JP4562413B2 - 穿孔用金型およびそれを用いたセラミックグリーンシートの穿孔方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成形体に穿孔を形成するための金型であって、特に、多連チップ抵抗器等の電子部品用セラミックス基板の貫通孔を形成するための金型に関するものである。
図4は、多連チップ抵抗器31を示す斜視図である。この多連チップ抵抗器31は、両側面が凹凸に形成された長尺セラミックス基板32上の対向する凹部位33間に抵抗体膜34を備えたもので、各抵抗体膜34は凹部位33を介してセラミックス基板32の側曲面に被着された端面電極膜35とそれぞれ電気的に接続されるとともに、保護膜36によって被覆されるようになっていた。一方で、セラミックス基板32の対向する凸部位に端面電極膜35を被着するものもあった。
また、図5に示すように、多連チップ抵抗器用のセラミックス基板41は、例えば、格子状に交わる横方向分割溝42および縦方向分割溝43と、横方向分割溝42上に等間隔で形成された複数の貫通孔45を備え、最外に位置する横方向分割溝42aおよび縦方向分割溝43aで仕切られた領域製品部44とし、最外に位置する横方向分割溝42aおよび縦方向分割溝43aからセラミックス基板の横方向外辺41aおよび縦方向外辺41bに係る領域をダミー部46のように構成されている。そして、セラミックス基板41の貫通孔45の内壁面および開口部周辺に端面電極膜35を印刷焼き付け後に、セラミックス基板41の一方の主面側に抵抗体膜34を印刷焼き付ける。次に、レーザートリミングにより抵抗体膜34の抵抗値を設定した後、抵抗体膜34上に保護膜36を印刷焼き付けし、さらに、横方向分割溝2に沿って一次ブレイクした後、縦方向分割溝3に沿って二次ブレイクすることにより、図4に示す多連チップ抵抗器31を製造していた。
一方で、図5に示す多連チップ抵抗器用セラミックス基板41の製造には、図6に示すように、複数の打ち抜きピン51とスリット刃52を備えた上パンチ53と、打ち抜きピン抜け部54を有する下パンチ55とを具備した一体金型50を使用していた。即ち、図6(a)に示すように、下パンチ55上に載置したセラミックグリーンシート56の表面に、断面形状がV字状をしたスリット刃52を有する上パンチ53を押し当てて分割溝を形成した後、図(b)に示すように、打ち抜きピン51で打ち抜いてセラミックグリーンシート56に複数の貫通孔を穿孔した後、セラミックグリーンシート56を焼成して製造していた(特許文献1参照)。
特開平08−13107号公報
ところで、貫通孔45を形成するために打ち抜きピン51を用いてセラミックグリーンシート56を穿孔すると、穿孔時に発生する大きな引張り応力によってセラミックグリーンシート56に歪みが発生し、該セラミックグリーンシート56を焼成すると、図7に示すように、セラミックス基板41が変形してしまう問題があった。そのため、図4に示す、多連チップ抵抗器31の製造工程中における抵抗体膜34、端面電極膜35、保護膜36の印刷に悪影響を与え、不良品となるという課題があった。
とりわけ、端面電極膜35が側曲面にある場合、一次ブレイク後に端面電極膜35を印刷する際、上述したセラミックグリーンシート56の歪みにより、セラミックス基板41
に反りが発生するため、セラミックス基板41の凸部位の端面電極の印刷を困難にした。
ここで、図6に示す、打ち抜きピン51の先端部に窪みを設けることにより、貫通孔45の穿孔時に生じる引張り応力を緩和する方法もあった。しかしながら、近年、多連チップ型電子部品の小チップ化が進んでおり、孔径φ0.15mm、製品厚み0.35〜0.40mmの製品も市場投入されるようになった。そのため、打ち抜きピン51の径を小さくすることが求められ、ピン先に十分な窪み形状を設けにくくなり、また、窪み加工したとしてもセラミックグリーンシート56の厚みが厚ければ、効果は少なくなる傾向にある。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであってその目的は、印刷された端面電極膜の位置ずれを防止し、歩留りを向上させることにある。
