JP4563921B2 - 車両用シートの挟み込み検知システム - Google Patents

車両用シートの挟み込み検知システム Download PDF

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Description

本発明はスライド移動する車両用電動シートの制御装置に関し、特に移動にともない、異物をシートの間に挟み込んだ場合の検知精度を向上させた車両用シートの制御装置に関する。
自動車のシートは、乗る人の体型や搭載物の大きさに応じて前後、左右に移動可能な機構が備えられている。この機構を用いて座席シートを移動させる場合、異物を挟んでしまうことがある。特に電動装置でこれを行うものでは異物挟持に気がつかず物品を壊してしまうこともあり、この問題に対処するため、従来から過負荷検出機能を持たせ、過負荷を検出したときは駆動モーターを停止させる制御をするようにしたものがある。特許文献1には、「ポテンシヨメータ等の姿勢検出手段が出力する実際の姿勢情報を一定時間毎に繰り返しサンプリングし、サンプリングされた複数の姿勢情報の差分から姿勢変化速度を検出し、互いに異なるタイミングで検出された複数の姿勢変化速度を平均化した平均化姿勢変化速度情報を所定のしきい値と比較しその結果に応じて過負荷の有無を判定する。」検出手法が開示されている。また、特許文献2にはシートの動きに伴う異物の挟み込みによるモーター駆動等の障害を確実に防ぎ、乗員のウオークインスペースや車内の荷物スペース等を確保し、リアシートを含むシート全体の一連の動きを確実に調整することを目的とし、その目的を達成するため、可逆モーターの負荷を検知する荷重検出センサーを備え、シートの近接移動に伴って異常負荷を検出したときは、シートの移動を一旦停止した後、異常負荷を検知しない位置まで戻り移動させて完全停止する制御を行ない、シートクッションの跳上げ動に伴って異常負荷を検出したときは、シートクッションの跳上げ動を一旦停止した後、元の着座位置まで戻り移動させて完全停止する制御を行なうものが開示されている。
いま、1つの具体例として図6に示すような折畳み式シートを備えた車両を想定し、この車両において、シートによる異物挟持の事象を考えてみる。この車両の2列目のシートは左右に独立しておりスライドレール上を前後に移動できるスライド機構を備えていると共に、図7の分解斜視図に示されるようシートに左右のスライド部を備えることにより左右の移動を可能としてもよい。また、このシートは図8に示されるようにシートクッションがシートバック側に跳ね上げられて折畳まれる機構を備えている。このような車両の座席シートは使用において、その時々の必要に応じて移動され、また折り畳み・展開されることになるが、その駆動動作において、種々の形態で異物に衝突し、異物を挟持する現象が生じうる。例えば、図6の1列目シートと2列目シートとの間で、2列目シートを1列目シート側へ電動スライドした場合などがある。しかし、自動車のシートが異物を挟み込む事象が発生した場合、シートの硬い部分(例えば図6中のA)で挟み込む時と、柔らかい部分(例えば図6中のB)で挟み込む時とでは、異物に加わる荷重の特性が異なる。堅い部分で堅い異物を挟んだ場合はその反作用としてモーター等の駆動源に急激な負荷上昇を及ぼすため、駆動源の過負荷を容易に検出できる。しかし、柔らかい部分で挟み込まれた場合、シートに対する反力も少ないことから、上記したような従来の装置では挟み込まれているのか否かの判断を高精度におこなうこと、早い時期に検出することが困難であった。
特開昭61−67663号公報 「車上装備の姿勢設定装置」 昭和61年4月7日公開 特開2004−210159号公報 「自動車用パワーシートの作動制御方法」 平成16年7月29日公開
本発明の課題は、シートの柔らかい部分で異物を挟んだ場合にも精度良くそれを検知して、すぐに対応をとることができる機能を備えた車両用シートの制御装置を提供することにある。
