JP4567243B2 - 棒状発光体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学ルミネセンス反応によって発光する化学発光体を利用した棒状の発光玩具に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より、例えば、実開平4−81301号公報などに提示されているように、可撓性材料からなる円筒状の透光性容器に、化学ルミネセンス反応を起こす溶液と、該溶液に混ざると反応する溶液を封入したガラスアンプルとを封入しておき、透光性容器を折り曲げて中のガラスアンプルを割ることにより二液を混合し化学ルミネセンス反応を起こさせて発光させる化学発光体は周知である。
【0003】
この化学発光体は高輝度であるとともに溶液中の蛍光物質を調合することにより種々の色彩を発光させることができることからコンサート会場や各種のイベント会場で雰囲気を盛り上げる為の発光体として利用され、叉表示灯や標識灯等としても使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の化学発光体における透光性容器は、使用時に内部に収容したガラスアンプルを容易に割ることが必要であることからポリエチレンや軟質のポリプロピレンなどの合成樹脂材料等のように可撓性の高い合成樹脂材料を使用して管状に形成されている。従って、例えば連結具等を用いて例えば腕輪やネックレス等のように環状にして楽しむには都合がよいが、長寸に形成すると、把持中に屈曲しやすいうえに、手に持って揺動すると剛性が足りずに容器の中間で屈折してしまう等、棒状として使用する場合には比較的短尺のものに限られるという欠点があった。
【0005】
また、従来の化学発光体は、これを発光させると透光性容器内の発光体が単調に発光して視覚されるものであるので、飾光としての見え方が単調で変化に乏しく周囲の注目を引く力も弱かった。従ってコンサート会場や各種のイベント会場で雰囲気を盛り上げる為の棒状発光体として、面白みが足りなかった。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、屈曲し難い棒状発光体を提供すること、更には化学発光体が発する光の見え方の単調性を解消することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決する為に、本発明の棒状発光体は、可撓性の低い長寸の透光性管状体に長寸棒状の化学発光体を挿脱可能に設け、用途に応じた剛性の高い棒状発光体とした。
【0008】
また、前記透光性管状体が着色透明樹脂で成形されている場合には内部に収容した化学発光体が発光していない場合にも装飾効果に優れ、殊に、着色透明の透光性管状体の色と化学発光体の中の溶液の色とが同系色である場合には、発光させたときに発光色がより鮮明に表示される。
【0009】
更に、透光性管状体の一端に化学発光体を挿着した蓋を嵌脱自在に嵌着し、蓋を嵌脱することで化学発光体を透光性管状体から挿脱できるようにすることで、発光時の脱着並びに挿着作業をきわめて簡単に行うことができ、また、蓋は化学発光体を取り外したときにも棒状発光体としての美的外観を形成する役目も併有している。
【0010】
更にまた、透光性管状体の内壁が横断面多角形状を呈しているとともに軸線方向へ螺旋状に捻れて形成されている場合には、透光性管状体を周方向へ左右回転させることにより光がスクリュウ状に上下動して見え、動的な装飾的効果を発揮させることができる。
【0011】
加えて、透光性管状体を形成する材料内に光輝材を散在させておき、化学発光体の光を乱反射させると、より一層装飾的効果が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の棒状発光体の好適な実施の形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1乃至図3は、本発明をバトン玩具に用いた場合の実施の形態の一例を示すものであり、基本的には、可撓性の低い、つまり比較的剛性の高い長寸の透光性管状体1と、この透光性管状体1の中に長寸のチューブ状の化学発光体2を挿脱可能としたものである。
