JP4566799B2 - 樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置および電子部品内蔵リードフレーム - Google Patents

樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置および電子部品内蔵リードフレーム Download PDF

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Description

本発明は、樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置および電子部品内蔵リードフレームに関する。
携帯電話やデジタルカメラなどの電子機器の高機能化かつ小型軽量化・薄型化への要求が高まる中、品質や生産性の向上を図りつつ、狭い筐体の中に多くの電子部品や半導体装置を実装することが必要となっている。
特許文献1には、0.1mm厚の合金板をエッチングで外形加工したリードフレームおよびそのリードフレームを用いたBGA (Ball Grid Array)タイプの樹脂封止型半導体装置の技術が開示されている。特許文献2には、QFP(Quad Flat Package)タイプの樹脂封止型半導体装置用のリードフレーム部材の製造工程において、0.15mm厚の合金板を2段階に分けて両面からハーフエッチングすることによりインナーリード先端部を薄肉化し、微細なインナーリードを形成する技術が開示されている。
特開平09−116045号公報、第0013段落、および図2 特開平10−116948号公報、第0018ないし0024段落、および図1
上記のように、樹脂封止型半導体装置用のリードフレームは開示されているが、いずれも、リードフレーム内に電子部品を収納(内蔵)することはできず、必要な電子部品は半導体装置外部のプリント配線板上に別工程にて実装する必要がある。そのため、さらなる高密度化の要求に応えられない。
本発明は、上記の事情を考慮してなされたもので、従来の表面実装技術を用いて容易に製造でき、コンデンサや抵抗などの電子部品を別途配置するスペースを節約でき高密度実装可能な樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置および電子部品内蔵リードフレームを提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、半導体素子の片面に形成された端子をリードフレームのリード部にフェースダウンに接続させて構成された樹脂封止型半導体装置において、端子が両端に配置された電子部品と、前記リード部における前記半導体素子の端子から外れた位置に形成されていると共に、前記電子部品の両端子間の長さ以上の隙間を空けるように前記リード部をその長手方向に分断する欠損部と、を備え、前記欠損部をなす隙間に介在させた前記電子部品の両端の各端子と、前記欠損部を挟んで対向する前記リード部の分断された各端面と、が電気的に接続されている、ことを特徴とする樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置が提供される。
本発明の一態様によれば、リードフレームのダイパッドに搭載された半導体素子を前記リードフレームのリード部にワイヤ接続させて構成された樹脂封止型半導体装置において、端子が両端に配置された電子部品と、前記ダイパッドから離間したリード部に形成されていると共に、前記電子部品の両端子間の長さ以上の隙間を空けるように前記リード部をその長手方向に分断する欠損部と、を備え、前記欠損部をなす隙間に介在させた前記電子部品の両端の各端子と、前記欠損部を挟んで対向する前記リード部の分断された各端面と、が電気的に接続されている、ことを特徴とする樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置が提供される。
本発明の一態様によれば、樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置の製造部品として用いられる電子部品内蔵リードフレームであって、端子が両端に配置された電子部品と、枠部と、リード部と、前記電子部品の両端子間の長さ以上の隙間を空けるように前記リード部をその長手方向に分断する欠損部と、前記枠部、前記リード部及び前記欠損部を一体的につなぐ構成部分であると共に前記欠損部を凹部として構成しかつ前記樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置の製造過程で除去される被除去部分と、を有するリードフレーム本体と、を備え、前記欠損部をなす隙間に介在させた前記電子部品の両端の各端子と、前記リード部における前記欠損部を挟んで互い対向する各端面と、が電気的に接続されている、ことを特徴とする電子部品内蔵リードフレームが提供される。
