ところで、車載用のテレビ電話装置においては、自車の走行中は、テレビ電話の画像が運転の妨げになることから、画像を表示することはできないようになっている。
しかしながら、テレビ電話による通常の通話では、相手側のテレビ電話装置から、常に画像の転送が行われている。
このため、表示されない画像の通信が事実上無駄になるといった問題が生じていた。
また、一般的に、自車の走行中においては、データ転送の誤り率が高くなるので、音質が悪くなるといった問題が生じていた。
このような音質が悪くなるといった問題を解消するために、自車の走行中において、エラー耐性レベルを上げることを考えることもできる。
しかしながら、単純に、エラー耐性レベルを上げるだけでは、音声データ、画像データおよびエラー耐性のためのデータを含む一定のビットレートを有する多重化データにおけるエラー耐性のために必要となるビットレートが増えるため、相対的に音声データが占有するビットレートが減少するといったトレードオフが生じ、却って音質が悪くなってしまう。
そこで、本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、テレビ電話装置が移動中の場合においても、停止中の場合と同等の音質によって、通話相手との通話を行うことができ、あわせて無駄な画像の通信を抑制することができるテレビ電話装置およびテレビ電話システムを提供することを目的とするものである。
前述した目的を達成するため、本発明に係るテレビ電話装置は、テレビ電話装置本体が移動中であるか否かを判定する自己移動状態判定手段と、この自己移動状態判定手段の判定結果を前記相手側テレビ電話装置に通知する通知手段とを備え、前記通知手段によって前記相手側テレビ電話装置に前記テレビ電話装置本体が移動中である旨の通知が行われたときに、前記相手側テレビ電話装置から、画像のフレームレートが、前記テレビ電話装置本体が停止中の場合よりも下げられ、かつ、前記画像のフレームレートが下げられた分のビットレートを用いて音声についてのエラー訂正符号が付加されたデータを受信するように形成されていることを特徴としている。
そして、このような構成によれば、テレビ電話装置本体が移動中の場合には、相手側テレビ電話装置から、画像のフレームレートが、テレビ電話装置本体が停止中の場合よりも下げられ、かつ、音声のエラー耐性レベルが、テレビ電話装置本体が停止中の場合よりも上げられた(エラー訂正符号が付加された)データを受信することが可能となる。また、テレビ電話装置本体が移動中の場合に、相手側テレビ電話装置から受信するデータにおける音声についてのエラーが生じたとしても、このエラーを、当該データ中に付加された音声のエラー訂正符号によって簡便かつ確実に訂正することが可能となる。
また、本発明に係るテレビ電話装置は、相手側テレビ電話装置が移動中であるか否かを判定する相手移動状態判定手段と、この相手移動状態判定手段によって、前記相手側テレビ電話装置が移動中であると判定された場合に、前記相手側テレビ電話装置に送信するデータにおける画像のフレームレートを、前記相手側テレビ電話装置が停止中の場合よりも下げ、かつ、前記画像のフレームレートを下げた分のビットレートを用いて当該データにおける音声にエラー訂正符号を付加するように制御する送信データ制御手段とを備えたことを特徴としている。
そして、このような構成によれば、相手側テレビ電話装置が移動中の場合には、送信データ制御手段によって、相手側テレビ電話装置に送信するデータにおける画像のフレームレートを、相手側テレビ電話装置が停止中の場合よりも下げ、かつ、当該データにおける音声のエラー耐性レベルを、相手側テレビ電話装置が停止中の場合よりも上げるように制御することが可能となる。
さらに、本発明に係るナビゲーション装置は、テレビ電話装置本体が移動中であるか否かを判定する自己移動状態判定手段と、この自己移動状態判定手段の判定結果を前記相手側テレビ電話装置に通知する通知手段とを備え、前記通知手段によって前記相手側テレビ電話装置に前記テレビ電話装置本体が移動中である旨の通知が行われたときに、前記相手側テレビ電話装置から、画像のフレームレートが、前記テレビ電話装置本体が停止中の場合よりも下げられ、かつ、前記画像のフレームレートが下げられた分のビットレートを用いて音声についてのエラー訂正符号が付加されたデータを受信するように形成されていることを特徴としている。さらに、このナビゲーション装置は、前記相手側テレビ電話装置が移動中であるか否かを判定する相手移動状態判定手段と、この相手移動状態判定手段によって、前記相手側テレビ電話装置が移動中であると判定された場合に、前記相手側テレビ電話装置に送信するデータにおける画像のフレームレートを、前記相手側テレビ電話装置が停止中の場合よりも下げ、かつ、当該画像のフレームレートを下げた分のビットレートを用いて当該データにおける音声にエラー訂正符号を付加するように制御する送信データ制御手段とを備えたことを特徴としている。
そして、このような構成によれば、テレビ電話装置本体が移動中の場合には、相手側テレビ電話装置から、画像のフレームレートが、テレビ電話装置本体が停止中の場合よりも下げられ、かつ、音声のエラー耐性レベルが、テレビ電話装置本体が停止中の場合よりも上げられたデータを受信することが可能となる。一方、相手側テレビ電話装置が移動中の場合には、送信データ制御手段によって、相手側テレビ電話装置に送信するデータにおける画像のフレームレートを、相手側テレビ電話装置が停止中の場合よりも下げ、かつ、当該データにおける音声のエラー耐性レベルを、相手側テレビ電話装置が停止中の場合よりも上げるように制御することが可能となる。
さらにまた、本発明に係るテレビ電話装置は、相手移動状態判定手段が、相手側テレビ電話装置から、当該相手側テレビ電話装置が移動中である旨の通知を受けることによって、当該相手側テレビ電話装置が移動中であると判定することを特徴としている。
そして、このような構成によれば、簡易な構成によって、相手側テレビ電話装置が移動中であると判定することが可能となる。
さらにまた、本発明に係るテレビ電話装置は、画像のフレームレートが、テレビ電話装置本体が停止中の場合よりも下げられ、かつ、音声についてのエラー訂正符号が付加されたデータは、音声のビットレートについては、テレビ電話装置本体が停止中の場合よりも下げられていないことを特徴としている。
そして、このような構成によれば、音声が占有するビットレートが十分に確保され、かつ、音声のエラー耐性レベルが上げられたデータを相手側テレビ電話装置から受信することが可能となる。
また、本発明に係るテレビ電話装置は、送信データ制御手段が、相手側テレビ電話装置に送信するデータにおける音声のビットレートについては、前記相手側テレビ電話装置が停止中の場合よりも下げないことを特徴としている。
そして、このような構成によれば、送信データ制御手段が、音声が占有するビットレートを十分に確保しつつ、音声のエラー耐性レベルを上げるように制御することが可能となる。
さらに、本発明に係るテレビ電話装置は、テレビ電話装置本体の移動状態が移動中から停止中に変化して、通知手段によって相手側テレビ電話装置に前記テレビ電話装置本体が停止中である旨の通知が行われたときに、前記相手側テレビ電話装置から、画像のフレームレートが、前記テレビ電話装置本体が停止中の場合の状態に変更され、音声についてのエラー訂正符号が付加されなくなったデータを受信するように形成されていることを特徴としている。
そして、このような構成によれば、テレビ電話装置本体の移動状態が移動中から停止中に変化した場合には、相手側テレビ電話装置から、画像のフレームレートおよび音声のエラー耐性レベルが、テレビ電話装置本体が停止中の場合の状態に変更されたデータを受信することが可能となる。
さらにまた、本発明に係るテレビ電話装置は、相手側テレビ電話装置の移動状態が移動中から停止中に変化することにより、相手移動状態判定手段によって前記相手側テレビ電話装置が停止中であると判定された場合に、送信データ制御手段は、前記相手側テレビ電話装置に送信するデータにおける画像のフレームレートを、前記相手側テレビ電話装置が停止中の場合の状態に変更し、当該データにおける音声にエラー訂正符号を付加しないように制御することを特徴としている。