【0014】
そして、透光性管状体1は、塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、硬質のポリエチレン、ポリプロピレン等、の透光性の合成樹脂が使用されるが、透明性の高い合成樹脂を用いることが好ましく、本実施の形態では後述の化学発光体2の発光色と同系統の色彩を付した着色透明樹脂が使用されている。そのため、未発光のときの色彩的な見映えも良好である。
【0015】
本実施の形態では、例えば透光性管状体1の太さは約8ミリ程度とされ、その長さは約40センチ前後の子供の手でも把持しやすい細長い管状となっている。
また、透光性管状体1の管孔を構成する内壁3は横断面形状が六角形を呈しており、この内壁3が軸線方向へ螺旋状に捻れて形成されている。尚、内壁の形状は六角形に限るものではなく多角形であればよい。
【0016】
また、透光性管状体1の先端部には星形の装飾体4が開口を閉塞して嵌着されている。
【0017】
一方、透光性管状体1に挿着くされる化学発光体2は、従来周知のものと同様に、化学ルミネセンス反応を起こす溶液を充填した軟質にして透光性管状体1の長さとほぼ同じ長寸のポリエチレンチューブ状容器5に、前記溶液と反応するもう一方の溶液を封入した細長いガラスアンプル8を軸線方向に連続させて複数本収納封止したものであり、チューブ状容器5を折り曲げてガラスアンプル8を割って両溶液を混合させることにより、発熱を生じることなく発光させることができ、更に溶液中の蛍光剤を調合することにより種々の色を発光できるものである。
【0018】
透光性管状体1に挿入される化学発光体2の基端部には透光性管状体1の開口端7を閉塞する蓋6が取り付けられており、該蓋6は透光性管状体1の開口端7に嵌脱自在に嵌着している。
【0019】
以上のように構成される本実施の形態である棒状発光体は、日中あるいは照明下では、そのままの状態でバトン玩具として使用することができ、このとき、透光性管状体1が透明性だけでなく管孔を構成する内壁3は横断面形状が六角形を呈しており、この内壁3が軸線方向へ螺旋状に捻れて形成されていることから、透光性管状体1を通過する太陽光や照明光が捻り帯状に部分化して視覚され、且つ透光性管状体1を自身の周方向へ左右回転させることにより光がスクリュウ状に上下動して見え、装飾効果を得ることができる。
【0020】
そして、夜間や室内などの暗所においては、蓋6を摘んで透光性管状体1から化学発光体2を引き抜き出し、複数箇所を折り曲げて内部のガラスアンプル8を割り化学発光体2とガラスアンプル8内の溶液とを混合させて全体を発光させるとともに、発光する化学発光体2を透光性管状体1に挿入して戻し入れ、蓋6を透光性管状体1の開口端7に嵌着する。
【0021】
透光性管状体1に発光した化学発光体2が挿入されると、その光が透光性管状体1の内部から外部に向けて照射されるので従来の化学発光体と同様に透光性管状体1が暗所で際だって輝き装飾効果を発揮し、殊に、長寸の透光性管状体1を可撓性が低く且つ剛性の高いものとすることにより、強く揺動させても屈折してしまうことがないので、イベント会場などで自由に把持してそのまま或いは夜間や暗所では棒状発光体として楽しむことが可能である。
【0022】
特に、把持するのは剛性の高い透光性管状体1の部分で有り、化学発光体2自身を太径の剛性の有るものにする必要がないことから経済的にも優れている。
【0023】
また、本実施の形態では、透光性管状体1に透明着色樹脂を使用し、この透光性管状体1の色と化学発光体2の溶液の色を同系色としていることから、未発光のときの色彩的な見映えも良いうえに発光させたときの色が更に深く鮮明に見える。
【0024】
更に、本実施の形態では、透光性管状体1の管孔を構成する内壁3が横断面形状において六角形を呈しているとともに、この内壁3が軸線方向へ螺旋状に捻れて形成されている。そのため、化学発光体2の発する光が軸線方向へ螺旋状に捻れた透光性管状体1の内壁3で偏光し、図1に見られるように、光が捻り帯状に部分化して視覚され、且つ透光性管状体1を自身の周方向へ左右回転させることにより光がスクリュウ状に上下動して見え装飾効果が向上する。
