JP4570330B2 - 有機オープン・セル発泡材 - Google Patents

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Description

(関連特許出願)
本出願は、2001年3月16日に提出されたアメリカ合衆国特許出願番号09/809,793および2000年4月6日に提出されたアメリカ合衆国暫定特許出願番号60/195,165からの優先権を主張する。参考までに、これら特許出願の明細をここに含めた。
(発明の技術分野)
本発明は、有機オープン・セル発泡材に一般に関連するものである。より詳しくは本発明は、無制限のサイズおよび形で作られる可能性を持つ有機的な小孔域のオープン・セル発泡材に関するものである。本発明のフォーム(泡)は、製造過程で生じる応力に耐えるに十分な強度を与える構造上の性質を有すため、最小限の劣化(収縮や亀裂)を示す。本発明はまた、特に電気関連用途において有用な、これらの物質の炭化形にも関する。さらに本発明は、ゾル・ゲルの超臨界乾燥段階を必要としないゾル・ゲル重合過程を用いる小孔域物質を生成する方法に関連する。
(発明の背景)
小孔域材(SPM)はフォームの一種であり、液体、固体またはゲルの内部における気泡の分散と考えることができる(化学用語1997年第2版国際純正応用化学連合大要(IUPAC Compendium of Chemical Terminology)参照)。本発明で用いられているSPMとは、具体的には密度が約1000kg/m未満で、小孔構造内の平均孔域が約500μ未満のフォームである。本発明の平均孔域とは、SEM(走査電子顕微鏡)で作成した画像の目視検査によって確認された少なくとも20個の最大孔の孔域の平均である。これに続き、NIHを通して入手可能なImageJソフトウェアを使ってこれら孔域の測定を行った。
SPMの一つのタイプとして、低密度超多孔性物質(LDMM)がある。本発明において具体的にLDMMとは、平均孔域を測定し、公式(領域=Πr)を使って計算した平均孔径によって定められる平均孔径が1000ナノメートル(nm)に満たない程度の超多孔性構造を持つSPMである。例えば、平均孔域が0.8μの平均孔径は1000
nmである。
ある種のLDMMは既知のものであり、熱バリアおよび断熱、音響バリアおよび防音、電気および電子部品、ショック・衝撃隔離、化学用途など、様々な用途に使われてきた。例として「Materials Research Society(材料研究学会)第15巻第12冊(1990年12月号)、ローレンス・リバーモア国立研究所材料、科学会報UCRL−TB−117598−37、米国特許番号4,832,881参照のこと。
平均孔径が約300nm以上のフォームの場合は、例えばSEM画像を孔や粒子のサイズを計算するために使用できるソフトウェアと合わせて使うなどしてより簡単に測定することができるので、孔の特徴を捉えるために孔域を使うのが好ましい。
いずれのフォームも、その有用性はある特定の性質、例えば容積密度、容積、セルまたは孔の構造、強度などによって決まる。例として、Non−Crystalline Solids誌第277巻p127−41(2000年)「機械的構造―エアロゲルの性質の関係」、応用物理学会誌第73巻(2)1993年1月15日号「モノリシック炭素エアロゲルの熱伝導性と電導性」、Non−Crystalline Solids誌第125巻p67−75(1990年)「有機エアロゲル:圧縮状態の機械的性質の超構造依存」を参照。67−75(1990).例えば密度は、フォームの固体熱伝導性、機械的強度(弾性率)、音速などに影響を与える。一般にフォームの密度が下がると、フォームの固体熱伝導性、弾性率、長期的音速も下がる。しかし、フォームの密度が低過ぎると、意図する用途における機械的安定性が十分に得られない。
また、様々な形とサイズでフォームを作ることができれば、一般にフォームの有用性が増し、適した用途の範囲が広がる。さらに、孔の構造は、泡内の気体熱伝導性、および機械的強度や表面積などに影響を与える。一般に、フォームの密度が上がらないならば、孔のサイズ(平均孔域および平均孔径の両方または一方)が小さい方がこのような分野のフォームの物性は向上する。ゆえに、ほとんどの場合において密度と孔サイズの両方を最小限まで小さくすることが好ましいが、ほとんどの物質においてこれらの性質は互いにぶつかり合い、密度の低下が孔サイズの増大につながるため、これを達成するのは難しいともいえる。
少なくとも商品化という目的において、このほかの重要な性質としては、例えば典型的な製造過程に存在し劣化(収縮や亀裂など)の原因となる応力に耐える能力、in−situ(原位置)で作ることも可能な広範な性質、サイズ、形を持つフォームを作る能力など、製造上容易でフレキシブルであることが挙げられる。
一般に、フォームは孔サイズの分布によって分類される。平均孔径は以下の3つの範囲に分けられる。(1)平均孔径が約2nmに満たないマイクロポア、(2)平均孔径が約2nmから約50nmであるメゾポア、および(3)平均孔径が約50nm以上であるマクロポアである。1997年第2版国際純正応用化学連合大要(IUPAC Compendium of Chemical Terminology)参照。マイクロポア構造を持つフォームとしては、キセロゲルが例として挙げられる。メゾポア構造を持つフォームの例としては、特に有用性の高いフォームとしてエアロゲルがある。一般にエアロゲルは、相互連結した小さな孔の集まりを形成する相互連結粒子から成るアモルファスの固体の中で気体が分散されているLDMM(ゆえにSPMでもある)の一種である。粒子と孔の典型的なサイズは約1nmから約100nmの範囲である。本発明において具体的には、エアロゲルは(1)典型的に0.01−0.99である相対圧力の範囲でのNのマルチポイントBJH(Barrett, Joyner and Halenda )吸着曲線から求められる平均孔径が約2nmから約50nmの範囲であり(「BJH法」は、直径が1−300nmの範囲にある孔の平均孔径を測定するものであり、この範囲を超えるサイズの孔には使わない)、(2)少なくともその総合孔容積の50%が1−300nmの範囲の孔径を持つ孔によって構成されているLDMMである(ゆえにSPMでもある)。
このほかに、閉ざされた孔と開かれた孔の数によってフォームを分類する方法がある。例えば、閉ざされた孔のフォームには、分散した気体を閉じ込めて気体が容易に抜けられないようにする数多くの密閉性もしくは被包性の孔がある。例として米国特許番号6,121,337、4,243,717、4,997,706を参照。これに比べ、開かれた孔のフォームには密閉性もしくは被包性の孔の数が少なく、そのため内部空間と表面に到達することが可能であり、内部の気体を放出することができる。このため、真空排気断熱材、化学・触媒反応、および電気用途においては、開かれた孔がより多いフォームが望ましい。例えば、一般に真空断熱材として知られる、断熱性の高い断熱材にするための排気を行うことができるのは開かれた孔の物質だけであり、また、フォーム内部の活性表面に到達することによって多くの化学反応および触媒反応が可能となるため、開かれた空間と表面が多いほど反応効率が増し、また、多くの電気用途は伝導表面への到達によって可能となるため、開かれた表面が多いほど電気的効率が高まる。一般に、既知のSPMフォームはほぼすべての孔が開かれている開孔フォームである。SPM以外のその他のフォームでは開孔が少なくなり、一般に孔の約80%未満が開孔である。
例えばSPMフォームを作る成分のタイプによって、SPMフォームをさらに分類することができる。例えば、無機エアロゲル・フォームはシリカ、金属酸化物、あるいは金属アルコキシド物質を使って作ることができ、典型的に高表面積、低密度、光透明性、十分な断熱性を示す。例として米国特許番号5,795,557、5,538,931、5,851,947、5,958,363を参照。しかし、無機エアロゲルにはいくつかの問題がある。例えば、先駆物質は比較的高価であり、湿度に敏感で貯蔵寿命に限界がある。例として米国特許番号5,525,643を参照。また、無機エアロゲルを作るために使われるプロセスは典型的に高価で時間がかかり、溶剤交換にいくつかの段階を要し、好ましくない超臨界乾燥(以下に詳細説明)やゲル表面の改良のために高価な試薬を使う必要がある。例として、Nature誌第374巻30号p439−43(1995年3月号)「可逆乾燥収縮を誘導するために表面誘導化を用いて周辺圧力でシリカ・エアロゲル・フィルムを作る」、Sol−Gel Science and Technology誌第3巻p199−204(1994)「シラン溶液熟成によるTMOS系アルコゲルの機械的強化」、Materials Science誌第19巻p1656−65(1984)「超臨界溶剤排気によるモノリシック・シリカ・ゲルの合成」、Non−Crystalline Solids誌第145巻p3−40(1992)「超臨界乾燥時の応力の移り変わり」、および米国特許番号2,680,696を参照。
これに対し、有機SPMフォームは典型的に固体熱伝導性が低く、高い電導性を持つ低密度、高表面積の炭化フォームに容易に転換することが可能である。さらに、有機SPMを作るために使われる先駆物質は安価で貯蔵寿命が長いという傾向がある。例として、Non−Crystalline Solids誌第186巻p372−79(1995)「エアロゲルの商品化:技術、市場とコスト」を参照。さらに、有機SPMは不透明(放射熱伝導の削減に有用)にも透明にもできるが、有機SPMの不透明フォームは不透明化を必要としない。その結果、一般に不透明有機SPMの方が望ましく、電子用途や熱用途など光透明性が望ましくない用途には特に望ましい。
SPMフォームも含め、フォームをバルク特性から分類することもできる。モノリシック・フォームまたはモノリスは、容積が0.125mL以上のバルク物質であり125mm(すなわち5mm×5mm×5mm)を超える容積を持つ物質の1つのブロックに相当するものと定義される。薄膜やシート・フォームは基板上の厚さ5mm未満のコーティングとして定義することができる。顆粒または粉末フォームは容積が0.125mL未満の粒子サイズによって構成されるものと定義することができる。一般に、モノリシック・フォームにすることができるフォームは薄膜または顆粒フォームよりも長所が多い。例えば、モノリシック・フォームは、薄膜、シートあるいは顆粒を使うのが実用的ではない広範な用途に用いることができる。例えば、ほとんどの断熱、消音、動力学(ショック吸収)用途は、薄膜またはシートでは得られない、もっと厚みのあるインシュレーション材を必要とする。また、顆粒材料は沈降しやすく機械的安定性がない。多くの化学および触媒用途も、薄膜やシートによって得られる以上の物質を要求する。電気用途でさえ、場合によっては燃料電池や大型コンデンサー電極のようなモノリシック材を要求する。
一般に、非臨界乾燥法を用いて作られた有機SPMは、薄膜または顆粒フォームのLDMMに限られていた。一般に、非臨界乾燥法を用いて有機的なモノリシックLDMMが作られることはないが、調製に4日間を要した例外が一つある。米国特許番号5,945,084を参照。
さらに、大きなモノリシック無機エアロゲルは作られてきたが、形・サイズとも制限があり、またこれらの無機エアロゲルは超臨界乾燥法という望ましくない方法を使って作られている(下記に説明する)。例えば、シリカ・エアロゲルは以下の形とサイズで作られている。(1)1cm厚で長さ・幅が76cmのシート(容積5.776リットル相当)、(2)長さ12インチ、直径8インチのシリンダー(容積9.884リットル相当)である。