そして、このような構成によれば、相手側テレビ電話装置の移動状態が移動中から停止中に変化した場合には、送信データ制御手段によって、相手側テレビ電話装置に送信するデータにおける画像のフレームレートおよび当該データにおける音声のエラー耐性レベルを、前記相手側テレビ電話装置が停止中の場合の状態に変更するように制御することが可能となる。
また、本発明に係るテレビ電話装置の特徴は、テレビ電話装置本体が移動中の場合に、相手側テレビ電話装置から受信されるデータに含まれる画像の表示を行わないことを特徴としている。
そして、このような構成によれば、テレビ電話装置本体の移動中における画像の表示にともなう危険を未然に回避することが可能となる。
さらに、本発明に係るテレビ電話装置は、移動体通信端末に搭載されることを特徴としている。
そして、このような構成によれば、移動体通信端末に搭載されたテレビ電話装置本体が移動中の場合には、相手側テレビ電話装置から、画像のフレームレートが、テレビ電話装置本体が停止中の場合よりも下げられ、かつ、音声のエラー耐性レベルが、テレビ電話装置本体が停止中の場合よりも上げられたデータを受信することが可能となる。もしくは、相手側テレビ電話装置が移動中の場合には、移動体通信端末に搭載されたテレビ電話装置の送信データ制御手段によって、相手側テレビ電話装置に送信するデータにおける画像のフレームレートを、相手側テレビ電話装置が停止中の場合よりも下げ、かつ、当該データにおける音声のエラー耐性レベルを、相手側テレビ電話装置が停止中の場合よりも上げるように制御することが可能となる。
さらにまた、本発明に係るテレビ電話装置は、移動体通信端末としての車載用のナビゲーション装置に搭載されることを特徴としている。
そして、このような構成によれば、車載用のナビゲーション装置に搭載されたテレビ電話装置本体が、自車の走行にともなって移動中の場合には、相手側テレビ電話装置から、画像のフレームレートが、テレビ電話装置本体が停止中の場合よりも下げられ、かつ、音声のエラー耐性レベルが、テレビ電話装置本体が停止中の場合よりも上げられたデータを受信することが可能となる。もしくは、相手側テレビ電話装置が移動中の場合には、車載用のナビゲーション装置に搭載されたテレビ電話装置の送信データ制御手段によって、相手側テレビ電話装置に送信するデータにおける画像のフレームレートを、相手側テレビ電話装置が停止中の場合よりも下げ、かつ、当該データにおける音声のエラー耐性レベルを、相手側テレビ電話装置が停止中の場合よりも上げるように制御することが可能となる。
また、本発明に係るテレビ電話装置は、複数の相手側テレビ電話装置との同時通話を行うことを特徴としている。
そして、このような構成によれば、複数の相手側テレビ電話装置との同時通話においても、テレビ電話装置本体または相手側テレビ電話装置の移動状態に応じて、受信または送信するデータにおける画像のフレームレートおよび音声のエラー耐性レベルを好適な状態にすることが可能となる。
本発明に係るテレビ電話システムは、複数のテレビ電話装置のうちの少なくとも1つのテレビ電話装置が、当該少なくとも1つのテレビ電話装置が移動中であるか否かを判定する自己移動状態判定手段と、この自己移動状態判定手段の判定結果を相手側のテレビ電話装置に通知する通知手段とを備え、前記通知手段によって前記相手側のテレビ電話装置に、当該少なくとも1つのテレビ電話装置が移動中である旨の通知が行われたときに、前記相手側のテレビ電話装置から、画像のフレームレートが、前記少なくとも1つのテレビ電話装置が停止中の場合よりも下げられ、かつ、前記画像のフレームレートが下げられた分のビットレートを用いて音声についてのエラー訂正符号が付加されたデータを受信するように形成されていることを特徴としている。
そして、このような構成によれば、少なくとも1つのテレビ電話装置が、自らが移動中である旨を通知手段によって相手側のテレビ電話装置に通知することによって、当該少なくとも1つのテレビ電話装置が、相手側のテレビ電話装置から、画像のフレームレートが、自らが停止中の場合よりも下げられ、かつ、音声のエラー耐性レベルが、自らが停止中の場合よりも上げられたデータを受信することが可能となる。
また、本発明に係るテレビ電話システムは、複数のテレビ電話装置のうちの少なくとも1つのテレビ電話装置が、相手側のテレビ電話装置が移動中であるか否かを判定する相手移動状態判定手段と、この相手移動状態判定手段によって、前記相手側のテレビ電話装置が移動中であると判定され場合に、前記相手側のテレビ電話装置に送信するデータにおける画像のフレームレートを、前記相手側のテレビ電話装置が停止中の場合よりも下げ、かつ、前記画像のフレームレートを下げた分のビットレートを用いて当該データにおける音声にエラー訂正符号を付加するように制御する送信データ制御手段とを備えたことを特徴としている。
そして、このような構成によれば、少なくとも1つのテレビ電話装置が、相手側のテレビ電話装置が移動中の場合には、送信データ制御手段によって、相手側のテレビ電話装置に送信するデータにおける画像のフレームレートを、相手側のテレビ電話装置が停止中の場合よりも下げ、かつ、当該データにおける音声のエラー耐性レベルを、相手側のテレビ電話装置が停止中の場合よりも上げるように制御することが可能となる。
さらに、本発明に係るテレビ電話システムは、複数のテレビ電話装置のうちの少なくとも1つのテレビ電話装置が、当該少なくとも1つのテレビ電話装置が移動中であるか否かを判定する自己移動状態判定手段と、この自己移動状態判定手段の判定結果を相手側のテレビ電話装置に通知する通知手段とを備え、前記通知手段によって前記相手側のテレビ電話装置に前記少なくとも1つのテレビ電話装置が移動中である旨の通知が行われたときに、前記相手側のテレビ電話装置から、画像のフレームレートが、前記少なくとも1つのテレビ電話装置が停止中の場合よりも下げられ、かつ、前記画像のフレームレートが下げられた分のビットレートを用いて音声についてのエラー訂正符号が付加されたデータを受信するように形成され、さらに、前記相手側のテレビ電話装置が移動中であるか否かを判定する相手移動状態判定手段と、この相手移動状態判定手段によって、前記相手側のテレビ電話装置が移動中であると判定され場合に、前記相手側のテレビ電話装置に送信するデータにおける画像のフレームレートを、前記相手側のテレビ電話装置が停止中の場合よりも下げ、かつ、前記画像のフレームレートを下げた分のビットレートを用いて当該データにおける音声にエラー訂正符号を付加するように制御する送信データ制御手段とを備えたことを特徴としている。
そして、このような構成によれば、少なくとも1つのテレビ電話装置が、自らが移動中である旨を通知手段によって相手側のテレビ電話装置に通知することによって、当該少なくとも1つのテレビ電話装置が、相手側のテレビ電話装置から、画像のフレームレートが、自らが停止中の場合よりも下げられ、かつ、音声のエラー耐性レベルが、自らが停止中の場合よりも上げられたデータを受信することが可能となる。一方、相手側のテレビ電話装置が移動中の場合には、送信データ制御手段によって、相手側のテレビ電話装置に送信するデータにおける画像のフレームレートを、相手側のテレビ電話装置が停止中の場合よりも下げ、かつ、当該データにおける音声のエラー耐性レベルを、相手側のテレビ電話装置が停止中の場合よりも上げるように制御することが可能となる。
さらにまた、本発明に係るテレビ電話システムは、相手移動状態判定手段が、相手側のテレビ電話装置から、当該相手側のテレビ電話装置が移動中である旨の通知を受けることによって、当該相手側のテレビ電話装置が移動中であると判定することを特徴としている。
そして、このような構成によれば、簡易な構成によって、相手側のテレビ電話装置が移動中であると判定することが可能となる。
さらにまた、本発明に係るテレビ電話システムは、少なくとも1つのテレビ電話装置が、相手側のテレビ電話装置から、前記画像のフレームレートが、当該少なくとも1つのテレビ電話装置が停止中の場合よりも下げられ、かつ、音声についてのエラー訂正符号が付加されたデータとして、音声のビットレートが、当該少なくとも1つのテレビ電話装置が停止中の場合よりも下げられていないデータを受信することを特徴としている。
