JP4568792B1 - 水性樹脂微粒子混合液の製造方法及び製造装置 - Google Patents

水性樹脂微粒子混合液の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract


【課題】樹脂微粒子の凝集塊を個々の樹脂微粒子に分散させる。
【解決手段】水性樹脂微粒子混合液の製造方法は、個々の樹脂微粒子61および個々の樹脂微粒子61が複数凝集して塊を生じている凝集塊63が多数混合・分散した水性粗分散混合液である1次水性混合液L1を、その混合液L1が蒸発によっても残存する状態を保持する、大気圧より低圧状態下で攪拌する低圧攪拌工程Aと、低圧攪拌により1次水性混合液L1から得られた2次水性混合液L2に、攪拌に伴う1次水性混合液L1の運動速度より大きな速度を付与する高速度付与工程Bと、高速度を付与された2次水性混合液L2同士を相互に高速で衝突させる衝突処理工程Cと、衝突処理により2次水性混合液L2から得られた3次水性混合液L3を収容する収容工程Dと、を含んで構成される。
【選択図】図7

Description

本発明は、水性樹脂微粒子混合液の製造方法及び製造装置に関する。
一般に、塗料、インキ、接着剤などのバインダー樹脂に用いられる水性エマルジョン(ポリマーエマルジョン)が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。この種の水性エマルジョンは、例えば、モノマー、重合開始剤、界面活性剤(乳化剤)などを水中で加えて乳化重合する方法により得ることができ、この乳化重合した水性エマルジョン中には、通常、粒子径(直径)が0.1〜数十μmの広範囲に渡って種々の大きさの樹脂粒子(ポリマー粒子)が存在している。
特開平5−194911号公報
このように、樹脂粒子が広範囲に渡って存在するのは、粒子径が数十nm〜0.1μm(100nm)程度の大きさの樹脂微粒子(一次粒子)が複数凝集して凝集塊(二次粒子)が生じ易いからである。そして、凝集塊の多い水性エマルジョンは、樹脂微粒子の単体を多く含むものに比べると、防錆性(耐候性)、塗膜硬度、臭気性などの点で著しく劣るため、凝集塊の分散化(分離化、ナノ化)を図ることが可能な水性樹脂微粒子混合液の製造方法及び製造装置の開発が望まれている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、樹脂微粒子の凝集塊を個々の樹脂微粒子に良好に分散させ得る水性樹脂微粒子混合液の製造方法及び製造装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するために本発明に係る水性樹脂微粒子混合液の製造方法は、
個々の樹脂微粒子および個々の樹脂微粒子が複数凝集して塊を生じている凝集塊が多数混合・分散した水性粗分散混合液である1次水性混合液を、その混合液が蒸発によっても残存する状態を保持する、6〜18Torrの低圧状態下で攪拌する低圧攪拌工程と、
その低圧攪拌により1次水性混合液から得られた2次水性混合液を100〜250Mpaの高圧に加圧して、攪拌に伴う1次水性混合液の運動速度より大きな速度を付与する高速度付与工程と、
その高速度を付与された2次水性混合液を互いに向かい合うように噴射して、その2次水性混合液同士を相互に高速で衝突させる衝突処理工程と、
その衝突処理工程により2次水性混合液から得られた3次水性混合液を収容する収容工程と、
を含むことを特徴とする。
なお、「水性粗分散混合液」、「1次水性混合液」は、粘度の低いものに限らず、かなり粘度の高いもの、例えばヨーグルト状の流体をも含む意である。
この場合、衝突処理工程は、例えば2次水性混合液を加圧して噴射し、その噴射した液を対象物に衝突させるものとすることができる。また、衝突処理工程は、例えば2次水性混合液を互いに向かい合うように加圧・噴射して、その2次水性混合液同士を相互に衝突の対象物として高速で衝突させるものとすることもできる。
そして、上記した製造方法を実施するために本発明に係る水性樹脂微粒子混合液の製造装置は、
個々の樹脂微粒子および個々の樹脂微粒子が複数凝集して塊を生じている凝集塊が多数混合・分散した水性粗分散混合液である1次水性混合液を収容する減圧容器と、
その減圧容器内を、1次水性混合液が蒸発によっても残存する状態を保持する、大気圧より低圧状態に減圧する減圧装置と、
その減圧装置で生じる6〜18Torrの減圧状態下で1次水性混合液を撹拌する撹拌装置と、
減圧容器から導かれる、撹拌により得られた2次水性混合液を大気圧より高い100〜250Mpaの高圧に加圧して噴射し対象物に衝突させる噴射衝突装置と、
その噴射・衝突で得られた3次水性混合液を収容する収容容器と、を備え、
噴射衝突装置は、減圧容器から2次水性混合液を分岐させて導く誘導通路と、その誘導された2次水性混合液を加圧するシリンダとを含み、
そのシリンダは、分岐して誘導された2次水性混合液を個別に加圧するピストン又はプランジャと、加圧された2次水性混合液を互いに噴射する相互の噴射口とを含み、
その相互の噴射口から噴射された2次水性混合液同士が互いを衝突の対象物として高速で衝突することを特徴とする。