本発明の車両用シートの異物挟み込み検出方法は、電動スライド機構を有する車両用シートにおいて、所定移動距離Δx毎にシート駆動力の変動ΔFを計測し、その変動量を閾値Zと比較することにより車両用シートの異物挟み込み検出をするものであって、その際の前記閾値Zは、設定閾値幅hから所定移動距離毎のシート駆動力の変動量に係数Kiを掛けたものを順次積算した値[ΣKi(ΔF/Δx)i]を減算して決められる変動域値を採用するようにした。
また、上記係数Kiは異物挟持開始位置から所定移動距離Δx毎に決められた値であって、当該シートの弾力特性に対応する値とした。例えば、この係数Kiには当該シートを用いて異物の挟み込み実験を行い最適化して得た定数テーブルから読み出す値を採用することを提示する。
本発明の車両用シートの異物挟み込み検出装置は、電動スライド機構を有する車両用シートと、スライド機構の駆動源の直流モーターと、当該モーターの回転により、車両用シートのスライド位置xを計測する手段と、当該モーターの駆動源電圧Vを計測する手段若しくは当該モーターの駆動力Fを割り出す手段と、所定移動距離毎の駆動力の変動量(ΔF/Δx)i に応じて、予め設定された係数Kiを割当てる定数テーブルとを備え、ΣKi(ΔF/Δx)iが予め設定された閾値幅hを超えた場合に挟み込みの検知を行うことを特徴とする。なお、モーターの駆動力Fを割り出す手段は駆動力Fを直接計測しても良いし、モーターの駆動源電圧Vを計測し、後述の段落番号[0009]における(1)式により、トルクTから間接的に駆動力Fを算出してもよい。
本発明の車両用シートの異物挟み込み検出方法は、電動スライド機構を有する車両用シートにおいて、所定移動距離Δx毎にシート駆動力の変動ΔFを計測し、その変動量を閾値Zと比較することにより車両用シートの異物挟み込み検出をするものであって、その際の前記閾値Zは、設定閾値幅hから所定移動距離毎のシートの駆動力の変動量に係数Kiを掛けたものを順次積算した値[ΣKi(ΔF/Δx)i]を減算して決められる変動域値を採用するようにしたので、シートの柔らかい部分で異物を挟持した場合でも緩やかな所定移動距離毎のシートの駆動力の増加分を積算して閾値を低くしていくことにより、精度良く異物の挟み込みを検出することができる。しかも、ノイズに起因する変動分はランダム変動であるため、積算しても大きな値とはならず、誤動作を起こすことはない。
また、上記係数Kiは例えばこの係数Kiには当該シートを用いて異物の挟み込み実験を行い最適化した定数テーブルから読み出す値を採用した異物挟持開始位置から所定移動距離Δx毎に決められた値であるので、シート弾力特性に対応した挟み込み開始以降の駆動力変動を反映でき、精度の良い異物の挟み込み検出を実現できる。
本発明の車両用シートの異物挟み込み検出装置は、電動スライド機構を有する車両用シートと、スライド機構の駆動源の直流モーターと、当該モーターの回転により、車両用シートのスライド位置xを計測する手段と、当該モーターの駆動力Fを割り出す手段と、所定移動距離毎の駆動力の変動量(ΔF/Δx)i に応じて、予め設定された係数Kiを割当てる定数テーブルとを備え、ΣKi(ΔF/Δx)iが予め設定された閾値幅hを超えた場合に挟み込みの検知を行うものであるから、従来装置に加えてセンサー等の特別なハード部材を必要とせず、信号処理と実験等によって得られる定数テーブルを備えるなどソフトの対応だけで上記した精度の良い異物の挟み込み検出を実現した制御装置を提供することができる。
本発明の実施の形態を提示する前に、座席シートが異物を挟持したときの事象について少し解析的に説明をしておく。駆動モーターによって移動されるシートにおいて挟み込み現象が発生すると、駆動モーターへの負荷が増加する。本発明はこのモーターの負荷特性を利用し、直流モーターの原理式から異物挟持に起因する負荷増大を検出する。モーターのトルクTはモーターの通電電流Iに比例する。トルク係数をKtで表せば T=Kt×Iとなる。モーターに負荷が掛かりブレーキが掛かるとモーターの回転数Nは低下する。回転数が低下するとモーターの誘起起電力V’が減少する。モーターの発電係数をKeで表せば、誘起起電力はV’=Ke×Nの関係にあり、モーター端子間電圧Vに対して誘起起電力V’が減少するとコイルへの印加電圧V−V’が増加し、V−V’=I×Rの関係からコイルに流れる電流Iが増加する。