JP2004021075A - 分散補償光ファイバおよびそれを用いた光伝送路 - Google Patents
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Abstract
【課題】波長1550nmで正の小さい波長分散を有する非零分散シフト光ファイバと接続して光伝送路を構成した場合に、累積分散を小さくし、波長1550nmにおける分散を分散スロープで割った値(DPS)を小さくする分散補償光ファイバを提供する。
【解決手段】波長1550nmにおける分散値が−100ps/nm/km以下であり、前記波長における分散を分散スロープで割った値(DPS)が100nm以下の分散補償光ファイバは、前記分散補償光ファイバの外径が140〜200μmであり、所定分散量の長さの当該分散補償光ファイバを、最小曲げ半径が30〜100mmのコイル状に巻いた時の、波長領域1530nm〜1625nmにおける伝送損失が1dB/km以下であることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】波長1550nmにおける分散値が−100ps/nm/km以下であり、前記波長における分散を分散スロープで割った値(DPS)が100nm以下の分散補償光ファイバは、前記分散補償光ファイバの外径が140〜200μmであり、所定分散量の長さの当該分散補償光ファイバを、最小曲げ半径が30〜100mmのコイル状に巻いた時の、波長領域1530nm〜1625nmにおける伝送損失が1dB/km以下であることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバに関するものであり、特に、分散シフト光ファイバの波長分散および分散スロープを補償する分散補償光ファイバに関するものである。
また本発明は、そのような分散補償光ファイバと標準的なシングルモード光ファイバとを接続した光伝送路に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバなどの光伝送路内を異なる波長の複数のデータを多重化して伝送を行なう波長多重(WDM: Wavelength Division Multiplexing)光伝送を行う光伝送システムにおいて、光通信の更なる高速化・大容量化を図るには、広い信号光波長帯域において光伝送路の累積波長分散の絶対値をできる限り小さくすることが重要である。
【0003】
累積波長分散の絶対値をできる限り小さく、たとえば、好ましくは、0にすることが望まれるが、一般には、1種類の光ファイバのみを用いた光伝送路では困難である。
【0004】
そこで、複数種類の光ファイバを接続して光伝送路を構成することで、広帯域での光伝送路の累積波長分散の絶対値の低減を図る試みが種々なされている。
【0005】
米国特許第5,361,319号公報は、波長1.3μm付近において零分散波長を有する標準的なシングルモード光ファイバ(SMF: Single Mode Fiber)と、この標準的なシングルモード光ファイバの波長1550nmにおける波長分散を補償する分散補償光ファイバ(DCF: Dispersion Compensating Fiber)とを接続して光伝送路を構成し、波長1.55μm帯での累積波長分散の絶対値の低減を図る技術を開示している。
【0006】
また、米国特許第5,838,867号公報は、波長1550nmで正の小さい波長分散を有する非零分散シフト光ファイバ(NZDSF: Non−Zero Dispersion Shift Fiber)と、この非零分散シフト光ファイバの波長1550nmにおける波長分散および分散スロープを補償する分散補償光ファイバとを接続して光伝送路を構成し、波長1.55μm帯での累積波長分散の絶対値の低減を図る技術を開示している。
【0007】
ここで、光ファイバの波長1550nmにおける波長分散Dを分散スロープ(傾斜)Sで割った値、D/S、すなわち、分散スロープに対する波長分散の比率をDPS(Dispersion Per Slope)と表す。
【0008】
波長1550nmを含む広帯域で光伝送路の累積波長分散の絶対値の低減を図る為には、波長1.3μm付近において零分散波長を有する標準的なシングルモード光ファイバの波長分散および分散スロープの双方を補償するSM用分散補償光ファイバでは、DPSは、上記標準シングルモード光ファイバのDPSと略等しいことが要求される。
【0009】
また、分散シフト光ファイバの波長分散および分散スロープの双方を補償する分散シフト光ファイバ(DSF: Dispersion Shift Fiber)用分散補償光ファイバでは、DPSが分散シフト光ファイバのDPSと略等しいことが要求される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
米国特許第5,361,319号公報に開示されたSM用分散補償光ファイバは、波長1.3μm付近に零分散波長を有し、波長1550nmにおいて大きな波長分散を有するが、波長1.3μm付近において零分散波長を有する標準的なシングルモード光ファイバの波長分散を補償するものであり、絶対値が大きな負の波長分散を有している。したがって、このSM用分散補償光ファイバは、上記標準的なシングルモード光ファイバの波長分散を補償する上では好適である。しかし、このSMF用分散補償光ファイバは分散スロープを補償するには充分ではないという一長一短がある。
