JP4566647B2 - エレベータ装置 - Google Patents
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図9において、機械室8に設置された巻上機9には主索6が巻き掛けられていて、一方にはかご3が吊持され、他方に釣合錘(図示しない。)が吊持されている。かご3は昇降路1の両側に立設されたガイドレール2に案内されて昇降し、巻上機9に装着された制動機10によって停止状態に保持される。
かご床3aの下に横設されたかご下枠21の両端部には非常止め装置22が取り付けられていて、機械室8に設置された調速機11と調速機ロープ13及び引上げロッド29を介して連結されている。また、かご3には、かご戸4が閉じたことを検出する戸閉検出スイッチDCLが取り付けられている。
エレベータは、上記のとおり、荷重の制限の下で運転されることを前提とするものであり、明石市の事故のようなパニック状態では、制動力を上回る過荷重によってかご3が下降し、新たな二次災害の発生も危惧される。このため、火災時の避難は、エレベータではなく非常階段によることが基本となっていた。
しかし、エレベータは、ビル内における縦の交通機関であるから、特に身体障害者や高齢者の避難手段として、その必要性は高い。
そこで、例えば、特許文献1には、かごと昇降路とを係合させて、かごの停止位置を停止階床に保持するかご固定装置を設け、パニック状態となって利用者がかごに集中した場合に、上記かご固定装置によってかごを保持するようにしたものが提案されている。
このため、エレベータは、ビル内における交通機関でありながら、火災時の避難手段として使用することができない、という問題があった。
また、特許文献1に記載のエレベータ装置も、各乗場毎にかご固定装置の構成部品である固定金具を設けなければならない、という問題があった。
また、過荷重状態が解消されると、通常運転が可能な状態に復帰させる装置を備えたエレベータ装置を得ることを目的とする。
また、緊急非常止め作動装置によって作動した非常止め装置を、過荷重が解消されると緊急非常止め復帰装置によって復帰させて通常運転が可能な状態にしたので、人為操作によることなく運転を再開させることができる。
更に、緊急非常止め作動装置と緊急非常止め復帰装置の双方を備えたことによって、エレベータを避難の用に供することができる。
実施の形態1.
図1から図4は、この発明の実施の形態1を示す。
図1は、エレベータ装置の要部を示す昇降路縦断面図で、特に、戸を閉じて乗場床とかご床が一致している場合を示す。図2は、同じく戸を開いて乗場床とかご床が一致している場合を示す。図3は、同じく戸を開いた状態で、かご床が乗場床から距離Dfだけ下降している場合を示す。
図1から図3において、昇降路1には両側にガイドレール2が立設されている。主索6は機械室8に設置された巻上機9に巻き掛けられて垂下され、一端がかご上枠20に係止されてかご3を吊持している。かご床3a下には、かご3内の負荷を測定する秤装置7が設けられている。かご3は、巻上機9に駆動されて昇降路1内に立設されたカイドレール2に沿って昇降し、制動機10によって巻上機9を制止させることによって停止する。かご戸4の先端には戸安全装置SEが取り付けられていて、戸閉中のかご戸4を反転させるようになっている。また、かご戸4が閉じたことを検出する戸閉検出スイッチDCLが取り付けられている。
以下、非常止め装置22の動作について説明する。
1.下降速度が所定値(定格速度の115%〜140%)を超えた場合
