JP4568494B2 - 吸収性物品及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、吸収性物品及びその製造方法に関する。
従来より、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッドなどの吸収性物品として、トップシートとバックシートの間に吸収体を介在させて成るものが知られており、この吸収体としては、例えば、パルプなどの親水性繊維からなる繊維質基材中に高吸水性樹脂を混入し、経血や尿などの体液の吸収性を向上させたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、このような吸収体を効率よく生産し、且つその形状が安定しやすいように、ティッシュ、クレープ紙などの繊維シート上に、パルプなどの親水性繊維や高吸水性樹脂を積層するように形成された吸収体が知られている。
特開2002−224161号公報
しかしながら、上記特許文献1の場合、吸収体における体液の吸収性を向上させて、体液の逆戻りを軽減することにより、吸収性物品の着用者の不快感を軽減することはできるものの、吸収体の柔軟性や弾力性は十分であるとはいえず、吸収性物品の装着時の違和感につながることがあり、着用者にとって、その吸収性物品の装着感は必ずしもよいものではなかった。
また、吸収体にティッシュ、クレープ紙などの繊維シートが含まれる場合、繊維シート上にパルプなどの繊維を軟らかく積層しても、その繊維シートが有する硬さやコシが吸収体にも反映されてしまい、クッション性が悪く、比較的硬い吸収体となってしまうことがあり、吸収性物品の装着時の違和感につながり、着用者はその吸収性物品の装着感に満足が得られないということがあった。
本発明の課題は、装着感が良好な吸収性物品及びその製造方法を提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、
人体との接触面側に設けられるトップシート(3)と、人体との接触面と反対面側に設けられるバックシート(2)と、前記トップシートと前記バックシートとの間に介装される吸収体(4)とを備える吸収性物品(例えば、ナプキン1)において、
前記吸収体の周囲において、当該吸収体の周辺に延出している前記トップシートと前記バックシートとが、前記吸収性物品の縁に沿うように接着手段によって接着され、
前記吸収体は、厚みが0.5mm以上、5.0mm以下であり、
少なくともパルプを含む吸収体層(4a)と、
前記吸収体層よりも前記トップシート側に設けられ、カーテン法により所定の接着剤を前記吸収体層に塗付することにより、前記吸収体層のみを接着する第1の接着剤層(5)と、
前記吸収体層よりも前記バックシート側に設けられ、カーテン法により所定の接着剤を前記吸収体層に塗付することにより、前記吸収体層のみを接着する第2の接着剤層(6)と、
を備えることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、吸収体の周囲において、吸収体の周辺に延出しているトップシートとバックシートとが、吸収性物品の縁に沿うように接着手段によって接着され、吸収性物品に備えられる吸収体は、厚みが0.5mm以上、5.0mm以下であり、少なくともパルプを含む吸収体層のトップシート側とバックシート側に、カーテン法により所定の接着剤を前記吸収体層に塗付することにより、それぞれ吸収体層のみを接着する第1の接着剤層と吸収体層のみを接着する第2の接着剤層とを備えている。
このような吸収体は、吸収体層のトップシート側とバックシート側の両面が接着剤層により覆われて、吸収体層におけるパルプなどがほぐれて分離しないように接着されているので、この吸収体(吸収体層)の形状は崩れにくいようになっている。
このように接着剤層により吸収体層を覆うことで、吸収体(吸収体層)の形状が崩れないように維持することができるので、従来のように、ティッシュ、クレープ紙などの繊維シート上に、パルプなどの親水性繊維や高吸水性樹脂を積層するように吸収体を形成しなくても、その形状が安定した吸収体を形成することができる。
よって、吸収体において、ティッシュ、クレープ紙などの繊維シートが不要となり、その使用されなくなった繊維シートが有していた硬さやコシ強度などを低減することができるので、パルプなどが有する柔らかさなどを阻害する要因が減り、より柔らかなクッション性を有する吸収体とすることができる。
従って、このような吸収体を備える吸収性物品もクッション性を有する柔らかな吸収性物品とすることができ、装着感が良好な吸収性物品とすることができる。
また、請求項1記載の発明は、
前記吸収体層は、少なくともパルプを含む基盤繊維層(7)に、
パルプと化学繊維の少なくとも一方を含む一乃至複数の繊維層(9)と、吸収性樹脂を含む一乃至複数の樹脂層(8)とが、積層されてなることを特徴とする。
さらに、前記吸収体は、当該吸収体の略中央部である体液排出部位を含む所定の領域以外に、前記吸収性物品の長手方向に沿って凹部および凸部が連続することで、前記吸収体層に含まれるパルプをほぐし、前記吸収体を柔らかくする波状加工が施されていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、さらに、吸収体の吸収体層は、少なくともパルプを含む基盤繊維層に、一乃至複数の繊維層と、一乃至複数の樹脂層とが、所定の配置に積層されてなる。つまり、基盤繊維層に繊維層や樹脂層を、それぞれ所定の配置に所定数積層することで吸収体層を形成することができるので、容易に吸収体を形成することができる。
