JP5251313B2 - 車両用シート装置 - Google Patents

車両用シート装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5251313B2
JP5251313B2 JP2008179237A JP2008179237A JP5251313B2 JP 5251313 B2 JP5251313 B2 JP 5251313B2 JP 2008179237 A JP2008179237 A JP 2008179237A JP 2008179237 A JP2008179237 A JP 2008179237A JP 5251313 B2 JP5251313 B2 JP 5251313B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seat
reclining
seat back
vehicle
rotation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008179237A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010018110A (ja
Inventor
起一 楠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2008179237A priority Critical patent/JP5251313B2/ja
Publication of JP2010018110A publication Critical patent/JP2010018110A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5251313B2 publication Critical patent/JP5251313B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、車両用シート装置に関する。
従来より、例えば、クーペタイプの車両では、後席への乗員の乗り降りを容易とするために、前席のシート装置にウォークイン機構を備えたものが知られている。このウォークイン機構では、起立状態(乗員の着座を前提としたシートバックの状態)のシートバックを車両前方向に倒すことにより、或いは、シートバックを前方に倒した上で所定の操作を行うことにより、シートが車両前方に移動する。このようなウォークイン状態へとシートが変化することにより、後席と前席との間隔が広がり、かつ、シートバックが前倒しになることにより、乗降の容易性が確保される。
例えば、特許文献1には、前方に移動したシートを復帰させる際に、シートバックと車体(例えば、センターピラー)との間に物体が介在していることを検知する手法として、シートクッションの後端部とシートバックとの間にセンサを設けることが開示されている。
特開2005−304851号公報
しかしながら、特許文献1に開示された手法によれば、物体の介在を検知することを目的として、シート装置にセンサを新たに備え付ける必要があり、シート装置のコストが増加するという不都合がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、コストの増加を抑制しつつ、シートバックと車体との間に物体が介在することを有効に検知することである。
かかる課題を解決するために、本発明の車両用シート装置において、制御手段は、シートバックが車両前方側から戻された場合、リクライニング手段の電動機による負荷を解放状態に制御して、スライド手段によりシートを後進させる。また、制御手段は、第1の回転軸を中心とするシートバックの回動をリクライニング手段から判定したことを条件に、スライド手段によりシートを前進へと切り替える。
本発明によれば、リクライニング手段の電動機による負荷を解放状態とすることで、車体との間に物体が介在する場合、この物体からの反力によりシートバックが第1の回転軸を中心に容易に回動することとなる。そのため、シートバックの回動をリクライニング手段から判定することで、物体の介在を判定することができるので、センサなどを新たに設ける必要がない。これにより、シート装置のコストの増加を抑制することができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態にかかる車両用シート装置1を模式的に示す説明図である。図2は、第1の実施形態にかかる車両用シート装置1のシステム構成を示す説明図である。本実施形態の車両用シート装置1は、後席への乗員の乗降を容易とするために、乗車状態からウォークイン状態へとシートSの状態を変化させることができるウォークイン機構を有している。この車両用シート装置1は、例えば、クーペタイプの車両において、前席側に適用されている。車両用シート装置1は、乗員が着座するシートSと、シートSを駆動するアクチュエータと、制御部10とを主体に構成されている。なお、乗車状態およびウォークイン状態に関するシートSの状態については、後述する。