そこで、上記課題に鑑み、本発明の穿孔用金型は、相対的に移動可能な上パンチ、および下パンチを有し、前記上パンチの一方の主面に突出する複数の打ち抜きピンを設け、該打ち抜きピンの抜け部を有する前記下パンチ上に被加工体を載置し、前記上パンチと前記下パンチとを相対的に移動させ、前記被加工体に貫通孔を形成する穿孔用金型において、前記上パンチの前記打ち抜きピンの突出面側に複数の前記打ち抜きピンを包囲するように弾性部材を備え、前記上パンチの前記打ち抜きピンの突出面側に凹部を設け、該凹部に前記弾性部材を装着し、該弾性部材を前記凹部より突設させたことを特徴とする。
さらに、前記凹部の幅を前記弾性部材の幅よりも大きくしたことを特徴とする。
さらに、前記弾性部材の25%圧縮荷重が2.0×10−2〜22.0×10−2MPaであることを特徴とする。
さらに、前記上パンチの前記打ち抜きピンの突出面側の表面粗さRyが5.0〜15.0Sであることを特徴とする。
また、本発明のセラミックグリーンシートの穿孔方法は、上述した本発明の穿孔用金型を用いて、前記上パンチと前記下パンチを相対的に移動させ、前記打ち抜きピンで前記被加工体に貫通孔を形成する工程で、前記弾性部材を前記セラミックグリーンシートに接触させた後に、前記打ち抜きピンで前記セラミックグリーンシートを穿孔することを特徴とする。
さらに、本発明のセラミックグリーンシートの穿孔方法は、上述した本発明の穿孔用金型が有する打ち抜きピン間に、前記上パンチの前記打ち抜きピンの突出面側に第一スリット刃を具備するとともに、前記突出面側に前記第一スリット刃と直交する第二スリット刃を備え、前記セラミックグリーンシートの主面上に前記分割溝を格子状に形成すると同時に、前記打ち抜きピンで前記セラミックグリーンシートを穿孔することを特徴とする。
本発明の穿孔用金型は、相対的に移動可能な上パンチ、および下パンチを有し、前記上パンチの一方の主面に突出する複数の打ち抜きピンを設け、該打ち抜きピンの抜け部を有する前記下パンチ上に前記被加工体を載置し、前記上パンチと前記下パンチとを相対的に移動させ、被加工体に貫通孔を形成する穿孔用金型において、前記上パンチの前記打ち抜きピンの突出面側に複数の前記打ち抜きピンを包囲するように弾性部材を備え、前記上パンチの前記打ち抜きピンの突出面側に凹部を設け、該凹部に前記弾性部材を装着し、該弾性部材を前記凹部より突設させたことにより、前記弾性部材で前記被加工体を固定すると
ともに、前記打ち抜きピンが前記被加工体を穿孔する前に前記被加工体に前記弾性部材が接触して前記被加工体の製品部を包囲するため、前記打ち抜きピンが前記被加工体に入り込む際に生じる応力を前記弾性部材が緩和し、前記被加工体に作用する引張り応力を低減できるため、前記被加工体に生じる応力変形による歪みを抑制することができる。また、前記被加工体穿孔時の金型下死点において、収縮した前記弾性部材を前記凹部に収納できるため、収縮して硬化した前記弾性部材を介することなく前記上パンチを被加工体に圧接させることができる。さらには、前記弾性部材の装着面積が広くなるため、前記上パンチに対する前記弾性部材の固着性を向上することができる。
また、前記凹部の幅を前記弾性部材の幅よりも大きくすると、前記弾性部材の幅方向に逃げ部が形成されるため、前記被加工体に接触する際に生じる前記弾性部材の収縮変形により前記弾性部材が前記打ち抜きピンの穿孔部位まで延びるのを防ぐことができる。即ち、前記弾性部材が前記打ち抜きピンによって受ける損傷を防ぐことができる。
また、前記弾性部材の25%圧縮荷重を2.0×10−2〜22.0×10−2MPaとすることにより、被加工体の変形抑制に対し十分な摩擦抵抗力を得ることができるとともに、前記弾性部材の過剰な圧力によって被加工体が変形するのを防ぐことができる。
また、前記上パンチの前記打ち抜きピンの突出面側の表面粗さRyを5.0〜15.0Sとすることにより、前記上パンチが被加工体を圧接する際に、被加工体の圧接面において摩擦抵抗力が得られるため、被加工体の変形を抑制することができる。
