JP4563039B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、セパレータが多孔膜からなり、かつ正極および負極の少なくとも一方の表面に接合されているリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池などの電気化学電池では、正極と負極との間に、それぞれの極板を電子的に絶縁し、さらに電解液を保持する役目をもつセパレータが介在している。リチウムイオン二次電池では、現在、微多孔性薄膜からなるセパレータが主流であり、微多孔性薄膜の原料としては、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂が用いられている。
一方、高レート特性や寿命特性を向上させる観点から、正極と負極との間に微多孔性薄膜を介在させた従来の構成に代えて、正極および負極の少なくとも一方の表面に、多孔膜を接合する構成が提案されている(例えば特許文献1〜4参照)。現在公知となっている多孔膜は、樹脂材料からなる結着剤と固体微粒子からなるフィラーとを含んでいる。
正極および負極の少なくとも一方の表面に多孔膜を接合する場合、別途に微多孔性薄膜からなるセパレータを必要としないことから、電池構造や製造工程を簡略化することができるというメリットがある。また、微多孔性薄膜からなるセパレータは、決められた位置からずれることがあるが、極板表面に接合された多孔膜の場合、そのような不都合が生じないため、短絡不良も抑制される。
特開平10−106530号公報 特開平7−220759号公報 米国特許第5882721号明細書 米国特許第5948464号明細書
しかしながら、多孔膜の結着剤を構成する樹脂材料としては、従来、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエンモノマー共重合体、ゴム性樹脂などが用いられている。これらの樹脂材料は、いずれも接着能力が充分ではないため、多孔膜を極板表面に接合するためには、比較的多くの結着剤を多孔膜に含める必要がある。多くの結着剤を多孔膜に含めると、多孔膜の可撓性が不十分となり、多孔膜が破損しやすくなる。また、結着剤の劣化が電池寿命に大きく影響したり、電池の高レート特性が劣化したりするという問題も生じる。
本発明は、正極、負極、前記正極と負極との間に介在するセパレータ、および非水溶媒にリチウム塩を溶解した電解液を備え、前記セパレータは、塩基性固体微粒子および複合結着剤を含む多孔膜からなり、前記多孔膜は、前記正極および前記負極の少なくとも一方の表面に接合されており、前記複合結着剤は、主結着剤および副結着剤からなり、前記主結着剤は、ポリエーテルサルフォンからなり、前記副結着剤は、ポリビニルピロリドンからなるリチウムイオン二次電池に関する。
前記塩基性固体微粒子は、α−アルミナを少なくとも含むことが好ましい。
前記多孔膜に含まれる前記塩基性固体微粒子と前記複合結着剤との重量比率は、96:4〜99.5:0.5であることが好ましい。
前記正極は、リチウム含有複合酸化物からなることが好ましい。
前記負極は、炭素材料からなることが好ましい。
前記複合結着剤に含まれる前記主結着剤と副結着剤との重量比率は、1:10〜10:1であることが好ましい。
本発明によれば、結着剤の使用量が少量で済み、極板への接着能力と可撓性の両方において優れる多孔膜が得られる。また、本発明によれば、そのような多孔膜を具備する高レート特性およびサイクル寿命特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極、負極、正極と負極との間に介在するセパレータ、および非水溶媒にリチウム塩を溶解した電解液を備え、セパレータは、正極および負極の少なくとも一方の表面に接合された多孔膜からなる。リチウムイオン二次電池においては、負極の方がサイズが大きいため、少なくとも負極表面に多孔膜を接合することが好ましい。
捲回や積層などによって極板群を構成する電池製造過程においては、多孔膜に大きな機械的応力が印加されるが、多孔膜が正極および負極の少なくとも一方の表面に接合されている場合、多孔膜が所定位置からずれたり、極板群に隙間が生じたりする可能性が低減される。