しかし、超臨界乾燥法を使って作った有機エアロゲルは、より多くの制限が形とサイズにある。例えば、(1)厚さ1インチ、長さ・幅12インチ(2.36リットル相当の容積)のシートと(2)厚さ3インチ、直径8インチ(2.47リットル相当の容積)のディスクである。最小サイズが3インチを超える有機モノリシック・エアロゲルは知られていない。さらに、非臨界乾燥技術を用いて作られた、最小直径が5mmを超える有機モノリシック・エアロゲルは知られていない。また、既知の有機モノリシック・フォームの多くは、製造過程で発生する応力に耐える構造強度が不十分である。その結果、これらのフォームは製造中に収縮し、場合によっては亀裂も生じる。
一般にフォームは広範なプロセスによる製造が可能である。例として米国特許番号6,147,134、5,889,071、6,187,831、5,229,429を参照。しかし、典型的にエアロゲルは良く知られた「ゾル・ゲル」プロセスによって製造されてきた。「ゾル」という用語は、液体中の固体の分散を示すものとして使われている。「ゲル」という用語は、剛性を得るために十分な構造の網状組織を1つの成分が与え、その他の成分がその構造単位の間の空間を埋めている1つの化学システムを示すものとして使われている。「ゾル・ゲル」という用語は、液体成分によって満たされた、相互連結した分散固体ゾル粒子が形成する毛細の網状組織を示すものとして使われている。
そのような既知のゾル・ゲルプロセスによるフォームの調製には、一般に2つの段階がある。第1段階では、先駆物質を混合し周辺環境で、あるいはより典型的には周辺より高い温度でゾル・ゲルを形成させる。一般に「乾燥段階」と称される第2段階では、ゾル・ゲルの液体成分を除去する。例として米国特許番号4,610,863、4,873,218、および5,476,878を参照。ゾル・ゲルを乾燥する能力は、フォームのサイズに一部依存している。フォームが大きければ、フォームの内部から外部へと溶剤が通過しなくてはならない距離が長くなるため、より強力な乾燥が要求される。成形型または容器で乾燥されるゾル・ゲルでは、液体成分の除去のために、液体がゾル・ゲルを通過して成形型または容器の開かれた面まで到達することが要求される。
従来の超臨界乾燥方法は、通常、溶剤の超臨界抽出という、できれば避けたい潜在的危険を持つ段階を要求する。直接超臨界抽出の場合(ゾル・ゲルが形成されている溶剤を別の溶剤と交換せずに直接除去するプロセス)、抽出される溶剤は最も典型的にアルコール(例:メタノール)であり、それには高温と高圧が要求される。そのような条件は非常に高圧の容器を必要とする。アルコールを高温・高圧下に置くことは火災や爆発の危険を高める。メタノールは毒性という危険を持っている。
既知のゾル・ゲルプロセスにはこのほかにもいくつかの問題がある。多くの事例において先駆物質は高価であり従来の超臨界乾燥で用いる条件下では危険になり得る。また、結果的に作られるフォームは既知の製造プロセスに内在する制限により、限られたサイズと形で製造されており、亀裂や収縮もよく見られる。
従来の乾燥方法に伴うもう一つの問題は、乾燥段階に時間がかかり、面倒な溶剤交換が1回あるいはそれ以上の頻度で必要だということである。例として、米国特許番号5,190,987、5,420,168、5,476,878、5,556,892、5,744,510、5,565,142を参照。さらに問題なのは、従来の乾燥方法は時としてゾル・ゲルを化学的に改良する追加段階を要することである。例として、米国特許番号5,565,142、Nature誌第374巻30号p439−43(1995年3月)「可逆乾燥収縮を誘導するために表面誘導を用いて周辺圧力でシリカ・エアロゲル・フィルムを作成する」を参照。
例えば、最も一般的なエアロゲル製造プロセスには、液体二酸化炭素でゾル・ゲルが形成されている溶剤(アルコールまたは水が典型的)を交換してから超臨界抽出によってその溶剤を除去する段階がある。この二酸化炭素の超臨界抽出は比較的低温で行われるが(40℃未満)、非常に高い圧力を必要とする(一般に1070psi以上)。また、二酸化炭素は不燃性ではあるものの、溶剤交換段階には非常に時間がかかる。
さらに、周辺(非臨界)乾燥方法を使う既知のプロセスでさえ、低密度のモノリシック・フォームではなく薄膜あるいは顆粒のものしか作れないという欠点がある。
上記のように、既知のプロセスで作られる有機エアロゲルには形とサイズ上の制限があることが多い。この一つの理由はフォームを作るのに使う成形型や容器のサイズや形に制限があることである。その結果、そのようなプロセスでは、溶剤が通過しなくてはならない距離が非常に長くなるフォームの場合、抽出ができない。
フォーム製造の既知のプロセスの一例として米国特許番号5,565,142があり、蒸発乾燥法を使ったある種の無機フォームの生成について説明している。その説明によれば、そのプロセスは溶剤交換に加え、ゾル・ゲルを化学的に改良するという更なる段階を要求する。同様に、米国特許番号5,945,084は蒸発乾燥プロセスによるレゾルシノール・フォームの生成について記しており、そのプロセスにおけるこれらのフォームの最低密度は400kg/m以上と報告されている。<しかし、これらのフォームは比較的高い熱伝導性を示しており、ゲル化、硬化、乾燥にかなりの時間を要する。一つの例においては、完成までに4日以上を要した。
上述の有用な特性の一部を既知のフォームが示す場合もあるが、これらすべての特性を示す既知のフォームはない。ゆえに、十分な構造強度を有すモノリシック形状を広範に与え、in−situ(原位置)で形成するという選択肢を持つ、孔域の小さい有機オープン・セル発泡材がなお必要である。
(発明の要約)
本発明の目的の一つは、フォームの製造方法による制限を受けないサイズを持つ大型モノリシック・フォームから成る有機SPMを提供することである。これらのフォームのサイズと形に関する唯一の制限は、フォームを使う用途である。あくまでも例としてだが、本発明のSPMは、冷蔵トラック、建築物、航空機に使われる壁または断熱バリアをin−situで製造することができる。
本発明の別の目的は、まず大きなバルク形と最低3インチ以上のサイズ(例:幅、高さ、長さ、厚み、直径)であること、次に製造中に生じる応力に耐えるに十分な構造強度を持ち実質的に亀裂がないことという2つの条件の両方もしくはどちらかを満たす、大型のモノリシック有機SPMを提供することである。
本発明の別の目的は、非臨界乾燥プロセスによって作られたモノリシック・フォームから成る有機SPMを提供することである。それは製造中に生じる応力に耐えるに十分な構造強度を持ち実質的に亀裂がない物質である。
さらに本発明のもう一つの目的は、平均孔域が約500μm以下の有機SPMを提供することである。また別の目的は、平均孔径が約50nmから約1000nmの範囲にある有機LDMMを提供することである。これは約2000nmから約0.8μmの平均孔域に相当する。そのようなSPMおよびLDMMは、約300kg/m未満の密度、孔の約80%以上が開かれた孔構造、真空における低熱伝導性といった性質を併せ持つ、あるいはそのいずれかを有するものである。
更なる目的として、電子および化学用途において有用な上述のSPMの炭化形を提供すること、超臨界乾燥を必要とせずに大型のモノリシック・フォームを作り出す方法を含め、これらの物質の生成方法を提供することなどが挙げられる。
これらの目的は単なる模範であり、以下に詳細を記し請求項で定義される本発明の範囲を制限するものではない。
(発明の詳細)
本発明がより完全に理解されるように、以下に詳細に説明する。しかし、この詳細は請求項によって定義される発明を制限するものではない。本技術に熟練した者であれば、ここで開示した基本的な発明の範囲から離れることなく、SPMの特性およびSPMの製造に用いられる段階や材料を組み合わせたり変化させることがあり得ることを認めるであろう。
(SPMの特性)
本発明のSPMは、独特の特性や改善された特性を持つ有機フォームから成る。そのような特性としては、低密度および変動密度の両方または一方、孔のサイズが小さい孔構造と大部分が開孔である孔構造の両方または一方、大型のモノリシック形とサイズ、製造中に生じる応力に耐えるに十分な構造強度、低い熱伝導性、in−situで形成され得ることのすべてもしくは一部が挙げられる。
上記で定義したように、SPMとは約1000kg/m未満の密度と約500μm未満の孔域を持つフォームである。ここで使われているように、SPMという用語が意味するものにはLDMMおよびエアロゲルも含まれる。ゆえに、本発明で言うSPMにはLDMMおよびエアロゲルなどが含まれる。同様に、LDMMという用語が意味するものにはエアロゲルも含まれる。ゆえに、本発明で言うLDMMにはエアロゲルなどが含まれる。
本発明のSPMは約500kg/m未満の密度を持つのが好ましいが、より好ましくは約300kg/m未満であり、さらに好ましくは約275kg/m未満であり、またさらに好ましくは約250kg/m未満、そしてさらに好ましくは約150kg/m未満である。これよりもさらに低い密度のSPM(例:100kg/m未満)は、以下に詳細に説明するように、より低い熱伝導性など追加的な好ましい特性を示す可能性があり特に好ましい。
本発明のSPMの平均孔域は約200μm未満が好ましい。本発明のSPMは約100μm未満であることがより好ましく、さらに好ましくは約50μm未満である。これよりも小さい平均孔域(例:約0.8μm未満あるいはさらに約2000nm未満)を持つSPMは、以下に詳細に説明するように、より低い熱伝導性など追加的な好ましい特性を示す可能性があり特に好ましい。
本発明のLDMMは約2nmから約1000nmまでの小さい平均孔径であるのが好ましい。より好ましくは、本発明のLDMMは約2nmから約50nmまでの平均孔径であるのが好ましい。孔径の小さいLDMM(例:約2nmから約20nm)は、以下に詳細に説明するように、より低い熱伝導性など追加的な好ましい特性を示す可能性があり特に好ましい。
本発明のエアロゲルは小さい平均孔径であるのが好ましい。より好ましくは、本発明のエアロゲルは約2nmから20nmまでの間の平均孔径である。
また本発明のSPMは、セルまたは孔の約80%以上が開かれたオープン・セル構造から成る。開孔の量は液体窒素の吸収の測定または標準的な窒素ガス吸収測定(BET分析)によって算出する。一般には、SPMのオープン・セル構造が大きいほど、物質が示す真空断熱、化学、触媒、および電気に関する特性が高まる。ゆえに、本発明のSPMは少なくとも約90%のセルまたは孔が開かれたオープン・セル構造であるのが好ましく、さらには、実質的にすべての孔が開かれているのがより好ましい。
さらに本発明のSPMは、モノリシックの形とサイズから成る場合がある。そのようなSPMにおいては、長さ、幅、高さのいずれも約5mm未満ではなく、容積は約0.125mL以上である。ゆえに、例えば総じて長方形のSPMの場合、その材料の長さ、幅、高さがそれぞれ約5mm未満であってはならない。同様に総じて円形、球形、あるいは楕円形では、最小直径が約5mm未満であってはならない。本発明におけるより大型のモノリシックSPMにおいて長さ、幅、高さのいずれも75mm(3インチ)未満でないものは、非臨界乾燥方法を用いて形成することができる。しかし本発明のSPMの最大のサイズは制限がなく、いかなるサイズ、形状あるいは形態を取ることも可能である。例えば、本発明のSPMは冷蔵トラック、建築物、航空機に使われる壁あるいは断熱バリアをin−situ(原位置)で作ることができる。