本発明によれば、従来の表面実装技術および装置を使用して、複数端子を具備した電子部品を内蔵させた樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置および電子部品内蔵リードフレームを提供できる。また、これら樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置および電子部品内蔵リードフレームにおける三次元実装により、高密度実装をすることが可能となる。
本発明において、リードフレームの素材としては、銅、鉄、ニッケルまたはこれらの合金などからなる導電性金属板を用いることができる。導電性金属板、特に銅板は、比較的容易に入手できるうえ、導電性および放熱性が優れている点で好適である。リードフレームの素材となる導電性金属板の厚さは適宜選択できるが、通常の厚さ、たとえば0.15mm〜0.5mm程度である。
内蔵される電子部品は、複数の端子を具備する電子部品である。たとえば、両端に端子を具備する2端子チップ抵抗器や2端子チップコンデンサ、2端子の抵抗器を1チップ内に複数並列に内蔵した多連チップ抵抗器、2端子のコンデンサを1チップ内に複数並列に内蔵した多連チップコンデンサ、3端子チップコンデンサなど、市販されている表面実装用の受動素子電子部品を用いることができる。これらの電子部品は、その部品内に内蔵される各抵抗器や各コンデンサなどの受動素子が独立して機能するように各々端子を具備しており、各端子をそれぞれ導体に接続して使用する仕様になっているものとして知られている。たとえば2端子抵抗器が1つ内蔵された電子部品であれば2端子、2端子抵抗器が4つ並列に内蔵された電子部品であれば8端子を具備しているのが通常である。現在市販されている2端子電子部品では、たとえば、電極部分を含めて、幅0.2mm,長さ0.4mm,厚さ0.13mm程度のもの、幅0.3mm,長さ0.6mm,厚さ0.23mm程度のもの、幅0.5mm,長さ1.0mm,厚さ0.35mm程度のものなどを用いることができるが、これらに限定されない。同様に、2素子4端子電子部品では、電極部分を含めて、たとえば、幅0.6mm,長さ0.8mm,厚さ0.35mm程度のものや、幅1.0mm,長さ1.0mm,厚さ0.35mm程度のものなどを用いることができるが、これらに限定されない。同様に、4素子8端子電子部品では、電極部分を含めて、たとえば、幅0.6mm,長さ1.4mm,厚さ0.35mm程度のものや、幅1.0mm,長さ2.0mm,厚さ0.35mm程度のものなどを用いることができるが、これらに限定されない。もちろん、さらに端子数の多い電子部品を用いることも可能である。
本発明においては、これらの電子部品をリードフレームのリード部に設けた凹部内に埋設(収納)するため、内蔵される電子部品の厚さは、リードフレームの素材となる導電性金属板の厚さと同等かそれよりも小さいものとされる。そして、これらの電子部品の各端子をそれぞれリード部に電気的に接続できるように各リード部の位置や形状等が設計され形成される。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。なお、以下では本発明の実施形態を図面に基づいて述べるが、それらの図面は図解のみの目的のために提供されるものであり、本発明はそれらの図面に限定されるものではない。
[第1の実施形態]
本発明の一実施形態を、図1ないし図7を参照しながら説明する。同じものには原則として同じ符号を付し、説明を省略する。
まず、図1ないし図5を参照しながら、この実施形態の電子部品内蔵用リードフレーム、電子部品内蔵リードフレーム、および樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置の構成を説明する。
(電子部品内蔵用リードフレームの構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る電子部品内蔵用リードフレーム1を模式的に示した図である。同図の(a)は、このリードフレーム1を上から見た平面図であり、(b)は(a)のA−A線に沿った拡大した垂直断面図である。断面図中央の縦波線(破断線)は省略部分があることを示している(以下同じ)。
図1の(a)および(b)に示すように、本発明の一実施形態に係るリードフレーム1は、枠部11、リード部12(12a,12b,12c等の総称)、電子部品を埋設可能な凹部13、および、枠部11と各リード部とをそれぞれ隔てるための凹部14を具備している。この凹部13は、2端子電子部品をリード部12の長手方向に沿って平行的に収納できる形状となっている。この電子部品を埋設可能な凹部13および枠部11と各リード部12とをそれぞれ隔てるための凹部14とは、その底面が連続した同一平面とされている。