なお、このRはコイルの電気抵抗である。その結果上記のT=Kt×Iの関係からモーターの出力トルクTが増加する動作となる。このモーターのトルクTとモーターの回転数N、モーターに流れる電流値Iは一般に図1に示すような1次式の関係、すなわち、モーターに流れる電流値Iはトルクに比例する関係にあり、モーターの回転数NはトルクTとは反比例の関係であって、コイルへの印加電圧V−V’によってシフトすることが知られている。図1中実線が電流値/トルクであり、波線が10.0Vで駆動時の回転数/トルク、一点鎖線が12.0Vで駆動時の回転数/トルク、そして二点差線が14.5Vで駆動時の回転数/トルクである。この関係特性からモーターに掛かる負荷を検知する手法としては、モーターの回転数Nを計測する方法と電流Iを計測する方法とが採用できる。
直流モーターの回転数を計測する方法は、モーターの回転数Nに対応するパルス周期データとモーターの端子間電圧VそしてPWM(パルス幅変調)がON状態の比[DUTY]を入力パラメータとして用い、トルクTは次式で表される。
T=K×V×DUTY−K×Ke×N ‥‥‥‥‥‥(1)
ここで、K:(モータートルク係数Kt÷モーター抵抗R)に相当する係数
Ke:モーター発電係数に相当する係数
また、トルクを計測する方法は、モーターの通電電流(時間平均値)IとPWMがON状態の比[DUTY]を入力パラメータとして用い、トルクTは次式で表される。
T=Kt×I×DUTY−Kft ‥‥‥‥‥‥(2)
ここで、Kft:フリクショントルクに相当する値
移動しているシートに異物が接触した場合、モーターの駆動負荷は増すことになるが、負荷変化の仕方は一様ではなく、接触形態に応じた特性を示す。もし、シートの移動当初から異物が挟まれていたときは当初からトルクは右肩上がりで増加する。移動途中で異物の挟持が起こると当初はトルク力の変化はなく挟持した時点から右肩上がりで増加する。また移動途中で異物が衝突し飛ばされた場合には当初はトルク力の変化はなく衝突した時点でパルス的に増加し、その後はもとのトルクに戻るなどの応答となる。この応答はシートの堅い部分で異物接触が生じたときは大きな変動として現われるため、検知が容易であるが、柔らかい部分で生じたときは小さな変動であるため、検出が難しい。従来の挟み込み検知のアルゴリズムはシートの駆動力をF、シートの移動距離をxとすると、シートの硬い部分で挟み込まれた場合は、所定距離(Δx)毎のシート駆動力の変化量(ΔF)が大きいため、例えば1つの閾値ZOを用意しておいて、(ΔF/Δx)i >ZOとなるタイミングを計測する手法が採られていた。ここに用いられるZO値は実際に挟み込みが起こるときの値を実験等で確認し予め求められた値にシートの硬度等を加味したものである。しかし、この従来手法では柔らかい部分で挟み込みが生じたときや、乳幼児のように柔らかい異物を挟み込んだ場合には小さな変動となるため、検出が難しい。かといって、検出感度を高くしようと閾値ZOを小さく設定すれば、ノイズによる誤動作が頻発することになる。
また、シートの移動中に異物が衝突し挟み込まれることなく飛ばされた場合には、負荷が継続して増加することなく瞬時的にパルス状の力が加わることになる。このような事象に対応するため、シートの駆動力Fに対して、ある閾値幅h(一定)を用意し、閾値を前回計測時のシート駆動力F(x−1)に加え、Z1=F(x−1)+hとして、この変動閾値Z1と現在のシートの駆動力F(x)とを比較することにより、力の変化量ΔFが閾値幅hを超えたときには挟み込みの判定を行う方法も採用されていた。この場合、トルクが固定閾値ZOを越えていなくても、瞬時的に加わるパルス状の力の変動としてそのピーク値が前記の変動閾値Z1を越える(本発明の動作説明図である図2に丸枠で示す現象参照。)ため、この判定手法で対応ができることが分かる。しかし、柔らかい部分で異物が挟み込まれた場合、徐々に負荷が上昇しパルス状の力の変化とはならないため、挟み込みが発生していてもこの検出手法ではそれを検知することができないという問題があった。これに対処できる検出法を提示することが、本発明の課題である。