そして、このような構成によれば、少なくとも1つのテレビ電話装置が、相手側のテレビ電話装置から、音声が占有するビットレートが十分に確保され、かつ、音声のエラー耐性レベルが上げられたデータを受信することが可能となる。
また、本発明に係るテレビ電話システムは、送信データ制御手段が、相手側のテレビ電話装置に送信するデータにおける音声のビットレートについては、前記相手側のテレビ電話装置が停止中の場合よりも下げないことを特徴としている。
そして、このような構成によれば、送信データ制御手段が、音声が占有するビットレートを十分に確保しつつ、音声のエラー耐性レベルを上げるように制御することが可能となる。
さらに、本発明に係るテレビ電話システムは、少なくとも1つのテレビ電話装置の移動状態が移動中から停止中に変化して、通知手段によって相手側のテレビ電話装置に、自らが停止中である旨の通知を行うことによって、前記相手側のテレビ電話装置から、画像のフレームレートが、自らが停止中の場合の状態に変更され、音声についてのエラー訂正符号が付加されなくなったデータを受信するように形成されていることを特徴としている。
そして、このような構成によれば、少なくとも1つのテレビ電話装置の移動状態が移動中から停止中に変化した場合には、当該少なくとも1つのテレビ電話装置が、相手側のテレビ電話装置から、画像のフレームレートおよび音声のエラー耐性レベルが、当該少なくとも1つのテレビ電話装置が停止中の場合の状態に変更されたデータを受信することが可能となる。
さらにまた、本発明に係るテレビ電話システムは、相手側のテレビ電話装置の移動状態が移動中から停止中に変化することにより、相手移動状態判定手段によって前記相手側のテレビ電話装置が停止中であると判定された場合に、送信データ制御手段が、前記相手側のテレビ電話装置に送信するデータにおける画像のフレームレートを、前記相手側のテレビ電話装置が停止中の場合の状態に変更し、当該データにおける音声にエラー訂正符号を付加しないように制御することを特徴としている。
そして、このような構成によれば、相手側のテレビ電話装置の移動状態が移動中から停止中に変化した場合には、送信データ制御手段によって、相手側のテレビ電話装置に送信するデータにおける画像のフレームレートおよび音声のエラー耐性レベルを、相手側のテレビ電話装置が停止中の場合の状態に変更するように制御することが可能となる。
また、本発明に係るテレビ電話システムは、少なくとも1つのテレビ電話装置が、当該少なくとも1つのテレビ電話装置が移動中の場合に、相手側のテレビ電話装置から受信されるデータに含まれる画像の表示を行わないことを特徴としている。
そして、このような構成によれば、少なくとも1つのテレビ電話装置の移動中における画像の表示にともなう危険を未然に回避することが可能となる。
さらに、本発明に係るテレビ電話システムは、少なくとも1つのテレビ電話装置が、移動体通信端末に搭載されることを特徴としている。
そして、このような構成によれば、移動体通信端末に搭載されたテレビ電話装置が移動中の場合には、当該移動体通信端末に搭載されたテレビ電話装置が、相手側のテレビ電話装置から、画像のフレームレートが、当該移動体通信端末に搭載されたテレビ電話装置が停止中の場合よりも下げられ、かつ、音声のエラー耐性レベルが、当該移動体通信端末に搭載されたテレビ電話装置が停止中の場合よりも上げられたデータを受信することが可能となる。もしくは、相手側のテレビ電話装置が移動中の場合には、移動体通信端末に搭載されたテレビ電話装置の送信データ制御手段によって、相手側のテレビ電話装置に送信するデータにおける画像のフレームレートを、相手側のテレビ電話装置が停止中の場合よりも下げ、かつ、当該データにおける音声のエラー耐性レベルを、相手側のテレビ電話装置が停止中の場合よりも上げるように制御することが可能となる。
さらにまた、本発明に係るテレビ電話システムは、少なくとも1つのテレビ電話装置が、移動体通信端末としての車載用のナビゲーション装置に搭載されることを特徴としている。
そして、このような構成によれば、車載用のナビゲーション装置に搭載されたテレビ電話装置が自車の走行にともなって移動中の場合には、当該車載用のナビゲーション装置に搭載されたテレビ電話装置が、相手側のテレビ電話装置から、画像のフレームレートが、当該車載用のナビゲーション装置に搭載されたテレビ電話装置が停止中の場合よりも下げられ、かつ、音声のエラー耐性レベルが、当該車載用のナビゲーション装置に搭載されたテレビ電話装置が停止中の場合よりも上げられたデータを受信することが可能となる。もしくは、相手側のテレビ電話装置が移動中の場合には、車載用のナビゲーション装置に搭載されたテレビ電話装置の送信データ制御手段によって、相手側のテレビ電話装置に送信するデータにおける画像のフレームレートを、相手側のテレビ電話装置が停止中の場合よりも下げ、かつ、当該データにおける音声のエラー耐性レベルを、相手側のテレビ電話装置が停止中の場合よりも上げるように制御することが可能となる。
また、本発明に係るテレビ電話システムは、少なくとも1つのテレビ電話装置が、複数の相手側のテレビ電話装置との同時通話を行うことを特徴としている。
そして、このような構成によれば、少なくとも1つのテレビ電話装置が、複数の相手側のテレビ電話装置との同時通話を行う場合においても、当該少なくとも1つのテレビ電話装置または相手側のテレビ電話装置の移動状態に応じて、受信または送信するデータにおける画像のフレームレートおよび音声のエラー耐性レベルを好適な状態にすることが可能となる。
本発明に係るテレビ電話装置によれば、このテレビ電話装置が、音声および画像を含むデータの受信側となる場合において、当該テレビ電話装置が移動中の場合においても、当該テレビ電話装置が停止中の場合と同等の音質によって、通話相手との通話を行うことができ、あわせて当該テレビ電話装置の移動中における無駄な画像の通信を抑制することができる。
また、本発明に係るテレビ電話装置によれば、このテレビ電話装置が、音声および画像を含むデータの送信側となる場合において、通話相手のテレビ電話装置が移動中の場合においても、通話相手のテレビ電話装置が停止中の場合と同等の音質によって、通話相手との間での通話を行うことができ、あわせて、通話相手のテレビ電話装置の移動中における無駄な画像の通信を抑制することができる。
さらに、本発明に係るテレビ電話装置によれば、このテレビ電話装置が、音声および画像を含むデータの受信側および送信側の双方になる場合において、本発明に係るテレビ電話装置または通話相手のテレビ電話装置のいずれが移動中であっても、停止中の場合と同等の音質によって、通話相手との間での通話を行うことができ、あわせて、本発明に係るテレビ電話装置または通話相手のテレビ電話装置の移動中における無駄な画像の通信を抑制することができる。
さらにまた、本発明に係るテレビ電話装置によれば、通話相手のテレビ電話装置からの通知によって、通話相手のテレビ電話装置が移動中であることを簡便かつ確実に判断することができる。
また、本発明に係るテレビ電話装置によれば、このテレビ電話装置が、通話相手のテレビ電話装置から受信するデータにおける音声についてのエラーを、当該データ中に付加されたエラー訂正符号によって簡便かつ確実に訂正することができる結果、本発明に係るテレビ電話装置の移動状態にかかわらず、さらに簡便かつ確実に、通話相手との間で音質が良好な通話を行うことができる。
さらに、本発明に係るテレビ電話装置によれば、通話相手のテレビ電話装置が、本発明に係るテレビ電話装置から送信するデータにおける音声についてのエラーを、当該データ中に付加されたエラー訂正符号によって簡便かつ確実に訂正することができる結果、通話相手のテレビ電話装置の移動状態にかかわらず、さらに簡便かつ確実に、通話相手との間で音質が良好な通話を行うことができる。
さらにまた、本発明に係るテレビ電話装置によれば、通話相手のテレビ電話装置から、音声のエラー耐性レベルに加えて、音声のビットレートが十分に確保されたデータを受信することができる結果、本発明に係るテレビ電話装置の移動状態にかかわらず、通話相手との間でさらに音質が良好な通話を行うことができる。