さらに、吸収体に、吸収性物品の長手方向に沿って凹部および凸部が連続する波状加工を施すことにより、吸収体中の吸収体層に含まれるパルプなどの繊維をほぐし、その吸収体をより柔らかく、コシがなくなるように処理することができる。特に、吸収体の略中央部である体液排出部位を含む所定の領域には、波状加工は施されていないので、吸収性物品における吸収体は、体液排出部位にフィットすることができ、体液の吸収性能を悪化させることはない。
よって、より柔らかくコシをなくした吸収体を備えることで、吸収性物品の装着感を向上させることができる。
そして、繊維層に含まれる繊維の種類や、様々な繊維の配合割合を変化させることで、繊維層の柔らかさ(固さ)や体液の吸収性を変化させることができる。
また、樹脂層に含まれる吸収性樹脂の種類やその配合割合を変化させることで、体液の吸収性を調整することができる。
よって、柔らかさや体液吸収性能など、様々な特性を有する吸収体を容易に形成することができる。
従って、そのような吸収体を吸収性物品に備えることで、装着感が良好であるとともに、様々な特性を有する吸収性物品を容易に形成することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の吸収性物品において、前記繊維層は化学繊維を含み、当該化学繊維はSWP(登録商標、(Synthetic Wood Pulp))であることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1又は2に記載の吸収性物品において、
前記第1の接着剤層と、前記第2の接着剤層とは、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂により構成されていることを特徴とする。
請求項記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、第1の接着剤層と、第2の接着剤層とは、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂により構成されているので、より柔らかく、コシがない吸収体を形成することができる。
請求項記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の吸収性物品において、
前記第1の接着剤層と、前記第2の接着剤層とは、0.01g/m2以上、20g/m2以下の目付量で形成されていることを特徴とする。
請求項記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、第1の接着剤層と、第2の接着剤層とは、0.01g/m2以上、20g/m2以下の目付量で形成されているので、より柔らかく、コシがない吸収体を形成す
ることができる。
請求項5記載の発明は、
請求項1〜4の何れか一項の記載の吸収性物品を製造する製造方法において、
前記吸収体の周囲において、当該吸収体の周辺に延出している前記トップシートと前記バックシートとを、前記吸収性物品の縁に沿うように接着手段によって接着する工程を備え、
前記吸収体の製造工程は、
少なくともパルプを含む基盤繊維層(7)を形成する基盤繊維層形成工程と、
前記基盤繊維層形成工程により形成された前記基盤繊維層に、パルプと化学繊維の少なくとも一方を含む一乃至複数の繊維層(9)と、吸収性樹脂を含む一乃至複数の樹脂層(8)とを積層して、吸収体層(4a)を形成する吸収体層形成工程と、
前記吸収体層形成工程により形成された前記吸収体層の上層面と下層面に、カーテン法により所定の接着剤を付与し、前記吸収体層のみをそれぞれ接着する第1の接着剤層(5)と、第2の接着剤層(6)とを形成する接着剤層形成工程と、
当該吸収体の略中央部である体液排出部位を含む所定の領域以外に、前記吸収性物品の長手方向に沿って凹部および凸部が連続することで、前記吸収体層に含まれるパルプをほぐし、前記吸収体を柔らかくする波状加工を形成する波状加工形成工程と、
を備えることを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、吸収体の周囲において、吸収体の周辺に延出しているトップシートとバックシートとを、吸収性物品の縁に沿うように接着手段によって接着する工程が備わり、その吸収体を形成する製造工程には、少なくともパルプを含む基盤繊維層を形成する基盤繊維層形成工程と、基盤繊維層形成工程により形成された基盤繊維層に、パルプと化学繊維の少なくとも一方を含む一乃至複数の繊維層と、吸収性樹脂を含む一乃至複数の樹脂層とを、所定の配置に積層し、吸収体層を形成する吸収体層形成工程と、吸収体層形成工程により形成された吸収体層の上層面と下層面に、カーテン法により所定の接着剤を付与し、吸収体層のみをそれぞれ接着する第1の接着剤層と、第2の接着剤層とを形成する接着剤層形成工程と、当該吸収体の略中央部である体液排出部位を含む所定の領域以外に、吸収性物品の長手方向に沿って凹部および凸部が連続することで、吸収体層に含まれるパルプをほぐし、吸収体を柔らかくする波状加工を形成する波状加工形成工程と、の4つの工程がある。
つまり、吸収体は、少なくともパルプを含む基盤繊維層に、所定数の繊維層と所定数の樹脂層とを所定の配置に積層して吸収体層を形成し、その吸収体層の上層面(例えば、トップシート側の面)と下層面(例えば、バックシート側の面)に、所定の接着剤を塗布するなどして付与し、吸収体層の両面を接着剤層で覆うことにより、吸収体層の形状が崩れないように維持することができる吸収体を容易に形成することができる。
このように形成された吸収体は、従来のように、ティッシュ、クレープ紙などの繊維シートを用いずに形成されているので、その使用されなくなった繊維シートが有していた硬さやコシ強度などを低減することができ、より柔らかなクッション性を有する吸収体とすることができる。