シートSは、車体のフロア上に設けられている。このシートSは、主として乗員の大腿部から臀部を支持するシートクッション(シート座面)S1と、主として乗員の腰部から背中を支持するシートバックS2と、主として乗員の頭部を支持するヘッドレストS3とで構成されている。
リクライニングモータ2は、シートバックS2のリクライニング角を調整するためのアクチュエータ(電動機)である。リクライニングモータ2の回転軸には、ギヤが一体的に取り付けられており、このギヤは、リクライニング回転軸RS1に一体的に取り付けられたギヤと歯合している。これにより、リクライニングモータ2が作動することにより、リクライニング回転軸RS1が回転する。シートバックS2は、リクライニング回転軸RS1を中心として、回動可能に構成されており、リクライニング回転軸RS1が回転することにより、シートバックS2が回動する。リクライニングモータ2の動作は、乗員によって操作されるリクライニングスイッチSW1の操作信号に対応して、制御部10によって制御される。本実施形態において、リクライニングモータ2は、シートバックのリクライニング角を調整するリクライニング手段(シートリクライナ)の一部を構成する。
ここで、シートSには、操作レバー3を操作することにより、シートバックS2を車両前方に倒すことができるシート前倒手段が設けられている。具体的には、シートバックS2は、リクライニング回転軸RS1とは異なる第2の回転軸RS2を中心として回動可能に構成されている。シートバックS2は、通常、第2の回転軸RS2を基準として定義される回動角(以下「基準シートバック角」という)において固定されており、操作レバー3の操作に応じて、この固定が解除される。シートバックS2の固定が解除されることにより、第2の回転軸RS2を中心としてシートバックS2を車両前方に倒すことが可能となる。
スライドモータ5は、シートSを車両前後方向へ移動させるためのアクチュエータ(電動機)である。スライドモータ5の回転軸には、ギヤが一体的に取り付けられており、このギヤは、車両前後方向に延在するスライドシャフト6に取り付けられたギヤと歯合している。スライドモータ5が作動することにより、スライドシャフト6が軸回転する。このスライドシャフト6には、螺旋状に溝が形成されており、スライドシャフト6が軸回転することにより、シートSと一体となりフロア上を前後方向に移動する。これにより、シートSを車両前後方向に移動させることができる。スライドモータ5の動作は、乗員によって操作されるスライドスイッチSW3の操作に対応して、あるいは、シートバックS1の車両前方への回動または基準シートバック角への戻しに対応して、制御部10によって制御される。本実施形態において、スライドモータ5は、シートSを車両前後方向へ移動させるスライド手段の一部を構成する。
制御部(制御手段)10は、システム全体を統合的に制御する機能を担っており、制御プログラムに従って動作することにより、シートSの状態を制御する。制御部10としては、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。この制御部10には、リクライニングスイッチSW1、スライドスイッチSW3、シートバックスイッチSW2からのスイッチ信号が入力されているとともに、スライド位置検出センサ11からのセンサ信号が入力されている。
リクライニングスイッチSW1は、シートバックS2のリクライニング角を調整するための操作スイッチである。リクライニングスイッチSW1が一方の端子側へと操作された場合、このスイッチ操作が制御部10によって認識される。制御部10は、リクライニングスイッチSW1が一方の端子側へ操作されていることを条件として、リクライニングモータ2を制御して、シートバックS2を車両前方へと回動させる。これに対して、リクライニングスイッチSW1が他方の端子側へと操作された場合、このスイッチ操作が制御部10によって認識される。制御部10は、リクライニングスイッチSW1が他方の端子側へ操作されていることを条件として、リクライニングモータ2を制御して、シートバックS2を車両後方へと回動させる。
スライドスイッチSW3は、シートSの車両前後方向における位置を調整するための操作スイッチである。スライドスイッチSW3が一方の端子側へと操作された場合、このスイッチ操作が制御部10によって認識される。制御部10は、スライドスイッチSW3が一方の端子側へ操作されていることを条件として、スライドモータ5を制御して、シートSを前進させる。これに対して、スライドスイッチSW3が他方の端子側へと操作された場合、このスイッチ操作が制御部10によって認識される。制御部10は、スライドスイッチSW3が他方の端子側へ操作されていることを条件として、スライドモータ5を制御して、シートSを後進させる。
