JP4567820B2 - 真空ポンプ油 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は真空ポンプ油に関し、詳しくは、熱安定性、到達真空度に優れるとともに低温起動性に優れる真空ポンプ油に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空技術は、半導体製造、太陽電池、航空機、自動車、オプトエレクトニクスの分野で広く利用されている。これらの技術を実施するため、従来より往復式真空ポンプ、回転式真空ポンプ等の機械式真空ポンプや油回転真空ポンプ、油拡散真空ポンプ等の高真空ポンプが広く知られている。そして、これら真空ポンプの可動部分の潤滑や高真空化、長寿命化等を目的として合成油系や鉱油系の真空ポンプ油が用いられている。
【0003】
近年、真空ポンプの応用分野が拡大されるに伴い、熱安定性や高度の真空度が要求され、それに対応するため真空ポンプ油の改良が加えられてきた。さらに真空技術の応用分野では、真空ポンプを起動した後、定常運転に至る時間の短縮が生産性向上のため求められている。しかし、従来より知られている真空ポンプ油では、特に、冬場や寒冷地で用いられた場合に、低温起動性に劣るため、即ち定常運転に至るまでに長時間を要していた。このため、目的生産物の生産性が低下したり、生産物の品質が安定して得られないという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記観点からなされたもので、熱安定性、到達真空度に優れるとともに低温起動性に優れる真空ポンプ油、特に冬場や寒冷地でも速やかに定常運転を可能とする真空ポンプ油を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、分子量が300以上の炭化水素からなり、分子量450未満の炭化水素が30重量%以下であり、JIS K2283に準拠して測定した粘度指数が130〜170、40℃における動粘度が10〜500mm2 /秒、かつ分子量分布が1〜1.1である基油からなる真空ポンプ油である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
先ず、本発明の基油は、実質的に分子量が300以上の炭化水素からなっており、粘度指数が120以上である。このような基油の材料としては、合成油や鉱油を挙げることができる。
【0007】
合成油としては、例えば、ポリα−オレフィンを挙げることができる。ポリα−オレフィンとしては、通常炭素数4〜14の範囲の直鎖状あるいは分岐状のα−オレフィンから選択された任意の一種を単独重合して、または2種以上を共重合して得られる重合体を用いることができる。原料として用いるα−オレフィンの炭素数は、好ましくは10〜14であり、より好ましくは12〜14である。
ポリα−オレフィンは、具体的には、例えば1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセンなどを単独重合またはこれらの2種以上を共重合して得られる。より具体的には、例えば1−ドデセン、1−テトラデセンの3量体、4量体、5量体、6量体等が挙げられる。特に好ましいのは、1−ドデセンの3量体、4量体もしくは5量体または1−テトラデセンの2量体、3量体もしくは4量体である。
【0008】
このようなポリα−オレフィンは、触媒として塩化アルミニウム、フッ化ホウ素等のフリーデルクラフト型触媒、あるいはチーグラー触媒等を用いてα−オレフィンを重合し、製造することができる。また、ポリα−オレフィンとしては、特に水素添加して不飽和結合を飽和させたものがより好ましい。これは、上記重合体を、例えば、ニッケル系、パラジウム系や白金系のような水素化触媒の存在下で水素と接触させることにより得ることができる。
【0009】
合成油としては、この他に内部オレフィンの重合体を挙げることができる。内部オレフィンの重合体としては、通常炭素数4〜14の範囲の直鎖状あるいは分岐状の内部オレフィンから選択された任意の一種を単独重合して、または2種以上を共重合して得られる重合体を用いることができる。内部オレフィンの炭素数は、好ましくは10〜14であり、より好ましくは12〜14である。具体的には、例えば、7−テトラデセンなどを単独重合または共重合して得られる重合体である。より具体的には、例えば7−テトラデセンの3量体、4量体、5量体、6量体等を好ましく挙げることができる。また、内部オレフィンの重合体としては、特に水素添加して不飽和結合を飽和させたものがより好ましい。
【0010】
