JP3818741B2 - 高分子多孔質体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、緩衝材、断熱材などに利用できる高分子多孔質体、特に連続気泡を有し、マイクロハビタート、濾剤などとしてに好適な高分子多孔質体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高分子多孔質体の製造方法については、これまで種々の提案が成されている。代表的な多孔質体の製造方法としては、特公平7−119313号公報に記載されているように、高分子材料に発泡剤を加え、溶融加熱して発泡剤を気化させる方法が知られている。この方法を熱軟化温度と分解温度とが近接する高分子に適用すると、しばしば熱分解、着色などの問題が生じる。また、発泡剤のうち化学発泡剤は、しばしば高分子や他の添加剤との化学反応により着色の原因となる。さらに、発泡ポリスチレンに代表されるように、このような方法で得られた多孔質体の気泡は、通常、互いに独立している。そのため、独立気泡を有する多孔質体は、内部に液体を通過させる濾材などの用途、液体を長時間保持させる用途には適用できない。
【0003】
これらの課題を解決する方法として、高分子溶液から高分子を相分離させる固体化過程で多孔質体を製造することが提案されている。この方法は、溶液状態の高分子では一旦固形化する必要がなく経済的であり、かつ得られる多孔質体の気泡は基本的に連続気泡である。
しかし、例えば、特開平6−157807号公報に記載されているように、高分子溶液を固体温度以下に冷却して凍結乾燥させる方法では使用エネルギーが大きく、高分子を溶解させる溶媒が凍結可能な溶媒に限られるため、必然的に製造可能な高分子も限定される。例えば、溶媒がベンゼンであれば、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などに限定され、溶媒がジオキサンであれば、ポリ乳酸などに限定される。
【0004】
さらに、高分子溶液に非溶剤(貧溶媒)を添加して高分子を固形化する方法は、再沈殿として知られており、工業的にも実験室的にも固体状の高分子を得る方法として広く利用されている。この方法で得られる高分子は、実質的に多孔体であるが、粉体や非定形の塊状であり、そのままの形態で多孔質体として使用することは困難である。従って、所望の形状に成形しようとすると、再度加熱の必要があるが、加熱に伴って多孔質構造が崩壊するため、実際に多孔質体の製造に利用されることはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、溶媒に可溶な多くの高分子に適用可能であり、加熱発泡では着色や分解が生じる高分子についても、多孔質体を円滑に製造できる方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、多孔質体の気孔径を容易に制御できるとともに連続性の高い連続気泡型多孔質体を、低エネルギーコストで容易に製造できる方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、溶液の形態で生産される高分子を一旦固体化することなく、多孔質体を直接得ることができる多孔質体の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、高分子と良溶媒との溶液を冷却し、氷などの第3成分を固体の形態で添加混合した後、前記第3成分を融解,溶解させて拡散又は消失させ、高分子を不溶化すると、高分子多孔質体が生成することを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の方法では、高分子と溶媒との溶液(高分子溶液)に、融解又は気化可能な第3成分を実質的に固体の状態で添加し、前記溶液と前記第3成分とを混合した後、前記第3成分の融点以上の温度に加熱し、前記第3成分を融解又は気化させて高分子を不溶化させることにより高分子多孔質体を製造する。前記高分子と、前記溶媒と、前記第3成分との組み合わせとしては、下記の (i) 乃至 (iv) のいずれかの組み合わせを用いる
(i) 高分子がスチレン系樹脂であり、溶媒がエーテル類、炭化水素類、エステル類、ケトン類又はこれらの混合溶媒であり、第3成分が有機カルボン酸、水、及び高級アルコールから選択された少なくとも一種である組み合わせ
(ii) 高分子がセルロースエステル類であり、溶媒がケトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素、アルコール類又はこれらの混合溶媒であり、第3成分が水、及び有機カルボン酸類から選択された少なくとも一種である組み合わせ
(iii) 高分子がポリカーボネート系樹脂であり、溶媒がエーテル類、炭化水素類、スルホキシド類、及びこれらの混合溶媒であり、第3成分が水及び高級アルコールから選択された少なくとも一種である組み合わせ