多孔膜は、フィラーとして塩基性固体微粒子を含んでおり、さらに複数種の樹脂材料からなる複合結着剤を含んでいる。複合結着剤は、ポリエーテルサルフォンからなる主結着剤と、ポリビニルピロリドンからなる副結着剤とを含んでいる。なお、ポリエーテルサルフォンの重量平均分子量は、特に制限されないが、1万〜1000万であることが好ましく、ポリビニルピロリドンの重量平均分子量は、特に制限されないが、1万〜1000万であることが好ましい。
ポリエーテルサルフォンからなる主結着剤は、高電位でも安定であり、寸法安定性、耐熱性および難燃性に優れている。また、ポリビニルピロリドンからなる副結着剤は、塩基性固体微粒子の表面と良好な結合性を有し、かつ可撓性を有する。従って、これらを含む複合結着剤は、極板への接着能力と可撓性の両方において優れた多孔膜を与える。また、このような多孔膜は、耐熱性や強度においても優れている。
主結着剤を構成するポリエーテルサルフォンは、他の樹脂材料との結合性には優れているが、塩基性固体微粒子の表面との結合性が十分ではないという欠点がある。ポリビニルピロリドンからなる副結着剤には、そのような欠点を補い、塩基性固体微粒子の表面と複合結着剤との結合性を高める作用がある。また、ポリビニルピロリドンは、塩基性固体微粒子、特にα−アルミナの表面との結合性が良好であり、ポリエーテルサルフォンとの親和性も高い。さらに、ポリビニルピロリドンは可撓性を有するから、捲回や積層などによって極板群を構成する際の作業性が向上する。
塩基性固体微粒子は、シリカ等の酸性固体微粒子に比べ、リチウムイオンを拡散させる速度が速いという利点がある。このような作用について、詳細は不明であるが、塩基性固体微粒子の表面にはリチウムイオンがトラップされにくいことが関与しているものと考えられる。
ポリビニルピロリドンは、接着能力と可撓性に極めて優れているため、ポリエーテルサルフォンからなる主結着剤と、ポリビニルピロリドンからなる副結着剤とを含む複合結着剤を用いることで、多孔膜に含まれる樹脂の量を少なくすることができる。多孔膜に含まれる塩基性固体微粒子と複合結着剤との重量比率は、96:4〜99.5:0.5であることが好ましい。
複合結着剤の使用量が少量で済むことから、リチウムイオンを拡散させる速度が速いという塩基性固体微粒子の表面物性を顕在化させることができる。その結果、リチウムイオン二次電池の高レート特性は向上する。複合結着剤の重量比率が上記範囲よりも大きくなると、結着剤に覆われる塩基性固体微粒子の表面の比率が高くなり、リチウムイオン二次電池の高レート特性を向上させる効果が小さくなる。また、複合結着剤の重量比率が上記範囲よりも小さくなると、多孔膜の強度が次第に小さくなる。
複合結着剤に含まれる主結着剤と副結着剤との重量比率は、
1:10〜10:1であることが好ましい。主結着剤の比率が大きく、副結着剤の比率が小さくなり過ぎると、多孔膜が硬くなり、可撓性が減少する。一方、主結着剤の比率が小さく、副結着剤の比率が大きくなり過ぎると、多孔膜の強度が減少する。
塩基性固体微粒子には、例えばマグネシウム酸化物、酸化アルミニウム、酸化チタンなどの塩基性を有するセラミックス材料を用いることができる。なかでもリチウムイオンを拡散させる効果が大きいことから、特にα−アルミナやアナターゼ型の酸化チタンを用いることが好ましい。なお、塩基性固体微粒子の表面のpHは7より大きく、12以下であることが好ましい。
酸化チタンを用いる場合、α−アルミナを用いる場合に比べて、電池の低レート特性に若干の低下が見られるが、高レート特性が向上する。その理由は明らかではないが、酸化チタンは、粒子同士の斥力が強いことや形状因子の影響により、空隙率の高い多孔膜を形成するという特徴を有する。そのため、多孔膜のイオン伝導に対する抵抗が低くなるものと考えられる。
α−アルミナを用いる場合、塩基性固体微粒子のBET比表面積は、極板群への電解液の注液を容易にするとともに、電池性能およびサイクル寿命を向上させる観点から、0.9m2/g以上、さらには1.5m2/g以上であることが好ましい。BET比表面積が0.9m2/g未満になると、複合結着剤とα−アルミナとの結合性が低下し、多孔膜の強度が弱くなる。また、α−アルミナの凝集を抑制し、多孔膜の原料ペーストの流動性を好適化する観点から、BET比表面積は大き過ぎず、例えば150m2/g以下であることが好ましい。さらに、α−アルミナの平均粒径(メディアン径)は、0.1〜5μmであることが好ましい。
一方、酸化チタンを用いる場合、多孔膜中の空隙の孔径や分布を均一化する観点から、酸化チタン粉末の粒径は0.5μm以下であることが好ましい。また、酸化チタン粉末の平均粒径(メディアン径)は0.04〜0.5μmであることが好ましい。
