JP4564828B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、本体内部の空気を除湿する除湿手段を備えた画像形成装置に関するものである。
従来から、高湿環境下で画像形成を行うと、帯電や現像、転写などの画像形成プロセスにおいて、種々の問題が発生し、良好な画像が得られないことが知られている。例えば、高湿の影響によって、感光体表面の抵抗値が低くなり、帯電手段で良好な潜像が形成できずに画像ボケを生じる場合がある。また、湿気によって用紙や中間転写ベルトの抵抗値が下がって、感光体のトナー像を上記用紙や中間転写ベルトに転写するための転写電流が用紙などにリークし、濃度ムラなどの不具合を生じる場合がある。
以上のような高湿環境による画像形成装置内の部品の低抵抗化による不具合の他に、画像形成装置内のゴム部材の特性値(硬度、ヤング率等)の変化によって、画像に不具合を生じる場合もある。例えば、ゴム部材で形成されるクリーニングブレードの特性値が変化して、感光体上の残留トナーを良好に除去することができずに、虫くい画像などを生じる場合がある。また、現像剤の電荷量が変化したり、流動特性が変化したりして、現像性能を低下させる不具合を生じる場合がある。
特許文献1や2には、画像形成装置内の除湿を行う除湿手段を設けた画像形成装置が提案されている。この画像形成装置によれば、ペルチェ素子を用いて画像形成装置内に吸入された空気を結露点以下にまで冷やす。すると、空気中の水分が結露し空気が除湿される。この除湿した空気を画像形成装置内部に搬送して、画像形成内部を除湿する。このように、画像形成装置内部を除湿することで、装置内部の部材の特性値の変動を抑制でき、安定した画像を得ることができる。
上記除湿手段に用いられるペルチェ素子は、2種類の異なる金属または半導体の接合部に電流を流すと、一方の金属(半導体)から他方の金属(半導体)へ熱が移動するという「ペルチェ効果」を利用した冷却素子である。熱が奪われる側の金属表面が冷却面となり、熱を奪う側の金属表面が放熱面となる。このため、ペルチェ素子を用いた除湿手段においては、プラスティックなどの樹脂からなるダクトの壁面の一部をペルチェ素子の冷却面で構成する除湿経路と、プラスティックなどの樹脂からなるダクトの壁面の一部をペルチェ素子の放熱面で構成する放熱経路とが形成される。放熱経路においては、放熱面が高温になることを抑制するために放熱ファンを設けて、放熱面によって熱せられた空気を除去している。このように、放熱面によって熱せられた空気を除去することで、放熱面の熱が空気へ移動しやすくなり、放熱面が異常に高温となるのを防止している。
特開平6−83155号公報 特開2004−29397号公報
しかしながら、放熱ファンの寿命や故障により、放熱ファンが停止してしまう場合がある。放熱ファンが停止した状態でペルチェ素子を使用し続けると、放熱面によって熱せられた空気が排出されなくなってしまう。その結果、ペルチェ素子の放熱面の熱が空気へ移動し難くなり、放熱面が異常高温となってしまう。ペルチェ素子の放熱面が異常に高温となると、プラスティックなどの樹脂で形成された放熱経路を構成するダクト等が上記ペルチェ素子の放熱面の熱で変形してしまう不具合が生じてしまう。
本発明は、上記不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、放熱ファンが停止することで、ペルチェ素子の放熱面が異常に高温となることを防止する画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、装置内部の空気を除湿する除湿手段を備えた画像形成装置において、該除湿手段は、冷却面と放熱面とを備えたペルチェ素子と、該ペルチェ素子の冷却面に装置内部または装置外部の空気を供給し、該冷却面で装置内部または装置外部の空気を結露点以下に冷却して除湿を行い、該除湿した空気を本体内部に供給する除湿経路と、放熱ファンを備え該ペルチェ素子の放熱面によって熱せられた空気を該放熱ファンによって本体外部へ排出する放熱経路とを有しており、該放熱ファンのロック状態を検知する検知手段と、該検知手段が、該放熱ファンのロック状態を検知したとき、上記除湿手段を動作させて装置内部を所定値以下の湿度に保って画像形成を行う動作モードから、上記除湿手段を動作させずに画像形成を行う動作モードに切り替えるよう制御する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は請求項1の画像形成装置において、上記除湿手段で除湿した空気は、画像形成部へ供給することを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項の画像形成装置において、上記除湿手段で除湿した空気は、上記画像形成部の感光体周辺に供給することを