かご3の下降速度が所定値を超えると、機械室8に設置された調速機11が作動する。即ち、図9に示したとおり、調速機レバー14が支軸14aを軸として揺動して直立状態となり、シュー15と滑車12の間隔が狭められて滑車12に巻き掛けられた調速機ロープ13が拘束される。この拘束によって調速機ロープ13は、かご3の両側に立設された引上げロッド29を、かご3に相対して引き上げられた状態にする。更に連結ロッド28が引き上げられる。非常止めレバー25は、支持ピン26を軸として自在に揺動できるように、かご下枠21に取り付けられている。このため、図11に示したとおり、連結ロッド28が引き上げられると、非常止めレバー25が揺動して引き上げられて、一端に取り付けられた楔体24を枠体22とガイドレール2の間に下側から押入させてガイドレール2を把持させ、かご3の下降を停止させる。即ち、非常止め装置22を作動させる。非常止めレバー25の他端はカム32になっており、非常止め装置22が作動すると、カム32は非常止めスイッチ33を作動させ、巻上機9への電源回路を遮断する。
図1において、「く」の字状に屈曲した検出腕42が、支軸43によってかご3の一側に取り付けられている。検出腕42の一端にはローラ44が取り付けられており、他端には当接突起45が突設されている。更に他端にはワイヤ46の一端が係止されていて、かご下枠21の中央部に設けられた入力プーリ47に巻き掛けられている。
なお、ローラ44は、かご3が図4に示すレベルゾーンLZ内にあって、かご戸4を開いているときに階床ゾーンカム41と係合する。かご戸4が閉じているときは、ローラ44は、階床ゾーンカム41との間に隙間δを控えている。このため、かご3の位置には関係なく階床ゾーンカム41と係合することはない。
かご戸4が閉じているときは、当接突起45に戸閉押し金4aが当接して検出腕42を反時計方向へ揺動させて入力プーリ47を図1に示す矢印方向へ回すように作用する。入力プーリ47には出力プーリ48が固着されており、更に出力プーリ48には、中間部に緩衝ばね50Rが介在するワイヤ49Rが右側へ張設され、また、緩衝ばね50Lが介在するワイヤ49Lが左側へ張設されている。
図2において、かご戸4が開くと、当接突起45と戸閉押し金4aとの当接が解かれてローラ44は階床ゾーンカム41と係合する。この係合によって検出腕42は揺動を制限されて、入力プーリ47を図2に示す矢印方向へ回すように作用する。このため、かご3がレベルゾーンLZにあるときは、かご戸4の開閉に無関係に、非常止めレバー25は引き下げられており、作動ばね31によって非常止めレバー25が引き上げられることはない。なお、階床ゾーンカム41は、各乗場床17毎に設けられている。
図3において、かご3はかご戸4を開いた状態で下降し、かご床3aと乗場床17との間に、距離Dfだけ段差が生じてレベルゾーンLZを外れたとする。かご戸4が開くと、当接突起45と戸閉押し金4aとの当接が解かれる。また、ローラ44と階床ゾーンカム41との係合も解かれる。このため、作動ばね31によって非常止めレバー25が引き上げられて、楔体24を枠体23とガイドレール2の間に押入させてガイドレール2を把持させ、かご3の下降を停止させる。
また、階床ゾーンカム41、ローラ44、検出腕42、ワイヤ46、入力プーリ47、出力プーリ48、ワイヤ49、緩衝ばね50及びそらせプーリ51は、かご3が予め定められたレベルゾーンLZ内にあるときは作動ばね31に抗して楔体24の引上げを阻止し、かご3がレベルゾーンLZを外れると作動ばね31による楔体24の引上げを可能にするかご位置連動機構として機能するものである。
更に、作動ばね31、上記戸閉連動機構及び上記かご位置連動機構は、かご3がかご戸4を開いた状態で移動して予め定められたレベルゾーンLZを外れると、非常止め装置22を作動させてかご3を停止させる緊急非常止め作動装置として機能するものである。
特に、ロープ式エレベータの制動機10は、釣合錘(図示しない。)とかご3との重力差によるトルクに見合う制動トルクである。また、制動は主索6と巻上機9との摩擦力による。このため、かご3の全重量を制動機10で支えることはできない。これに対して、非常止め装置22は、主索6が破断して定格速度を超える速度で落下するかご3の全重量分を停止させて保持する能力を有するものであるから、極めて大きい制動力を有する。従って、火災時にパニック状態になって避難者がかご3に押し寄せて制動機10ではかご3を制止できなかったとしても、非常止め装置22によってレベルゾーンLZから大きく外れることなく、かご3を停止状態で支えることができる。
