JP4565163B2 - インパルス伝送方法及び受信装置 - Google Patents
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しかし、送信信号電力が非常に低く制限されているため信号対雑音比(SNR)が非常に悪い、減衰特性の変動が大きいために伝送路応答が非常に長い、などの劣悪な伝送路では、上述した従来の技術では、同期サンプリングの時点で大きな判定誤りが生じるために十分な信頼性を保証できない場合が多い。
屋内配線はコンセントで分岐し、新たな負荷をコンセントに接続したり外したりすることにより、また、接続された負荷をオン/オフすることにより、線路長や終端インピーダンスが変化するため、信号の反射や共振が発生する。その結果、屋内配線は、使用帯域中の広い帯域にわたって大きく減衰したり、特定の周波数では信号が全く伝送されなかったりする。また、屋内配線には、負荷から発生するノイズに加えて、空中の電磁波に共振して誘起される妨害信号やノイズが、信号電力と同程度のレベルで加わる。
打合せデータの送受信は、低速でもよいが、いかなる大きな伝送歪、減衰、雑音に対しても打合せデータの送受信に成功しなければならない。
また、初期ネゴシエーションは、上述した信頼性に加えて、できるだけ簡単な回路で実現することが望まれる。
従って、インパルス列で搬送波を振幅変調した送信信号は、送信信号の出力期間が短いため、少ない送信電力で雑音レベルよりも大きな瞬時振幅で送信することができる。
伝送路が狭帯域であるほどインパルス応答は長い尾を引くが、送信クロック速度を落としてインパルス列の間隔を長くすることにより簡単に符号間干渉を避けることができるから信頼性の高い受信ができる。
また、受信側の構成は、搬送波再生回路、同期検波回路、サンプリング回路がないため、簡単であるにもかかわらず、伝送路歪や雑音の影響を受けにくい信頼性の高い受信ができる。
上述したローパス・フィルタは、送信データを抽出するのに必要な低周波側の周波数成分を通すためのものであって、送信データのナイキスト周波数を遮断周波数とするフィルタを用いればよい。
従って、伝送路歪やノイズ等によって生成される狭いNRZ波形のパルス幅を除去することができる。また、NRZ波形のパルス幅の変動が小さければ、真のパルス幅を判定できる。
なお、上述したNRZ波形のパルス幅の複数個からなる有限の区間は、パルス幅の個数を一定にした方が、計算が簡単になる。しかし、パルス幅は送信データに応じて変化するから、所定の有限の時間幅を設定し、その有限の時間幅に含まれる複数のパルス幅からなる有限の区間としてもよい。
なお、上述したNRZ波形のパルス幅の複数個からなる有限の区間は、パルス幅の個数を一定にした方が、計算が簡単になる。しかし、パルス幅は送信データに応じて変化するから、所定の有限の時間幅を設定し、その有限の時間幅に含まれる複数のパルス幅からなる有限の区間としてもよい。
図1は、本発明の実施の一形態を説明するためのブロック図である。
図2は、図1に示した伝送路2の振幅特性及びインパルス応答の説明図である。
図3は、送信データに応じたインパルス列、及び、図1に示したインパルス受信装置3の各部における信号波形を示す波形図である。
1はインパルス送信装置である。2値の送信データ(ON・OFFデータ)を入力し、図3(a)を参照して後述するインパルスの発生の有無を制御し、インパルスにより搬送波を振幅変調した信号を送信する。
インパルスとは、所定の送信クロック周期に比べて短い時間幅を有するパルス信号である。インパルスは、送信クロック周期の開始時を発生可能タイミングとし、例えば、送信データが1の時に発生し、送信データが0の時は発生しない。
従って、送信データが0,1にかかわらず、1クロック周期の後半は、いつも振幅がゼロに戻っているRZ(リターン・トゥー・ゼロ)信号ということができる。デューティ比は小さくてよい。
