程度の正分散を有する光ファイバ(SMFやNZ−DSF)を用いた1.55μm帯(1530nm〜1570nm)における大容量伝送が盛んに検討されている。この1.55μm帯での大容量伝送を実現するためには、分散による波形歪みの問題が起こる。光ファイバ単体で、分散の絶対値を5ps/nm/km以下にする検討や、分散スロープを0.02ps/nm2/km以下の極小値にする検討なども行われているが、四波混合(four-wave mixing:FWM)などの非線形現象の問題から伝送距離が制限される。また、モジュール型の分散補償ファイバ(DCF)も盛んに検討されているが、伝送損失や非線形性、累積分散の問題から、やはり長距離大容量伝送の実現は、難しい面がある。
そこで、新しいアプローチとして、1.55μm帯において、1.3μm帯(1300nm〜1325nm)にゼロ分散波長を有する最も一般的なシングルモード光ファイバ(SMF)の1.55μm帯における分散と逆分散特性(絶対値が同じで符号が逆)を有する線路型の分散補償ファイバ(RDF)が提案されている(非特許文献1)。この提案以来、RDFとして用いる様々なタイプの負分散光ファイバが開発されてきた。これら負分散光ファイバは−15〜−60ps/nm/km程度の分散値を有しており、正分散光ファイバと接続して伝送路として用いることを目的として開発されている。このような負分散光ファイバは、DCFに比べ、伝送損失や偏波分散(PMD)が小さく、有効断面積(Aeff)が大きいため、線路として用いるには有利な特性を有している。
しかし、正分散光ファイバも負分散光ファイバも、各特性間にトレードオフの関係があり、例えば、非線形性を低減するために光ファイバのAeffを拡大しようとすると、曲げ損失が大きくなってしまう等のため、得られる特性には限界があった。本発明者らが、従来の方法で検討してきた正分散光ファイバと負分散光ファイバの特性限界を表1に示す。表1は、波長1550nmにおける分散の絶対値と分散スロープとを所定の値とした場合に、許容される曲げ損失(20mmφで曲げた際の波長1550nmにおける損失が100dB/m以下)を保ちつつ実現可能な最大のAeffを示している。
なお、分散スロープは、分散の絶対値が5〜10ps/nm/kmにおいては0.07 ps/nm2/km、分散の絶対値が15〜20ps/nm/kmにおいては、0.06 ps/nm2/kmとし、分散の絶対値が20〜60ps/nm/kmにおいては、分散/分散スロープ(DPS)が約330nmになるように設定している。これらは、現状で実現されている正分散光ファイバの典型的なものに合わせて設定されており、分散/分散スロープ(DPS)が約330nmというのは、SMFの分散補償に好適な特性である。
Figure 0004570388
上記のように、負分散光ファイバにおいて、各分散絶対値で、分散スロープあるいはDPSを一定にしようとすると、Aeffが小さくなってしまい、逆にAeffを大きくしようとすると、分散スロープが大きくなってしまう。また、Aeffを大きくしようとすると曲げ損失が増加し(例えば20mmφでの曲げにおける損失が100dB/m以上)、伝送損失が急激に増大する(例えば、波長1550nmにおいて1.0dB/km以上)という問題があった。そこで、特許文献1や非特許文献2に記載されたように、正分散光ファイバや負分散光ファイバのガラス光ファイバ径(外層被覆を含まないガラス部分の径)を一般的な125μmから140μm以上に大きくし、このトレードオフを解決する試みがなされてきた。しかし、これらの光ファイバと通常の光ファイバとを組み合わせると、ガラス光ファイバ径の差が10μm以上になるため、正分散光ファイバと負分散光ファイバの軸がずれやすく、接続損失が大きくなり、或いは、高次モードのモード干渉を起こしやすい等の問題が起こっていた。