よって、このような3つの工程を備える製造工程によって、より柔らかなクッション性を有する吸収体を形成することができる。そして、このような吸収体の製造工程を有する製造方法により製造される吸収性物品は、クッション性を有する柔らかな吸収性物品として製造することができ、装着感が良好な吸収性物品とすることができる。
請求項1記載の発明によれば、吸収体の周囲において、吸収体の周辺に延出しているトップシートとバックシートとが、吸収性物品の縁に沿うように接着手段によって接着され、吸収性物品に備えられる吸収体は、少なくともパルプを含む吸収体層のトップシート側とバックシート側に、カーテン法により所定の接着剤を前記吸収体層に塗付することにより、それぞれ吸収体層のみを接着する第1の接着剤層と吸収体層のみを接着する第2の接着剤層とを備え、吸収体の略中央部である体液排出部位を含む所定の領域以外に、吸収性物品の長手方向に沿って凹部および凸部が連続することで、吸収体層に含まれるパルプをほぐし、吸収体を柔らかくする波状加工が施されている。このような吸収体は、吸収体層のトップシート側とバックシート側の両面が接着剤層により覆われて、吸収体層におけるパルプなどがほぐれて分離しないように接着されているので、この吸収体(吸収体層)の形状は崩れにくいようになっている。
このように接着剤層により吸収体層を覆うことで、吸収体(吸収体層)の形状が崩れないように維持することができるので、従来のように、ティッシュ、クレープ紙などの繊維シート上に、パルプなどの親水性繊維や高吸水性樹脂を積層するように吸収体を形成しなくても、その形状が安定した吸収体を形成することができる。
よって、吸収体において、ティッシュ、クレープ紙などの繊維シートが不要となり、その使用されなくなった繊維シートが有していた硬さやコシ強度などを低減することができるので、パルプなどが有する柔らかさなどを阻害する要因が減り、より柔らかなクッション性を有する吸収体とすることができる。従って、このような吸収体を備える吸収性物品もクッション性を有する柔らかな吸収性物品とすることができ、装着感が良好な吸収性物品とすることができる。
また、請求項1記載の発明によれば、吸収体の吸収体層は、少なくともパルプを含む基盤繊維層に、一乃至複数の繊維層と、一乃至複数の樹脂層とが、所定の配置に積層されてなる。つまり、基盤繊維層に繊維層や樹脂層を、それぞれ所定の配置に所定数積層することで吸収体層を形成することができるので、容易に吸収体を形成することができる。
そして、繊維層に含まれる繊維の種類や、様々な繊維の配合割合を変化させることで、繊維層の柔らかさ(固さ)や体液の吸収性を変化させることができる。
また、樹脂層に含まれる吸収性樹脂の種類やその配合割合を変化させることで、体液の吸収性を調整することができる。
よって、柔らかさや体液吸収性能など、様々な特性を有する吸収体を容易に形成することができる。従って、そのような吸収体を吸収性物品に備えることで、装着感が良好であるとともに、様々な特性を有する吸収性物品を容易に形成することができる。
また、請求項1記載の発明によれば、吸収体に、吸収性物品の長手方向に沿って凹部および凸部が連続することで、吸収体層に含まれるパルプをほぐし、吸収体を柔らかくする波状加工を施すことにより、吸収体中の吸収体層に含まれるパルプなどの繊維をほぐし、その吸収体をより柔らかく、コシがなくなるように処理することができる。特に、吸収体の略中央部である体液排出部位を含む所定の領域には、波状加工は施されていないので、吸収性物品における吸収体は、体液排出部位にフィットすることができ、体液の吸収性能を悪化させることはない。
よって、より柔らかくコシをなくした吸収体を備えることで、吸収性物品の装着感を向上させることができる。
請求項記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、第1の接着剤層と、第2の接着剤層とは、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂により構成されているので、より柔らかく、コシがない吸収体を形成することができる。
請求項記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、第1の接着剤層と、第2の接着剤層とは、0.01g/m2以上、20g/m2以下の目付量で形成されているので、より柔らかく、コシがない吸収体を形成することができる。
請求項5記載の発明によれば、吸収体の周囲において、吸収体の周辺に延出しているトップシートとバックシートとを、吸収性物品の縁に沿うように接着手段によって接着する工程が備わり、その吸収体を形成する製造工程には、少なくともパルプを含む基盤繊維層を形成する基盤繊維層形成工程と、基盤繊維層形成工程により形成された基盤繊維層に、パルプと化学繊維の少なくとも一方を含む一乃至複数の繊維層と、吸収性樹脂を含む一乃至複数の樹脂層とを、所定の配置に積層し、吸収体層を形成する吸収体層形成工程と、吸収体層形成工程により形成された吸収体層の上層面と下層面に、カーテン法により所定の接着剤を付与し、吸収体層のみをそれぞれ接着する第1の接着剤層と、第2の接着剤層とを形成する接着剤層形成工程と、当該吸収体の略中央部である体液排出部位を含む所定の領域以外に、吸収性物品の長手方向に沿って凹部および凸部が連続することで、吸収体層に含まれるパルプをほぐし、吸収体を柔らかくする波状加工を形成する波状加工形成工程と、の4つの工程がある。つまり、吸収体は、少なくともパルプを含む基盤繊維層に、所定数の繊維層と所定数の樹脂層とを所定の配置に積層して吸収体層を形成し、その吸収体層の上層面(例えば、トップシート側の面)と下層面(例えば、バックシート側の面)に、所定の接着剤を塗布するなどして付与し、吸収体層の両面を接着剤層で覆うことにより、吸収体層の形状が崩れないように維持することができる吸収体を容易に形成することができる。