ロール・オフ・フィルタは、初期ネゴシエーションが完了した後の高速データ伝送時において使用帯域を制限するためのものである。従って、初期ネゴシエーション時の低速送信データにとっては、十分広帯域のロール・オフ・フィルタである。このロール・オフ・フィルタのカットオフ周波数は、初期ネゴシエーション時の低速送信データのナイキスト周波数よりも十分高い。個々のインパルスは、このロール・オフ・フィルタを通しても余り影響を受けない。
インパルス列を広帯域のロール・オフ・フィルタ(及びノッチ・フィルタ)に通し、所定の搬送波(キャリア)と乗算することにより振幅変調して図示しない送信波形を生成する。
これに対し、本発明の実施の形態のように、インパルス(RZ波形)に基づいてベースバンド信号を生成した場合、送信信号を出力する期間が短いため平均送信電力が小さいにもかかわらず、雑音レベルに比較して十分大きな振幅を出力することができる。
図2(a)は、伝送路2の振幅特性である。横軸は周波数、縦軸は、スペクトル振幅である。周波数スペクトルは帯域内で30dB〜40dB程度の幅を持っている。従って、実質的に伝送路は狭帯域特性になってしまう。その結果、この伝送路のインパルス応答が減衰するまでには長い時間がかかる。
図2(b)は、図2(a)に示した伝送路において、搬送波周波数をゼロと見なしたときのインパルス応答を示す、等価的なベースバンドパルスである。雑音はないものとしている。横軸は時間、縦軸は振幅である。
インパルスは、振幅変調されて送信信号となるので、1個のインパルスに基づいて生成された送信信号が図1に示した伝送路2を経て受信されたときは、図2(b)に示したインパルス応答に搬送波を乗算した図2(c)の波形となる。
インパルス列の間隔、すなわち、送信クロック周期を、1個のインパルスによる受信信号が十分減衰した後に、次のインパルスによる受信信号が受信されるような間隔に定めれば、受信信号において、隣接するインパルスが相互干渉しない。
具体例を挙げると、短波帯を使用した場合、インパルス応答の長さは、高速伝送(20Mシンボル/秒)時のシンボル周期に換算すると、最悪で100シンボル程度になる。従って、例えば、64シンボルに1回程度の間隔でインパルスが送信されるように、送信クロック周期を決めればよい。
なお、この図では、ノッチ・フィルタを通していないが、伝送規格に制限がある場合は、ノッチ・フィルタを通す。
まず、雑音がない場合について説明する。受信信号を図3(b)に示す。図2(c)に示した受信信号に含まれている搬送波波形は見えない。
受信信号は、包絡線検波部11に入力される。AMラジオのような同調回路は特に必要ない。
図3(c)に包絡線検波部11の出力信号を示す。
直流カット部12は、包絡線検波部11の出力信号を、例えば、コンデンサを通すことにより直流成分(DCレベル)が遮断された信号を出力する。その結果、この出力信号の平均値はゼロとなる。
図中、ナイキスト周波数は、図2(a)に示した低速伝送時のデータ伝送レート(送信クロック・レート)の2分の1の周波数になる。
図1(b)に示したローパス・フィルタ(LPF)13は、例えば、上述したナイキスト周波数をカットオフ周波数として、送信データを抽出するのに必要な低域成分を通過させ、高域の雑音を除去する。
図5(a)は、ローパス・フィルタ13の出力信号波形である。図3(d)の直流カット波形に比べて、NRZ波形に近くなっている。
図5(b)は、クリップ部14の出力信号波形であり、NRZ波形となっている。
図2(a)に示されたインパルス列(RZ波形)がNRZ波形に変換されていることがわかる。
クリップ出力のサンプリングを行わないため、サンプリング時刻での雑音による不確定要因が軽減される。