多孔膜の厚みは、特に限定されないが、セパレータとしての機能を十分に発揮させるとともに、電池の設計容量を維持する観点から、5〜30μmであることが好ましい。
正極には、従来公知の正極材料を特に限定なく用いることができるが、リチウム含有複合酸化物を活物質として含むことが好ましい。リチウム含有複合酸化物の好ましい例としては、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物などが挙げられる。一般に、活物質と導電剤と結着樹脂とを含む正極合剤を調製し、これを集電体の両面に担持させることで、正極を得ることができる。
負極には、従来公知の負極材料を特に限定なく用いることができるが、炭素材料を含むことが好ましい。炭素材料の好ましい例としては、人造黒鉛、天然黒鉛などが挙げられる。一般に、炭素材料と結着樹脂とを含む負極合剤を調製し、これを集電体の両面に担持させることで、負極を得ることができる。
次に、実施例に基づいて本発明をより具体例に説明する。以下の実施例および比較例では、円筒形のリチウムイオン二次電池を作製し、得られた電池の高レート特性およびサイクル寿命特性を評価した。
《実施例1》
(1)正極の作製
コバルト酸リチウム粉末85重量部と、導電剤の炭素粉末10重量部と、結着樹脂であるポリフッ化ビニリデン5重量部とを含む正極合剤を、脱水N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散もしくは溶解させて、正極スラリーを調製した。この正極スラリーをアルミニウム箔からなる正極集電体上に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、その後これを圧延して正極を得た。
(2)負極の作製
負極活物質として人造黒鉛粉末を用いた。人造黒鉛粉末95重量部と、結着樹脂であるポリフッ化ビニリデン5重量部とを含む負極合剤を、脱水NMPに分散もしくは溶解させて、負極スラリーを調製した。この負極スラリーを銅箔からなる負極集電体上に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、その後これを圧延して負極を得た。
(3)多孔膜の原料ペーストの調製
以下の組成からなる混合物を100g調製した。そして、100gの前記混合物を混練機((株)シンキー製の練太郎MX201)で30分間攪拌・混合し、多孔膜の原料ペーストを得た。
[組成]
α−アルミナ :96重量部
ポリエーテルサルフォン:1.6重量部
ポリビニルピロリドン :2.4重量部
NMP :100重量部
ただし、α−アルミナは住友化学工業(株)製のAKP50(pH=9、
BET比表面積:約10m2/g)を、ポリエーテルサルフォンは住友化学工業(株)製のスミカエクセルPES5003Pを、ポリビニルピロリドンは
BASFジャパン(株)製のLUVITEC−K90を用いた。
なお、α−アルミナのpH測定には、煮沸抽出ガラス電極測定法を用い、
JIS−R6129−1976およびJIS28802−1984に基づいて測定を実施した。また、大塚電子(株)のELS−8000(pHタイトレーション装置)によるpH測定も実施した。
また、BET比表面積の測定は、直読式比表面積測定装置を用いて、
BET1点法に基づいて実施した。まず、0.5〜1gのα−アルミナの試料をガラスセルに入れ、窒素とヘリウムの混合キャリアガス(体積比N2:He=30:70)流通下で、250℃で20〜30分間クリーニングを実施した。次いで、液体窒素でα−アルミナの試料を冷却しながら、キャリアガス中のN2を吸着させた。その後、α−アルミナの試料を室温まで昇温させ、N2の脱着量を熱伝導型検出器で検出し、脱着量に対応する表面積と測定後の試料質量とから、比表面積を算出した。算出には、ユアサアイオニクス(株)製のNOVA2000を用いた。
(4)多孔膜の極板表面への接合
負極の両面に、多孔膜の原料ペーストを、片面あたりの乾燥後の厚さが20μmとなるように、コンマロールコートで塗工した。その後、100℃で15分間程度の熱風乾燥を行った。この一連の工程により、多孔膜を両面に有する負極を得た。
多孔膜を両面に有する負極の断面を、走査電子顕微鏡(SEM)で観察した。得られたSEM写真(拡大倍率3000倍)を図1に示し、その要部拡大写真(拡大倍率30000倍)を図2に示す。これらの図より、固体粒子2が充填された構造の多孔膜1が負極合剤層3の表面に形成されていることが確認できた。
