JP4564199B2 - 事故点標定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多端子多回線を有する電力系統の各端子の各回線から電気量を抽出し、事故発生時の送電線の事故点を標定する事故点標定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電力系統の送電線の事故点標定方式としては、サージ受信方式,パルスレーダ方式があり、特に近年ではインピーダンス測定方式が適用されてきている。前2者は高価な送電線への信号結合装置を要するのに対し、後者は電圧変成器,電流変成器によって得られる電圧,電流をディジタルデータに変換してインピーダンスを求め、事故点までの距離を測定するものである。
【0003】
このインピーダンス測定方式としては1端子の電圧,電流を使用して事故点を標定する方式(特公昭58−29471号)と、2端子の電圧,電流を使用する方法(「送電線の事故点標定器」法貴,木谷著、昭和32年オーム社)がある。
一般に事故点標定装置では、得られる各端子の電流データのベクトル和電流が事故電流成分そのものであることを利用して、下式に基づいて一端判定形のインピーダンス測定方式を実現する方式がある。
【0004】
下記(1),(2)式が成立することは周知の通りである。
【数1】
VA=X・Z・IA+VF ………………(1)
VF=IF・RE ………………(2)
ここで、VAはA端子の対地電圧、VFは事故点の対地電圧、IAはA端子からの事故電流、IFは事故電流、Zは送電線の線路の単位長当たりのインピーダンス値、RFは事故点抵抗及びXはA端子から事故点までの距離とする。
【0005】
RFが実抵抗成分である場合(3)式が成立する。
【数2】
Figure 0004564199
*印は共役複素数、Im{ }は{ }の虚数部を示す。
【0006】
(3)式から標定値Xは(4)式で与えられる。しかし、(4)式はあくまでも事故点抵抗が実抵抗として扱った場合に成立するもので、これがリアクタンス成分を有するとIFとVFは同位相とならず、(4)式が成立しないため、そのまま測定誤差となってしまう。このような状況を解決するために、(5)式のような対向端子の電圧を使った事故点標定方法も提案され、更に正相成分を抽出して標定演算を行なう事故点標定方法も提案されている(特開平8−233895号)。
【0007】
【数3】
Figure 0004564199
【0008】
ここで、Lは端子A,B間の線路長を示す。(4)式から分かるように、事故電流IFの誤差が標定精度に関係している。従来の事故点標定装置は標定基準端子を自端として固定し、自端から事故点までの標定値Xを算出してきた。図11に4端子系統の事故点標定装置のシステム図の例を示す(特許第2818248号)。
【0009】
図11の概要は以下の通りである。先ず、各端子の電圧,電流データは端末装置から中央判定装置へ送信し、これを受けた中央判定装置は各端子の内の1つ(主端)及び他の端子の見る事故前の分岐点電圧を算出し、その位相差をもとに各端末装置に対してサンプリング同期調整信号を送信する。各端末装置では上記サンプリング同期調整信号に各端子の電圧,電流データを同期させる。
【0010】
そして、事故時は中央判定装置にて変化検出を行ない起動指令及び遡り時間を生成し端末装置へ送信する。又、端末装置は起動指令を起点に所定時間の電圧,電流データを凍結し、中央判定装置に送信する。中央判定装置は各端末装置からの電圧,電流データをもとに事故区間判別及び標定を行なう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、自端から遠く離れた事故点での事故電流は自端では小さくなるばかりか、量子化誤差などからのため、自端から遠方事故の標定誤差が大きくなるという問題があった。
【0012】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、一番事故点に近い強電源端子を検出し、その強電源端子を標定基準端子とすることで、事故電流の量子化誤差などを軽減させることにより、標定精度を向上させることの可能な事故点標定装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の[請求項1]に係る事故点標定装置は、多端子多回線を有する電力系統の各端子の各回線から電気量を抽出し、事故発生時の送電線の事故点を標定する事故点標定装置において、各端子の各回線の事故前の3相電流ILと事故前の3相電圧VLと事故中の3相電流IFと事故中の3相電圧VFと機器状態とを入力する第1の手段と、各回線の3相分の線路の単位長当たりのインピーダンス[Z]と各回線間の3相分の線路の単位長当たりの相互インピーダンス[Z′]と線路長Lとを整定として入力する第2の手段と、第1の手段で得られた各端子の各回線の電気量と機器情報とを収集する第3の手段と、第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量を使用して事故相を検出する第4の手段と、第3の手段で得られた各端子の事故回線の電流値を使用して、第4の手段で得られた事故相について事故前と事故中の電流値の変化分の大きさ|[IF]−[IL]|が最大となる端子を標定基準端子として選択する第5の手段と、第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量及び機器情報と第2の手段で得られた整定値を使用して、第5の手段で得られた標定基準端子から事故点までの標定値Xを算出する第6の手段と、第6の手段で得られた標定値Xを出力する第7の手段を備える。
【0015】
本発明の[請求項2]に係る事故点標定装置は、多端子多回線を有する電力系統の各端子の各回線から電気量を抽出し、事故発生時の送電線の事故点を標定する事故点標定装置において、前記各端子の各回線の事故前の3相電流ILと事故前の3相電圧VLと事故中の3相電流IFと事故中の3相電圧VFと機器状態とを入力する第1の手段と、前記各回線の3相分の線路の単位長当たりのインピーダンス[Z]と各回線間の3相分の線路の単位長当たりの相互インピーダンス[Z′]と線路長Lとを整定として入力する第2の手段と、前記第1の手段で得られた各端子の各回線の電気量と機器情報とを収集する第3の手段と、前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量を使用して事故相を検出する第4の手段と、前記第3の手段で得られた各端子の事故回線の電流値を使用して、事故前の電流の正相成分[IL]1と事故中の電流の正相成分[IF]1とを抽出し、事故前と事故中の電流値の変化分の大きさ|[IF]1−[IL]1|が最大となる端子を標定基準端子として選択する第5の手段と、前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量及び機器情報と前記第2の手段で得られた整定値とを使用して、前記第5の手段で得られた標定基準端子から事故点までの標定値Xを算出する第6の手段と、前記第6の手段で得られた標定値Xを出力する第7の手段とを備える。