また、本発明に係るテレビ電話装置によれば、通話相手のテレビ電話装置に、音声のエラー耐性レベルに加えて、音声のビットレートを十分に確保したデータを送信することができる結果、通話相手のテレビ電話装置の移動状態にかかわらず、通話相手との間でさらに音質が良好な通話を行うことができる。
さらに、本発明に係るテレビ電話装置によれば、このテレビ電話装置が停止中の場合には、通話相手との間で、画質が良好な画像の表示をともなった音質が良好な通話を行うことができる。
さらにまた、本発明に係るテレビ電話装置によれば、通話相手のテレビ電話装置が停止中の場合には、通話相手との間で、画質が良好な画像の表示をともなう音質が良好な通話を行うことができる。
また、本発明に係るテレビ電話装置によれば、このテレビ電話装置の移動中における画像の表示にともなう危険を未然に回避することができる結果、通話相手との間でさらに安全な通話を行うことができる。
さらに、本発明に係るテレビ電話装置によれば、移動体通信端末に搭載された本発明に係るテレビ電話装置が、音声および画像を含むデータの受信側となる場合において、当該テレビ電話装置が移動中の場合においても、当該テレビ電話装置が停止中の場合と同等の音質によって、通話相手との通話を行うことができ、あわせて当該テレビ電話装置の移動中における無駄な画像の通信を抑制することができる。また、移動体通信端末に搭載された本発明に係るテレビ電話装置が、音声および画像を含むデータの送信側となる場合において、通話相手のテレビ電話装置が移動中の場合においても、通話相手のテレビ電話装置が停止中の場合と同等の音質によって、通話相手との間での通話を行うことができ、あわせて、通話相手のテレビ電話装置の移動中における無駄な画像の通信を抑制することができる。
さらにまた、本発明に係るテレビ電話装置によれば、車載用のナビゲーション装置に搭載された本発明に係るテレビ電話装置が、音声および画像を含むデータの受信側となる場合において、当該テレビ電話装置が自車の走行にともなって移動中の場合においても、当該テレビ電話装置が停止中の場合と同等の音質によって、通話相手との通話を行うことができ、あわせて当該テレビ電話装置の移動中における無駄な画像の通信を抑制することができる。また、車載用のナビゲーション装置に搭載された本発明に係るテレビ電話装置が、音声および画像を含むデータの送信側となる場合において、通話相手のテレビ電話装置が移動中の場合においても、通話相手のテレビ電話装置が停止中の場合と同等の音質によって、通話相手との間での通話を行うことができ、あわせて、通話相手のテレビ電話装置の移動中における無駄な画像の通信を抑制することができる。
また、本発明に係るテレビ電話装置によれば、複数の通話相手との同時通話においても、本発明に係るテレビ電話装置または通話相手のテレビ電話装置の移動状態にかかわらず、音質が良好な通話を行うことができる。
本発明に係るテレビ電話システムによれば、少なくとも1つのテレビ電話装置が、音声および画像を含むデータの受信側となる場合において、当該少なくとも1つのテレビ電話装置が移動中の場合においても、当該少なくとも1つのテレビ電話装置の利用者(以下、一利用者と称する)が、当該少なくとも1つのテレビ電話装置が停止中の場合と同等の音質によって、通話相手との通話を行うことができ、あわせて当該少なくとも1つのテレビ電話装置の移動中における無駄な画像の通信を抑制することができる。
また、本発明に係るテレビ電話システムによれば、少なくとも1つのテレビ電話装置が、音声および画像を含むデータの送信側となる場合において、通話相手のテレビ電話装置が移動中の場合においても、通話相手のテレビ電話装置が停止中の場合と同等の音質によって、一利用者と通話相手との間での通話を行うことができ、あわせて、通話相手のテレビ電話装置の移動中における無駄な画像の通信を抑制することができる。
さらに、本発明に係るテレビ電話システムによれば、少なくとも1つのテレビ電話装置が、音声および画像を含むデータの受信側および送信側の双方になる場合において、当該少なくとも1つのテレビ電話装置または通話相手のテレビ電話装置のいずれが移動中であっても、停止中の場合と同等の音質によって、一利用者と通話相手との間での通話を行うことができ、あわせて、前記少なくとも1つのテレビ電話装置または通話相手のテレビ電話装置の移動中における無駄な画像の通信を抑制することができる。
さらにまた、本発明に係るテレビ電話システムによれば、通話相手のテレビ電話装置からの通知によって、通話相手のテレビ電話装置が移動中であることを簡便かつ確実に判断することができる。
また、本発明に係るテレビ電話システムによれば、少なくとも1つのテレビ電話装置が、通話相手のテレビ電話装置から受信するデータにおける音声についてのエラーを、当該データ中に付加されたエラー訂正符号によって簡便かつ確実に訂正することができる結果、当該少なくとも1つのテレビ電話装置の移動状態にかかわらず、さらに簡便かつ確実に、一利用者と通話相手との間で音質が良好な通話を行うことができる。
さらに、本発明に係るテレビ電話システムによれば、通話相手のテレビ電話装置が、前記少なくとも1つのテレビ電話装置から送信するデータにおける音声についてのエラーを、当該データ中に付加されたエラー訂正符号によって簡便かつ確実に訂正することができる結果、通話相手のテレビ電話装置の移動状態にかかわらず、さらに簡便かつ確実に、一利用者と通話相手との間で音質が良好な通話を行うことができる。
さらにまた、本発明に係るテレビ電話システムによれば、通話相手のテレビ電話装置から、音声のエラー耐性レベルに加えて、音声のビットレートが十分に確保されたデータを受信することができる結果、前記少なくとも1つのテレビ電話装置の移動状態にかかわらず、一利用者と通話相手との間でさらに音質が良好な通話を行うことができる。
また、本発明に係るテレビ電話システムによれば、通話相手のテレビ電話装置に、音声のエラー耐性レベルに加えて、音声のビットレートを十分に確保したデータを送信することができる結果、通話相手のテレビ電話装置の移動状態にかかわらず、一利用者と通話相手との間でさらに音質が良好な通話を行うことができる。
さらに、本発明に係るテレビ電話システムによれば、少なくとも1つのテレビ電話装置が停止中の場合には、一利用者と通話相手との間で、画質が良好な画像の表示をともなった音質が良好な通話を行うことができる。
さらにまた、本発明に係るテレビ電話システムによれば、通話相手のテレビ電話装置が停止中の場合には、通話相手が、一利用者との間で、画質が良好な画像の表示をともなう音質が良好な通話を行うことができる。
また、本発明に係るテレビ電話システムによれば、少なくとも1つのテレビ電話装置の移動中における画像の表示にともなう危険を未然に回避することができる結果、一利用者と通話相手との間でさらに安全な通話を行うことができる。
さらに、本発明に係るテレビ電話システムによれば、移動体通信端末に搭載された少なくとも1つのテレビ電話装置が、音声および画像を含むデータの受信側となる場合において、当該少なくとも1つのテレビ電話装置が移動中の場合においても、当該少なくとも1つのテレビ電話装置が停止中の場合と同等の音質によって、一利用者と通話相手との通話を行うことができ、あわせて当該少なくとも1つのテレビ電話装置の移動中における無駄な画像の通信を抑制することができる。また、移動体通信端末に搭載された少なくとも1つのテレビ電話装置が、音声および画像を含むデータの送信側となる場合において、通話相手のテレビ電話装置が移動中の場合においても、通話相手のテレビ電話装置が停止中の場合と同等の音質によって、一利用者と通話相手との間での通話を行うことができ、あわせて、通話相手のテレビ電話装置の移動中における無駄な画像の通信を抑制することができる。