また、計数の際に、長さを計数するための受信クロックは、パルス幅の計数に使用するだけであるから、送信クロックと周波数同期、位相同期している必要はない。
2つの計数値列を比較すると、それぞれのパルス幅は、かなり近い。
従って、計数されたパルス幅のカウント値をm=64(送信クロックの1周期分)の正整数倍に丸め込む(これは、後述する硬判定に相当する)。丸め込まれたパルス幅に応じて、送信された2値データが単独か又は何個連続しているかを判定するとともに、パルス幅の極性(+1レベル,−1レベル)に応じて、送信された2値データが1,0のいずれであるかを判定する。
なお、パルス幅を計数するに際し、ローパス・フィルタ部13の出力から直接にゼロクロス間隔を計数することにより、NRZ波形のパルス幅を計数してもよい。この場合、クリップ部14は不要である。
図6(a)は、平均信号電力の25倍の白色ガウス雑音を含む場合の受信信号の波形図である。図6(b)は、包絡線出力波形を直流カットした出力信号の概念図である(実際に直流カットしたシミュレーション波形ではなく、直流カットした波形に似せて作成した波形図である)。
横軸は時間、縦軸は振幅である。図3に示した波形図の横軸と同じ尺度で表している。図3(b),図3(d)においては見ることができたインパルス列が、白色ガウス雑音から少し突き出ているのが見える。
図7(a)は、ローパス・フィルタ13の出力信号波形である。雑音レベルが大きいと、図1(b)に示したローパス・フィルタ13の出力信号波形は、矩形波から大きく隔たったものとなる。図7(b)は、クリップ部14の出力波形である。
データ判定部15において、図7(b)に示したクリップ部14の出力波形を、送信クロックと同期した受信クロックにより単にサンプリングしただけでは、多くの判定エラーが生じることは明らかである。
しかし、受信パルス幅も真のパルス幅から大きく変動しているから、受信パルス幅を計数して、パルス幅のカウント値をm=64(送信クロックの1周期分)の倍数値に丸め込めんだだけでは、データを正確に判定することができなくなる。
これに対し、図3(a)に示した送信データが歪みを受けずに受信されたと仮定したときの真のパルス幅は、図5(c)にも示したように64の倍数となる。
従って、実際の受信信号に基づくパルス幅は、64の倍数から大きな差をもっている。
そこで、この実施の形態では、図1(b)に示したデータ判定部15において、ディジタル信号処理により最尤系列推定をすることにより、受信データの信頼性を向上させる。
以下、この計数値列から受信データを判定する方法を説明する。
そこで、個々のパルス幅の計数値を64の倍数の1又は2つの候補値に丸め込んだときの差分値を計量の尺度とし、上述したNRZ波形のパルス幅の所定個数からなる有限の区間において、差分値の総和を求め、総和が最小となる候補値列(パス)の最も確からしい系列(最尤系列)を推定することにより、最終的に1つの候補値を選択することにより、パルス幅の判定をする。
なお、上述したNRZ波形のパルス幅の所定個からなる有限の区間は、送信データに応じて時間幅が変化してしまう。そこで、所定の時間幅を設定し、その有限の時間に含まれる複数のパルス幅からなる有限の区間としてもよい。
S21において、整数値変数kに1を初期設定する。
kは判定アルゴリズムにおいて順次入力されるパルス幅を表す順序番号である。ただし、処理中において、3個のパルス幅を1つのパルス幅に合成する場合があり、このとき、入力されるパルス幅に与えられるkの値が途中で変更される。
S22において、図7(c)に示したクリップ波形のパルス幅の計数値Dkを入力する。
S23において、パルス幅の計数値を、64(送信クロック周期の計数値を例えば64とする)の倍数となる計数値Zkに丸める。すなわち、64の倍数であって最も近い値に丸められる。計算式は、round[Dk/64]*64となり、これを計算しZkとする。