【0011】
一方、米国特許第5,838,867号公報に開示されたDSF用分散補償光ファイバは、波長1550nmで正の小さい波長分散を有する非零分散シフト光ファイバの波長分散および分散スロープの双方を補償することができる。しかし、このDSF用分散補償光ファイバは波長分散の絶対値が小さいことから、非零分散シフト光ファイバの波長分散および分散スロープの双方を補償するには長尺のDSF用分散補償光ファイバが必要となる。
【0012】
また、一般に、分散補償光ファイバにおいて、DPSが小さくなるほど、僅かの曲げでも基底モード光が漏洩し易く、基底モード光の曲げ損失が大きくなるという不具合が知られており、コイル等に巻き付けて分散補償モジュール化しようとすると伝送損失が大きくなるという不利益に遭遇する。
そのため、分散シフト光ファイバとDSF用分散補償光ファイバとを接続して構成される光伝送路に信号光を伝搬させて光通信を行う光伝送システムを構築した場合、光伝送路での伝送損失が大きいことから、中継区間を長くすることができないという問題に遭遇している。
【0013】
上述した問題に遭遇しながらも、光通信の更なる高速化・大容量化が緊急の課題として、要望されている。本発明は、上記問題点を克服して、上記要望を達成することを意図している。
【0014】
本発明の目的は、非零分散シフト光ファイバの波長分散および分散スロープを短尺で補償し、かつ、曲げ特性に優れ、小さな曲げでコイル巻き取りが可能な分散補償光ファイバを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記分散補償光ファイバと、上記非零分散シフト光ファイバとを接続して、波長1.55μm帯での累積波長分散の絶対値の低減を図った光伝送路を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、波長1550nmで正の小さい波長分散を有する非零分散シフト光ファイバと接続して、波長1.55μm帯での累積波長分散の絶対値の低減を図った光伝送路を提供するための分散補償光ファイバの諸特性および条件を種々検討して、見いだした。
【0016】
その結果、本発明に係る分散補償光ファイバは、波長1550nmにおける分散値が−100ps/nm/km以下であり、該波長における分散を分散スロープで割った値DPSが100nm以下で、所定分散量の長さの光ファイバを、最小曲げ半径が30〜70mmのコイル状に巻いた時の、波長領域1530nm〜1625nmにおける伝送損失が1dB/km以下であることを見いだした。
この分散補償光ファイバは、波長分散Dが負であって絶対値が大きく、DPSが100以下であることにより、波長1550nmを含む広い波長帯域で、波長1550nmで正の小さい波長分散を有する非零分散シフト光ファイバの波長分散および分散スロープを短尺で補償することができる。したがって、波長1550nmで正の小さい波長分散を有する非零分散シフト光ファイバとこの分散補償光ファイバとを接続すると、累積分散が小さな光伝送路を構成することができる。
【0017】
また、本発明の分散補償光ファイバの曲げ半径が100mm以下であれば、コンパクトなモジュールが実現でき、曲げ半径が30mm以上であれば、曲げによる歪を許容値以下に抑えられ、破断確率等の面からの長期信頼性も保証できる。
【0018】
本発明に係わる分散補償光ファイバは、好適には、コア領域と、少なくとも3層から成るクラッド領域を有し、コア領域のクラッドの最外層の屈折率に対する最大比屈折率差Δ0、クラッド領域各層の、クラッド最外層の屈折率に対する比屈折率差を内層より順にΔi(i≧1)としたときに、Δ0>Δ2>0%>Δ1であって、2%<Δ0<3%、Δ1<−0.5%であることを特徴とする。
これらの場合には、上記特性を有する分散補償光ファイバを実現する上で好適である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を述べる。
【0020】
光伝送路
図1は、波長1550nmで正の小さい波長分散を有する非零分散シフト光ファイバ20と、分散補償光ファイバ10とを接続した光伝送路の構成図である。
【0021】
非零分散シフト光ファイバ
非零分散シフト光ファイバ20は、波長1550nmで正の小さい波長分散を有するシリカベースの石英光ファイバであり、本実施形態において分散補償の対象としているものである。
この非零分散シフト光ファイバ20の波長1550nmにおける諸特性を下記表1に示す。DPSは、波長分散Dと分散スロープSとの比率である。
【0022】
【表1】
表1
分散D +2〜+10ps/nm/km
分散スロープS +0.10ps/nm2 /km
DPS 100以下
伝送損失 0.20dB/km程度
【0023】
分散補償光ファイバ