一方、本発明のセラミックグリーンシートの穿孔方法は、上述した本発明の穿孔用金型を用いて、前記上パンチと前記下パンチを相対的に移動させ、前記打ち抜きピンで前記被加工体に貫通孔を形成する工程で、前記弾性部材を前記セラミックグリーンシート板に接触させた後に、前記打ち抜きピンで前記セラミックグリーンシートを穿孔することにより、前記打ち抜きピンが前記セラミックグリーンシートに入り込む際に発生する応力を緩和することができる。
また、上述した本発明の穿孔用金型が有する打ち抜きピン間に、前記上パンチの前記打ち抜きピンの突出面側に第一スリット刃を具備するとともに、前記突出面側に前記第一スリット刃と直交する第二スリット刃を備え、前記セラミックグリーンシートの主面上に前記分割溝を格子状に形成すると同時に、前記打ち抜きピンで前記セラミックグリーンシートを穿孔することにより、スリット刃により前記セラミックグリーンシートを固定できるため、前記打ち抜きピンが前記セラミックグリーンシートに進入する際の応力をスリット刃間に閉じこめることができる。
以下、本発明の穿孔用金型の実施形態について説明する。
図1は本発明の穿孔用金型を示すもので、(a)は穿孔用金型の断面図、(b)は穿孔用金型に具備された上パンチの平面図であり、該上パンチに設けられた打ち抜きピンの突出面側からみた平面図である。
本発明の穿孔用金型は、図1(a)に示すように、相対的に移動可能な上パンチ1、および下パンチ2を具備しており、上パンチ1の一方の主面に、突出する複数の打ち抜きピン3が設けられている。また、下パンチ2には打ち抜きピン3の抜け部4を有している。実際には、下パンチ2上に被加工体5を載置し、上パンチ1と下パンチ2とを相対的に移動させ、上パンチ1に設けられた打ち抜きピン3で被加工体5を穿孔し、貫通孔を形成するものである。
また、図1(b)に示すように、上パンチ1に設けられた打ち抜きピン3の突出面1aには、複数の打ち抜きピン3を包囲するように弾性部材6が設けられている。なお、弾性部材6は突出面1aに設けた凹部7に装着し、弾性部材6を凹部7より突設させ
次に、本発明の穿孔用金型を用いて被加工体を穿孔する方法を説明する。
ず、Al含有量が93.0〜99.6質量%のアルミナ粉末に対し、SiO、MgO、およびCaO等の焼結助剤と溶媒およびバインダーを添加混練して泥漿を作製し、ドクターブレード法にてセラミックグリーンシートを製作した。
また、図2は本発明の穿孔用金型を用いて被加工体を穿孔する工程を説明する断面図である。上述した方法により作製された被加工体であるセラミックグリーンシート5を、下パンチ2に載置し、複数の打ち抜きピン3と該打ち抜きピン3を包囲するように設置された弾性部材6を有する上パンチ1によってプレス加工することにより、打ち抜きピン3がセラミックグリーンシート5に入り込んでセラミックグリーンシート5を穿孔するものである。ここで、プレス加工の際、図2(a)に示すように、ず、弾性部材6がセラミックグリーンシート5に接触し、セラミックグリーンシート5を押さえながら収縮する。そして、図2(b)に示すように、更に上パンチ1を押し込むことにより、打ち抜きピン3の突出面1aがセラミックグリーンシート5を圧接するとともに、上パンチ1に設けられた打ち抜きピン3がセラミックグリーンシート5を穿孔して抜け部4に達することにより貫通孔を形成する。
図3は本発明の穿孔用金型を用いて作製された多連チップ抵抗器用セラミックス基板21の一例を示す平面図である。
このセラミックス基板21は、セラミックス基板21の少なくとも一方の主面に予め形成された格子状の横方向分割溝22と縦方向分割溝23を有し、横方向分割溝22上に等間隔で穿孔された複数の貫通孔25を備え、最外に位置する横方向分割溝22aおよび縦方向分割溝23aで仕切られた領域を最終的に多連チップ抵抗器の基板になりうる製品部24、また、最外に位置する横方向分割溝22aおよび縦方向分割溝23aからセラミックス基板の横方向外辺21aおよび縦方向外辺21bまでの領域がダミー部26となっている。