(iv) 高分子が未修飾セルロースであり、溶媒がジメチルアセトアミド−リチウムクロライドであり、第3成分が水である組み合わせ。
この方法において、第3成分としては、(1)高分子に対する非溶媒であって、前記溶液の溶媒に対して混合可能な成分、例えば、常温で液体であり、かつ冷却により固化可能な成分(水,脂肪族アルコール類,有機カルボン酸類など)などが使用できる。このような第3成分を用いる場合、第3成分の融点未満の温度で、前記溶液と第3成分とを混合した後、第3成分の融点以上の温度に加熱することにより高分子多孔質体が生成する。
前記方法において、前記溶液と第3成分とを混合する混合工程の温度がTfであるとき、前記溶液の溶媒として、温度Tfで液体である溶媒を用いてもよい。また、前記溶液と第3成分とを混合する混合工程の後、前記第3成分の融点以上の温度に加熱する加熱工程に先だって、前記溶液と前記第3成分との混合により得られる混合物を成形する成形工程をさらに含んでおり、前記混合工程又は成形工程の温度がTfであるとき、前記溶液の溶媒として、温度Tfで液体である溶媒を用いてもよい。前記第3成分の使用量は、高分子10重量部に対して1〜500重量部であってもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる(a)高分子材料は特に限定はなく、実質上溶媒に溶解する限り、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれの高分子も使用できる。
【0008】
(a)高分子のうち熱可塑性樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−酢酸ビニル共重合体,エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体,エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体,エチレン−無水マレイン酸共重合体,プロピレン−無水マレイン酸共重合体など)、酢酸ビニル系樹脂(ポリ酢酸ビニル,酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体など)、ビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコール,エチレン−ビニルアルコール共重合体など)、塩化ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル,塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体など)、塩化ビニリデン系樹脂(ポリ塩化ビニリデン,塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体,塩化ビニリデン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂),スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体,スチレン−無水マレイン酸共重合体,スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)、ゴム変性スチレン系樹脂(スチレン−ブタジエン−スチレンブロックポリマー(SBS)とその水添物(ESBS),アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)など)、アクリル系樹脂((メタ)アクリル酸エステルの単独又は共重合体,(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体など)、ポリカーボネート系樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネートなど)、ポリエステル系樹脂(ポリ乳酸などのポリオキシカルボン酸、ポリアルキレンテレフタレート又はそのコポリエステルなどの芳香族ポリエステル,ポリアルキレンアジペート,ラクトン(カプロラクトンなど)などの脂肪族ポリエステルなど)、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6,ポリアミド612,ポリアミド11,ポリアミド12など)、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、セルロースエーテル類(エチルセルロースなど)、セルロースエステル類(セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなど)などが例示できる。これらの熱可塑性樹脂は単独で又は二種以上使用できる。
【0009】