この場合、噴射衝突装置は、例えば減圧容器から2次水性混合液を導く誘導通路と、その誘導された2次水性混合液を加圧するシリンダと、加圧された2次水性混合液を衝突させる衝突部を含み、そのシリンダは、2次水性混合液を加圧するピストン又はプランジャと、加圧された2次水性混合液を噴射する噴射口とを含み、その噴射口から噴射された2次水性混合液が衝突部に衝突する構成とすることができる。また、噴射衝突装置は、例えば減圧容器から2次水性混合液を導く誘導通路と、その誘導された2次水性混合液を加圧するシリンダとを含み、そのシリンダは、2次水性混合液を分岐させて加圧するピストン又はプランジャと、加圧された2次水性混合液を互いに噴射する相互の噴射口とを含み、その相互の噴射口から噴射された2次水性混合液が互いに高速で衝突する構成とすることもできる。このとき噴射口は、相対向して配置され、その相互の噴射口から相対向して噴射された2次水性混合液が互いに高速で衝突する構成にするとよい。
本発明の水性樹脂微粒子混合液の製造方法では、低圧攪拌工程において、1次水性混合液を、その混合液が蒸発によっても残存する状態を保持する、大気圧より低圧状態下で攪拌する。低圧状態下では樹脂微粒子間に作用する凝集力が弱くなる。このため、樹脂微粒子間に水が浸入して凝集塊自体が膨潤(膨張)し、凝集塊を構成する個々の樹脂微粒子の表面が界面活性剤で覆われるようになる。このとき、1次水性混合液に溶け込んでいた空気(酸素)に加えて、余剰の界面活性剤等の添加剤や不純物がガスとなって1次水性混合液から除去される。この低圧状態で1次水性混合液を攪拌することにより、凝集塊をより小さな塊とすることが可能である。
次に、高速度付与工程において、低圧攪拌で得られた1次水性混合液に、攪拌に伴う1次水性混合液の運動速度より大きな速度を付与する。その後、衝突処理工程において、高速度を付与された2次水性混合液を対象物に高速で衝突させる。高速度付与工程を実施することで、凝集力の弱くなった樹脂微粒子の凝集塊に対して分散に必要なエネルギーを与えることができ、衝突処理工程を実施することで、凝集塊を個々の樹脂微粒子に良好に分散させることができる。
また、本発明の水性樹脂微粒子混合液の製造方法において、1次、2次及び3次水性混合液は、乳化剤を含む水性塗料の素材液である、顔料を含まない水性エマルジョンであり、低圧撹拌工程、高速度付与工程、衝突処理工程及び収容工程を経て収容される3次水性混合液に対して、後に塗料の顔料微粒子が混合されることが予定されるものとすることができる。また、1次水性混合液は、例えば乳化剤を含む水性塗料の素材液である、顔料を含まない水性エマルジョンであり、低圧撹拌で得られる2次水性混合液に対し、塗料顔料となる顔料微粒子を混合し、必要に応じて更に撹拌する顔料混合工程を含む、その顔料含有2次水性混合液に対して、高速度付与工程及び衝突処理工程を実施し、その衝突処理工程において、混合液中の顔料微粒子をも対象物に衝突させるようにすることもできる。あるいは、1次水性混合液は、例えば水性塗料の顔料となる顔料微粒子及び乳化剤を含むエマルジョンとしての水性塗料直前混合液であり、その顔料含有1次水性混合液が低圧撹拌工程で撹拌され、それによって得られる顔料含有2次水性混合液に対して、高速度付与工程及び衝突処理工程を実施し、その衝突処理工程において、混合液中の顔料微粒子をも対象物に衝突させ、それにより得られる顔料含有3次水性混合物が収容工程において水性塗料として収容されるようにすることもできる。
すなわち、本発明の水性樹脂微粒子混合液の製造方法においては、(1)出発液から最終液まで無顔料の水性エマルジョン(水性塗料素液)である場合、(2)出発液は無顔料の水性エマルジョンであるが、低圧攪拌後に顔料を混合し、その顔料を含むエマルジョンに高速度付与処理及び衝突処理を行い最終液が顔料を含む水性塗料となる場合、(3)出発液が顔料を含むエマルジョン(水性塗料直前液)であり、その顔料が最後まで含まれて最終液が水性塗料となる場合等、の製造パターンを採用することができる。
上記(1)の製造パターンによれば、個々の樹脂微粒子が分散した状態の水性塗料素液を得ることができる。(2)又は(3)の製造パターンによれば、個々の樹脂微粒子のみならず顔料微粒子が微細化した状態の水性塗料を得ることができる。
本発明の水性樹脂微粒子混合液の製造装置によれば、例えば二酸化炭素を用いて超高圧状態を実現することにより樹脂微粒子の凝集塊の分散化を図る装置に比べて、安全面に優れており、装置の小型化及び低コスト化が可能である。
本発明の実施例1に係る水性樹脂微粒子混合液の製造装置の概略図。 図1に示した真空タンクを、図1とは異なる中心面で切断した要部断面図。 図1に示した噴射衝突装置の拡大図。 樹脂微粒子の化学構造の一例を示す説明図。 図4に示した樹脂微粒子を模式的に示す説明図。 図4に示した樹脂微粒子が凝集した凝集塊を模式的に示す説明図。 本発明の実施例1に係る水性樹脂微粒子混合液の製造方法を示す説明図。 (a)は1次水性混合液における樹脂微粒子の凝集塊を示す説明図。(b)は2次水性混合液における凝集塊の膨潤状態を示す説明図。(c)は3次水性混合液における凝集塊が分散化される状況を示す説明図。 温度と圧力をパラメータとする飽和蒸気圧表。 低圧状態下での1次水性混合液の変化状況を示す説明図。 図8(b)の状態を具体的に示す説明図。 図1に示した真空ポンプの特性の一例を示す説明図。 1次水性混合液の粒子径分布の測定結果を示すグラフ。 3次水性混合液の粒子径分布の測定結果を示す説明図。 図14に示した状態から長期間経過した後の3次水性混合液の粒子径分布の測定結果を示す説明図。 塩水噴霧試験を行ったときの錆びの進行状況を示す説明図。 (a)は乾燥皮膜の鉛筆硬度試験を行ったときの試験結果を示す説明図。(b)は乾燥皮膜の外観状態を示す説明図。 (a)樹脂微粒子の凝集塊が多く存在する水性塗料素液を塗布素材面に塗布した状態を示す説明図。(b)は樹脂微粒子が個々に分散して存在する水性塗料素液を塗布素材面に塗布した状態を示す説明図。 本発明の実施例2に係る水性樹脂微粒子混合液の製造方法を示す説明図。 本発明の実施例3に係る水性樹脂微粒子混合液の製造方法を示す説明図。 本発明の変形例に係る水性樹脂微粒子混合液の製造方法を示す説明図。 噴射衝突装置の変形例を示す概略図。 噴射衝突装置の変形例を示す概略図。 噴射衝突装置の変形例を示す概略図。 噴射衝突装置の変形例を示す概略図。 本発明の製造装置に付加可能な帯電装置の概略図。 本発明の製造装置に付加可能な帯電装置の概略図。 本発明の製造装置に付加可能な攪拌装置の概略図。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係る水性樹脂微粒子混合液の製造装置1(以下、単に製造装置1という)を例示したものである。製造装置1は、低圧攪拌工程、高速度付与工程、衝突処理工程及び収容工程を実施することにより、水性樹脂微粒子混合液(液中にて個々の樹脂微粒子(ポリマー微粒子)の占める割合が、個々の樹脂微粒子が凝集して塊を生じている凝集塊の占める割合よりも大きい水性エマルジョン)を製造するものであり、低圧攪拌工程を実施する減圧装置10及び攪拌装置20と、高速度付与工程及び衝突処理工程を実施する噴射衝突装置30とを備えている。
減圧装置10は、1次水性混合液L1、すなわち個々の樹脂微粒子及び上記凝集塊が多数混合・分散した水性粗分散混合液を収容する真空タンク11(減圧容器)と、真空タンク11内を、1次水性混合液L1が蒸発によっても残存する状態を保持する、大気圧より低圧状態に減圧する真空ポンプ12とを備えている。
真空タンク11は、例えば全容量が約327l(リットル)(φ700mm×900mm)とされ、少なくとも接液部がステンレス材(SUS304)で形成されている。真空タンク11の側壁外周面には、自身を移動可能とするための4つの車輪付き脚部11aが設けられている。真空タンク11の上部には、空気配管T1を介して真空ポンプ12に接続される真空口11bが設けられるとともに、1次水性混合液L1を真空タンク11内へ注入するための注入口(仕込口)11cが設けられている(図2参照)。
真空タンク11の底部には、低圧攪拌により得られた2次水性混合液L2を、手動バルブ11dの開動作に応じて真空タンク11外へ排出するための排出口11eが設けられている。また、真空タンク11の側壁外周面には、パイプが組み込まれた温度調節部11fが取り付けられており、パイプに温水を流すことで真空タンク11を暖め、冷水を流すことで真空タンク11を冷やすことが可能とされている。
真空ポンプ12は、例えば排気速度が1〜2m/min、すなわち真空タンク11内を大気圧から約20Torr程度の大きさの圧力に減圧するまでに10〜15秒の作動時間を要する仕様に設定されている(図12の特性図(実線)参照)。なお、補助ポンプ(粗引きポンプ)とメカニカルブースタとを組み合わせ、真空タンク11内を排気する補助ポンプの排気速度が落ち込む高真空側の圧力領域(約20Torr)でメカニカルブースタを作動させて、排気速度の向上を図るようにした型式のものを用いてもよい(図12の特性図(破線)参照)。
攪拌装置20は、真空ポンプ12で生じる減圧状態下で1次水性混合液L1を真空タンク11内の中心側で攪拌する内側攪拌ブレード21と、真空タンク11内の側壁側で攪拌する外側攪拌ブレード22とを含んで構成されている。内側攪拌ブレード21は、例えばブレード径がφ200〜φ300mm程度の大きさに設定されており、高速駆動軸23の先端部と中間部とにそれぞれ一体的に取り付けられている。高速駆動軸23は、例えば伝動ベルトによる伝達機構を介して駆動モータ24(例えばインバータモータ)に連結されており、例えば回転数0〜2000rpm(0〜60Hz)の範囲内で1次水性混合液L1の粘度に適した回転数で回転駆動されるようになっている。
外側攪拌ブレード22は、例えばブレード径がφ600〜φ700mm程度の大きさに設定されており、低速駆動軸25の先端部に一体的に取り付けられている。低速駆動軸25は、例えばチェーンによる伝達機構を介して駆動モータ26(例えば減速機付きモータ)に連結されており、例えば回転数20〜50rpmの範囲内のうち予め定められた回転数で回転駆動されるようになっている。なお、低速駆動軸25は、中空軸とされ、その内部を高速駆動軸23が貫通した状態で配置されている。
内側攪拌ブレード21が高速で回転すると、1次水性混合液L1は真空タンク11内の周方向のみならず径方向外方へも押し流されるようになる。このため、内側攪拌ブレード21のみで1次水性混合液L1を攪拌する場合には、真空タンク11の側壁寄りの1次水性混合液L1が澱み、1次水性混合液L1の全体をむらなく攪拌できないおそれがある。本実施例1では、外側攪拌ブレード22が1次水性混合液L1を内側に掻き入れる形状に形成されており、両攪拌ブレード21,22の回転数を異ならせることによって1次水性混合液L1の全体をむらなく攪拌できるように構成されている。