その後、セラミックス基板21の貫通孔25の内壁面および開口部周辺に端面電極膜を印刷し、焼き付け後に、セラミックス基板21の一方の主面側に抵抗体膜を印刷し、焼き付ける。次に、レーザートリミングにより抵抗体膜の抵抗値を設定した後、抵抗体膜34上に保護膜36を印刷し、焼き付け、さらに、横方向分割溝22に沿って一次ブレイクした後、縦方向分割溝23に沿って二次ブレイクすることにより、図4に示すような多連チップ抵抗器31を製造する。
そして、本発明の穿孔用金型は、図1に示すように、上パンチ1の打ち抜きピン3の突出面1aに弾性部材6を備え、該弾性部材6が複数の打ち抜きピン3を包囲するように配置されていることとする。これは、弾性部材6を具備していないと、打ち抜きピン3がセラミックグリーンシート5を穿孔する際に、打ち抜きピン3の挿入によりセラミックグリーンシート5に引張り応力が発生し、セラミックグリーンシート5が変形してしまうからである。また、セラミックグリーンシート5において、図3に示す、多連チップ抵抗器の基板になりうる製品部24に発生する引張り応力を抑制すればよいため、弾性部材6は打ち抜きピン3を包囲するように配置すれば足りる。実際、セラミックグリーンシート5において、図3に示す製品部24に影響を及ぼす引張り応力を抑制できればよいため、図1
(b)に示すように、複数の打ち抜きピン3の周囲に隙間なく弾性部材6を配置しなくてもよい。例えば、横方向に配置されている複数の打ち抜きピン3の距離よりも弾性部材6の長さを大きくしておけば、対向する横方向にのみ弾性部材6を配置するだけでもよい。
さらに、上パンチ1の打ち抜きピン3の突出面1aに凹部7を設け、凹部7に弾性部材6を装着し、弾性部材6を凹部7より突設させることが望ましい。これは、上パンチ1でセラミックグリーンシート5をプレス加工する際に、弾性部材6が収縮して硬化するため、この硬化した弾性部材6がセラミックグリーンシート5を変形させる場合があるからである。また、弾性部材6を凹部7より突設させないと、弾性部材6がセラミックグリーンシート5と接触できなくなるため、引張り応力を緩和できなくなる。
さらに、凹部7の幅を弾性部材6の幅よりも大きくすることが望ましい。これは、凹部7の幅と弾性部材6の幅がほぼ同一であると、弾性部材6がセラミックグリーンシート5と接触して収縮変形することにより、弾性部材6が打ち抜きピン3の穿孔部位まで伸びてセラミックグリーンシート5の穿孔を妨げるとともに、弾性部材6が打ち抜きピン3より損傷を受ける可能性があるからである。
さらに、弾性部材6の25%圧縮荷重を2.0×10−2〜22.0×10−2MPaとすることが望ましい。これは、2.0×10−2MPa未満であると、引張り応力を低減するための弾性に乏しく、また、セラミックグリーンシート5の変形抑制を補助するセラミックグリーンシート5の固定に対し十分な摩擦抵抗力を得ることが困難になる。一方で、22.0×10−2MPaを超えると、セラミックグリーンシート5に弾性部材6による過剰な圧力がかかるため、セラミックグリーンシート5を変形させたり、傷つけたりする可能性がある。なお、弾性部材6の25%圧縮荷重の測定は、JIS K 6262の規格に準拠された試験により評価することができる。即ち、柱状の試験片に厚さの25%に相当する圧縮歪みを与えて高温に一定時間保持した後試験片を取り出し、30分後の厚さを測定すればよい。また、弾性部材6としては、天然ゴム、クロロピレンゴム、エチレンプロピレンゴム、トリルゴム、またはシリコンゴム等のゴムスポンジ系が好ましい。
さらに、上パンチ1の打ち抜きピン3の突出面1aの表面粗さRyが5.0〜15.0であることが望ましい。これは、表面粗さRyを5.0S未満とすると、上パンチ1をセラミックグリーンシート5に圧接する際に生じる引張り応力による変形を抑制するためセラミックグリーンシート5を固定する摩擦抵抗力が不足する場合がある。