図1(a)の例では、リード部12aと12bが、電子部品を埋設可能な凹部13を挟んで対向しており、リード部12a,12bおよび凹部13を合わせた部分の平面外形がほぼ長方形となっている。言い換えると、電子部品2を収納するための凹部13は、符号12a,12bの部分を合わせたリード部12の長手方向に設けられている。その凹部13の形状は、電子部品2の各端子を凹部13の壁面にそれぞれ対向させて収納することができる形状となっている。そして、各端子とそれぞれ対向する壁面との間にはんだを充填できるように、電子部品を埋設可能な凹部13は電子部品2そのものより、幅,長さ,高さともに、少し大きめの形状となっている。リード部12a,12bの両脇には平面外形がほぼ長方形で長さが少し短いリード部12cが略平行に並んでいる。これらを1組として、中央付近から上下左右対称に4組、同形状のリード部12および凹部13が形成されている。リード部12cには、凹部は設けられていない。
図2は、図1に示す電子部品内蔵用リードフレーム1の電子部品を埋設可能な凹部13に2端子電子部品2をリード部12a,12bの長手方向に沿って平行的に収納し、電子部品内蔵リードフレーム(電子部品内蔵済リードフレーム)とした状態を模式的に示した図である。同図の(a)は、このリードフレーム1を上から見た平面図であり、(b)は(a)のB−B線に沿った拡大した垂直断面図である。
図2の(b)に示すように、この凹部13の深さは電子部品2の厚さ(高さ)より大きくなっており、凹部13に電子部品2を配設しても電子部品2がリード部12(リードフレーム1)より上にはみ出ることはない。電子部品2の電極端子21,22とリード部12の凹部13の対向する壁面との間には、それぞれ、はんだ3が充填されている。すなわち、電子部品2の電極端子21とリード部12aの凹部の内壁面との間、および、電子部品2の電極端子22とリード部12bの凹部の内壁面との間には、それぞれ、はんだ3が充填され、これらは一体的に固定されるとともに互いに電気的に接続されている。このように、電子部品2を凹部13内に収納して、はんだ3を用いて各電極端子と凹部13の内壁面とを接合することで、長手方向に分断された両側のリード部12a,12bを電子部品2とはんだ3で橋渡しするような格好になっている。
図3は、この凹部13に電子部品2が埋設される様子を模式的に示した斜視図である。図3においては、図1,図2における一対のリード部12a,12bの近傍のみを表し、周囲の部分は省略している。図示を省略しているが、図3における電子部品を埋設可能な凹部13の底面と、図1、図2で示した凹部14の底面とは、その底面が連続した同一平面とされており、ともに、リードフレーム1の構成部分である。図3の(a)は電子部品2が収納される前の状態を示し、図1の状態に対応している。図3の(b)は電子部品2が凹部13に収納された状態を示し、図1の状態と図2の状態の間の状態に対応している。図3(c)は電子部品2の電極端子21,22と対向する凹部13の各内壁面13a,13bとの間にはんだ3が充填され接続された状態を示し、図2の状態に対応している。
図3(c)に示すように、好ましい接続状態では、電子部品2の電極端子21と凹部13のリード部12a側の内壁面13aとの間、および、電子部品2の電極端子22と凹部13のリード部12b側の内壁面13bとの間のみならず、電子部品2の各電極端子21,22の上部もはんだ3で覆われている。各電極端子21,22の上部ははんだ3で覆わなくてもかまわないが、このように各電極端子21,22の上部もはんだ3で覆うことで、電子部品2は、より確実に、一対のリード部12a,12bの間に設けられた凹部13に埋設され固定される。そして、一対のリード部12a,12b、および電子部品2が、それぞれ、はんだ3を介して電気的に接続される。
(このリードフレームを用いた半導体装置の構成)
図4は、図2の電子部品内蔵リードフレーム1の上にLSIなどの半導体素子5をフェースダウンで(フリップチップで)搭載した状態を模式的に示す図である。図4の(a)は、上から見た平面図であり、(b)は(a)のC−C線に沿った拡大した垂直断面図である。同図に示すように、半導体素子5の片面に形成された各電極端子51は、導体バンプ4を介して、リードフレーム1内の図面外側に位置するリード部12bまたは凹部の形成されていないリード部12cと電気的かつ機械的に接続されている。この導体バンプ4は、通常は金(Au)で構成されるが、銅で構成して表面をAuでめっきしてもよいし、銀ペーストやクリームはんだなどで構成してもよい。
図4の(a)および(b)に示すように、この例では、リードフレーム1は半導体素子5より一回り大きい程度の大きさであるから、リード部12(12a,12b,12c)は半導体素子5の下に隠れることになる。上から見た状態を示した図4(a)では、枠部11は見えているので実線で表されているが、リード部12は隠れているため破線で表されている。半導体素子5下面とリードフレーム1上面や電子部品2上面との間は、図4の(b)に示すように、半導体素子5の端子51との接続部となっている導体バンプ4の部分を除いて隙間が空いている。