(5)非水電解液の調製
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比1:1で含む混合非水溶媒に、リチウム塩としてLiPF6を濃度1モル/リットルで溶解し、非水電解液を得た。
(6)電池の作製
正極と多孔膜を両面に有する負極とを重ね合わせ、捲回し、柱状の極板群を構成した。この極板群を円筒形の缶状電池ケースに挿入した。次いで、約3.8mlの電解液を電池ケース内に注液し、極板群に電解液を含浸させた後に、電池ケースの開口部を封口し、直径18mm、高さ65mmの円筒形電池を完成させた。円筒形電池の設計容量は2000mAhとした。
《実施例2》
多孔膜の原料ペーストの組成を以下に変更したこと以外、実施例1と同様にして電池を作製した。
α−アルミナ :99.5重量部
ポリエーテルサルフォン:0.1重量部
ポリビニルピロリドン :0.4重量部
NMP :100重量部
《比較例1》
負極上に多孔膜を形成せず、厚さ25μmのポリエチレン製微多孔膜をセパレータとして用い、従来公知の工程により、実施例1と同様の電池を組み立てた。
《実施例3》
多孔膜の原料ペーストの組成を以下に変更したこと以外、実施例1と同様にして電池を作製した。
α−アルミナ :95重量部
ポリエーテルサルフォン:2重量部
ポリビニルピロリドン :3重量部
NMP :100重量部
《比較例2》
組成を以下に変更したこと以外、実施例1と同様に多孔膜の原料ペーストを調製した。
α−アルミナ :96重量部
ポリエーテルサルフォン:4重量部
ポリビニルピロリドン :0重量部
NMP :100重量部
得られた原料ペーストを用いて負極上に多孔膜を形成し、実施例1と同様に極板群を構成しようとしたが、多孔膜に可撓性がなく、硬くなりすぎたため、捲回工程を行うことができなかった。ここではポリエーテルサルフォンだけを用い、ポリビニルピロリドンを用いなかったため、多孔膜の可撓性が得られなかったものと考えられる。
《比較例3》
組成を以下に変更したこと以外、実施例1と同様に多孔膜の原料ペーストを調製した。
α−アルミナ :96重量部
ポリエーテルサルフォン:0重量部
ポリビニルピロリドン :4重量部
NMP :100重量部
得られた原料ペーストを用いて負極上に多孔膜を形成し、実施例1と同様に極板群を構成しようとしたが、多孔膜が脆くて剥がれやすかったため、捲回工程を行うことができなかった。ここではポリビニルピロリドンだけを用い、ポリエーテルサルフォンを用いなかったため、多孔膜の強度が得られなかったものと考えられる。
《比較例4》
組成を以下に変更したこと以外、実施例1と同様に多孔膜の原料ペーストを調製した。
α−アルミナ :96重量部
ポリエーテルサルフォン:0重量部
ポリビニルピロリドン :0重量部
ポリフッ化ビニリデン :4重量部
NMP :100重量部
得られた原料ペーストを用いて負極上に多孔膜を形成し、実施例1と同様に極板群を構成しようとしたが、多孔膜が脆くて剥がれやすかったため、捲回工程を行うことができなかった。ここではポリビニルピロリドンとポリエーテルサルフォンの代わりにポリフッ化ビニリデンを用いたため、多孔膜の強度が得られなかったものと考えられる。
《実施例4》
多孔膜の原料ペーストの組成を以下に変更したこと以外、実施例2と同様にして電池を作製した。
酸化チタン :99.5重量部
ポリエーテルサルフォン:0.1重量部
ポリビニルピロリドン :0.4重量部
NMP :100重量部
ただし、酸化チタンは、富士チタン工業(株)製のTA300(pH=8、
BET比表面積:8m2/g)を用いた。なお、酸化チタンのpHおよびBET比表面積の測定は、α−アルミナの場合と同様に行った。
《実施例5》
組成を以下に変更したこと以外、実施例1と同様に多孔膜の原料ペーストを調製した。
α−アルミナ :98.8重量部
ポリエーテルサルフォン:1重量部
ポリビニルピロリドン :0.2重量部
NMP :100重量部
[電池の評価]
極板群の構成が可能であった完成することができた電池(実施例1〜5および比較例1)を用いて、以下の評価を行なった。
〈1〉高レート放電特性
20℃環境下で、以下のパターンの充放電を10サイクル繰り返し、10サイクル目に得られた放電容量を各電池の初期容量とした。そして、全ての電池において、1Cレート放電では、初期容量が設計容量を満足していることを確認した。