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項またはの画像形成装置において、上記画像形成部を内部が閉空間とされたケース内部に収納し、上記除湿手段で除湿した空気を該ケース内部に供給することを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至いずれかの画像形成装置において、上記本体内部に用紙搬送部と、用紙収納部とを備え、上記除湿手段で除湿した空気を該用紙搬送部および/または該用紙収納部に供給することを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至いずれかの画像形成装置において、上記画像形成部を複数備え、該複数の画像形成部でそれぞれ異なる色のトナー画像を作像して、該トナー画像を転写体に重ね合わせてカラー画像を形成するものであって、該複数の画像形成部それぞれに上記除湿手段で除湿した空気を供給することを特徴とするものである。
発明によれば、放熱ファンの動作が異常であることを検知する検知手段を備えることで、放熱ファンの動作異常を検知したときは、放熱ファンにより放熱面によって熱せられた空気が排出されないような状態であるので、ペルチェ素子が異常高温となることを間接的に判断することができる。これにより、ペルチェ素子の動作を停止するなどペルチェ素子の放熱面が異常に高温とならない対策を施すことができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明を適用する画像形成装置としての複写機の一例を示す概略構成図である。図1において、符号100は複写機本体であり、符号200はそれを載せる給紙テーブルであり、符号300は複写機本体100上に取り付けるスキャナであり、符号400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。この複写機は、タンデム型で中間転写(間接転写)方式を採用する電子写真複写機である。
複写機本体100には、その中央に、像担持体としての中間転写体であるベルトからなる中間転写ベルト10が設けられている。この中間転写ベルト10は、3つの支持回転体としての支持ローラ14,15,16に掛け渡されており、図中時計回り方向に回転移動する。これらの3つの支持ローラのうちの第2支持ローラ15の図中左側には、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去する中間転写ベルトクリーニング装置17が設けられている。また、3つの支持ローラのうちの第1支持ローラ14と第2支持ローラ15との間に張り渡したベルト部分には、そのベルト移動方向に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成部18が並べて配置されたタンデム画像形成部20が対向配置されている。本実施形態においては、第2支持ローラ15を駆動ローラとしている。また、タンデム画像形成部20の上方には、潜像形成手段としての露光装置21が設けられている。
また、中間転写ベルト10を挟んでタンデム画像形成部20の反対側には、第2の転写手段としての2次転写装置22が設けられている。この2次転写装置22においては、2つのローラ23間に記録材搬送部材としてのベルトである2次転写ベルト24が掛け渡されている。この2次転写ベルト24は、中間転写ベルト10を介して第3支持ローラ16に押し当てられるように設けられている。この2次転写装置22により、中間転写ベルト10上の画像を記録材であるシートに転写する。また、この2次転写装置22の図中左方には、シート上に転写された画像を定着する定着装置25が設けられている。この定着装置25は、ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27が押し当てられた構成となっている。上述した2次転写装置22には、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備わっている。もちろん、2次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて持たせることが難しくなる。また、本実施形態では、このような2次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成部20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28も設けられている。
上記複写機を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。その後、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動する。他方、コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動する。次いで、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