好ましい熱可塑性高分子には、酢酸ビニル系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロースエステル類などが含まれる。
【0010】
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂,アミノ樹脂(尿素樹脂,メラミン樹脂など),エポキシ樹脂,ビニルエステル樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,ポリウレタン樹脂などが例示できる。
【0011】
これらの高分子のうち工業的に生産され、かつ汎用溶媒に可溶な材料を用いるのが有利である。本発明によれば、熱成形性に劣る高分子(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのほか、セルロースエステル類など)についても多孔質体を効率よく得ることができる。さらに、溶液状態で製造される高分子では、そのまま多孔質体の製造工程に供することができるので、固形化した後、再溶解する工程を省略できる点で特に好ましい。
【0012】
本明細書において高分子溶液とは、上述の高分子材料に溶媒を加えることにより、所望の形状を有する容器(型)に充填可能な程度の流動性が付与された液状物をいい、例えば、温度や圧力を変化させて、容器に充填可能な液状物も包含される。従って、高分子溶液は、通常の高分子溶液のように、透明性や均一性を有する必要はなく、例えば、高分子の未溶解物(異種または同種の高分子の架橋物やゲル、高分子量成分など)、不溶解物(溶媒に不溶な澱粉やパルプなどの天然高分子など)、無機又は有機物(安定剤、酸化防止剤、着色剤などの各種の添加剤、繊維状,粒子状,その他の形状の無機物あるいは有機物など)を含有してもよい。
【0013】
(b)溶媒は、前記高分子の全て又は一部を溶解し、溶解後にそのままの状態で、又は少なくとも温度や圧力を変化させて、所望の形状を有する容器(成形型)に充填可能な程度の流動性を付与できる限り特に制限されない。
(b)溶媒は、高分子の種類に応じて選択でき、通常、第3成分よりも融点が低い。溶媒としては、例えば、水、脂肪族炭化水素類(ヘキサン,オクタンなど)、脂環族炭化水素類(シクロヘキサン,メチルシクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(ベンゼン,トルエン,キシレンなど)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン,クロロホルム,ジクロロエタンなど)、アルコール類(メタノール,エタノール,イソプロパノール,ブタノールなど)、エステル類(酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸ブチルなど)、ケトン類(アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,シクロヘキサノンなど)、エーテル類(ジオキサン,テトラヒドロフラン(THF),ジエチルエーテルなど)、有機酸(酢酸,プロピオン酸など)、アミン類(アニリン,ピリジンなど)、アミド類(ホルムアミド,ジメチルホルムアミド(DMF),ジメチルアセトアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ,エチルセロソルブなど)、カルビトール類(ジエチレングリコールモノC1-4 アルキルエーテルなど)、これらの混合溶媒などが例示できる。
さらには、未修飾のセルロースにも適用でき、ジメチルアセトアミド−リチウムクロライド(DMAC-LiCl)、酒石酸鉄−ナトリウム溶液、ホルムアルデヒド−ジメチルスルホキシド(DMSO)、メチルアミン−DMSO、四酸化二窒素−DMFなどが溶媒として使用できる。
【0014】
好ましい溶媒には、高分子溶液と第3成分との混合および混合物の成形過程での温度において、液状であり非凍結性の溶媒が含まれる。すなわち、高分子溶液と第3成分とを温度Tfで混合又は成形するとき、高分子溶液の溶媒は、通常、温度Tfで液体である。このような溶媒には、例えば、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、アミド類、スルホキシド類、ニトリル類、これらの混合溶媒や、ジメチルアセトアミド−リチウムクロライド(DMAC-LiCl)などが含まれる。
【0015】
溶媒の使用量は特に限定されないが、例えば、高分子10重量部に対して10〜200重量倍(5〜50重量%程度)、好ましくは20〜150重量倍(6〜30重量%程度)、さらに好ましくは40〜120重量倍(8〜20重量%程度)程度である。溶媒量が少ないと流動性が低下し、溶媒量が多すぎると得られる多孔質体の空孔率が高くなり、強度が低下しやすい。
溶媒の使用量を高分子溶液の粘度で規定すると、例えば、室温(10〜20℃)で10〜105 cps、好ましくは10〜104 cps、さらに好ましくは102 〜103 cps程度となる量である。