【0017】
本発明の[請求項3]に係る事故点標定装置は、多端子多回線を有する電力系統の各端子の各回線から電気量を抽出し、事故発生時の送電線の事故点を標定する事故点標定装置において、前記各端子の各回線の事故前の3相電流ILと事故前の3相電圧VLと事故中の3相電流IFと事故中の3相電圧VFと機器状態とを入力する第1の手段と、前記各回線の3相分の線路の単位長当たりのインピーダンス[Z]と各回線間の3相分の線路の単位長当たりの相互インピーダンス[Z′]と線路長Lとを整定として入力する第2の手段と、前記第1の手段で得られた各端子の各回線の電気量と機器情報とを収集する第3の手段と、前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量を使用して事故相を検出する第4の手段と、前記第4の手段で得られた事故相が1相であるとき、第3の手段で得られた事故回線の電流値を使用して、事故中の電流の零相成分[IF]0を抽出し、零相成分の大きさ|[IF]0|が最大となる端子を標定基準端子として選択する第5の手段と、前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量及び機器情報と前記第2の手段で得られた整定値とを使用して、前記第5の手段で得られた標定基準端子から事故点までの標定値Xを算出する第6の手段と、前記第6の手段で得られた標定値Xを出力する第7の手段とを備える。
【0019】
本発明の[請求項4]に係る事故点標定装置は、多端子多回線を有する電力系統の各端子の各回線から電気量を抽出し、事故発生時の送電線の事故点を標定する事故点標定装置において、前記各端子の各回線の事故前の3相電流ILと事故前の3相電圧VLと事故中の3相電流IFと事故中の3相電圧VFと機器状態とを入力する第1の手段と、前記各回線の3相分の線路の単位長当たりのインピーダンス[Z]と各回線間の3相分の線路の単位長当たりの相互インピーダンス[Z′]と線路長Lとを整定として入力する第2の手段と、前記第1の手段で得られた各端子の各回線の電気量と機器情報とを収集する第3の手段と、前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量を使用して事故相を検出する第4の手段と、前記第4の手段で得られた事故相が1相であるとき、前記第3の手段で得られた事故回線の電流値を使用して、事故前の電流の零相成分[IL]0と事故中の電流の零相成分[IF]0とを抽出し、事故前と事故中の電流値の変化分の大きさ|[IF]0−[IL]0|が最大となる端子を標定基準端子として選択する第5の手段と、前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量及び機器情報と前記第2の手段で得られた整定値とを使用して、前記第5の手段で得られた標定基準端子から事故点までの標定値Xを算出する第6の手段と、前記第6の手段で得られた標定値Xを出力する第7の手段とを備える。
【0021】
本発明の[請求項5]に係る事故点標定装置は、多端子多回線を有する電力系統の各端子の各回線から電気量を抽出し、事故発生時の送電線の事故点を標定する事故点標定装置において、前記各端子の各回線の事故前の3相電流ILと事故前の3相電圧VLと事故中の3相電流IFと事故中の3相電圧VFと機器状態とを入力する第1の手段と、前記各回線の3相分の線路の単位長当たりのインピーダンス[Z]と各回線間の3相分の線路の単位長当たりの相互インピーダンス[Z′]と線路長Lとを整定として入力する第2の手段と、前記第1の手段で得られた各端子の各回線の電気量と機器情報とを収集する第3の手段と、前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量を使用して事故相を検出する第4の手段と、前記第4の手段で得られた事故相が1相であるとき、前記第3の手段で得られた事故回線の電流値を使用して、事故前の電流のα回路成分[IL]αと事故中の電流のα回路成分[IF]αとを抽出し、事故前と事故中の電流値の変化分の大きさ|[IF]α−[IL]α|が最大となる端子を標定基準端子として選択する第5の手段と、前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量及び機器情報と前記第2の手段で得られた整定値とを使用して、前記第5の手段で得られた標定基準端子から事故点までの標定値Xを算出する第6の手段と、前記第6の手段で得られた標定値Xを出力する第7の手段とを備える。
【0023】
本発明の[請求項6]に係る事故点標定装置は、多端子多回線を有する電力系統の各端子の各回線から電気量を抽出し、事故発生時の送電線の事故点を標定する事故点標定装置において、前記各端子の各回線の事故前の3相電流ILと事故前の3相電圧VLと事故中の3相電流IFと事故中の3相電圧VFと機器状態とを入力する第1の手段と、前記各回線の3相分の線路の単位長当たりのインピーダンス[Z]と各回線間の3相分の線路の単位長当たりの相互インピーダンス[Z′]と線路長Lとを整定として入力する第2の手段と、前記第1の手段で得られた各端子の各回線の電気量と機器情報とを収集する第3の手段と、前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量を使用して事故相を検出する第4の手段と、前記第4の手段で得られた事故相が2相以上であるとき、前記第3の手段で得られた各端子の事故回線の電流値を使用して、事故前の電流のβ回路成分[IL]βと事故中の電流のβ回路成分[IF]βとを抽出し、事故前と事故中の電流値の変化分の大きさ|[IdF]β−[IdL]β|が最大となる端子を標定基準端子として選択する第5の手段と、前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量及び機器情報と前記第2の手段で得られた整定値とを使用して、前記第5の手段で得られた標定基準端子から事故点までの標定値Xを算出する第6の手段と、前記第6の手段で得られた標定値Xを出力する第7の手段とを備える。
