JP4564238B2 - 非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水電解質二次電池の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、非水電解質二次電池は、高エネルギー密度を有する他、作動電圧範囲が広く、小型・軽量であるという点から携帯用電子機器の電源として注目されている。最近、なかでも角形非水電解質二次電池の需要が伸びており、小型・軽量化の要求化が進む一方、電池の形状から外装缶の膨れが問題となっている。さらに軽量化を重視して外装缶にアルミニウムやアルミニウム合金等を用いた場合、外装缶の膨れはより顕著になるという問題点があった。
【0003】
特開平11−26020号公報の段落(0006)には、負極に含まれる微量水分の分解等により一次充電において発生した初期ガスを、高温維持工程で正極に吸収させることによって、極板間に残存している初期ガスを早期に取り除き、実使用における充放電反応を均一にし、電池容量の安定化を図り、負極表面へのリチウム析出を抑制することが記載されている。また、この公報には、高温維持工程の温度が高いほど、正極における初期ガスの吸収反応が速くなることが記載されている。
【0004】
しかしながら、近年では電池の高容量化に伴い活物質量を増加させているため、水素ガス発生量が増加傾向にあるにもかかわらず、電池内部の自由空間が減少しているため、初充電時の電池内の内圧が上昇傾向にある。このため、特開平11−26020号公報に記載された方法では、外装缶の膨れ抑制効果が十分でなく、外装缶内の圧力上昇により外装缶の中央部の厚さが増加しやすい。外装缶が膨れると、電池の仕上がり厚さが厚くなるばかりか、電極群の正負極間が離間し、そのうえ電極群と外装缶との導通が十分に取れなくなる。その結果、充放電サイクルに伴う正負極の膨張・収縮により正極や負極が撚れたり、あるいは正極と負極間に金属リチウムが析出するため、放電容量と充放電サイクル寿命が低下する。特に、軽量化のために外装缶にアルミニウムやアルミニウム合金を用いた場合、外装缶の膨れに起因するサイクル寿命の低下がより顕著になる。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−26020号公報(段落[0006])
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、充放電サイクル寿命が向上された非水電解質二次電池の製造方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る非水電解質二次電池の製造方法は、初充電が少なくとも2回に分けて行なわれる非水電解質二次電池の製造方法であって、
未初充電の扁平型非水電解質二次電池の両面に固定板を対向させ、固定板の間隔DをT≦D≦1.05Tで規定される範囲内(但し、Tは前記未初充電の二次電池の厚さ)に保ちつつ初充電第1過程を施す工程と、
前記初充電第1過程が施された二次電池を10℃〜40℃の雰囲気にて前記二次電池の電池内圧が10kPa以下になるまで貯蔵する工程と、
前記貯蔵された二次電池を開回路電圧が4.2Vに達するまで充電することにより初充電第2過程を施す工程と
を具備することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る非水電解質二次電池の製造方法について説明する。
【0009】
まず、未初充電で扁平型の非水電解質二次電池を用意する。
【0010】
扁平型の二次電池は、容器と、前記容器内に収納される扁平形状の電極群と、前記容器内に収容される非水電解質とを備えるものである。また、扁平型の非水電解質二次電池の具体例としては、薄型非水電解質二次電池、角形非水電解質二次電池などが挙げられる。
【0011】
扁平形状の電極群は、例えば、(i)正極及び負極をその間にセパレータを介在させて扁平形状に捲回するか、(ii)正極及び負極をその間にセパレータを介在させて渦巻き状に捲回した後、室温で加圧成形により扁平形状にするか、(iii)正極及び負極をその間にセパレータを介在させて1回以上折り曲げるか、あるいは(iv)正極と負極とをその間にセパレータを介在させながら積層する方法により作製される。
【0012】
1)正極
この正極は、例えば、集電体と、集電体の片面もしくは両面に担持され、活物質および結着剤を含む正極活物質層とを含む。
【0013】
前記集電体は、例えば、アルミニウムから形成することができる。
【0014】
前記活物質としては、エネルギー密度の高いリチウム複合酸化物が好ましい。
