JP4563978B2 - 変速機制御装置 - Google Patents
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Description
運転者が手元に設置したスイッチの操作による変速指令を制御装置が認識して変速動作を行うもの、あらかじめプログラミングされた変速パターンに基づき制御装置が自動的に変速動作を行うもの、または両者を運転者が選択可能な方式が提案されている。これらの変速機制御装置は運転者にイージードライブを提供する。
また、自動二輪車等の鞭乗型の車輌においては、バッテリが外された状態で使用される可能性がある。
そこで、バッテリが外された状態でエンジン始動した場合、電動モータの駆動電流のピークとして数10Aが予想されるので、発電機だけでは電動モータを駆動させるための十分な電力が得られない可能性がある。そして、電動モータの駆動に十分な電力が得られない場合、変速時にクラッチの切断、変速が正常に行えず変速ミスが発生することが考えられる。
これを防ぐため、大容量のコンデンサの追加や発電機の大容量化が考えられるが、これらの対策を行うとコストアップを伴ってしまい、また大型化により搭載スペースを確保することが困難となるため非現実的である。
図1は、この発明の実施の形態1に係わる変速機制御装置のブロック図である。
この発明の実施の形態1に係わる変速機制御装置1は、シフトアップスイッチ2またはシフトダウンスイッチ3を運転者が操作して入力される変速指令および変速方向(シフトアップまたはシフトダウン)に従ってモータ4を回転することにより変速機の変速比を変える。モータ4の回転力は図示しないギアボックスにより減速され、図示しないレバー、シャフトから成るリンク機構により、図示しないシフトシャフトに駆動力が伝達され、シフトシャフトが回転し変速が行われる。
ギア位置スイッチ5〜9は、それぞれギア位置がニュートラル、1速、2速、3速、4速となった場合に接地するスイッチである。
モータ電源は、通常バッテリから供給されているが、この発明はバッテリレス状態であることを想定しているので、発電機30から供給されるものとする。
シフトスイッチ判定手段15は、シフトアップスイッチ2、シフトダウンスイッチ3に接続される。そして、シフトスイッチ判定手段15は、シフトアップスイッチ2またはシフトダウンスイッチ3がフィルタ時間以上閉じた場合に、変速指令および変速方向(シフトアップ又はシフトダウン)を変速実施判定手段18へ出力する。
また、ギア位置判定手段16は、ギア位置スイッチ5〜9が接地状態、すなわちON状態であるか否かをギア位置スイッチ情報としてバッテリレス判定手段17に出力する。そして、モータ電源25の電圧が所定の閾値以下に低下すると、全てのギア位置スイッチ5〜9がON状態になるので、この情報を用いてバッテリレス判定することができ、新たな回路を追加することが必要ない。
これにより変速実施判定手段18は、シフトスイッチ判定手段15より変速指令および変速方向が入力されてもHブリッジ制御回路19にモータ通電PWM信号および通電方向信号を出力しない対処や、バックアップ制御によりモータを初期位置へ戻す制御を実施する。
Hブリッジ回路20は、4個のスイッチング素子からなるモータ駆動回路であり、Hブリッジ制御回路19からのモータ通電PWM信号および通電方向信号により任意の2個のスイッチング素子が導通状態となりモータ4に通電を行う。
電源回路22は、キースイッチ29を介して発電機30より電源供給され、マイコン動作用電源電圧Vccのマイコン電源を生成しマイコン28に供給する。また、パワーON時、マイコン動作用電源電圧Vccが低下時などはマイコン28のリセット処理を行う機能を備える。
また、この場合、変速実施判定手段18は、変速実施時にクラッチのモータ通電PWM信号および通電方向信号を出力する。
ステップS1において、モータ4が動作しているときだけバッテリレス判定を行うため、モータ4が動作中であるか否か判断する。モータ4が動作中であると判断したときには、ステップS3に進み、モータ4が動作中でないと判断したときにはステップS2に進む。
ステップS2において、全てのギア位置スイッチ5〜9がON状態であると判定された制御周期の回数(以下、「ギア位置スイッチ全ON回数」と称す)を0にしてステップS6に進む。
ステップS3において、ギア位置判定手段16から得られるギア位置スイッチ情報を読み込み、ステップS4に進む。
ステップS5において、ギア位置スイッチ全ON回数をインクリメントしてステップS6に進む。