また、非常止め装置22は、元来エレベータに設置を義務付けられている装置であり、この非常止め装置22を活用することにより、過荷重を支えるようにしたので、建物に特別の対策を必要とせず、従来の非常止め装置22の改良によって実現することができる。
かご3が、戸開き状態で上方向へ移動すると、ローラ44が階床ゾーンカム41から外れることにより、屈曲アーム42に繋がれているワイヤ46、ワイヤ49の緊張が緩み、非常止め装置22の楔体24は作動ばね31で商法に引き上げられる。しかし、非常止め装置22の力は下降方向への制動力は大きいが、上方向の制動力は十分ではない。楔体24が引き上げられると、左右の非常止めスイッチ33L、33Rが作動して共に開放される。この開放によって走行指令リレー(図5の通常走行指令リレーGOに相当するリレー。)が消勢され、制動機10が作動するように作用する。
一般的なロープ式エレベータのかご3は、釣合錘(図示しない。)に繋がれていることから、かご3に働く上方向への力の最大値は、無負荷状態に釣合錘に引かれる場合であって、下方向に働く力よりも小さい。このため、既に述べたとおり、制動機10の保持力(定格負荷の125%)で十分に、かご3を停止・保持することが可能である。
この実施の形態2は、実施の形態1における緊急非常止め作動装置によって作動した非常止め装置22の作動を解いて通常運転が可能な状態に復帰させる緊急非常止め復帰装置に係るものである。図3から図5に基づいて実施の形態2を説明する。
図4は、乗場床17とかご位置との関係を示す説明用図である。即ち、乗場床17の上下30mm以内を着床ゾーンSZとし、かご3は、かご床3aが着床ゾーンSZ内に入るように制御される。乗場床17の上下75mm以内をレベルゾーンLZとし、階床ゾーンカム41は、このレベルゾーンLZの範囲でローラ44と係合する。従って、かご3が戸開き状態でレベルゾーンLZから外れると、緊急非常止め作動装置が作動可能になる。乗場床17の上30mmから上200mmの間を上部ドアゾーンDZUとし、下30mmから下200mmの間を下部ドアゾーンDZDとし、上下200mm以内をドアゾーンDZとする。
また、図5において、各スイッチ33並びに各検出リレーSZ、LZ、DZU、DZD及びDZの常開接点は、上記各符号の末尾に「a」を、常閉接点は、上記各符号の末尾に「b」を、それぞれ付した。
また、過荷重検出リレーOLHは、かご3に積載された荷重が定格荷重の110%以上で付勢される。特定荷重検出リレーOLMは、非常止め装置22が作動した状態で、巻上機9がかご3を上昇駆動させることができる荷重として設定された値以上の荷重で付勢されるもので、ここでは、定格荷重の95%以上で付勢されるものとする。
図5において、通常運転時は、非常止め復帰運転管制リレーSPOは消勢されている。かご3は着床ゾーンSZ内に停止しているとする。かご戸4は、開放後所定時間が経過すると、戸開放時間管制リレーDTが消勢されて、戸管制リレーDCCが、(+)―DTb―DOb―SEb―SPOb―OLHb―DCC―(−)の回路で付勢され、かご戸4が閉じ始める。途中で戸開釦DOが操作されるか、又は戸安全装置SEが作動すると、戸管制リレーDCCは消勢されてかご戸4は反転して開く。かご戸4が閉じると、戸閉検出スイッチDCLが作動し、(+)―CALLa―DCLa―DCCa―SZa―RLb―HANDb―SUPb―33bR―33bL(以下、総称して33bとする。)―16b―GO―(−)の回路で、通常走行指令リレーGOが付勢され、更に自己保持回路が閉成される。通常走行指令リレーGOの付勢によって、かご3は目的階へ向けて通常運転によって昇降する。