さらにまた、本発明に係るテレビ電話システムによれば、車載用のナビゲーション装置に搭載された少なくとも1つのテレビ電話装置が、音声および画像を含むデータの受信側となる場合において、当該少なくとも1つのテレビ電話装置が自車の走行にともなって移動中の場合においても、当該少なくとも1つのテレビ電話装置が停止中の場合と同等の音質によって、一利用者と通話相手との通話を行うことができ、あわせて当該少なくとも1つのテレビ電話装置の移動中における無駄な画像の通信を抑制することができる。また、車載用のナビゲーション装置に搭載された少なくとも1つのテレビ電話装置が、音声および画像を含むデータの送信側となる場合において、通話相手のテレビ電話装置が移動中の場合においても、通話相手のテレビ電話装置が停止中の場合と同等の音質によって、一利用者と通話相手との間での通話を行うことができ、あわせて、通話相手のテレビ電話装置の移動中における無駄な画像の通信を抑制することができる。
また、本発明に係るテレビ電話システムによれば、複数の通話相手との同時通話においても、前記少なくとも1つのテレビ電話装置または通話相手のテレビ電話装置の移動状態にかかわらず、音質が良好な通話を行うことができる。
以下、本発明に係るテレビ電話およびテレビ電話システムの実施形態について、図1乃至図5を参照して説明する。
図1は、本発明に係るテレビ電話装置の実施形態として、移動体通信端末としての車載用のナビゲーション装置に搭載されたテレビ電話装置の実施形態におけるハードウエア構成を示したものである。
図1に示すように、本実施形態におけるテレビ電話装置は、テレビ電話装置本体としてのテレビ電話装置1を有している。
テレビ電話装置1は、アンテナ2を備えた第3世代携帯電話3を有しており、この第3世代携帯電話3は、図示しない相手側テレビ電話装置との相互接続が行われた上で、当該相手側テレビ電話装置との間で、アンテナ2を介して音声データとともに画像データを互いに送受信するようになっている。
第3世代携帯電話3には、データ通信モジュール5が接続されており、このデータ通信モジュール5は、第3世代携帯電話3とナビゲーション装置本体6とを、データ通信が可能な状態に接続するようになっている。
データ通信モジュール5には、CPU7が接続されており、このCPU7は、テレビ電話装置1と相手側テレビ電話装置との間でのテレビ電話による通話およびナビゲーション装置本体6によるナビゲーションのための種々の制御を行うようになっている。
例えば、CPU7は、相手側テレビ電話装置から受信した音声データ(以下、受信音声データと称する)および画像データ(以下、受信画像データと称する)が多重化された受信データ(以下、同様)に対しては、分離化処理を行って、受信音声データと、受信画像データとを独立に取り出すようになっている。
本実施形態において、受信データには、受信音声データおよび受信画像データ以外にも、音声のエラー耐性についてのデータが多重化されている。
なお、受信データには、音声以外にも、画像のエラー耐性についてのデータが多重化されていてもよい。
さらに、CPU7は、テレビ電話装置1から相手側テレビ電話装置に送信される音声データ(以下、送信音声データと称する)および画像データ(以下、送信画像データと称する)に対しては、多重化処理を行って、データ通信モジュール5に送信データとして出力するようになっている。
このとき、送信データには、送信音声データおよび送信画像データ以外にも、音声のエラー耐性についてのデータが多重化されている。
なお、送信データには、音声以外にも、画像のエラー耐性についてのデータが多重化されていてもよい。
送信データは、データ通信モジュール5から第3世代携帯電話3に出力され、第3世代携帯電話3によって相手側テレビ電話装置に送信されるようになっている。
ここで、エラー耐性は、例えば、エラー耐性レベルがレベル1の場合には、音声および画像のストリームを、そのまま相手側のテレビ電話装置に転送することになる。したがって、レベル1の場合には、相手側のテレビ電話装置は、エラーを検出することすらできない。レベル1の場合、例えば、相手側のテレビ電話装置に転送するビットレートが64kbps(一定値)とすると、音声が占有するビットレートが20kbps、画像が占有するビットレートが44kbpsとなり、エラー耐性についてのデータは存在しない(0kbps)ことになる。
エラー耐性レベルがレベル2の場合には、相手側に転送する音声および画像に、エラー検出符号(例えばCRC(Cyclic Redundancy Check))を付加することになる。したがって、レベル2の場合には、相手側のテレビ電話装置は、エラーを検出することが可能となる。レベル2の場合、例えば、相手側に転送するビットレート64kbps(一定値)のうち、音声が占有するビットレートが20kbps、画像が占有するビットレートが40kbps、エラー検出符号が占有するビットレートが4kbpsとなる。
エラー耐性レベルがレベル3の場合には、相手側に転送する音声および画像にエラー検出符号を付加するだけでなく、さらに、音声用のエラー訂正符号も付加することになる。したがって、レベル3の場合には、相手側のテレビ電話装置は、音声のエラーを検出した上で、検出したエラーをエラー訂正符号によって訂正することが可能となる。レベル3の場合、例えば、相手側に転送するビットレート64kbps(一定値)のうち、音声が占有するビットレートが20kbps、画像が占有するビットレートが20kbps、エラー検出符号が占有するビットレートが4kbps、エラー訂正符号が占有するビットレートが20kbpsとなる。
そして、本実施形態において、CPU7は、相手側テレビ電話装置が移動中であるか否かを判定する相手移動状態判定手段として機能するようになっている。
すなわち、CPU7には、相手側テレビ電話装置から、当該相手側テレビ電話装置の移動状態(移動中または停止中)が、第3世代携帯電話3を通じて通知されるようになっている。
そして、CPU7は、相手側テレビ電話装置が移動中である旨の通知を受けることによって、相手側テレビ電話装置が移動中であると判定するようになっている。
さらに、本実施形態において、CPU7は、送信データ制御手段としても機能するようになっている。
すなわち、CPU7は、前述したCPU7の相手移動状態判定手段としての機能によって、相手側テレビ電話装置が移動中であると判定された場合に、相手側テレビ電話装置へ送信する送信データにおける画像のフレームレートを、相手側テレビ電話装置が停止中の場合よりも下げるように制御するようになっている。
さらに、CPU7は、当該送信データにおけるエラー耐性レベルを、相手側テレビ電話装置が停止中の場合よりも上げるように制御するようになっている。
なお、このようなCPU7による送信データの制御は、前述した多重化処理の際に行われることになる。
これにより、相手側テレビ電話装置が移動中の場合には、CPU7の送信データ制御手段としての機能によって、相手側テレビ電話装置へ送信する送信データにおける画像のフレームレートを、相手側テレビ電話装置が停止中の場合よりも下げ、かつ、送信データにおける音声のエラー耐性レベルを、相手側テレビ電話装置が停止中の場合よりも上げるように制御することが可能となる。
また、相手側テレビ電話装置からの通知によって、相手側テレビ電話装置が移動中であることを簡易に判定することが可能となる。
CPU7の入力側には、外部信号入力部9が接続されており、この外部信号入力部9の入力側には、アンテナ10を備えたGPSレシーバ11が接続されている。GPSレシーバ11は、GPS衛星から送信された軌道と時刻の情報を受信し、受信結果を外部信号として出力するようになっている。そして、GPSレシーバ11によって出力された外部信号は、外部信号入力部9に入力されるようになっている。さらに、外部信号入力部9には、車速パルスが外部信号として入力されるようになっている。外部信号入力部9は、入力された外部信号を出力するようになっており、この出力された外部信号が、CPU7に入力されるようになっている。
そして、本実施形態において、CPU7は、自己移動状態判定手段としても機能するようになっている。
すなわち、CPU7は、外部信号入力部9側から入力された外部信号に基づいて、テレビ電話装置1が移動中であるか否かを判定するようになっている。なお、本実施形態におけるテレビ電話装置1のように、車載機として用いられる場合には、テレビ電話装置1が移動中であるか否かの判定は、自車が走行中であるか否かの判定と同義となる。