ステップS6において、ギア位置スイッチ全ON回数が所定回数以上であるか否か判断する。ギア位置スイッチ全ON回数が所定回数以上であると判断したときステップS7に進み、ギア位置スイッチ全ON回数が所定回数未満であると判断したときバッテリレス判定ルーチンを終了する。
ステップS7において、バッテリレス状態と判定し、アラーム駆動回路23にシステム停止を意味する”点灯”のアラーム出力指令信号を出力してバッテリレス判定ルーチンを終了する。
また、一度、バッテリレス状態と判定すると、バッテリレス判定の判定結果をクリアする処理がないので、バッテリレス判定の判定結果はシステムがシャットダウンするまで保持される。
ステップS11において、シフトスイッチ判定手段15によるシフトスイッチ判定結果を読み込みステップS12に進む。
ステップS12において、シフト指令およびシフト方向が未設定であるか否か判断し、シフト指令およびシフト方向が未設定であると判断したときステップS13に進み、シフト指令およびシフト方向が既に設定されていると判断したときステップS19に進む。
ステップS13において、シフトアップスイッチ2またはシフトダウンスイッチ3のいずれかがON状態であるか否か判断し、シフトアップスイッチ2またはシフトダウンスイッチ3の一方がON状態であると判断したときステップS14に進み、シフトアップスイッチ2およびシフトダウンスイッチ3がともにON状態でないと判断したときスイッチS19に進む。
ステップS14において、今回がスイッチONと判断した初回であるか(前回はスイッチOFF判断だったか)否か判断し、今回が初回のスイッチON判断であると判断したときステップS15に進み、今回が2回目以降のスイッチON判断であると判断したときステップS19に進む。
ステップS16において、変速許可状態であるか否か判断するためバッテリレス状態と判定されているか否か判断し、バッテリレス状態と判定されているときステップS17に進み、バッテリレス状態と判定されていないときステップS19に進む。
ステップS17において、エンジン回転速度が所定回数速度未満であるか否か判断し、エンジン回転速度が所定回転速度未満であると判断したときステップS18に進み、エンジン回転速度が所定回転速度以上であると判断したときステップS19に進む。
ステップS18において、モータ駆動に必要な電力を発電機30が供給出来る状態でないと判定し変速禁止とするため、シフト指令およびシフト方向をクリアしてステップS19に進む。
ステップS20において、所定のシーケンスでシフトシャフトが回転動作するように、目標位置を生成し、図示しないシフトシャフト回転センサの入力信号(以降実位置と呼ぶ)の誤差に基づき、PWM指令値を求め、PWM指令値に応じたデューティのPWM信号および回転方向信号を出力してステップS21に進む。
ステップS21において、バッテリレス状態と判定されており、且つ、目標位置と実位置の偏差が所定値を超えているか否か判断し、バッテリレス状態と判定されており、且つ、目標位置と実位置の偏差が所定値を超えていると判断したときステップS22に進み、バッテリレス状態と判定されておらず、または、目標位置と実位置の偏差が所定値以下と判断したときステップS25に進む。
ステップS22において、バッテリレス状態と判定した時点からの経過時間が所定時間以上であるか否かを判断し、バッテリレス状態と判定した時点からの経過時間が所定時間以上であると判断したときステップS23に進み、バッテリレス状態と判定した時点からの経過時間が所定時間未満であると判断したときステップS24に進む。
ステップS23において、低電流通電でモータ4を初期位置に戻すようにPWM信号および回転方向信号を出力してステップS25に進む。所望の低電流通電でモータを初期位置に戻す方法として、一定のPWM指令値(例えばPWMデューティ比20%)を与えても良い。
ステップS24において、PWM信号および回転方向信号の出力を停止してステップS25に進む。
ステップS26において、シフト指令およびシフト方向をクリアして変速実施判定ルーチンを終了する。この処理により次に来る制御周期においてステップS12でシフト指令およびシフト方向の設定が未となるので次の変速指令を受け付けることが可能となる。
図5は、この発明の実施の形態2に係わる変速機制御装置のブロック図である。
この発明の実施の形態2に係わる変速機制御装置1Bは、実施の形態1に係わる変速機制御装置1に制御電源電圧ピークホールド回路33を追加し、ギア位置スイッチ5〜9の代わりにギア位置センサ34を採用することによりギア位置判定回路10〜14を省略したことが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
