JP4564828B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
以上のような高湿環境による画像形成装置内の部品の低抵抗化による不具合の他に、画像形成装置内のゴム部材の特性値(硬度、ヤング率等)の変化によって、画像に不具合を生じる場合もある。例えば、ゴム部材で形成されるクリーニングブレードの特性値が変化して、感光体上の残留トナーを良好に除去することができずに、虫くい画像などを生じる場合がある。また、現像剤の電荷量が変化したり、流動特性が変化したりして、現像性能を低下させる不具合を生じる場合がある。
上記除湿手段に用いられるペルチェ素子は、2種類の異なる金属または半導体の接合部に電流を流すと、一方の金属(半導体)から他方の金属(半導体)へ熱が移動するという「ペルチェ効果」を利用した冷却素子である。熱が奪われる側の金属表面が冷却面となり、熱を奪う側の金属表面が放熱面となる。このため、ペルチェ素子を用いた除湿手段においては、プラスティックなどの樹脂からなるダクトの壁面の一部をペルチェ素子の冷却面で構成する除湿経路と、プラスティックなどの樹脂からなるダクトの壁面の一部をペルチェ素子の放熱面で構成する放熱経路とが形成される。放熱経路においては、放熱面が高温になることを抑制するために放熱ファンを設けて、放熱面によって熱せられた空気を除去している。このように、放熱面によって熱せられた空気を除去することで、放熱面の熱が空気へ移動しやすくなり、放熱面が異常に高温となるのを防止している。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記除湿手段で除湿した空気は、画像形成部へ供給することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記除湿手段で除湿した空気は、上記画像形成部の感光体周辺に供給することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2または3の画像形成装置において、上記画像形成部を内部が閉空間とされたケース内部に収納し、上記除湿手段で除湿した空気を該ケース内部に供給することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、上記本体内部に用紙搬送部と、用紙収納部とを備え、上記除湿手段で除湿した空気を該用紙搬送部および/または該用紙収納部に供給することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかの画像形成装置において、上記画像形成部を複数備え、該複数の画像形成部でそれぞれ異なる色のトナー画像を作像して、該トナー画像を転写体に重ね合わせてカラー画像を形成するものであって、該複数の画像形成部それぞれに上記除湿手段で除湿した空気を供給することを特徴とするものである。
図1は、本発明を適用する画像形成装置としての複写機の一例を示す概略構成図である。図1において、符号100は複写機本体であり、符号200はそれを載せる給紙テーブルであり、符号300は複写機本体100上に取り付けるスキャナであり、符号400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。この複写機は、タンデム型で中間転写(間接転写)方式を採用する電子写真複写機である。
この原稿読取りに並行して、図示しない駆動源である駆動モータで駆動ローラ16を回転駆動させる。これにより、中間転写ベルト10が図中時計回り方向に移動するとともに、この移動に伴って残り2つの支持ローラ(従動ローラ)14,15が連れ回り回転する。また、これと同時に、個々の画像形成部18において潜像担持体としての感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kを回転させ、各感光体ドラム上に、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の色別情報を用いてそれぞれ露光現像し、単色のトナー画像(顕像)を形成する。そして、各感光体ドラム40Y,40M,40C,40K上のトナー画像を中間転写ベルト10上に互いに重なり合うように順次転写して、中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
なお、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルトクリーニング装置17で、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成部20による再度の画像形成に備える。ここで、レジストローラ49は一般的には接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
ペルチェ素子122の冷却面には、冷却フィン123が取り付けられており、この冷却フィン123の周りの空気が結露点以下にまで冷やされて、空気中の水分が結露することで空気が除湿される。
また、ペルチェ素子122の放熱面には、放熱フィン132が取り付けられており、この放熱フィン132に周りの空気が暖められることで、放熱面の熱を効率よく放熱している。