そのようなバルク特性が本発明のSPMを既知の薄膜、シート、顆粒あるいは粉末のフォームと差別化する。薄膜、シート、顆粒あるいは粉末のフォームの制限は知られている。例えば、ほとんどの断熱、消音、動力学的(ショック吸収)用途は、薄膜やシートが与える以上の厚みを持ったインシュレーション材を必要とする。また、顆粒材料は沈降しやすく機械的安定性がない。多くの化学関連用途および触媒用途も、薄膜やシートによって得られる以上の物質を要求する。また、多くの化学および触媒用途は、薄膜やシートが与えられるよりも大きい形(モノリシック材)を要求する。電気用途でさえ、燃料電池や大型コンデンサー電極のように場合によってはモノリシック材が必要である。
また、本発明のSPMは、製造中の劣化を最小にするために十分な構造強度を持ち得る。ゆえに例えば、本発明のSPMには実質的に亀裂がない。本発明のSPMはまた、収縮も最小限になり得る(すなわち最終生成物は、最終生成物の誘導元である先駆溶剤と物理的にほぼ同じサイズである)。例えば、ゾル・ゲルプロセスを使って形成したエアロゲルの場合、本発明のエアロゲルは前者のエアロゲルに比べて最小の収縮を示す。SPMの収縮率は約25%未満が好ましいが、実質的に収縮しないというのがさらに好ましい。
これらSPMにおける構造強度の強化は、固体の網状組織を強化するために適切な溶剤を含めることによって達成することができ、例として、SPMの網状組織内に丈夫な水素結合を与えたり、SPMの網状組織内の共有電子対の操作をすることが挙げられる。エアロゲルの場合、この相互作用の一つの例として、1つ以上の水酸化芳香族と1つ以上の水素結合剤の錯体が挙げられる。溶剤として好ましいのは脂肪族カルボン酸のように丈夫な水素結合を与える物質であり、これには酢酸、蟻酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸およびそれらの異性体が含まれ、中でも酢酸がもっとも好ましい。ゆえに本発明のSPMは、非臨界乾燥中の網状組織の劣化を最小にするために十分な構造強度を与えるための水素結合剤(例えば酢酸)を包含する。
本発明のSPMが与え得るもう一つのユニークな特性、あるいは改善された特性は、熱伝導性もしくは熱伝導が低いことである。熱伝導性が低いほど、このSPMが与える断熱性(すなわち熱伝導が低くなること)が高まる。ゆえに、好ましいSPMは、熱伝導性が約0.0135W/(m・K)(ワット/メートル/ケルヴィン)未満、最高圧力10トルであり、さらに好ましくは0.008W/(m・K)未満、最高圧力10トルである。また別のSPMとしては好ましくは、熱伝導性が約0.009W/(m・K)未満、最高圧力1トルであり、さらに好ましくは0.007W/(m・K)未満、最高圧力1.0トルである。また、さらに別のSPMとして好ましくは、熱伝導性が約0.005W/(m・K)未満、最高圧力0.1トルであり、さらに好ましくは0.0035W/(m・K)未満、最高圧力0.1トルである。これらの熱電導性を示す本発明のSPMでより好ましいのは、非臨界乾燥方法を用いて形成したモノリシックSPMである。
本発明のSPMの追加的かつ随意の特性としては、大きい表面積(約10m/g以上、好ましくは約50m/g以上、より好ましくは約100m/g以上、さらにより好ましくは約200m/g以上、そしてさらにもっと好ましくは約300m/g以上)、低い抵抗率(約0.02ohmメートル未満、好ましくは約0.002ohmメートル未満)、高い音響インピーダンス、高い圧縮強度、高いショック吸収性、溶剤の膨潤を最小にするための高い化学抵抗が挙げられ、本発明のSPMはこれらのすべてまたは一部を有す。
以上、本発明のSPMが示し得る特性を説明した。次にこれらの特性のユニークな組み合わせの具体例を挙げる。1つの実施態様において、本発明の有機SPMは約500μm未満の平均孔域、約300kg/m未満の密度を有し、孔の約80%以上が開孔であるフォームによって構成されている。好ましくは、孔のすべてが開孔であり、密度が約275kg/m未満である。
別の実施態様において、本発明の有機SPMは、非臨界乾燥法によって乾燥されたモノリシック構造であり、熱伝導性が約0.0135W/(m・K)未満、最高圧力10トルであり、さらに好ましくは0.008W/(m・K)未満、最高圧力10トルである。また別のSPMとしては、熱伝導性が約0.009W/(m・K)未満、最高圧力1トルであり、さらに好ましくは0.007W/(m・K)未満、最高圧力1.0トルである。またさらに別のSPMとしては、熱伝導性が約0.005W/(m・K)未満、最高圧力0.1トルであり、さらに好ましくは0.0035W/(m・K)未満、最高圧力0.1トルである。
好ましい実施態様において、本発明の有機SPMは、上記の定義のように平均孔径が2nmから50nmの間にあり非臨界乾燥プロセスによって作られたエアロゲル・フォームから成る。このエアロゲルは十分な構造強度を維持したモノリシック形を持ち、実質的に亀裂のないものである。
別の好ましい実施態様において、本発明の有機SPMは、長さ、幅、高さの最小が約3インチ以上であり十分な構造強度を維持したモノリシック・フォームから成り、実質的に亀裂がないものである。
(小孔域物質および低密度超多孔性物質の生成プロセス)
有機SPMは本発明のものも含め、一般に改良2段階ゾル・ゲル重合プロセスによって作ることができる。第1段階では、水酸化芳香族または水酸化芳香族から成る高分子樹脂を、溶剤中で少なくとも1つの求電子性の連結剤と反応させる。その溶剤は、有機先駆物質を溶解し、架橋された生成物を沈殿させ、第二段階(すなわち乾燥段階)で固体の網状組織の強化を助けることになる液体の化合物を少なくとも1つ成分として含んでいる。この強化相互作用のメカニズムには、乾燥中の亀裂や収縮を最小限にする(さらに好ましくはそれらを予防する)ためにポリマーのバックボーンを硬くする丈夫な水素結合や共有電子対の操作が含まれると考えられる。反応には、重合や架橋を促進し、この分野で既知の他のSPMと同等もしくはより急速な速度でゾル・ゲルを生成する触媒を用いることがある。
第2段階では液体成分を除去するためにゾル・ゲルを乾燥させる。他のゾル・ゲルのプロセスと異なるのは、この乾燥プロセスが超臨界抽出を要さないこと、実質的に劣化を起こさないことの両方ないしいずれかの点である。超臨界抽出法を独自にあるいは他の乾燥方法と合わせて随意に使うことはできるが、好ましくはない。
より具体的には、本発明プロセスの第1段階では、約0.5%から約40%(結果的に得る溶液に基づく重量)、好ましくは約1%から約20%、より好ましくは約1%から約8%の量の水酸化芳香族または水酸化芳香族を成分として含む高分子樹脂を添加することができる。より具体的には、本発明プロセスの第1段階では、約1%から約40%(結果的に得る溶液に基づく重量)、好ましくは約3%から約20%、より好ましくは約4%から約8%の量の水酸化芳香族または水酸化芳香族を成分として含む高分子樹脂を添加することができる。溶剤は約30%から約97%(結果的に得る溶液に基づく重量)、好ましくは約50%から約94%、より好ましくは約60%から約85%の量を添加することができる。
先駆物質を混合し、周辺圧力および約20℃から約100℃、好ましくは約40℃から約80℃の間の温度に維持された環境でゾル・ゲルをつくる。そのような温度は急速かつ完全な化学マトリックスの架橋をもたらし、より強く質の高いSPMが完成すると考えられている。この加工温度は、先駆化学溶液の沸点とゲルが形成される容器もしくは成形型による制限を受けやすい。しかし、周辺圧力以上の圧力でこのプロセスを行えば加工温度を上げることができる(より耐温性のある容器または成形型を用いること)。
さらに、その範囲の中でも高い方の温度へ上げることによって、架橋速度が増すと考えられているが、それにより同時に孔のサイズも大きくなる。一方、温度を下げることによりゾル・ゲルを作るためにかかる時間が増す。ゆえに、小孔を作るためには、例えば40℃でゲル化させ、その後に温度を段階的に例えば80℃まで上げて行くことによって、最も完全に架橋された、強くて硬い完成品を最小の時間で得ることができる。以下に説明するように、他の変数を調整したり変えたりすることによって、段階的な温度上昇をせずにより小さい孔を得ることができる。
ゲル化および硬化中に孔の流体が減じたり膨張したりするのを防ぐために、化学先駆物質をゲル化に先立って随意に熱してもよい。さらに、ゾル・ゲルの不十分な乾燥を防ぐために、乾燥段階まで実質的に常時、ゲル形成に使う容器に必ず蓋をしておくこと、あるいは加圧しておくことが重要である。
ある乾燥プロセスの方法論によれば、完成したゾル・ゲルの液体成分を蒸発法によって除去することができる。例えば、サンプルのサイズと製剤によっては、約2時間から約20時間、温度約50℃から約100℃の間で減圧(真空圧)において行う蒸発サイクルが、ゾル・ゲルの液体成分の除去に効果的であることが確認されている。
別の乾燥プロセス方法論によれば、完成したゾル・ゲルのほとんどの液体成分を遠心分離によって除去し、残りの液体を蒸発法で除去することができる。本発明のフォームの固体マトリックスは、約2000rpm、より好ましくは1000rpm、さらにより好ましくは500rpmでの遠心分離による加工に十分耐え得る強さがあることが観察済みである。
さらに別の乾燥プロセス方法論によれば、ゾル・ゲル全体に圧力差を適用し液体成分を気体に置き換えることにより液体成分をゾル・ゲルから追い出すことによって、完成したゾル・ゲルのほとんどの液体成分を除去することができる。これを行うには、気圧をゾル・ゲルの片側にかけ、反対側を周辺圧力に曝せばよい。またこの代わりに、減圧(真空圧)をゾル・ゲルの片側にかけ、反対側を周辺圧力に曝してもよい。残りの液体は蒸発法によって上記のように除去することができる。蒸発を速めるために、例えば空気などの気体を熱してもよい。
さらにまた別のある乾燥プロセスの方法論によれば、完成したゾル・ゲルの液体成分をフリーズドライ(昇華乾燥)によって除去することができる。まず、ウェットなゲルを凍結する。次にそのゲルを減圧下に置くと凍結した溶剤が昇華する、すなわち液体相になる段階を飛び越して直接固体から気体に変わる。
さらに別の、より好ましい乾燥プロセスでは、低表面張力の溶剤を使ってゾル・ゲルを真空パージないしフラッシングする。孔の流体の抽出に使う溶剤の表面張力は、そのゾル・ゲルを作るために使った原溶剤の表面張力より低くあるべきである。まず、低表面張力の溶剤をゾル・ゲルの片側に供給する。次にゾル・ゲル全体に圧力差を加え、孔の原流体を除去し低表面張力溶剤をゾル・ゲルに押し通す。>低表面張力溶剤は孔から孔の原流体を「洗い」出し、置き換えることによって原流体の抽出を助ける。この溶剤は表面張力が低いので、ゾル・ゲルからの抽出がもっと容易である。フラッシングに適した溶剤としては、ヘキサン、エチルエーテル、ペンタン、2−メチルブタン、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、溶剤の混合物、あるいは1つの溶剤の後に別の溶剤を続けて使う方法などがある。理想的なフラッシング溶剤は2つの特性を持つものと考えられる。(1)フラッシング溶剤による孔流体の効果的な除去に求められる、孔流体との親和性、(2)フラッシング溶剤が孔の原流体を実質的に交換したのち、フラッシング溶剤を蒸発により比較的容易に抽出するのに適した低表面張力、(3)蒸発によって比較的容易にフラッシング溶剤を抽出するのに適した低沸点である。さらに、低表面張力溶剤をフリーズドライ、遠心分離、その他の方法で抽出することも考えられる。さらに、温度が上がるにつれ表面張力が下がるため、低表面張力溶剤とゾル・ゲルの両方または一方を予熱するのが好ましいとも考えられる。上記の真空パージまたはフラッシング法は周辺環境で行う。この方法の変更、例えば圧力を上昇させてのフラッシングなどにより、例えばブタンなど、より表面張力の低い溶剤を追加的に用いることができるかもしれない。