ここで、round[]は四捨五入をする関数であり、*は乗算記号であり、/は除算記号である。
また、剰余(丸め誤差であって、正値と負値とをとる)Dk−Zkを計算し、これをRkとする。
あるZkを中心に、Zk−64からZk+64までの計数値範囲を示している。
あわせて、Zk=0,64,128,192,256,320,384,448,…の場合について、Zk−64の値とZk+64の値とを示しておく。−32≦Rk<32となる。
S24において、上述した剰余の絶対値|Rk|が、例えば、16(第2の閾値:揺らぎの小さな範囲)を超えるか否かを判定する。図9(a)に示したように、|Rk|が16を超えないとき、S23において得られたZkを真のパルス幅であるとして(硬判定処理)、直ちにS25に処理を進める。このZkを唯一の候補値(硬判定値)とする。
硬判定処理の場合、S25においては、(Zk,Rk)を図10(a)を参照して後述するシフトレジスタ(以下の例では、8段とする)の第1段に入力するとともに、シフトレジスタの各段に保持されていた数値データを次段にシフトする。
軟判定処理では、パルス幅の計数値Dk以下でDkに最も近い64の倍数の値を第1の軟判定値Z’kとし、パルス幅の計数値Dk以上でDkに最も近い64の倍数の値を第2の軟判定値Z”kとして、この2つの軟判定値を、最も確からしい2つの候補値に決める。それぞれに、剰余R’k,R”kが計算される。
例えば、Dk=152とすれば、図9(b)において、Zk=round[Dk/64]*64=128、16<|Rk|=24となり、第1の軟判定値Z’k=128,第2の軟判定値Z”k=192が候補値となる。R’k=Dk―Z’k=24,R”k=Dk−Z”k=−40となる。
一方、S26において0<Dk−Zkでなければ、図9(c)に示した場合であり、S28に処理を進め、Zk−64の値をZ’kに、Zkの値をZ”kに入れ、Rk+64の値をR’kに入れ、Rkの値をR”kに入れて、S25に処理を進める。
いずれの場合も、R’k=Dk−Z’kであり、R”k=Dk−Z”kである。
唯一の候補値である硬判定値を入力する場合と第1,第2の候補値である軟判定値を入力する場合とがあるため、シフトレジスタは、(Zk,Rk,Z’k,R’k,Z”k,R”k)の合計6個の数値を同時に入力し、同時にシフトさせることになる。
しかし、Zk,Z’k,Z”kの間、Rk,R’k,R”kの間には所定の関係があるため、シフトレジスタに入力する数値の個数を少なくして、入力しなかった変数の値は演算によって得ることができる。また、Dkをシフトレジスタに入力することも考えられる。
一方、クリップ出力波形のパルス幅の極性Pkについては、kの値が+1されるごとに、交互に+1と−1とを繰り返すため、k=1のときの初期値P1と、kの値が偶数か奇数かによって、Pkの値を知ることができる。これに代えて、極性Pkもシフトレジスタに入力してもよい。
図10(a)は、シフトレジスタの各段に記憶される候補値の系列である。
図10(b)は、パルス幅の硬判定値及び軟判定値の軌跡(トレリス)を示す説明図である。
図示の例では、シフトレジスタの段数を8段とした例である。
新たな硬判定値又は軟判定値は第1段に入力されて保持され、kの値が+1されるごとに、右方向にシフトし、第8段に保持された最も古いパルス幅の硬判定値又は軟判定値は、シフトによって捨てられる。
図示の例は、図3(a)に示した具体的な送信データ系列の場合ではなく、処理を説明するために考えられた例である。
その結果、現在のパルス幅(Zk,Rk)から、7個前のパルス幅に対応する第1,第2の軟判定値(Z’k-7,R’k-7),(Z”k-7,R”k-7)まで、矢印に沿って、8通りのパス(伝送路歪や雑音などがないときの真のパルス幅の計数値がたどった可能性のある系列)がある。この中に、真のパルス幅の整数値がたどった1つの軌跡が含まれていると推定される。