この原稿読取りに並行して、図示しない駆動源である駆動モータで駆動ローラ16を回転駆動させる。これにより、中間転写ベルト10が図中時計回り方向に移動するとともに、この移動に伴って残り2つの支持ローラ(従動ローラ)14,15が連れ回り回転する。また、これと同時に、個々の画像形成部18において潜像担持体としての感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kを回転させ、各感光体ドラム上に、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の色別情報を用いてそれぞれ露光現像し、単色のトナー画像(顕像)を形成する。そして、各感光体ドラム40Y,40M,40C,40K上のトナー画像を中間転写ベルト10上に互いに重なり合うように順次転写して、中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
このような画像形成に並行して、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を転写する。画像転写後のシートは、2次転写ベルト24で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
なお、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルトクリーニング装置17で、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成部20による再度の画像形成に備える。ここで、レジストローラ49は一般的には接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
この複写機を用いて、黒のモノクロコピーをとることもできる。その場合には、図示しない手段により、中間転写ベルト10を感光体ドラム40Y,40M,40Cから離れるようにする。これらの感光体ドラム40Y,40M,40Cは、一時的に駆動を止めておく。黒用の感光体ドラム40Kのみが中間転写ベルト10に接触させ、画像の形成と転写を行う。
次に、除湿手段としての除湿装置について説明する。図2は、除湿装置110の斜視図であり、図2(a)は、上部ケースを取り付けた状態を示す図であり、図2(b)は、上部ケース111を取り外した状態を示す図である。図3は、除湿装置の断面図である。図3に示すように、除湿装置111には、排熱気流経路と除湿気流経路とが隣り合って設けられている。排熱気流経路は、排熱部130を備えており、排熱部130から発した熱を排熱ファン131により外部へ排出している。除湿気流経路は、除湿部120を備えており、除湿部120で除湿された空気を各画像形成ユニットに連結された気流経路へ排出している。図2(a)に示すように、除湿部120から気流経路までの除湿気流経路の壁面は、断熱部材112に覆われている。また、除湿気流経路および排熱気流経路の外気吸入口には、防塵フィルタ113が設けられており、空気中のホコリやゴミなどが各気流経路に流入するのを防いでいる。また、除湿気流経路内の吸入口近傍には、外気を除湿気流経路内へ吸入する吸入ファン131を設けている。
上記除湿部120には、電子冷却素子のペルチェ素子121を使用している。ペルチェ素子122は、2種類の異なる金属または半導体の接合部に電流を流すと、一方の金属(半導体)から他方の金属(半導体)へ熱が移動するという「ペルチェ効果」を利用している。このため、熱が奪われる側の金属表面が冷却面となり、熱を奪う側の金属表面が放熱面となる。ペルチェ素子122は、排熱気流経路と除湿気流経路との間に設けられており、冷却面が除湿経路気流側に向いており、放熱面が排熱気流経路側を向いている。
ペルチェ素子122の冷却面には、冷却フィン123が取り付けられており、この冷却フィン123の周りの空気が結露点以下にまで冷やされて、空気中の水分が結露することで空気が除湿される。
また、ペルチェ素子122の放熱面には、放熱フィン132が取り付けられており、この放熱フィン132に周りの空気が暖められることで、放熱面の熱を効率よく放熱している。