噴射衝突装置30は、市販の湿式微粒化装置を利用して製造装置1に取り入れたものであり、低圧攪拌により1次水性混合液L1から得られた2次水性混合液L2を導く分岐液配管T2(誘導通路)と、その誘導された2次水性混合液L2を加圧する一対のシリンダ31,31と、両シリンダ31,31間に配置されて各シリンダ31に連通路部33を介して連結されるハウジング部32とを備えている。各シリンダ31には、分岐液配管T2の各端部が接続されるポート31bが形成されるとともに、ピストン(あるいはプランジャ)34が移動可能に設けられる加圧室31aが形成されている。ハウジング部32には衝突室32aが形成されている。
連通路部33,33は、相対向して配置されており、各連通路部33には、対応する加圧室31a内の圧力が予め定められた圧力(100〜250Mpaのうちの設定圧力)になったとき開状態となる開閉弁35(開閉手段)が設けられている。つまり、噴射衝突装置30は、開閉弁35の閉状態にて各シリンダ31内のピストン34の押圧作動により、低圧攪拌で1次水性混合液L1から得られた2次水性混合液L2を100〜250Mpaの圧力範囲内で加圧する仕様に設定されている。
図3に示すように、各開閉弁35が開状態になると、加圧室31aで加圧された2次水性混合液L2を互いに対向して噴射する噴射通路33a(噴射口)が形成されるようになっている。両ピストン34,34は同期して押圧作動するように設定されているため、相互の噴射通路33aから相対向して噴射された2次水性混合液L2は、それぞれ噴射通路33aの通過時に加速され、衝突室32a内で互いに高速で衝突する。このような噴射・衝突で2次水性混合液L2から得られた3次水性混合液L3は、ポート32bに接続された排出液配管T3(排出液通路)を通して収容容器40内に収容される(図1参照)。
以上説明した減圧装置10の真空ポンプ12、攪拌装置20の駆動モータ24,26、噴射衝突装置30の各シリンダ31におけるピストン34等は、制御盤100(制御手段)からの操作によって、予め定められた工程を実施すべく作動する。
次に、実施例1で使用する1次水性混合液L1について説明する。1次水性混合液L1は、乳化剤を含む水性塗料の素材液である、顔料を含まない水性エマルジョンであり、この実施例1では予め乳化重合された市販のアクリルエマルジョン(例えば、日本エヌエスシー株式会社製の品番「AD157」)を使用している。このアクリルエマルジョンは、図4にて模式的に示すように、高分子化合物であるモノマー(疎水性モノマー)としてアクリル酸エステル等を使用し、重合開始剤として水に可溶な過硫酸塩等(過硫酸アンモニウム)を使用し、界面活性剤(乳化剤)としてアニオン型のアルキルスルホン酸ナトリウム等を使用して、これらを水中で加えて重合させたものである。なお、界面活性剤はアニオン型のものに限らず、カチオン型やノニオン型のものに適宜変更することができる。また、1次水性混合液L1は、モノマーとしてアクリルを使用したものに限らず、例えば酢酸ビニルや塩化ビニル、あるいは合成ゴムを使用したものに適宜変更することができる。また、乳化重合に限らず、懸濁重合やシード重合などの周知の重合法により重合されたものを適宜使用することができる。
このような1次水性混合液L1では、図5にて模式的に示すように、粒子径が0.1μm未満の樹脂微粒子61(一次粒子)毎にその表面が界面活性剤62(乳化剤)で覆われる粒子形態のものと、図6にて模式的に示すように、樹脂微粒子61が凝集して粒子径が1μm以上となった凝集塊63(二次粒子)毎にその表面が界面活性剤62で覆われる粒子形態のものとが多数混合・分散した状態にある。
樹脂微粒子61が凝集した凝集塊63は、上記した減圧装置10及び攪拌装置20による低圧攪拌工程と、噴射衝突装置30による高速度付与工程及び衝突処理工程とを実施することで、個々の樹脂微粒子61へと分散させることができる。以下、製造装置1で実施される各工程について、図7等を参照して具体的に説明する。なお、図7以降の製造装置1を示す説明図では、図1に示した製造装置1の構成要素を適宜省略してある。
最初に、1次水性混合液L1を用意し、図7(a),7(b)に示すように、これを真空タンク11内に注入する。この段階では、図8(a)に示すように、樹脂微粒子61が凝集した凝集塊63が液中に多数存在している。
次に、低圧攪拌工程Aでは、まず真空タンク11内を真空ポンプ12によって排気し(図12参照)、1次水性混合液L1が蒸発によっても残存する状態を保持する、大気圧より低圧となるまで減圧する。具体的には、図9の飽和蒸気圧表に示すように、真空タンク11内の温度が、4〜20℃である場合に対応して、真空タンク11内の圧力を6〜18Torr(トール)の範囲に設定する。
このとき、真空タンク11内では、減圧に伴って図10(a),10(b)に示すように、液面Sが一旦上昇するとともに、1次水性混合液L1に溶け込んでいた空気(酸素)が膨張し泡となって1次水性混合液L1から除去される(真空脱気・真空脱泡)。この状態で、真空タンク11内をなおも排気し続けると、図10(c)に示すように、液面Sが初期位置に向けて下降し、初期位置に戻ると僅かな間静止状態となり、その後、1次水性混合液L1が急激に沸騰を開始する。本実施例1では、例えば作業者が真空タンク11に設けられた目盛りを目安として液面Sの位置をチェックし、液面Sの上昇により目盛りが見えなくなってから、液面Sの下降により目盛りが再び見えるようになったとき、すなわち、1次水性混合液L1が沸騰を開始する直前、あるいは遅くとも1次水性混合液L1が沸騰を開始した直後には、真空ポンプ12の駆動を停止するようにしている。