シートバックスイッチSW2は、操作レバー3の操作に対応して、シートバックS2が前方に倒された状態であるかを検出する検出スイッチである。シートバックS2が第2の回転軸RS2を中心として車両前方に倒されると、シートバックスイッチSW2が閉状態(オン状態)となる。シートバックスイッチSW2の状態変化は制御部10によって認識される。制御部10は、シートバックスイッチSW2の状態がオフ状態からオン状態へ変化した場合には、スライドモータ5を制御して、シートSを前端シート位置まで前進させる。ここで、前端シート位置は、ウォークイン状態へと変位させた際のシートSの位置であり、後席への乗降の容易性や前席の移動可能範囲などを考慮して設定されている。例えば、前端シート位置としては、スライドモータ5により車両前方へと移動することができる最前端の位置を設定することができる。
一方、前方に倒されたシートバックS2が第2の回転軸RS2を中心として基準シートバック角に戻された場合、シートバックスイッチSW2が開状態(オフ状態)となる。制御部10は、シートバックスイッチSW2の状態がオン状態からオフ状態へ変化した場合、スライドモータ5を制御して、シートSを前端シート位置から基準シート位置まで後進させる。ここで、基準シート位置は、ウォークイン状態から乗車状態へとシートSを後進させた場合に、シートSの後進を停止させる位置である。基準シート位置としては、設計等の段階において予め決定される初期位置を用いることもできるが、操作レバー3が操作された際のシートSの位置、すなわち、スライドスイッチSW3を用いて乗員によって調整されたシートSの位置(以下「乗員設定位置」という)を記憶しておくことにより、この位置を用いることもできる。
スライド位置検出センサ11は、車両前後方向におけるシートSの位置を検出するセンサである。
本実施形態の特徴の一つとして、制御部10は、ウォークイン状態のシートSにおいてシートバックS2が車両前方側から戻された場合、シートリクライナのリクライニングモータ2による負荷を解放状態に制御して、スライドモータ5によりシートを後進させる。また、制御部10は、シートSの後進中に、リクライニング回転軸RS1を中心とするシートバックS2の回動をシートリクライナ(本実施形態では、リクライニングモータ2)から判定したことを条件に、スライドモータ5によりシートを前進へと切り替える。
図3は、本発明の実施形態にかかる車両用シート装置1のウォークイン状態と乗車状態との間の基本的な状態遷移を示す説明図である。同図(a)は、乗車状態、すなわち、乗員が前席に乗車することができる通常のシート状態を示している。この乗車状態において、シートSは、車両前後方向において乗員設定位置に存在し、シートバックS2は、第2の回転軸RS2に対しては基準シートバック角となり、リクライニング回転軸RS1に対しては、リクライニングスイッチSW1を用いて乗員によって調整されたリクライニング角に設定されている。
この乗車状態において、操作レバー3が操作されると、シートバックS2が第2の回転軸RS2を中心として車両前方に倒れる。これにともない、同図(b)に示すように、シートSは、乗員設定位置を始点として前進する。そして、シートSが前端シート位置へ到達することを条件として、シートSの前進が停止する。これにより、同図(c)に示すように、ウォークイン状態、すなわち、シートバックS2が前方に倒されるとともに、シートSが前端シート位置に存在する状態が形成される。
ウォークイン状態において、あるいは、シートSの前進中において、シートバックS2が第2の回転軸RS2を中心として車両後方へと戻される。車両後方へと戻されたシートバックS2は、基準シートバック角において固定される。また、シートバックS2の戻しと対応して、同図(d)に示すように、シートSが後進する。そして、シートSが基準シート位置(乗員設定位置)へ到達することを条件として、シートSの後進が停止する。これにより、同図(d)に示すように、乗車状態が形成される。
図4は、本発明の実施形態にかかる車両用シート装置1によるシート制御方法の手順を示すフローチャートである。同図に示す処理は、制御部10によって実行され、処理のスタート時、シートSは乗車状態にあることを前提とする。
まず、ステップ1(S1)において、制御部10は、シートバックスイッチSW1がオン状態に切り替わったか否かを判定する。すなわち、シートバックS2が前方に倒されたか否かが判断される。このステップ1において肯定判定された場合、すなわち、シートバックスイッチSW1がオン状態に切り替わった場合には、ステップ2(S2)に進む。一方、ステップ1において否定判定された場合、すなわち、シートバックスイッチSW1がオフ状態のままである場合には、ステップ1の判断を再度実行する。
ステップ2において、制御部10は、スライド位置検出センサ11によって検出されるシートSの位置を乗員設定位置として読み込み、これを記憶する。そして、ステップ3(S3)において、制御部10は、スライドモータ5を制御して、シートSを前進させる。
ステップ4(S4)において、制御部10は、シートバックスイッチSW2がオフ状態に切り替わったか否かを判断する。すなわち、シートバックS2が後方へ戻されたか否かが判断される。このステップ4において肯定判定された場合、すなわち、シートバックスイッチSW1がオフ状態に切り替わった場合には、後述するステップ8(S8)に進む。一方、ステップ4において否定判定された場合、すなわち、シートバックスイッチSW1がオン状態のままである場合には、ステップ5(S5)に進む。
