JP4566978B2 - 梅肉エキス粒状製品 - Google Patents

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Description

本発明は、梅肉エキス粒状製品に関するものである。
梅の実には、クエン酸等の有機酸、アスパラギン酸等のアミノ酸、カリウム等のミネラルが豊富に含まれている。そのため、健康を増強するための食品として、従来より梅の実は様々な形態に加工して広く摂取されている。前記様々な形態としては、例えば、梅干、烏梅、梅酒、梅肉エキス等が挙げられる。前記梅干には、疲労回復作用、動脈硬化予防作用、ガン・老化防止作用等が知られている。また、烏梅とは、梅の実を燻製にした生薬であり、鎮咳、去痰、鎮吐、解熱等の効果が知られている。さらに、梅肉エキスとは、梅の果汁を長時間煮詰めて製造するものであり、整腸作用などが知られている。なお、財団法人 日本健康・栄養食品協会(http//:www.jhnfa.org/)により、製品規格として有機酸(クエン酸換算)45%以上のものが梅エキスと呼ばれている。本発明において、梅肉エキスとは、梅エキスも含むものとする。
近年、この梅肉エキスには、ムメフラールが含まれていることが判明している。
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このムメフラールは、梅には元々含有されていない成分であるが、梅の果汁を煮詰める過程において、梅の果汁中のクエン酸と糖の一部が反応してムメフラールに変換されることが判明している。このムメフラールには、梅が保有する多量の有機酸の中でクエン酸との相乗効果により血液の流れを著しく改善するという効果などが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなすぐれた健康促進効果が知られてきたため、梅肉エキスは、健康食品として長期に渡り摂取することが勧められていた。
この梅肉エキスは粘性が高い液状のため、摂取するにはスプーン等の道具を使用する必要があり、手でそのまま口に運ぶことが出来なかった。この場合においても梅肉エキスの粘性が非常に高いため、スプーン等にエキスが残り、取れにくいため洗浄等の取扱いが容易ではなかった。また梅肉エキスはクエン酸濃度が非常に高く、酸味および苦味の強い味であるため、それ自体を直接摂取するのは風味の面から簡便なことではなかった。このような事情から、梅肉エキスを直接口へ運ぶ方法で摂取し続けることは容易ではなかった。そこで、従来は、梅肉エキスを加工して梅肉エキスを摂取しやすくした、様々な梅肉エキス粒状製品が知られていた。そのような梅肉エキス粒状製品としては、例えば、梅肉エキスと、梅肉エキスの凍結乾燥粉末と、山芋の乾燥粉末とを含む梅肉エキス粒状製品(例えば、特許文献2参照)や、梅肉エキスと山芋の乾燥粉末とを含む梅肉エキス粒状製品が知られていた。
前記梅肉エキス粒状製品は、摂取しやすいように粒状製品に加工されているため、摂取し続けるには好適な形態である。しかしながら、梅肉エキスに山芋の乾燥粉末等を多量に加えて加工しているため、梅肉エキス自体の配合量はあまり高くはない。そのため、梅肉エキス粒状製品を摂取する際に梅肉エキス自体の摂取量を多くするためには、梅肉エキス粒状製品に含まれる梅肉エキスの含有量を増やす必要がある。また、梅肉エキス粒状製品は、製品として長期にわたって形を保つための硬さと、胃での崩壊性を調整するための柔らかさを必要とするため、梅肉エキス粒状製品は、その両方を兼ね備えた物性を持つ必要があった。しかしながら、従来の山芋の乾燥粉末等を加えて加工した梅肉エキス粒状製品においては、梅肉エキスの配合量を例えば50%以上にすると、梅肉エキス自体の高い粘性のため柔らかくなりすぎて梅肉エキス粒状製品として長期にわたって形を保つことが困難であった。
特許第3001095号 特公昭57−33937号公報
そこで、本発明は、梅肉エキスの配合量に左右されず、製品として長期にわたって形を保つための硬さと、胃での崩壊性を調整するため柔らかさを両立させるための硬度を有する梅肉エキス粒状製品の提供を目的とする。
本発明は、梅肉エキスと、梅果肉乾燥粉末とを含む梅肉エキス粒状製品である。
本発明は、梅果肉乾燥粉末を用いるため、梅肉エキスの配合量に左右されず、製品として長期にわたって形を保つための硬さと、胃での崩壊性を調整するため柔らかさを両立させるための硬度を有する梅肉エキス粒状製品を提供することが可能である。
本発明において、梅肉エキスの製造方法は限定されないが、例えば、梅果肉の搾り汁をアクなどを取りながら長時間煮詰める方法が挙げられる。また、この梅肉エキスは、例えば、梅を洗浄し、梅の実と種を分離し(クッカー処理およびパルパー処理)、分離された梅の実から搾り汁を得(クラリファイヤー処理)、この搾り汁を蒸練機を用いて練り上げることにより製造することもできる。
別の梅肉エキスの製造方法としては、例えば、梅干を漬けた後に製造される梅酢を用いる方法も挙げられる。この梅酢を用いる方法は、具体的には、梅酢を脱塩して梅果汁を得、この梅果汁を蒸練機を用いて練り上げる方法である。