【0016】
本発明の特色は、融解,溶解又は気化可能な第3成分(固体析出剤又は固体沈殿剤)(c)を実質的に固体の状態で、前記高分子溶液に添加する点、第3成分(c)を添加した後、第3成分の構成成分の拡散又は消失により高分子を不溶化させる点にある。「実質的に固体」とは機械的に分割又は粉砕可能な状態の物質を意味し、例えば、結晶状物質、ガラス状物質やゲル状物質などが含まれる。
【0017】
前記第3成分の構成成分を拡散又は消失させることにより高分子を不溶化させるため、第3成分としては、(1)前記高分子に対して非溶媒(貧溶媒)であり、かつ前記高分子溶液の溶媒と均一に混合可能な成分が挙げられる。このような第3成分は、その融点未満の温度で実質的に固体の状態で高分子溶液に混合した後、第3成分の融点以上に加熱することにより、第3成分の構成成分を拡散又は消失させて高分子を不溶化できる。
さらに、第3成分として、(2)溶液中の高分子に対して沈殿剤として機能するとともに、高分子溶液の溶媒に対して相溶又は溶解可能な物質(無機塩又はその水和物)が含まれる。この場合、第3成分は高分子溶液の溶媒に溶解することにより、その構成成分は拡散し高分子を不溶化させる。
さらに、(3)第3成分としては、溶液中の高分子に対して沈殿剤として機能するとともに、高分子溶液の溶媒に対して相溶又は混和可能な溶媒を含むゲルがあげられる。
【0018】
このような第3成分(c)のうち前記態様(1)(3)の溶媒としては、冷却により固化可能な成分、例えば、水(氷)、炭酸ガス(ドライアイス)、脂肪族アルコール類(t−ブチルアルコールや、デシルアルコール,ラウリルアルコール,テトラデシルアルコールなどのC8-20高級アルコール,エチレングリコール,ジエチレングリコール,トリエチレングリコール,グリセリンなどの多価アルコールなど)、脂環族又は芳香族アルコール類(シクロヘキサノール、ベンジルアルコールなど)、ハロゲン化炭化水素類(四塩化炭素,ジブロモメタン),炭化水素類(シクロヘキサンなど)、エーテル類(ジオキサンなど)、有機カルボン酸類(ギ酸、酢酸,トリフルオロ酢酸など)、オキシカルボン酸(乳酸など)、アミド類(ホルムアミド,N−メチルホルムアミド,N−メチルアセトアミド,N,N−ジメチルアセトアミド,ヘキサメチルリン酸トリアミドなど)、ニトロ化合物(ニトロベンゼンなど)、アミン類(ピペリジン,モルホリンなど)などが例示できる。これらの成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。 これらの第3成分のうち、冷却により固化可能な氷結性物質、例えば、水(氷)、脂肪族アルコール類、有機カルボン酸類(酢酸など)などが好ましい。第3成分は、通常、常温で液体である。
【0019】
前記態様(2)の第3成分(c)としては、結晶性の水溶性無機塩又はその水和物、例えば、硫酸塩又はその水和物(硫酸ナトリウム・10水和物、硫酸マグネシウム・7水和物、硫酸ナトリウムアルミニウム・12水塩、硫酸アルミニウムカリウム・12水塩、硫酸カリウムアルミニウム・12水塩など)、塩化物(塩化カルシウム・6水和物など)、炭酸塩(炭酸ナトリウム・10水和物など)などが例示できる。
【0020】
なお、前記態様(3)の第3成分を構成するゲルの種類は特に制限されず、例えば、前記態様(1)の第3成分を含む高分子ゲル(酢酸ビニル系重合体,(メタ)アクリル系重合体などのゲル)などが例示できる。
【0021】
好ましい第3成分は、固形状の溶媒(例えば、冷却により固化可能な溶媒)であり、常気圧において、融点−40℃〜40℃(好ましくは−30℃〜30℃、さらに好ましくは−20℃〜20℃)程度の溶媒が含まれる。なお、水などの第3成分は、塩類(水酸化ナトリウム,塩化ナトリウムなど)などを含んでいてもよい。
第3成分として、水(又は氷)を用いると、取扱性,安全性および経済性が高く、再利用も容易であり、工業的に有利である。
【0022】
前記高分子、溶媒および第3成分の組み合わせは、高分子を溶解可能な溶媒と、この溶媒と相溶又は混和し、かつ溶媒の有する高分子の溶解力を低下させる第3成分(固形沈殿剤)との組合わせであれば特に限定されない。
いくつかの高分子についてより具体的に例示すると、高分子がスチレン系樹脂(ポリスチレンなど)である場合、溶媒としては、例えば、エーテル類(THF、ジオキサンなど)、炭化水素類(ベンゼンなど)、エステル類(酢酸エチルなど)、ケトン類(シクロヘキサノンなど)などが使用でき、第3成分としては、例えば、有機カルボン酸類(氷酢酸など)、水、高級アルコールなどが使用できる。特に、溶媒としてのTHFと、第3成分としての水との組み合わせが好ましい。
【0023】