ステップ5(S5)において、制御部10は、シートSが前端シート位置に到達したか否かを判断する。制御部10は、例えば、スライド位置検出センサ11によって検出されるシートSの位置に基づいて、ステップ5の判断を行う。このステップ5において肯定判定された場合、すなわち、シートSが前端シート位置に到達した場合には、ステップ6(S6)に進む。一方、ステップ5において否定判定された場合、すなわち、シートSが前端シート位置に到達していない場合には、ステップ3の処理を再度実行する。
ステップ6において、制御部10は、スライドモータ5を制御して、シートSの前進を停止させる。
ステップ7(S7)において、制御部10は、シートバックスイッチSW1がオフ状態に切り替わったか否かを判定する。このステップ7において肯定判定された場合、すなわち、シートバックスイッチSW1がオフ状態に切り替わった場合には、ステップ8(S8)に進む。一方、ステップ7において否定判定された場合、すなわち、シートバックスイッチSW1がオン状態のままの場合には、ステップ7の判断を再度繰り返す。
ステップ8(S8)において、制御部10は、シートSのリクライニング角を調整するシートリクライナをフリー状態に設定する。具体的には、リクライニングモータ2は、通常アーマチャショート状態に設定されている。このステップ8では、制御部10は、リクライニングモータ2の片側を解放状態に設定し、リクライニングモータ2による負荷を解放状態に制御する。そして、ステップ8に続くステップ9(S9)において、制御部10は、スライドモータ5を制御して、シートSを後進させる。
ステップ10(S10)において、制御部10は、シートバックスイッチSW1がオン状態に切り替わったか否かを判定する。このステップ10において肯定判定された場合、すなわち、シートバックスイッチSW1がオン状態に切り替わった場合には、ステップ11(S11)に進む。一方、ステップ10において否定判定された場合、すなわち、シートバックスイッチSW1がオフ状態のままである場合には、ステップ12(S12)に進む。
ステップ11において、制御部10は、シートリクライナのフリー状態を解除する。具体的には、制御部10は、リクライニングモータ2をアーマチャショート状態に設定する。これにより、リクライニングモータ2による負荷の解放状態が解除される。そして、ステップ11を実行した後、上述したステップ3に進む。
ステップ12(S12)において、制御部10は、シートバックS2の動きを検出したか否かを判断する。具体的には、制御部10は、リクライニングモータ2における二つのブラシ間の電気的な状態(導通・絶縁)、すなわち、モータの入力間の電気的な状態を監視し、電気的な状態変化があったか否かを判断する。シートバックS2がリクライニング回転軸RS1を中心として回動した場合、リクライニングモータ2において電気的な状態に変化が生じる。そのため、リクライニングモータ2の電気的な状態変化に基づいて、シートバックS2の動きを検出することができる。ステップ12において肯定判定された場合、すなわち、シートバックS2の動きを検出した場合には、後述するステップ16(S16)に進む。一方、ステップ12において否定判定された場合、すなわち、シートバックS2の動きを検出していない場合には、ステップ13(S13)に進む。
ステップ13において、制御部10は、シートSが基準シート位置(本実施形態では、乗員設定位置)に到達したか否かを判断する。制御部10は、例えば、スライド位置検出センサ11によって検出されるシートSの位置に基づいて、ステップ13の判断を行う。このステップ13において肯定判定された場合、すなわち、シートSが乗員設定位置に到達した場合には、ステップ14(S14)に進む。一方、ステップ13において否定判定された場合、すなわち、シートSが乗員設定位置に到達していない場合には、ステップ9の処理に戻る。
ステップ14(S14)において、制御部10は、スライドモータ5を制御して、シートSの後進を停止させる。そして、ステップ15(S15)において、制御部10は、ステップ11と同様、シートリクライナのフリー状態を解除する。
一方、ステップ16において、制御部10は、スライド位置検出センサ11によって検出されるシートSの位置を読み込み、これを記憶する。そして、ステップ17(S17)において、制御部10は、スライドモータ5を制御して、シートSを前進させる。
ステップ18(S18)において、制御部は、シートSが前端シート位置に到達したか否かを判断する。このステップ18において肯定判定された場合、すなわち、シートSが前端シート位置に到達した場合には、ステップ20(S20)に進む。一方、ステップ18において否定判定された場合、すなわち、シートSが前端シート位置に到達していない場合には、ステップ19(S19)に進む。
ステップ19において、制御部10は、ステップ16において検出されたシートSの位置を始点として、シートSが、予め設定された一定距離前進したか否かを判断する。このステップ19において肯定判定された場合、すなわち、シートSが一定距離前進した場合には、ステップ20に進む。一方、ステップ19において否定判定された場合、すなわち、シートSが一定距離前進していない場合には、ステップ17に進む。