図10の例では、2つの候補値を有する段が3個所あるため、23=8通りのパスができている。従って、一般的には、軟判定の段数に応じてパスの数が異なり、最大28=256通りのパスができる。
S29において、現在の1つ前の受信パルス幅Dk-1が上述した短いパルス幅であるとき、S30に処理を進める。
すなわち、パルス幅のうち、実際にはあり得ないと推定される短いパルス幅(例えば、Dk-1<48、第1の閾値)は、クリップ部までの波形処理によって誤って生成された2回のレベル反転の間を計数したものと推定する。
具体的には、シフトレジスタの2番目の段に保持されている(k-1)番目のパルス幅の硬判定値又は軟判定値、図示の例では硬判定値(Zk-1,Rk-1)について、Zk-1=0である(Dk-1≦16)か否かを判定する。
このS29において、Zk-1=0又はZ’k-1=0でなければ、直ちに最尤系列推定をするため、S32に処理を進める。
すなわち、Dk+Dk-1+Dk-2→Dk-2とおくことにより、短いパルス幅を取り除いて、1つの受信パルス幅を合成する処理を行う。その際、極性Pk-2は変わらない。図7(b)を参照すると、41が短いパルス幅であり、42が合成されるパルス幅である。
具体的には、シフトレジスタに記憶されたパルス幅の硬判定値及び軟判定値を用いて計算する。Dk,Dk-1,Dk-2のそれぞれが、硬判定値(Zk-1)として保持されているか、第1,第2の軟判定値(Z’k-1又はZ”k-1)として保持されているかによって、計算式が異なる。
次に、Dk-2,Dk-1,Dkのそれぞれについて、上述したS23〜S27と同様な丸め処理及び判定処理を行うことにより、再度、硬判定値又は軟判定値を得て、シフトレジスタの第1〜第3段に保持されたk-2,k-1,k番目のパルス幅の硬判定値又は軟判定値を書き替える。
なお、このとき追加入力されたDk又はDk-1についても、短いパルス幅(Dk,Dk-1<48)となる確率はないものとして、このフローチャートでは考慮していない。したがって、S25からS29に処理を進めたとき、S32に処理が進められる。
S32において、シフトレジスタの第8段目に第1の候補Z’k-7及び第2の候補Z”k-7)が保持されているか否かを判定する。
そうであれば、S33に示す最尤系列推定を行い、そうでなければ(唯一の候補Zk-7が保持されていれば)、直ちに、S34に処理を進める。
なお、k=8になるまでは、入力されたパルス幅の個数が少ないため、シフトレジスタの第8段まで判定値がシフトされていないから、S32ではnoと判定する。
S35においては、kの値を+1して、S22に処理を戻す。
図8を参照して説明した判定アルゴリズムでは、受信パルス幅がm=64(送信クロック周期に相当)の整数倍の数値に丸めたとき、その丸め誤差の絶対値が所定の狭い範囲(|Rk|≦)にあるとき、2つの候補(第1,第2の軟判定値)を設けることなく、1つの値を唯一の候補としていた。これは、可能な全通りのパスの総数を制限することにより、最尤系列推定の処理量を削減するためにしたものである。
また、その剰余(丸め誤差)の絶対値の大きさにかかわらず、いつでも、唯一の候補(硬判定値)を与えてもよい。この場合、最尤系列推定を行わない。
これに代えて、S22において、パルス幅の計数値Dk,Dk-1,Dk-2を入力した時点で、Dk-1<48(所定値未満)であるか否かを判定し、そうであれば、Dk+Dk-1+Dk-2→Dk-2とし、引き続き、再度Dk,Dk-1を入力することにより、短いパルス幅を除去した後に、図8に示すS23に処理を進めるようにしてもよい。この場合、S29,S30,S31のステップが不要となる。
本発明の受信装置において用いているパルス幅判定処理は、インパルス(RZ信号)で振幅変調した送信信号を受信する場合に限らない。