本発明は前述したシートの駆動力Fに対して、ある閾値幅hを加えた変動閾値Z1=F(x−1)+hの判定方式を採用すると共に、柔らかい部分で挟み込まれた場合に対処できるように、徐々に負荷が上昇する過程において有効な判定方式を加えたものである。
本発明では、所定移動距離毎にシート駆動力の変化量(ΔF/Δx)iに対応してある係数Kiを予め設定し、両者の積、Ki(ΔF/Δx)iの総和ΣKi(ΔF/Δx)iをシートの移動に応じて順次算出する。この係数Kiはシートの柔らかい部分に対応して決められる値である。柔らかい部分で異物を挟持した場合、駆動力は徐々に上昇するため、所定距離Δx毎の駆動力の変化量ΔFがhを越えることがないため、変動域値Z1と現在のシートの駆動力F(x)との比較で検出することはできないが、ΔFには小さな駆動力変化も反映されている。そこで、この所定距離毎のシート駆動力の変化量(ΔF/Δx)に係数Kiを掛けたものを順次積算し、これを先の変動域値Z1から減算したものを新たな閾値Zとして算出し、そのZ値と現在のシートの駆動力F(x)とを比較するようにすれば柔らかい部分で異物を挟持したときのように時間をかけて徐々に上昇する駆動力をも検知することができる。すなわち、本発明が採用する新たな閾値Zは、従来の閾値F(x)+hからΣKi(ΔF/Δx)iを減算することにより、結果的に閾値を順次縮小させて、現在のシートの駆動力Fが縮小された閾値を超えるか否かを比較して判定する。判定式方法は以下のとおりである。
1) 閾値Zは Z=F(x−1)+h−ΣKi(ΔF/Δx)i ‥‥(3)として決める。
2) 現在の駆動力F(x)を前記閾値Zと比較し、Z<F(x)のときに挟み込みが発生し たものと判定する。
ここに用いる係数[Ki]の値は、対象となるシートにおいて起こりうる種々の挟み込みケースを事前に駆動実験し、その際のシート駆動力の変化(ΔF/Δx)i、異物が当接するシート部分の弾性率等を予め計測し、最適化して得た定数テーブルとして用意しておく。
次に図2を参照しながら、本発明の作動を詳細に説明する。図の横軸方向にシートの移動距離を採っており、この図ではシートがXsに至ったときにシートの柔らかい部分で異物を挟持し始めたものとし、Xgは従来の変動閾値Z1が固定閾値Z0に一致する位置、それ以降の閾値が固定閾値Z0になる位置を示している。図の縦軸には力[ニュートン]を採っており、図中太実線はシートの駆動力変化が、太波線は本発明の閾値が、そして太一点鎖線は挟まれた異物に掛かる荷重がグラフ表示されている。また、図中細波線は従来の変動域値Z1,固定閾値Z0を表示している。挟み込みが開始されるXsまでシート駆動力は車の加速度や車体の傾斜などに起因する想定範囲内のランダム変動だけであるから、ΔFは0に等しい値となり、(ΔF/Δx)iは0に等しい。たとえ少々の値が検出されてもランダム変動であるからΣKi(ΔF/Δx)iは0と見なせるので、本発明の閾値Zはこの領域では従来のZ1と実質的な差はでない。また、この領域でシートの堅い部分に異物が衝突したような場合には図中丸枠で囲ったようにシート駆動力F(x)にパルス状の変化が生じる。このときパルスのピ−ク値は閾値幅hを越えるので異物の衝突を検知することができる。
次にシートの移動途中Xsの位置に至り柔らかい部分で異物の挟持が始まったとする。異物が挟持されても当接部分が柔らかい部材であるため、シートの駆動力F(x)に急激な上昇はみられず、ΔFは閾値幅hを越えることはない。しかし、このΔFの値にはその増加分が検出されている。次の単位変位量Δx進んだ時のΔFにも挟持状態は継続進行しているのでその増加分が検出される。本発明では所定距離毎のシートの駆動力の変化量(ΔF/Δx)iを順次積算する手法を採用しているので、ΣKi(ΔF/Δx)iの演算を行うことにより、閾値ZからそのΣKi(ΔF/Δx)i分が差し引かれていく。この係数Kiは前述したように柔らかい部分に対応して設定された係数である。このように閾値を縮小して挟み込みの判定を行っているため、ΣKi(ΔF/Δx)iが設定した閾値幅hに達した時点Xpでこの異物挟持を検知する。