上記のような低圧状態下では、大気圧下に比べて樹脂微粒子61間に作用する凝集力が弱くなる。このため、図8(b)に示すように、樹脂微粒子61間に水64が浸入し、凝集塊63自体が膨潤(膨張)する。このとき、例えば図11にて模式的に示すように、凝集塊63を構成する個々の樹脂微粒子61の表面が界面活性剤62で覆われるようになり、1次水性混合液L1に溶け込んでいた空気に加えて、余剰の界面活性剤等の添加剤や不純物がガスとなって1次水性混合液L1から除去される。
そして、この低圧状態下で、駆動モータ24,26による内側攪拌ブレード21、外側攪拌ブレード22の中心軸線周りの回転によって1次水性混合液L1を攪拌することにより、図8(b)に示すように、凝集塊63のなかには元の大きさよりも小さな凝集塊となるようばらけるものがあれば、樹脂微粒子61の単体となるようばらけるものもある(凝集塊63の第一次分散(分離)化)。
図7(a),7(b)に戻って、低圧攪拌により1次水性混合液L1から得られた2次水性混合液L2を分岐液配管T2を通して各シリンダ31の加圧室31a内へ移送する。
高速度付与工程Bでは、まず各ピストン34の押圧作動によって各加圧室内31aの2次水性混合液L2を加圧する。具体的には、2次水性混合液L2を100〜250Mpa(メガパスカル)の圧力範囲内で加圧する。各加圧室31aが設定圧に達すると、開閉弁35が開き、噴射通路33aを流れる2次水性混合液L2に、低圧攪拌に伴う1次水性混合液L1の運動速度より大きな速度が付与されるようになる。
そして、衝突処理工程Cでは、衝突室32a内にて2次水性混合液L2同士を高速で衝突させる(加速度を激減させる)。高速度付与工程B及び衝突処理工程Cを実施することにより、図8(c)に示すように、膨潤により凝集力の弱くなった樹脂微粒子61の凝集塊63が分散に必要なエネルギーを得て、個々の樹脂微粒子61に分散するようになる(凝集塊63の第二次分散(分離)化))。
図7(a),7(b)に戻って、収容工程Dでは、衝突処理工程Cにより2次水性混合液L2から得られた3次水性混合液L3が排出液配管T3を通して収容容器40内に収容される。この3次水性混合液L3に対して、塗料の顔料微粒子を混合することで、水性塗料が出来上がる。
図13は、1次水性混合液L1(以下、ナノ化前のもの又はノーマルなものともいう)の粒子径分布(頻度・累積率)の測定結果を示し、図14は、3次水性混合液L3(以下、ナノ化後のものともいう)の粒子径分布(頻度・累積率)の測定結果を示す。この場合、図7の高速度付与工程Bにおいて開閉弁35が開状態となる圧力を約245MPaに設定した。なお、測定装置として、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(MT3300型、日機装株式会社製)を使用した。
図13及び図14から、製造装置1を使用して各工程を実施することにより、個々の樹脂微粒子61、及び粒子径が1μmに達しない小さな凝集塊が混合・分散した水性エマルジョンが得られていることが分かる。
図15は、ナノ化後から長期間(約1年)経過した後の3次水性混合液L3の粒子径分布(頻度・累積率)の測定結果を示す。図15から、製造装置1を使用して各工程を実施したものは、長期間経過すると樹脂微粒子61が再凝集するようになるが、その場合であっても、粒子径が1μmを超えない程度の範囲内に収まり、粒子径が1μmを超えるような大きな凝集塊が形成され難くなっていることが分かる。
ナノ化後のものと、ナノ化前のものとを、それぞれ切り溝を形成した鉄板面に塗布したものを試験サンプルとして塩水噴霧試験を行った。この塩水噴霧試験では、所定の恒温槽(槽内温度を35℃に設定)内に各試験サンプルを静置した状態で、各試験サンプルに対して所定時間(30時間と150時間)、濃度5%の塩水を噴霧し続けた後、恒温槽内を室温に戻して20日間乾燥させているときに各試験サンプルでの錆の進行状況を観察した。
図16に塩水噴霧試験の試験結果を示す。図16(a)〜(d)は噴霧時間(試験時間)を30時間としたもの、図16(e)〜(h)は噴霧時間(試験時間)を150時間としたものである。また、図16(b),(d),(f),(h)はナノ化後のもの、図16(a),(c),(e),(g)はナノ化前のものである。さらに、図16(c),(d),(g),(h)の各試験サンプルには、塩水噴霧前に150℃で30分間、塗膜の安定化のための焼付け処理を施した。したがって、図16の全体から見ると、(a)と(b)、(c)と(d)、(e)と(f)、(g)と(h)の組合せで試験条件が同じとなっている。
図16から、同じ試験条件のものを比較した場合、ナノ化後の方がナノ化前のものよりも錆の進行状況が明らかに遅くなっており、切り溝で生じた錆が鉄板の塗布面に広がることも良好に抑制されている。すなわち、ナノ化後のものは、ナノ化前のものに比べて防錆性が極めて優れていることが確認された。
また、ナノ化後のものと、ナノ化前のものとをそれぞれガラス板上で乾燥させ、乾燥皮膜(塗膜)の鉛筆硬度(引っかき硬度)を測定した。具体的には、23℃、65%RH(相対湿度)の雰囲気下に7日間静置することを乾燥条件とした試験サンプルと、それに加えて60℃の雰囲気下に3時間静置することを乾燥条件とした試験サンプルとを用意した。図17(a)にその測定結果を示す。いずれの試験サンプルにおいても、ナノ化後のものは、ナノ化前のものに比べて鉛筆硬度が増加していることが確認された。