図5は、図4の状態のものをBGA (Ball Grid Array)タイプのパッケージとした樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置100を模式的に示す図である。図5の(a)は、上から見た平面図であり、(b)は(a)のD−D線に沿った拡大した垂直断面図である。
図5に示すように、凹部13はリード部の欠損部(リードがない部分)となり、電子部品2はその上面を封止樹脂6で封止されてその欠損部に介装され半導体装置100に内蔵されている。半導体素子5は封止樹脂6で封止され、枠部11は露出している。枠部11と個々のリード部12をそれぞれ隔てていた凹部14にも封止樹脂6が充填されて絶縁されている。そして、全体が一体化して、樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置100となっている。リードフレーム1の下面は、個々のリード部12が分離独立するように封止樹脂6が露出するまで(凹部底部の金属部分がなくなるまで)除去され、外部端子とすべき部分を除いて、ソルダーレジスト層7が形成され絶縁されている。半導体素子5の端子51と接続していないほうのリード部すなわち図面内側に位置しているリード部12aの下には、はんだボール9が接合されている。はんだボール9は、鉛フリーはんだ等のはんだを球状にしたものである。はんだボール9は、直接接合されたリード部12aおよびそれに接合されたはんだ3を介して電子部品2の端子電極21と電気的に接続されており、さらに、他方の端子電極22と隣接する別のはんだ3、隣接するリード部12b、および導体バンプ4を介して半導体素子5の端子51と電気的に接続されている。はんだボール9は、半導体装置100の内部と外部とを接続するための外部端子としての役割を担う。
(製造方法)
次に、図6および図7を参照しながら、この実施形態のリードフレームおよびそれを用いた半導体装置の製造方法を説明する。図6(a)〜(d)および図7(a)〜(d)は、図5の樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置100の製造プロセスを図5(a)のAA線に沿って模式的に示す垂直断面図である。
まず、リードフレームの素材となる導電性金属板18を用意する(図6(a))。導電性金属板18としては、この例では、入手のし易さ、ハーフエッチングの容易さ、放熱性の良さ等に鑑み、銅板を用いる。
次に、図6(b)に示すように、この導電性金属板18をハーフエッチングし、枠部11、個々のリード部12、および、電子部品を収納可能な凹部13を、必要な数、必要な形状で形成する。この凹部13は、一のリード部12を分断して12a,12bとなるように、かつ、2端子電子部品の両端に設けられた各端子とそのリード部12の対向する壁面とをはんだリフローで電気的に接続できるように、2端子電子部品の長さより少し長めに設ける。
符号14は、枠部11と個々のリード部12とを各々隔てる凹部である。凹部13と凹部14は、樹脂封止型半導体装置となる際にその底部が除去されてリードフレームの欠損部となり、枠部11と個々のリード部12を電気的に独立させる役割を担う。そのため、凹部13と凹部14とは、同じ深さとすることが好ましい。同一材料である導電性金属板18を同時に同じ時間だけハーフエッチングすることにより、凹部13と凹部14を同じ深さで形成することができる。すなわち、好ましいハーフエッチングにより形成された凹部13と凹部14の底面は連続した同一平面である。なお、ハーフエッチングは、通常の表面実装技術および装置を用いて行うことができる。
部品内蔵用リードフレーム1(それ自体)としては、この図6(b)の状態で完成である。
このように、本発明に係る部品内蔵用リードフレーム1は、リード部12に電子部品を埋設可能な凹部13を設けたので、電子部品を内蔵することができる。本発明に係る部品内蔵用リードフレーム1は、銅板などの導電性金属板から形成されるので、すぐれた放熱性を得ることができ、電子部品の発熱にも耐え得る。また、導電性金属板のハーフエッチングにより形成するので通常の表面実装技術および装置で容易に電子部品内蔵用リードフレームを製造できる。
このリードフレーム1の凹部13内に電子部品2を収納し、端子電極21とそれに対向するリード部12aの凹部13の壁面との間、および、端子電極22とそれに対向するリード部12bの凹部13の壁面との間に各々はんだ3を充填しリフローさせる。電子部品2は、このはんだ3により、隣接するリード部12a,12bに固定されるとともに互いに電気的に接続される(図6(c))。はんだ3としては、通常の錫−鉛はんだを用いることができるが、環境保護の点で鉛フリーはんだを用いることが好ましい。