このようにシート駆動力F(x)が所定閾値Z0に達するXqより距離Lだけ前に異物の挟持を検知することができる。このように本発明においては硬いものばかりではなく、柔らかいものに挟み込まれた場合の検知が遅れることなくでき、検知精度を向上させることができる。しかも、閾値Zは設定閾値幅hからΣKi(ΔF/Δx)i分だけ低くされるが、これはシートの駆動力の変化量ΔFiが持続して増加する場合にだけ反映されるので、単純に閾値を低くした場合のようにノイズによる誤動作を頻発することがない。なお、堅い部分で異物を挟持した場合にはパルス状ではなく急激な単調増加となるため、ΔF値が閾値幅hを越えるときは瞬時に、そうでない場合も数回のΣKi(ΔF/Δx)i分が閾値幅hを越えるのでシート駆動力F(x)が固定閾値Z0に達する前に異物の挟持を検知することができる。
挟み込みではない負荷変動、例えば、レール上に異物があるなどの場合には一時的に負荷が増大し、直ぐ負荷が減少することになる。この場合には、それまでの閾値Zに一時的負荷変動の増大と減少の下記補正値を加算する対応を取る。すなわち、一時的に負荷が増大した補正値[Ki(ΔF/Δx)i]を閾値Zに加算すると共に、その後の減少に対応して補正値[Ki+1(ΔF/Δx) i+1]を減算し、誤動作を防止する。
シートの駆動力を計測する手段としてブラシレス直流モーターの回転数を利用する実施形態を示す。位相がπ/2ずれた2系列のモーターパルスA,Bのパルスエッジ入力毎に前回パルスエッジからの経過時間をクロックパルスでカウントする。モーターパルスは直流電圧を印加する端子への切り替えタイミングに対応するものでモーターの回転に対応するものである。シートの移動過程で挟み込みが生じるとモーター出力軸に負荷が掛かり、モーターの回転数(速度)が低下する。したがって、その際のパルスエッジ間の時間間隔は長くなり、カウントされるクロックパルス数は多くなる。図3に示されるようにモーターの出力軸の負荷が増大傾向を示すと、それに反比例するようにモーターパルスの周波数は低くなるので、本実施例ではこのパルス周波数を、先の式(1)のモーター回転数Nに相当するものとして用い、パルスエッジ間隔をシートの単位変位量Δxとする。パルスエッジ間隔毎に(1)式の計算をし、前回値との間でΔF=T−Ti−1を求める。
また、モーターコイルの通電電流からシートの駆動力を計測する実施形態は、モーター制御用のコントローラのメイン周期の経過毎に電流検知回路のA/D変換を起動し、シャント抵抗両端電位差としてその際のモーターコイル電流値を計測する。モーターコイルの通電電流値は図3に示されるようにモーター出力軸の負荷量にほぼ対応したものとなる。この計測タイミングはシートの単位変位量Δxに対応しないので、パルスエッジ間隔をシートの単位変位量とし、その間に計測した複数個のデータを算術平均した電流値Iを式(2)に採用する。
図4に示すブロック図でモーターパルス検知方式による1実施例を示す。入力パラメータとしてモーター回転速度検出装置によるモーターパルス周期(回転速度N)データとモーター端子電圧Vの計測値を用いる。また、使用するモーターの特性情報としてモータートルク係数、モーター抵抗値、モーター発電係数、[DUTY]値を準備し、モーターの駆動力Fを演算する。次に、回転速度検出装置によるモーター回転速度情報を積分してシートの移動距離情報を得、先の駆動力Fを除算して単位変位量当たりの駆動力変動量ΔF/Δxを算出する。シートの変位に対応して順次出力されるこの駆動力変動量[ΔF/Δx]iは事前に実験により蓄積された正常動作時の値と比較され、挟み込み現象が発生するなどして比較値に許容値以上の差が生じたならば異常と判断し、前述した最適化して得た定数テーブルの係数Kiを適用して駆動力変動量[ΔF/Δx]iとこの係数Kiとの乗算演算を行い、更にこの値を積算する。先の駆動力変動量と蓄積された正常動作時の値と比較で、異常と判定されてもその後正常範囲に復帰した場合は挟み込み現象ではなくランダムノイズであるので、その際には段落番号[0014]に記載したように閾値Zに一時的な負荷変動の増大と減少の差分を補正値として、当該変動までの閾値Zに加算して(正常値に戻し)誤動作を防止する。そして、この積算値ΣKi(ΔF/Δx)iは判定閾値hと比較され、これを越えた時点で挟み込み判定を出力する。