上記の真空パージまたはフラッシングによる乾燥プロセスの1つの実施態様として、本発明のSPMから成る空洞シリンダー構造の生成がある。この実施態様における構造は、直径の大きい外側シリンダーの中に内側シリンダーを含む成形型内で形成された。成形型の少なくとも一端に蓋をしている。
このような空洞シリンダー構造(およびその他の立体構造)を作るために好ましいプロセスにおいて、乾燥プロセスを行うためにゾル・ゲルから成形型を取り外す必要はない。このプロセスでは、成形型が完成品の一部になってもかまわない。ゾル・ゲルが完全に硬化した後、成形型の一端に低表面張力フラッシング溶剤を与え、圧力差を適用して成形型の反対側の端の開口部を通して溶剤を引き出す。これらの開口部は成形型の中で口あるいは穴の形状を取っている場合もあるし、あるいは完全に端の蓋が取り外れ、それによってより多くの表面が与えられ、それによって低表面張力フラッシング溶剤のより急速で均一に行き渡った通流が与えられる場合もある。成形型の長さが伸びるにつれ、ゾル・ゲルの両端の間の距離が大きくなり、真空パージまたはフラッシング乾燥プロセスにかかる時間が長くなる。
別の好ましいプロセスでは、ゾル・ゲルシリンダーを成形型から取り外し、シリンダーの内側か外側の壁に低表面張力のフラッシング溶剤を供給する。圧力差の適用により、低表面張力溶剤がゾル・ゲルを通過する。この方法によれば、構造物の壁を通してフラッシングないし乾燥のプロセスを行うので、このプロセスに要する時間は壁の厚みによって決まり、シリンダーの長さが伸びたからといって必ずしもプロセスにかかる時間が延びるとは限らない。随意に、目打ちのあるシートあるいは他の硬い物で、できればゾル・ゲルを通る低表面張力溶剤の流れを大幅に妨害することがないものを使ってゾル・ゲルを支えることができる。
本発明のプロセスは、広範な密度(例えば約50kg/mから約500kg/m)であること、オープン・セル構造であること、モノリシック形であること、最小限の劣化(収縮や亀裂)を示すこと、明らかなサイズや形の制限がないことなどといった特性の、ユニークでより良い組み合わせを持つSPMを与える。
水酸化芳香族と求電子性結合剤のゾル・ゲル重合プロセスは既知のものではあるが、そのようなプロセスはゲルの網状組織を強化する能力のある溶剤を使わずに行われてきた。例として米国特許番号5,945,084、5,476,878、5,556,892、4,873,218を参照。そのような既知のプロセスは時間のかかる乾燥計画案を要するものであったり、モノリシック形のフォームを与えないものである。これにより、用途が薄膜あるいは支援基質の生産に限られたり、あるいは顆粒あるいは薄いウェファーの生産に制限される。また、一部のゾル・ゲルプロセスによって、非臨界乾燥がもたらす圧力に耐え得る非収縮モノリシック・ゲルが作られてきたが、これらのプロセスは長い乾燥計画案を要す上、本発明がもたらすユニークな特性を示すフォームを生産しない。例として米国特許番号5,945,084、5,565,142を参照。具体的には、これらの物質はより高いバルク密度とより大きい粒子および孔サイズを持ち、固体構造内の閉孔がはるかに少ない。さらに、これら既知の物質の一部は炭化することができないため電気用途に使うことができない。
本発明のプロセスで役立っている水酸化芳香族は、フェノール、レゾルシノール、カテコール、ヒドロキノン、フロログルシノールを含む集合から選ぶのが好ましい。より好ましくは、水酸化芳香族はフェノール化合物を含む。さらにより好ましくは、水酸化芳香族は、ホルムアルデヒドなど本発明のプロセスで役立っている連結剤を用いて共重合された水酸化芳香族を含む溶解性高分子樹脂の一部を含む。
本発明のプロセスで役立っている求電子性連結剤は、アルデヒドおよびある種のアルコールを含む集合から選ぶのが好ましい。より好ましくは、アルデヒドはフルフラールまたはホルムアルデヒド、さらに好ましくはフルフラールであろう。アルコールとして適しているのはフルフラール・アルコールであろう。しかし、フルフラールはより好ましい求電子性連結剤である。
一般入手可能で、一部を予備重合した水酸化芳香族を使ってもよい。例えば、FurCarb LP520(イリノイ州ラファイエット市、QOケミカルス社)のような液体フェノール樹脂、またフェノール・ノボラック樹脂を使うことができ、後者にはGP−2018C、GP−5833、GP−2074(ジョージア州ディケーター市、ジョージアパシフィック社)があるが、中でもGP−2018cが最も好ましい。平均分子量が高めの樹脂(例えばGP−2018c)が、強度・硬度共に最高の完成品をもたらすようである。さらに、そのほかの変数がすべて同等であるならば、一般に樹脂の分子量が増えれば平均孔サイズが小さくなる。それらは固体フレークであり、本発明のプロセスで使うに先立ち、液体溶剤中に溶解する必要がある。また、ほぼ同じ重量のフルフラール中に溶解したフェノール・ノボラックを含むFurCarb UP520(イリノイ州ラファイエット市、QOケミカルス社)のような液体樹脂を使うこともできる。その場合、その液体樹脂は水酸化芳香族だけではなく求電子性連結剤も含む。しかし好ましくは、完成品の特性に影響を与える変数であるフェノール/フルフラールの比率の柔軟な調整を可能にすることから、フェノール樹脂の固体形が好ましい。水酸化芳香族と求電子性連結剤を予備重合したもの(例えばフェノール・ノボラックのフレーク)が使われる場合、ノボラック/フルフラールの比率を調整することにより、フェノール・ノボラックとフルフラールの架橋を最大限にし、フルフラールがフルフラール自身に架橋するのを最小限にする。各架橋はフルフラール分子とフェノール・ノボラックのサイトを使うものと考えられる。ノボラックにはそれぞれ、架橋が可能なある特定の数のサイトがあることから、極端な余剰を与えることなくできるだけ完全な架橋を達成するために十分な量のフルフラールを与えることが好ましい。ある特定の条件では、フルフラールを多く使い過ぎるとフルフラールが自らに対して架橋をし、性質の劣るフルフラール・フォームを形成することがある。
溶剤としては、水素結合ドナーとアクセプターの両方の役割を果たし、ポリマーのバックボーンにある複数のサイトと相互作用する能力を持つ反応化合物を含むものが好ましい。好ましい溶剤の例として脂肪族カルボン酸が挙げられる。より好ましいのは酢酸、蟻酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、およびそれらの異性体であり、中でも酢酸が好ましい。
いかなる特定の理論にも縛られないならば、水素結合溶剤を含む溶剤の場合、その溶剤は先駆物質を溶解し、架橋された生成物を沈降させ、その架橋生成物のバックボーンにある水酸化芳香族との水素結合付加生成物を形成すると考えられている。2つ以上の水酸化芳香族が関わるこの水素結合相互作用は追加的な架橋メカニズムをもたらし、先行技術によるゾル・ゲルに比べ、蒸発、遠心分離、気圧、真空といった乾燥方法が与える応力に比較的よく耐える、より強靭なゾル・ゲルを作り出す。
ゾル・ゲルの形成に触媒を用いることもできる。触媒は重合を促進し、既知の他のSPMと同等もしくはそれら以上に急速なゾル・ゲル形成をもたらす。米国特許番号5,556,892、4,402,927を参照。使用に好ましい触媒は、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸などの無機酸、および三塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素などのルイス酸である。触媒としてより好ましいのは塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸である。一般に、触媒の量を増やすとゲル化や硬化に要する時間が大幅に減る。しかし、触媒の量を増やすことは孔サイズの拡大にもつながる。
無機酸は好ましいが、同様の化学的特性を持つその他の市販の触媒、例えばQUACORR 2001触媒(QOケミカルス社、イリノイ州ウェスト・ラファイエット市)などを使ってもよい。この技術にある程度熟練した者であれば、現行の製剤に従った互換性のある触媒によって、無触媒の場合の速度を上回る架橋プロセスをもたらす求電子性芳香族置換反応の速度が増すということがわかるであろう。現行の製剤に関連し、触媒の増量、例えば一部の製剤においてはサンプルの総重量の約7%に至る量までの増量は、結果として得られる固体マトリックスの硬度を上げるが、結果として得られる有機フォーム内の平均孔サイズも大きくなる。
SPMのある種の有用な特性を増すため、あるいは反応を助けるために、反応混合物に他の適切な薬品を含めてもよい。例えば、結果として得られる有機SPMの内部の平均孔サイズを小さくし強度を増すために、アルコールを随意加えてもよい。随意に反応混合物に加えるこのアルコールの量は、約3%から約13%(混合物の総重量に対し)が好ましい。
アルコール添加あるいはアルコール含有量の増加は、孔サイズを小さくするための非常に有用で明らかな方法である。しかし、アルコール含有量の増加ないしアルコール添加は、ゲル化所要時間も増やす傾向がある。しかし、この望ましくない影響を相殺するために、他の変数の調整や変更をしつつアルコールが与える効果を利用することができる。例えば、アルコール含有量を増やすと同時に、ゲル化や硬化の温度を上げる(もしくは酸触媒を増量する)のが望ましいのではないか。こうすれば、アルコール含有量の増加が、高くなった温度(あるいは酸触媒の増量)によって大きくなる孔サイズを十分相殺して余りあると思われる。また、温度が高まったこと(もしくは酸触媒の増量)によってアルコール含有量の増加によるゲル化時間の延びが相殺されることになる。
しかし、ある特定のゲル化温度で加工する特定の製剤に対して添加が可能なアルコールの最大許容量はあり得る。この最大許容量を越える量のアルコールを添加すれば、孔サイズが小さくなり過ぎ、ゾル・ゲルが乾燥段階で収縮するかもしれない。
有用なアルコールの例としては、脂肪酸アルコールと多価アルコールが挙げられる。脂肪酸アルコールとして好ましいのは、エチル、1−または2−プロピル、一部のブチル(t−ブチルを除く)、ほとんどのペンチル・アルコールであるが、イソプロパノールが低毒性であり比較的安価であることからより好ましい。多価アルコールとして好ましいのはエチレン・グリコール、プロピレン・グリコール、グリセリンである。多価アルコールは非常に小さな孔サイズのSPMを形成する傾向がある。しかし、多価アルコールは蒸発による抽出をするのが難しい傾向があり(ただし、以下に説明する溶剤パージ技法を使い、もっと簡単に抽出することが可能)、乾燥で収縮するゲルを作り出す傾向がある。従って脂肪酸アルコールがより好ましい。
特に蒸発プロセスによる乾燥時に、おそらくは孔流体の表面張力を下げ、それにより孔流体の抽出(すなわち乾燥段階)をより容易にすることによって乾燥による収縮を削減ないし予防するために、反応混合物に界面活性剤を含めることも可能である。界面活性剤を使うことによって、界面活性剤を使わない場合に比べ、無収縮という同じ特徴を維持したまま、より小さい孔サイズで収縮のないモノリスを作り出すことができる。しかし、加工条件によっては、孔流体の除去後もある程度の界面活性剤が残ることがある。ゆえに、一部の用途(例えばインシュレーション用途)では、界面活性剤の使用は好ましくない場合があり、その場合は収縮を避けるために(界面活性剤の使用に頼らずに)他の変数(例えば材料の製剤や加工のパラメーター)を調整すべきである。例えば、電気用途で有用なカーボン化誘導体を形成するためにSPMを熱分解する場合は、熱分解の間に残留界面活性剤が除去されるので、界面活性剤が有用となり得る。
有用な界面活性剤の例としては、低分子量、非イオン系、一級アルコールのエトキシレートが挙げられる。そのような界面活性剤としては、NEODOL23−3およびNEODOL 23−5を含むNEODOL(シェル化学、テキサス州ヒューストン市)がある。別の例としてタージトル XL−80Nあるいはタージトル15−S−7(ユニオン・カーバイド社)があり、これらを使ってもよい。