上記問題を解決するために、正分散光ファイバと負分散光ファイバの間に特殊な接続用光ファイバを用いる技術を適用することが考えられる。これは、従来Aeffが大きく異なる光ファイバ同士を接続する場合に用いられている技術であり、Aeffが大きく異なる光ファイバの間に、それらのAeffの中間のAeffを持つ光ファイバを接続するという技術である。これにより、接続点は2ヶ所になるが、トータルの接続損失は、Aeffが大きく異なる光ファイバ同士を直接接続するよりも大きく低下させることができる。光ファイバの外径が、通常と異なる光ファイバの接続においても、この特殊な接続用光ファイバを用いる技術を適用することにより、接続損失を小さくできると考えられる。
ところで、正分散光ファイバと負分散光ファイバとを組み合わせたファイバ伝送路においては、累積分散がゼロになるように正分散光ファイバ及び負分散光ファイバの長さが決められるため、双方の光ファイバを接続する作業は、ファイバの実際の敷設現場で行われる。しかし、接続用光ファイバを用いる接続は、実際の敷設現場では取り扱いが困難な特殊な処理が必要であり、正分散光ファイバと負分散光ファイバを組み合わせた光伝送路において、正分散光ファイバと負分散光ファイバを接続するためにこの接続用光ファイバを用いることは困難であった。
米国特許公開公報2002/0097972 ECOC'97 Vol.1 P127 "NOVEL NETWORK FIBER TO MANAGE DISPERSION AT 1.55μm WITH COMBINATION OF 1.3μm ZERO DISPERSION SINGLE MODE FIBER" Proceeding of ECOC'02 3.2.2 "Ultra Low Nonlinearity Pure-Silica-Core Fiber with an Effective Area of 211μm2 and Transmission Loss of 0.159dB/km"
上記のように、従来の技術では、正分散ファイバと負分散ファイバとを組み合わせたファイバ伝送路における波長1550nmのAeffや伝送損失などの伝送特性を大幅に改善することは困難であり、これら伝送特性を改善するためには、従来とは異なる新たな手法が必要となる。本発明は、上記従来技術の問題点を、新たなアプローチで解決することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の光伝送路は、波長1550nmで5ps/nm/km以上の正の分散と0.02ps/nm2/km以上の正の分散スロープとを有する正分散光ファイバと、中心から外周に向かって第1コア、第2コア、第3コアおよびクラッドを有し、前記第1コア、前記第2コア、前記第3コアの前記クラッドに対する比屈折率差をΔ1、Δ2、Δ3とした場合、Δ1>Δ3>Δ2であり、Δ1が0.60%以下であり、22m法によるケーブルカットオフ波長λccが1550nm以上であり、基底モードの波長1550nmにおける分散が−5ps/nm/km以下であり、基底モードの波長1550nmにおける分散スロープが−0.02ps/nm 2 /km以下である負分散光ファイバとが接続されて構成されるファイバ伝送路を少なくとも一部に有する光伝送路であって、正分散光ファイバと負分散光ファイバのガラス光ファイバ径が何れも135μm以上であり、正分散光ファイバと負分散光ファイバのガラス光ファイバ径の差が10μm以下であり、正分散光ファイバと負分散光ファイバとの間の接続損失が1.0dB以下であり、前記正分散光ファイバは、有効断面積が80μm2以上、225μm2 以下であり、前記負分散光ファイバは、基底モードの波長1550nmにおける有効断面積が49μm2以上、60μm2 以下であり、前記ファイバ伝送路の両端には、それぞれ光ファイバが接続されており、該両端に接続される光ファイバのそれぞれと前記正分散光ファイバ又は前記負分散光ファイバとの接続部分におけるガラス光ファイバ径の差が10μm以下であり、前記正分散光ファイバ及び負分散光ファイバはそれぞれ、基底モードの波長1550nmにおける20mmφでの曲げ損失が100dB/m以下であり、前記正分散光ファイバ及び負分散光ファイバはそれぞれ、基底モードの波長1550nmにおける伝送損失が1.0dB/km以下であることを特徴とする。