また、鉱油としては、例えばパラフィン系鉱油,ナフテン系鉱油,中間基系鉱油などが挙げられ、具体例としては、溶剤精製または水添精製により製造された軽質ニュートラル油,中質ニュートラル油,重質ニュートラル油,ブライトストックなどを挙げることができる。特にイソパラフィン等のパラフィン系鉱油を選択することが好ましい。
【0011】
本発明で用いる基油は、実質的に分子量が300以上の炭化水素からなるものである。分子量が300未満の炭化水素を含むと到達真空度や低温起動性が不十分となる。ここで、「実質的に」とは、本発明の効果を損なわない範囲で微量の他の基油成分や不純物を含むことができるという意味である。これらの基油の中でも分子量450未満の炭化水素の含有量を30重量%以下にしたものが、より低温起動性に優れ、潤滑性能も優れる。
【0012】
基油の材料となる鉱油や合成油は一般に種々の分子量の炭化水素の混合物であるため、分子量300未満の炭化水素の存在量を確認する必要が生じる場合がある。また、分子量450未満の炭化水素の含有量を確認する必要が生じる場合もある。このような場合、ガスクロマトグラフィーやGPC法等により、これらの量を確認することができる。GPC法によりよる場合、分子量既知の化合物を用いて検量線を作成することにより、最小分子量を求めることができる。また、GPCチャートにおける分子量450未満の面積の割合より分子量450未満の炭化水素の含有量を求めることができる。
【0013】
分子量が300未満の炭化水素が含まれている場合には、これら混合物を蒸留等の分離操作を行い目的の性状となるように調整する。また、分子量450未満の炭化水素を30重量%以下とする場合にも、蒸留等の分離操作を行えばよい。
本発明で用いる基油の分子量分布(Mw/Mn,Mw:重量平均分子量,Mn:数平均分子量)は、1〜1.1であることが好ましい。分子量分布はGPC等により測定できる。このような狭い分子量分布の基油を用いると、低温起動性が良好となる。なお、本発明で用いる基油の分子量は、通常300〜1200である。
【0014】
本発明で用いる基油は、JIS K 2283に準拠して測定して得られる粘度指数が120以上であり、通常120〜170である。120未満では、真空ポンプ油として低温から高温まで安定して使用することができない。170を越える基油は、一般に製造することが困難であり経済性に劣る。本発明で用いる基油は、粘度指数が、好ましくは130〜170である。このような粘度指数が120以上の基油を得るには、上記基油材料を適宜選択して粘度指数を調整して得ればよい。
【0015】
本発明で用いる基油は、JIS K 2283に準拠して測定して得られる、40℃における動粘度が10〜500mm2 /秒であり、好ましくは20〜200mm2 /秒の範囲とする。動粘度が高すぎると低温での粘度が高くなりすぎて低温起動性が悪化する。逆に、動粘度が低すぎると、真空ポンプのローターやベーン等の摺動部において摩耗が増加し好ましくない。また、この基油の低温流動性の指標である流動点については冬場や寒冷地で使用できるよう10℃以下、特に−10℃以下とすることが好ましい。なお、本発明の基油の重量平均分子量は、通常310〜1000である。
【0016】
本発明の真空ポンプ油は、上記基油単独でも使用でき、二種以上を混合して使用することができる。さらに、真空ポンプ油の性能向上のため、本発明で用いる基油に酸化防止剤、抗乳化剤、防錆剤、粘度指数向上剤などの添加剤を適宜選択して加えることが出来る。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤を挙げることができる。
【0017】
フェノール系酸化防止剤としては、モノフェノール型酸化防止剤、ビスフェノール型酸化防止剤、ポリフェノール型酸化防止剤、フェノール型天然酸化防止剤を挙げることができる。モノフェノール型酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチルフェノール,n−オクタデシル−3−(4−ハイドロキシ−3’,5’ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、ジステアリル(4−ハイドロキシ−3−メチル−5−t−ブチル)ベンジルマロネート、6−(4−ハイドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)2,4−ビスオクチル−チオ−1,3,5−トリアジン、などを挙げることができる。ビスフェノール型酸化防止剤としては、フェノール基の他に炭素−炭素結合のみを有する化合物の他、エステル結合、アミド結合、スルフィド結合を含有する化合物を挙げることができる。