【0025】
本発明の[請求項7]に係る事故点標定装置は、多端子多回線を有する電力系統の各端子の各回線から電気量を抽出し、事故発生時の送電線の事故点を標定する事故点標定装置において、前記各端子の各回線の事故前の3相電流ILと事故前の3相電圧VLと事故中の3相電流IFと事故中の3相電圧VFと機器状態とを入力する第1の手段と、前記各回線の3相分の線路の単位長当たりのインピーダンス[Z]と各回線間の3相分の線路の単位長当たりの相互インピーダンス[Z′]と線路長Lとを整定として入力する第2の手段と、前記第1の手段で得られた各端子の各回線の電気量と機器情報とを収集する第3の手段と、前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量を使用して事故相を検出する第4の手段と、前記第3の手段で得られた事故回線の各端子の電気量を使用し、全回線のベクトル和をとって大きさが最大となる端子を標定基準端子として選択する第5の手段と、前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量及び機器情報と前記第2の手段で得られた整定値とを使用して、前記第5の手段で得られた標定基準端子から事故点までの標定値Xを算出する第6の手段と、前記第6の手段で得られた標定値Xを出力する第7の手段とを備える。
【0027】
本発明の[請求項8]に係る事故点標定装置は、多端子多回線を有する電力系統の各端子の各回線から電気量を抽出し、事故発生時の送電線の事故点を標定する事故点標定装置において、前記各端子の各回線の事故前の3相電流ILと事故前の3相電圧VLと事故中の3相電流IFと事故中の3相電圧VFと機器状態とを入力する第1の手段と、前記各回線の3相分の線路の単位長当たりのインピーダンス[Z]と各回線間の3相分の線路の単位長当たりの相互インピーダンス[Z′]と線路長Lとを整定として入力する第2の手段と、前記第1の手段で得られた各端子の各回線の電気量と機器情報とを収集する第3の手段と、前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量を使用して事故相を検出する第4の手段と、電流値が最大となる端子と2番目に大きい端子を標定基準端子とする第5の手段と、前記第5の手段で得られた2つの標定基準端子を基準にして、この2つの標定基準端子からの電圧降下分の等しくなる点を事故点とする両端標定を行う第6の手段と、前記第6の手段で得られた標定値Xを出力する第7の手段とを備える。
【0029】
本発明の[請求項9]に係る事故点標定装置は、多端子多回線を有する電力系統の各端子の各回線から電気量を抽出し、事故発生時の送電線の事故点を標定する事故点標定装置において、前記各端子の各回線の事故前の3相電流ILと事故前の3相電圧VLと事故中の3相電流IFと事故中の3相電圧VFと機器状態とを入力する第1の手段と、前記各回線の3相分の線路の単位長当たりのインピーダンス[Z]と各回線間の3相分の線路の単位長当たりの相互インピーダンス[Z′]と線路長Lとを整定として入力する第2の手段と、前記第1の手段で得られた各端子の各回線の電気量と機器情報とを収集する第3の手段と、前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量を使用して事故相を検出する第4の手段と、電流値が最大となる端子と線路長が最も短い区間の対向端子を標定基準端子とする第5の手段と、前記第5の手段で得られた2つの標定基準端子を基準にして、この2つの標定基準端子からの電圧降下分の等しくなる点を事故点とする両端標定を行う第6の手段と、前記第6の手段で得られた標定値Xを出力する第7の手段とを備える。
【0031】
本発明の[請求項10]に係る事故点標定装置は、多端子多回線を有する電力系統の各端子の各回線から電気量を抽出し、事故発生時の送電線の事故点を標定する事故点標定装置において、前記各端子の各回線の事故前の3相電流ILと事故前の3相電圧VLと事故中の3相電流IFと事故中の3相電圧VFと機器状態とを入力する第1の手段と、前記各回線の3相分の線路の単位長当たりのインピーダンス[Z]と各回線間の3相分の線路の単位長当たりの相互インピーダンス[Z′]と線路長Lとを整定として入力する第2の手段と、前記第1の手段で得られた各端子の各回線の電気量と機器情報とを収集する第3の手段と、前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量を使用して事故相を検出する第4の手段と、電流値が最大となる端子と線路インピーダンスがの最も小さい区間の対向端子を標定基準端子とする第5の手段と、前記第5の手段で得られた2つの標定基準端子を基準にして、この2つの標定基準端子からの電圧降下分の等しくなる点を事故点とする両端標定を行う第6の手段と、前記第6の手段で得られた標定値Xを出力する第7の手段とを備える。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図を使用して実施の形態を説明する。図1は本発明に係る事故点標定装置の第1の実施の形態を示すシステム構成図である。図1において、1Lは事故回線(以下、自回線と称す)送電線、2Lは健全回線(以下、隣回線と称す)送電線、11A,11B,11C,11D,12A,12B,12C,12Dは変流器、13A,13B,13C,13Dは変成器である。
【0034】
以下、図2に示すような4端子系統において、D端付近で短絡事故が発生した場合を例にして、事故点までの距離Xを標定する事故点標定装置について説明する。先ず、入力部1(第1の手段)にて、各端子の自回線の事故前の3相電流IA1L,IB1L,IC1L,ID1L及び事故中の3相電流IA1F,IB1F,IC1F,ID1Fと、隣回線の事故前の3相電流IA2L,IB2L,IC2L,ID2L及び事故中の3相電流IAF2,IBF2,ICF2,IDF2と、自回線の事故中の3相電圧VAF,VBF,VCF,VDFを変流器11A,11B,11C,11D,12A,12B,12C,12D及び変圧器13A,13B,13C,13Dを介して入力する。又、遮断器の開閉状態などの系統の機器状態を入力する。