希望であれば、フォームを化学的に活性化するために、先行技術で既知のものであり定義済みのドーピング剤を添加してもよい。ドーピング剤として有用なものとして、例えば金属粉、金属酸化物、金属塩、シリカ、アルミナ、アルミノ珪酸塩、カーボン・ブラック、繊維などがある。例として米国特許番号5,476,878および5,358,802を参照。
さらに、SPMをいっそう強化するために、ノボロイド繊維(アメリカン・キノール社(ニューヨーク州プレザントビル市)より入手可能な、フェノールとホルムアルデヒドを原料とした有機ポリマー)を含む添加剤を用いてもよい。そのようなノボロイド繊維添加剤はゲルに構造強度を与え、ノボロイド繊維を使わない場合に比べてより軽く密でない物質の生成に役立つ可能性がある。ノボロイド繊維は本発明のベースとなっている樹脂と融和性があるので、ノボロイド繊維とゲルを架橋させて、整合性のあるマトリックスを形成することができる。また、ノボロイド繊維を完全に熱分解し、本発明における熱分解したフォームと融和性のある炭化形にすることができる。
他の装置に機械的に付着させるために使うことができるように、完成フォーム品の底に沈降して非常に硬い基礎を作るようなやり方で繊維を添加し得るものと考えられる。また、ゲルをゆっくり回転させることによってゾル・ゲル全体に繊維を均等に分配することもでき、またあるいは繊維の沈降を防ぐために十分な粘度を持つゾル・ゲルであれば、繊維を添加することができる。
耐火性添加剤を加えることもできる。典型的に耐火性薬品は臭素、塩素、アンチモン、ホウ素、リンの組み合わせがベースである。これらの抑制剤の多くは、加熱によって消火ガス(ハロゲン)を放出する。その他のものは、膨潤または発泡による反応を通して熱や炎に対する断熱バリアを形成する。従って、本発明において有用で模範的な耐火剤の1つは2,3−ジブロモプロパノールである。
ここで説明する製剤は、観測可能な収縮のないSPMだが(すなわち最終製品は、最終製品の元となったゾル・ゲルと実質上物理的に同じサイズである)、正しいバランスの製剤でない場合はそれらのSPMは乾燥プロセスで収縮することになる。ゾル・ゲルの総合的強度とその中の孔のサイズは、収縮傾向に影響を与える要因である。フォームの強度は密度と相関する(すなわち他のすべての変数が同等なら、密度の高いフォームの方が密度の低いフォームより強度が高い)。乾燥によって収縮するというゾル・ゲルの傾向は、孔サイズと相関する(すなわち、他のすべての変数が同等なら、より小さい孔のフォームの方が大きい孔のものよりも収縮しやすい)。ゆえに、比較的強く均整の取れた固体毛細網状組織は、乾燥時の収縮傾向が低くなり、マイクロポアのゾル・ゲルは乾燥による収縮傾向が高くなる。
求められる特性を併せ持つものを入手するために、製剤を調整してもよい。多くの用途において、比較的強く硬いフォームであると同時に比較的低い密度と比較的小さい孔サイズを併せ持つものが理想的な材料である。ゆえに、本発明の有機SPMの生成に関してしばしば目標となるのは、SPM材料の強度と硬度を最大限にすると同時に、比較的低密度の生成物を作り出し、さらに孔サイズを最小限にして収縮のない生成物の生成を維持することのできる最小の直径の孔を作ることである。
断熱用途にSPMが使われる場合は、密度を下げたり孔サイズを小さくしたりすることによって熱伝導性あるいは熱伝導が下がるかもしれない。一般に、熱伝導には三つのタイプがある。固体伝導、気体伝導、放射伝導である。例としてMaterials Research誌第9巻3号(1994年3月号)「有機および無機エアロゲルの熱特性」を参照。SPMのような低密度の多孔性物質は典型的に固体伝導が低い。密度が高めのSPMは一般に固体伝導が高い。不透明のSPMも典型的に放射伝導が低い。SPMが透明に近づくにつれ、放射伝導が増す。放射伝導を下げるために、本発明で好ましいSPMは不透明化剤を用いずに黒色のものである。
有用な断熱性を持つSPMを作り上げるためには、気体伝導を最小限にするのが望ましい。ほとんどの気体伝導は、気体分子の衝突によって互いに熱が伝わり合い、それにより断熱材の「熱い側」から「冷たい側」へ熱が移動することによって起きる。気体伝導をなくす一つの方法は、気体をすべて除去することである(例えばSPMを高真空下に置くこと)。しかしこれは実用的ではないので、高真空にしなくてもSPMの伝導が低いことが望ましい。平均孔径を小さめにすることによって、また好ましくは平均自由プロセス(MFP、すなわち気体分子が別の気体分子に衝突するまでに移動する距離の平均)よりも小さくすることによってこれを達成できる。
周辺圧力では、MFPがかなり短いため、孔の対面の間の距離がMFPよりも小さく気体伝導の低いSPMを生成するのはより困難になる。しかし圧力が下がるにつれMFPが長くなり、MFPより小さいサイズの孔を持つSPMをより簡単に作ることができる。本発明のSPMは、約10トル未満の圧力では非常に低い気体熱伝導性を示す。
しかし、より小さいサイズの孔は、熱伝導性をより低くするためには一般に望ましいものの、流体抽出(乾燥)に要する時間と労力を増加してしまう。さらに、すべての事柄が同等であるなら、より小さい孔のサイズは収縮の危険を増すかもしれない。
本発明に沿ったプロセスなら、小さい孔サイズ(孔径)で小さい平均孔域の、最小限の収縮のSPMを生成することができる。例えば、上記の真空パージプロセスを商業規模で使い、商業規模の蒸発乾燥で実用的な孔よりも小さい孔を持つ収縮のないモノリスを得ることができる。蒸発乾燥を用いる場合は、製剤に界面活性剤を含めることによって乾燥が促進され、収縮のないモノリスが与えられる。求められる特性を併せ持つものを入手するために、製剤や加工条件を調整してもよい。
密度を変えることができるので、固体含有量の低い、あるいは高い製剤を用いることによって熱伝導性を変えることができる。周辺条件では、低めの密度のSPMは低めの固体伝導であり、気体伝導が支配的になる。ゆえに、高めの密度のSPMは周辺条件においては典型的に、総合的に低めの熱伝導性になる。低圧では、放射熱伝導を無視すれば固体伝導が支配的であり、放射熱伝導を無視すれば気体伝導はほとんどない。ゆえに、真空排気によって気圧を下げることによって気体伝導のほとんどをなくせば、低めの密度のSPMは高密度のSPMよりも低い総熱伝導性を示す。
孔サイズを変えるためにも、またそれゆえ平均孔域を変えるためにも密度を変えることができる。他の変数がすべて同等であれば、より高い密度は一般により小さい孔を結果的にもたらす。しかし、より高い密度のSPMはより多くの先駆薬品を必要とし、そのため生成により多くの費用がかかる。ゆえに、製剤や加工条件を調整し、密度、孔サイズ(平均孔径と平均孔域)、費用、熱伝導性のバランスを適切にする必要がある。
本発明のSPMを作るための好ましい製剤(すべて重量%)には、酢酸約70%から約80%(溶剤として)、イソプロピルアルコール「IPA」約5%から約11%(添加剤として)、臭化水素酸約2%から約7%(触媒として)、ノボラック約4%から約8%(水酸化芳香族として)、およびフルフラール約2%から約7%(求電子性連結剤として)が含まれる。さらにより好ましい製剤には、酢酸77%、イソプロピルアルコール7%、臭化水素酸5%、ノボラック6%、およびフルフラール5%が含まれる。別の好ましい製剤は、臭化水素酸の代わりに硫酸を触媒として含む。
上記製剤のイソプロパノール成分の代わりに、同量の1−プロパノールまたはモルでほぼ同等(1.1g)のエタノールを使ってもよく、完成物質になんら明らかな変化はない。他のアルコールを使っても成功する可能性がある。
上記製剤の酸成分を最高1ポイントまで増やすことによって、より強度のある物質が生成される例えば、臭化水素酸を使う場合、明らかに有害な影響(例えば反応速度が速すぎ、大きい粒子と孔が作られ、外観上劣るゲルになるなど)を何も出さずにその成分を約7%(重量)まで増やすことができるが、ある量を超えると、より強度のあるゲルを生成する傾向が減少する。より安価な塩化水素酸を臭化水素酸の代わりに使ってもよいが、臭化水素酸を使って作ったものに比べ、結果的に得られるSPM材の孔がより大きくなる。硫酸を使ってもよく、比較的強度と硬度のあるゲルが生成される。しかし、一部のガラスやプラスチックの成形型の場合、硫酸の使用によってゾル・ゲルを形成する能力が妨げられることがある。これを克服する方法としては、ガラスやプラスチックの成形型を硫酸で先に処置しておく方法などがある。
この技術にある程度熟練した者であれば、上記プロセスのパラメーターの範囲にある変動、例えば製剤、温度、乾燥方法などの変動が、制御された平均孔サイズおよび用途によるニーズに合わせて調整可能な、より良い固体網状組織の強度を有すSPMを作り出し得ることがわかるであろう。そのようなSPMを、大きくて亀裂のない網形のモノリスに形成することができる。
上記の改良された手順に沿って形成した物を含め本発明のSPMは、さらに加工することができる。例えば、炭素フォームを作るためにSPMを熱分解してもよい。そのような炭化フォームは特に有用な電気的特性を有す。例えば、炭化フォームは電気抵抗が低く電導性である。そのようなSPMは表面積が大きいので、極めて優れた蓄電能力を持っている。よく知られた熱分解プロセスならどれでも使うことができる。例として米国特許番号5,744,510を参照。
さらに、ある標準的な形で形成されるSPMの場合、SPMをそのまま切断したり機械加工をしたり、用途に合わせてモノリスの形を調整するために形成することができる。本発明のSPMは、最終製品が隙間なく適合するように、様々な形やサイズの鋳型や成形型の中でin−situで形成するのが好ましい。このような状況において、SPMは実質的に収縮を示さないはずであり、従ってin−situ形成の間もSPMは用途のサイズを維持する。ゆえに、壁の中または断熱バリア(例えば冷蔵トラック、建物、あるいは航空機内での使用)でin−situ形成するSPMでは、形成されたSPMは壁あるいは断熱バリア内の空間を実質的に占有することになる。
本発明がよりよく理解されるように、以下の実施例を記す。
ゾル・ゲル重合プロセスにより本発明のSPMのサンプルを調製した。上述のように、このゾル・ゲルプロセスには液体溶剤内の連続固体マトリックスの形成が含まれる。このプロセスの溶剤は後に除去され、乾燥した固体マトリックスが後に残る。以下に説明する方法によって調製したサンプルからこの液体を除去することが容易であることが観測されたことにより、固体網状組織内にある溶剤充てんされた孔が開いており大気に触れ得ることがわかる。ゆえに、調製したSPMは、固体中の開孔の約80%以上、また実質的に100%を含むオープン・セルの連続的な網状組織を有していた。
具体的な製造プロセスおよび使用した先駆物質を以下に記す。特別に説明がないかぎり、調製した各SPMは以下のサイズであった。長さ25mm、直径36mmのシリンダー(25.5mL)。調製した各SPMは、ホルムアルデヒドとレゾルシノールまたはノボラック架橋を用いた実施例を除き黒である。
サンプルを調製した後、一連の分析試験を行うか目視検査をした。分析試験については以下により詳細に説明する。例えば、SPMが何らかの収縮を示したか、SPMの上部は平らかそれともくぼんだか、SPMの上部は内側に押し込まれているか、もし押し込まれているならどの程度か(強度と硬度を相対的に見積もる簡単な方法)、そしてSPMを割ったときに割れ目がきれいかそれとも開裂しているか、それはどの程度かといった項目について目視検査を行った。