具体的には、例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4' −メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフエノール)などを挙げられる。
ポリフェノール型酸化防止剤としては、イソシアヌレート結合を含有する化合物を挙げることができる。具体的には、例えば、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシフェノール)シアヌレートなどを挙げることができる。フェノール型天然酸化防止剤としては、トコフェロールなどを挙げることができる。
【0018】
イオウ系酸化防止剤としては、チオエステル系酸化防止剤や含イオウ金属錯体を挙げることができる。具体的には、例えば、ジアミルジチオカルバミン酸亜鉛などを挙げることができる。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、モノオクチルジフェニルアミン、ジオクチルフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどを挙げることができる。
【0019】
これらの酸化防止剤のなかでもフェノール系酸化防止剤やアミン系酸化防止剤を好適に使用できる。また、分子量300以上のものが好適である。
これらの酸化防止剤は好ましくは、真空ポンプ油全量に基づき0.01〜5重量%、更に好ましくは0.05〜3重量%の割合で配合される。
【0020】
抗乳化剤としては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロック共重合体などのノニオン系界面活性剤が挙げられる。これらは、真空ポンプ油全量に基づき好ましくは0.01〜5重量%、更に好ましくは0.05〜3重量%の割合で配合される。
【0021】
防錆剤としては、例えばアルケニルコハク酸モノオレート、ポリアミド、バリウムスルホネート、ベンゾトリアゾール誘導体が挙げられる。これらは、真空ポンプ油全量に基づき好ましくは0.01〜5重量%、更に好ましくは0.05〜3重量%の割合で配合される。
【0022】
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン水添共重合体などが挙げられる。これらは、真空ポンプ油全量に基づき好ましくは0.1〜10重量%、更に好ましくは0.2〜5重量%の割合で配合される。
【0023】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例,参考例,比較例における各種性能試験法
(1)熱安定度試験
JISK2540に準拠し、170℃で24時間行い、蒸発減量を測定した。
(2)到達真空度
JIS B 8316に準拠して求めた。油回転式真空ポンプのコンプレッサー部分に試料として真空ポンプ油を充填した後、真空度ポンプを始動させ、吸入口における真空度を測定し、油温50℃において一定となった真空度を到達真空度とした。
(3)示差熱分析
JIS K 0129に準拠して求めた。セイコー電子工業(株)製のTG/DTA200(機種名)を用い、試料5mgを用いて、室温より10℃/分の速度で昇温し、5%減量温度を測定した。
(4)低温起動性
油回転式真空ポンプを雰囲気温度10℃に保持し、起動してから定常運転(真空度が1×10-3mmHg以下での運転状態)に入るまでの時間を測定し、その時間が2分以内を優、5分以内を良好と判定した。
(5)RBOT(Rotating Bomb Oxidation Test)値
酸化劣化の程度を示す指標RBOT値をJISK2514に準拠して行い、圧力降下の終点に至る時間(分)を測定した。
(6)潤滑性能(摩耗試験)
ファレックス試験機を用い、ピン/ブロック材料をSAE−3135/AISI−C−1137とした。ピン/ブロックをセットし、試験容器内に試料の油100グラムを充填した後、回転数290rpm、油温50℃、荷重200Lbs、試験時間60分の条件で摩耗試験を行い、ピン摩耗量を測定した。
【0024】
〔実施例1〕α−オレフィンを重合、水添して得られる、出光石油化学(株)製のポリα−オレフィンPAO5010を基油(A1)として用いた。この基油をガスクロ分析したところ、1−デセンの4量体水添物49重量%、5量体水添物37重量%、6量体水添物14重量%からなることが分かった。分子量分布はGPCにより測定した。40℃の動粘度はJIS K 2283に準拠して、粘度指数はJIS K 2283に準拠して求めた。基油A1を真空ポンプ油として用い、前記の各種性能試験を実施した。結果を第1表−1に示す。