非零分散シフト光ファイバ20と接続して光伝送路を構成し、非零分散シフト光ファイバ20の分散を補償する本発明の実施の形態の分散補償光ファイバ10について述べる。
本実施形態に係る分散補償光ファイバ10は、非零分散シフト光ファイバ20の波長1550nmにおける波長分散および分散スロープを補償するシリカベースの石英ガラス光ファイバである。この分散補償光ファイバ10の波長1550nmにおける諸特性を下記表2に示す。
【0024】
【表2】
表2
波長分散D −100ps/nm/km以下
DPS 100nm以下
光ファイバの外径 140〜200μm
伝送損失 1dB/km以下
【0025】
なお、表2における伝送損失とは、所定分散量の長さの光ファイバを、最小曲げ半径が30〜100mmのコイル状に巻いた時の、波長領域1530nm〜1625nmにおける伝送損失を示す。
【0026】
図2(A)、(B)に、分散補償光ファイバ10の断面形状とその屈折率分布を示す。
分散補償光ファイバ10は、光軸中心を含む中心コア領域1(屈折率n0)と、この中心コア領域1を取り囲む第1クラッド領域2(屈折率n1)と、この第1クラッド領域2を取り囲む第2クラッド領域3(屈折率n2)と、この第2クラッド領域3を取り囲む最外層の第3クラッド領域4(屈折率nc)とを有している。
各屈折率の大小関係はn0<n2<nc<n1 である。
分散補償光ファイバ10の外径は140〜200μmである。
【0027】
分散補償光ファイバ10において、コア領域1の屈折率n0に対する最外層のクラッド4の屈折率ncに対する最大比屈折率差をΔ0とし、第2クラッド領域2の屈折率n1に対する最外層のクラッド4の屈折率ncに対する比屈折率差をΔ1とし、第2クラッド領域3の屈折率n2に対する最外層のクラッド4の屈折率ncに対する比屈折率差をΔ2としたとき、下記条件となる。
(1)Δ0>Δ2>0%>Δ1であって、
(2)2%≦Δ0≦3%
(3)Δ1≦−0.5%である。
【0028】
たとえば、比屈折率差Δ0は下記式で定義される。他の比屈折率差Δ1、Δ2も下記式と同様に定義できる。
【0029】
Δ0=((n12 −nc2 )/2×n12 )×100
≒((n1−nc)/n1)×100
・・・(1)
【0030】
このような特徴を有する分散補償光ファイバ10は、波長分散Dが負であって絶対値が大きく、DPSが100以下であることにより、波長1550nmを含む広い波長帯域で、非零分散シフト光ファイバ20の波長分散および分散スロープを短尺、たとえば、分散補償の対象となる伝送用光ファイバの1/20以下の長さで補償でき、また、最小曲げ半径が30〜100mmのコイル状に巻いた時の、波長領域1530nm〜1625nmにおける伝送損失が、1dB/km以下とすることによりコンパクトで低損失なモジュール(光伝送路)を実現することができる。
【0031】
また、この分散補償光ファイバは、光ファイバの外径を上記の範囲、すなわち、140〜200μmとすることにより、コイル取りされる際に生ずるマイクロベンドによる伝送損失の増加を最小限に抑えることができる。
【0032】
分散補償光ファイバ10は、このような屈折率プロファイルを有することにより、波長1550nmにおいて、分散、DPSおよび伝送損失それぞれが上記の数値範囲のものとなる。
【0033】
このような屈折率プロファイルを有する分散補償光ファイバ10は、シリカガラスをベースとして、中心コア領域1に屈折率を高めるドーパントとしてGeO2 を添加し、第1クラッド領域2に屈折率を低下させるドーパントとしてF元素を添加し、第2クラッド領域3に屈折率を高めるドーパントとしてGeO2 を添加するのが好適である。
このようにすることにより、図1に示す屈折率プロファイルを実現することができる。
【0034】
実施例
次に、本実施形態に係る分散補償光ファイバの具体的な実施例について説明する。
以下に説明する実施例の分散補償光ファイバは、いずれも、図2(A)、(B)に示した断面構造と屈折率プロファイルを有する。
【0035】
実施例1
第1実施例の分散補償光ファイバは、中心コア領域1の比屈折率差Δ0を2.2%とし、第1クラッド領域2の比屈折率差Δ1を−0.8%とし、第2クラッド領域3の比屈折率差Δ2を0.2%とした。この第1実施例の分散補償光ファイバの外径は160μmである。
このとき、波長1550nmにおいて、波長分散Dが−130ps/nm/kmであり、DPSが57nmであり、胴径135mm(最小曲げ半径:67.5mm)のスプールに、所定分散量、たとえば、本実施例では320ps/nmを満たす2.5km長の、本発明の実施例の分散補償光ファイバを巻いたときの伝送損失は、波長領域1550nm〜1625nmで、最大0.76dB/kmであった。
【0036】
実施例2
第2実施例の分散補償光ファイバは、中心コア領域1の比屈折率差Δ0を2.4%とし、第1クラッド領域2の比屈折率差Δ1を−0.8%とし、第2クラッド領域3の比屈折率差Δ2を0.2%とした。この第2実施例の分散補償光ファイバの外径は140μmである。