一般にサンプルはそれぞれ下記の表1に示す乾燥方法のいずれかを用いて調製した(別の説明がないかぎり)。サンプルを調製するために要した合計時間(ゲル化、硬化、乾燥)は約24時間未満であったが、Iの方法を用いて調製したサンプルの一部は例外である。この技術に熟練した者ならば、Iの方法を用いて乾燥した例に、ここで説明した他の乾燥方法を使えば、サンプルの乾燥にかかる時間が短くなり得ることを認めるだろう。
Figure 0004570330
以下、表2および表3が示すように、実施例1から実施例12までは表1の方法Iに従って調製・乾燥した。調製した実施例1から実施例12の複製調整材(「a」)は、フラッシング段階に使うための、表面張力がより低い溶剤としてペンタンを用いる真空パージ/フラッシング法すなわち方法Vを使って乾燥した。実施例1、2、7、11には真空パージ/フラッシング乾燥法は使わなかった(表3)。
Figure 0004570330
Figure 0004570330
表3は実施例1−実施例12の物性のいくつかを示す。これらの実施例はすべてSPMである。一部の実施例はさらにLDMMおよびエアロゲルとして特徴づけられることが示されている。これは、ゾル・ゲルの製剤を変化させることによって達成される物性の範囲を示す。これらの物質の機械強度は様々であり、実施例1はほぼ圧縮が不可能であるのに対し実施例8は負担がかかった状態で50%の圧縮率になっている。実施例1から12の表面積を見ると、1からほぼ200m/gまで様々である。
表3も本発明のSPMを示しており、LDMM類およびエアロゲル類の分類に入るものが含まれており、70%のオープンな空間(空隙率)がある。オープンな空間とはフォームの総合容積のうち固体網状組織が占有していない部分である。
以下表4が示すように、実施例13から実施例17は水酸化芳香族と求電子性連結材の成分として液体フェノール・フルフラール樹脂(FurCarb)を使って調製した。これらの製剤を60mLのプラスチック瓶内で混合し、30グラムのサンプルを作った。アルコール(含まれる場合)を酢酸と混合した後、その酢酸溶液にFurCarbを溶解し、次に混合しながら酸をゆっくり加えた。次に瓶に蓋をして約1分間手で振った。次にそのサンプルを60℃のオーブンに6時間から8時間入れ、その後、孔流体を特定の乾燥方法によって除去した。
Figure 0004570330
実施例13から17はSPMである。結果として得られるフォームの検査によれば、アルコールの添加によって、アルコールを含めなかった製剤に比べ、より硬度があり孔径が小さく、より高品質のフォームが生成された。
固体フェノール・ノボラックのフレーク樹脂を使って、以下表5から表9が示す実施例18−39を調製した。これらの製剤をプラスチック瓶内で混合した。酢酸にアルコール成分を加えた後、酸触媒を加えて緩やかに混合した。界面活性剤成分(含まれている場合)を次に加え、続いて樹脂、続いて架橋剤(フルフラールまたはホルムアルデヒド)を加えた。次に瓶に蓋をして約1分間手で振った。次にそのサンプルを40℃のゲル化オーブンに8時間入れ、次に80℃の硬化オーブンに移して8時間おき、その後、孔流体を上述の方法Iによって除去した。
Figure 0004570330
実施例18から実施例22は、最も低い平均分子量のものから最も高い平均分子量のものまでを順に記載した上記のジョージア・パシフィック社製の数種の異なるフェノール・ノボラックのフレーク樹脂を使って調製したSPMである。実施例18から実施例22は、約1000nm未満の平均孔径に相当する約0.8m未満の平均孔域であることを目安として、さらにLDMM類として分類されている。実施例22も、(直径が1−300nmの孔の)平均孔径が2−50nm(13nm)の間にあることおよびそのような孔が孔容積全体の50%以上を占めることを目安にエアロゲルとして分類されている。
Figure 0004570330
Figure 0004570330
Figure 0004570330
実施例23から33は異なるいくつかのアルコール添加剤を使って調製した。ポリアルコールを使ったサンプル(実施例31−33)が収縮を示したのを例外とし、これらすべての製剤は一般に収縮のない好ましいモノリシック・フォームを生成した。実施例23から30は、実施例11(これはSPMであり、より詳細にはエアロゲルと分類されている)と類似した組成を有し、実施例11に使われたゲルおよび硬化条件と類似した条件を用いて調製されたものであることから、SPMと考えられる。実施例23から30と実施例11の定性的な比較に加え、これらの実施例の組成上の違いが平均孔域を500m以上にしたとは考えられない。さらに実施例31から33は、実施例23から30よりもさらに小さい孔を生成したであろう収縮を示したことから、やはりSPMと考えられる。
Figure 0004570330
実施例34から39の製剤は、好ましい外観と硬度を持つ、収縮のないモノリシックSPMを生み出した。実施例35から実施例−39はSPMであり、実施例35は約1000nm未満の平均孔径に相当する約0.8m(0.06m)未満の平均孔域であることを目安として、さらにLDMMと分類される。実施例34も、実施例19(SPM)と類似した組成を有し、実施例19に使われたゲルおよび硬化条件と類似した条件を用いて調製されたものであることから、やはりSPMと考えられる。実施例34は実施例19と異なり追加的にフルフラールを加えることはしていないが、これによって平均孔域が500m以上になったとは考えられない。
下表10で示すように実施例40から45は、フェノール樹脂成分の代わりに非フェノール樹脂(実施例40)またはモノマー水酸化芳香族(実施例41−45)を使用した以外は実施例18から39と同じプロセスで調製した。
Figure 0004570330
実施例40から45は、フェノール樹脂以外の様々な水酸化芳香族を使って調製したSPMである。さらに実施例41および実施例45は、約1000nm未満の平均孔径に相当する約0.8m(実施例41が0.1、実施例45が0.01m)未満の平均孔域であることを目安として、さらにLDMM類として分類されている。
実施例40から45は適切なモノリスを生成したが、フェノール樹脂を用いた製剤で生成した物質の方が高い質であることが観察された。モノマー・レゾルシノール製剤(実施例41および45)のゾル・ゲルの形成は適度であり、乾燥で収縮と亀裂が起きた。その他の製剤は収縮もしくは亀裂をほとんどあるいは全く示さなかった。
実施例42も、表面積を定めるためにBET法を使ってテストした。分析の結果、表面積は約300m/g以上であることが示された。
下表11で示すように実施例46から51は、合計8時間一定の温度でゲル化と硬化を行った後、ヘキサンを使った溶剤フラッシングと真空による圧力差によって孔流体を除去したが、それ以外は実施例18から39と同じプロセスで調製した。
Figure 0004570330
実施例46から51の製剤は収縮のないモノリスを生成した。これらの製剤は、実施例3、4、9(いずれもSPM)と類似した組成を有し、これらに使われたゲルおよび硬化条件と類似した条件を用いて調製されたものであることから、SPMと考えられる。実施例49および50の平均孔域測定をさらに行った結果、これらがSPMであること(実施例50はLDMM)、また組成とゲル・硬化条件に基づき、表3の実施例との比較が有効であることが確認された。これらのSPMは、モノリスに収縮や亀裂がなく見たところ何の欠陥もなく、またサンプルを通る流体のフロー・レートによって、下記の実施例63と同様の非常に小さい孔サイズであることが示された。また、この乾燥方法はここで使った他のいずれの乾燥方法よりも早く乾燥済みサンプルを生成した。
下表12が示すように実施例52と53は、製剤を40℃で8時間ゲル化し、60℃で8時間硬化した後、方法Iによって乾燥した。これらの実施例は、本発明のプロセスを使ってバルク密度を含む広範な特性を持つSPMを作ることができることを示している。
Figure 0004570330
実施例52と53はSPMと考えられる。これらの実施例は、実施例52が実施例11と、また実施例53が実施例12とそれぞれ類似した組成を有し(いずれもSPM)、実施例52が実施例11、実施例53が実施例12に使われたゲルおよび硬化条件と類似した条件を用いて調製された。さらに実施例52と53は、実施例11と12よりも密度が高く、高い密度はより小さい孔につながると考えられていることから、実施例11と12よりも小さい平均孔域を持つものと考えられる。
実施例54から56は下表13が示すように、実施例18から39と同じプロセスで調製した。これらのサンプルはそれぞれ固体含有量が11%で密度が約110kg/mであった。次にこれらのサンプルを固態13C NMR分光測定した。これは、約1.1%で豊富に自然発生する13C同位元素を含む有機分子の存在を検知するための検査である。この技法は乾燥したゲルに含まれる有機化合物およびゲルの網状組織を成す構造上の特徴に関する情報を与えるもので、特にNMRによって、ある特定分子の存在を示す結合パターンに関する情報が与えられる。
Figure 0004570330
実施例54から56は、実施例39、22、20(いずれもSPM)と類似した組成を有し、これらに使われたゲルおよび硬化条件と類似した条件を用いて調製されたものであることから、SPMと考えられる。これらの実施例の定性的比較に加え、組成やプロセス条件の違い(例えば実施例54では実施例39と異なり硫酸の代わりに臭化水素酸を使ったことや、実施例56にIPAが含まれていないことなど)が、平均孔域を500m以上に高めたとは考えられない。
これらの実施例は、より長く乾燥をした後でさえも、乾燥したゲルに酢酸が残っていることを示している。このように酢酸が乾燥中に蒸発しなかったことは、酢酸が水素結合によって網状組織に強く結び付いていることを示している。このことは、酢酸が水素結合のメカニズムによってゲルを強化するという仮説を裏付けている。
実施例54と55にはイソプロパノールの混和を示す証拠は見られない。イソプロパノールは水素結合力が酢酸よりも弱いことで知られており、真空排気による除去がより容易である。
実施例54は界面活性剤NEODOLを使った。この物質の存在をNMR分析が示しており、NEODOLが乾燥後のゾル・ゲルに残っていることを裏付けている。界面活性剤は実施例37から39(タージトルXL−80Nを使用)および実施例29から33(NEODOL23−5を使用)で説明されている大型のモノリシック・ゲルを生成するために望ましく、実施例54のNMRデータは乾燥後のゲルに界面活性剤が存在していることを裏付けている。NEODOLの共鳴は架橋フルフラールの共鳴と重なるため、後者の定量化が不可能であることが証明された。しかし、スペクトルは実施例54にNEODOLが存在していることを明らかに示している。
実施例57から61は下表14が示すように、実施例18から39と同じプロセスで調製した。これらのサンプルはSPMと考えられる。実施例57は17と、実施例60は22と、実施例61は9とそれぞれ類似した組成を有し(いずれもSPM)、実施例57は17、実施例60は22、実施例61は9にそれぞれ使われたゲルおよび硬化条件と類似した条件を用いて調製された。さらに実施例58と59は実施例11(SPM)と類似した組成を有し、実施例11に使われたゲルおよび硬化条件と類似した条件を用いて調製された。これらの実施例の定性的比較に加え、組成やプロセス条件の違い(例えば実施例60ではNEODOLを添加)が、平均孔域を500m以上に高めたとは考えられない。
次に、実施例57から61で生成されたフォームを、特に電気用途で有用な炭化誘導体を生成するために熱分解した。具体的には、フォームをセラミック製の菅に入れ、アルゴン・ガスで数時間密封パージした。次にその菅を、以下のように設定した高温菅オーブンに入れた。2時間で22℃から250℃に加熱、250℃で4時間置き、9.5時間で250℃から1050度に加熱、1050℃で9.5時間置く。