次に、図6(d)に示すように、電子部品2を内蔵した部品内蔵リードフレーム1の上に、たとえばLSIなどの半導体素子5をフェースダウンで(フリップチップで)搭載する。この際、半導体素子5の片面に形成された端子51とリードフレーム1のリード部12bとは導体バンプ4により接続する。この導体バンプ4は、半導体素子5の端子51の上に形成しておいてもよいが、リード部12bの必要箇所の上に位置決めして形成しても良い。
次に、図7(a)に示すように、封止樹脂6で半導体素子5の周囲を覆いかつリードフレーム1に設けられた凹部13,14を埋め、空隙がなくなるようにモールドし、全体を一体化する。
封止樹脂6としては、樹脂封止型半導体装置に使用されている公知の樹脂材料、例えば、ビフェニル系エポキシ樹脂等を用いることができる。
次に、図7(b)に示すように、枠部11と個々のリード部12をそれぞれ分離独立させるべく、凹部13および凹部14の底部の金属部分がなくなるまで、リードフレーム1の底部を除去する。リードフレーム1の底部の除去は、機械研磨やエッチング等により行うことができる。底部除去後のリードフレーム1の底面は平坦面になっていることが好ましい。
次に、底部除去後の部品内蔵リードフレーム1の底面に、ソルダーレジスト層7とすべく、熱硬化型の絶縁性樹脂を塗布する。そして、(図7(c))に示すように、外部端子とすべき箇所に開口部8を設けるべく、レジストを形成し、露光、現像する。
次に、図7(d)に示すように、ソルダーレジスト層7に設けられた開口部8に、はんだボール9を搭載し、半導体素子5の端子51と接続していないほうのリード部12(12a)の底面と接合させる。これにより、はんだボール9は半導体装置100の内部と外部とを電気的に繋ぐ外部端子となる。
以上のようにして、樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置100が製造される。
[その他の実施形態]
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で様々な態様で実施し得る。
たとえば、上記実施形態では電子部品2は半導体素子5の下側に隠れてリードフレーム1の凹部13に内蔵されていたが、半導体素子5下に隠れていなくても良い。また、上記実施形態では半導体素子5をフェースダウンで導体バンプ4を介してリードフレームに接続していたが、フェースアップでワイヤボンディングにより接続しても良い。また、BGAでなく、GFN(Quad Flat Non−Leaded)やQFP(Quad Flat Package)など他のタイプのパッケージにしても良い。以下、その他の実施形態の例をいくつか、図面を参照して説明する。なお、以下は例示であり、本発明は、これらの例示に限られるものではない。
図8は、本発明のリードフレーム1に半導体素子5をフェースアップで搭載しワイヤボンディングにより接続した一実施形態の例を示す平面図である。図8の(a)は、リードフレーム1の凹部13内に電子部品2を搭載した状態、(b)は(a)の状態のリードフレーム1上にさらに半導体素子5を搭載しワイヤボンディングで接続した状態を上から見た平面図である。図8(a),(b)に示すように、この例では、リードフレーム1は半導体素子5よりも十分大きくなっており、リードフレームの中央に、半導体素子5を配置・固定するためのダイパッド15が設けられ、その周りに、ダイパッド15と離間してリード部12(12a,12b,12c)が形成されている。半導体素子5は、そのダイパッド15上にフェースアップで配置・固定されている。半導体素子5の片面に設けられた各端子51は、ボンディングワイヤ10により、電子部品を埋設可能な凹部13が設けられた図面内側のリード部12aまたは凹部の設けられていないリード部12cに各々接続されている。電子部品2は、凹部13内に収納され、電子部品2の両端の電極はそれぞれ対向するリード部の凹部13の壁面に、はんだ3を介して接続されている。そして、封止樹脂で封止してパッケージ化すると、樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置になる。この例の部品内蔵リードフレームを用いてパッケージ化した状態の平面図は省略しているが、E−E線に沿った断面図はたとえば図10や図11のようになる。ただし、図10や図11では、枠部11は除去されているので図示されていない。
図9は、図1〜図7の実施形態と同様のフリップチップ接続ではあるが、リードフレーム1を半導体素子5よりも十分大きくした一実施形態の例を示す断面図である。図9に示すように、図1〜図7の例とは半導体素子5のリードフレーム1に対する相対的な大きさが異なるため、図面内側に位置するリード部12aが導体バンプ4を介して半導体素子5の端子51と接続されている。枠部11は、プレス等により除去されており、図示されていない。図面外側のリード部12bの下面には、はんだボール9が接合されている。はんだボール9は半導体装置の外部への接続端子となっている。電子部品2は、半導体装置5の下には隠れていないが、リード部の欠損部に介装され、はんだ3を介してリード部12aおよびリード部12bに電気的に接続されている。その他は図1〜図7の例と同じである。