このとき、波長1550nmにおいて、波長分散Dが−170ps/nm/kmであり、DPSが87nmであり、胴径135mmのスプールに、所定分散量、たとえば、本実施例では640ps/nmを満たす3.8km長の、本発明の第2実施例の分散補償光ファイバを巻いたときの伝送損失は、波長領域1550nm〜1625nmで、最大0.95dB/kmであった。
【0037】
光伝送路
本実施の形態の分散補償光ファイバ10を非零分散シフト光ファイバ20に接続した結果、累積分散が小さくできた。
【0038】
分散補償光ファイバ
本発明の分散補償光ファイバは、図2(A)、(B)に例示した構成には限定されず、種々の変形態様をとることができる。
たとえば、図2(A)、(B)に図解した、中心コア領域1、第1のクラッド領域2、第2のクラッド領域3に加えて、第2のクラッド領域3と最外層のクラッド領域4との間に、第1のクラッド領域2と第2のクラッド領域3とのように、最外層のクラッド領域4の屈折率ncより小さい屈折率および大きな屈折率を持つ、他のクラッド領域を適宜、付加することができる。その場合、コア領域の屈折率n0とし、前記コア領域から最外層のクラッド領域に向かって形成された複数のクラッド領域の屈折率をn1、n2、・・・、niとし、最外層のクラッド領域の屈折率をncとし、前記コア領域の前記最外層のクラッド領域の屈折率に対する最大比屈折率差Δ0とし、前記コア領域に接する第1のクラッド領域の前記最外層のクラッド領域の屈折率ncに対する比屈折率差をΔ1としたとき、
(1)n0>nc、n2>nc、・・、かつ、n0>n2>・・であり、
(2)n1<nc、n3<nc、・・、かつ、n1<n3<・・であり、
この場合も、
(3)2%<Δ0<3%
(4)Δ1<−0.5%である
である。
【0039】
クラッド領域各層の、クラッド最外層に対する比屈折率差を内層より順にΔi(i≧1)としたときには、Δ0>Δ2>0%>Δ1となる。
【0040】
【発明の効果】
本発明に係る分散補償光ファイバは、波長1550nmにおいて、波長分散が−100ps/nm/km以下)であり、波長分散と分散スロープとの比DPSが100nm以下であり、所定分散量の長さの光ファイバを、最小曲げ半径が30〜100mmのコイル状に巻いた時の、波長領域1530nm〜1625nmにおける伝送損失が、1dB/km以下であるような特徴を有することにより、本発明に係る分散補償光ファイバは、波長1550nmを含む広い波長帯域で、波長1550nmで正の小さい波長分散を有する非零分散シフト光ファイバの波長分散および分散スロープを短尺で補償することができ、かつ曲げ特性に優れ、小さなコイル取りが可能な分散補償光ファイバを提供することができる。
【0041】
したがって、そのような波長1550nmで正の小さい波長分散を有する非零分散シフト光ファイバと、本発明の分散補償光ファイバとを接続すると、累積分散の小さな光伝送路を構成できる。
【0042】
また、本発明に係る分散補償光ファイバは、光ファイバの外径が140〜200μmである。この場合には、従来の光ファイバ、たとえば、外径が125μmの光ファイバより光ファイバの外径が太いことから、光ファイバの剛性が大きくなり、コイル取り等の際のマイクロベンドによる伝送損失の増加を抑制することができ、光伝送路を構成するモジュール化した場合での低損失化が可能となる。
【0043】
さらに、本発明に係わる分散補償光ファイバは、コア領域と、少なくとも3層から成るクラッド領域を有し、コア領域のクラッドの最外層の屈折率に対する最大比屈折率差Δ0、クラッド領域各層の、クラッド最外層に対する比屈折率差を内層より順にΔi(i≧1)としたときに、Δ0>Δ2>0%>Δ1であって、2%<Δ0<3%、Δ1<−0.5%であるのが好適である。
これらの場合には、上記特性を有する分散補償光ファイバを容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は波長1550nmで正の小さい波長分散を有する非零分散シフト光ファイバと分散補償光ファイバとを接続した光伝送路の構成図である。
【図2】図2(A)は本発明の実施の形態の分散補償光ファイバの屈折率プロファイルを図解した図であり、図2(B)は図2(A)に図解した屈折率プロファイルをもつ分散補償光ファイバの断面図である。
【符号の説明】
10・・分散補償光ファイバ
1・・コア領域、2・・第1クラッド領域
3・・第2クラッド領域、4・・第3(最外層)クラッド領域
20・・波長1550nmで正の小さい波長分散を有する非零分散シフト光ファイバ
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバに関するものであり、特に、分散シフト光ファイバの波長分散および分散スロープを補償する分散補償光ファイバに関するものである。
また本発明は、そのような分散補償光ファイバと標準的なシングルモード光ファイバとを接続した光伝送路に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバなどの光伝送路内を異なる波長の複数のデータを多重化して伝送を行なう波長多重(WDM: Wavelength Division Multiplexing)光伝送を行う光伝送システムにおいて、光通信の更なる高速化・大容量化を図るには、広い信号光波長帯域において光伝送路の累積波長分散の絶対値をできる限り小さくすることが重要である。