なお、この閾値hと積算値ΣKi(ΔF/Δx)iとの比較は、前述した閾値Z=F(x−1)+h−ΣKi(ΔF/Δx)iと現在の駆動力F(x)と比較し、Z<F(x)のときに挟み込みが発生したものと判定することと、前回計測位置の駆動力F(x−1)分を除去しただけで技術的に同義である。
この実施例を、電気回路図として示したものが図5である。図中の中央左端部に波線で囲ったパルサはモーターの回転速度検出装置に当たるもので、回転軸の回転位相に対応して出力されるπ/2位相のずれた2系列のパルスA,Bであって、当該直流モーターの出力軸、あるいは、ローター回転数検出用である。マイクロコンピュータ(以下MCと略称する。)内でこの2系列のパルスのエッジタイミング毎の経過時間をクロックパルスでカウントする。このクロックは発信器OSCで作られる。図中の右端に位置するシート駆動モーターの通電電流を測定する図中右下方の電流検知回路は、図4のモーター電流の測定用であり、アナログ入力端子AN2からMCに送られ測定される。また、モーターの端子電圧は、図5のインターフェース回路1を介してアナログ入力端子AN1からMCに送られ測定される。また、使用するモーターの特性情報としてモータートルク係数、モーター抵抗値、モーター発電係数、[DUTY]値および最適化して得た係数Ki定数テーブルはMC内のメモリに記憶蓄積されており、駆動力Fの演算、単位変位毎の負荷変化率(ΔF/Δx)i、この負荷変化率(ΔF/Δx)iと係数Kiとの乗算、積算値ΣKi(ΔF/Δx)iの算出と、駆動力変動量[ΔF/Δx]iと正常動作時の値と比較、閾値hと積算値ΣKi(ΔF/Δx)iとの比較はすべてMC内で処理される。
なお、図中のCPU Power として示されたものは、MC用の電源として、バッテリ出力をレギュレートするものである。
モーターのトルクと通電電流及び回転数との関係特性を示すグラフである。 本発明の挟み込み検知システムの動作を説明する図である。 モーターの変位とモーターの負荷及びコイル通電電流の関係を説明するグラフである。 本発明の1実施例を説明するブロック図である。 本発明の1実施例の回路構成を説明する図である。 本発明が適用される自動車のシート例の全体斜視図である。 座席シートの駆動機構を説明する図である。 折り畳み機能を備えた座席シートの説明図である。

Claims (4)

  1. 電動スライド機構を有する車両用シートにおいて、所定移動距離Δx毎にシート駆動力の変動ΔFを計測し、その変動量を閾値Zと比較することにより車両用シートの異物挟み込み検出をする方法であって、その際の前記閾値Zは、設定閾値幅hから所定移動距離毎のシート駆動力の変動量に係数Kiを掛けたものを順次積算した値[ΣKi(ΔF/Δx)i]を減算して決められる変動域値であることを特徴とする車両用シートの異物挟み込み検出方法。
  2. 係数Kiは異物挟持開始位置から所定移動距離Δx毎に決められた値であって、当該シートの弾力特性に対応した値である請求項1に記載の車両用シートの異物挟み込み検出方法。
  3. 係数Kiは当該シートを用いて異物の挟み込み実験を行い最適化して得た定数テーブルから読み出す値である請求項2に記載の車両用シートの異物挟み込み検出方法。
  4. 電動スライド機構を有する車両用シートと、スライド機構の駆動源の直流モーターと、当該モーターの回転により、車両用シートのスライド位置xを計測する手段と、当該モーターの駆動力Fを割り出す手段と、所定移動距離毎の駆動力の変動量(ΔF/Δx)i に応じて、予め設定された係数Kiを割当てる定数テーブルとを備え、ΣKi(ΔF/Δx)iが予め設定された閾値幅hを超えた場合に挟み込みの検知を行うことを特徴とする車両用シートの異物挟み込み検出装置。
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