具体的には、LiCoO2、LiNiO2、LiNiCo1-y2(ただし、x、yは、電池の充電状態により変化し得るもので、通常は0<x<1、0.7<y<1の範囲内である)、LixCoySnz2(ただし、x、y、zは各々0.05≦x≦1.1、0.85≦y≦1、0.001≦z≦0.1を表す)などが挙げられる。中でも、LixCoySnz2(ただし、x、y、zは各々0.05≦x≦1.1、0.85≦y≦1、0.001≦z≦0.1を表す)によると、少量のSn添加によりリチウム含有化合物の粒径が小さくて均一になるため、サイクル特性の優れた電池を得ることができる。なお、LixCoySnz2において、0.001≦z≦0.1としたのは、zを0.001未満にすると、粒径を十分に制御することが困難になり、一方、zが0.1を超えると、高容量を得られない恐れがあるからである。
【0015】
リチウム複合酸化物は、例えば、リチウムの炭酸塩、硝酸塩、酸化物あるいは水酸化物と、コバルト、マンガンあるいはニッケル等の炭酸塩、硝酸塩、酸化物あるいは水酸化物とを所定の組成で混合粉砕し、酸素雰囲気下で600〜1000℃の温度で焼成することにより得ることができる。
【0016】
前記結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を用いることができる。
【0017】
前記正極活物質層には、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等の導電剤を含有することを許容する。
【0018】
2)負極
この負極は、集電体と、集電体の片面もしくは両面に担持され、活物質および結着剤を含む負極活物質層とを含む。
【0019】
前記集電体としては、例えば、銅、ニッケルなどの金属板またはメッシュ等を挙げることができる。
【0020】
前記活物質としては、リチウムをドープ・脱ドープできるものであればよく、例えば、グラファイト類、コークス類(石油コークス、ピッチコークス、ニードルコークス等)、熱分解炭素類、有機高分子化合物の焼成体(フェノール樹脂等を適切な温度で焼成し、炭素化したもの)、金属リチウム、ポリアセチレン、ポリピロール等があげられる。
【0021】
前記結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオロライド、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
【0022】
3)セパレータ
このセパレータとしては、例えば、微多孔性膜、織布、不織布等を用いることができる。また、セパレータの形成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体等を挙げることができる。
【0023】
4)非水電解質
この非水電解質は、非水溶媒と、前記非水溶媒に溶解される電解質とを含む。
非水電解質の形態は、液体、ゲルもしくは固体にすることができる。
【0024】
電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO4)、四フッ化硼酸リチウム(LiBF4)、六フッ化燐酸リチウム(LiPF6)、六フッ化砒素酸リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22等を用いることができる。
【0025】
非水溶媒としては、例えば、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、アニソール、酢酸エステル、プロピオン酸エステル等を用いることができ、2種類以上混合して使用してもよい。
【0026】
前記非水溶媒に界面活性剤、例えばトリオクチルフォスフェート(TOP)を添加することが好ましい。このような界面活性剤の添加により非水電解液のセパレータに対する濡れ性を改善することが可能になる。
【0027】
前記非水溶媒中の前記電解質の濃度は、0.5モル/L以上にすることが好ましい。
【0028】
5)容器
容器の形状は、例えば、有底角筒形、袋状、カップ状等にすることができる。
【0029】
前記容器は、例えば、樹脂、樹脂層を含むシート(例えば、ラミネートフィルム)、金属板、金属フィルム等から形成することができる。
【0030】
前記金属板および前記金属フィルムは、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金から形成することができる。中でも、軽量化の観点から、アルミニウムまたはアルミニウム合金から実質的に形成された容器を用いることが望ましい。この場合、容器の弾性率を0.65GPa〜0.75GPaの範囲内にし、かつ容器厚さを0.1mm〜0.3mmの範囲内にすることが望ましい。
【0031】