このように形成された吸収体は、従来のように、ティッシュ、クレープ紙などの繊維シートを用いずに形成されているので、その使用されなくなった繊維シートが有していた硬さやコシ強度などを低減することができ、より柔らかなクッション性を有する吸収体とすることができる。よって、このような3つの工程を備える製造工程によって、より柔らかなクッション性を有する吸収体を形成することができる。そして、このような吸収体の製造工程を有する製造方法により製造される吸収性物品は、クッション性を有する柔らかな吸収性物品として製造することができ、装着感が良好な吸収性物品とすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図1から図3に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した吸収性物品の展開図であり、図2は図1のII−II線における断面図である。
図1、2に示す吸収性物品としての生理用ナプキン(以下、「ナプキン」という。)1は、人体との接触面側に設けられ、経血やおりものなどの体液を速やかに透過させる透液性のトップシート3と、人体との接触面と反対側に設けられる、ポリエチレンシートなどからなる不透液性のバックシート2と、これらバックシート2とトップシート3との間に介装される吸収体4とにより構成されている。
このナプキン1の吸収体4の周囲において、吸収体4の周辺に延出しているバックシート2とトップシート3とがナプキン1の縁に沿うようにホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接着されている。
バックシート2は、ポリエチレン等の少なくとも遮水性を有するシート材により形成されている。また、ムレ防止の観点から透湿性を有するシート材であることが好ましく、この遮水性と透湿性とを具備するシート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シート材が好適に用いられる。
また、バックシート2の外面には一又は複数条の粘着剤層(図示せず)が形成されており、身体への装着時にナプキン1を下着に固定できるようになっている。
トップシート3は、有孔または無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどにより形成されている。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。また、不織布を製造する方法としては、公知の方法を適宜用いることができ、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブロー法、ニードルパンチ法、或いはこれらを組み合わせた方法等によって不織布を製造することができる。
トップシート3に多数の透孔を形成した場合には、経血やおりもの等の体液がより速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。
吸収体4は、体液を吸収するものであり、パルプ、化学繊維等の各種繊維が所定の割合で配合、混合された繊維層や、高吸水性樹脂であるSAP(Super Absorbent Polymer)等が含まれる樹脂層が、所定の配置に積層されてなる吸収体層4aを有している。
そして、その繊維層や樹脂層を積層してなる吸収体層4aのトップシート3側(上面側)には、所定の接着剤により構成される第1の接着剤層5が設けられ、また、吸収体層4aのバックシート2側(下面側)には、所定の接着剤により構成される第2の接着剤層6が設けられている。この第1の接着剤層5と第2の接着剤層6とは、吸収体層4aにおける各繊維や高吸水性樹脂などがほぐれてしまうなど分離、分解しないように、各繊維や高吸水性樹脂などを接着、固着することで、その吸収体4(吸収体層4a)の形状を維持するための層である。
本実施の形態においては、図2に示すように、少なくともパルプを含むようにパルプと化学繊維が所定の割合で配合された繊維混合体における各繊維が絡み合うように、所定の厚みに形成された基盤繊維層7と、その基盤繊維層7の上面に所定量のSAPを載せるように形成された樹脂層8と、その樹脂層8の上面に少なくともパルプを含むようにパルプと化学繊維が所定の割合で配合された繊維混合体における各繊維を絡み合わせて載せるように形成された繊維層9と、を有する吸収体層4aを形成し、その吸収体層4aの上面側である繊維層9の表面と、吸収体層4aの下面側である基盤繊維層7の表面に、所定の接着剤を付与するように塗布し、それぞれ第1の接着剤層5と、第2の接着剤層6とを形成して吸収体4が形成されている。
つまり、吸収体4は、少なくともパルプを含むようにパルプと化学繊維が所定の割合で配合された繊維混合体からなる基盤繊維層7を形成する基盤繊維層形成工程と、基盤繊維層7の上面に、吸収性樹脂(例えば、SAP)を含む所定数の樹脂層8と、パルプと化学繊維の少なくとも一方を含む所定数の繊維層9とを、所定の配置に積層し、吸収体層4aを形成する吸収体層形成工程と、吸収体層4aの上層面である繊維層9の表面と、吸収体層4aの下層面である基盤繊維層7の表面に、所定の接着剤を付与するように塗布し、それぞれ第1の接着剤層5と、第2の接着剤層6とを形成する接着剤層形成工程と、を備える製造方法によって、形成、製造されるようになっている。
このように形成された吸収体4は、クッション性が良好で、ねじれの柔らかさがよく、適度なコシ強度を有する吸収体4とすることができる。