さらに、ナノ化後のものと、ナノ化前のものとをそれぞれガラス板上で室温乾燥させ、乾燥皮膜(塗膜)の外観を観察した。図17(b)にその観察結果を示す。ナノ化前のものがゆず肌状であるのに対し、ナノ化後のものは平滑であった。この場合、ナノ化後のものは、ナノ化前のものに比べて臭気がほとんどないことが確認された。
図16及び図17に示されるような結果が得られたのは、例えば図18にて模式的に示すように、ナノ化前のものでは凝集塊63が液中に多く存在しており、凝集塊63毎に塗布素材面に接触するのに対し(図18(a))、ナノ化後のものでは樹脂微粒子61が液中に多く存在しており、樹脂微粒子61毎に塗布素材面に接触するようになるので(図18(b))、ナノ化後の方が、ナノ化前のものに比べて塗布素材面との接着力が強くなるからである。つまり、ナノ化によって、塗布素材面から剥がれ難く、強靭な塗膜が形成されるようになる。
また、ナノ化前のものでは、例えば紫外線等により凝集塊63の上部(塗装表面側)における樹脂微粒子61が劣化し出すと、その凝集塊63の下部(塗布素材面側)へと劣化が進み易く、塗膜全体に渡って劣化が早く進行するのに対し、ナノ化後のものでは、塗装表面側に位置する樹脂微粒子61が劣化した場合でも、塗布素材面側に位置する樹脂微粒子61へと劣化が進み難く(個々に独立しているため)、塗膜全体に渡る劣化が抑制されるようになる。また、ナノ化により、過剰な添加物等の不純物が混合液中から除去されることで、無臭性となる。
上記実施例1では、製造装置1を使用して低圧攪拌工程A、高速度付与工程B、衝突処理工程C及び収容工程Dを実施するようにしたが、これらの工程に加えて、例えば図19(a),19(b)に示すように、顔料混合工程A’を実施するようにしてもよい。この実施例2で使用する製造装置1は、上記実施例1と同じ構成であるため、製造装置1についての詳細な説明、及び低圧攪拌工程A、高速度付与工程B、衝突処理工程C及び収容工程Dについての詳細な説明は省略する。
顔料混合工程A’では、低圧攪拌工程Aにより2次水性混合液L2が得られた後、真空タンク11内に2次水性混合液L2を保持した状態で、塗料顔料となる顔料微粒子P1を湿潤剤及び分散剤と共に混合し、必要に応じて攪拌装置20で撹拌する。そして、顔料混合工程A’で得られた顔料含有2次水性混合液L2’に対して、高速度付与工程B及び衝突処理工程Cを実施し、衝突処理工程Cにおいて、その混合液L2’中の樹脂微粒子61の凝集塊63同士を相互に衝突させるとともに、顔料粒子(個々の顔料微粒子P1及び個々の顔料微粒子P1が複数凝集して塊を生じている凝集塊が混在したもの)同士をも相互に衝突させる。
衝突処理工程Cにより、個々の樹脂微粒子61が得られることに加えて、微細化した顔料微粒子P1が得られるので、顔料含有2次水性混合液L2’から得られた顔料含有3次水性混合液L3’(最終液である水性塗料)においては、微細化した顔料微粒子P1の表面が個々の樹脂微粒子61で覆われるようになり、上記実施例1で得られた3次水性混合液L3と同様の理由に基づき、最終液である水性塗料は防錆性等の面で優れた効果を発揮するようになる。
上記実施例2では、低圧攪拌工程Aにより得られた2次水性混合液L2に対し、顔料微粒子P1を混合するようにしたが、これに代えて、例えば図20に示すように、低圧攪拌工程Aを実施する前の段階で、顔料含有1次水性混合液L1’、すなわち、樹脂粒子、乳化剤62、水64及び顔料微粒子P1を含むエマルジョンとしての水性塗料直前混合液を用意するようにしてもよい。
この実施例3では、顔料含有1次水性混合液L1’に対して低圧攪拌工程Aを実施するので、その低圧攪拌で得られる顔料含有2次水性混合液L2’の全体として、酸素等の不純物が除去されるとともに、樹脂微粒子61の凝集塊63のみならず、顔料微粒子P1の凝集塊も膨潤により凝集力の弱くなった粒子態様を呈するようになる。
これにより、顔料含有2次水性混合液L2’に対して、高速度付与工程B及び衝突処理工程Cを実施し、衝突処理工程Cにおいて、その混合液L2’中の樹脂微粒子61の凝集塊63同士を相互に衝突させるとともに、顔料粒子同士をも相互に衝突させ、衝突処理により得られる顔料含有3次水性混合液L3’を収容工程Dにおいて水性塗料として収容する。
これにより、上記実施例2と同様、衝突処理工程Cにより顔料含有2次水性混合液L2’から得られた顔料含有3次水性混合液L3’においては、微細化した顔料微粒子P1の表面が個々の樹脂微粒子61で覆われるようになるので、最終液である水性塗料は防錆性等の面で優れた効果を発揮するようになる。
(変形例)
上記実施例2、3に代えて、例えば図21に示すように、上記実施例1で使用した製造装置1を複数使用し、上記実施例1と同様にして3次水性混合液L3を収容する一方で(工程A〜D)、個々の顔料微粒子P1及び個々の顔料微粒子P1が複数凝集して塊を生じている凝集塊が多数混合・分散した1次顔料液L4に対して、低圧攪拌工程Aを実施し、その低圧攪拌で得られた2次顔料液L5に対して、高速度付与工程B及び衝突処理工程Cを実施し、衝突処理工程Cにおいて、2次顔料液L5中の顔料粒子同士を相互に衝突させ、衝突処理により得られた3次顔料液L6を収容する(工程A〜D)。そして、混合工程Eでは、3次水性混合液L3と3次顔料液L6とをそれぞれ混合し(必要に応じて攪拌する)、収容工程Fでは、混合により得られた水性塗料L7を収容する。