梅肉エキスの原料となる梅としては、バラ科サクラ属の梅であって、例えば、南高梅、古城、白加賀、養老、長束、玉英、鶯宿、甲州小梅等が挙げられる。
本発明において用いられる梅肉エキスは、例えば、梅肉エキス100gあたり水10〜20g、ムメフラール1〜3g等を含有する。
本発明における梅果肉乾燥粉末は、例えば、梅果肉から搾り汁を取った後の果肉分を乾燥し、その乾燥物を粉砕することにより製造することができる。詳細には、例えば、梅を洗浄し、梅の実と種を分離し(クッカー処理およびパルパー処理)、分離された梅の実から搾り汁を得(クラリファイヤー処理)、梅の実の果肉分を40〜80℃で、好ましくは50〜60℃で10〜30時間、好ましくは20時間、乾燥する。得られた乾燥果肉分を粉砕し、梅果肉乾燥粉末を得ることもできる。さらに乾燥粉末の粒径を揃えるために、篩い分けを行うこともできる。
本発明において用いられる梅果肉乾燥粉末は、例えば、梅果肉乾燥粉末100gあたり水を0.5〜20g、好ましくは2〜10g、食物繊維を50〜90g、好ましくは60〜80gを含有する。
本発明において用いられる梅果肉乾燥粉末の粒径は、特に限定されず、どのような粒径であってもよい。前記梅果肉乾燥粉末の粒径としては、例えば、30〜120メッシュ、好ましくは50〜110メッシュ、より好ましくは60〜100メッシュである。
また、本発明において、前記梅果肉乾燥粉末の粒径は、1種類であってもよいし、2種類以上を併用してもよい。前記梅果肉乾燥粉末の粒径は、2種類以上を併用するのが好ましい。2種類以上を併用すると、得られる梅肉エキス粒状製品の、食感がさらに良くなり、かつ、崩壊性がより向上するからである。本発明の梅肉エキス粒状製品において、2種類以上の粒径の前記梅果肉乾燥粉末を使用する場合には、粒径がより小さい前記梅果肉乾燥粉末の配合割合を高くすると、前記梅肉エキス粒状製品の粒が硬くなり、食感がより硬くなり、崩壊性も低下する。一方、本発明の梅肉エキス粒状製品において、2種類以上の粒径の前記梅果肉乾燥粉末を使用する場合には、粒径がより大きい前記梅果肉乾燥粉末の配合割合を高くすると、前記梅肉エキス粒状製品の表面が粗くなり、食感がより柔らかくなり、崩壊性が向上する。これらの特性を考慮し、本発明の梅肉エキス粒状製品において、2種類以上の粒径の前記梅果肉乾燥粉末を使用する場合には、粒径がより小さい前記梅果肉乾燥粉末と、粒径がより大きい前記梅果肉乾燥粉末との配合割合を調整することができる。例えば、本発明の梅肉エキス粒状製品において、2種類の粒径の前記梅果肉乾燥粉末を使用する場合、粒径がより小さい前記梅果肉乾燥粉末と、粒径がより大きい前記梅果肉乾燥粉末との配合割合は、重量比で、例えば、粒径がより小さい前記梅果肉乾燥粉末(A)/粒径がより大きい前記梅果肉乾燥粉末(B)=0.05〜15.0、好ましくは0.1〜10.0である。
本発明において、粒状製品とは、粒の形態をしたものを意図する。その粒の形態としては、特に限定されず、例えば、丸剤状、錠剤状、チュアブル錠状、糖衣錠状等が挙げられる。
本発明の梅肉エキス粒状製品は、前記のとおり、梅肉エキスと梅果肉乾燥粉末とを含む。本発明の梅肉エキス粒状製品においては、前記梅肉エキスの含有率は限定されないが、例えば20〜80重量%であり、40〜80重量%が好ましく、50〜80重量%がより好ましく、60〜70重量%であるのが、さらに好ましい。本発明の梅肉エキス粒状製品は、前記梅果肉乾燥粉末を用いることにより、梅肉エキスの含有量を50重量%以上にしても、前記梅肉エキス粒状製品の硬さを調節することが可能である。
また、本発明の梅肉エキス粒状製品においては、前記梅果肉乾燥粉末の含有率が、例えば20〜80重量%であり、30〜50重量%が好ましく、30〜45重量%がより好ましい。
ムメフラールを含有する梅肉エキスを使用するため、本発明の梅肉エキス粒状製品は、ムメフラールを含有するのが好ましい。また、このムメフラールの含有量としては、前記梅肉エキス粒状製品100gに対して例えば0.2〜2gであり、0.5〜2.0gが好ましく、1.0〜2.0gがより好ましい。
本発明の梅エキス粒状製品は、その製品におけるムメフラールの含有量が高いという優れた効果を奏する。この効果は、前記梅果肉乾燥粉末の水分含有量が低いため、また、酸性度が高いため、前記梅エキス粒状製品を製造する際に、ムメフラールの分解が抑制されることに由来すると考えられる。
本発明の梅肉エキス粒状製品は、さらに油を含むのが好ましい。前記油としては、例えば、梅仁油、サフラワー油、なたね油、オリーブ油、アボガド油、ピーナッツ油、綿実油、大豆油、ナッツ油、ヒマワリ油、コーン油、ゴマ油、シリ油等が挙げられる。前記油としては、梅仁油が好ましい。なお、前記梅仁油は、例えば、梅を洗浄し、梅の実と種を分離し(クッカー処理およびパルパー処理)、分離された梅の種を搾油機を用いて油を得、得られた油から梅種の殻を濾過機を用いた濾過、または遠心分離機を用いた遠心分離により除去して、得ることができる。
本発明の梅肉エキス粒状製品において前記油を含有する場合には、前記油の含有率は、例えば0.2〜7.0重量%であり、1〜5重量%が好ましく、3〜4重量%がより好ましい。