本実施形態の除湿装置110においては、排熱気流経路の壁面および下面を覆うように設けて、吸収拡散部材140の表面積を大きくしている。このように、吸水拡散部材140の表面積を大きくすることで、吸収拡散部材140に吸収された結露水の蒸発性能を高めることができる。また、冷却フィン123の結露水を吸水拡散部材140で吸収して、この吸収した結露水を放熱部130から生じる熱によって蒸発させている。このような構成とすることで、従来のように結露水を貯めるタンク等を設ける必要がなく、振動や傾きによる水漏れを防ぐことができる。また、水の貯まったタンクを定期的に交換する必要がなく、メンテナンス性を向上することができる。さらに、タンクなどを配置しなくても良いので、省スペース化を図ることができる。
また、図5に示すように画像形成部18には、湿度検出手段170を備えており、画像形成部18の湿度を検出している。
除湿モードが選択されている場合、図5に示すように、画像形成部18に設けられた湿度検出手段で画像形成部18の湿度を検出する。湿度検出手段の検出結果が60%以上の湿度を検出したら、ペルチェ素子122へ電流の供給を開始する。すると、ペルチェ素子122の冷却面によって冷却フィン123が冷やされる。この冷やされた冷却フィン123の周りの空気が結露点以下にまで冷やされて、空気中の水分が結露することで空気が除湿される。この除湿された空気が画像形成部18に流入して、画像形成部18の湿度を降下させる。一方、放熱部130においては、放熱フィン132により周りの空気を効率よく暖めることで、ペルチェ素子122の放熱面の熱を効率よく除去している。放熱フィン132により暖められた空気は、放熱ファン131により、外部に排出される。
画像形成部18に設けられた湿度検出手段170が60%以下となったら、ペルチェ素子122への電流供給を停止する。ペルチェ素子122の電流供給が停止しても、吸入ファン121は、回転し続け、外気を画像形成部18に搬送し、画像形成部18が高温となることを防いでいる。
排熱ファン131がロックしてしまうと放熱部130の空気が放出されないため、放熱部内の温度が上昇する。すると、放熱フィン132から空気への熱移動の効率が悪くなり、ペルチェ素子122の放熱面が異常に高温となる。その結果、冷却面から放熱面への熱移動が行われず、冷却面が十分冷却されなくなってしまう。これにより、除湿部120で空気の除湿が十分行われず、ペルチェ素子122に電流を供給する意味がなくなってしまう。また、ペルチェ素子の放熱面の熱により、樹脂などで形成された上部ケースや、除湿気流経路と排熱気流経路とを仕切る壁面が変形してしまう危険がある。さらに、放熱部132の熱により、画像形成装置内が高温となり、ローラの径などが変動して良好な画像を形成することができないなどの不具合が生じる。
そこで、排熱ファン131がロックしているか否かをチェックし、ロックしている場合は、ペルチェ素子122への電流供給をストップするようにしている。これにより、ペルチェ素子122の放熱面が異常高温となることがなくなる。
また、排熱ファン131がロックしてペルチェ素子122への電流供給を停止した場合、画像形成装置内の制御部で、除湿モードから通常動作モードに切り替えて画像形成は、行えるようにする。このとき、画像形成装置の表示部に、放熱ファンが異常であることを警告表示するとともに、通常モードで画像形成を実行できる旨を表示する。これにより、サービスマンが修理に来るまで、画像形成装置を使用できず、ユーザに業務に支障をきたすなどの不具合が生じることがない。
また、排熱ファン131のロック検知は、上述に限られず、光学センサを用いても検知可能である。この場合は、排熱ファン131の羽根と対向する位置に受光素子を配置し、この受光素子と反対の排熱ファン131の羽根と対向する位置に発光素子を設ける。そして、発光素子の光を受光素子が検知すると、受光素子は、パルス信号を発する。画像形成装置内の制御部は、このパルス信号の間隔を監視して、一定間隔でパルス信号が検知されない状態のときに、排熱ファン131がロックしたと判断して、ペルチェ素子121への電流の供給を停止する。
以上、本実施形態の画像形成装置によれば、放熱ファンの動作が異常であることを検知する検知手段を備えることで、放熱ファンの動作異常を検知したときは、放熱ファンにより放熱面によって熱せられた空気が排出されないような状態であるので、ペルチェ素子が異常高温となることを間接的に判断することができる。これにより、ペルチェ素子の動作を停止するなどペルチェ素子の放熱面が異常に高温とならない対策を施すことができる。
(2)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、放熱ファンの動作異常を検知したときは、ペルチェ素子の動作を停止している。これにより、放熱ファンが故障などの動作不良により、放熱面によって熱せられた空気が排出されないような状態のとき、ペルチェ素子の動作を停止するので、放熱面が異常に高温となることがない。その結果、プラスティックなどの樹脂で形成された除湿経路や放熱経路がペルチェ素子の異常高温によって、変形することが抑制される。
(3)