【0003】
累積波長分散の絶対値をできる限り小さく、たとえば、好ましくは、0にすることが望まれるが、一般には、1種類の光ファイバのみを用いた光伝送路では困難である。
【0004】
そこで、複数種類の光ファイバを接続して光伝送路を構成することで、広帯域での光伝送路の累積波長分散の絶対値の低減を図る試みが種々なされている。
【0005】
米国特許第5,361,319号公報は、波長1.3μm付近において零分散波長を有する標準的なシングルモード光ファイバ(SMF: Single Mode Fiber)と、この標準的なシングルモード光ファイバの波長1550nmにおける波長分散を補償する分散補償光ファイバ(DCF: Dispersion Compensating Fiber)とを接続して光伝送路を構成し、波長1.55μm帯での累積波長分散の絶対値の低減を図る技術を開示している。
【0006】
また、米国特許第5,838,867号公報は、波長1550nmで正の小さい波長分散を有する非零分散シフト光ファイバ(NZDSF: Non−Zero Dispersion Shift Fiber)と、この非零分散シフト光ファイバの波長1550nmにおける波長分散および分散スロープを補償する分散補償光ファイバとを接続して光伝送路を構成し、波長1.55μm帯での累積波長分散の絶対値の低減を図る技術を開示している。
【0007】
ここで、光ファイバの波長1550nmにおける波長分散Dを分散スロープ(傾斜)Sで割った値、D/S、すなわち、分散スロープに対する波長分散の比率をDPS(Dispersion Per Slope)と表す。
【0008】
波長1550nmを含む広帯域で光伝送路の累積波長分散の絶対値の低減を図る為には、波長1.3μm付近において零分散波長を有する標準的なシングルモード光ファイバの波長分散および分散スロープの双方を補償するSM用分散補償光ファイバでは、DPSは、上記標準シングルモード光ファイバのDPSと略等しいことが要求される。
【0009】
また、分散シフト光ファイバの波長分散および分散スロープの双方を補償する分散シフト光ファイバ(DSF: Dispersion Shift Fiber)用分散補償光ファイバでは、DPSが分散シフト光ファイバのDPSと略等しいことが要求される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
米国特許第5,361,319号公報に開示されたSM用分散補償光ファイバは、波長1.3μm付近に零分散波長を有し、波長1550nmにおいて大きな波長分散を有するが、波長1.3μm付近において零分散波長を有する標準的なシングルモード光ファイバの波長分散を補償するものであり、絶対値が大きな負の波長分散を有している。したがって、このSM用分散補償光ファイバは、上記標準的なシングルモード光ファイバの波長分散を補償する上では好適である。しかし、このSMF用分散補償光ファイバは分散スロープを補償するには充分ではないという一長一短がある。
【0011】
一方、米国特許第5,838,867号公報に開示されたDSF用分散補償光ファイバは、波長1550nmで正の小さい波長分散を有する非零分散シフト光ファイバの波長分散および分散スロープの双方を補償することができる。しかし、このDSF用分散補償光ファイバは波長分散の絶対値が小さいことから、非零分散シフト光ファイバの波長分散および分散スロープの双方を補償するには長尺のDSF用分散補償光ファイバが必要となる。
【0012】
また、一般に、分散補償光ファイバにおいて、DPSが小さくなるほど、僅かの曲げでも基底モード光が漏洩し易く、基底モード光の曲げ損失が大きくなるという不具合が知られており、コイル等に巻き付けて分散補償モジュール化しようとすると伝送損失が大きくなるという不利益に遭遇する。
そのため、分散シフト光ファイバとDSF用分散補償光ファイバとを接続して構成される光伝送路に信号光を伝搬させて光通信を行う光伝送システムを構築した場合、光伝送路での伝送損失が大きいことから、中継区間を長くすることができないという問題に遭遇している。
【0013】
上述した問題に遭遇しながらも、光通信の更なる高速化・大容量化が緊急の課題として、要望されている。本発明は、上記問題点を克服して、上記要望を達成することを意図している。
【0014】
本発明の目的は、非零分散シフト光ファイバの波長分散および分散スロープを短尺で補償し、かつ、曲げ特性に優れ、小さな曲げでコイル巻き取りが可能な分散補償光ファイバを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記分散補償光ファイバと、上記非零分散シフト光ファイバとを接続して、波長1.55μm帯での累積波長分散の絶対値の低減を図った光伝送路を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、波長1550nmで正の小さい波長分散を有する非零分散シフト光ファイバと接続して、波長1.55μm帯での累積波長分散の絶対値の低減を図った光伝送路を提供するための分散補償光ファイバの諸特性および条件を種々検討して、見いだした。