本発明の梅肉エキス粒状製品においては、前記梅肉エキスの硬度は、例えば4〜12kgであり、好ましくは5〜10kgであり、より好ましくは6〜9kgである。前記硬度が4〜12kgであれば、製品として長期にわたって形を保つための硬さと、胃での崩壊性を調整するため柔らかさを両立させるための硬度として充分だからである。なお、前記硬度は、例えば以下のようにして測定することができる。まず、試料台に梅肉エキスを載せ、加圧アタッチメントを徐々に降ろし、試料に加圧する。そして試料が圧砕したときの最大加圧重を、試料の破壊硬度、すなわち硬度として測定する。
本発明の梅肉エキス粒状製品は、その他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、例えば、山芋の乾燥粉末、米粉末、コーンスターチ、糖蜜、シリ抽出物、糖類、ビタミン類、ミネラル、コエンザイムQ10、イソフラボン等が挙げられる。なお、本発明の梅肉エキス粒状製品は、山芋の乾燥粉末等のアレルゲンが必須成分ではない。従って、本発明の梅肉エキス粒状製品が、前記アレルゲンを含まない場合、アレルギー反応を引き起こす恐れが低いという利点がある。
本発明の梅肉エキス粒状製品は、例えば、以下のようにして製造することができる。
梅肉エキスと、梅果肉乾燥粉末とを含む梅肉エキス粒状製品の製造方法(以下、第1の製造方法と呼ぶ)であって、
前記梅肉エキスと、前記梅果肉乾燥粉末と混合し、混合エキスを得る混合工程と、
前記混合エキスを、練合機へ投入して練合し、練合エキスを得る練り工程と、
前記練合エキスを、圧延して圧延材料を得る圧延工程と、
前記圧延材料を、製剤化して丸剤を得る製剤工程と、
前記丸剤を乾燥して、梅肉エキス粒状製品を得る乾燥工程とを含む。
また、梅肉エキスと、梅果肉乾燥粉末と、油とを含む本発明の梅肉エキス粒状製品は、例えば、以下のようにして製造することができる。
梅肉エキスと、梅果肉乾燥粉末と、油とを含む本発明の梅肉エキス粒状製品の製造方法(以下、第2の製造方法と呼ぶ)であって、
前記梅肉エキスと、前記油とを予め混合し、ついで前記梅果肉乾燥粉末と混合し、混合エキスを得る混合工程と、
前記混合エキスを、練合機へ投入して練合し、練合エキスを得る練り工程と、
前記練合エキスを、圧延して圧延材料を得る圧延工程と、
前記圧延材料を、製剤化して丸剤を得る製剤工程と、
前記丸剤を乾燥して、梅肉エキス粒状製品を得る乾燥工程とを含む。
まず、前記梅肉エキスと、前記梅果肉乾燥粉末と混合し、混合エキスを得る混合工程について説明する。
前記第1の製造方法において用いる梅肉エキスと梅果肉乾燥粉末は、前記のものを用いることができる。前記梅肉エキスと、前記梅果肉乾燥粉末との混合割合は、前記の梅肉エキス粒状製品における前記梅肉エキスと前記梅果肉乾燥粉末の含有率を得るために適宜調整すればよいが、例えば前記梅肉エキスが、20〜80重量部であり、前記梅果肉乾燥粉末が、80〜20重量部であり、好ましくは前記梅肉エキスが、50〜80重量部であり、前記梅果肉乾燥粉末が、20〜50重量部であり、より好ましくは前記梅肉エキスが、60〜70重量部であり、前記梅果肉乾燥粉末が、30〜40重量部である。
前記第2の製造方法において用いる梅肉エキスと梅果肉乾燥粉末は、同様に、前記のものを用いることができる。前記梅肉エキスと、前記梅果肉乾燥粉末と、油との混合割合は、前記の梅肉エキス粒状製品における前記梅肉エキスと前記梅果肉乾燥粉末の含有率を得るために適宜調整すればよいが、例えば前記第2の製造方法において、前記梅肉エキスが、20〜80重量部であり、前記梅果肉乾燥粉末の配合比が、80〜20重量部であり、前記油の配合比が、0.1〜7.0重量部であり、好ましくは、前記梅肉エキスが、50〜70重量部であり、前記梅果肉乾燥粉末の配合比が、30〜50重量部であり、前記油の配合比が、2〜6重量部であり、より好ましくは前記梅肉エキスが、60〜70重量部であり、前記梅果肉乾燥粉末の配合比が、30〜40重量部であり、前記油の配合比が、3〜5重量部である。前記第2の製造方法において、前記梅肉エキスと前記油とを予め混合するのは、混合エキスの硬さを適切な硬さに調節しやすいからである。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、梅果肉乾燥粉末100gあたり含有される水は、例えば1〜15gであり、好ましくは1〜10gである。また、前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、前記梅果肉乾燥粉末は、前記梅果肉乾燥粉末100gに対する食物繊維含有量が、例えば50〜90gであり、好ましくは60〜80gである梅果肉乾燥粉末である。なお、前記食物繊維とは、食物に含まれている難消化性成分の総称である。具体的には、植物性食物の細胞壁を構成する成分である。食物繊維含有量は、AOAC(Association Official Analytical Chemists)法により測定することができる。AOAC法は、食品を1.25%の硫酸と水酸化ナトリウムの溶液で順次分解処理した後に残った有機物量を測定する方法である。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、前記梅果肉乾燥粉末は、2種類以上の粒子径を有する粉末の混合物であるのが好ましい。例えば、本発明の梅肉エキス粒状製品において、2種類の粒径の前記梅果肉乾燥粉末を使用する場合、粒径がより小さい前記梅果肉乾燥粉末と、粒径がより大きい前記梅果肉乾燥粉末との配合割合は、重量部で、例えば、粒径がより小さい前記梅果肉乾燥粉末(A)/粒径がより大きい前記梅果肉乾燥粉末(B)=0.05〜15.0、好ましくは0.1〜10.0である。