なお、この吸収体4の厚みは、0.5mm以上、5.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.7mm以上、2.0mm以下である。
吸収体4の厚みが0.5mm未満であると、吸収体における体液の吸収量が少なく、体液の吸収性が低いので、体液の逆戻りや漏れなどが生じてしまうことある。また、吸収体4の厚みが0.5mm未満であると、吸収体が薄いため、そのクッション性能が低減してしまい、柔らかさが損なわれることがある。
また、吸収体4の厚みが5.0mmを超えると、その吸収体を備えたナプキン1の厚みも増し、ナプキンが嵩張るようになるので、個別包装されたナプキンを携帯しづらくなる問題が生じることがある。
ここで、パルプとは、木材などの植物体を機械的・化学的に処理してほぐし、セルロース繊維を分離し水に懸濁した状態や厚紙状にしたもののことであり、セルロースとヘミセルロース、リグニンが3大成分で、その他に樹脂や色素、中性物質などを含んでいる。パルプの種類は、原料によって大きく分けると、針葉樹パルプ(N材、マツなど)、広葉樹パルプ(L材、ブナなど)、非木材パルプ(ケナフ、バガス、綿など)、脱墨古紙パルプ(DIP)などがある。更にパルプの製造方法で分類され、機械的に砕いて製造するメカニカルパルプ、亜硫酸や硫酸塩などの化学薬品を用いて製造するケミカルパルプなどがある。また、特殊パルプとして、TCF(Total Chlorine Free)パルプ、ECF(Elemental Chlorine Free)パルプなどもある。
パルプはもともと親水性でしかも多孔質のため、吸水性に富んでおり、原料や製造方法の組み合わせによって多くの種類のパルプが存在するため、適当なパルプを選択し、使用することが望ましい。
化学繊維とは、石炭・石油などの原料から化学的に合成、または天然繊維を化学的に加工して作った繊維のことである。化学繊維として、例えば、ナイロンやアラミドのようなポリアミド繊維や、PET繊維やPTT繊維のようなポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリプロピレン繊維などの化学繊維を適宜使用することができる。また、外側がポリエチレン、内側がポリプロピレンからなる芯鞘構造の合成繊維も利用可能であり、これ以外にも、合成繊維を親水化処理した繊維であるインタック(商品名)のような化学繊維や、SWP(Synthetic Wood Pulp)を使用してもよい。
吸収体4(吸収体層4a)にパルプのみならず化学繊維を加えることによって、吸収体内での繊維同士の結合力が高まり、装着者の動き等に伴う外力に対して高い耐性を持つようになると共に、化学繊維の存在によって、熱をかけた場合に化学繊維が溶解することで接着剤の役割を果たすことになる。化学繊維は、例えばポリプロピレンは150℃以上で溶解し、溶解温度の高いものであっても、400℃前後で溶解することが知られている。この化学繊維の特性によって、ホットメルトなどの接着剤を使わずに、ヒートシール等で融着させることが可能となる。
また、吸収体4に化学繊維を加えることによって、吸収体4の厚み方向へのクッション性を高めることが可能になり、パルプやSAPによる吸収性と、化学繊維によるクッション性のバランスを取りつつ両性能を上げることができる。
接着剤とは、吸収体4の表面において、パルプや化学繊維などの各繊維や高吸水性樹脂などを接着し、その吸収体4(吸収体層4a)の形状を維持するためのものである。接着剤として、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA;Ethylene Vinyl Acetate)、ポリビニルアルコール(PVA)、アクリルアミド・ポリビニルアルコール共重合体、アクリル酸エステル・酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロースナトリウム、SIS、SBS、SIBS、SEPS等のスチレン系エラストマー、ポリエステル・アクリル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマーなどを適宜使用することができる。
本発明における接着剤としては、乾燥時にタック(粘り気)の少ない接着剤であることが好ましい。タック性が高いと、吸収体4のコシが強まってしまい、所望する柔らかさを有する吸収体4を形成しにくくなってしまうからである。
このようなタック性の低さ(非粘着性)と、経時後の粘度安定性が高く、加工安定性を有するエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)を、好適に本発明に係る吸収性物品1の吸収体4に使用することができる。
また、EVAは、肌に貼りつき難いので、肌に触れる部分(肌に触れる可能性がある部分)に使用しても、肌触り感が悪化しにくく、吸収性物品1の吸収体4に好適に使用することができる。
また、フェノール系、イオウ系、リン系の安定剤を併用することにより、接着剤のタック性を低下させて使用することができるようになる。
接着剤を吸収体層4aに塗布する方法は、カーテン法、ビート法、スロット法、スパイラル法など、周知の塗布方法(例えば、スプレー塗布やブレードコートなど)により行うことができる。そして、吸収体層4aに付与された接着剤が、第1の接着剤層5や第2の接着剤層6を形成する。
この第1の接着剤層5や第2の接着剤層6は、0.01g/m2〜20g/m2の目付量で形成されることが好ましく、より好ましくは0.3g/m2〜10g/m2の目付量である。このような目付量であれば、クッション性が良好で、適度なコシ強度を有する吸収体4とすることができる。
EVAの目付量が、0.01g/m2未満であると、吸収体4(吸収体層4a)に含まれるパルプなどの繊維が脱落しやすくなり、また、EVAの目付量が、20g/m2を超えると、接着剤層のコシ強度や粘性が高くなることで、吸収体4が固くなってしまうという問題が生じる場合があるからである。