また、除湿装置が使用できない場合は、画質が悪くなるのでサービスマンが修理を行うまで画像形成装置の使用を禁止することも考えられる。しかしながら、サービスマンが修理を行うまでの間、画像形成装置が利用できなくなり、ユーザの業務に支障をきたす場合がある。そこで、本実施形態の画像形成装置によれば、放熱ファンの動作が異常であると検知したとき、除湿装置を動作させて装置内の湿度を60%以下に保って画像形成を行う動作モード(除湿モード)から除湿装置を動作させずに画像形成を行う動作モード(通常モード)に切り替える。これにより、放熱ファンが故障して除湿装置が利用できない状態であっても、画像形成を行うことができ、ユーザの業務に支障をきたすことを抑制することができる。
(4)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、除湿装置で除湿した空気を、感光体、現像装置、クリーニング装置、帯電装置などの画像形成部へ供給する。これにより、高湿環境で発生する画像形成部の不具合を抑制でき、良好な画像を維持することができる。
(5)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、除湿装置で除湿した空気を、感光体周辺に供給する。これにより、感光体の周りが除湿され、感光体の抵抗値の低下を抑制することができる。その結果、帯電手段で感光体表面に良好な潜像が形成され、画像ボケなどの不具合を抑制することができる。
(6)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、感光体、現像装置、クリーニング装置、帯電装置などの画像形成部を内部が閉空間とされたケース内部に収納し、上記除湿装置で除湿した空気を該ケース内部に供給する。これにより、除湿した空気が拡散することなく、画像形成部のみを効率をよく除湿することができる。
(7)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、除湿装置で除湿した空気を用紙搬送部および/または用紙収納部に供給する。除湿した空気を用紙搬送部へ送ることで、用紙とのスリップを抑制するためにゴムで形成された用紙搬送ローラが、湿気によって特性が変動するのを抑制することができ、安定的に用紙を搬送することができる。また、用紙収納部に除湿した空気を供給して用紙の除湿を行うことで、湿気によって用紙の抵抗値が下がり、転写電流がリークして、転写不良が発生するのを抑制することができる。
(8)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、複数の画像形成部それぞれに除湿装置で除湿した空気を供給している。これにより、各画像形成部での湿気による変動を抑制することができ、各画像形成部で形成されるトナー像の差違を無くすことができ、色ずれなどの不具合を抑制することができる。
120 除湿部
122 ペルチェ素子
130 放熱部
131 放熱ファン
140 吸収拡散部材
170 湿度検出手段
Claims (6)
- 装置内部の空気を除湿する除湿手段を備えた画像形成装置において、
該除湿手段は、冷却面と放熱面とを備えたペルチェ素子と、該ペルチェ素子の冷却面に装置内部または装置外部の空気を供給し、該冷却面で装置内部または装置外部の空気を結露点以下に冷却して除湿を行い、該除湿した空気を本体内部に供給する除湿経路と、放熱ファンを備え該ペルチェ素子の放熱面によって熱せられた空気を該放熱ファンによって本体外部へ排出する放熱経路とを有しており、
該放熱ファンのロック状態を検知する検知手段と、
該検知手段が、該放熱ファンのロック状態を検知したとき、上記除湿手段を動作させて装置内部を所定値以下の湿度に保って画像形成を行う動作モードから、上記除湿手段を動作させずに画像形成を行う動作モードに切り替えるよう制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記除湿手段で除湿した空気は、画像形成部へ供給することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2の画像形成装置において、
上記除湿手段で除湿した空気は、上記画像形成部の感光体周辺に供給することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2または3の画像形成装置において、
上記画像形成部を内部が閉空間とされたケース内部に収納し、上記除湿手段で除湿した空気を該ケース内部に供給することを特徴とする。 - 請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、
上記本体内部に用紙搬送部と、用紙収納部とを備え、上記除湿手段で除湿した空気を該用紙搬送部および/または該用紙収納部に供給することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至5いずれかのの画像形成装置において、
上記画像形成部を複数備え、該複数の画像形成部でそれぞれ異なる色のトナー画像を作像して、該トナー画像を転写体に重ね合わせてカラー画像を形成するものであって、該複数の画像形成部それぞれに上記除湿手段で除湿した空気を供給することを特徴とする画像形成装置。
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