この変形例によれば、例えば異なる色の顔料を使用しようとする場合、顔料液用とした真空タンク11内を洗浄すればよいので、上記実施例2、3のように顔料含有混合液用とした真空タンク11内を洗浄することに比べて、油汚れを落とす必要がないことから、その洗浄作業が楽になる。
なお、上記実施例1〜3等で使用した製造装置1においては、噴射衝突装置30の相互の連通路部33が相対向して配置され、開閉弁35が開いたときの噴射通路33aが相対向して配置されるように構成したが、これに代えて例えば図22に示すように、噴射衝突装置130の相互の連通路部33がハウジング部32の衝突室32a内で、90度以上180度未満の角度θで交差する位置関係の軸線O1,O2を有するよう配置される構成としてもよい。その他の構成は、上記実施例1と同じであるため、同一の機能を果たす部材には同一の符号を付して説明は省略する。
また、上記実施例1〜3等で使用した製造装置1においては、噴射衝突装置30が一対のシリンダ31,31と、両シリンダ31,31間に配置されて各シリンダ31に連通路部33を介して連結されるハウジング部32とを備えるように構成したが、これに代えて例えば図23に示すように、噴射衝突装置230がシリンダ31と、シリンダ31に連通路部33を介して連結されるハウジング部32とを備える構成としてもよい。この場合、ハウジング部32内の衝突室32aには、衝突の対象物としてのセラミック部材36(2次水性混合液L2、顔料含有2次水性混合液L2’あるいは2次顔料液L5から受ける衝突エネルギーを分散すべく所定の曲率半径を有する球状に形成された衝突部)が固定配置されている。なお、その他の構成は上記実施例1と同じであるため、同一の機能を果たす部材には同一の符号を付して説明は省略する。
この噴射衝突装置230を使用する場合においても、高速度付与工程Bでは、ピストン34の押圧作動によって加圧室内31aに誘導された2次水性混合液L2等が予め定められた圧力(100〜250Mpa)となるまで加圧される。加圧室31aが設定圧に達すると、開閉弁35が開き、噴射通路33aを流れる2次水性混合液L2等に、低圧攪拌に伴う1次水性混合液L1等の運動速度より大きな速度が付与される。そして、衝突処理工程Cでは、衝突室32a内にて2次水性混合液L2等がセラミック部材36に高速で衝突する。
したがって、噴射衝突装置230を使用して、高速度付与工程B及び衝突処理工程Cを実施することにより、上記実施例1と同様、樹脂微粒子61の凝集塊63を個々の樹脂微粒子61に良好に分散させることができ、あるいは顔料微粒子P1を良好に微細化することができる。
また、上記実施例1等の噴射衝突装置30,130,230に代えて、例えば図24に示すように、吸引ポンプ13を使用し、吸引ポンプ13の吸引により、2次水性混合液L2等に大きな速度を付与し、吸引ポンプ13の吐出し口から噴出させて、衝突の対象物としてのセラミック部材37(2次水性混合液L2等から受ける衝突エネルギーを分散すべく所定の曲率半径を有する凹状に形成された衝突部)に高速で衝突させるようにしてもよい。
また、例えば図25に示すように、真空ポンプ12を逆転駆動し、真空タンク11内を加圧することで、2次水性混合液L2等に大きな速度を付与し、噴射装置133のノズルから噴出させて、衝突の対象物としてのセラミック部材37に高速で衝突させるようにしてもよい。
さらに、例えば図26に示すように、排出液配管T3の一部を露出する態様として、その露出部位に対応して帯電装置50を設けるようにしてもよい。帯電装置50は、衝突処理工程C後の3次水性混合液L3等を、例えばコロナ放電により正又は負に帯電させるものであり、接地電極51と、正又は負の高電圧を出力する放電電極52aを有する高圧発生部52と、放電電極52aの出力電圧を制御するコントローラ53とを含んで構成されている。帯電装置50により帯電された3次水性混合液L3等は、排出液配管T3の下部を通して収容容器40内に収容される。
帯電装置50を使用して、例えば解離した界面活性剤が陽イオン性化合物(カチオン性)である場合には3次水性混合液L3等を正に帯電させ、陰イオン性化合物(アニオン性)である場合には3次水性混合液L3等を負に帯電させるという帯電工程を実施することにより、樹脂微粒子61間に作用する電気的反発力により樹脂微粒子61の再凝集を効果的に抑制することができる。その結果、樹脂微粒子61の分散状態を長期間に渡って良好に維持できるようになる。
なお、図26に示した帯電装置50に代えて、例えば図27に示すような帯電装置150を使用してもよい。帯電装置150は、収容容器40を載置するための基台151を備えており、基台151には収容容器40内の3次水性混合液L3等に対して電場を付与可能な電極、コイル等が組み込まれ、電場発生装置152により電場制御される。このような帯電装置150によっても、3次水性混合液L3等を正又は負に帯電させることができる。
また、上記実施例1等で使用した攪拌装置20に加えて、例えば図28に示すように、真空タンク11の底部に、超音波発生器122(超音波発信回路、超音波発生手段)により振動する超音波振動子121を取り付け、攪拌ブレード21,22による運動エネルギーとともに超音波振動子121による音響エネルギーを利用し、真空タンク11内の1次水性混合液L1等に対して攪拌効果を与えるようにしてもよい。
また、上記した製造装置1は、例えば圧力センサ、温度センサ等の各種センサを用いることで、各工程が自動的に実施される制御システムとして構築することも可能である。