ステップ20(S20)において、制御部10は、スライドモータ5を制御して、シートSの後進を停止させる。そして、ステップ21(S21)において、制御部10は、ステップ11と同様、シートリクライナのフリー状態を解除する。
このように本実施形態において、車両用シート装置1は、ウォークイン機構を備えている。ここで、車両用シート装置1の制御部10は、シート前倒手段によりシートバックS2が前方に倒された場合、スライドモータ5によりシートSを前進させる。また、制御部10は、シートバックS2が車両前方側から戻された場合、シートリクライナのリクライニングモータ2による負荷を解放状態に制御して、スライドモータ5によりシートSを後進させる。さらに、制御部10は、シートSの後進中に、第1の回転軸RS1を中心とするシートバックS2の回動をシートリクライナから判定したことを条件に、スライドモータ5によりシートSを前進へと切り替える。
図5は、シートSと車体との間に物体Obが介在する状態の説明図である。シートSの後進時、リクライニングモータ2による負荷が解放状態に制御されている。シートSが後進している場合に、シートバックSと車体(例えば、センターピラー)との間に物体Obを挟み込んだ場合、物体Obの挟み込み位置は、支点となるリクライニング回転軸RS1から距離がある。そのため、挟み込みによる反力により、シートバックSは車両前方に押される。
シートバックS2が車両後方へ戻された場合、第2の回転軸RS2に対する回動は固定されている。一方、リクライニングモータ2の負荷が解放状態であるため、シートバックS2は、リクライニングモータ2によるブレーキが働かない状態、すなわち、リクライニング回転軸RS1の摺動抵抗で軽く保持された状態となっている。そのため、シートバックS2は、挟み込みで発生した反力により、車両前方へと容易に回動させられる状態となっている。このシートバックS2の回動にともない、リクライニングモータ2が逆方向(前傾させる方向)に回転することになる。
図6は、リクライニングモータ2の電気的な状態変化の説明図である。リクライニングモータ2は、コミュテータ(回転子の電極部分)21にブラシ22が接触し、回転子に巻きつけてあるコイル23に電流が流れることによってモータは回転する。リクライニングモータ2内のブラシ22とコミュテータ電極21の関係により、モータの回転軸が正転方向Raまたは逆転方向Rbに回転すると、二つのブラシ22間の電気的な状態、すなわち、導通・絶縁が変化する。制御部10は、このブラシ(モータの入力)22間の電気的な状態変化を読み取ることにより、シートバックS2の回動に起因するリクライニングモータ2の回転、すなわち、シートバックS2と車体との間の物体Obの挟み込みを検出することができる。
このように、シートリクライナのリクライニングモータ2による負荷を解放状態とすることで、車体との間に物体Obが介在する場合、この物体Obからの反力によりシートバックS2がリクライニング回転軸RS1を中心に容易に回動することとなる。そのため、シートバックS2の回動を判定することで、物体Obの介在を精度よく検知することができる。また、シートバックS2の回動はシートリクライナ(本実施形態では、リクライニングモータ2の電気的な状態変化)から判定することができるので、シートバックS2をリクライニングさせる既存の構成でこれを実現することがでる。よって、物体Obの介在を判定するセンサを新たに設ける必要がない。これにより、コストの増加を抑制しつつ、シートバックSと車体との間に物体Obが介在することを有効に検知することができる。
また、本実施形態によれば、シートバックS2の回動を判定した場合には、スライドモータ5を反転させて、シートSを前進させている。これにより、挟み込まれた物体Obの保護を図ることができる。
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態にかかる車両用シート装置1のシステム構成を示す説明図である。第2の実施形態にかかる車両用シート装置1が、第1の実施形態のそれと相違する点は、シートリクライナがリートバックS2のリクライニング角を検出するセンサを備えていることにある。なお、第1の実施形態と共通する構成については符号を引用し、重複する説明は省略することとする。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明を行う。
リクライニング角検出センサ12は、シートバックS2のリクライニング角を検出するセンサである。制御部10は、リクライニング角検出センサ12によって検出されたリクライニング角を読み込み、このリクライニング角を記憶することができる。リクライニング角検出センサ12によるリクライニング角の検出は、乗車するたびにリクライニング角の調整を行う煩雑さを抑制するため、ユーザが調整したリクライニング角をメモリするために行われる。