また、本発明の梅肉エキス粒状製品において、2種類の粒径の前記梅果肉乾燥粉末を使用する場合、粒径がより小さい前記梅果肉乾燥粉末と、粒径がより大きい前記梅果肉乾燥粉末と、梅肉エキスとの配合割合は、重量部で、例えば、粒径がより小さい前記梅果肉乾燥粉末(A):粒径がより大きい前記梅果肉乾燥粉末(B):梅肉エキス=5〜40:10〜50:20〜80、好ましくは8〜30:15〜40:40〜80、より好ましくは8〜20:15〜30:50〜70である。前記のような配合割合、すなわち、粒径がより小さい前記梅果肉乾燥粉末(A):粒径がより大きい前記梅果肉乾燥粉末(B):梅肉エキス=5〜40:10〜50:20〜80を用いると、梅肉エキス粒状製品の硬さと崩壊性を更にバランス良く製造することが可能だからである。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、前記混合工程は、例えば20〜50℃の温度、好ましくは25〜45℃の温度、より好ましくは30〜40℃の温度で行う。この工程を20〜50℃の温度で行えば、梅果肉乾燥粉末と梅肉エキスが均一に混ざるため、好ましい。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、前記混合工程は、例えば5分〜30分の時間、好ましくは5分〜20分の時間、より好ましくは10分〜15分の時間行う。この工程を5分〜30分の時間で行えば、適度の粘性と硬さの混合エキスが得られるため、好ましい。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、前記梅果肉乾燥粉末の一部を、前記混合工程において用い、前記梅果肉乾燥粉末の残りの部分は、前記練合工程の前に、練合機へ投入するのが好ましい(図1および図2参照)。このように分割して前記梅果肉乾燥粉末を使用すると、練合機に練合エキスが付着するのをさらに防ぐことが可能なためである。
前記のように分割して前記梅果肉乾燥粉末を使用する場合、前記梅果肉乾燥粉末全体に対する前記一部の梅果肉乾燥粉末の割合は、20〜80%、好ましくは30〜60%、より好ましくは30〜40%である。
次に、前記混合工程で得た前記混合エキスを、練合機へ投入して練合し、練合エキスを得る練り工程について説明する。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、前記練り工程は、例えば25〜50℃の温度、好ましくは30〜50℃の温度、より好ましくは30〜40℃の温度で行う。この工程を25〜50℃の温度で行えば、粘性と硬さの練合エキスが得られるため、好ましい。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、前記練り工程は、例えば5分〜30分の時間、好ましくは5分〜20分の時間、より好ましくは10分〜15分の時間行う。この工程を5分〜30分の時間で行えば、適度の粘性と硬さの練合エキスが得られるため、好ましい。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法の前記練り工程において、前記混合エキスに梅果汁を添加することが好ましい。前記梅果汁を添加することにより、前記混合エキスの練り合わせの程度を調整することが可能だからである。前記梅果汁としては、例えば、梅の実を搾ることによって得られる梅果汁、得られた果汁分を濃縮した梅果汁、梅の実を糖類に漬け込むことによって得られる糖抽出梅果汁、梅干製造時に副産物として得られる梅酢を脱塩処理して得られる梅果汁等を用いることができる。
梅果汁を前記練り工程において添加する場合には、前記梅果汁の添加量は、全混合物に対して例えば1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%、より好ましくは4〜7重量%である。前記梅果汁の添加量が全混合物に対して1〜10重量%であれば、粘度調節が容易であるため、好ましい。
次に、前記練合エキスを、圧延して圧延材料を得る圧延工程について説明する。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、前記圧延工程は、例えば40〜70℃の温度、好ましくは40〜60℃の温度、より好ましくは40〜50℃の温度で行う。この工程を40〜70℃の温度で行えば、得られる圧延材料の硬さが製丸に適する硬さになるため、好ましい。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、前記圧延工程は、例えば1〜6回、好ましくは1〜4回、より好ましくは2〜4回繰り返し行う。この工程を1〜6回繰り返して行えば、得られる圧延材料の硬さが製丸に適する硬さになるため、好ましい。