また、床合せ運転時も床合せ管制リレーRLが付勢されて、その常閉接点RLbが開放されるので、通常走行指令リレーGOは付勢されない。
かご3が過荷重となって下降して、図3に示したとおり、ローラ44が階床ゾーンカム41から外れて非常止め装置22が作動したとする。非常止めスイッチ33が作動して、その常開接点33aは閉成し、常閉接点33bは開放する。この状態で、例えば、火災管制信号を受けて、又は遠隔の保守センタからの緊急避難指令信号を受けて、緊急避難指令手段70が作動すると、非常止め復帰管制リレーSPOが付勢されて常開接点SPOaが閉成され、常閉接点SPObが開放される。このため、(+)―SPOa―DZDa―33aR又は33aL―OLMa―AN―(−)の回路で降車命令発報装置ANが付勢されて、過荷重によって非常止め装置22が作動したことをかご3内の利用客5に伝え、かご3から降りるように命令する。利用客5の一部がかご3から降りて特定荷重検出リレーOLMが消勢されると降車命令発報装置ANから復帰運転案内装置ANUに切り替わり、かご3内に復帰運転開始の案内放送が行われる。
なお、降車命令発報装置AN及び復帰運転案内装置ANUは、いずれも緊急報知装置として機能するものである。
かご戸4が閉じて戸閉検出スイッチDCLが作動すると、(+)―SPOa―DCLa―OLMb―DZDa―33aR又は33aL―16b―GOb―SUP―(−)の回路で低速上昇指令リレーSUPが付勢されて、巻上機9はかご3を低速で上昇駆動し始める。この上昇運転によって枠体23はかご3と共に上昇する。一方、楔体24は戸閉押し金4aと当接突起45の当接によって下方へ引かれているので、楔体24は開放されてガイドレール2から離れ、非常止め装置22は図1の状態となる。これによって、非常止めスイッチ33も復帰し、その常開接点33aは開放され、常閉接点33bは閉成する。
また、緊急非常止め復帰装置は、かご床3aと乗場床17とのレベル差が下部ドアゾーンDZDの範囲内、即ち復帰可能範囲内で、かつ、戸開き状態で非常止め装置22が作動した場合に限定して作動させ、下部ドアゾーンDZDを除く範囲では作動しない。このため、緊急非常止め復帰運転は短区間に限られるので、利用者5に違和感を与えることことはない。
更にまた、降車命令発報装置ANが付勢されて、過荷重によって非常止め装置22が作動したことをかご3内の利用客5に伝え、かご3から降りるように命令したので、エレベータを速やかに避難の用に供することができる。
更にまた、利用客5の一部がかご3から降りて特定荷重検出リレーOLMが消勢されると、緊急非常止め復帰装置による復帰運転に先立って、復帰運転案内装置ANUによって、かご3内に復帰運転開始の案内放送をしたので、かご3内の利用客5に不安感を与えることもない。
図6及び図7は、この発明の実施の形態3を示す。この実施の形態3は、かご戸4を開いた状態で、かご3がレベルゾーンLZを外れると、調速機11を作動させて調速機ロープを拘束し、非常止め装置22を作動させるようにしたものである。
また、作動した調速機11を復帰させた後、更に非常止め装置22を復帰させて、通常運転が可能な状態に戻すようにしたものである。
図6に示したとおり、調速機11が立設された部位にプランジャ58が横設されている。プランジャ58の中央部には縦長の長穴が形成されており、この長穴に調速機レバー14に植設されたピン59が挿通されている。
また、プランジャ58の左端部は調速機トリップ用ソレノイド57に遊挿されている。右端部は調速機リセット用ソレノイド60に遊挿されている。各ソレノイド57、60が付勢されていない場合は、プランジャ58は自在に水平に移動することができるようになっている。
既に述べたとおり、調速機レバー14は図6に示す直立方向へ揺動して調速機ロープ13を拘束する。既に述べたとおり、この拘束によって非常止め装置22が作動する。