【0035】
整定入力部2(第2の手段)にて、自回線の3相分の線路単位長当たりのインピーダンス[Z]と、自回線と隣回線間の3相分の線路単位長当たりの相互インピーダンス[Z′]と線路長Lを整定値として入力する。 次に、データ処理部3(第3の手段)にて、入力部1にて得られた各端子各回線の電気量と機器情報を収集する。事故相検出部4(第4の手段)にて、データ処理部3にて得られた各端子各回線の電気量データをもとに事故相を検出する。
【0036】
標定基準端子選択部5(第5の手段)にて、事故相検出部4にて検出された事故相情報をもとに、各端子の事故回線の事故前電流(IA1L),(IB1L),(IC1L),(ID1L)及び事故中電流(IA1F),(IB1F),(IC1F),(ID1F)を抽出し、事故前と事故中の変化分の大きさを比較する。変化分の大きさが最大となる端子が強電源端子であり、その端子を標定基準端子とする。
【0037】
【数4】
|Δ(IA1)|=|(IA1F)−(IA1L)|
|Δ(IB1)|=|(IB1F)−(IB1L)|
|Δ(IC1)|=|(IC1F)−(IC1L)|
|Δ(ID1)|=|(ID1F)−(ID1L)|
今回の例では、D端子付近の事故において、|Δ(ID1)|>|Δ(IC1)|>|Δ(IB1)|>|Δ(IA1)|であるとすると、D端子が強電源端子となり、標定基準端子はD端となる。
【0038】
図3に標定基準端子選択部のブロック図を示す。図4に標定基準端子を入れ替えた系統図を示す。標定演算部6(第6の手段)にて、事故相情報をもとにデータ処理部3より得られた電気量データと整定入力部2にて得られたインピーダンス[Z],[Z′]と線路長Lを使用して、標定基準端子から事故点までの標定値Xを算出する。出力部7(第7の手段)にて、標定値Xを出力する。
【0039】
本実施の形態によれば、事故点を標定する際に、各端子の事故回線の事故前電流と事故中電流の変化分の大きさが最大となる強電源端子を検出し、強電源端子を標定基準端子とするようにしたので、標定演算に使用する事故電流の値が大きくなる。そのため、演算上の量子化誤差が減少し、標定精度が向上する。以下に、事故電流の大きさと量子化誤差との関係を説明する。
【0040】
仮に今回の実施の形態で使用した変流器のフルスケールを163.84A、16ビットのA/D変換器を使用したとして1デジットを0.005Aとする。A端を自端とし、D端付近で事故が発生した場合、A端での事故電流はD端の事故電流よりも事故点の距離が遠い分小さくなる。
【0041】
A端の事故電流を0.5A、D端の事故電流を1.5Aとし、デジット換算すると、夫々100デジット、300デジットとなる。量子化誤差として1デジット(0.005A)加算されたとし、夫々0.505A、1.505Aとなった場合の電流の量子化誤差は、A端の場合、{(101A−100A)/100A}100=1.0%,D端の場合、{(301A−300A)/300A}100=0.33%となり、D端を標定基準端子とした場合の方が量子化誤差が減少することになる。従って、強電源端子を検出し、標定基準端子として標定演算を行なうことにより、量子化誤差を軽減させることができ、標定精度の向上が可能となる。
【0042】
本発明に係る事故点標定装置の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態のハード構成は図1と同様であるが、その差異は以下に示すように標定基準端子選択部5にて、各端子の事故回線の事故前電流の正相成分(IA1L)1,(IB1L)1,(IC1L)1,(ID1L)1及び事故中電流の正相成分(IA1F)1,(IB1F)1,(IC1F)1,(ID1F)1を抽出し、その変化分の大きさを比較する点である。変化分の大きさが最大の端子を強電源端子とし、その端子を標定基準端子とする。
【0043】
【数5】
|Δ(IA1)1|=|(IA1F)1−(IA1L)1|
|Δ(IB1)1|=|(IB1F)1−(IB1L)1|
|Δ(IC1)1|=|(IC1F)1−(IC1L)1|
|Δ(ID1)1|=|(ID1F)1−(ID1L)1|
今回の例では、D端子付近の事故を仮定し、|Δ(ID1)1|>|Δ(IC1)1|>|Δ(IB1)1|>|Δ(IA1)1|であるとすると、強電源端子はD端となり、標定基準端子(自端)はD端となる。図5に標定基準端子選択のブロック図を示す。
【0044】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、標定基準端子を選択することで量子化誤差を軽減させ、標定精度を向上させることが可能となる。更に、正相成分を使用するので、標定基準端子選択時に事故相検出が不要となり、処理が軽減できるため装置が簡略できる。
【0045】
本発明の[請求項3]に係る事故点標定装置の第3の実施の形態を説明する。
本実施の形態のハード構成は図1と同様であるが、その差異は以下に示すように標定基準端子選択部5にて、事故相検出部4にて検出された事故相情報をもとに、1相事故の場合に、各端子の事故回線の事故中電流の零相成分(IA1F)0,(IB1F)0,(IC1F)0,(ID1F)0を抽出し、その大きさを比較する点である。
【0046】
今回の例では、D端子付近の事故とし、|(ID1F)0|>|(IC1F)0|>|(IB1F)0|>|(IA1F)0|であるとすると、D端子が強電源端子となり、標定基準端子はD端子となる。図6に標定基準端子選択のブロック図を示す。
【0047】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、標定基準端子を選択することで量子化誤差を軽減させ、標定精度を向上させることが可能となる。更に、零相成分を使用するので、第1の実施の形態に対して3相処理を1相処理に軽減できる。又、零相成分を使用することにより、負荷電流の影響を殆ど受けない利点がある。
【0048】
本発明に係る事故点標定装置の第4の実施の形態を説明する。本実施の形態のハード構成は図1と同様であるが、その差異は以下に示すように標定基準端子選択部5にて、事故相検出部4にて検出された事故相情報をもとに、各端子の事故回線の事故前電流の零相成分(IA1L)0,(IB1L)0,(IC1L)0,(ID1L)0及び事故中電流の零相成分(IA1F)0,(IB1F)0,(IC1F)0,(ID1F)0を抽出し、その変化分の大きさを比較する点である。