前記樹脂としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン、ナイロン等をあげることができる。
【0032】
前記シートに含まれる樹脂層は、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等から形成することができる。前記シートとしては金属層と、前記金属層の両面に配置された保護層とが一体化されたシートを用いることが好ましい。
前記金属層は、例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄、銅、ニッケル等をあげることができる。中でも、軽量で、水分を遮断する機能が高いアルミニウムが好ましい。前記金属層は、1種類の金属から形成してもよいが、2種類以上の金属を一体化させたものから形成してもよい。前記2つの保護層のうち、外部と接する保護層は前記金属層の損傷を防止する役割をなす。この外部保護層は、1種類の樹脂層、もしくは2種類以上の樹脂層から形成される。一方、内部保護層は、前記金属層が非水電解質により腐食されるのを防止する役割を担う。この内部保護層は、1種類の樹脂層、もしくは2種類以上の樹脂層から形成される。また、かかる内部保護層の表面に熱可塑性樹脂を配することができる。
【0033】
(初充電第1過程)
未初充電の非水電解質二次電池の両面に固定板を対向させ、固定板の間隔DをT≦D≦1.05Tで規定される範囲内(但し、Tは初充電が施されていない二次電池の厚さ)に保ちつつ初充電第1過程を施す。
【0034】
固定板は、二次電池表面のうち厚さ方向と直交する面と対向させることが望ましい。このような構成にすることによって、電池を厚さ方向に固定板で両側から加圧しながら初充電第1過程を施すことができるため、初充電第1過程後の電池厚さを1.05T以下に収めることができる。
【0035】
固定板としては、例えば、SUS板などの金属板を用いることができるが、二次電池の変形を抑えられるものであれば、どのような材質のものでも用いることができる。また、固定板は、2枚とも同じものでも、あるいは材質や寸法等が互いに異なったものでも良い。
【0036】
固定板の大きさは、電池表面よりも大きくすることが望ましい。これにより、第1過程時に二次電池を固定板で均一に加圧することが可能になる。
【0037】
二次電池の一方の面と対向する固定板と、他方の面と対向する固定板との間隔Dを前記範囲に規定する理由を説明する。間隔Dを初充電前の二次電池厚さTよりも狭くすると、初充電前の段階で電池内部の電極やセパレータに過剰な圧力がかかり、充電時の電極膨張等によりセパレータが押しつぶされてシート化してしまったり、電極間距離が極端に短くなることによって短絡に至る。一方、間隔Dが1.05Tを超えると、仕上がり寸法が規格値から外れるばかりか、正極と負極の極間距離が増大し、放電容量と充放電サイクル寿命の低下を招く。間隔Dのより好ましい範囲は、1.02T≦D≦1.04Tである。
【0038】
初充電第1過程は、開回路電圧が3.5V〜4Vの範囲内に達するまで行なわれることが望ましい。これは以下に説明する理由によるものである。開回路電圧を3.5V未満にすると、初充電第2過程において発生する水素ガスの量が多くなるため、電池の仕上がり寸法、放電容量、充放電サイクルによる電池膨れあるいは充放電サイクル寿命のいずれかに問題が生じる恐れがある。一方、開回路電圧を4Vより高くすると、初充電第1過程における水素ガスの発生速度が速くなるため、貯蔵前の電池内圧が高くなり、貯蔵工程で電極群がガスを十分に吸収しきれない恐れがある。開回路電圧は3.7V付近に設定することが最も望ましい。
【0039】
未初充電の二次電池の両面に固定板を前述した間隔Dで対向させると、間隔Dが電池厚さTと等しい場合には固定板が電池表面と接し、間隔Dが電池厚さTよりも大きい場合には電池表面と固定板との間に隙間が存在する。この初充電第1過程工程では、電極等に含まれる微量水分の電気分解により水素ガスが発生し(なお、ニッケル水素二次電池のようなアルカリ二次電池の酸化還元電位では水の電気分解は生じない)、また、非水電解質の分解等によりメタン、エチレン、一酸化炭素等のガスが発生するため、電池内圧が上昇するが、電池が膨れようとするのを固定板で規制することができ、初充電第1過程終了後の電池厚さを1.05T以下に収めることができる。
【0040】
(貯蔵工程)
初充電第1過程が施された二次電池を貯蔵する。
【0041】
貯蔵は、二次電池の両面に固定板を配置したままで行うことが望ましい。これは、貯蔵前に固定板を外すと、電池が膨れて電池厚さが1.05Tよりも大きくなる恐れがあるからである。
【0042】