図10は、リードフレーム1上に半導体素子5をフェースアップで搭載しワイヤボンディングにより接続してBGAタイプのパッケージにした半導体装置の一実施形態の例を示す断面図である。図10は、図8(b)のE−E線に沿った断面を示している。この例では、図8のところで説明したように、半導体素子5はダイパッド15の上にフェースアップで搭載されている。電子部品2は、ダイパッド15と離間して設けられたリード部の欠損部に介装され、はんだ3を介してリード部12a,12bに電気的に接続されている。半導体素子5の端子51とリード部12aとはボンディングワイヤ10で電気的に接続されている。
図11は、リードフレーム1上に半導体素子5をフェースアップで搭載しボンディングワイヤ10で端子51とリード部12aとを接続してQFNタイプのパッケージにした半導体装置の一実施形態の例を示す断面図である。この例でも、電子部品2は、ダイパッド15と離間して設けられたリード部の欠損部に介装され、はんだ3を介してリード部12a,12bに電気的に接続されている。
図12は、リードフレーム1上に半導体素子5をフェースアップで搭載しボンディングワイヤ10で端子51とリード部12aとを接続してQFPタイプのパッケージにした半導体装置の一実施形態の例を示す断面図である。この例でも、電子部品2は、ダイパッド15と離間して設けられたリード部12の欠損部に介装され、はんだ3を介してリード部12a,12bに電気的に接続されている。
図13〜15は、本発明に係るリードフレームのさらに他の一実施形態を示す平面図である。図13は、リードフレーム1に数多くのリード部12(12d〜12g)および2端子電子部品を埋設可能な凹部13を設け、それらの凹部13にそれぞれチップ抵抗R、チップコンデンサCのいずれかを埋設(収納)してはんだ3で電気的に接続した状態の電子部品内蔵リードフレームを示している。図13に示すように、この例では、リード部12は、チップコンデンサCとチップ抵抗Rを並列に配置して収納したリード部12d、電子部品を収納していないリード部12e、チップコンデンサCとチップ抵抗Rを直列に配置して収納したリード部12f、チップ抵抗Rのみを収納しているリード部12gの4種類のリード部で構成されている。このように、電子部品を並列に埋設するようにリード部を構成することも、直列に埋設するように構成することも、いずれも可能である。
図14は、図13の状態の電子部品内蔵リードフレーム1のリード部12(12d,12e,12f,12g)に半導体素子5の端子51を各々ボンディングワイヤ10で接続した例を示している。図13の電子部品内蔵リードフレーム1の中央には、図示していないが半導体素子5を搭載するためのダイパッド15が設けられている。図15は、図13の状態の電子部品内蔵リードフレーム1に、半導体素子5をフェースダウンで搭載し導体バンプ4を介して接続した例を示している。図14,15において、符号を省略しているところは、図13と同じである。もちろん、これらを樹脂で封止してBGAタイプなどのパッケージにすれば樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置となる(図示せず)。このように、本発明に係るリードフレームは、目的の回路に合わせて複数のチップ抵抗RおよびチップコンデンサCを内蔵できるように構成することもできる。
図16は、本発明に係る電子部品内蔵用リードフレームのさらに他の一実施形態を示す平面図である。図16は、リードフレーム1に数多くのリード部12(12d,12e,12h,12j)および電子部品を埋設可能な凹部13を設け、それらの凹部にそれぞれチップ抵抗器、チップコンデンサのいずれかを収納してはんだ3で電気的に接続した状態の電子部品内蔵リードフレームを示している。図16に示すように、この例では、リード部12は、チップコンデンサCとチップ抵抗器Rを並列に配置して収納したリード部12d、電子部品を埋設可能な凹部を設けていないリード部12e、コンデンサ2個が並列に内蔵され4端子を備えた2連チップコンデンサである電子部品2a(C2)を収納したリード部12h、抵抗器3個が並列に内蔵され6端子を備えた3連チップ抵抗器である電子部品2b(R3)を収納しているリード部12jの4種類のリード部で構成されている。このように、2端子に限らず4端子や6端子を備えた電子部品2a,2bであっても、その電子部品の各端子をリード部に形成された凹部13(電子部品を埋設可能な凹部13)の壁面にそれぞれ対向させて凹部13内に埋設することで、電子部品を内蔵することが可能である。各電子部品の各端子とリード部の凹部の壁面との間は、上記と同様に、はんだ3が充填される。はんだ3により、各電子部品とリードフレーム1とは一体的に固定されるとともに電気的に接続される。もちろん、上記と同様に、リードフレーム1に半導体素子5を搭載・接続し、BGAなどの樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置にすることができる(図示せず)。