また、除湿装置110には、除湿部120に結露した水を吸収して、拡散することのできる吸収拡散部材140が設けられている。図4は、除湿装置内の吸収拡散部材140を示す図である。図に示すように吸水拡散部材140は、排熱気流経路の壁面および下面を覆うように設けられている。また、吸水拡散部材140の一部が除湿部120の下面へ伸びており、冷却フィン123に付着した結露水を受け止める受け部141を有している。吸水拡散部材は、繊維を板状に固めたものを使用しており、繊維と繊維の間に微小な隙間を有している。吸収拡散部材140の受け部141に受け止められた結露水は、毛細管現象により、排熱気流経路側へ拡散する。排熱気流経路側へ拡散した吸収拡散部材中の結露水は、放熱部130の熱により、蒸発する。また、吸水拡散部材140の一部Aは、排熱ファン131と対向するように設けている。このため、吸水拡散部材140の一部Aでは、放熱フィン132によって暖められた温風が直接当たり、この部分の蒸発性能を向上させている。
本実施形態の除湿装置110においては、排熱気流経路の壁面および下面を覆うように設けて、吸収拡散部材140の表面積を大きくしている。このように、吸水拡散部材140の表面積を大きくすることで、吸収拡散部材140に吸収された結露水の蒸発性能を高めることができる。また、冷却フィン123の結露水を吸水拡散部材140で吸収して、この吸収した結露水を放熱部130から生じる熱によって蒸発させている。このような構成とすることで、従来のように結露水を貯めるタンク等を設ける必要がなく、振動や傾きによる水漏れを防ぐことができる。また、水の貯まったタンクを定期的に交換する必要がなく、メンテナンス性を向上することができる。さらに、タンクなどを配置しなくても良いので、省スペース化を図ることができる。
図5は、画像形成装置内の除湿された空気経路の概略図である。図5に示すように、除湿装置110に吸入された空気は、除湿部120で除湿される。除湿された空気は、図2(a)に示す、上部ケース111に設けられた除湿供給口114から気流経路150を通って画像形成装置内の画像形成部18へ流入する。画像形成部18に流入した空気は、排気経路160へ移動して、排気口から排出される。気流経路から搬送される除湿された空気は、画像形成部18内の感光体周辺に吹き込むようにするのが好ましい。
また、図5に示すように画像形成部18には、湿度検出手段170を備えており、画像形成部18の湿度を検出している。
次に、画像形成装置の除湿動作について説明する。画像形成装置には、除湿モードが選択できるボタンがついており、サービスマンが画像形成装置の設置環境に基づいて除湿モードにするか否かを選択している。除湿モードが選択される設置環境は、例えば、高温や多湿の環境である。
除湿モードが選択されている場合、図5に示すように、画像形成部18に設けられた湿度検出手段で画像形成部18の湿度を検出する。湿度検出手段の検出結果が60%以上の湿度を検出したら、ペルチェ素子122へ電流の供給を開始する。すると、ペルチェ素子122の冷却面によって冷却フィン123が冷やされる。この冷やされた冷却フィン123の周りの空気が結露点以下にまで冷やされて、空気中の水分が結露することで空気が除湿される。この除湿された空気が画像形成部18に流入して、画像形成部18の湿度を降下させる。一方、放熱部130においては、放熱フィン132により周りの空気を効率よく暖めることで、ペルチェ素子122の放熱面の熱を効率よく除去している。放熱フィン132により暖められた空気は、放熱ファン131により、外部に排出される。
画像形成部18に設けられた湿度検出手段170が60%以下となったら、ペルチェ素子122への電流供給を停止する。ペルチェ素子122の電流供給が停止しても、吸入ファン121は、回転し続け、外気を画像形成部18に搬送し、画像形成部18が高温となることを防いでいる。
除湿装置110の排熱ファン131には、ロック検出部を備えており、排熱ファン131が故障や異物が挟まる等によって、排熱ファン131がロックしているか否かをチェックしている。
排熱ファン131がロックしてしまうと放熱部130の空気が放出されないため、放熱部内の温度が上昇する。すると、放熱フィン132から空気への熱移動の効率が悪くなり、ペルチェ素子122の放熱面が異常に高温となる。その結果、冷却面から放熱面への熱移動が行われず、冷却面が十分冷却されなくなってしまう。これにより、除湿部120で空気の除湿が十分行われず、ペルチェ素子122に電流を供給する意味がなくなってしまう。また、ペルチェ素子の放熱面の熱により、樹脂などで形成された上部ケースや、除湿気流経路と排熱気流経路とを仕切る壁面が変形してしまう危険がある。さらに、放熱部132の熱により、画像形成装置内が高温となり、ローラの径などが変動して良好な画像を形成することができないなどの不具合が生じる。
そこで、排熱ファン131がロックしているか否かをチェックし、ロックしている場合は、ペルチェ素子122への電流供給をストップするようにしている。これにより、ペルチェ素子122の放熱面が異常高温となることがなくなる。