図6において、かご3はかご戸4を開いた状態で、レベルゾーンLZを外れたとする。当接突起45と戸閉押し金4aとの当接が解かれる。また、ローラ44と階床ゾーンカム41との係合も解かれる。このため、検出腕42が図示右回転方向へ揺動して戸開移動検出スイッチ55が作動する。
戸開移動検出スイッチ55の作動によって、図7に示す(+)―SPOb―55a―調速機トリップ用ソレノイド57―(−)の回路によって調速機トリップ用ソレノイド57が付勢される。この付勢によってブランジャ58が、図6において、左側へ移動して調速機レバー14を直立させ、調速機ロープ13を拘束する。また、作動レバー16dを介して調速機スイッチ16が作動する。調速機ロープ13を拘束した状態でかご3が更に下降すると、既に述べたとおり、非常止め装置22が作動してかご3は停止する。
なお、戸閉押し金4a、当接突起45、階床ゾーンカム41、ローラ44、検出腕42、戸開移動検出スイッチ55及び調速機トリップ用ソレノイド57は、調速機11を作動させる緊急調速機作動装置として機能するものである。更に、上記緊急調速機作動装置と調速機11は緊急非常止め作動装置として機能するものである。
緊急避難指令手段70が作動して非常止め復帰管制リレーSPOが付勢されると、図5で述べたとおり、降車命令発報装置ANが付勢されて、利用客5の一部がかご3から降りて特定荷重検出リレーOLMが消勢されると降車命令発報装置ANから復帰運転案内装置ANUに切り替わり、かご3内に復帰運転開始の案内放送をする。
特定荷重検出リレーOLMが消勢されると、図5に示したとおり、戸管制リレーDCCが付勢されて、かご戸4が閉じ、戸閉検出スイッチDCLが作動する。この結果、調速機リセット用ソレノイド60が、(+)―SPOa―DCLa―OLMb―DZDa―16a―調速機リセット用ソレノイド60―(−)の回路で付勢されて調速機レバー14を傾斜させ、調速機ロープ13を開放する。所定時間遅れて遅延閉成回路LTが閉成して、調速機スイッチリセット用ソレノイド61が付勢され、復帰レバー16eを介して調速機スイッチ16を復帰させる。
従って、非常止め復帰運転管制リレーSPOと、特定荷重検出リレーOLMと、調速機スイッチ16と、調速機リセット用ソレノイド60と、調速機スイッチリセット用ソレノイド61は、緊急調速機復帰装置として機能する。
緊急調速機復帰運転によって調速機スイッチ16が復帰すると常閉接点16bが閉成される。以下、実施の形態2で述べたと同様の動作によって、非常止め装置22が復帰して通常運転が可能な状態になる。
特に、この実施の形態3では、主として調速機11に改良を加えるようにしたので、かご3の自重増加を抑えることができる。
図8は、この発明の実施の形態4を示す。この実施の形態4は、緊急非常止め復帰装置の構成要素を、低速上昇指令リレーSUPに替えて、床合せ運転時に作動する床合せ管制リレーRLによったものである。
即ち、通常運転でかご床3aが着床ゾーンSZから外れると、着床ゾーンリレーSZが消勢され、上部ドアゾーン検出リレーDZU又は下部ドアゾーン検出リレーDZDが付勢される。この結果、床合せ管制リレーRLが(+)―SPOa―DZUa又はDZDa―LZa−33b―16b―SZb―OLHb―GOb―RL―(−)の回路で付勢されてレベルゾーンLZ内で床合せ運転が行われる。
非常止め復帰運転管制リレーSPOと、特定荷重検出リレーOLMと、非常止めスイッチ33と、床合せ管制リレーRLは、緊急非常止め復帰装置として機能する。
更にまた、上記各実施の形態による床ずれ防止と非常止め自動復帰を的確に行うことにより、現行のかご床面積に対応した定格積載荷重の規定によることなく、床ずれを的確に防止できることから、かご床面積に捕らわれない自由なかごサイズ(床面積又は積載荷重)のエレベータの提案が可能となるものである。
Claims (6)