そこで、制御電源電圧ピークホールド回路33は、制御電源35の電圧のピークホールド処理を行い、制御電源電圧ピークホールド電圧をバッテリレス判定手段17Bへ出力する。
バッテリレス判定手段17Bは、制御電源電圧ピークホールド回路33のモニタ結果に基づき現在の車輌がバッテリレス状態であるか否かを判定し、バッテリレス状態であると判定した場合、変速実施判定手段18にバッテリレス異常判定を出力する。
この実施の形態2に係わる変速機制御装置1Bでは、ギア位置スイッチ5〜9の全てがON状態にあることをバッテリレス状態であることの判定に用いていないので、ギア位置を検出するギア位置センサ34を用いている。なお、実施の形態1のようにギア位置スイッチ5〜9とギア位置判定回路10〜14を用いてギア位置を検出しても良い。
ステップS31において、モータ4が動作しているときだけバッテリレス判定を行うため、モータ4が動作中であるか否か判断する。モータ4が動作中であると判断したときには、ステップS33に進み、モータ4が動作中でないと判断したときにはステップS32に進む。
ステップS32において、制御電源電圧ピークホールド値が第2の所定電圧以下と判定された制御周期の回数(以下、「バッテリ低下検出回数」と称す)を0にしてステップS36に進む。
ステップS33において、制御電源電圧ピークホールド回路33の出力電圧のA/D変換を実施し、モニタ結果を読み込み、ステップS34に進む。
ステップS35において、バッテリ低下検出回数をインクリメントしてステップS36に進む。
ステップS36において、バッテリ低下検出回数が第2の所定回数以上であるか否か判断する。バッテリ低下検出回数が第2の所定回数以上であると判断したときステップS37に進み、バッテリ低下検出回数が第2の所定回数未満であると判断したときバッテリレス判定ルーチンを終了する。
ステップS37において、バッテリレス状態と判定したとき、バッテリレス異常出力を変速実施判定手段18に出力し、アラーム駆動回路23にシステム停止を意味する”点灯”のアラーム出力指令信号を出力してバッテリレス判定ルーチンを終了する
図7は、この発明の実施の形態3に係わる変速機制御装置のブロック図である。
この発明の実施の形態3に係わる変速機制御装置1Cは、実施の形態2に係わる変速機制御装置1Bの制御電源電圧ピークホールド回路33の代わりに制御電源電圧ボトムホールド回路37を備えることが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
車輌がバッテリレス状態の場合、モータ電源25の電圧変動が大きく、また、電圧変動周期が短いため、制御電源35の電圧をモニタしてもバッテリレスであることの判断が難しい。そこで制御電源35のボトム電圧に追従する信号をモニタすることによりバッテリレス判定することが望ましい。
そのため、制御電源電圧ボトムホールド回路37は、制御電源35の電圧のボトムホールド処理を行い、制御電源電圧ボトムホールド電圧をバッテリレス判定手段17Cへ出力する。
バッテリレス判定手段17Cは、制御電源電圧ボトムホールド回路37からのモニタ結果に基づき現在の車輌がバッテリレス状態であるか否かを判定し、バッテリレス状態であると判定した場合、変速実施判定手段18にバッテリレス異常判定を出力する。
ステップS41において、モータ4が動作しているときだけバッテリレス判定を行うため、モータ4が動作中であるか否か判断する。モータ4が動作中であると判断したときには、ステップS43に進み、モータ4が動作中でないと判断したときにはステップS42に進む。
ステップS42において、制御電源電圧ボトムホールド値が第3の所定電圧以下と判定された制御周期の回数(以下、「バッテリ低下検出回数」と称す)を0にしてステップS46に進む。
ステップS43において、制御電源電圧ボトムホールド回路37の出力電圧のA/D変換を実施し、モニタ結果を読み込み、ステップS44に進む。
ステップS45において、バッテリ低下検出回数をインクリメントしてステップS46に進む。
ステップS46において、バッテリ低下検出回数が第3の所定回数以上であるか否か判断する。バッテリ低下検出回数が第3の所定回数以上であると判断したときステップS47に進み、バッテリ低下検出回数が第3の所定回数未満であると判断したときバッテリレス判定ルーチンを終了する。