本発明の光伝送路は、正分散光ファイバと負分散光ファイバの双方のガラス光ファイバ径を、一般的な外径である125μmから135μm以上とし、且つ双方のガラス光ファイバ径を、それらの差が10μm以下となるような近い値としたことで、正分散光ファイバと負分散光ファイバとの間の接続損失を1.0dB以下にすることができる。このため、本発明は、特に長距離且つ大容量の光伝送に特に適した光伝送路を提供できる。
本発明の光伝送路は、WDM伝送路として盛んに検討されている2本以上の光ファイバで構成される、広範囲な光伝送系に適応可能である。このため、本発明は、分散マネージマント光伝送路など、2本以上の光ファイバで構成される伝送路に対して、伝送容量を格段に改善する際に有効な新たな手法を提供できる。
本発明の光伝送路では、正分散光ファイバと負分散光ファイバの双方のガラス光ファイバ径が、共に135μm 以上であり、更に好ましくは、140μm以上である。また、正分散光ファイバと負分散光ファイバの双方のガラス光ファイバ径の差を10μm以下としている。掛かる構成を採用することにより、従来技術では達成できなかった伝送特性を得ながら、接続作業性を改善し、接続に起因する接続損失を低減する。
ここで、ガラス光ファイバ径とは外層被覆を含まない光ファイバのガラス部分の径を意味する。
通常の光ファイバにおいて、ガラス光ファイバの外径は125μmであり、このガラス光ファイバの外周にさらに紫外線硬化樹脂などを被覆して、光ファイバが形成される。この光ファイバの外径は約250μmである。
また、限定はされないが、例えば中継局内配線との接続性を考えて、正分散光ファイバ端及び負分散光ファイバ端に接続される両端の光ファイバは、接続される正分散光ファイバ又は負分散光ファイバとの接続部分におけるガラス光ファイバ径の差が10μm以下であることも好ましい態様である。さらに好ましくは接続部分におけるガラス光ファイバ径の差が5μm以下である。ここで、正分散光ファイバ端及び負分散光ファイバ端に接続される光ファイバとしては、一般にSMFまたはDSFなどが用いられる。ここで、SMFとは1.3μm帯にゼロ分散波長を持つ最も一般的なシングルモード光ファイバであり、DSFとは1.55μ帯にゼロ分散波長を持つシングルモード光ファイバである。上記構成を採用することで、接続損失を例えば1.0dB以下に抑制することができる。
本発明の効果を確認するためのサンプルとして、分散が17ps/nm/kmでAeffが100μm2の正分散光ファイバ、分散が−20ps/nm/kmでAeffが24μm2の負分散光ファイバ、SMF、及び、DSFを用い、それぞれのガラス光ファイバ径が異なる種々のサンプルを用意した。正分散光ファイバと負分散光ファイバとの接続、正分散光ファイバとSMFあるいは正分散ファイバとDSFとの接続、負分散光ファイバとSMFあるいは負分散ファイバとDSFとの接続を、接続する光ファイバの種類毎に、双方のガラス光ファイバ径の差を種々に変えながら行い、その接続損失を測定した。結果を図1に示す。接続損失の測定は、同じガラス光ファイバ径の差を持つ接続毎に10回行い、この10回の測定値の平均値を、その差についての接続損失とした。
図1から理解できるように、いずれの光ファイバの接続についても、ガラス光ファイバ径の差が10μmまでは、接続損失を小さな値に抑制できるものの、ガラス光ファイバ径の差が10μmより大きくなると、軸ずれを起こしやすくなることから、接続損失が顕著に増大する。特に、正分散光ファイバと負分散光ファイバとの接続では、ガラス光ファイバ径の差が10μmより大きくなると、接続損失が1.0dB以上になり、良好な接続が得られない。また、ガラス光ファイバ径の差が5μm以下では、ガラス光ファイバ径が同じ光ファイバ同士を接続する場合とほぼ同じ接続損失が得られる。