高分子がセルロースエステル類(セルロースアセテートなど)である場合、溶媒としては、例えば、ケトン類(アセトンなど)、エーテル類(ジオキサン,THFなど)、ハロゲン化炭化水素やアルコール類(ジクロロメタン/エタノール混合溶媒など)などが使用でき、第3成分としては、水、有機カルボン酸類(氷酢酸など)などが使用できる。好ましい組合わせには、溶媒としてのアセトンと、第3成分としての水との組合わせが含まれる。
【0024】
高分子がポリカーボネート系樹脂である場合、溶媒としては、例えば、エーテル類(ジオキサン、THF)、炭化水素類(ベンゼンなど)、スルホキシド類(DMFなど)が使用でき、第3成分としては、例えば、水、高級アルコールなどが使用できる。好ましい組合わせは、溶媒:ジオキサンと、第3成分:水の組合わせである。
さらに、未修飾のセルロースについて、溶媒としてジメチルアセトアミド−リチウムクロライド(DMAC-LiCl)を用いる場合、第3成分としては水などが利用できる。
【0025】
第3成分は、必要により粉砕した後、粉粒体として高分子溶液に混合される。粉粒状第3成分の大きさは、多孔質体の気孔径などに応じて選択でき、第3成分の粒子サイズが大きくなるほど、多孔質体の気孔径も大きくなる。第3成分の粒子サイズは、例えば、1μm〜5mm(好ましくは10μm〜1mm)程度の範囲から適当に選択できる。
【0026】
第3成分の添加量は、特に限定されず、所望する気孔率などに応じて選択できる。第3成分の使用量は、通常、前記高分子10重量部に対して1〜500重量部(例えば、5〜500)、好ましくは10〜400重量部、さらに好ましくは50〜300重量部(例えば、100〜300倍)程度である。
【0027】
第3成分の添加混合に際して、多孔質体中に均一に気孔を形成するためには、第3成分を高分子溶液中に均一に分散するのが好ましい。高分子溶液に第3成分を混合分散する方法は、特に限定されず、例えば、バッチ内で高分子溶液と第3成分を撹拌羽根で撹拌する方法、容器の底に高速回転可能なスクリューを備えた混合機などを用いて混合できる。通常、ミキサーと称される混合機を用いることができる。押出機などのように、連続して混合分散可能な装置は、生産性を高める点から特に好ましい。
【0028】
なお、高分子溶液と第3成分との混合物には、必要に応じて、種々の添加剤、例えば、安定化剤(酸化防止剤,紫外線吸収剤など),可塑剤,難燃剤,帯電防止剤,着色剤,フィラー(天然繊維、人工繊維、パルプなどの繊維状フィラーなど)を添加し、多孔質体の性質を改良してもよい。
【0029】
所望の形状に成形された多孔質体を得る場合、例えば、高分子溶液に第3成分を混合した後、混合物を成形型(金型)に流し込み、所定形状に成形してもよい。成形に際しては、前記混合物が十分固化しない内に、圧力や熱を加えて所望の形状に成形(加圧成形)することも可能である。
【0030】
前記混合又は成形工程において、第3成分は拡散又は消失することなく粉粒状に保持する必要がある。そのため、混合又は成形工程の温度は、通常、第3成分の融点未満の温度である。
【0031】
成形体の加熱又は放置により第3成分が拡散又は消失して高分子が不溶化し、多孔質体が得られる。加熱温度は第3成分の種類に応じて選択でき、第3成分の融点をTm(℃)とするとき、例えば、Tm〜(Tm+60)、好ましくは(Tm+10)〜(Tm+50)程度である。また、放置時間は、第3成分が溶媒に溶解,相溶又は混和して消失するのに十分な時間である限り、特に制限されない。放置に際しては、必要により、成形体を加熱してもよい。
【0032】
溶媒と第3成分が残存する多孔質体はそのまま使用してもよく、残存する溶媒と第3成分を、必要に応じて、例えば、デカンテーション、ろ過、洗浄、蒸発乾固などの方法で除去して多孔質体として使用できる。使用した溶媒や第3成分は、必要により回収して再利用できる。本発明の方法では、従来法よりも低エネルギーで生産可能であり、使用した溶媒も再利用可能である。そのため、多孔質体の生産コストを抑制でき、経済的に有利である。
このようにして得られた多孔質体の密度は用途に応じて選択でき、例えば、0.01〜0.5g/cm3 、好ましくは0.01〜0.1g/cm3 程度である。また、多孔質体の平均孔径は、例えば、10〜5000μm、特に50〜1000μm程度であってもよい。
【0033】
本発明の方法で得られた多孔質体の気孔は、通常、連通孔であるため、微生物の培養体として使用できる。また、水中,その他の溶液中の不要物の吸着にも利用でき、さらに独立気泡発泡体よりも吸水性,吸油性に優れているため、海水中の油の回収などのように、環境保全材料としても利用できる。さらに、断熱材、エアフィルターのような不織布の代替としての使用が期待される。特にセルロースアセテートを用いた多孔質体は、適度な吸湿性、通気性、低燃焼エネルギーなどの観点から、住宅用断熱材、吸音材などとしても有用である。
【0034】
【発明の効果】