また、排熱ファン131がロックしてペルチェ素子122への電流供給を停止した場合、画像形成装置内の制御部で、除湿モードから通常動作モードに切り替えて画像形成は、行えるようにする。このとき、画像形成装置の表示部に、放熱ファンが異常であることを警告表示するとともに、通常モードで画像形成を実行できる旨を表示する。これにより、サービスマンが修理に来るまで、画像形成装置を使用できず、ユーザに業務に支障をきたすなどの不具合が生じることがない。
排熱ファン131のロック検知は、例えば、排熱ファン131の回転トルクを検知したり、排熱ファン131の羽根に磁性部材を貼り付けて、磁気センサで上記磁性部材を検知したりすることで、排熱ファン131のロック状態を検知する。上記、回転トルクから、排熱ファンのロックを検知する場合は、画像形成装置内の制御部で回転トルクを監視し、回転トルクが一定の値以上となったとき、ペルチェ素子への電流の供給を停止する。また、磁気センサで行う場合は、画像形成装置内の制御部で、磁気センサが磁性部材を検知したときに発するパルス信号を監視し、パルス信号が一定の間隔で検知されなくなったときに、ペルチェ素子の電流の供給を停止する。
また、排熱ファン131のロック検知は、上述に限られず、光学センサを用いても検知可能である。この場合は、排熱ファン131の羽根と対向する位置に受光素子を配置し、この受光素子と反対の排熱ファン131の羽根と対向する位置に発光素子を設ける。そして、発光素子の光を受光素子が検知すると、受光素子は、パルス信号を発する。画像形成装置内の制御部は、このパルス信号の間隔を監視して、一定間隔でパルス信号が検知されない状態のときに、排熱ファン131がロックしたと判断して、ペルチェ素子121への電流の供給を停止する。
また、図6に示すように、画像形成部18をケース180で覆い、このケース内に除湿した空気を送るようにしても良い。このように、ケース内部の閉空間に除湿した空気を送るため、除湿した空気の拡散を抑制でき、効率的に画像形成部18の除湿を行うことができる。また、このケース180を画像形成装置から着脱可能に構成し、プロセスカートリッジとしても良い。
また、上記においては、除湿した空気を画像形成部18にのみ送っているが、これに限られない。例えば、図7に示す除湿した空気を搬送する気流経路150を用紙搬送部や、給紙トレイに延ばして、用紙に除湿した空気を供給するようにしても良い。このように、気流経路を用紙搬送部にまで伸ばし、用紙周辺の空気を除湿することにより、用紙搬送部の搬送ローラのゴム部材が湿気によって変化して、用紙を安定して搬送できなくなるを抑制することができる。また、用紙の湿気によって用紙の抵抗値が低くなり、転写電流がリークすることを抑制し、濃度ムラなどの画像不良を抑制することができる。
(1)
以上、本実施形態の画像形成装置によれば、放熱ファンの動作が異常であることを検知する検知手段を備えることで、放熱ファンの動作異常を検知したときは、放熱ファンにより放熱面によって熱せられた空気が排出されないような状態であるので、ペルチェ素子が異常高温となることを間接的に判断することができる。これにより、ペルチェ素子の動作を停止するなどペルチェ素子の放熱面が異常に高温とならない対策を施すことができる。
(2)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、放熱ファンの動作異常を検知したときは、ペルチェ素子の動作を停止している。これにより、放熱ファンが故障などの動作不良により、放熱面によって熱せられた空気が排出されないような状態のとき、ペルチェ素子の動作を停止するので、放熱面が異常に高温となることがない。その結果、プラスティックなどの樹脂で形成された除湿経路や放熱経路がペルチェ素子の異常高温によって、変形することが抑制される。
(3)
また、除湿装置が使用できない場合は、画質が悪くなるのでサービスマンが修理を行うまで画像形成装置の使用を禁止することも考えられる。しかしながら、サービスマンが修理を行うまでの間、画像形成装置が利用できなくなり、ユーザの業務に支障をきたす場合がある。そこで、本実施形態の画像形成装置によれば、放熱ファンの動作が異常であると検知したとき、除湿装置を動作させて装置内の湿度を60%以下に保って画像形成を行う動作モード(除湿モード)から除湿装置を動作させずに画像形成を行う動作モード(通常モード)に切り替える。これにより、放熱ファンが故障して除湿装置が利用できない状態であっても、画像形成を行うことができ、ユーザの業務に支障をきたすことを抑制することができる。
(4)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、除湿装置で除湿した空気を、感光体、現像装置、クリーニング装置、帯電装置などの画像形成部へ供給する。これにより、高湿環境で発生する画像形成部の不具合を抑制でき、良好な画像を維持することができる。