なお、複数素子を並列に内蔵した多連チップ電子部品の場合には、素子間など、リード部の凹部13に収まらない部分が生じることとなるが、必要な端子が各々対向するリード部の凹部の壁面に電気的に接続され、他の部分が絶縁されていれば、機能上の問題はない。また、上記の例では、内蔵する電子部品のすべての端子を電気的に接続したが、都合により接続されない端子(素子)があってもかまわない。
また、上記の実施形態では、電子部品内蔵リードフレームの電子部品を埋設可能な凹部13のすべてに電子部品を内蔵したが、結果的に電子部品が内蔵されないままの凹部13が存在することとなる場合も本発明の実施形態としては生じ得る。その場合、そのリードフレームを用いた樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置では、結果的に電子部品が内蔵されないままの凹部13は導体で埋められて電気的に接続されるか、または樹脂で埋められて絶縁されることとなる。
上記の実施形態では、リード部の形状が上下左右対称になるようにリードフレームが形成されているが、必ずしも上下左右対称でなくてもよい。また、リードフレームの平面形状は正方形でなくてもよい。
このように、上記の実施形態において説明した、リードフレームの具体的な大きさ、厚さ、形状等は、半導体素子の大きさ、内蔵したい電子部品の形状・大きさや個数等により、また、半導体装置の設計ルール等により、適宜定められるものであり、本発明では限定されない。
また、本発明による電子部品内蔵リードフレームを用いた樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置も、上記で説明したものには限定されず、様々に変形することができる。
以上説明したように、本発明によれば、従来の表面実装技術および装置を用いて、容易に電子部品内蔵用リードフレームを提供することができる。この電子部品内蔵用リードフレームの凹部に電子部品を収納した電子部品内蔵リードフレームを用いることにより、樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置を容易に提供することができる。また、本発明の樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置は、三次元実装することができ、高密度実装をすることが可能となる。また、本発明によれば、リードフレームの素材として銅などの導電性金属板を用いるので、すぐれた放熱性を得ることができる。また、半導体パッケージとして完成した状態で、すでに電子部品を内蔵しているので、樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置としてモジュール検査をすることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る電子部品内蔵用リードフレームを模式的に示す図である。(a)は上から見た平面図、(b)は(a)のA−A線に沿った拡大した垂直断面図である。断面図中央の縦波線は省略部分があることを示している(以下同じ)。 図1の電子部品内蔵用リードフレームに電子部品を内蔵した電子部品内蔵リードフレームを模式的に示す図である。(a)は上から見た平面図、(b)は(a)のB−B線に沿った拡大した垂直断面図である。 (a)〜(c)は、図1および図2における電子部品を埋設可能な凹部の近傍を模式的に示した斜視図である。 図2の電子部品内蔵リードフレーム上に半導体素子をフリップチップで搭載した状態を模式的に示す図である。(a)は上から見た平面図、(b)は(a)のC−C線に沿った拡大した垂直断面図である。 図3の状態のものをBGAタイプのパッケージにした樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置を模式的に示す図である。(a)は上から見た平面図、(b)は(a)のD−D線に沿った拡大した垂直断面図である。 (a)〜(d)は、図5の半導体装置の製造プロセスを模式的に示す垂直断面図である。図6に続く。 (a)〜(d)は、図6に続き、図5の半導体装置の製造プロセスを模式的に示す垂直断面図である。 本発明の一実施形態に係るリードフレームを模式的に示す図である。(a)はリードフレームの凹部に電子部品を搭載した状態、(b)は(a)の状態のリードフレーム上に半導体素子を搭載しワイヤボンディングで接続した状態を上から見た平面図である。 本発明の一実施形態に係るリードフレームを用いてフリップチップかつBGAタイプのパッケージにした半導体装置を模式的に示す垂直断面図である。 本発明の一実施形態に係るリードフレームを用いてワイヤボンディングかつBGAタイプのパッケージにした半導体装置を模式的に示す垂直断面図である。 