なお、CPU7は、外部信号以外の方法(自車のパーキングブレーキの解除等)によって、テレビ電話装置1が移動中であると判定するようにしてもよい。
さらに、本実施形態において、CPU7は、通知手段としても機能するようになっている。
すなわち、CPU7は、前述したCPU7の自己移動状態判定手段としての機能による判定結果を、第3世代携帯電話3を通じて相手側テレビ電話装置に通知するようになっている。
そして、本実施形態におけるテレビ電話装置は、CPU7の通知手段としての機能により、相手側テレビ電話装置に対して自らが移動中である旨の通知を行うことによって、相手側テレビ電話装置から、画像のフレームレートが、自らが停止中の場合よりも下げられ、かつ、音声のエラー耐性レベルが、自らが停止中の場合よりも上げられた受信データを受信することができるようになっている。
これにより、テレビ電話装置1が移動中の場合には、相手側テレビ電話装置から、画像のフレームレートが、テレビ電話装置1が停止中の場合よりも下げられ、かつ、音声のエラー耐性レベルが、テレビ電話装置1が停止中の場合よりも上げられたデータを受信することが可能となる。
なお、テレビ電話装置1が、このような受信データを相手側テレビ電話装置から受信するためには、相手側テレビ電話装置においても、前述した送信データ制御手段と同様の機能を備えていることが必要となる。
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、CPU7は、前述した送信データ制御手段としての機能によって、前記送信データ中に前述した音声用のエラー訂正符号を付加することによって、音声のエラー耐性レベルを上げるように制御するようになっている。
これにより、相手側テレビ電話装置が移動中の場合に、前記送信データにおける音声についてのエラーが生じたとしても、相手側テレビ電話装置は、当該エラーを前記送信データ中に付加された音声のエラー訂正符号によって簡便かつ確実に訂正することが可能となる。
上記構成に加えて、さらに、本実施形態におけるテレビ電話装置1は、相手側テレビ電話装置から、前述した画像のフレームレートが下げられ、かつ、音声のエラー耐性レベルが上げられた受信データとして、音声についてのエラー訂正符号が付加された受信データを受信することができるようになっている。
これにより、テレビ電話装置1が移動中の場合に、相手側テレビ電話装置からの受信データにおける音声についてのエラーが生じたとしても、このエラーを、当該データ中に付加された音声のエラー訂正符号によって簡便かつ確実に訂正することが可能となる。
なお、テレビ電話装置1が、このような受信データを相手側テレビ電話装置から受信するためには、相手側テレビ電話装置においても、CPU7と同様に、テレビ電話装置1からの前述した自らが移動中である旨の通知を受けることによって、テレビ電話装置1へ送信する送信データを、音声についてのエラー訂正符号が付加されたデータとするように制御する機能を備えていることが必要となる。
上記構成に加えて、さらに、CPU7は、前述した送信データ制御手段としての機能によって、相手側テレビ電話装置へ送信する送信データにおける音声のビットレートについては、相手側テレビ電話装置が停止中の場合よりも下げないように制御するようになっている。
これにより、相手側テレビ電話装置へ送信する送信データにおける音声が占有するビットレートを十分に確保しつつ、音声のエラー耐性レベルを上げるように制御することが可能となる。
このとき、音声のビットレートを相手側テレビ電話装置が停止中の場合と同じとするか、または、それよりも上げるかについては、コンセプトに応じていずれを選択するようにしてもよい。
上記構成に加えて、さらに、本実施形態におけるテレビ電話装置1は、相手側テレビ電話装置から、前述した画像のフレームレートが下げられ、かつ、音声のエラー耐性レベルが上げられた受信データとして、音声のビットレートについては、テレビ電話装置1が停止中の場合よりも下げられていない受信データを受信するようになっている。
これにより、テレビ電話装置1は、音声が占有するビットレートが十分に確保され、かつ、音声のエラー耐性レベルが上げられたデータを相手側テレビ電話装置から受信することが可能となる。
なお、テレビ電話装置1が、このような受信データを相手側テレビ電話装置から受信するためには、相手側テレビ電話装置においても、CPU7と同様に、テレビ電話装置1へ送信する送信データについての音声のビットレートを下げないように制御することが必要となる。
上記構成に加えて、さらに、CPU7は、相手側テレビ電話装置の移動状態が移動中から停止中に変化し、このことが相手側テレビ電話装置から第3世代携帯電話3を通じて通知されることにより、CPU7の相手移動状態判定手段としての機能によって、相手移動状態判定手段が停止中であると判定するようになっている。
そして、CPU7は、相手側テレビ電話装置が停止中であると判定した場合には、CPU7の送信データ制御手段としての機能によって、相手側テレビ電話装置へ送信する送信データにおける画像のフレームレートおよび音声のエラー耐性レベルを、相手側テレビ電話装置が停止中の場合の状態に変更するように制御するようになっている。
これにより、相手側テレビ電話装置の移動状態が移動中から停止中に変化した場合には、CPU7の送信データ制御手段としての機能によって、相手側テレビ電話装置へ送信する送信データにおける画像のフレームレートおよび音声のエラー耐性レベルを、相手側テレビ電話装置が停止中の場合の状態に変更するように制御することが可能となる。
上記構成に加えて、さらに、本実施形態におけるテレビ電話装置1は、テレビ電話装置1の移動状態が移動中から停止中に変化すると、このことが、CPU7の自己移動状態判定手段としての機能によって判定され、さらに、CPU7の通知手段としての機能によって、テレビ電話装置1が停止中である旨が、相手側テレビ電話装置に通知されるようになっている。
この通知によって、テレビ電話装置1は、相手側テレビ電話装置から、画像のフレームレートおよび音声のエラー耐性レベルが、テレビ電話装置1が停止中の場合の状態に変更された受信データを受信するようになっている。
これにより、テレビ電話装置1の移動状態が移動中から停止中に変化した場合には、相手側テレビ電話装置から、画像のフレームレートおよび音声のエラー耐性レベルが、テレビ電話装置1が停止中の場合の状態に変更されたデータを受信することが可能となる。
なお、テレビ電話装置1が、このような受信データを相手側テレビ電話装置から受信するためには、相手側テレビ電話装置においても、CPU7と同様に、テレビ電話装置1からの前述した自らが停止中である旨の通知を受けた後に、テレビ電話装置1へ送信する送信データにおける画像のフレームレートおよび音声のエラー耐性レベルを、テレビ電話装置1が停止中の場合の状態に変更するように制御することが必要となる。
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、CPU7は、テレビ電話装置1が移動中の場合に、相手側テレビ電話装置から受信されるデータに含まれる画像の表示を行わないように制御するようになっている。
これにより、テレビ電話装置1の移動中における画像の表示にともなう危険を未然に回避することが可能となる。
CPU7には、音声・映像入出力部12が接続されており、この音声・映像入出力部12には、CPU7によって分離化処理が行われた後の受信音声データおよび受信画像データが入力されるようになっている。
そして、音声・映像入出力部12は、入力された受信音声データと受信画像データとを、CPU7による制御の下で、それぞれ復号化して出力するようになっている。
音声・映像入出力部12に対して受信画像データの出力側には、表示部としてのディスプレイ14が接続されており、このディスプレイ14には、音声・映像入出力部12によって出力された復号化後の受信画像データが入力されるようになっている。
そして、ディスプレイ14は、入力された受信画像データを画面上に表示するようになっている。
これにより、テレビ電話装置1の停止中(停車中)において、ディスプレイ14に、通話相手側の画像が表示されることになる。