【0049】
【数6】
|Δ(IA1)0|=|(IA1F)0−(IA1L)0|
|Δ(IB1)0|=|(IB1F)0−(IB1L)0|
|Δ(IC1)0|=|(IC1F)0−(IC1L)0|
|Δ(ID1)0|=|(ID1F)0−(ID1L)0|
変化分の大きさが最大の端子を強電源端子とし、その端子を標定基準端子とする。今回の例では、D端子付近の事故として、|Δ(ID1)0|>|Δ(IC1)0|>|Δ(IB1)0|>|Δ(IA1)0|であるとすると、強電源端子はD端となり、標定基準端子はD端となる。図7に標定基準端子選択のブロック図を示す。
【0050】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、自回線の事故前電流及び事故中電流の零相成分の変化分の大きさが最大になる強電源端子を検出し、基準端子として標定演算を行なうことにより、量子化誤差が減少し、標定精度の向上が可能となる。更に、零相電流の変化分を使用することにより、負荷電流の影響及び零相循環電流の影響を無くすことができる。
【0051】
本発明に係る事故点標定装置の第5の実施の形態を説明する。本実施の形態のハード構成は図1と同様であるが、その差異は以下に示すように標定基準端子選択部5にて、事故相検出部4にて検出された事故相情報をもとに、1相事故時に、各端子の事故前電流と事故中電流のα回路電流IαをαβO法(Clarke座標法とも言われる)より算出する。αβO法の変換式(a相基準の場合)を下記に示す。なお、α回路成分:αβO法による変換量の1つ。Iα=(2Ia−Ib−Ic)/3[a相基準](「保護継電技術」p125 長谷,増井著,昭和54年,東京電気大学出版局)。
【0052】
【数7】
Figure 0004564199
各端子の事故回線の事故前電流のα回路成分(IA1L)α,(IB1L)α,(IC1L)α,(ID1L)α及び事故中電流のα回路成分(IA1F)α,(IB1F)α,(IC1F)α,(ID1F)αの変化分の大きさを比較する。
【0053】
【数8】
|Δ(IA1)α|=|(IA1F)α−(IA1L)α|
|Δ(IB1)α|=|(IB1F)α−(IB1L)α|
|Δ(IC1)α|=|(IC1F)α−(IC1L)α|
|Δ(ID1)α|=|(ID1F)α−(ID1L)α|
変化分の大きさが最大の端子を強電源端子とし、その端子を標定基準端子とする。今回の例では、D端子付近の事故として、|Δ(ID1)α|>|Δ(IC1)α|>|Δ(IB1)α|>|Δ(IA1)α|であるとすると、D端子が強電源端子となり、標定基準端子はD端となる。図8に標定基準端子選択のブロック図を示す。
【0054】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、自回線事故時の事故点を標定する際に、自回線の事故前電流及び事故中電流のα回路成分の変化分の大きさが最大になる強電源端子を検出し、標定基準端子として標定演算を行なうようにしたので、量子化誤差が減少し、標定精度の向上が可能となる。更に、α回路成分を使用することにより、標定演算で用いる極性量を考慮した基準端子選択が可能となる。
【0055】
本発明に係る事故点標定装置の第6の実施の形態を説明する。本実施の形態のハード構成は図1と同様であるが、その差異は以下に示すように標定基準端子選択部5にて、事故相検出部4にて検出された事故相情報をもとに、2相以上事故時に、各端子の事故前電流と事故中電流のβ回路電流IβをαβO法より抽出する点である。
【0056】
各端子の自回線の事故前電流のβ極性量成分(IA1L)β,(IB1L)β,(IC1L)β,(ID1L)β及び事故中電流のβ極性量成分(IA1F)β,(IB1F)β,(IC1F)β,(ID1F)βの変化分の大きさを比較する。なお、β回路成分:αβO法による変換式の1つ。Iβ=**3・(Ib−Ic)/3[a相基準](但し、**はルートを意味する)(「保護継電技術」p125 長谷,増井著,昭和54年,東京電気大学出版局)。
【0057】
【数9】
|Δ(IA1)β|=|(IA1F)β−(IA1L)β|
|Δ(IB1)β|=|(IB1F)β−(IB1L)β|
|Δ(IC1)β|=|(IC1F)β−(IC1L)β|
|Δ(ID1)β|=|(ID1F)β−(ID1L)β|
変化分の大きさが最大の端子を強電源端子とし、その端子を標定基準端子とする。今回の例では、D端子付近の事故として、|Δ(ID1)β|>|Δ(IC1)β|>|Δ(IB1)β|>|Δ(IA1)β|であるとすると、D端子が強電源端子となり、標定基準端子はD端となる。図9に強電源端子検出のブロック図を示す。
【0058】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、事故点を標定する際に事故回線の事故前電流及び事故中電流のβ回路成分の変化分の大きさが最大になる強電源端子を検出して標定基準端子として標定演算を行なうようにしたので、量子化誤差が減少し、標定精度の向上が可能となる。更にβ回路成分を使用することにより、標定演算における極性量を考慮することができる。
【0059】
本発明に係る事故点標定装置の第7の実施の形態を説明する。本実施の形態のハード構成は図1と同様であるが、その差異は各端子において全回線の和を抽出する点である。ここでは、[請求項1]に対して、各端子において全回線の和を抽出する実施の形態を説明する。
【0060】
標定基準端子選択部5にて、1相事故時に、事故相検出部4にて検出された事故相情報をもとに、各端子の各回線の事故中電流の零相成分を抽出し、それらの和(IAtF)0,(IBtF)0,(ICtF)0,(IDtF)0を抽出して、大きさを比較する。
【0061】
【数10】
|(IAtF)0|=|(IA1F)0+(IA2F)0|
|(IBtF)0|=|(IB1F)0+(IB2F)0|
|(ICtF)0|=|(IC1F)0+(IC2F)0|
|(IDtF)0|=|(ID1F)0+(ID2F)0|
零相成分の大きさが最大の端子を強電源端子とし、その端子を標定基準端子とする。今回の例では、D端子付近の事故として、|(IDtF)0|>|(ICtF)0|>|(IBtF)0|>|(IAtF)0|であるとすると、D端子が強電源端子となり、標定基準端子はD端となる。図10に強電源端子検出のブロック図を示す。