WDM伝送に対応するためには、分散だけではなく、分散スロープも補償することが要求される。従って、正分散光ファイバ及び負分散光ファイバがそれぞれ、正の分散スロープ及び負の分散スロープを持つことが好ましい。正分散光ファイバでは、分散スロープとAeffの間にトレードオフの関係があるため、負分散光ファイバで補償することを考えると、正分散光ファイバの分散スロープは、0.02ps/nm2/km以上であることが好ましい。この正分散光ファイバの分散スロープを補償するという観点からは、負分散光ファイバが−0.02ps/nm2/km以下の分散スロープを持つことが好ましい。
上記のように、正分散光ファイバと負分散光ファイバで構成されるファイバ伝送路を一部に有する光伝送路では、正分散光ファイバ及び負分散光ファイバについて、大きなガラス光ファイバ径を採用する手法は、伝送特性を改善するために有利である。しかし、それ以外にも、光伝送路の伝送特性を改善する手法として、光伝送路に、光伝送方向に沿って前段にシングルモード光ファイバを配置し、その後段にマルチモード光ファイバを配置する手法が考えられる。この手法は、前段のシングルモード光ファイバを伝搬する間に、伝搬信号光の高次モードが伝搬されなくなり、その結果、後段のマルチモード光ファイバでは最下位の基本モード(基底モード)のみが伝搬するという知見に基づくものである。
上記知見によれば、光伝送路の後段に負分散光ファイバを設置した場合、負分散光ファイバとしてマルチモード光ファイバを採用しても、伝送路全体ではシングルモード動作が保証されるため、シングルモードを必須としていた従来の光伝送路に比して、より自由度の増した光伝送路を構成ことができる。この手法を用いれば、負分散光ファイバのケーブルカットオフ波長λccを大きくすることができ、従来の負分散光ファイバでは不可能であった非常に大きなAeffを得ることが可能である。図2は、この様子を、Wセグメント型の負分散光ファイバを例に取ったシミュレーション結果で示している。
ここでWセグメント型の屈折率プロファイルを図3に示す。図3はWセグメント型の屈折率プロファイルを持つガラス光ファイバ10を示しており、中心から外周に向かって第1コア1、第2コア2、第3コア3及びクラッド4を有し、Δ1〜Δ3をそれぞれ第1〜第3コアのクラッドに対する比屈折率差とした場合、Δ1>Δ3>Δ2である。
図2から、Wセグメント型の負分散光ファイバを用いた場合、第1コアのクラッドに対する比屈折率差Δ1を小さくすれば、大きなケーブルカットオフ波長λcc及び大きなAeffが得られることが理解できる。また、図2には示されていないが、ケーブルカットオフ波長λccを大きくすることにより、曲げ損失も改善することができる。
ところで、上記のようなシングルモード正分散光ファイバとマルチモード負分散光ファイバとを光伝送方向に順次配置する手法は、正分散光ファイバと負分散光ファイバとが軸ずれなく接続されている場合には良好な結果が得られる。しかし、正分散光ファイバと負分散光ファイバとが軸ずれして接続されると、正分散光ファイバと負分散光ファイバの高次モードが相互干渉を起こしてしまい、分散特性や伝送損失のノイズが大きくなるという問題が生じる。この問題は、マルチモード負分散光ファイバのケーブルカットオフ波長λccを、伝送波長よりも大きくしながら、シングルモードの正分散光ファイバと軸ずれなく接続することで、高次モードを遮断し、基底モードのみを伝搬させる手法によって解消できる。本発明の構成は、このような手法を用いる場合にも有効となる。
ここで、カットオフ波長λccとは、ITU−T(国際電気通信連合)G.650で定義する22m法によるファイバカットオフ波長λccである。その他、本明細書で特に定義しない用語についてはITU−T G.650における定義、測定方法に従うものとする。