- 昇降路内に立設されたガイドレールに沿って昇降するかごを、巻上機を制止させることによって停止させる制動機に加えて、上記かごの下降速度が所定値を超えると調速機が作動して調速機ロープを拘束し、この調速機ロープに連結された楔体が、上記かごに取り付けられた枠体とこの枠体に遊挿された上記ガイドレールの間に下側から押入されて上記ガイドレールを把持して上記かごを停止させる非常止め装置を備えたエレベータ装置において、上記かごが戸を開いた状態で移動してかご床が乗場床から予め定められた第1の範囲を外れると、上記非常止め装置を作動させて上記かごを停止させる緊急非常止め作動装置と、この緊急非常止め作動装置によって上記非常止め装置が作動して上記楔体が上記枠体と上記ガイドレールの間に押入された状態で停止している上記かごの荷重が所定値以下になると、上記かごを上昇させて上記楔体の押入を解く緊急非常止め復帰装置とを備え、この緊急非常止め復帰装置によって上記非常止め装置の作動を解いて通常運転が可能な状態に復帰させるようにするとともに、上記緊急非常止め復帰装置を、通常運転時において上記かご床が上記乗場床から上記第1の範囲より狭い所定の第2の範囲を外れかつ上記第1の範囲内である場合に上記かごを昇降させて上記かご床と上記乗場床とのレベル差を上記第2の範囲内に収める床合せ装置とし、この床合せ装置を、上記緊急非常止め作動装置による上記非常止め装置の作動時においては上記かご床と上記乗場床とのレベル差が上記第1の範囲より少なくとも下方に広い所定の復帰可能範囲内のときに作動するものとしたエレベータ装置。
- 上記緊急非常止め作動装置を、上記楔体を上記ガイドレールと上記枠体の間に押入させて下降する上記かごを停止させる作動ばねと、戸が閉じると上記作動ばねに抗して上記楔体の押入を阻止し、上記戸が開くと上記作動ばねによる上記楔体の押入を可能にする戸閉連動機構と、上記かごが予め定められた範囲内にあるときは上記作動ばねに抗して上記楔体の押入を阻止し、上記かごが上記範囲を外れると上記作動ばねによる上記楔体の押入を可能にするかご位置連動機構とを備え、上記戸閉連動機構と上記かご位置連動機構の双方が上記作動ばねによる上記楔体の押入を可能にしたときに、上記作動ばねによって上記かごを停止させるものとするとともに、上記緊急非常止め復帰装置を、上記緊急非常止め作動装置によって上記非常止め装置が作動して上記楔体が上記枠体と上記ガイドレールの間に押入された状態で停止している上記かごの荷重が所定値以下になると、上記戸を閉じて上記戸閉連動機構によって上記楔体の押入動作を阻止した状態で上記かごを上昇させて上記楔体の押入を解くものとした請求項1に記載のエレベータ装置。
- 上記緊急非常止め作動装置を、上記かごが戸を開いた状態で移動してかご床が乗場床から予め定められた第1の範囲を外れると、上記調速機を作動させて上記非常止め装置を作動させる緊急調速機作動装置とし、この緊急調速機作動装置によって上記調速機が作動し、この上記調速機の作動によって上記非常止め装置が作動して上記楔体が上記枠体と上記ガイドレールの間に押入された状態で停止している上記かごの荷重が上記所定値以下になると、作動した上記調速機を復帰させる緊急調速機復帰装置を備え、この緊急調速機復帰装置と上記緊急非常止め復帰装置によって通常運転が可能な状態に復帰させるようにした請求項1に記載のエレベータ装置。
- 上記緊急非常止め復帰装置は、ビル内の在留者を緊急に避難させる信号を発する緊急避難指令手段によって作動するものとした請求項1から請求項3のいずれかに記載のエレベータ装置。
- 上記緊急非常止め作動装置が作動したことを上記かご内に報知する緊急報知装置を備えた請求項1から請求項4のいずれかに記載のエレベータ装置。
- 上記緊急非常止め復帰装置による復帰運転に先立って、上記かご内に上記復帰運転を事前に報知する緊急報知装置を備えた請求項1から請求項5のいずれかに記載のエレベータ装置。
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