【0062】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、事故点を標定する際に、強電源端子を検出して標定基準端子を選択するようにしたので、標定精度を向上させることが可能である。更に全回線の和を抽出することにより、2回線以上の多回線送電線の事故点を標定する際に、循環電流の影響を無くすことができる。
【0063】
本発明に係る事故点標定装置の第8の実施の形態を説明する。本実施の形態のハード構成は図1と同様であるが、その差異は標定基準端子選択部5において、電流値が最大となる端子と2番目に大きい端子を標定基準端子とすることである。即ち、標定演算部6において、標定基準端子選択部5で得られた基準端子をもとに、2端子からの電圧降下分の等しくなる点を事故点とする両端判定方式による標定を行なう。
【0064】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、事故点を標定する際に、強電源端子を検出して標定基準端子を選択することにより、標定精度を向上させることができる。事故電流の大きい端子を2つ選択することで、特に両端判定方式で標定を実施する場合に有効となる。
【0065】
本発明に係る事故点標定装置の第9の実施の形態を説明すると。本実施の形態のハード構成は図1と同様であるが、その差異は標定基準端子選択部5において、電流値が最大となる端子と線路長が最も短い区間の対向端子を標定基準端子とすることである。即ち、標定演算部6において、標定基準端子選択部5で得られた基準端子をもとに、2端子からの電圧降下分の等しくなる点を事故点とする両端判定方式による標定を行なう。
【0066】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、事故点を標定する際に、強電源端子を検出して標定基準端子を選択することにより、標定精度を向上させることができる。特に両端判定方式で標定を実施する場合に有効となる。
【0067】
本発明に係る事故点標定装置の第10の実施の形態を説明する。本実施の形態のハード構成は図1と同様であるが、その差異は標定基準端子選択部5において、電流値が最大となる端子と線路インピーダンスの最も小さい区間の対向端子とを標定基準端子とする。即ち、標定演算部6において、標定基準端子選択部5に得られた基準端子をもとに、2端子からの電圧降下分が等しくなる点を事故点とする両端判定方式による標定を行なう。
【0068】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、事故点を標定する際に、強電源端子を検出して標定基準端子を選択することにより、標定精度を向上させることができる。特に両端判定方式で標定を実施する場合に有効となる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば多端子多回線系統の各端子各回線から電気量を抽出し、送電線の事故点を標定する事故点標定装置において、強電源端子を検出して標定基準端子として標定演算を行なうようにしたので、標定精度の良い事故点標定装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る事故点標定装置の実施の形態を示す構成図。
【図2】本発明に係る事故点標定装置の適用系統を示す図。
【図3】本発明に係る事故点標定装置の第1の実施の形態の標定基準端子選択処理を示すブロック図。
【図4】本発明に係る事故点標定装置の強電源端子選択後の標定対象系統を示す図。
【図5】本発明に係る事故点標定装置の第2の実施の形態の標定基準端子選択処理を示すブロック図。
【図6】本発明に係る事故点標定装置の第3の実施の形態の標定基準端子選択処理を示すブロック図。
【図7】本発明に係る事故点標定装置の第4の実施の形態の標定基準端子選択処理を示すブロック図。
【図8】本発明に係る事故点標定装置の第5の実施の形態の標定基準端子選択処理を示すブロック図。
【図9】本発明に係る事故点標定装置の第6の実施の形態の標定基準端子選択処理を示すブロック図。
【図10】本発明に係る事故点標定装置の第7の実施の形態の標定基準端子選択処理を示すブロック図。
【図11】従来の多端子系統の事故点を標定する事故点標定装置の構成図。
【符号の説明】
11A〜11D 自回線用変流器
12A〜12D 隣回線用変流器
13A〜13D 変成器
1 入力部(第1の手段)
2 整定入力部(第2の手段)
3 データ処理部(第3の手段)
4 事故相検出部(第4の手段)
5 標定基準端子選択部(第5の手段)
6 標定演算部(第6の手段)
7 出力部(第7の手段)
100 標定基準端子選択における強電源端判定用電気量抽出処理
101 標定基準端子選択における電気量振幅値算出処理
102 標定基準端子選択における強電源端子選択処理

Claims (10)

  1. 多端子多回線を有する電力系統の各端子の各回線から電気量を抽出し、事故発生時の送電線の事故点を標定する事故点標定装置において、
    前記各端子の各回線の事故前の3相電流ILと事故前の3相電圧VLと事故中の3相電流IFと事故中の3相電圧VFと機器状態とを入力する第1の手段と、
    前記各回線の3相分の線路の単位長当たりのインピーダンス[Z]と各回線間の3相分の線路の単位長当たりの相互インピーダンス[Z′]と線路長Lとを整定として入力する第2の手段と、
    前記第1の手段で得られた各端子の各回線の電気量と機器情報とを収集する第3の手段と、
    前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量を使用して事故相を検出する第4の手段と、
    前記第3の手段で得られた各端子の事故回線の電流値を使用して、前記第4の手段で得られた事故相について事故前と事故中の電流値の変化分の大きさ|[IF]−[IL]|が最大となる端子を標定基準端子として選択する第5の手段と、
    前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量及び機器情報と前記第2の手段で得られた整定値とを使用して、前記第5の手段で得られた標定基準端子から事故点までの標定値Xを算出する第6の手段と、
    前記第6の手段で得られた標定値Xを出力する第7の手段とを備えたことを特徴とする事故点標定装置。
  2. 多端子多回線を有する電力系統の各端子の各回線から電気量を抽出し、事故発生時の送電線の事故点を標定する事故点標定装置において、