次に、前記圧延材料を、製剤化して丸剤を得る製剤工程について説明する。前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、前記圧延材料は、延展板、切丸器、成丸器、製丸機などを用いて丸剤へ製剤化する。前記丸剤の重量は、特に限定されないが、例えば、60〜300mg/丸剤、好ましくは100〜300mg/丸剤、より好ましくは150〜250mg/丸剤である。
次に、前記丸剤を乾燥して、梅肉エキス粒状製品を得る乾燥工程について説明する。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、前記乾燥工程は、例えば30〜70℃の温度、好ましくは30〜50℃の温度、より好ましくは40〜50℃の温度で行う。この工程を30〜70℃の温度で行えば、得られる梅肉エキス粒状製品に含有されるムメフラールの分解を抑制できるため、好ましい。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、前記乾燥工程は、例えば5時間〜36時間、好ましくは5時間〜30時間、より好ましくは10時間〜20時間行う。この工程を5時間〜36時間行えば、得られる梅肉エキス粒状製品の硬さが長期間形状を保ち、かつ、崩壊性が崩壊試験規格に合致するものになるため、好ましい。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、前記乾燥工程は、前記丸剤の水分含有量が、例えば7〜12重量%、好ましくは8〜11重量%、より好ましくは9〜10重量%になるまで行う。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、前記乾燥工程は、乾燥温度および時間に応じて、除湿乾燥機、送風乾燥機、加熱乾燥機等を適宜用いて行うことができる。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、前記乾燥工程は、予備乾燥工程と、本乾燥工程を含んでもよい。この場合、前記予備乾燥工程は、例えば20〜50℃の温度、好ましくは25〜45℃の温度、より好ましくは30〜40℃の温度で行う。この工程を20〜50℃の温度で行えば、得られる梅肉エキス粒状製品の水分蒸発の速度が速く、ムメフラールの分解を抑制できるため、好ましい。
また、前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、前記予備乾燥工程は、例えば15時間〜40時間、好ましくは15時間〜30時間、より好ましくは17時間〜28時間行う。この工程を15時間〜40時間行えば、得られる梅肉エキス粒状製品の水分蒸発の速度が速く、ムメフラールの分解を抑制できるため、好ましい。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、前記予備乾燥工程は、例えば、除湿乾燥機で除湿30〜70%、好ましくは30〜60%、より好ましくは30〜40%で行うことができる。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、前記予備乾燥工程は、前記丸剤の水分含有量が、例えば7〜15重量%、好ましくは10〜13重量%、より好ましくは9〜12重量%になるまで行う。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、次の本乾燥工程は、例えば40〜70℃の温度、好ましくは40〜60℃の温度、より好ましくは50〜60℃の温度で行う。この工程を40〜70℃の温度で行えば、得られる梅肉エキス粒状製品の硬さと水分含有量が適切になるため、好ましい。
また、前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、前記本乾燥工程は、例えば20時間〜50時間、好ましくは25時間〜45時間、より好ましくは30時間〜40時間行う。この工程を20時間〜50時間で行えば、得られる梅肉エキス粒状製品が適度に乾燥し、含有される梅肉エキス成分の変化が少なく、長期間保存しても前記粒状製品が互いに付着したり、容器に付着することが起こりにくくなるため、好ましい。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、前記本乾燥工程は、前記丸剤の水分含有量が、例えば7〜15重量%、好ましくは8〜13重量%、より好ましくは9〜12重量%になるまで行う。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、前記本乾燥工程は、例えば、送風乾燥機を用いて行うことができる。