また、音声・映像入出力部12に対して受信音声データの出力側には、アンプ15が接続されており、さらに、このアンプ15の出力側には、スピーカ16が接続されている。
アンプ15には、音声・映像入出力部12によって出力された復号化後の受信音声データが入力されるようになっている。アンプ15は、入力された受信音声データを電力増幅させてスピーカ16に出力するようになっている。
そして、スピーカ16は、アンプ15から出力された受信音声データを音声出力するようになっている。これにより、スピーカ16から、通話相手の発話音声を聴取することができる。
一方、音声・映像入出力部12に対して送信音声データの入力側には、マイクモジュール18が接続されており、このマイクモジュール18は、テレビ電話装置1の利用者である本人の発話によって入力された音声を、送信音声データに変換して出力するようになっている。
マイクモジュール18によって出力された送信音声データは、音声・映像入出力部12に入力され、この音声・映像入出力部12によって、CPU7による制御の下で符号化されて出力されるようになっている。
また、音声・映像入出力部12に対して送信画像データの入力側には、カメラモジュール19が接続されており、このカメラモジュール19は、本人によって撮影された本人側の画像を、送信画像データに変換して出力するようになっている。
カメラモジュール19によって出力された送信画像データは、音声・映像入出力部12に入力され、この音声・映像入出力部12によって符号化されて出力されるようになっている。
そして、音声・映像入出力部12から出力された符号化後の送信音声データと送信画像データとは、前述のようにCPU7によって多重化された後に、相手側テレビ電話装置に送信されるようになっている。
これにより、相手側テレビ電話装置においては、本人側の発話音声が聴取され、本人側の画像が相手側テレビ電話装置の停止中に表示されるようになっている。
CPU7には、メモリ20が接続されており、このメモリ20には、CPU7が実行するソフトウエアが記憶されている。
CPU7は、このメモリ20に記憶されたソフトウエアを実行することによって、前述した通知手段、自己移動状態判定手段、相手移動状態判定手段および送信データ制御手段としての機能や、これら以外のテレビ電話による通話のために必要となる種々の制御を実現するようになっている。
このメモリ20に記憶されたソフトウエアの詳細については後述する。
さらに、テレビ電話装置1には、一般のナビゲーション装置の機能が搭載されている。
すなわち、CPU7は、外部信号入力部9から入力された外部信号から、現在の自車位置を測位し、この測位した現在の自車位置から、ディスプレイ14のタッチパネル等の入力操作によって設定された目的地までのルートを計算するようになっている。
また、CPU7には、ハードディスク等の外部記憶装置22が接続されており、この外部記憶装置22には、地図データベースが記憶されている。
CPU7は、ルート計算の際に地図データベースに記憶されている道路データを参照することによって、目的地までの推奨ルートを算出するようになっている。
さらに、CPU7は、地図データベースから読み出した地図データを用いることによって、地図表示データを作成し、作成した地図表示データを音声・映像入出力部12を介してディスプレイ14に出力するようになっている。
これにより、ナビゲーションの実行時には、ディスプレイ14の画面上に地図表示が行われることになる。
また、CPU7は、ルート計算によって算出された目的地までの推奨ルートに沿って自車を目的地まで案内するための案内画像データを作成し、作成した案内画像データを、音声・映像入出力部12を介してディスプレイ14に出力するようになっている。
これにより、ナビゲーションの実行時には、ディスプレイ14の画面上に、交差点拡大画像やレーン案内画像等の案内画像が適宜表示されることになる。
さらに、CPU7は、ルート計算によって算出された目的地までの推奨ルートに沿って自車を目的地まで案内するための音声案内データを作成し、作成した音声案内データを、音声・映像入出力部12およびアンプ15を経てスピーカ16に出力するようになっている。
これにより、ナビゲーションの実行時には、スピーカ16によって、交差点右左折案内等の音声案内が適宜なされることになる。
次に、図2は、図1のテレビ電話装置1におけるメモリ20に記憶されたソフトウエア構成を示すものであり、この図2に示すように、テレビ電話装置1は、テレビ電話装置1のシステム全体を包括して制御するシステム制御部23を有している。このシステム制御部23は、CPU7によって実行されるようになっている。
また、テレビ電話装置1は、システム制御部23に対する下位のソフトウエアとしてのアドレス帳アプリ25、テレビ電話アプリ26およびナビゲーションアプリ27を有している。
なお、アドレス帳アプリ25およびテレビ電話アプリ26は、第3世代携帯電話3から読み込んで取得したものであってもよいことは勿論である。
アドレス帳アプリ25の下位には、アドレスデータベース28が設けられており、このアドレスデータベース28には、CPU7がシステム制御部23を介してアドレス帳アプリ25を実行することによって、電話番号や電話番号に対応する利用者の氏名等についてのデータの読み出しや書き込みが行われるようになっている。
テレビ電話アプリ26の下位には、端末情報管理部29が設けられており、この端末情報管理部29には、CPU7がシステム制御部23を介してテレビ電話アプリ26を実行することによって、データの読み出しや書込みが行われるようになっている。この端末情報管理部29には、例えば、相手側テレビ電話装置との相互接続の際の能力情報交換によって取得された能力情報(CODEC能力や多重化テーブル等)を設定するようにしてもよい。
さらに、テレビ電話アプリ26の下位には、スタックコントローラ31が設けられており、このスタックコントローラ31の下位には、多重分離処理モジュール32およびメッセージ処理部33が設けられている。
スタックコントローラ31は、CPU7がシステム制御部23を介してテレビ電話アプリ26を実行することによって、スタックコントローラ31の下位のソフトウエアである多重分離処理モジュール32およびメッセージ処理部33を動作させるようになっている。
多重分離処理モジュール32は、前述したデータの多重化・分離化に必要な多重化テーブルの設定を行うようになっている。
さらに、多重分離処理モジュール32は、相手側テレビ電話装置の移動状態に応じて、前述した相手側テレビ電話装置へ送信する送信データにおける画像のフレームレートおよびエラー耐性レベルを制御するようになっている。
メッセージ処理部33は、音声・映像入出力部12が、音声データおよび画像データを、所定の符号化・復号化方式にしたがって符号化または復号化するように音声・映像入出力部12を制御するようになっている。
ナビゲーションアプリ27の下位には、位置測位モジュール34および地図データベース35が設けられている。
位置測位モジュール34は、CPU7がシステム制御部23を介してナビゲーションアプリ27を実行することによって、自車の現在位置を測位するようになっている。
地図データベース35に対しては、CPU7がシステム制御部23を介してナビゲーションアプリ27を実行することによって、地図データの読み出しが行われるようになっている。この地図データベース35は、外部記憶装置22から読み込まれたものであってもよいことは勿論である。
このような本実施形態におけるテレビ電話装置1は、このテレビ電話装置1と同様の構成を有する相手側テレビ電話装置とともに、本発明に係るテレビ電話システムを構成するようになっている。
次に、前述した構成を有するテレビ電話装置1およびこのテレビ電話装置1と同様の構成を有する相手側テレビ電話装置とによって構成された本実施形態におけるテレビ電話システムの動作について説明する。
まず、本実施形態におけるテレビ電話システムによって、テレビ電話装置1と相手側テレビ電話装置との間での通話を開始するには、テレビ電話装置1において、アドレスデータベース28に登録された相手側テレビ電話装置の電話番号を選択して、相手側テレビ電話装置に対する発呼を行う。