本発明の光伝送路を試作して、本発明の効果を調べた。試作したサンプルの各種正分散光ファイバの特性を、通常SMFの特性と対比して表2(表2―1及び表2−2)に示す。表2−1は、試作ファイバのプロファイルパラメータであり、αは第1コアの形状、△1、△2、△3はそれぞれ第1コア、第2コア、第3コアのクラッドに対する比屈折率差、2aは第1コアの直径、2bは第2コアの直径、2cは第3コアの直径を、それぞれ表す。なお、コアは中心部から外周側に向かって順次第1コア、第2コア、第3コアと呼び、表中の△に「なし」と記入されているファイバは、そのコア層を有していないことを意味する。表2−2は試作のサンプルについて測定して得られた特性を示す。λccは22m法によるケーブルカットオフ波長λccであり、それ以外の特性の測定波長は1550nmとした。
いずれの正分散光ファイバも、ガラス光ファイバ径を大きくすることで、曲げ損失の抑制を行っているため、従来の正分散光ファイバの分散とAeffのトレードオフの関係とは異なり、分散で5ps/nm/km以上、Aeffで80μm2以上の特性が得られた。すなわち、シミュレーション段階で、従来よりも大きい曲げ損失でプロファイルを決定しても、ガラス光ファイバ径を大きくすることにより、曲げ損失が抑制される。このため、プロファイルの自由度を増すことができ、従来よりも良好な特性が得られた。なお、屈折率プロファイルとしては、図4(a)に示す凹ガイド型(サンプル(1))、図3に示すWセグメント型(サンプル(2)、(3)、(4))、及び、図4(b)に示すW型(サンプル(5))のプロファイルを用いたが、他のプロファイルを用いてもよい。また、サンプル(3)〜(5)は、クラッドにフッ素をドープし、クラッドの屈折率を下げることにより、コアの屈折率をシリカレベルに近づけ、レーリー散乱損失を低減する手法を用いた。損失を低減するために、このような手法を用いることができる。
Figure 0004570388
ここで、第1コアの形状α1は以下の式(1)により定義される。
2(r)=nc1 2{1−2・(Δ1/100)・(r/a)α1} (1)
但し、0≦r≦a
式中、rは光ファイバにおける半径方向位置を示し、n(r)はその半径方向位置rにおける屈折率を表している。また、nc1は第1コア1の最大屈折率であり、2aは第1コア1の直径である。ここで、各比屈折率差△1、△2、△3は各式(2)〜(4)により定義される。
△1={(nc1−nc)/nc1}・100 (2)
△2={(nc2−nc)/nc2}・100 (3)
△3={(nc3−nc)/nc3}・100 (4)
これらの式中で、nc1は第1コアの屈折率、nc2は第2コアの屈折率、nc3は第3コアの屈折率、ncはクラッドの屈折率である。
なお、Wセグメント型プロファイルにおいては、nc1は第1コアの最大屈折率、nc2は第2コアの最小屈折率、nc3は第3コアの最大屈折率であり、W型プロファイルにおいては、nc1は第1コアの最大屈折率、nc2は第2コアの最小屈折率であり、凹ガイド型プロファイルにおいては、nc1は第1コアの最小屈折率、nc2は第2コアの最大屈折率、nc3は第3コアの最小屈折率である。
サンプル(5)を例にとり、同形状のプロファイルで、ガラス光ファイバ径だけを変化させた場合の、1550nmでの伝送損失の変化を図5に示す。図5から明らかなように、ガラス光ファイバ径の小さいところでは、曲げ損失に起因する伝送損失の増加が起きている。従って、表2のような低損失特性は、本発明の手法を用いることで得られた特性であることが理解できる。特に、ガラス光ファイバ径が135μm以下の範囲では、伝送損失が1.0dB/km以上と急激に増加しているので、135μm以上のガラス光ファイバ径が好ましく、140μm以上のガラス光ファイバ径がより好ましいことが理解できる。