前記第1の製造方法および第2の製造方法においては、製剤工程において得られた丸剤を磨く、磨き工程をさらに含んでもよい。この磨き工程は、アルコール(例えばエタノール)、アルコール含有水溶液(例えばエタノール含有水溶液)、アルカリ水(例えばpH8〜9(ミネラルイオン水))、梅果汁等と、前記丸剤とを、磨きパン等に入れ、磨くことにより行うことができる。
前記乾燥工程が予備乾燥工程と本乾燥工程を含む場合、前記磨き工程は、予備乾燥工程と本乾燥工程との間に行われるのが好ましい。
前記第1の製造方法および第2の製造方法においては、混合工程、練り工程、および圧延工程において、温度を例えば60℃以下、好ましくは55℃以下、より好ましくは45℃以下に調整する。前記工程において温度を60℃以下に調整すると、混合工程で得られる混合エキス、練り工程で得られる練合エキス、および圧延工程で得られる圧延材料の硬さを適当な硬さに保つことができ、取扱いが更に容易になるからである。
次に、本発明の実施例について説明する。
[調製例1]
梅果肉乾燥粉末の製造
青梅(1000kg)を洗浄し、搾汁機(クッカー・パルパー処理機、紀比機械製)を用いて青梅の果汁を含んだ果肉(890kg)と種(95kg)を分離した(クッカー処理およびパルパー処理)。得られた果汁を含んだ果肉を、スクリューデカンタ型遠心分離処理(IHI社製、2000rpm)により、梅果汁(678kg)と梅果肉(195kg)に分離した。得られた梅果肉を温度50〜60℃で20時間の間、遠赤外線乾燥機(株式会社ヴィアノーベ社製、フード・ドライヤーViVi−9型式V7513)で乾燥した。前記乾燥梅果肉(190kg)をまずロールクラッシャー(三庄インダストリー株式会社製)で粗粉砕を行い、その後、微粉砕機アトマイザー(増幸産業株式会社製MKA−10J)を用いて粉末化した。得られた粉末状の乾燥梅果肉を粒径ごとに分離して、60メッシュ(9.0kg)と100メッシュ(9.0kg)の梅果肉乾燥粉末を得た。
得られた梅果肉乾燥粉末は、梅果肉乾燥粉末100gあたり水を3〜5g、食物繊維を70〜80g含有していた。
[調製例2]
梅仁油の製造
前記調製例1において得られた青梅の種のうち30kgを用いて搾油した。前記青梅の種を、搾油機(ハンダー油機株式会社製、搾油機S−52型)を用いて圧搾して梅種油(0.4kg)を得た。得られた梅種油から遠心分離機(日立製作所製 himac CR22G)を用いて梅種の殻を除去して、梅仁油(0.26kg)を得た。
[調製例3]
梅肉エキスの製造
前記調製例1において得られた梅果汁のうち678kgを蒸練機(株式会社ヤエス社製、サン二重釜SQPV−800)を用いて95℃で練り上げることにより梅肉エキス(50kg)を得た。得られた梅肉エキスは、梅肉エキス100gあたり水を13.5g、タンパク質を6.6g、脂質を0.1g、灰分を6.2g、炭水化物を73.6g、ムメフラール2.0gを含有していた。
梅肉エキス粒状製品の製造
梅肉エキス(調製例3により製造、12.0kg、60重量部)に梅仁油(調製例2により製造、0.6kg、3重量部)を添加して、混合して梅肉エキスと梅仁油の混合物を得た。また、梅果肉乾燥粉末(調製例1により製造、2.6kg、13重量部、100メッシュ)と梅果肉乾燥粉末(調製例1により製造、4.8kg、24重量部、60メッシュ)とをロケットに投入して混合して、混合梅果肉乾燥粉末を得た(配合比:100メッシュの前記梅果肉乾燥粉末(A)/60メッシュの前記梅果肉乾燥粉末(B)=0.541)。
前記混合梅果肉乾燥粉末の一部(1.48kg、全量の20%)を練合機(畑製作所製、HATA−1・WHN−2A)に投入して作動させた。その後、残りの混合梅果肉乾燥粉末、次いで、前記梅肉エキスと梅仁油の混合物を練合機へ投入して45℃で24分間混合して、混合エキス(20kg)を得た。
前記混合エキス(20kg)を、前記練合機中で15〜20分間練合わせて、練合エキス(20kg)を得た。前記練合機の温度は、加温装置で30〜40℃に制御した。練合の間、梅果汁(0.8kg、全混合物に対して4〜7重量%)を前記練合機中へ追加した。
前記練合エキス(19.2kg)を、圧延機(小池製作所製、VSW−165)を用いて2〜4回、40〜50℃で圧延して圧延材料を得た。前記圧延機を通過する回数は、前記練合エキスの状態に応じて調整した。具体的には、練合エキスの粘着性、キレ、硬さを目視と触感で確認して、適正な硬さになるように圧延機を通過する回数を調整した。
前記圧延材料(19.2kg)を製丸機(岩黒製作所製、梅用製丸機)を用いて、200±20mg/丸剤の重量になるように製剤化して、丸剤(16.8kg)を得た。
前記丸剤(約3.0kg)を網にとり、除湿乾燥機を用いて除湿30%で40℃で約17時間予備乾燥した(水分含有量は10〜12重量%)。
得られた予備乾燥丸剤の水分含有率が約12%になったときに、磨き工程を行った。前記磨き工程は、前記予備乾燥丸剤(15〜20kg)を、磨きパン(菊水製作所製、八角パンNO:16A)へ投入し、そこへ、鉱水(硬度4.6mg/L)(軟水)(pH8〜9、0.1リットル)、梅果汁(調製例1により製造。0.2リットル)およびエタノール(0.1リットル)を添加して、前記予備乾燥丸剤の表面の粗さが滑らかになるまで、前記予備乾燥丸剤を磨いた。