【0016】
その結果、本発明に係る分散補償光ファイバは、波長1550nmにおける分散値が−100ps/nm/km以下であり、該波長における分散を分散スロープで割った値DPSが100nm以下で、所定分散量の長さの光ファイバを、最小曲げ半径が30〜70mmのコイル状に巻いた時の、波長領域1530nm〜1625nmにおける伝送損失が1dB/km以下であることを見いだした。
この分散補償光ファイバは、波長分散Dが負であって絶対値が大きく、DPSが100以下であることにより、波長1550nmを含む広い波長帯域で、波長1550nmで正の小さい波長分散を有する非零分散シフト光ファイバの波長分散および分散スロープを短尺で補償することができる。したがって、波長1550nmで正の小さい波長分散を有する非零分散シフト光ファイバとこの分散補償光ファイバとを接続すると、累積分散が小さな光伝送路を構成することができる。
【0017】
また、本発明の分散補償光ファイバの曲げ半径が100mm以下であれば、コンパクトなモジュールが実現でき、曲げ半径が30mm以上であれば、曲げによる歪を許容値以下に抑えられ、破断確率等の面からの長期信頼性も保証できる。
【0018】
本発明に係わる分散補償光ファイバは、好適には、コア領域と、少なくとも3層から成るクラッド領域を有し、コア領域のクラッドの最外層の屈折率に対する最大比屈折率差Δ0、クラッド領域各層の、クラッド最外層の屈折率に対する比屈折率差を内層より順にΔi(i≧1)としたときに、Δ0>Δ2>0%>Δ1であって、2%<Δ0<3%、Δ1<−0.5%であることを特徴とする。
これらの場合には、上記特性を有する分散補償光ファイバを実現する上で好適である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を述べる。
【0020】
光伝送路
図1は、波長1550nmで正の小さい波長分散を有する非零分散シフト光ファイバ20と、分散補償光ファイバ10とを接続した光伝送路の構成図である。
【0021】
非零分散シフト光ファイバ
非零分散シフト光ファイバ20は、波長1550nmで正の小さい波長分散を有するシリカベースの石英光ファイバであり、本実施形態において分散補償の対象としているものである。
この非零分散シフト光ファイバ20の波長1550nmにおける諸特性を下記表1に示す。DPSは、波長分散Dと分散スロープSとの比率である。
【0022】
【表1】
表1
分散D +2〜+10ps/nm/km
分散スロープS +0.10ps/nm2 /km
DPS 100以下
伝送損失 0.20dB/km程度
【0023】
分散補償光ファイバ
非零分散シフト光ファイバ20と接続して光伝送路を構成し、非零分散シフト光ファイバ20の分散を補償する本発明の実施の形態の分散補償光ファイバ10について述べる。
本実施形態に係る分散補償光ファイバ10は、非零分散シフト光ファイバ20の波長1550nmにおける波長分散および分散スロープを補償するシリカベースの石英ガラス光ファイバである。この分散補償光ファイバ10の波長1550nmにおける諸特性を下記表2に示す。
【0024】
【表2】
表2
波長分散D −100ps/nm/km以下
DPS 100nm以下
光ファイバの外径 140〜200μm
伝送損失 1dB/km以下
【0025】
なお、表2における伝送損失とは、所定分散量の長さの光ファイバを、最小曲げ半径が30〜100mmのコイル状に巻いた時の、波長領域1530nm〜1625nmにおける伝送損失を示す。
【0026】
図2(A)、(B)に、分散補償光ファイバ10の断面形状とその屈折率分布を示す。
分散補償光ファイバ10は、光軸中心を含む中心コア領域1(屈折率n0)と、この中心コア領域1を取り囲む第1クラッド領域2(屈折率n1)と、この第1クラッド領域2を取り囲む第2クラッド領域3(屈折率n2)と、この第2クラッド領域3を取り囲む最外層の第3クラッド領域4(屈折率nc)とを有している。
各屈折率の大小関係はn0<n2<nc<n1 である。
分散補償光ファイバ10の外径は140〜200μmである。
【0027】
分散補償光ファイバ10において、コア領域1の屈折率n0に対する最外層のクラッド4の屈折率ncに対する最大比屈折率差をΔ0とし、第2クラッド領域2の屈折率n1に対する最外層のクラッド4の屈折率ncに対する比屈折率差をΔ1とし、第2クラッド領域3の屈折率n2に対する最外層のクラッド4の屈折率ncに対する比屈折率差をΔ2としたとき、下記条件となる。
(1)Δ0>Δ2>0%>Δ1であって、
(2)2%≦Δ0≦3%
(3)Δ1≦−0.5%である。
【0028】
たとえば、比屈折率差Δ0は下記式で定義される。他の比屈折率差Δ1、Δ2も下記式と同様に定義できる。
【0029】
Δ0=((n12 −nc2 )/2×n12 )×100
≒((n1−nc)/n1)×100
・・・(1)
【0030】