なお、表面粗さの最大高さRyについては、断面曲線から基準長さだけを抜き取った部分の平均線に平行な2直線で、抜き取り部分をはさんだとき、この2直線の間隔を断面曲線の縦倍率の方向に測定して、その値をS(ミクロン単位)であらわす(JIS B 0601−1994)。
また、本発明の穿孔用金型を用いたセラミックグリーンシート5の穿孔方法では、弾性部材6をセラミックグリーンシート5に接触させた後に、打ち抜きピン3でセラミックグリーンシート5を穿孔するため、打ち抜きピン3がセラミックグリーンシート5に入り込む際に発生する引張り応力を弾性部材6で緩和することができる。
さらに、上記した穿孔用金型の有する打ち抜きピン3間において、上パンチ1の打ち抜きピン3の突出面1aに、図6に示すような第一スリット刃49を具備するとともに、打ち抜きピン3の突出面1aに第一スリット刃49と直交する第二スリット刃(図示しない)を備えた穿孔用金型を用いてセラミックグリーンシート5を穿孔すると、セラミックグリーンシート5の主面上に分割溝を格子状に形成すると同時に、打ち抜きピン3でセラミ
ックグリーンシート5を穿孔することができるため、成形工程の簡略化を図ることができる。併せて、上記した各々のスリット刃によりセラミックグリーンシート5を固定できるため、打ち抜きピン3がセラミックグリーンシート5に入り込む際に発生する応力をスリット刃間に閉じ込めることができる。
以上、本発明の実施形態について示したが、本発明は上述した実施形態だけに限定されるものではなく、例えば、貫通孔5の平面形状としては円形に限らず、楕円形または菱形や正方形等の四角形をしたものでもい。
また、セラミックグリーンシート5を形成するセラミックスとしても特に限定するものではなく、アルミナ、ジルコニア、ムライト、窒化珪素、または窒化アルミニウム等を主成分とするセラミック焼結体を用いることができる。なお、各分割溝22および23の断面形状はV字状としてあり、また、貫通孔25の平面形状は円形、だ円、または角形状としてある。
一方、本発明の金型は、金型材質において一般的である超硬合金系や焼入れ鋼等であり、上パンチ1への弾性部材6の接着については、一般的な両面テープや接着材で十分な効果が得られる。スリット刃は金型材質である超硬合金を研磨して刃先部の形状を形成している。
このように、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、改良や変更したものにも適用できることは言う迄もない。
本発明の穿孔用金型を以下のようにして作製した。
図1に示す穿孔用金型において、スプリング8を介して2枚のタングステンカーバイト系超硬合金からなるプレートを接続して作製された上パンチ1の一方のプレートの主面に、タングステンカーバイト系超硬合金からなる複数の打ち抜きピン3を接合した。そして、上パンチ1に設けられた打ち抜きピン3の突出面1aに、複数の打ち抜きピン3を包囲するように研磨加工して凹部7を形成し、凹部7に紙粘着テープを介してゴム6を固着した。さらに、打ち抜きピン3の突出面1aに、複数の打ち抜きピン3間にタングステンカーバイト系超硬合金からなる第一スリット刃とこの第一スリット刃と直交するように、一定間隔で第二スリット刃を設置した。
そして、タングステンカーバイト系超硬合金からなるプレートに放電ワイヤー加工を施して打ち抜きピン3の抜け部4を設けた下パンチ2を作製し、プレス機の金型固定治具を用いることにより容易に上下パンチの位置精度を出せる穿孔用金型を作製した。
次に、上記した本発明の穿孔用金型を用いてセラミックグリーンシート5を穿孔して、多連チップ抵抗器用セラミックス基板を以下のように作製した。
先ず、Al含有量が93.0〜99.6質量%のアルミナ粉末に対し、SiO、MgO、およびCaO等の焼結助剤と溶媒およびバインダーを添加混練して泥漿を作製し、ドクターブレード法にてセラミックグリーンシート5を製作した。