〔実施例2〕α−オレフィンを重合、水添して得られる、出光石油化学(株)製のポリα−オレフィンPAO5008を基油(A2)として用いた。この基油を実施例1と同様にして分析したところ、1−デセンの3量体水添物6重量%、4量体水添物58重量%、5量体水添物29重量%、6量体水添物7重量%からなることが分かった。基油の性状は実施例1と同様にして求めた。基油A2を真空ポンプ油として用い、前記の各種性能試験を実施した。結果を第1表−1に示す。
参考例1〕α−オレフィンを重合、水添して得られる、出光石油化学(株)製のポリα−オレフィンPAO5006を基油(A3)として用いた。この基油を実施例1と同様にして分析したところ、1−デセンの3量体水添物34重量%、4量体水添物44重量%、5量体水添物18重量%、6量体水添物4重量%からなることが分かった。基油の性状は実施例1と同様にして求めた。基油A3を真空ポンプ油として用い、前記の各種性能試験を実施した。結果を第1表−1に示す。
【0025】
〔実施例4〕1−ドデセンの重合体水添物を蒸留して得られた、1−ドデセンの4量体水添物を基油(A4)として用いた。基油の動粘度、粘度指数は実施例1と同様にして求めた。基油A4を真空ポンプ油として用い、前記の各種性能試験を実施した。結果を第1表−1に示す。
〔実施例5〕1−ドデセンの重合体水添物を蒸留して得られた、1−ドデセンの3量体水添物を基油(A5)として用いた。基油の性状は実施例4と同様にして求めた。基油A5を真空ポンプ油として用い、前記の各種性能試験を実施した。結果を第1表−1に示す。
参考例2〕1−ドデセンの重合体水添物を蒸留して得られた、1−ドデセンの2量体水添物を基油(A6)として用いた。基油の性状は実施例4と同様にして求めた。基油A6を真空ポンプ油として用い、前記の各種性能試験を実施した。結果を第1表−2に示す。
〔実施例7〕1−テトラデセンの重合体水添物を蒸留して得られた、1−テトラデセンの3量体水添物を基油(A7)として用いた。基油の性状は実施例4と同様にして求めた。基油A7を真空ポンプ油として用い、前記の各種性能試験を実施した。結果を第1表−2に示す。
参考例3〕7−テトラデセンの重合体水添物を蒸留して得られた、7−テトラデセンの2量体水添物を基油(A8)として用いた。基油の性状は実施例4と同様にして求めた。基油A8を真空ポンプ油として用い、前記の各種性能試験を実施した。結果を第1表−2に示す。
【0026】
〔実施例9〕イソパラフィン系鉱油を蒸留して得られた基油B1を真空ポンプ油として用い、前記の各種性能試験を実施した。分子量分布、動粘度、粘度指数は、実施例1と同様にして求めた。最小分子量は、GPC法により分子量既知の化合物を用いてあらかじめ作成した検量線を利用し、GPC法で求めたチャートの初ピーク位置から求めた。分子量450未満の量も、上記と同様にして、GPC法で求めたチャートの分子量450未満の部分の面積の割合から求めた。結果を第1表−2に示す。
参考例4〕イソパラフィン系鉱油を蒸留して得られた基油B2を真空ポンプ油として用い、前記の各種性能試験を実施した。基油の性状は、実施例9と同様にして求めた。結果を第1表−2に示す。
【0027】
〔実施例11〕
基油A1に,酸化防止剤としてジオクチルフェニルアミン(酸化防止剤:C1)を第1表−3に記載の所定量配合し、真空ポンプ油を得た。この真空ポンプ油について、前記の各種性能試験を行った。その結果を第1表−3に示す。
〔実施例12〕
基油A1に,酸化防止剤として4,4’−メチレンビス(2,6ジ−t−ブチルフェノール)(酸化防止剤:C2)を第1表−3に記載の所定量配合し、真空ポンプ油を得た。この真空ポンプ油について、前記の各種性能試験を行った。その結果を第1表−3に示す。
〔実施例13〕
基油A1に,酸化防止剤としてn−オクタデシル−3−(4−ハイドロキシ−3’,5’ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート(酸化防止剤:C3)を第1表−3に記載の所定量配合し、真空ポンプ油を得た。この真空ポンプ油について、前記の各種性能試験を行った。その結果を第1表−3に示す。
〔実施例14〕
基油A1に,酸化防止剤として2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)(酸化防止剤:C4)を第1表−4に記載の所定量配合し、真空ポンプ油を得た。この真空ポンプ油について、前記の各種性能試験を行った。
その結果を第1表−4に示す。
〔実施例15〕
基油A1に,酸化防止剤として4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)(酸化防止剤:C5)を第1表−4に記載の所定量配合し、真空ポンプ油を得た。この真空ポンプ油について、前記の各種性能試験を行った。