この発呼のための操作は、例えば、ディスプレイ14のタッチパネルによる入力操作、マイクモジュール18を用いた発話による入力操作あるいは、第3世代携帯電話3の入力操作等によって行うようにしてもよい。
そして、相手側テレビ電話装置に対する発呼を行って、能力情報交換の後に相手側テレビ電話装置との相互接続が行われることによって、テレビ電話装置1と相手側テレビ電話装置とが通話状態となり、図3のステップ1(ST1)に示すように、通話中タスクが開始される。
ステップ1(ST1)においては、テレビ電話装置1の利用者である本人の発話音声および本人側の画像が、第3世代携帯電話3を通じて相手側テレビ電話装置に送信される。
具体的には、まず、本人の発話音声が、マイクモジュール18によって送信音声データに変換され、この送信音声データが、音声・映像入出力部12によって符号化される。
また、本人側の画像が、カメラモジュール19によって送信画像データに変換され、この送信画像データが、音声・映像入出力部12によって符号化される。
そして、符号化された送信音声データと、送信画像データとは、CPU7によって、エラー耐性のためのデータとともに多重化される。
このとき、図示はしないが、CPU7は、相手側テレビ電話装置から、相手側テレビ電話装置が移動中である旨の通知を受けたか否かに基づいて、相手側テレビ電話装置の移動状態を判別する。
そして、CPU7は、画像のフレームレートおよびエラー耐性レベルを、相手側テレビ電話装置の移動状態に応じて異なる値に設定する。
具体的な例として、CPU7は、相手側テレビ電話装置が搭載された相手側車両が走行中である場合には、画像のフレームレートを1fpsとし、エラー耐性レベルについては、前述したエラー検出符号およびエラー訂正符号が付加されたレベル3とする。
これとは逆に、相手側車両が停車中である場合には、CPU7は、画像フレームレートを10fpsとし、エラー耐性レベルについては、前述したエラー検出符号のみが付加された2fpsとする。
そして、このような多重化パターンによって多重化された送信データは、データ通信モジュール5を経た後、第3世代携帯電話3を通じて相手側テレビ電話装置に送信される。
また、ステップ1(ST1)においては、第3世代携帯電話3を通じて、相手側テレビ電話装置から受信データが受信され、この受信データは、CPU7による分離化処理によって、受信音声データおよび受信画像データに分離される。
このとき、受信データのエラー耐性レベルに応じて、受信データにおける音声または画像に生じたエラーが、検出、訂正あるいはそのまま受信される。
そして、受信音声データは、音声・映像入出力部12によって復号化され、アンプ15を経た後にスピーカ16に出力される。これにより、相手側テレビ電話装置の利用者である通話相手の発話音声を、スピーカ16によって聴取することができる。
また、受信画像データは、音声・映像入出力部12によって復号化された後、ディスプレイ14に出力される。これにより、通話相手側の画像が、ディスプレイ14に表示される。
このような処理が行われることによって、ステップ1(ST1)においては、本人と通話相手との間でのテレビ電話による通話が行われる。
次いで、ステップ2(ST2)においては、CPU7の相手移動状態判定手段としての機能によって、相手側テレビ電話装置の移動状態、すなわち、相手側車両の走行状態が、停車中から走行中へと変化したのか、または、走行中から停車中へと変化したのかを、相手側テレビ電話装置からの通知の有無に基づいて判定する。
そして、ステップ2(ST2)において、相手側車両の走行状態が、停車中から走行中へと変化したと判定された場合には、ステップ3(ST3)に進み、走行中から停車中へと変化したと判定された場合には、ステップ6(ST6)に進む。
ステップ3(ST3)においては、CPU7によって、受信画像データの表示を行わないように制御して、画像を消した後にステップ4(ST4)に進む。
次いで、ステップ4(ST4)においては、CPU7の送信データ制御手段としての機能によって、送信データにおける画像のフレームレートを、ステップ1(ST1)における10fpsから、1fpsに下げる処理を行ってステップ5(ST5)に進む。
次いで、ステップ5(ST5)においては、CPU7の送信データ制御手段としての機能によって、送信データのエラー耐性レベルを、ステップ1(ST1)におけるレベル2から、レベル3に上げる処理を行って、ステップ9(ST9)に進む。
このステップ2(ST2)からステップ5(ST5)の処理によって、テレビ電話装置1は、相手側テレビ電話装置に対して、図4に示すように、実際に表示されない画像よりも、音声のエラー耐性レベルが優先されたエラー訂正符号が付加された送信データを送信することができる。
これにより、相手側テレビ電話装置は、テレビ電話装置1から送信された送信データに基づいて、送信データにおける音声にエラーが生じた場合においても、このエラーを、エラー訂正符号を用いて簡便かつ確実に訂正することができる。
この結果、本人と通話相手との間で、良好な音質の音声による通話を行うことができる。
一方、ステップ6(ST6)においては、CPU7の送信データ制御手段としての機能によって、送信データのエラー耐性レベルを、ステップ1(ST1)におけるレベル3から、レベル2に下げる処理を行って、ステップ7(ST7)に進む。
次いで、ステップ7(ST7)においては、CPU7の送信データ制御手段としての機能によって、送信データにおける画像のフレームレートを、ステップ1(ST1)における1fpsから10fpsに上げる処理を行う。
このステップ6(ST6)およびステップ7(ST7)の処理によって、テレビ電話装置1は、相手側テレビ電話装置に対して、図5に示すように、画像のフレームレートがステップ1(ST1)よりも上げられた送信データであって、エラー検出符号のみが付加されることによって、エラー耐性レベルがステップ1(ST1)よりも下げられた送信信号を送信することができる。
これにより、ステップ7(ST7)に続くステップ8(ST8)においては、相手側テレビ電話装置が、テレビ電話装置1から送信された送信データに基づいて、本人側の画像を表示する。
ステップ5(ST5)またはステップ8(ST8)に続くステップ9(ST9)においては、CPU7によって、通話が終了したか否かを判定し、通話が終了した場合には、ステップ10(ST10)に進んで通話中タスクを終了し、依然として通話中の場合には、ステップ2(ST2)に戻る。
一方、相手側テレビ電話装置においてもステップ1(ST1)〜ステップ10(ST10)と同様の処理がなされるようになっている。
これによって、相手側テレビ電話装置からテレビ電話装置1に送信される送信データ、すなわち、テレビ電話装置1が相手側テレビ電話装置から受信する受信データにおける画像フレームレートおよびエラー耐性レベルが、テレビ電話装置1の移動状態(自車の走行状態)に応じて異なるように制御される。
この結果、テレビ電話装置1の移動状態にかかわらず、本人と通話相手との間で、良好な音質の音声による通話を行うことができる。
以上述べたように、本実施形態におけるテレビ電話装置1およびテレビ電話システムによれば、テレビ電話装置1が、音声および画像を含むデータの受信側および送信側の双方になる場合において、テレビ電話装置1または通話相手のテレビ電話装置のいずれが移動中であっても、停止中の場合と同等の音質によって、本人と通話相手との間での通話を行うことができる。
また、本発明によれば、本人のテレビ電話装置1または通話相手のテレビ電話装置の移動中における無駄な画像の通信を抑制することができる。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
例えば、複数の相手側テレビ電話装置との間で、同時通話を行うようにしてもよい。その場合には、各相手側テレビ電話装置との間で、テレビ電話装置1または相手側テレビ電話装置の移動状態に応じて、画像のフレームレートおよびエラー耐性レベルを好適な状態に制御することができ、良好な音質の音声による同時通話を行うことができる。
また、本発明は、携帯電話等の、車載用のナビゲーション装置以外の移動体通信端末にも有効に適用することができるものである。