SAPは、自身の3次元網目構造の分子間に水の分子を束縛することで、吸収した水分をゲル化して閉じ込める機能を有している。具体的に、SAPは、例えば、デンプン−ポリアクリロニトリル加水分解物、デンプン−ポリアクリル酸塩架橋物、カルボキシルメチルセルロース系、酢酸ビニル−アクリル酸メチル共重合体のケン化物、ポリアクリル酸ソーダ架橋物などを用いることができる。
通常、「毛細管現象」による綿、パルプ、スポンジなどの吸収力が、自重の20倍程度であるのに対し、SAPは自重の数100〜1000倍もの水を吸収することができる。SAPの中では、タテ、ヨコに張り巡らされた高分子の細かい網目の中に、水分子が水素結合でしっかり押さえ込まれている形で保持される。水分子はSAPの内部で結合しているために、絞ったり押したりといった行為により圧力を加えても、SAPが水を吐き出すことはない。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示されるように、吸収体4は、第1層から第5層の各層が重ねられて構成されている。ここで、第2層から第4層の3層分が吸収体層4aに相当する。
なお、各層や、各層における構成材料の配合比率は、目付け量(g/m2)で示している。
パルプが50g/m2、ポリプロピレン/ポリエチレン(3.3/5.0)が2g/m2の配合比率となるように基盤繊維層である第2層を形成し、その第2層上にSAPが55g/m2となるように樹脂層である第3層を形成し、その第3層上にパルプが50g/m2、ポリプロピレン/ポリエチレン(3.3/5.0)が6g/m2の配合比率となるように繊維層である第4層を形成し、吸収体層4aを製造した。
上記の吸収体層4aの上面側と下面側とに、それぞれ接着剤としてのEVAをスプレー塗布し、それぞれ4g/m2となるように、第1の接着剤層である第5層と、第2の接着剤層である第1層とを形成し、吸収体4を製造した。
そして、この吸収体4を、トップシート3とバックシート2との間に介装するようにナプキン1を製造した。
このナプキンの品質評価結果を表2に示す。
実施例1において、第2層のポリプロピレン/ポリエチレン(3.3/5.0)を3g/m2に、第3層のSAPを60g/m2に、第4層のポリプロピレン/ポリエチレン(3.3/5.0)を2g/m2に代えた以外は実施例1と同様にして吸収体を得て、ナプキンを製造した。このナプキンの品質評価結果を表2に示す。
実施例1において、第3層のSAPを50g/m2に、第4層のパルプを33g/m2に、ポリプロピレン/ポリエチレン(3.3/5.0)を30g/m2に代えた以外は実施例1と同様にして吸収体を得て、ナプキンを製造した。このナプキンの品質評価結果を表2に示す。
実施例1において得られた吸収体に、図3に示されるように、当該吸収体の略中央部である体液排出部位を含む所定の領域以外に、吸収体(が備えられるナプキン)の長手方向に沿って凹部および凸部が連続する波状加工を施した以外は実施例1と同様にして吸収体を得て、ナプキンを製造した。このナプキンの品質評価結果を表2に示す。
実施例1において、第4層のパルプを45g/m2に、ポリプロピレン/ポリエチレン(3.3/5.0)を6g/m2に代え、その第4層にSWPを5g/m2加えた吸収体を形成し、その吸収体に、図3に示されるように、当該吸収体の略中央部である体液排出部位を含む所定の領域以外に、吸収体(が備えられるナプキン)の長手方向に沿って凹部および凸部が連続する波状加工を施した以外は実施例1と同様にして吸収体を得て、ナプキンを製造した。このナプキンの品質評価結果を表2に示す。
〔比較例〕
実施例1において、第3層のSAPを50g/m2に、第4層のポリプロピレン/ポリエチレン(3.3/5.0)を3g/m2に代え、第1層と第5層を形成せずに、第1層が相当する配置に16g/m2のクレープ紙を配設した以外は実施例1と同様にして吸収体を得て、ナプキンを製造した。このナプキンの品質評価結果を表2に示す。
Figure 0004568494
Figure 0004568494
〔評価方法〕
上述の実施例1〜5及び比較例により得られたナプキンの物性についての評価は以下のように行った。
ねじり固さ(gf・cm/cm)は、サンプルを70度ねじったときの強度である、ねじり固さ70度として、KES大型ねじれ試験機を用いて測定した。KES大型ねじれ試験機とは、カトーテック株式会社製の大型ねじれ試験機(KES−YN−1−B)のことであり、吸収性物品(ナプキン)のサンプルの大きさを、長さ150mm×幅55mmに設定し、以下の試験条件で測定した。
・測定チャック部:上部チャックと下部チャックのエッジをサンプルのエッジに合わせてセット
・チャック間隔:115mm
・SENS(記録感度):2
・ねじれ角度:7・CONTROL:7
・SPEED:12cm/s
・サンプル幅:6cm
0〜±70度のねじれ角度間で測定してグラフ(X軸:度、Y軸:gf・cm/cm(応力))を作成し、グラフから、ねじれ角度10〜65度におけるグラフの傾き、即ちねじり固さ70度値を読取る。
圧縮固さ(gf・cm/cm2)は、KES圧縮試験機を用いて測定した。KES圧縮試験機とは、カトーテック株式会社製のハンディー圧縮試験機(KES−G5)である。試験条件は以下の通りである。
・SENS(記録感度):2
・力計の種類:1kg
・SPEED RANGE:0.01(cm/sec)
・DEF感度:5
・加圧面積:2cm2
・取込み間隔:0.1(標準)
・STROKE SET:5.0
・上限荷重:50gf/cm2