次に、得られたセラミックグリーンシート5を下パンチ2上に載置し、上パンチ1でセラミックグリーンシート5をプレス加工すると、各スリット刃で格子状の分割溝22および23をセラミックグリーンシート5上に形成し、さらに、上パンチ1が押し込まれ、打ち抜きピン3の突出面1aがセラミックグリーンシート5を圧接するとともに、上パンチ
1に設けられた打ち抜きピン3がセラミックグリーンシート5を穿孔して抜け部4に達することにより貫通孔25を形成した。
その後、セラミックグリーンシート5を1600℃前後の大気雰囲気中で焼成することによって、図3に示す多連チップ抵抗器用セラミックス基板21を作製した。
なお、作製した多連チップ抵抗器用セラミックス基板21は、外辺寸法が60.0mm×50.0mm、厚みが0.40mmの板状体で、サイズがφ0.15mmである貫通孔25を4704個有し、また、一つの抵抗器の大きさとしては、外辺寸法が2.0mm×1.0mm、長辺方向に凹部位が4つあるもので、これが長辺方向に55列、短辺方向に21列つらなった4連のチップ抵抗器用セラミックス基板となる。
また、本発明の穿孔用金型にはクロロプレン系のゴム6であり、ゴム6の25%圧縮荷重規格、1.5〜25×10−2MPaのものを使用し、また、上パンチ1における打ち抜きピン3の突出面1aの表面粗さRyが1.2〜20.0Sであるものを使用して得られたセラミックス基板21について評価した。
また、比較例として、弾性部材6を具備していない穿孔用金型を用いて同様に穿孔し、貫通孔を有するセラミックグリーンシートから得られたセラミックス基板を作製し、実施例の穿孔用金型から得られたセラミックス基板21とともに以下のような検討を行った。
上記で得られた種々のセラミックス基板について、図に示すように、セラミックス基板の有する分割溝42aあるいは分割溝43aの変形値Lを測定した。ここで、変形値Lとは分割溝の直線性を表す値で、スリット刃により形成された格子状の分割溝42bあるいは分割溝43bと、穿孔により変形した分割溝42aあるいは分割溝43との溝間距離であり、セラミックス基板21の変形値Lの最大距離を測定した。そして、20枚のセラミックス基板21について変形値Lの最大距離を測定し、その平均値と最大値によりセラミックス基板21に発生する変形について評価した。
また、セラミックス基板21の変形値Lの検討に加えて、セラミックス基板21の外観に対する評価も行った。結果は表1に示すとおりである。
Figure 0004562413
この表1から、比較例である試料番号1、2では、ゴム6を配置していなかったため、打ち抜きピン3がセラミックグリーンシート5に入り込んだ際に引張り応力が発生し、セラミックス基板21に変形が生じた。
これらに対して、本発明の実施例である試料番号3〜22はゴム6を配置した穿孔用金型を用いたため、上述した引張り応力を抑制することができ、セラミックス基板21に発生する変形を低減することができた。
また、試料番号3〜6ではゴム6の25%圧縮荷重が2.0×10−2MPaより小さかったため、引張り応力を低減する弾性に乏しく、併せて、セラミックグリーンシート5を固定する摩擦抵抗力が小さかったので、引っ張り応力に対する抑止力が弱かった。さらに、試料番号19〜22ではゴム6の25%圧縮荷重が22.0×10−2MPaを超えたため、収縮して硬化したゴム6による過剰な圧力がセラミックグリーンシート5に作用したため、セラミックス基板21に傷が生じた。なお、ゴム6は打ち抜きピン3を包囲するように設けられているため、前記傷はセラミックス基板21のダミー部26に発生している。但し、製品部24には実質的に傷は発生しないが、電極等の印刷をする際にダミー部26上も印刷する工程をとると、製品部24における印刷にも不具合を与える場合がある。
一方、試料番号7〜18ではゴム6の25%圧縮荷重が2.0〜22.0×10−2MPaであったため、セラミックスグリーンシート5の穿孔時に発生する引張り応力を抑制するとともに、収縮して硬化したゴム6による圧力を低減することができ、セラミックス基板21に発生する変形をより効果的に低減することができた。
さらに、打ち抜きピン3の突出面1aの表面粗さRyが5.0Sや15.0Sの穿孔用