本発明の方法は、溶媒に可溶な多くの高分子に適用可能であり、種々の高分子多孔質体、例えば、加熱発泡では着色や分解が生じる高分子についても、多孔質体を円滑に製造できる。また、第3成分により、多孔質体の気孔径を容易に制御できるとともに連続性の高い連続気泡型多孔質体を、低エネルギーコストで容易に形成できる。さらに、溶液の形態で生産される高分子については、一旦固体化することなく、多孔質体を直接得ることができる。
【0035】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
置換度2.1の酢酸セルロース10gをアセトン90gに溶解した。この溶液を−20℃まで冷却した後、微粉砕した−20℃の氷250gと、ステンレス製容器内で混練した。混練後、混合物を圧縮成形した。圧縮成形体を30℃に加熱した後、アセトン/水混合液を除去し、生成物を熱風乾燥することにより、平均孔径300μmの円筒状多孔質体(密度0.03g/cm3)を得た。なお、多孔質体の孔径は光学顕微鏡で観察して測定した。
【0036】
実施例2
置換度2.5の酢酸セルロースを、酢酸/アセトン=90/10(重量比)混合溶液に溶解し、15重量%酢酸セルロース溶液100gを調製した。この溶液を−20℃まで冷却し、同じく−20℃まで冷却した氷250gとミキサーを用いて混練した。混練物をプレスし、加温(30℃)した後、酢酸/アセトン/水混合液を除去した。熱風乾燥後、多孔質シート(密度0.05g/cm3)を得た。
【0037】
実施例3
ポリスチレン100gをTHF400gに溶解し、−20℃に冷却した。この溶液に、−10℃のデシルアルコールの微粉砕固体200gを添加して混合し、40℃で加熱して、液分を除去することにより、多孔質体(密度0.05g/cm3)を得た。
【0038】
実施例4
セルロース100gを、ジメチルアセトアミド−リチウムクロライド(DMAC-LiCl)に溶解し、12重量%溶液を調製した。この溶液に、微粉砕した氷500gを加え混合した後、30℃で加熱し、混合溶液を除去し、固形分を熱風乾燥することにより、多孔質体(密度0.02g/cm3)を得た。
【0039】
比較例1
溶融温度と分解温度の差が小さなセルロースアセテートを溶融発泡させると、分解に伴う着色がみられた。
【0040】
比較例2
ポリスチレンのTHF溶液に、貧溶媒として水又は酢酸を添加したところ、再沈殿が生成し、粉体やフィルム状となり、多孔質体は得られなかった。
Claims (6)
- 高分子と溶媒との溶液に、融解又は気化可能な第3成分を実質的に固体の状態で添加し、前記溶液と前記第3成分とを混合した後、前記第3成分の融点以上の温度に加熱し、前記第3成分を融解又は気化させて高分子を不溶化させる高分子多孔質体の製造方法であって、前記高分子と、前記溶媒と、前記第3成分との組み合わせとして、下記の (i) 乃至 (iv) のいずれかの組み合わせを用いる高分子多孔質体の製造方法。
(i) 高分子がスチレン系樹脂であり、溶媒がエーテル類、炭化水素類、エステル類、ケトン類又はこれらの混合溶媒であり、第3成分が有機カルボン酸、水、及び高級アルコールから選択された少なくとも一種である組み合わせ
(ii) 高分子がセルロースエステル類であり、溶媒がケトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素、アルコール類又はこれらの混合溶媒であり、第3成分が水、及び有機カルボン酸類から選択された少なくとも一種である組み合わせ
(iii) 高分子がポリカーボネート系樹脂であり、溶媒がエーテル類、炭化水素類、スルホキシド類、及びこれらの混合溶媒であり、第3成分が水及び高級アルコールから選択された少なくとも一種である組み合わせ
(iv) 高分子が未修飾セルロースであり、溶媒がジメチルアセトアミド−リチウムクロライドであり、第3成分が水である組み合わせ - 第3成分が、(1)高分子に対する非溶媒であって、溶液の溶媒に対して混合可能な成分であり、第3成分の融点未満の温度で、溶液と第3成分とを混合した後、第3成分の融点以上の温度に加熱する請求項1記載の高分子多孔質体の製造方法。
- 第3成分が、常温で液体であり、かつ冷却により固化可能な成分である請求項1記載の高分子多孔質体の製造方法。
- 溶液と第3成分とを混合する混合工程の温度がTfであるとき、前記溶液の溶媒として、温度Tfで液体である溶媒を用いる請求項1記載の高分子多孔質体の製造方法。
- 溶液と第3成分とを混合する混合工程の後、前記第3成分の融点以上の温度に加熱する加熱工程に先だって、前記溶液と前記第3成分との混合により得られる混合物を成形する成形工程をさらに含んでおり、前記混合工程又は成形工程の温度がTfであるとき、前記溶液の溶媒として、温度Tfで液体である溶媒を用いる請求項1記載の高分子多孔質体の製造方法。
- 第3成分の使用量が、高分子10重量部に対して1〜500重量部である請求項1記載の高分子多孔質体の製造方法。
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