上記の試験条件下でサンプル(ナプキン)をその厚み方向に圧縮し、圧力と変形量との相関図から圧縮固さを得る。圧縮固さ値が大きいほど、圧縮されやすい、即ち柔らかく、値が小さいほど硬い。
回復率(%)は、KES圧縮試験機を用いて測定した。KES圧縮試験機とは、カトーテック株式会社製のハンディー圧縮試験機(KES−G5)である。試験条件は以下の通りである。
・SENS(記録感度):2
・SPEED RANGE:0.01(cm/sec)
・DEF感度:5
・STROKE SET:5.0
・上限荷重:50gf/cm2
上記の試験条件下でサンプル(ナプキン)を折り畳んだ状態で圧縮し、圧力と変形量との相関図から回復率を得る。回復率が大きいほど、折り畳まれる前の形状に戻りやすく、即ちクッション性がよい。
官能評価は、評価試験官が実際にナプキンを装着し、その肌触り間などを体感し、その使用時の違和感のなさを評価した。その評価基準は、Aの「非常に良い」、Bの「よい」、Cの「普通」の3段階で評価した。
以下に、表1、表2に基づき、実施例1〜5におけるナプキンの評価結果について説明する。
表1に示されるように、実施例1におけるナプキン1は、比較例としての従来のナプキンにおけるクレープ紙を使用せずに、吸収体層4aを接着剤層である第1層と第5層とにより覆い、その吸収体4の形状を維持するようにしたものである。
この実施例1におけるナプキン1は、表2に示されるように、クレープ紙がなくなったことにより、クレープ紙が有していたコシ強度がなくなる。このコシ強度の低下は、ねじり固さ値が比較例より低下したことによりわかる。
また、表1に示されるように、クレープ紙に相当する目付量(g/m2)分を、ポリプロピレン/ポリエチレン(PP/PE)とSAPして増やしたことにより、表2に示されるように、圧縮固さや回復率が上昇し、そのクッション性が向上しているとともに、体液の吸収量も向上している。
このように、実施例1におけるナプキン1は、従来のナプキンに比べ、コシがなくクッション性がよいので、装着感が良好なナプキンとすることができ、また、吸収性能が良好なナプキンであるといえる。
なお、この実施例1において、接着剤層である第1層と第5層を形成する際に、EVAの塗布方法をスパイラル法とカーテン法とのそれぞれにより行い、厚さ50μmの接着剤層を形成した吸収体4を備えるナプキン1の比較を行った。
スパイラル法により接着剤層を形成した吸収体4からは、パルプなどの繊維の脱落があるため、吸収体4の形状が安定しにくいという問題があった。
一方、カーテン法により接着剤層を形成した吸収体4を備えるナプキン1は、クッション性やねじり固さが良好なナプキンとすることができた。
よって、接着剤層を形成する際におけるEVAなどの接着剤の塗布方法は、カーテン法がよりよいということが判った。
実施例2におけるナプキン1は、実施例1と同様にクレープ紙を使用せずに、吸収体層4aを接着剤層である第1層と第5層とにより覆い、その吸収体4の形状を維持するようにしたものである。
この実施例2におけるナプキン1は、表1に示されるように、SAPの配合比率、割合をより多くしたものである。このようにSAPの量を増やしたことにより、表2に示されるように、ナプキンにおける体液の吸収量がより向上している。
このように、実施例2におけるナプキン1は、従来のナプキンに比べ、コシがなくクッション性がよく、さらに吸収性能が良好であるので、装着感が良好であるとともに、吸収性能が良好なナプキンとすることができる。
実施例3におけるナプキン1は、実施例1と同様にクレープ紙を使用せずに、吸収体層4aを接着剤層である第1層と第5層とにより覆い、その吸収体4の形状を維持するようにしたものである。
この実施例3におけるナプキン1は、表1に示されるように、第4層のパルプ比率を下げ、PP/PE比率を増やしたものである。このようにPP/PEの量を増やしたことにより、表2に示されるように、ナプキンにおける回復率が向上している。
このように、実施例3におけるナプキン1は、従来のナプキンに比べ、コシがなくクッション性がよく、さらに回復率が良好であるので、装着感が良好であるとともに、クッション性が良好なナプキンとすることができる。
実施例4におけるナプキン1は、実施例1と同様にクレープ紙を使用せずに、吸収体層4aを接着剤層である第1層と第5層とにより覆い、その吸収体4の形状を維持するようにしたものである。
この実施例4におけるナプキン1は、表2に示されるように、実施例1における吸収体4に図3に示されるような所定の波状加工が施された吸収体40を備えるものである。
このような波状加工を吸収体に施すことにより、吸収体40中の吸収体層4aにおける各繊維をほぐし、吸収体をより柔らかく、コシがなくなるように処理することができるのである。これは、表2において、ナプキンのねじり固さ値が低下していることからもわかる。
このように、実施例4におけるナプキン1は、従来のナプキンに比べ、コシがなく、柔らかさを向上させることができるので、装着感が良好なナプキンとすることができる。
実施例5におけるナプキン1は、実施例1と同様にクレープ紙を使用せずに、吸収体層4aを接着剤層である第1層と第5層とにより覆い、その吸収体4の形状を維持するようにしたものである。
この実施例5におけるナプキン1は、表1に示されるように、第4層のパルプ比率を下げ、代わりにSWPを加えた吸収体に、図3に示されるような所定の波状加工が施された吸収体40を備えるものである。
このような波状加工を吸収体に施すことにより、吸収体40中の吸収体層4aにおける各繊維をほぐし、吸収体をより柔らかく、コシがなくなるように処理することができるのである。これは、表2において、ナプキンのねじり固さ値が低下していることからもわかる。
このように、実施例5におけるナプキン1は、従来のナプキンに比べ、コシがなく、柔らかさを向上させることができるので、装着感が良好なナプキンとすることができる。