(1Cレート放電)
定電流充電:2000mA(終止電圧4.2V)
定電圧充電:4.2V(終止電流100mA)
定電流放電:2000mA(終止電圧2.5V)
次いで、20℃環境下で、以下の5パターンの充放電を各電池について実施した。そして各放電レートで得られた放電容量を、0.2Cレート放電で得られた放電容量を100%とする相対値で表1に示す。
(0.2Cレート放電)
定電流充電:2000mA(終止電圧4.2V)
定電圧充電:4.2V(終止電流100mA)
定電流放電:400mA(終止電圧2.5V)
(2Cレート放電)
定電流充電:2000mA(終止電圧4.2V)
定電圧充電:4.2V(終止電流100mA)
定電流放電:4000mA(終止電圧2.5V)
(3Cレート放電)
定電流充電:2000mA(終止電圧4.2V)
定電圧充電:4.2V(終止電流100mA)
定電流放電:6000mA(終止電圧2.5V)
(4Cレート放電)
定電流充電:2000mA(終止電圧4.2V)
定電圧充電:4.2V(終止電流100mA)
定電流放電:8000mA(終止電圧2.5V)
(5Cレート放電)
定電流充電:2000mA(終止電圧4.2V)
定電圧充電:4.2V(終止電流100mA)
定電流放電:10000mA(終止電圧2.5V)
〈2〉サイクル寿命特性
20℃環境下で、以下のパターンの充放電を繰り返した。そして、50、
100、200、300、500、750および1000サイクル目に得られた放電容量を、初期容量を100%とする相対値で表2に示す。
(1Cレート放電)
定電流充電:2000mA(終止電圧4.2V)
定電圧充電:4.2V(終止電流100mA)
定電流放電:2000mA(終止電圧2.5V)
表1および表2から明らかなように、実施例1〜5の電池は、比較例1の電池に比べて、高レート特性およびサイクル寿命特性の両方において優れていた。
また、実施例の電池は、微多孔膜からなるセパレータを用いる必要がないため、電池製造過程が簡易となって、生産性が向上した。
なお、従来のセパレータは、細孔分布が不均一なものが発生しやすく、生産歩留まりが低いものであったが、本発明に係る多孔膜は固体粒子を充填させた構造であるため、不均一な細孔分布となりにくく、生産歩留まりは向上すると考えられる。
本発明によれば、例えば高レート特性およびサイクル寿命特性に優れたリチウムイオン二次電池を生産性良く製造することが可能になる。
実施例で作成した多孔膜の断面を示すSEM写真である。 図1の要部拡大写真である。
符号の説明
1 多孔膜
2 固体粒子
3 負極合剤層

Claims (6)

  1. (a)正極、(b)負極、(c)前記正極と負極との間に介在するセパレータ、および(d)非水溶媒にリチウム塩を溶解した電解液、を備えたリチウムイオン二次電池であって、
    前記セパレータは、塩基性固体微粒子および複合結着剤を含む多孔膜からなり、前記多孔膜は、前記正極および前記負極の少なくとも一方の表面に接合されており、
    前記複合結着剤は、主結着剤および副結着剤からなり、
    前記主結着剤は、ポリエーテルサルフォンからなり、
    前記副結着剤は、ポリビニルピロリドンからなるリチウムイオン二次電池。
  2. 前記塩基性固体微粒子は、α−アルミナを少なくとも含む請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記多孔膜に含まれる前記塩基性固体微粒子と前記複合結着剤との重量比率が、96:4〜99.5:0.5
    である請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 前記正極は、リチウム含有複合酸化物からなる請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記負極は、炭素材料からなる請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
  6. 前記複合結着剤に含まれる前記主結着剤と副結着剤との重量比率が、
    1:10〜10:1
    である請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
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