同様に、負分散光ファイバに関しても、ガラス光ファイバ径を大きくする手法を用いて、試作検討を行った。試作の結果を、従来型負分散光ファイバの結果と合わせて、表3(表3−1:プロファイルパラメータ、表3−2:特性)に示す。なお、屈折率プロファイルは、本サンプルにおいてはすべて図3に示すWセグメント型とした。表3において、λccは22m法によるケーブルカットオフ波長λccであり、それ以外の特性の測定波長は1550nmである。なお、各定義については前記正分散光ファイバの場合と同様である。
いずれの結果も、従来の限界を上回る特性が得られており、ガラス光ファイバ径を大きくする手法が、負分散光ファイバにも有効であることが確認できた。また、いずれの負分散光ファイバも、従来型負分散光ファイバの分散とAeffのトレードオフの関係とは異なり、分散が−5ps/nm/km以下、Aeffが20μm2以上の特性が得られた。
なお、サンプル(3)〜(5)は、ケーブルカットオフ波長λccが1550nm以上であり、これらの光ファイバ単体ではマルチモード光ファイバであったが、これらサンプル(3)〜(5)の光ファイバの前段にシングルモード光ファイバを接続することで、基底モードのみの伝搬が確認された。つまり、サンプル(3)〜(5)のマルチモード光ファイバの前段にシングルモード光ファイバを接続することにより、光伝送路全体ではシングルモード動作が得られた。
Figure 0004570388
なお、ケーブルカットオフ波長λccを使用波長よりも長波長側にシフトさせた負分散光ファイバの伝送損失スペクトルを、シングルモード光ファイバと接続した場合と、接続しない場合について測定した。結果を図6に示す。図6に示すように、シングルモード光ファイバと接続しない場合には、高次モードの影響による大きな損失増加が見られる。同様に、正分散光ファイバと負分散光ファイバとが、軸ずれなどでうまく接続されていない場合には、図6に示すような高次モードのノイズの影響による損失増加が見られる。
サンプル(8)を例に取り、正分散光ファイバのガラス光ファイバ径の差を任意に変化させた場合に、ガラス光ファイバ径が一致している場合と比べて、どのくらい1550nmの損失が増加するかを図7に示す。正分散光ファイバとしては通常のSMFを用いた。図7から明らかなように、正分散光ファイバのガラス光ファイバ径が、負分散光ファイバのガラス光ファイバ径と大きくずれていた場合には、シングルモード正分散光ファイバとマルチモ−ド負分散光ファイバとの間の接続がスムーズに行かず、高次モード間干渉が起きて、結果として、伝送損失が極めて大きくなることが分かった。また、このような軸ずれが大きい場合は、分散のばらつき等も大きいことが分かった。よって、接続損失の低減という観点だけでなく、この観点からも、本発明の手法が有効であることが判明した。
本発明の正分散光ファイバと負分散光ファイバとを用いたシステムの例として、図8に示すような、正分散光ファイバ及び負分散光ファイバで構成する線路が考えられる。つまり、シングルモードの正分散光ファイバSMF(SMF1,SMF2)と、これを補償する負分散の分散補償光ファイバRDF(RDF1,RDF2)とを組み合せたファイバ伝送路を、エルビウム添加ファイバアンプEDFA(EDFA1,EDFA2)を介して複数段に接続し、送信局TXと受信局RXとの間を結ぶ光伝送路である。このような光伝送路では、ケーブルカットオフ波長λccが伝送波長よりも長波長にあるマルチモードの負分散光ファイバであっても、シングルモード光ファイバSMFの後段側に接続することで、光伝送路全体のシングルモード動作が保証される。また、これらの光ファイバの長さを適切に調整することで、WDM伝送用のフラットな分散特性が得られる。