貯蔵雰囲気の温度は、10℃〜40℃の範囲内にすることが望ましい。これは以下に説明する理由によるものである。雰囲気温度が10℃より低いと、水素ガスが十分電極内へ吸着せず長期間貯蔵しても効果(電池膨れ抑制と充放電サイクル寿命の向上)が得られない恐れがある。一方、雰囲気温度が40℃を超えると、非水電解質の分解等が生じ、短期間の貯蔵でも効果が得られない恐れがある。
貯蔵雰囲気の温度のより好ましい範囲は、20℃〜30℃である。
【0043】
貯蔵は、電池内圧が10kPa以下になるまで行うことが望ましい。電池内圧が10kPaよりも高い状態のまま初充電第2過程に移行させると、電池の仕上げ厚さが厚くなるか、充放電サイクル寿命が低下する恐れがある。すなわち、貯蔵終了内圧が10kPaよりも高い場合には、電極等に水素ガスが十分に吸着していないか、あるいは電極に水素ガスが十分に吸収されているものの、貯蔵時間が長いまたは貯蔵温度が高かったために非水電解質の分解等によるガス発生が副反応として生じている。吸着反応が不十分な場合には、初充電第2過程で発生した水素ガスによりさらに内圧が高くなるため、固定板を解除後、電池が膨れて仕上げ厚さが大きくなる恐れがある。一方、副反応が生じている場合には、電極の劣化により充放電サイクル寿命が低下する恐れがある。
【0044】
また、貯蔵期間を短縮して生産性を高くし、かつ貯蔵期間の長期化に伴う副反応を回避するため、貯蔵終了内圧は、−10kPa以上にすることが望ましい。
【0045】
貯蔵雰囲気が10〜40℃である際、貯蔵期間は1〜20日の範囲内にすることが望ましい。貯蔵温度によって貯蔵する最適期間は異なる。貯蔵期間が短すぎると、水素ガスが電極等に十分吸着せずに初充電第2過程での内圧が高くなる恐れがある。一方、貯蔵期間が長すぎると、電解液の分解等、他の反応が起きてしまい初充電第2過程で内圧が高くなる恐れがある。
【0046】
貯蔵工程を行わない、つまり、初充電第1過程後、直ちに初充電第2過程を行うと、一連の初充電で発生したガスによって電池内圧が非常に高い状態になっているため、初充電第2過程後、固定板を解除すると、電池が大きく膨れて仕上げ厚さが厚くなるばかりか、充放電サイクル寿命が短くなる。
【0047】
(初充電第2過程)
貯蔵工程が施された二次電池を開回路電圧が4.2Vに達するまで充電する。
【0048】
この初充電第2過程では、1回の充電で4.2Vまで行っても、2回以上に分けて4.2Vまで充電することも可能である。
【0049】
この初充電第2過程では、水素ガスの発生が生じるものの、発生速度が遅く、電極等に吸収させながら充電を行なうことができるため、電池内圧の上昇を抑制することができる。
【0050】
以上説明した本発明に係る非水電解質二次電池の製造方法によれば、放電容量が高く、充放電サイクル寿命の長い非水電解質二次電池を実現することができる。
【0051】
すなわち、未初充電の扁平型非水電解質二次電池の両面に固定板を対向させ、固定板の間隔DをT≦D≦1.05Tで規定される範囲内(但し、Tは前記未初充電の二次電池の厚さ)に保ちつつ初充電第1過程を施すと、水素ガス、メタン、エチレン、一酸化炭素等のガスが発生するため、電池内圧が上昇するが、電池が膨れようとするのを固定板により規制することができ、初充電後の電池厚さを1.05T以下にすることができる。
【0052】
この初充電第1過程が施された二次電池を貯蔵することによって、水素ガスを主体とするガスを電極群中に吸収させることができるため、初充電第1過程で上昇した電池内圧を下げることができる。
【0053】
次いで、貯蔵された二次電池を開回路電圧が4.2Vに達するまで充電することにより初充電第2過程を施すと、再び水素ガスが発生するものの、初充電第1過程の時と比較して発生速度が緩やかであるために電極群への吸収反応が円滑に進行し、電池内圧の再上昇を回避することができる。初充電第2過程後、固定板を二次電池から取り外すが、その際に電池厚さがほとんど増加せず、仕上げ電池厚さを規格値内に収めることができる。その結果、適切な電極間距離が得られるため、充放電サイクル時の電極の撚れ・ゆがみを抑えることができ、充放電サイクル時の電池膨れの抑制と、放電容量並びに充放電サイクル寿命の向上とを図ることができる。
【0054】
ところで、初充電時に電池を開放状態にして発生したガスを逃がす方法等が提案されている。しかしながら、一定期間開放状態としているため、非水電解質中の低沸点溶媒が揮発してしまい、溶媒組成バランスが崩れてしまい、結果的に電池のロット内特性ばらつきを引き起こしたり、製造設備環境が複雑になってしまうといった問題点が生じる。
【0055】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0056】
(実施例1)
<正極の作製>