ステップS47において、バッテリレス状態と判定したとき、バッテリレス異常出力を変速実施判定手段18に出力し、アラーム駆動回路23にシステム停止を意味する”点灯”のアラーム出力指令信号を出力してバッテリレス判定ルーチンを終了する
Claims (7)
- バッテリおよび発電機から電源が供給されるとともに変速機のクラッチ操作および変速操作を行う電動モータを制御する変速機制御装置において、
上記バッテリが接続されていない状態を検出するバッテリレス判定手段は、上記電動モータを駆動している間の上記変速機制御装置に接続される電源にプルアップされたギア位置に対応する負荷の端子電圧を所定周期毎にモニタし、
上記負荷の端子電圧が全て第1の所定電圧を下回った場合は、バッテリ低下検出回数をカウントし、上記負荷の端子電圧が少なくとも1つ第1の所定電圧を下回っていない場合は、前回の負荷の端子電圧のモニタ時のバッテリ低下検出回数を保持し、
上記電源に電力を供給する上記発電機が発電中且つバッテリ低下検出回数が2回以上の第1の所定回数以上となった場合、上記バッテリが接続されていない状態であると判定することを特徴とする変速機制御装置。 - バッテリおよび発電機から電源が供給されるとともに変速機のクラッチ操作および変速操作を行う電動モータを制御する変速機制御装置において、
上記バッテリが接続されていない状態を検出するバッテリレス判定手段は、上記電動モータを駆動している間の上記変速機制御装置の電源の電圧を所定の周期毎にモニタし、
上記電源の電圧が第2の所定電圧を下回った場合は、バッテリ低下検出回数をカウントし、上記電源の電圧が第2の所定電圧を下回っていない場合は、前回の電源の電圧のモニタ時のバッテリ低下検出回数を保持し、
上記電源に電力を供給する発電機が発電しているとき且つバッテリ低下検出回数が2回以上の第2の所定回数以上となった場合、上記バッテリが接続されていない状態であると判定することを特徴とする変速機制御装置。 - バッテリおよび発電機から電源が供給されるとともに変速機のクラッチ操作および変速操作を行う電動モータを制御する変速機制御装置において、
上記バッテリが接続されていない状態を検出するバッテリレス判定手段は、
上記変速機制御装置の電源の電圧のボトムホールド処理またはピークホールド処理を行う回路を備え、
上記電動モータを駆動している間の上記回路の出力電圧を所定の周期毎にモニタし、
上記電源に電力を供給する発電機が発電しているときに上記回路の出力電圧が第3の所定電圧を2回以上の第3の所定回数以上下回った場合に、上記バッテリが接続されていない状態であると判定することを特徴とする変速機制御装置。 - 上記バッテリが接続されていない状態が検出されたとき変速操作の実行を制限する変速実施判定手段は、上記バッテリが接続されていない状態であると判定されたとき、所定時間通電停止とした後、所定の低電流通電で上記電動モータを初期位置に戻し、その後、変速要求を受け付けないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の変速機制御装置。
- 上記バッテリが接続されていない状態が検出されたとき変速操作の実行を制限する変速実施判定手段は、上記バッテリが接続されていない状態であると判定され、且つ、上記電動モータの目標位置と実位置との偏差が所定値以下であるとき、変速動作を完了させた後、変速要求を受け付けないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の変速機制御装置。
- エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段を備え、
上記バッテリが接続されていない状態が検出されたとき変速操作の実行を制限する変速実施判定手段は、上記バッテリが接続されていない状態であると判定され、且つ、エンジン回転速度が所定の回転速度未満であるとき変速要求を受け付けないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の変速機制御装置。 - 上記バッテリが接続されていないことを警告表示する警告手段を備え、
上記バッテリレス判定手段は、上記バッテリが接続されていない状態であると判定したとき、上記警告手段により運転者に警告表示をすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の変速機制御装置。
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