本実施形態において、制御部10は、第1の実施形態と同様、リクライニング回転軸RS1を中心としたシートバックS1の回動を判定する機能を担っている。本実施形態では、制御部10は、シートバックS2の戻しに対応してシートSを後進させる場合、現在のリクライニング角度を記憶する。そして、制御部10は、リクライニング角検出センサ12によって検出されたリクライニング角が、制御部10が記憶したリクライニング角度と相違する場合に、シートバックの回動を判定する(図4におけるステップ12の処理)。
このように本実施形態によれば、シートバックS2の角度変化から、シートバックS2の回動に起因するリクライニングモータ2の回転、すなわち、シートバックS2と車体との間の物体Obの挟み込みを検出することができる。シートバックS2をリクライニングさせる既存のシステム構成により、シートバックS2の挟み込みを検知することができる。よって、挟み込みを検出するセンサなどを別途追加する必要がなく、コストの低減を実現することができる。
車両用シート装置1を模式的に示す説明図 第1の実施形態にかかる車両用シート装置1のシステム構成を示す説明図 車両用シート装置1のウォークイン状態と乗車状態との間の基本的な状態遷移を示す説明図 車両用シート装置1によるシート制御方法の手順を示すフローチャート シートSと車体との間に物体Obが介在する状態の説明図 リクライニングモータ2の電気的な状態変化の説明図 第2の実施形態にかかる車両用シート装置1のシステム構成を示す説明図
符号の説明
1 車両用シート装置
2 リクライニングモータ
3 操作レバー
5 スライドモータ
6 スライドシャフト
10 制御部
11 スライド位置検出センサ
12 リクライニング角検出センサ
21 コミュテータ電極
22 ブラシ
23 コイル

Claims (4)

  1. ウォークイン機構を有する車両用シート装置において、
    乗員の背中を支持するシートバックを備えるシートと、
    電動機により第1の回転軸を中心として前記シートバックを回動させることにより、前記シートバックのリクライニング角を調整するリクライニング手段と、
    操作手段の操作に応じて、前記第1の回転軸とは異なる第2の回転軸を中心として前記シートバックを車両前方に倒すシート前倒手段と、
    前記シートを車両前後方向へ移動させるスライド手段と、
    前記リクライニング手段および前記スライド手段を制御する制御手段とを有し、
    前記制御手段は、
    前記シート前倒手段により前記シートバックが前方に倒された場合、前記スライド手段により前記シートを前進させるとともに、
    前記シートバックが車両前方側から戻された場合、前記リクライニング手段の電動機による負荷を解放状態に制御して、前記スライド手段により前記シートを後進させるとともに、前記第1の回転軸を中心とする前記シートバックの回動を前記リクライニング手段から判定したことを条件に、前記スライド手段により前記シートを前進へと切り替えることを特徴とする車両用シート装置。
  2. 前記制御手段は、前記リクライニング手段における電動機であるモータの回転を検出した場合に、前記シートバックの回動を判定することを特徴とする請求項1に記載された車両用シート装置。
  3. 前記リクライニング手段は、前記シートバックのリクライニング角度を検出するリクライニング角検出手段をさらに有し、
    前記判定手段は、前記リクライニング角検出手段によって検出されたリクライニング角が、予め記憶されたリクライニング角度と相違した場合に、前記シートバックの回動を判定することを特徴とする請求項1に記載された車両用シート装置。
  4. ウォークイン機構を有する車両用シート装置において、
    乗員の背中を支持するシートバックを備えるシートと、
    電動機により第1の回転軸を中心として前記シートバックを回動させることにより、前記シートバックのリクライニング角を調整するリクライニング手段と、
    操作手段の操作に応じて、前記第1の回転軸とは異なる第2の回転軸を中心として前記シートバックを車両前方に倒すシート前倒手段と、
    前記シートを車両前後方向へ移動させるスライド手段と、
    前記リクライニング手段および前記スライド手段を制御する制御手段とを有し、
    前記制御手段は、
    前記シート前倒手段により前記シートバックが前方に倒された場合、前記スライド手段により前記シートを前進させるとともに、
    前記シートバックが車両前方側から戻された場合、前記リクライニング手段の電動機による負荷を解放状態に制御して、前記スライド手段により前記シートを後進させるとともに、前記第1の回転軸を中心とする前記シートバックの回動を前記リクライニング手段から判定したことを条件に、前記シートバックと車体との間に物体が介在することを判定することを特徴とする車両用シート装置。
JP2008179237A 2008-07-09 2008-07-09 車両用シート装置 Active JP5251313B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008179237A JP5251313B2 (ja) 2008-07-09 2008-07-09 車両用シート装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008179237A JP5251313B2 (ja) 2008-07-09 2008-07-09 車両用シート装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010018110A JP2010018110A (ja) 2010-01-28