正極活物質として平均粒径3μmのLiCoSn0.022を89重量部と、導電フィラーとしてグラファイトを6重量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン3重量部とを溶剤であるN−メチルピロリドン25重量部に添加し、均一せん断攪拌した後、ビーズミルを用いて分散して正極スラリーを調製した。つづいて、この正極スラリーを集電体である厚さ20μmの帯状アルミニウム箔の両面に塗付し、溶剤を乾燥させ、さらにロールプレス機で加圧成形した後、所定の大きさに切断することにより、帯状の正極を作製した。その後、前記正極の集電体の一端に厚さ0.1mm、幅5mm、長さ50mmのアルミニウム製外部端子を溶接により取り付けた。
【0057】
<負極の作製>
カルボキシメチルセルロース1.5重量部に鱗片状黒鉛50重量部を分散し、カーボンのマスターバッチ塗料を作製した。この分散液に繊維状炭素材を50重量部添加し同様にせん断分散し、更にスチレンブタジエンゴムラテックス2.4重量部を添加し均一混合攪拌し、負極スラリーを調製した。つづいて、この負極スラリーを集電体である厚さ10μmの帯状銅箔の両面に塗付し、溶剤を乾燥させ、更にロールプレス機で加圧成形した後、所定の大きさに切断することにより帯状の負極を作製した。その後、前記負極の集電体の一端に厚さ0.1mm、幅5mm、長さ50mmのニッケル製外部端子を溶接により取り付けた。
【0058】
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とLiPF6とを質量比EC:MEC:LiPF6=34.9:53.1:12で混合し、得られた溶液にトリオクチルフォスフェート(TOP)を0.5重量%添加することにより非水電解液を得た。
【0059】
次いで、帯状の正極と帯状の負極とを、厚さ25μm、気孔率50%、透気度300秒/100ccのポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータを介して、正極/セパレータ/負極/セパレータの順序に積層し、断面が扁平状の巻芯で渦巻き状に捲回し、さらに油圧式プレスで加熱圧縮し、成形して扁平状電極群を作製した。
【0060】
つづいて、この電極群を厚さ(肉厚)0.2mm、外寸法5mm×幅30mm×高さ48mmで、弾性率が70GPaのアルミニウム製外装缶に挿入し、この外装缶の上端開口部に蓋体をレーザシーム溶接して前記電極群を密封した後、非水電解液を前記蓋体の注液孔を通して注入した。その後前記注液孔を含む蓋体部分に封口蓋をレーザシーム溶接して前記注液孔を封止し、未初充電の角形非水電解質二次電池を得た。
【0061】
図1に示すように、未初充電の角形非水電解質二次電池1の両面に2枚のSUS板を固定板2a,2bとして対向させた。固定板を対向させる面は、二次電池の厚さ方向と直交する面、換言すれば、二次電池の長辺方向の幅と短辺方向の幅とで規定される面とした。2枚の固定板2a,2bの四隅をネジ3で固定した。
なお、2枚の固定板2a,2bの間隔Dは、初充電が施された二次電池の厚さTの1.03倍の大きさに設定した。
【0062】
次いで、20℃の雰囲気において0.5Cの充電レートで開回路電圧が3.7Vになるまで2時間予備初充電を行うことにより初充電第1過程を施した。ひきつづき、10℃の雰囲気で20日間貯蔵した。貯蔵後の電池内圧を下記表1に示す。なお、電池内圧の測定は、市販のプレッシャーモニターを用い、針部を電池封口部の電解液注液口部に刺すことによって内圧測定を行なった。
【0063】
貯蔵後、20℃の雰囲気において0.2Cの放電レートで開回路電圧が4.2Vに達するまで6時間本初充電を行うことにより第2の初充電を施した。
【0064】
以上説明した方法により製造された角形非水電解質二次電池を図2に示す。また、この二次電池の定格外寸法は、厚さ5mm、幅30mm、高さ48mmであった。
【0065】
図2に示す有底矩形筒状をなす外装缶10は、容器の一例であり、例えば正極端子を兼ね、底部内面に絶縁フィルム11が配置されている。扁平形状の電極群12は、前記外装缶10内に収納されている。電極群12は、負極13とセパレータ14と正極15とを正極15が最外周に位置するように渦巻状に捲回した後、扁平状にプレス成形することにより作製したものである。中心付近にリード取出穴16を有する例えば合成樹脂からなるスペーサ17は、外装缶10内の電極群12上に配置されている。
【0066】