その結果を第1表−4に示す。
〔実施例16〕
基油A1に,酸化防止剤としてトリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシフェノール)イソシアヌレート(酸化防止剤:C6)を第1表−4に記載の所定量配合し、真空ポンプ油を得た。この真空ポンプ油について、前記の各種性能試験を行った。その結果を第1表−4に示す。
〔実施例17〕
基油A1に,酸化防止剤としてトコフェロール(酸化防止剤:C7)を第1表−4に記載の所定量配合し、真空ポンプ油を得た。この真空ポンプ油について、前記の各種性能試験を行った。その結果を第1表−4に示す。
〔実施例18〕
基油A1に,酸化防止剤としてジアミルジチオカルバミン酸亜鉛(酸化防止剤:C8)を第1表−4に記載の所定量配合し、真空ポンプ油を得た。この真空ポンプ油について、前記の各種性能試験を行った。その結果を第1表−4に示す。
〔実施例19〕
基油A1に,酸化防止剤としてN,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン(酸化防止剤:C9)を第1表−5に記載の所定量配合し、真空ポンプ油を得た。この真空ポンプ油について、前記の各種性能試験を行った。その結果を第1表−5に示す。
【0028】
〔比較例1〕
鉱油系真空ポンプ油D1(市販品)を用いて、前記の各種性能試験を行った。
また、実施例9と同様にして、最小分子量、分子量450未満の量、動粘度、粘度指数を求めた。結果を第1表−3に示す。
〔比較例2〕
アルキルベンゼンからなる合成油系の真空ポンプ油D2(市販品)を用いて、前記の各種性能験を行った。また、実施例9と同様にしてD2の性状を求めた。
結果を第1表−3に示す。
〔比較例3〕
1−デセンの2量体を基油(D3)として用いた。基油の性状は実施例4と同様にして求めた。基油D3を真空ポンプ油として用い、前記の各種性能試験を実施した。結果を第1表−5に示す。
〔比較例4〕
鉱油系の真空ポンプ油D4(市販品)を用いて、前記の各種性能試験を行った。また、実施例9と同様にしてD2の性状を求めた。結果を第1表−5に示す。
【0029】
【表1】
Figure 0004567820
【0030】
【表2】
Figure 0004567820
【0031】
【表3】
Figure 0004567820
【0032】
【表4】
Figure 0004567820
【0033】
【表5】
Figure 0004567820
【0034】
実施例と比較例より次のことがわかる。実施例においては、比較例と比較して蒸発減量が小さく熱安定性に優れるとともに、到達真空度が低く高真空が得られることがわかる。また低温起動性が優れており、低温の場合に、短時間で定常運転が可能となっている。このため、本発明の真空ポンプ油を工業的に利用する場合に、生産性の向上を図ることができる。更に、潤滑性能にも優れる。
【0035】
特に、分子量450未満の炭化水素が30重量%以下の基油からなる本発明の真空ポンプ油では、低温起動性や潤滑性能が更に向上していることが分かる。
また、酸化防止剤を配合することにより、優れたRBOT値が得られている。
【0036】
本発明の真空ポンプ油は前記のような性能を有するため、機械式真空ポンプや油回転式真空ポンプ、油拡散真空ポンプ等に広く使用することができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明の真空ポンプ油は、熱安定性、到達真空度に優れるとともに低温起動性に優れている。

Claims (7)

  1. 分子量が300以上の炭化水素からなり、分子量450未満の炭化水素が30重量%以下であり、JIS K2283に準拠して測定した粘度指数が130〜170、40℃における動粘度が10〜500mm2/秒、かつ分子量分布が1〜1.1である基油からなる真空ポンプ油。
  2. 基油が炭素数10〜14のα−オレフィンを重合したポリα−オレフィンである請求項に記載の真空ポンプ油。
  3. α−オレフィンが炭素数12〜14である請求項記載の真空ポンプ油。
  4. ポリα−オレフィンが、1−ドデセンの3量体、4量体もしくは5量体である請求項記載の真空ポンプ油。
  5. ポリα−オレフィンが1−テトラデセンの3量体もしくは4量体である請求項記載の真空ポンプ油。
  6. 基油が鉱油である請求項に記載の真空ポンプ油。
  7. さらにフェノール系酸化防止剤またはアミン系酸化防止剤を含む請求項1〜のいずれかに記載の真空ポンプ油。
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