(5)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、除湿装置で除湿した空気を、感光体周辺に供給する。これにより、感光体の周りが除湿され、感光体の抵抗値の低下を抑制することができる。その結果、帯電手段で感光体表面に良好な潜像が形成され、画像ボケなどの不具合を抑制することができる。
(6)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、感光体、現像装置、クリーニング装置、帯電装置などの画像形成部を内部が閉空間とされたケース内部に収納し、上記除湿装置で除湿した空気を該ケース内部に供給する。これにより、除湿した空気が拡散することなく、画像形成部のみを効率をよく除湿することができる。
(7)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、除湿装置で除湿した空気を用紙搬送部および/または用紙収納部に供給する。除湿した空気を用紙搬送部へ送ることで、用紙とのスリップを抑制するためにゴムで形成された用紙搬送ローラが、湿気によって特性が変動するのを抑制することができ、安定的に用紙を搬送することができる。また、用紙収納部に除湿した空気を供給して用紙の除湿を行うことで、湿気によって用紙の抵抗値が下がり、転写電流がリークして、転写不良が発生するのを抑制することができる。
(8)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、複数の画像形成部それぞれに除湿装置で除湿した空気を供給している。これにより、各画像形成部での湿気による変動を抑制することができ、各画像形成部で形成されるトナー像の差違を無くすことができ、色ずれなどの不具合を抑制することができる。
実施形態に係る画像形成装置全体の概略構成図。 (a)は、上部ケースを取り付けた状態の除湿装置を示す概略斜視図であり、(b)は、上部ケースろ取り外した状態の除湿装置を示す概略斜視図。 除湿装置の概略断面図。 (a)は、除湿装置内における吸収拡散部材を示す概略断面図であり、(b)は、除湿装置内における吸収拡散部材を示す概略斜視図。 画像形成装置内の除湿された空気経路を示す概略図。 画像形成部をケースで覆った状態を示す概略構成図。 気流経路を紙搬送部および用紙トレイに延ばした状態を示す図。
符号の説明
110 除湿装置
120 除湿部
122 ペルチェ素子
130 放熱部
131 放熱ファン
140 吸収拡散部材
170 湿度検出手段

Claims (6)

  1. 装置内部の空気を除湿する除湿手段を備えた画像形成装置において、
    該除湿手段は、冷却面と放熱面とを備えたペルチェ素子と、該ペルチェ素子の冷却面に装置内部または装置外部の空気を供給し、該冷却面で装置内部または装置外部の空気を結露点以下に冷却して除湿を行い、該除湿した空気を本体内部に供給する除湿経路と、放熱ファンを備え該ペルチェ素子の放熱面によって熱せられた空気を該放熱ファンによって本体外部へ排出する放熱経路とを有しており、
    該放熱ファンのロック状態を検知する検知手段と、
    該検知手段が、該放熱ファンのロック状態を検知したとき、上記除湿手段を動作させて装置内部を所定値以下の湿度に保って画像形成を行う動作モードから、上記除湿手段を動作させずに画像形成を行う動作モードに切り替えるよう制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置
  2. 求項1の画像形成装置において、
    上記除湿手段で除湿した空気は、画像形成部へ供給することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項の画像形成装置において、
    上記除湿手段で除湿した空気は、上記画像形成部の感光体周辺に供給することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項2または3の画像形成装置において、
    上記画像形成部を内部が閉空間とされたケース内部に収納し、上記除湿手段で除湿した空気を該ケース内部に供給することを特徴とする。
  5. 請求項1乃至いずれかの画像形成装置において、
    上記本体内部に用紙搬送部と、用紙収納部とを備え、上記除湿手段で除湿した空気を該用紙搬送部および/または該用紙収納部に供給することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至いずれかのの画像形成装置において、
    上記画像形成部を複数備え、該複数の画像形成部でそれぞれ異なる色のトナー画像を作像して、該トナー画像を転写体に重ね合わせてカラー画像を形成するものであって、該複数の画像形成部それぞれに上記除湿手段で除湿した空気を供給することを特徴とする画像形成装置。
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