    前記各端子の各回線の事故前の3相電流ILと事故前の3相電圧VLと事故中の3相電流IFと事故中の3相電圧VFと機器状態とを入力する第1の手段と、
    前記各回線の3相分の線路の単位長当たりのインピーダンス[Z]と各回線間の3相分の線路の単位長当たりの相互インピーダンス[Z′]と線路長Lとを整定として入力する第2の手段と、
    前記第1の手段で得られた各端子の各回線の電気量と機器情報とを収集する第3の手段と、
    前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量を使用して事故相を検出する第4の手段と、
    前記第3の手段で得られた各端子の事故回線の電流値を使用して、事故前の電流の正相成分[IL]1と事故中の電流の正相成分[IF]1とを抽出し、事故前と事故中の電流値の変化分の大きさ|[IF]1−[IL]1|が最大となる端子を標定基準端子として選択する第5の手段と、
    前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量及び機器情報と前記第2の手段で得られた整定値とを使用して、前記第5の手段で得られた標定基準端子から事故点までの標定値Xを算出する第6の手段と、
    前記第6の手段で得られた標定値Xを出力する第7の手段とを備えたことを特徴とする事故点標定装置。
  3. 多端子多回線を有する電力系統の各端子の各回線から電気量を抽出し、事故発生時の送電線の事故点を標定する事故点標定装置において、
    前記各端子の各回線の事故前の3相電流ILと事故前の3相電圧VLと事故中の3相電流IFと事故中の3相電圧VFと機器状態とを入力する第1の手段と、
    前記各回線の3相分の線路の単位長当たりのインピーダンス[Z]と各回線間の3相分の線路の単位長当たりの相互インピーダンス[Z′]と線路長Lとを整定として入力する第2の手段と、
    前記第1の手段で得られた各端子の各回線の電気量と機器情報とを収集する第3の手段と、
    前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量を使用して事故相を検出する第4の手段と、
    前記第4の手段で得られた事故相が1相であるとき、第3の手段で得られた事故回線の電流値を使用して、事故中の電流の零相成分[IF]0を抽出し、零相成分の大きさ|[IF]0|が最大となる端子を標定基準端子として選択する第5の手段と、
    前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量及び機器情報と前記第2の手段で得られた整定値とを使用して、前記第5の手段で得られた標定基準端子から事故点までの標定値Xを算出する第6の手段と、
    前記第6の手段で得られた標定値Xを出力する第7の手段とを備えたことを特徴とする事故点標定装置。
  4. 多端子多回線を有する電力系統の各端子の各回線から電気量を抽出し、事故発生時の送電線の事故点を標定する事故点標定装置において、
    前記各端子の各回線の事故前の3相電流ILと事故前の3相電圧VLと事故中の3相電流IFと事故中の3相電圧VFと機器状態とを入力する第1の手段と、
    前記各回線の3相分の線路の単位長当たりのインピーダンス[Z]と各回線間の3相分の線路の単位長当たりの相互インピーダンス[Z′]と線路長Lとを整定として入力する第2の手段と、
    前記第1の手段で得られた各端子の各回線の電気量と機器情報とを収集する第3の手段と、
    前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量を使用して事故相を検出する第4の手段と、
    前記第4の手段で得られた事故相が1相であるとき、前記第3の手段で得られた事故回線の電流値を使用して、事故前の電流の零相成分[IL]0と事故中の電流の零相成分[IF]0とを抽出し、事故前と事故中の電流値の変化分の大きさ|[IF]0−[IL]0|が最大となる端子を標定基準端子として選択する第5の手段と、
    前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量及び機器情報と前記第2の手段で得られた整定値とを使用して、前記第5の手段で得られた標定基準端子から事故点までの標定値Xを算出する第6の手段と、
    前記第6の手段で得られた標定値Xを出力する第7の手段とを備えたことを特徴とする事故点標定装置。
  5. 多端子多回線を有する電力系統の各端子の各回線から電気量を抽出し、事故発生時の送電線の事故点を標定する事故点標定装置において、
    前記各端子の各回線の事故前の3相電流ILと事故前の3相電圧VLと事故中の3相電流IFと事故中の3相電圧VFと機器状態とを入力する第1の手段と、
    前記各回線の3相分の線路の単位長当たりのインピーダンス[Z]と各回線間の3相分の線路の単位長当たりの相互インピーダンス[Z′]と線路長Lとを整定として入力する第2の手段と、
    前記第1の手段で得られた各端子の各回線の電気量と機器情報とを収集する第3の手段と、
    前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量を使用して事故相を検出する第4の手段と、
    前記第4の手段で得られた事故相が1相であるとき、前記第3の手段で得られた事故回線の電流値を使用して、事故前の電流のα回路成分[IL]αと事故中の電流のα回路成分[IF]αとを抽出し、事故前と事故中の電流値の変化分の大きさ|[IF]α−[IL]α|が最大となる端子を標定基準端子として選択する第5の手段と、
    前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量及び機器情報と前記第2の手段で得られた整定値とを使用して、前記第5の手段で得られた標定基準端子から事故点までの標定値Xを算出する第6の手段と、
    前記第6の手段で得られた標定値Xを出力する第7の手段とを備えたことを特徴とする事故点標定装置。
  6. 多端子多回線を有する電力系統の各端子の各回線から電気量を抽出し、事故発生時の送電線の事故点を標定する事故点標定装置において、
    前記各端子の各回線の事故前の3相電流ILと事故前の3相電圧VLと事故中の3相電流IFと事故中の3相電圧VFと機器状態とを入力する第1の手段と、