【0025】
図4は、本発明の異なる実施の形態を示しており、全体の構成は前記図1乃至図3に示した実施の形態とほぼ同様であるが、透光性管状体1の合成樹脂内にアルミ系やマイカ系の光輝材9がランダムに散在している点が異なる。
【0026】
従って、本実施の形態では、明所における太陽光や照明光或いは暗所における透光性管状体1の内部の化学発光体2が発光すると光が光輝剤9によって乱反射し、更に美麗に見えて商品力を高めることができる。
【0027】
尚、前記実施の形態では本発明をバトン玩具について実施した場合を示したが、本発明は、例えば杖状、刀剣状等、他の各種棒状体についても同様に実施することができることはいうまでもない。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように、可撓性の低い長寸の透光性管状体に長寸棒状の化学発光体を挿脱可能に設け、用途に応じた剛性の高い棒状発光体としたことにより、鮮明に発色する長尺の棒状発光体を強く揺動させた場合にも折れ曲がる心配なく、長尺の棒状発光体として従来の化学発光体とは異なる発光体効果をイベント会場などで楽しむことができる。
【0029】
また、前記透光性管状体が着色透明樹脂で成形されている場合には内部に収容した化学発光体が発光していない場合にも装飾効果に優れ、殊に、着色透明の透光性管状体の色と化学発光体の中の溶液の色とが同系色である場合には、発光させたときに発光色がより鮮明に表示される。加えて、特に高価となる化学発光体部分を太径とすることなしに全体として剛性を高めることができるので経済的にも優れているばかりか、透光性管状体の全体の形状を変化させることにより種々の用途に応じた棒状発光体を作り出すことができる。
【0030】
更に、透光性管状体の一端に化学発光体を挿着した蓋を嵌脱自在に嵌着し、蓋を嵌脱することで化学発光体を透光性管状体から挿脱できるようにすることで、発光時の脱着並びに挿着作業をきわめて簡単に行うことができ、また、蓋は化学発光体を取り外したときにも棒状発光体としての美的外観を形成する役目も併有している。
【0031】
殊に、透光性管状体の内壁が横断面多角形状を呈しているとともに軸線方向へ螺旋状に捻れて形成されている場合には、透光性管状体を周方向へ左右回転させることにより光がスクリュウ状に上下動して見え、光の動的な装飾的効果を発揮させることもできる。尚、これらの効果は、暗所において発光体を発光させた場合に著しいが、明所において発光体を発光させない場合にも得ることができる。
【0032】
加えて、透光性管状体を形成する材料内に光輝材を散在させた場合には、化学発光体の光を乱反射させることで、より一層の装飾的効果を向上させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の棒状発光体の実施の形態を示す正面図。
【図2】図1のAーA拡大断面図。
【図3】本発明の棒状発光体における要部の分解斜視図。
【図4】別の実施の形態における透光性管状体の一部分を示す説明図。
【符号の説明】
1 透光管状体
2 化学発光体
3 内壁
6 蓋
9 光輝材

Claims (5)

  1. 可撓性の低い長寸の透光性管状体に長寸のチューブ状の化学発光体を挿脱可能に設けた棒状発光体において、前記透光性管状体の内壁が横断面多角形状を呈し且つ軸線方向へ螺旋状に捻れて形成されていることを特徴とする棒状発光体。
  2. 前記透光性管状体が着色透明樹脂で成形されていることを特徴とする請求項1記載の棒状発光体。
  3. 前記着色透明の透光性管状体の色と化学発光体中の溶液の色とが同系色であることを特徴とする請求項1また2記載の棒状発光体。
  4. 前記透光性管状体の一方の開口端に化学発光体の端部を挿着した蓋を嵌脱自在に嵌着したことを特徴とする請求項1,2また3記載の棒状発光体。
  5. 前記透光性管状体を形成する材料内に光輝材を散在させたことを特徴とする請求項1,2,また4記載の棒状発光体。
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