1 製造装置(水性樹脂微粒子混合液の製造装置)
10 減圧装置
11 真空タンク(減圧容器)
12 真空ポンプ
20 攪拌装置
21 内側攪拌ブレード
22 外側攪拌ブレード
30,130,230 噴射衝突装置
31 シリンダ
31a 加圧室
32 ハウジング部
32a 衝突室
33 連通路部
33a 噴射通路(噴射口)
34 ピストン
35 開閉弁
36,37 セラミック部材(対象物、衝突部)
40 収容容器
61 樹脂微粒子
62 乳化剤
63 凝集塊
64 水
T2 分岐液配管(誘導通路)
T3 排出液配管(排出液通路)
100 制御盤
L1 1次水性混合液
L2 2次水性混合液
L3 3次水性混合液
P1 顔料微粒子
L1’ 顔料含有1次水性混合液
L2’ 顔料含有2次水性混合液
L3’ 顔料含有3次水性混合液

Claims (9)

  1. 個々の樹脂微粒子および個々の樹脂微粒子が複数凝集して塊を生じている凝集塊が多数混合・分散した水性粗分散混合液である1次水性混合液を、その混合液が蒸発によっても残存する状態を保持する、6〜18Torrの低圧状態下で攪拌する低圧攪拌工程と、
    その低圧攪拌により前記1次水性混合液から得られた2次水性混合液を100〜250Mpaの高圧に加圧して、前記攪拌に伴う1次水性混合液の運動速度より大きな速度を付与する高速度付与工程と、
    その高速度を付与された2次水性混合液を互いに向かい合うように噴射して、その2次水性混合液同士を相互に高速で衝突させる衝突処理工程と、
    その衝突処理工程により前記2次水性混合液から得られた3次水性混合液を収容する収容工程と、
    を含むことを特徴とする水性樹脂微粒子混合液の製造方法。
  2. 前記1次、2次及び3次水性混合液は、乳化剤を含む水性塗料の素材液である、顔料を含まない水性エマルジョンであり、前記低圧撹拌工程、高速度付与工程、衝突処理工程及び収容工程を経て収容される3次水性混合液に対して、後に塗料の顔料微粒子が混合されることが予定される請求項1に記載の水性樹脂微粒子混合液の製造方法。
  3. 前記1次水性混合液は、乳化剤を含む水性塗料の素材液である、顔料を含まない水性エマルジョンであり、前記低圧撹拌で得られる2次水性混合液に対し、塗料顔料となる顔料微粒子を混合し、必要に応じて更に撹拌する顔料混合工程を含む、その顔料含有2次水性混合液に対して、前記高速度付与工程及び衝突処理工程を実施し、その衝突処理工程において、前記混合液中の顔料微粒子をも対象物に衝突させる請求項1に記載の水性樹脂微粒子混合液の製造方法。
  4. 前記1次水性混合液は、水性塗料の顔料となる顔料微粒子及び乳化剤を含むエマルジョンとしての水性塗料直前混合液であり、その顔料含有1次水性混合液が前記低圧撹拌工程で撹拌され、それによって得られる顔料含有2次水性混合液に対して、前記高速度付与工程及び衝突処理工程を実施し、その衝突処理工程において、前記混合液中の顔料微粒子をも対象物に衝突させ、それにより得られる顔料含有3次水性混合物が前記収容工程において水性塗料として収容される請求項1に記載の水性樹脂微粒子混合液の製造方法。
  5. 個々の樹脂微粒子および個々の樹脂微粒子が複数凝集して塊を生じている凝集塊が多数混合・分散した水性粗分散混合液である1次水性混合液を収容する減圧容器と、
    その減圧容器内を、1次水性混合液が蒸発によっても残存する状態を保持する、大気圧より低圧状態に減圧する減圧装置と、
    その減圧装置で生じる6〜18Torrの減圧状態下で前記1次水性混合液を撹拌する撹拌装置と、
    前記減圧容器から導かれる、前記撹拌により得られた2次水性混合液を大気圧より高い100〜250Mpaの高圧に加圧して噴射し対象物に衝突させる噴射衝突装置と、
    その噴射・衝突で得られた3次水性混合液を収容する収容容器と、を備え、
    前記噴射衝突装置は、前記減圧容器から前記2次水性混合液を分岐させて導く誘導通路と、その誘導された2次水性混合液を加圧するシリンダとを含み、
    そのシリンダは、分岐して誘導された前記2次水性混合液を個別に加圧するピストン又はプランジャと、加圧された2次水性混合液を互いに噴射する相互の噴射口とを含み、
    その相互の噴射口から噴射された前記2次水性混合液同士が互いを衝突の対象物として高速で衝突することを特徴とする水性樹脂微粒子混合液の製造装置。
  6. 前記噴射口は、相対向して配置され、その相互の噴射口から相対向して噴射された前記2次水性混合液が互いに高速で衝突する請求項5に記載の水性樹脂微粒子混合液の製造装置。
  7. 前記1次、2次及び3次水性混合液は、乳化剤を含む水性塗料の素材液である、顔料を含まない水性エマルジョンである請求項5または6に記載の水性樹脂微粒子混合液の製造装置。
  8. 前記1次水性混合液は、乳化剤を含む水性塗料の素材液である、顔料を含まない水性エマルジョンであり、前記2次及び3次水性混合液は、水性塗料の顔料となる顔料微粒子及び乳化剤を含む顔料含有水性エマルジョンである請求項5または6に記載の水性樹脂微粒子混合液の製造装置。
  9. 前記1次、2次及び3次水性混合液は、水性塗料の顔料となる顔料微粒子及び乳化剤を含む顔料含有水性エマルジョンである請求項5または6に記載の水性樹脂微粒子混合液の製造装置。
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