    前記各回線の3相分の線路の単位長当たりのインピーダンス[Z]と各回線間の3相分の線路の単位長当たりの相互インピーダンス[Z′]と線路長Lとを整定として入力する第2の手段と、
    前記第1の手段で得られた各端子の各回線の電気量と機器情報とを収集する第3の手段と、
    前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量を使用して事故相を検出する第4の手段と、
    前記第4の手段で得られた事故相が2相以上であるとき、前記第3の手段で得られた各端子の事故回線の電流値を使用して、事故前の電流のβ回路成分[IL]βと事故中の電流のβ回路成分[IF]βとを抽出し、事故前と事故中の電流値の変化分の大きさ|[IdF]β−[IdL]β|が最大となる端子を標定基準端子として選択する第5の手段と、
    前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量及び機器情報と前記第2の手段で得られた整定値とを使用して、前記第5の手段で得られた標定基準端子から事故点までの標定値Xを算出する第6の手段と、
    前記第6の手段で得られた標定値Xを出力する第7の手段とを備えたことを特徴とする事故点標定装置。
  7. 多端子多回線を有する電力系統の各端子の各回線から電気量を抽出し、事故発生時の送電線の事故点を標定する事故点標定装置において、
    前記各端子の各回線の事故前の3相電流ILと事故前の3相電圧VLと事故中の3相電流IFと事故中の3相電圧VFと機器状態とを入力する第1の手段と、
    前記各回線の3相分の線路の単位長当たりのインピーダンス[Z]と各回線間の3相分の線路の単位長当たりの相互インピーダンス[Z′]と線路長Lとを整定として入力する第2の手段と、
    前記第1の手段で得られた各端子の各回線の電気量と機器情報とを収集する第3の手段と、
    前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量を使用して事故相を検出する第4の手段と、
    前記第3の手段で得られた事故回線の各端子の電気量を使用し、全回線のベクトル和をとって大きさが最大となる端子を標定基準端子として選択する第5の手段と、
    前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量及び機器情報と前記第2の手段で得られた整定値とを使用して、前記第5の手段で得られた標定基準端子から事故点までの標定値Xを算出する第6の手段と、
    前記第6の手段で得られた標定値Xを出力する第7の手段とを備えたことを特徴とする事故点標定装置。
  8. 多端子多回線を有する電力系統の各端子の各回線から電気量を抽出し、事故発生時の送電線の事故点を標定する事故点標定装置において、
    前記各端子の各回線の事故前の3相電流ILと事故前の3相電圧VLと事故中の3相電流IFと事故中の3相電圧VFと機器状態とを入力する第1の手段と、
    前記各回線の3相分の線路の単位長当たりのインピーダンス[Z]と各回線間の3相分の線路の単位長当たりの相互インピーダンス[Z′]と線路長Lとを整定として入力する第2の手段と、
    前記第1の手段で得られた各端子の各回線の電気量と機器情報とを収集する第3の手段と、
    前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量を使用して事故相を検出する第4の手段と、
    電流値が最大となる端子と2番目に大きい端子を標定基準端子とする第5の手段と、
    前記第5の手段で得られた2つの標定基準端子を基準にして、この2つの標定基準端子からの電圧降下分の等しくなる点を事故点とする両端標定を行う第6の手段と、
    前記第6の手段で得られた標定値Xを出力する第7の手段とを備えたことを特徴とする事故点標定装置。
  9. 多端子多回線を有する電力系統の各端子の各回線から電気量を抽出し、事故発生時の送電線の事故点を標定する事故点標定装置において、
    前記各端子の各回線の事故前の3相電流ILと事故前の3相電圧VLと事故中の3相電流IFと事故中の3相電圧VFと機器状態とを入力する第1の手段と、
    前記各回線の3相分の線路の単位長当たりのインピーダンス[Z]と各回線間の3相分の線路の単位長当たりの相互インピーダンス[Z′]と線路長Lとを整定として入力する第2の手段と、
    前記第1の手段で得られた各端子の各回線の電気量と機器情報とを収集する第3の手段と、
    前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量を使用して事故相を検出する第4の手段と、
    電流値が最大となる端子と線路長が最も短い区間の対向端子を標定基準端子とする第5の手段と、
    前記第5の手段で得られた2つの標定基準端子を基準にして、この2つの標定基準端子からの電圧降下分の等しくなる点を事故点とする両端標定を行う第6の手段と、
    前記第6の手段で得られた標定値Xを出力する第7の手段とを備えたことを特徴とする事故点標定装置。
  10. 多端子多回線を有する電力系統の各端子の各回線から電気量を抽出し、事故発生時の送電線の事故点を標定する事故点標定装置において、
    前記各端子の各回線の事故前の3相電流ILと事故前の3相電圧VLと事故中の3相電流IFと事故中の3相電圧VFと機器状態とを入力する第1の手段と、
    前記各回線の3相分の線路の単位長当たりのインピーダンス[Z]と各回線間の3相分の線路の単位長当たりの相互インピーダンス[Z′]と線路長Lとを整定として入力する第2の手段と、
    前記第1の手段で得られた各端子の各回線の電気量と機器情報とを収集する第3の手段と、
    前記第3の手段で得られた各端子の各回線の電気量を使用して事故相を検出する第4の手段と、
    電流値が最大となる端子と線路インピーダンスがの最も小さい区間の対向端子を標定基準端子とする第5の手段と、
    前記第5の手段で得られた2つの標定基準端子を基準にして、この2つの標定基準端子からの電圧降下分の等しくなる点を事故点とする両端標定を行う第6の手段と、
    前記第6の手段で得られた標定値Xを出力する第7の手段とを備えたことを特徴とする事故点標定装置。
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