表14が示すように、炭化誘導体は約48−56%の容積損失、約51−67%の質量損失を示した。熱分解による収縮が考えられる。しかし本発明のSPMは、約70%以上の収縮を典型的に示す先行技術に比べ大幅の改善を示した。
Figure 0004570330
下表15が示す実施例62および63も調製され、これらもSPMと考えられる。実施例62は17と、実施例63は11とそれぞれ類似した組成を有し(いずれもSPM)、実施例62は17、実施例63は11にそれぞれに使われたゲルおよび硬化条件と類似した条件を用いて調製された。これらの実施例の定性的比較に加え、組成やプロセス条件の違い(例えば実施例63では乾燥法IVを使用)が、平均孔域を500m以上に高めたとは考えられない。
Figure 0004570330
下表16および17が示す実施例64から72も調製され、これらもSPMと考えられる。実施例64から66は実施例13から17(いずれもSPM)と同じプロセスで調製し、方法Iで乾燥した(具体的な比較は表16を参照)。実施例67から71は、実施例18から39(これらはSPMである、あるいはSPMだと考えられる)と同じプロセスで調製した。(具体的な比較は表16を参照)これらの実施例の定性的比較に加え、組成やプロセス条件の何らかの違い(例えば実施例63では乾燥法IVを使用)が、平均孔域を500m以上に高めたとは考えられない。
実施例64から72の熱伝導性を求めるためにテストをした。熱伝導性を求めるに先立ち、実施例67(実施例73で調製したサンプルから帯鋸を使って切断されたもの)を100℃で5時間加熱して残留界面活性剤を除去した。
Figure 0004570330
Figure 0004570330
下表18が示すように実施例73は、各薬品を1000ml瓶で混合した後、8.3リットルのRubbermaid(登録商標)収納容器の約半量よりやや多いところまで満たして混ぜ合わせた以外は、実施例18から39と同じプロセスで調製した。その結果得られたフォームは収縮がないモノリシックSPMであり、サイズは6.2cm×23cm×34cmであった。
また、同じ薬品混合物から、より小さいサンプルを調製した(実施例63)。表15が示すように、そのサンプルは(しかるに実施例73も)密度が110mg/ccであり、BJH法による計測で平均孔径が41nm、表面積が40m/gであった。
Figure 0004570330
実施例74と75は下表19が示すように、実施例18から39と同じプロセスで調製した。実施例74と75はSPMと考えられる。実施例74もLDMMと考えられ、これは実施例22(これはSPMであり、より詳細にはエアロゲルと分類されている)と同じ組成を有し、実施例22に使われたゲルおよび硬化条件と同じ条件を用いて調製された。さらに、実施例75は実施例22と類似した組成を持ち、類似したゲルおよび硬化条件で調製された。NEODOLの添加が平均孔域を500m以上に高めたとは考えられない。これらの実施例は、製剤に界面活性剤を加えることにより収縮の大幅な削減ないし除去が可能であることを示している。
Figure 0004570330
(特性の認識に用いた技法)
トプコン701LaB6型走査電子顕微鏡(SEM)を使って物質の表面の画像を入手し、孔域を測定した。これらの物質は電導性があり、すなわちAuあるいは炭素でスパッター・コートされていないため、そのまま検査することができる。次にその孔域を粒子サイズ分析ソフトウェア(具体的にはNIHから入手可能なImageJ)を使って求めた。
バルク密度は物質caのディスクを使って測定した。直径2.5cm×厚み1cmである。ディスクのサイズの計測にはキャリパーを用い、±0.001gのバランスで質量を測定した。Micromeritics Accupyc 1330ヘリウム・ピクノメーターと超高純度(UHP)Heを使って骨格密度(別称「真」密度)を測定した。直径0.70インチ、深さ1.5インチのサイズのカップをサンプルに使用し、サンプルをMettler天秤で±0.00005gに計測した。そのようにして得た骨格密度とバルク密度を元に物質の空隙率(%)を計算した。典型的に>90%である。
Smart Prep脱気ユニットを取り付けたMicromeritics Tristar 3000を使って表面積と孔容積を測定した。分析にはUHP N2ガスを使った。少なくとも20時間、最高72時間に渡り200℃で乾燥窒素を流しながらサンプルの脱気をした。脱気処理後の計測で、サンプルの重量は±0.001gであった。物質の表面積を求めるために5点BET(Brunauer Emmett Tellerの略)計算を使った。典型的な範囲が0.01−0.99である相対圧力における、NのマルチポイントBJH(Barrett、Joyner、Halendaの略)吸着曲線を元に累積孔容積と平均孔径を計算した。この孔容積計算は、直径が1.7−300nmの孔のみを含む。BJHから得た累積孔容積と骨格密度を使って、1.7−300nmの直径を持つ孔からなる総合容積のパーセンテージを求めることができる。
ここで扱っているSPMの説明と特徴を表すために孔域を使った。本物質と他の物質を比較する場合は、報告されている孔径を孔域(面積=Πr)に変換すべきである。
物質の相対機械強度は、各サンプルの約直径2.5cm、厚さ1cmのディスクを使って測定した。サンプルディスクの上に載せたステンレス・スチール製のシリンダーに納めたステンレス・スチール製のホルダーの中にサンプルを入れた。サンプルを5分間17インチのHg真空にさらし、真空における物質の圧縮を計った。また、キャリパーを使ってサンプルの永久変形も測定した。
熱伝導性は2つの技法を用いて測定した。ホット・ワイアと定常状態薄型ヒーターである。ホット・ワイア技法では、直径0.001インチのタングステン・ワイアをシリンダーの長さにしたものを使ってSPMのシリンダー状のサンプルを作った。典型的なサンプルは直径2.0cm、長さ5.0から7.0cmであった。次にサンプルを真空室に入れ、適用電力の作用としてワイアを流れる電流と電圧を測定した。ワイアの抵抗、すなわちワイアの温度を次に計算し、時間的にグラフに表し理論上のモデルに合わせた。次に適応作用から熱伝導性を算出した。例として、High Temperature High Pressures誌1993年第25巻p391−402「低熱伝導性の多孔性物質へのホット・ワイア法の応用」、第13版ECTP議事録p219−230を参照。この方法によって、熱伝導性を圧力の作用として計算した。
定常状態薄型ヒーター技法では、厚さ1cm、直径6cmのSPMサンプルの間に、厚さ0.04cm、一辺が4.5cmの四角形のヒーターを挟む。熱伝対はサンプルの内面および外面に設置する。次にアルミニウムのヒート・シンクを使ってサンプルとヒーターをまとめておき、サンプルの間に一切隙間がないようにする。次に、ヒーターを熱平衡状態にしてからスイッチを切り、その間の温度上昇および下降を時間曲線に対してフィットすることによって熱伝導性を計算する。例としてASTM C1114−00を参照。ホット・ワイア技法の場合と同様、測定の間サンプルを真空室に入れることによって、圧力の作用として熱伝導性を計算できるようにする。
上述のように、低密度と超多孔性の開孔率を示す物質は多くの好ましい物性を持つ。この用途で報告されているテストや測定は、ここで開示する物質がこれら両方の性質を持ち合わせていることを示している。さらに、ここで開示した物質は広範な形とサイズで生成することが可能であり、先行技術物質で報告されていた時間よりも短い時間でプロセスを完了し得る。さらに本用途は、前述の物質より安価な出発材料とより容易な加工条件を用いた物質と製剤プロセスの新しい組成を開示する。
本発明の説明と模範のために特定の物質、製剤、作業手順、プロセス・パラメーター、および最終製品を示したが、それらによって制限が与えられるものではない。むしろこの技術にある程度熟練した者であれば、ここに書かれた開示は具体例としてのみのものであり、本発明の範囲内で他に様々な代替、調節、および改良があり得ることに気づくはずである。従って、本発明はここで示した具体例に限られることはなく、以下の請求項によってのみ制限される。
当該具体例の本文に含まれるあらゆる引用を、それら全体の引用によってここに組み込む。

Claims (76)

  1. 最小寸法が3インチより大きいモノリシック・エアロゲルから成る有機小孔域性材料であり、当該エアロゲルには亀裂がなく、該エアロゲルが脂肪族カルボン酸を含有し、該脂肪族カルボン酸が、該有機小孔域性材料構造内に組み込まれ、該有機小孔域性材料が、以下の工程:
    (a)ヒドロキシル化芳香族、求電子性連結剤、および30〜97重量%の該脂肪族カルボン酸を含む溶液を形成する工程;
    (b)当該溶液をゾル・ゲル化する工程;および
    (c)非臨界乾燥方法を用いて当該ゾル・ゲルからすべての流体部分を除去する工程、を包含する方法によって調製される、
    有機小孔域性材料。
  2. 最小寸法が3インチより大きい、非臨界乾燥プロセスを使って調製したモノリシック・エアロゲルから成る有機小孔域性材料であり、当該エアロゲルには亀裂がなく、当該エアロゲルが脂肪族カルボン酸を含有し、該脂肪族カルボン酸が、該有機小孔域性材料構造内に組み込まれ、該有機小孔域性材料が、以下の工程:
    (a)ヒドロキシル化芳香族、求電子性連結剤、および30〜97重量%の該脂肪族カルボン酸を含む溶液を形成する工程;
    (b)当該溶液をゾル・ゲル化する工程;および
    (c)非臨界乾燥方法を用いて当該ゾル・ゲルからすべての流体部分を除去する工程、を包含する方法によって調製される、
    有機小孔域性材料。
  3. 200m/g未満の表面積を持ち、非臨界乾燥プロセスを使って調製したモノリシック・エアロゲルから成る有機小孔域性材料であって、当該エアロゲルには亀裂がなく、該エアロゲルが脂肪族カルボン酸を含有し、該脂肪族カルボン酸が、該有機小孔域性材料構造内に組み込まれ、該有機小孔域性材料が、以下の工程:
    (a)ヒドロキシル化芳香族、求電子性連結剤、および30〜97重量%の該脂肪族カルボン酸を含む溶液を形成する工程;
    (b)当該溶液をゾル・ゲル化する工程;および
    (c)非臨界乾燥方法を用いて当該ゾル・ゲルからすべての流体部分を除去する工程、を包含する方法によって調製される、
    有機小孔域性材料。
  4. 請求項3に記載の有機小孔域性材料であって、300kg/m未満の密度を有する、有機小孔域性材料。
  5. 24時間未満で乾燥された、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料。
  6. 請求項1または2に記載の有機小孔域性材料であり、当該エアロゲルの収縮率は25%未満(容積に基づく)である、有機小孔域性材料。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料であり、当該エアロゲルは収縮しない、有機小孔域性材料。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料であり、平均孔域は200μm未満である、有機小孔域性材料。
  9. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料であり、平均孔域は100μm未満である、有機小孔域性材料。
  10. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料であり、平均孔域は50μm未満である、有機小孔域性材料。
  11. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料であり、平均孔域は0.8μm未満である、有機小孔域性材料。