このような特徴を有する分散補償光ファイバ10は、波長分散Dが負であって絶対値が大きく、DPSが100以下であることにより、波長1550nmを含む広い波長帯域で、非零分散シフト光ファイバ20の波長分散および分散スロープを短尺、たとえば、分散補償の対象となる伝送用光ファイバの1/20以下の長さで補償でき、また、最小曲げ半径が30〜100mmのコイル状に巻いた時の、波長領域1530nm〜1625nmにおける伝送損失が、1dB/km以下とすることによりコンパクトで低損失なモジュール(光伝送路)を実現することができる。
【0031】
また、この分散補償光ファイバは、光ファイバの外径を上記の範囲、すなわち、140〜200μmとすることにより、コイル取りされる際に生ずるマイクロベンドによる伝送損失の増加を最小限に抑えることができる。
【0032】
分散補償光ファイバ10は、このような屈折率プロファイルを有することにより、波長1550nmにおいて、分散、DPSおよび伝送損失それぞれが上記の数値範囲のものとなる。
【0033】
このような屈折率プロファイルを有する分散補償光ファイバ10は、シリカガラスをベースとして、中心コア領域1に屈折率を高めるドーパントとしてGeO2 を添加し、第1クラッド領域2に屈折率を低下させるドーパントとしてF元素を添加し、第2クラッド領域3に屈折率を高めるドーパントとしてGeO2 を添加するのが好適である。
このようにすることにより、図1に示す屈折率プロファイルを実現することができる。
【0034】
実施例
次に、本実施形態に係る分散補償光ファイバの具体的な実施例について説明する。
以下に説明する実施例の分散補償光ファイバは、いずれも、図2(A)、(B)に示した断面構造と屈折率プロファイルを有する。
【0035】
実施例1
第1実施例の分散補償光ファイバは、中心コア領域1の比屈折率差Δ0を2.2%とし、第1クラッド領域2の比屈折率差Δ1を−0.8%とし、第2クラッド領域3の比屈折率差Δ2を0.2%とした。この第1実施例の分散補償光ファイバの外径は160μmである。
このとき、波長1550nmにおいて、波長分散Dが−130ps/nm/kmであり、DPSが57nmであり、胴径135mm(最小曲げ半径:67.5mm)のスプールに、所定分散量、たとえば、本実施例では320ps/nmを満たす2.5km長の、本発明の実施例の分散補償光ファイバを巻いたときの伝送損失は、波長領域1550nm〜1625nmで、最大0.76dB/kmであった。
【0036】
実施例2
第2実施例の分散補償光ファイバは、中心コア領域1の比屈折率差Δ0を2.4%とし、第1クラッド領域2の比屈折率差Δ1を−0.8%とし、第2クラッド領域3の比屈折率差Δ2を0.2%とした。この第2実施例の分散補償光ファイバの外径は140μmである。
このとき、波長1550nmにおいて、波長分散Dが−170ps/nm/kmであり、DPSが87nmであり、胴径135mmのスプールに、所定分散量、たとえば、本実施例では640ps/nmを満たす3.8km長の、本発明の第2実施例の分散補償光ファイバを巻いたときの伝送損失は、波長領域1550nm〜1625nmで、最大0.95dB/kmであった。
【0037】
光伝送路
本実施の形態の分散補償光ファイバ10を非零分散シフト光ファイバ20に接続した結果、累積分散が小さくできた。
【0038】
分散補償光ファイバ
本発明の分散補償光ファイバは、図2(A)、(B)に例示した構成には限定されず、種々の変形態様をとることができる。
たとえば、図2(A)、(B)に図解した、中心コア領域1、第1のクラッド領域2、第2のクラッド領域3に加えて、第2のクラッド領域3と最外層のクラッド領域4との間に、第1のクラッド領域2と第2のクラッド領域3とのように、最外層のクラッド領域4の屈折率ncより小さい屈折率および大きな屈折率を持つ、他のクラッド領域を適宜、付加することができる。その場合、コア領域の屈折率n0とし、前記コア領域から最外層のクラッド領域に向かって形成された複数のクラッド領域の屈折率をn1、n2、・・・、niとし、最外層のクラッド領域の屈折率をncとし、前記コア領域の前記最外層のクラッド領域の屈折率に対する最大比屈折率差Δ0とし、前記コア領域に接する第1のクラッド領域の前記最外層のクラッド領域の屈折率ncに対する比屈折率差をΔ1としたとき、
(1)n0>nc、n2>nc、・・、かつ、n0>n2>・・であり、
(2)n1<nc、n3<nc、・・、かつ、n1<n3<・・であり、
この場合も、
(3)2%<Δ0<3%
(4)Δ1<−0.5%である
である。
【0039】
クラッド領域各層の、クラッド最外層に対する比屈折率差を内層より順にΔi(i≧1)としたときには、Δ0>Δ2>0%>Δ1となる。
【0040】
【発明の効果】
本発明に係る分散補償光ファイバは、波長1550nmにおいて、波長分散が−100ps/nm/km以下)であり、波長分散と分散スロープとの比DPSが100nm以下であり、所定分散量の長さの光ファイバを、最小曲げ半径が30〜100mmのコイル状に巻いた時の、波長領域1530nm〜1625nmにおける伝送損失が、1dB/km以下であるような特徴を有することにより、本発明に係る分散補償光ファイバは、波長1550nmを含む広い波長帯域で、波長1550nmで正の小さい波長分散を有する非零分散シフト光ファイバの波長分散および分散スロープを短尺で補償することができ、かつ曲げ特性に優れ、小さなコイル取りが可能な分散補償光ファイバを提供することができる。