前記磨いた予備乾燥丸剤を、送風乾燥機(松井製作所製、送風乾燥機)を用いて50℃で20時間乾燥して、梅肉エキス粒状製品(水分含有量は9.55重量%、16.5kg)を得た。
以下の表1に、実施例1〜4の梅肉エキス粒状製品の、原料成分の配合比を示す。実施例2〜4は、梅肉エキス、梅果肉乾燥粉末(60メッシュ)、梅果肉乾燥粉末(100メッシュ)、梅仁油および梅果汁の配合量を変化させた以外は、実施例1と同様にして行った。
Figure 0004566978
[比較例1]
梅肉エキス(調製例3により製造、14.4kg、60重量部)に山芋乾燥粉末の(9.6kg、40重量部)を練合機(畑製作所製、HATA−1・WHN−2A)に投入し、45〜50℃で0.5時間混合して、混合エキス(20kg)を得た。この際用いた山芋乾燥粉末は、山芋乾燥粉末100gあたり水を10.3g、食物繊維を5.64g含有していた。
前記混合エキス(20kg)を、前記練合機中で15〜20分間練合わせて、練合エキス(20kg)を得た。前記練合機の温度は、加温装置で30〜40℃に制御した。練合の間、梅果汁(0.8kg、全混合物に対して4〜7重量%)を前記練合機中へ追加した。
前記練合エキス(20kg)を、圧延機(小池製作所製、VSW−165)を用いて2〜4回、40〜50℃で圧延して圧延材料を得た。
前記圧延材料(19.8kg)を製丸機(岩黒製作所製、梅用改造製丸機)を用いて、200±20mg/丸剤の重量になるように製剤化して、丸剤(16.8kg)を得た。
前記丸剤(約3.0kg)を網にとり、除湿乾燥機を用いて除湿30%で約17時間予備乾燥した。
得られた予備乾燥丸剤の水分含有率が約12%になったときに、磨き工程を行った。前記磨き工程は、前記予備乾燥丸剤(15〜20kg)を、磨きパン(菊水製作所製、八角パンNO:16A)へ投入し、そこへ、鉱水(硬度4.6mg/L)(軟水)(pH8〜9、0.2リットル)、梅果汁(調製例1により製造。0.6リットル)およびエタノール(0.3リットル)を添加して、前記予備乾燥丸剤の表面の粗さが滑らかになるまで、前記予備乾燥丸剤を磨いた。
前記磨いた予備乾燥丸剤を、送風乾燥機(松井製作所製、送風乾燥機)を用いて50℃で20時間乾燥して、山芋乾燥粉末を用いた梅肉エキス粒状製品(16.8kg)を得た。
以下の表2に、比較例1〜4の梅肉エキス粒状製品の、原料成分の配合比を示す。比較例2〜4は、梅肉エキスおよび山芋乾燥粉末の配合量を変化させた以外は、比較例1と同様にして行った。なお、比較例4の配合では、製品として製造することができなかった。
Figure 0004566978
[ムメフラール含有量]
前記実施例1および比較例1で得られた梅肉エキス粒状製品について、ムメフラールの含有量を以下の方法で測定した。前記梅肉エキス粒状製品を粉砕し、溶媒(80%メタノール)で抽出した。得られた溶液をHPLC(検出波長:280nm、展開溶媒:移動相Aは、0.2%蟻酸の5%アセトニトリル水溶液、移動相Bは、0.2%蟻酸の90%アセトニトリル水溶液である。展開溶媒は、0〜10分においては前記移動相Aのみ、10分〜25分においては前記移動相Aのみから前記移動相Bのみへグラジエント、流速:0.42ml/分、ムメフラールの保持時間:18.5分、カラム:ODSカラム(ウォーター社製、本体No.2695、検出器No,2996))で分析し、ムメフラールの含有量を算出した。その結果を、以下の表3に示す。
Figure 0004566978
前記表3に示すように、梅肉エキス粒状製品において、梅果肉乾燥粉末を用いた実施例1〜4では、ムメフラールの含有量が1.2%(60.0%−58.8%)〜2.9%しか低下しなかったのに対し、山芋乾燥粉末を用いた比較例1〜4では、ムメフラールの含有量が、7.1%〜10.4%(50.0%−39.6%)も低下した。この実施例1〜4と比較例1〜4の結果から、本発明の梅肉エキス粒状製品は、ムメフラールの分解を抑制できることが確認できた。
[崩壊性]
前記実施例1〜4および比較例1〜4で得られた梅肉エキス粒状製品をサンプルとして、日本薬局方第14改正の錠剤の崩壊試験に準じて崩壊試験を行った。ただし、第1液を用いて60分間試験を行い、試料中に残留物をガラス管内に認めるときは、引き続き第2液を用いて60分間行った。第1液および第2液は、以下のものを用いた。
第1液
塩化ナトリウム(2.0g)に希塩酸(24.0ml)および水を加えて1000mlとした。pHは1.2であった。
第2液
0.2Mリン酸二水素カリウム(250ml)に0.2M水酸化ナトリウム水溶液(118ml)および水を加えて1000mlとした。pHは6.8であった。
崩壊試験は、溶液(第1液または第2液)に前記サンプルを入れ、1分間に28〜32往復、振幅50〜60mmの上下運動により、行った。液温は37±2℃であった。得られた結果を表4に示す。
前記表3に示すように、実施例1において食物繊維含有量が多いにもかかわらず、比較例1と同等程度の崩壊性を示した。又、日本薬局方の丸剤の崩壊試験規格120分以内に適合するものであった。
[硬度]