金型を用いると、セラミックグリーンシート5を十分に固定することができたため、セラミックスグリーンシート5の穿孔時に発生する引張り応力に対抗する摩擦抵抗力を有していたため、セラミックス基板21に発生する変形をさらに効果的に低減するのに優れていた。
本発明の穿孔用金型を示すもので、(a)は断面図、(b)は穿孔用金型に具備された上パンチの平面図である。 本発明の穿孔用金型を用いて被加工体を穿孔する工程を説明する断面図である。 本発明の穿孔用金型を用いて作製された多連チップ抵抗器用セラミックス基板の一例を示す平面図である。 多連チップ抵抗器を示す斜視図である。 多連チップ抵抗器用セラミックス基板の一例を示す平面図である。 従来の穿孔用金型を用いて被加工体を穿孔する工程を説明する断面図である 多連チップ抵抗器用セラミックス基板の変形を説明する平面図である。
1、53・・・上パンチ
1a・・・打ち抜きピンの突出面
2、55・・・下パンチ
3、51・・・打ち抜きピン
4、54・・・打ち抜きピン抜け部
5、56・・・被加工体、セラミックグリーンシート
6・・・弾性部材、ゴム
7・・・凹部
8・・・スプリング
21、41・・・セラミックス基板
21a、41a・・・セラミックス基板の横方向外辺
21b、41b・・・セラミックス基板の縦方向外辺
22、42・・・横方向分割溝
22a、42a・・・最外に位置する横方向分割溝
23、43・・・縦方向分割溝
23a、43a・・・最外に位置する縦方向分割溝
24、44・・・製品部
25、45・・・貫通孔
26、46・・・ダミー部
31・・・多連チップ抵抗器
32・・・長尺セラミックス基板
33・・・凹部位
34・・・抵抗体膜
35・・・端面電極膜
36・・・保護膜
50・・・一体金型
52・・・スリット刃

Claims (6)

  1. 相対的に移動可能な上パンチ、および下パンチを有し、前記上パンチの一方の主面に突出する複数の打ち抜きピンを設け、該打ち抜きピンの抜け部を有する前記下パンチ上に被加工体を載置し、前記上パンチと前記下パンチとを相対的に移動させ、前記被加工体に貫通孔を形成する穿孔用金型において、前記上パンチの前記打ち抜きピンの突出面側に複数の前記打ち抜きピンを包囲するように弾性部材を備え、前記上パンチの前記打ち抜きピンの突出面側に凹部を設け、該凹部に前記弾性部材を装着し、該弾性部材を前記凹部より突設させたことを特徴とする穿孔用金型。
  2. 前記凹部の幅を前記弾性部材の幅よりも大きくしたことを特徴とする請求項記載の穿孔用金型。
  3. 前記弾性部材の25%圧縮荷重が2.0×10−2〜22.0×10−2MPaであることを特徴とする請求項1または2に記載の穿孔用金型。
  4. 前記上パンチの前記打ち抜きピンの突出面側の表面粗さRyが5.0〜15.0Sであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の穿孔用金型。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載の穿孔用金型を用いて、セラミックグリーンシートに貫通孔を形成するセラミックグリーンシートの穿孔方法において、前記上パンチと前記下パンチを相対的に移動させ、前記打ち抜きピンで前記被加工体に貫通孔を形成する工程で、前記弾性部材を前記セラミックグリーンシートに接触させた後に、前記打ち抜きピンで前記セラミックグリーンシートを穿孔することを特徴とするセラミックグリーンシートの穿孔方法。
  6. 穿孔用金型が有する打ち抜きピン間に、前記上パンチの前記打ち抜きピンの突出面側に第一スリット刃を具備するとともに、前記突出面側に前記第一スリット刃と直交する第二スリット刃を備え、前記セラミックグリーンシートの主面上に分割溝を格子状に形成すると同時に、前記打ち抜きピンで前記セラミックグリーンシートを穿孔することを特徴とする請求項記載のセラミックグリーンシートの穿孔方法。
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