送信データを所定周期の送信クロックに同期して、2値の伝送路符号化方式(例えば、NRZ符号、バイフェイズ符号など)により伝送路符号化された矩形波を、ベースバンド信号のままで、又は、振幅変調等によりディジタル変調して送信信号とし、受信装置の側で、受信信号に基づいてNRZ波形を出力すれば、そのNRZ波形のパルス幅を判定するために用いることができる。パルス幅が判定された後は、伝送路符号化方式の変換規則に応じて2値データに変換すれば、送信データを復号することができる。
Claims (4)
- 所定周期の送信クロックに同期して発生するインパルスを2値の送信データによりオンオフして得られたインパルス列で搬送波を振幅変調して伝送路に送信し、該伝送路を経由して受信した信号を包絡線検波し、ローパス・フィルタ及び直流カット・フィルタを通してNRZ波形を得、該NRZ波形のパルス幅に応じて、送信された2値データが単独か又は何個連続しているかを判定するとともに、該NRZ波形のパルス幅の極性に応じて、前記送信された2値データが1,0のいずれであるかを判定することにより、前記2値の送信データを受信する、
ことを特徴とするインパルス伝送方法。 - 請求項1に記載のインパルス伝送方法に用いる受信装置であって、
前記NRZ波形の各パルス幅を、前記送信クロックよりも短周期の受信クロックを用いて計数し、前記NRZ波形の各パルス幅の計数値を出力するとともに、前記NRZ波形のある1つのパルス幅が第1の閾値よりも狭いときは、前後に隣接するパルス幅を含めた3個のパルス幅を1つのパルス幅に置き換えた上で、置き換えた1つのパルス幅の計数値を出力するNRZ波形のパルス幅計数手段と、
該NRZ波形のパルス幅計数手段から出力されるパルス幅の計数値に最も近くかつ送信クロック周期の整数倍となる時間に相当する計数値を、当該パルス幅の真の計数値として出力するパルス幅判定手段と、
該パルス幅判定手段から前記パルス幅の計数値を順次入力し、当該パルス幅の計数値が前記送信クロック周期の何倍に相当するかに応じて、送信された2値データが単独か又は何個連続しているかを判定するとともに、当該パルス幅における前記NRZ波形の極性に応じて、前記送信された2値データが1,0のいずれであるかを判定することにより、前記2値の送信データを判定するデータ判定手段、
を有することを特徴とする受信装置。 - 請求項1に記載のインパルス伝送方法に用いる受信装置であって、
前記NRZ波形の各パルス幅を、前記送信クロックよりも短周期の受信クロックを用いて計数し、前記NRZ波形の各パルス幅の計数値を出力するとともに、前記NRZ波形のある1つのパルス幅が第1の閾値よりも狭いときは、前後に隣接するパルス幅を含めた3個のパルス幅を1つのパルス幅に置き換えた上で、置き換えた1つのパルス幅の計数値を出力するNRZ波形のパルス幅計数手段と、
該NRZ波形のパルス幅計数手段から出力されるパルス幅の計数値に最も近くかつ送信クロック周期の整数倍となる時間に相当する計数値から当該パルス幅の計数値までの差の絶対値が第2の閾値以内であるときは、当該パルス幅の計数値に最も近くかつ前記送信クロック周期の整数倍となる時間に相当する計数値を、当該パルス幅の唯一の候補として出力するとともに、
前記差の絶対値が前記第2の閾値を超えるときは、当該パルス幅の計数値以下で当該パルス幅の計数値に最も近くかつ前記送信クロック周期の整数倍となる時間に相当する計数値を、当該パルス幅の第1の候補とし、当該パルス幅の計数値以上で当該パルス幅の計数値に最も近くかつ前記送信クロック周期の整数倍となる時間に相当する計数値を、当該パルス幅の第2の候補として出力する、パルス幅判定候補出力手段と、
該パルス幅判定候補出力手段から前記パルス幅に対する候補となる計数値を順次入力し、前記パルス幅の複数個からなる有限の区間において最も古いパルス幅を最終判定するものであって、