金属製蓋体18は、外装缶10の上端開口部に例えばレーザ溶接により気密に接合されている。蓋体18の中心付近には、負極端子の取出穴19が開口されている。蓋体18には、非水電解液を注入するための注液孔(図示せず)が開口され、かつ非水電解液を注入後にこの注液孔を封止するための封止蓋(図示せず)が取付けられている。負極端子20は、蓋体18の取出穴19にガラス製または樹脂製の絶縁材21を介してハーメティックシールされている。負極端子20の下端面には、リード22が接続され、かつこのリード22の他端は電極群12の負極13に接続されている。絶縁封口板23は、蓋体18の上面に配置されている。絶縁性の外装チューブ24は、外装缶10の側面並びに底面周縁と、絶縁封口板23の周縁を被覆している。
【0067】
(実施例2〜6、参考例7〜10及び比較例1〜2)
固定板の間隔Dと貯蔵条件を下記表1に示すように設定すること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にして角形非水電解質二次電池を製造した。
【0068】
(比較例3)
固定板を用いないこと以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にして角形非水電解質二次電池を製造した。
【0069】
(比較例4)
貯蔵を行わず、初充電第1過程と初充電第2過程を続けて行うこと以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にして角形非水電解質二次電池を製造した。
【0070】
<電池性能試験>
得られた実施例1〜6、参考例7〜10及び比較例1〜4の角形非水電解質二次電池について、初充電第2過程後の電池厚さと0.2C放電容量を測定し、その結果を下記表1に示す。
【0071】
また、実施例1〜6、参考例7〜10及び比較例1〜4の角形非水電解質二次電池について、20℃の雰囲気で1Cレート(750mA)で4.2Vまで充電した後、1Cレート(750mA)で3Vまで放電する充放電サイクルを繰り返し、500サイクル後の放電容量維持率と、電池厚さを測定した。それらの結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
Figure 0004564238
【0073】
表1から明らかなように、封口した未初充電の二次電池の両面に固定板を対向させ、固定板の間隔DをT≦D≦1.05Tで規定される範囲内に保ちつつ初充電第1過程を施す工程と、初充電第1過程が施された二次電池を貯蔵する工程とを具備する方法により製造された実施例1〜の二次電池は、放電容量と500サイクル後の容量維持率が比較例1〜4の二次電池に比較して高いことが理解できる。特に、貯蔵温度が10〜40℃で、かつ貯蔵期間が1〜20日の方法で製造された実施例1〜6の二次電池は、参考例7〜10の二次電池に比較して500サイクル後の容量維持率が高かった。なお、比較例4の二次電池の放電容量とサイクル寿命が低いのは、初充電を連続して行ったため、水素ガスの発生反応速度が水素ガスの吸収反応速度を上回り、セル中の気泡により充電ムラを生じたからである。
【0074】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0075】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、充放電サイクル寿命の長い非水電解質二次電池の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の角形非水電解質二次電池の初充電工程と貯蔵工程を説明するための斜視図。
【図2】 実施例1の方法で製造された角形非水電解質二次電池を示す部分切欠斜視図。
【符号の説明】
1…未初充電の非水電解質二次電池、2a,2b…固定板、3…固定ネジ、10…外装缶、12…電極群、13…負極、14…セパレータ、15…正極、18…蓋体。

Claims (2)

  1. 初充電が少なくとも2回に分けて行なわれる非水電解質二次電池の製造方法であって、
    未初充電の扁平型非水電解質二次電池の両面に固定板を対向させ、固定板の間隔DをT≦D≦1.05Tで規定される範囲内(但し、Tは前記未初充電の二次電池の厚さ)に保ちつつ初充電第1過程を施す工程と、
    前記初充電第1過程が施された二次電池を10℃〜40℃の雰囲気にて前記二次電池の電池内圧が10kPa以下になるまで貯蔵する工程と、
    前記貯蔵された二次電池を開回路電圧が4.2Vに達するまで充電することにより初充電第2過程を施す工程と
    を具備することを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法。
  2. 前記貯蔵工程は、前記二次電池の両面に前記固定板を配置したまま行われる請求項1記載の非水電解質二次電池の製造方法。
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