このように、本発明にかかるナプキン1における吸収体は、従来の吸収体に用いられていたティッシュ、クレープ紙などの繊維シートを使用せずに、接着剤層を設けることにより形成することができ、その使用されなくなった繊維シートが有していた硬さやコシ強度などを低減することができるので、パルプなどが有する柔らかさなどを阻害する要因が減り、より柔らかなクッション性を有する吸収体とすることができる。
このような吸収体を備える本発明にかかるナプキン1は、従来の繊維シートを含んでいたナプキンに比べ、より柔らかなクッション性を有するナプキンとすることができる。
よって、本発明に係るナプキン1は、クッション性が良好な柔らかなナプキンとすることができ、装着感が良好なナプキンとすることができる。
なお、以上の実施の形態においては、吸収体層4aは、繊維層2層と樹脂層1層の、計3層の構造を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、繊維層や樹脂層はそれぞれ何層であってもよく、その配置順や各層の構成(例えば、繊維や樹脂の種類、比率)なども任意である。
また、吸収体層、特に繊維層に柔軟剤を塗布するなどして付与することにより、吸収体層(吸収体)のコシ強度をより低減するようにしてもよい。
また、吸収体層(吸収体)に、消臭剤の粉体などを混入、混合することで、吸収性物品(ナプキン)に消臭性能を付与するようにしてもよい。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
本発明を適用した吸収性物品の展開図である。 図1のII−II線における断面図である。 本実施の形態における吸収体の変形例(波状加工)を示す説明図である。
符号の説明
1 ナプキン(吸収性物品)
2 バックシート
3 トップシート
4、40 吸収体
5 第1の接着剤層
6 第2の接着剤層
7 基盤繊維層
8 樹脂層
9 繊維層

Claims (5)

  1. 人体との接触面側に設けられるトップシートと、人体との接触面と反対面側に設けられるバックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に介装される吸収体とを備える吸収性物品において、
    前記吸収体の周囲において、当該吸収体の周辺に延出している前記トップシートと前記バックシートとが、前記吸収性物品の縁に沿うように接着手段によって接着され、
    前記吸収体は、厚みが0.5mm以上、5.0mm以下であり、
    少なくともパルプを含む吸収体層と、
    前記吸収体層よりも前記トップシート側に設けられ、カーテン法により所定の接着剤を前記吸収体層に塗付することにより、前記吸収体層のみを接着する第1の接着剤層と、
    前記吸収体層よりも前記バックシート側に設けられ、カーテン法により所定の接着剤を前記吸収体層に塗付することにより、前記吸収体層のみを接着する第2の接着剤層と、
    を備え、当該吸収体の略中央部である体液排出部位を含む所定の領域以外に、前記吸収性物品の長手方向に沿って凹部および凸部が連続することで、前記吸収体層に含まれるパルプをほぐし、前記吸収体を柔らかくする波状加工が施されており、
    前記吸収体層は、少なくともパルプを含む基盤繊維層に、
    パルプと化学繊維の少なくとも一方を含む一乃至複数の繊維層と、吸収性樹脂を含む一乃至複数の樹脂層とが、積層されてなることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記繊維層は化学繊維を含み、当該化学繊維はSWP(登録商標、(Synthetic Wood Pulp))であることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記第1の接着剤層と、前記第2の接着剤層とは、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂により構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記第1の接着剤層と、前記第2の接着剤層とは、0.01g/m2以上、20g/m2以下の目付量で形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の吸収性物品。
  5. 請求項1〜4の何れか一項の記載の吸収性物品を製造する製造方法において、
    前記吸収体の周囲において、当該吸収体の周辺に延出している前記トップシートと前記バックシートとを、前記吸収性物品の縁に沿うように接着手段によって接着する工程を備え、
    前記吸収体の製造工程は、
    少なくともパルプを含む基盤繊維層を形成する基盤繊維層形成工程と、
    前記基盤繊維層形成工程により形成された前記基盤繊維層に、パルプと化学繊維の少なくとも一方を含む一乃至複数の繊維層と、吸収性樹脂を含む一乃至複数の樹脂層とを積層して、吸収体層を形成する吸収体層形成工程と、
    前記吸収体層形成工程により形成された前記吸収体層の上層面と下層面に、カーテン法により所定の接着剤を付与し、前記吸収体層のみをそれぞれ接着する第1の接着剤層と、第2の接着剤層とを形成する接着剤層形成工程と、
    当該吸収体の略中央部である体液排出部位を含む所定の領域以外に、前記吸収性物品の長手方向に沿って凹部および凸部が連続することで、前記吸収体層に含まれるパルプをほぐし、前記吸収体を柔らかくする波状加工を形成する波状加工形成工程と、
    を備えることを特徴とする吸収性物品の製造方法。
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