【0041】
したがって、そのような波長1550nmで正の小さい波長分散を有する非零分散シフト光ファイバと、本発明の分散補償光ファイバとを接続すると、累積分散の小さな光伝送路を構成できる。
【0042】
また、本発明に係る分散補償光ファイバは、光ファイバの外径が140〜200μmである。この場合には、従来の光ファイバ、たとえば、外径が125μmの光ファイバより光ファイバの外径が太いことから、光ファイバの剛性が大きくなり、コイル取り等の際のマイクロベンドによる伝送損失の増加を抑制することができ、光伝送路を構成するモジュール化した場合での低損失化が可能となる。
【0043】
さらに、本発明に係わる分散補償光ファイバは、コア領域と、少なくとも3層から成るクラッド領域を有し、コア領域のクラッドの最外層の屈折率に対する最大比屈折率差Δ0、クラッド領域各層の、クラッド最外層に対する比屈折率差を内層より順にΔi(i≧1)としたときに、Δ0>Δ2>0%>Δ1であって、2%<Δ0<3%、Δ1<−0.5%であるのが好適である。
これらの場合には、上記特性を有する分散補償光ファイバを容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は波長1550nmで正の小さい波長分散を有する非零分散シフト光ファイバと分散補償光ファイバとを接続した光伝送路の構成図である。
【図2】図2(A)は本発明の実施の形態の分散補償光ファイバの屈折率プロファイルを図解した図であり、図2(B)は図2(A)に図解した屈折率プロファイルをもつ分散補償光ファイバの断面図である。
【符号の説明】
10・・分散補償光ファイバ
1・・コア領域、2・・第1クラッド領域
3・・第2クラッド領域、4・・第3(最外層)クラッド領域
20・・波長1550nmで正の小さい波長分散を有する非零分散シフト光ファイバ
Claims (5)
- 波長1550nmにおける分散値が−100ps/nm/km以下であり、前記波長における分散を分散スロープで割った値(DPS)が100nm以下の分散補償光ファイバにおいて、
前記分散補償光ファイバの外径が140〜200μmである
ことを特徴とする、分散補償光ファイバ。 - 所定分散量の長さの当該分散補償光ファイバを最小曲げ半径が30〜100mmのコイル状に巻いた時の、波長領域1530nm〜1625nmにおける伝送損失が1dB/km以下であることを特徴とする、請求項1記載の分散補償光ファイバ。
- 前記分散補償光ファイバは、コア領域と、該コア領域の外周に形成された少なくとも3層から成るクラッド領域を有し、
前記コア領域の屈折率n0とし、前記コア領域から最外層のクラッド領域に向かって形成された複数のクラッド領域の屈折率をn1、n2、・・・、niとし、最外層のクラッド領域の屈折率をncとし、前記コア領域の前記最外層のクラッド領域の屈折率に対する最大比屈折率差Δ0とし、前記コア領域に接する第1のクラッド領域の前記最外層のクラッド領域の屈折率に対する比屈折率差をΔ1としたとき、
(1)n0>nc、n2>nc、・・、かつ、n0>n2>・・であり、
n1<nc、n3<nc、・・、かつ、n1<n3<・・であり、
(2)2%<Δ0<3%
(3)Δ1<−0.5%である
ことを特徴とする、請求項1記載の分散補償光ファイバ。 - クラッド領域各層の、クラッド最外層に対する比屈折率差を内層より順にΔi(i≧1)としたときに、Δ0>Δ2>0%>Δ1である、
請求項3記載の分散補償光ファイバ。 - 波長1550nmで正の小さい波長分散を有する非零分散シフト光ファイバと、
波長1550nmにおける分散値が−100ps/nm/km以下であり、前記波長における分散を分散スロープで割った値(DPS)が100nm以下であり、外径が140〜200μmであり、所定分散量の長さの当該分散補償光ファイバを、最小曲げ半径が30〜100mmのコイル状に巻いた時の、波長領域1530nm〜1625nmにおける伝送損失が1dB/km以下である、分散補償光ファイバと、
を接続した光伝送路。
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Cited By (2)
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JP2005311486A (ja) * | 2004-04-19 | 2005-11-04 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 光伝送路 |
KR100735239B1 (ko) | 2004-05-28 | 2007-07-03 | 삼성전자주식회사 | 메트로 망용 광섬유 |
-
2002
- 2002-06-19 JP JP2002178337A patent/JP2004021075A/ja active Pending
Cited By (3)
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