JP5251313B2 true JP5251313B2 (ja) 2013-07-31

Family

ID=41703444

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008179237A Active JP5251313B2 (ja) 2008-07-09 2008-07-09 車両用シート装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5251313B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6112609B2 (ja) * 2013-11-08 2017-04-12 アイシン精機株式会社 車両用シート装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH042530A (ja) * 1990-04-17 1992-01-07 Tachi S Co Ltd パワーシートのウォークイン制御方法およびウォークイン制御装置
JPH08175248A (ja) * 1994-12-28 1996-07-09 Delta Kogyo Co Ltd 車両用シート装置
JP3885389B2 (ja) * 1998-10-29 2007-02-21 アイシン精機株式会社 状態記憶装置
JP3771114B2 (ja) * 2000-06-02 2006-04-26 富士機工株式会社 車両用座席装置
JP4563921B2 (ja) * 2005-11-10 2010-10-20 東洋電装株式会社 車両用シートの挟み込み検知システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010018110A (ja) 2010-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9950644B2 (en) Vehicle seat control apparatus
EP2871092B1 (en) Seat apparatus for vehicle
KR101753999B1 (ko) 차량의 파워시트 제어장치 및 그 방법
JP3492605B2 (ja) 自動車の前部座席を調節する電気調節機
JP5429539B2 (ja) シート状態変更装置
JP6629608B2 (ja) 車両用シート制御装置
JP6411410B2 (ja) 車両用シート制御装置
US11130426B2 (en) Seatback rotating device
JP2008195323A (ja) 車両用シート操作装置
KR101746464B1 (ko) 차량용 전후석 시트의 간섭방지 시스템 및 그 제어 방법
JP5251313B2 (ja) 車両用シート装置
JP6346226B2 (ja) 車両用シート制御装置
JPH0585234A (ja) パワーシートのモータ制御方法およびモータ制御装置
JP2005119340A (ja) シート位置制御装置
JP2008230343A (ja) シート制御装置およびシート制御方法
JP5297051B2 (ja) 車両用シート装置および車両用シート装置の制御方法
JP5291573B2 (ja) シート状態変更装置
JP2005280373A (ja) 車両のシート装置
JP7347196B2 (ja) 車両用シートの制御装置
JP6651987B2 (ja) 車両用シート調節装置
JP2819138B2 (ja) ヘッドレスト制御方法、ヘッドレスト制御装置およびヘッドレスト駆動機構
JP2012214193A (ja) 車両用シート制御装置
JP2011042298A (ja) シート状態変更装置
CN116424167A (zh) 座椅控制装置及座椅控制方法
JP4527698B2 (ja) シート装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110628

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130314

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130319

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130401

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5251313

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160426

Year of fee payment: 3