また、正分散光ファイバと負分散光ファイバを接続したファイバ伝送路の両端に接続される光ファイバと、正分散光ファイバ及び負分散光ファイバとの接続点におけるガラス光ファイバ径の差も、何れも10μm以下とすることにより、特殊な接続用光ファイバを用いることなく、接続損失を小さくすることができ、容易に全体の伝送損失が小さなシステムを実現することができる。
正分散光ファイバとRDFのガラス光ファイバ径の差と接続損失との関係を示すグラフ。 W-セグメント型負分散光ファイバの△1と、カットオフ波長λcおよび波長1550nmでのAeffとの関係を示すグラフ。 W-セグメント型光ファイバの屈折率プロファイルおよび断面図。 (a)は、凹ガイド型光ファイバの屈折率プロファイル。(b)は、W型光ファイバの屈折率プロファイル。 正分散光ファイバの表2のサンプル(5)のガラス光ファイバ径と波長1550nmでの伝送損失との関係示すグラフ。 負分散光ファイバの、正分散光ファイバとの接続が無い場合と有る場合における伝送損失スペクトルを示すグラフ。 正分散光ファイバとマルチモ−ド分散光ファイバのガラス光ファイバ径の差と、波長1550nmでの伝送損失の増加との関係を示すグラフ。 正分散光ファイバと負分散光ファイバで構成されるシステムの構成を示すブロック図。
符号の説明
1 第1コア
2 第2コア
3 第3コア
4 クラッド
10 ガラス光ファイバ

Claims (3)

  1. 波長1550nmで5ps/nm/km以上の正の分散と0.02ps/nm2/km以上の正の分散スロープとを有する正分散光ファイバと、
    中心から外周に向かって第1コア、第2コア、第3コアおよびクラッドを有し、前記第1コア、前記第2コア、前記第3コアの前記クラッドに対する比屈折率差をΔ1、Δ2、Δ3とした場合、Δ1>Δ3>Δ2であり、Δ1が0.60%以下であり、22m法によるケーブルカットオフ波長λccが1550nm以上であり、基底モードの波長1550nmにおける分散が−5ps/nm/km以下であり、基底モードの波長1550nmにおける分散スロープが−0.02ps/nm 2 /km以下である負分散光ファイバとが直接に接続されて構成されるファイバ伝送路を少なくとも一部に有する光伝送路であって、
    前記正分散光ファイバ及び前記負分散光ファイバのガラス光ファイバ径が何れも135μm以上であり、
    前記正分散光ファイバと前記負分散光ファイバのガラス光ファイバ径の差が10μm以下であり、
    前記正分散光ファイバと前記負分散光ファイバとの間の接続損失が1.0dB以下であり、
    前記正分散光ファイバは、有効断面積が80μm2以上、225μm2 以下であり、
    前記負分散光ファイバは、基底モードの波長1550nmにおける有効断面積が49μm2以上、60μm2 以下であり、
    前記ファイバ伝送路の両端には、それぞれ光ファイバが接続されており、該両端に接続される光ファイバのそれぞれと前記正分散光ファイバ又は前記負分散光ファイバとの接続部分におけるガラス光ファイバ径の差が10μm以下であり、
    前記正分散光ファイバ及び負分散光ファイバはそれぞれ、基底モードの波長1550nmにおける20mmφでの曲げ損失が100dB/m以下であり、
    前記正分散光ファイバ及び負分散光ファイバはそれぞれ、基底モードの波長1550nmにおける伝送損失が1.0dB/km以下であることを特徴とする光伝送路。
  2. 前記正分散光ファイバ及び前記負分散光ファイバのガラス光ファイバ径が何れも140μm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の光伝送路。
  3. 前記ファイバ伝送路の両端の光ファイバのそれぞれと前記正分散光ファイバ又は前記負分散光ファイバとの接続部分の接続損失が1.0dB以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光伝送路。
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