  12. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料であり、平均孔域は2000nm未満である、有機小孔域性材料。
  13. 24時間未満にその場(in−situ)で調製された請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料。
  14. 以下のような、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料:
    (a)該有機小孔域性材料の孔の80%より多くが開かれた孔である;
    (b)該有機小孔域性材料が300kg/m未満の密度を有する。
  15. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料であり、密度は275kg/m未満である、有機小孔域性材料。
  16. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料であり、密度は250kg/m未満である、有機小孔域性材料。
  17. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料であり、密度は150kg/m未満である、有機小孔域性材料。
  18. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料であり、密度は100kg/m未満である、有機小孔域性材料。
  19. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料であり、当該有機小孔域性材料は10トルまでの圧力で0.0135W/(m・K)未満の熱伝導性を持ち、当該材料はモノリシック形であり非臨界乾燥プロセスによって形成される、有機小孔域性材料。
  20. 10トルまでの圧力で0.008W/(m・K)未満の熱伝導性を持つ、請求項19に記載の有機小孔域性材料。
  21. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料であり、当該有機小孔域性材料は1トルまでの圧力で0.009W/(m・K)未満の熱伝導性を持ち、当該材料はモノリシック形であり非臨界乾燥プロセスによって形成される、有機小孔域性材料。
  22. 1トルまでの圧力で0.007W/(m・K)未満の熱伝導性を持つ、請求項21に記載の有機小孔域性材料。
  23. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料であり、当該有機小孔域性材料は0.1トルまでの圧力で0.005W/(m・K)未満の熱伝導性を持ち、当該材料はモノリシック形であり非臨界乾燥プロセスによって形成される、有機小孔域性材料。
  24. 0.1トルまでの圧力で0.0035W/(m・K)未満の熱伝導性を持つ、請求項23に記載の有機小孔域性材料。
  25. 当該脂肪族カルボン酸が、酢酸、蟻酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、及びそれらの異性体から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料。
  26. 当該脂肪族カルボン酸が酢酸である、請求項25に記載の有機小孔域性材料。
  27. 当該ヒドロキシル化芳香族がヒドロキシル化ベンゼン化合物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料。
  28. 当該ヒドロキシル化芳香族がフェノール・ノボラック樹脂を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料。
  29. 当該求電子性連結剤がアルデヒドを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料。
  30. 当該求電子性連結剤がフルフラールを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料。
  31. 当該求電子性連結剤がアルコールを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料。
  32. 当該アルコールがフルフリル・アルコールである、請求項31に記載の有機小孔域性材料。
  33. 工程(a)の溶液がさらに界面活性剤を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料。
  34. 請求項33に記載の有機小孔域性材料であり、工程(c)の流体部分の除去の後に、該材料中にある量の界面活性剤が残っている、有機小孔域性材料。
  35. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料を生成する方法であり、当該方法は以下:
    (a)ヒドロキシル化芳香族、求電子性連結剤、および脂肪族カルボン酸を含む溶液を形成する工程;
    (b)当該溶液をゾル・ゲル化する工程;および
    (c)非臨界乾燥方法を用いて当該ゾル・ゲルからすべての流体部分を除去する工程、を包含する、方法。
  36. (a)工程で形成した溶液がさらに触媒を含む、請求項35に記載の方法。
  37. 当該触媒が、塩酸、硫酸、および臭化水素酸から独立して選択される、請求項36に記載の方法。
  38. 当該溶液を以下のいずれかの環境に置くという副次的工程を工程(b)に含む、請求項35に記載の方法:(i)25℃より高い温度または750トルより高い圧力、あるいは(ii)25℃より高い温度かつ750トルより高い圧力。
  39. 当該工程(c)が、当該流体部分を25℃の温度および750トルの圧力で蒸発させるという副次的工程を含む、請求項35に記載の方法。
  40. 当該流体部分を含む当該ゾル・ゲルを以下のいずれかの環境に置くという副次的工程をさらに含む、請求項35に記載の方法:(i)25℃より高い温度、もしくは750トルより低い圧力、あるいは(ii)25℃より高い温度かつ750トルより低い圧力。
  41. 当該ゾル・ゲルを遠心分離にかけることにより工程(c)を達成する、請求項35に記載の方法。
  42. 当該ゾル・ゲルをフリーズドライすることにより工程(c)を達成する、請求項35に記載の方法。
  43. 当該ゾル・ゲル全体の気圧差を当該ゾル・ゲルに適用することによって工程(c)を達成する、請求項35に記載の方法。
  44. 小孔域性材料の炭化誘導体をつくるために当該小孔域性材料を熱分解温度で熱分解するという工程(d)をさらに含む、請求項35に記載の方法。
  45. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の小孔域性材料を調製する方法であり、当該方法は以下:
    (a)ゾル・ゲルを形成する工程;および
    (b)非超臨界抽出により、当該ゾル・ゲルからすべての流体部分を除去する工程、
    を包含する、方法。
  46. 前記有機小孔域性材料が、低密度超多孔性材料である請求項45に記載の、方法。
  47. その場(in−situ)で調製された請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料。
  48. 非臨界乾燥プロセスを使って調製した、請求項13に記載の有機小孔域性材料。
  49. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料の炭化誘導体であって、該有機小孔域性材料が低密度超多孔性材料である、炭化誘導体。
  50. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料の炭化誘導体。
  51. 当該有機小孔域性材料が低密度超多孔性材料である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料。
  52. 不透明化剤を使わずに黒色の低密度超多孔性材料である、請求項51に記載の有機小孔域性材料。
  53. 不透明化剤を使わずに黒色の請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機小孔域性材料。
  54. 当該有機小孔域性材料が低密度超多孔性材料である、請求項13に記載の有機小孔域性材料。
  55. 非臨界乾燥プロセスを使って調製した、請求項51に記載の低密度超多孔性材料。
  56. 請求項51に記載の低密度超多孔性材料であり、以下の性質を有する:
    (a)該有機小孔域性材料の孔の80%より多くが開かれた孔である;
    (b)該有機小孔域性材料が300kg/m未満の密度を有する。
  57. 密度が275kg/m未満である、請求項51に記載の低密度超多孔性材料。
  58. 密度が250kg/m未満である、請求項51に記載の低密度超多孔性材料。
  59. 密度が150kg/m未満である、請求項51に記載の低密度超多孔性材料。
  60. 密度が100kg/m未満である、請求項51に記載の低密度超多孔性材料。
  61. 当該低密度超多孔性材料は10トルまでの圧力で0.0135W/(m・K)未満の熱伝導性を持ち、当該材料はモノリシック形態であり非臨界乾燥プロセスによって生成する、請求項51に記載の低密度超多孔性材料。
  62. 10トルまでの圧力で0.008W/(m・K)未満の熱伝導性を持つ、請求項61に記載の低密度超多孔性材料。
  63. 当該低密度超多孔性材料は1トルまでの圧力で0.009W/(m・K)未満の熱伝導性を持ち、当該材料はモノリシック形態であり非臨界乾燥プロセスによって生成する、請求項51に記載の低密度超多孔性材料。
  64. 1トルまでの圧力で0.007W/(m・K)未満の熱伝導性を持つ、請求項63に記載の低密度超多孔性材料。
  65. 当該低密度超多孔性材料は0.1トルまでの圧力で0.005W/(m・K)未満の熱伝導性を持ち、当該材料はモノリシック形態であり非臨界乾燥プロセスによって生成する、請求項51に記載の低密度超多孔性材料。
  66. 0.1トルまでの圧力で0.0035W/(m・K)未満の熱伝導性を持つ、請求項65に記載の低密度超多孔性材料。
  67. 低密度超多孔性材料である、請求項23に記載の有機小孔域性材料。
  68. 当該脂肪族カルボン酸が、酢酸、蟻酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、及びそれらの異性体から選択される、請求項51に記載の低密度超多孔性材料。
  69. 当該脂肪族カルボン酸が酢酸である、請求項68に記載の低密度超多孔性材料。
  70. 当該ヒドロキシル化芳香族がヒドロキシル化ベンゼン化合物である、請求項51に記載の低密度超多孔性材料。
  71. 当該ヒドロキシル化芳香族がフェノール・ノボラック樹脂を含む、請求項51に記載の低密度超多孔性材料。
  72. 当該求電子性連結剤がアルデヒドを含む、請求項51に記載の低密度超多孔性材料。
  73. 当該求電子性連結剤がフルフラールを含む、請求項51に記載の低密度超多孔性材料。
  74. 当該求電子性連結剤がアルコールを含む、請求項51に記載の低密度超多孔性材料。
  75. 当該アルコールがフルフリル・アルコールである、請求項74に記載の低密度超多孔性材料。
  76. 当該有機小孔域性材料が200m/g未満の表面積を有する、請求項2に記載の有機小孔域性材料。
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