前記実施例1〜4および比較例1〜4で得られた梅肉エキス粒状製品について、硬度を木屋式硬度計(木屋製作所製)を用いて測定した。その結果を、以下の表4に示す。
[水分含有量]
前記実施例1〜4および比較例1〜4で得られた梅肉エキス粒状製品について、水分含有量を加熱乾燥式水分計(MOISTURE ANALYZER MX−50、研精工業株式会社製)を用いて測定した。その結果を、以下の表4に示す。
Figure 0004566978
前記表4に示すように、梅肉エキス粒状製品において、実施例1〜4では、梅肉エキス50%以上配合しているにもかかわらず、4〜12kgの硬度を有することが確認できた。
[梅果肉粉末の酸性度について]
梅果肉粉末および山芋乾燥粉末をそれぞれ水に溶解させ、その溶液のpHを測定した。その結果を以下の表5に示す。
Figure 0004566978
前記表5に示すように、梅果肉乾燥粉末は、山芋乾燥粉末よりも酸性であることが確認できた。
[ムメフラールの安定性に及ぼすpHの影響について]
Na2HPO4−クエン酸緩衝液に、梅肉エキス1重量%を溶解させて、梅肉エキス溶液を調製した。前記緩衝液としては、pH2.2、pH3.0、pH5.0およびpH7.0のものを使用した。この溶液中のムメフラール量を溶液調製後0時間、24時間、48時間および72時間、45℃で放置後に測定した。その結果を以下の表6に示す。表6中、調製後0時間のムメフラール量を100%として、%表示も併記した。
Figure 0004566978
前記表6に示すように、酸性度が高いほど、ムメフラールが安定であることが確認できた。従って、本発明の梅肉エキス粒状製品は、酸性度が高い梅果肉粉末を用いることにより、ムメフラールの分解を抑制することが可能であるという優れた効果を有する。
本発明の梅肉エキス粒状製品は、ムメフラール摂取用梅肉エキス粒状製品としても有用である。
第1の製造方法の一例を示したフロー図である。 第2の製造方法の一例を示したフロー図である。

Claims (14)

  1. 梅果肉を搾ることにより得られた梅果汁を煮詰めて得られる梅肉エキスと、梅果肉乾燥粉末とを含む梅由来の成分からなり、前記梅肉エキス粒状製品が、ムメフラールを含有し、前記梅肉エキス粒状製品中のムメフラール含有量が、前記梅肉エキス粒状製品100gに対して0.2〜2gである梅肉エキス粒状製品。
  2. 前記梅肉エキスの含有率が、20〜80重量%である請求項1に記載の梅肉エキス粒状製品。
  3. 前記梅肉エキスの硬度が、4〜12kgである請求項1または2に記載の梅肉エキス粒状製品。
  4. 前記梅果肉乾燥粉末が、梅果肉乾燥粉末100gあたり水を0.5〜20g、食物繊維を50〜90g含む梅果肉乾燥粉末である請求項1〜3のいずれか1つに記載の梅肉エキス粒状製品。
  5. 前記梅果肉乾燥粉末が、2種類以上の粒径を有する粉末の混合物である請求項1〜4のいずれか1つに記載の梅肉エキス粒状製品。
  6. 前記梅果肉乾燥粉末の含有率が、20〜80重量%である請求項1〜5のいずれか1つに記載の梅肉エキス粒状製品。
  7. 前記梅由来の成分が、梅仁由来の油を更に含む請求項1〜6のいずれかに記載の梅肉エキス粒状製品。
  8. 前記梅由来の成分が、梅果汁を更に含む請求項1〜7のいずれかに記載の梅肉エキス粒状製品。
  9. 前記梅仁由来の油の含有率が、0.2〜7.0重量%である請求項7または8に記載の梅肉エキス粒状製品。
  10. 請求項1に記載の梅肉エキス粒状製品の製造方法であって、
    前記梅肉エキスと、前記梅果肉乾燥粉末と混合し、混合エキスを得る混合工程と、
    前記混合エキスを、練合機へ投入して練合し、練合エキスを得る練り工程と、
    前記練合エキスを、圧延して圧延材料を得る圧延工程と、
    前記圧延材料を、製剤化して丸剤を得る製剤工程と、
    前記丸剤を乾燥して、梅肉エキス粒状製品を得る乾燥工程とを含む製造方法。
  11. 前記梅肉エキスの配合比が、20〜80重量部であり、前記梅果肉乾燥粉末の配合比が、80〜20重量部である請求項10に記載の製造方法。
  12. 請求項7に記載の梅肉エキス粒状製品の製造方法であって、
    前記梅肉エキスと、前記油とを予め混合し、ついで前記梅果肉乾燥粉末と混合し、混合エキスを得る混合工程と、
    前記混合エキスを、練合機へ投入して練合し、練合エキスを得る練り工程と、
    前記練合エキスを、圧延して圧延材料を得る圧延工程と、
    前記圧延材料を、製剤化して丸剤を得る製剤工程と、
    前記丸剤を乾燥して、梅肉エキス粒状製品を得る乾燥工程とを含む製造方法。
  13. 前記梅肉エキスの配合が、20〜80重量部であり、前記梅果肉乾燥粉末の配合が、80〜20重量部であり、前記油の配合が、0.1〜7.0重量部である請求項12に記載の製造方法。
  14. 前記梅果肉乾燥粉末が、梅果肉乾燥粉末100gあたり水を1〜15gであり、前記梅果肉乾燥粉末100gに対する食物繊維含有量が50〜90gである梅果肉乾燥粉末である請求項10〜13のいずれか1つに記載の製造方法。
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