本発明の一実施形態に係るリードフレームを用いてワイヤボンディングかつQFNタイプのパッケージにした半導体装置を模式的に示す垂直断面図である。 本発明の一実施形態に係るリードフレームを用いてワイヤボンディングかつQFPタイプのパッケージにした半導体装置を模式的に示す垂直断面図である。 本発明の一実施形態に係るリードフレームの複数の凹部に、複数のチップ抵抗部品と複数のチップコンデンサ部品をそれぞれ搭載した状態を模式的に示す平面図である。 図13の状態のリードフレーム上に半導体素子をフェースアップで搭載しワイヤボンディングにより接続した状態を上から見た平面図である。 図13の状態のリードフレーム上に半導体素子をフェースダウンで搭載し導体バンプにより接続した状態を上から見た平面図である。 本発明の他の一実施形態に係るリードフレームの複数の凹部に、3素子6端子チップ抵抗部品と2素子4端子チップコンデンサをそれぞれ複数搭載した例を模式的に示す平面図である。
符号の説明
1…リードフレーム、2…電子部品、3…はんだ、4…導体バンプ、5…半導体素子、6…封止樹脂、7…ソルダーレジスト層、9…はんだボール、10…ボンディングワイヤ、11…枠部、12…リード部、13…電子部品を埋設する凹部、14…枠部11および個々のリード部12を各々隔てる凹部、15…ダイパッド、18…導電性金属板、21,22…電子部品の端子、51…半導体素子の端子、100…樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置。

Claims (6)

  1. 半導体素子の片面に形成された端子をリードフレームのリード部にフェースダウンに接続させて構成された樹脂封止型半導体装置において、
    端子が両端に配置された電子部品と、
    前記リード部における前記半導体素子の端子から外れた位置に形成されていると共に、前記電子部品の両端子間の長さ以上の隙間を空けるように前記リード部をその長手方向に分断する欠損部と、
    を備え、
    前記欠損部をなす隙間に介在させた前記電子部品の両端の各端子と、前記欠損部を挟んで対向する前記リード部の分断された各端面と、が電気的に接続されている、
    ことを特徴とする樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置。
  2. リードフレームのダイパッドに搭載された半導体素子を前記リードフレームのリード部にワイヤ接続させて構成された樹脂封止型半導体装置において、
    端子が両端に配置された電子部品と、
    前記ダイパッドから離間したリード部に形成されていると共に、前記電子部品の両端子間の長さ以上の隙間を空けるように前記リード部をその長手方向に分断する欠損部と、
    を備え、
    前記欠損部をなす隙間に介在させた前記電子部品の両端の各端子と、前記欠損部を挟んで対向する前記リード部の分断された各端面と、が電気的に接続されている、
    ことを特徴とする樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置。
  3. 前記電子部品の各端子と前記欠損部で分断された前記リード部の各端面との間は、はんだが充填されて電気的に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置。
  4. 樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置の製造部品として用いられる電子部品内蔵リードフレームであって、
    端子が両端に配置された電子部品と、
    枠部と、リード部と、前記電子部品の両端子間の長さ以上の隙間を空けるように前記リード部をその長手方向に分断する欠損部と、前記枠部、前記リード部及び前記欠損部を一体的につなぐ構成部分であると共に前記欠損部を凹部として構成しかつ前記樹脂封止型電子部品内蔵半導体装置の製造過程で除去される被除去部分と、を有するリードフレーム本体と、
    を備え、
    前記欠損部をなす隙間に介在させた前記電子部品の両端の各端子と、前記リード部における前記欠損部を挟んで互い対向する各端面と、が電気的に接続されている、
    ことを特徴とする電子部品内蔵リードフレーム。
  5. 前記リードフレーム本体の前記枠部、前記リード部及び前記欠損部は、導電性金属板をハーフエッチングすることにより形成されていることを特徴とする請求項4に記載の電子部品内蔵リードフレーム。
  6. 前記電子部品の各端子と前記リード部における前記欠損部を挟んで互い対向する各端面との間は、はんだが充填されて電気的に接続されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の電子部品内蔵リードフレーム。
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