前記最終判定するパルス幅に対して前記唯一の候補を入力しているときは、該唯一の候補の計数値を前記最終判定するパルス幅の真の計数値であると判定し、
前記最終判定するパルス幅に対して前記第1の候補及び第2の候補を入力しているときは、当該第1の候補及び第2の候補を系列の2つの起点として、前記有限の区間において最も新しいパルス幅に対する候補まで、取り得る候補の全ての系列を設定し、設定された全ての系列のそれぞれについて、前記各候補の計数値から前記NRZ波形のパルス幅計数手段から出力されていた前記各候補に対応する各パルス幅の計数値までの差分値を用いて、該差分値の総和を求め、該総和の絶対値が最も小さい系列における起点となっていた第1の候補又は第2の候補の一方を、前記最終判定するパルス幅の真の計数値であると判定するパルス幅判定手段と、
該パルス幅判定手段から前記パルス幅の最終判定された計数値を順次入力し、当該パルス幅の計数値が前記送信クロック周期の何倍に相当するかに応じて、送信された2値データが単独か又は何個連続しているかを判定するとともに、当該パルス幅における前記NRZ波形の極性を入力して、前記送信された2値データが1,0のいずれであるかを判定することにより、前記2値の送信データを判定するデータ判定手段、
を有することを特徴とする受信装置。 - 請求項1に記載のインパルス伝送方法に用いる受信装置であって、
前記NRZ波形の各パルス幅を、前記送信クロックよりも短周期の受信クロックを用いて計数し、前記NRZ波形の各パルス幅の計数値を出力するとともに、前記NRZ波形のある1つのパルス幅が第1の閾値よりも狭いときは、前後に隣接するパルス幅を含めた3個のパルス幅を1つのパルス幅に置き換えた上で、置き換えた1つのパルス幅の計数値を出力するNRZ波形のパルス幅計数手段と、
該NRZ波形のパルス幅計数手段から出力されるパルス幅の計数値以下で当該パルス幅の計数値に最も近くかつ前記送信クロック周期の整数倍となる時間に相当する計数値を、当該パルス幅の第1の候補とし、当該パルス幅の計数値以上で当該パルス幅の計数値に最も近くかつ前記送信クロック周期の整数倍となる時間に相当する計数値を、当該パルス幅の第2の候補として出力する、パルス幅判定候補出力手段と、
該パルス幅判定候補出力手段から前記パルス幅に対する候補となる計数値を順次入力し、前記パルス幅の複数個からなる有限の区間において最も古いパルス幅を最終判定するものであって、
前記最終判定するパルス幅に対する前記第1の候補及び第2の候補を系列の2つの起点として、前記有限の区間において最も新しいパルス幅に対する候補まで、取り得る候補の全ての系列を設定し、設定された全ての系列のそれぞれについて、前記各候補の計数値から前記NRZ波形のパルス幅計数手段から出力されていた前記各候補に対応する各パルス幅の計数値までの差分値を用いて、該差分値の総和を求め、該総和の絶対値が最も小さい系列における起点となっていた第1の候補又は第2の候補の一方を、前記最終判定するパルス幅の真の計数値であると判定するパルス幅判定手段と、
該パルス幅判定手段から前記パルス幅の最終判定された計数値を順次入力し、当該パルス幅の計数値が前記送信クロック周期の何倍に相当するかに応じて、送信された2値データが単独か又は何個連続しているかを判定するとともに、当該パルス幅における前記NRZ波形の極性を入力して、前記送信された2値データが1,0のいずれであるかを判定することにより、前記2値の送信データを判定するデータ判定手段、
を有することを特徴とする受信装置。
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Patent Citations (5)
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