JP4562291B2 - 樹脂製品成形用金型の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば塗装用のマスキング治具をセット出来る樹脂パンパを製造するための金型の製造技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、リブを有する樹脂製品を成形する金型にリブ成形用の溝を形成する技術として、例えば特開平7−108568号のような技術が知られており、この技術では、ボールミルを使用して金型に埋金埋設空間部を形成するとともに、この埋金埋設空間部に、側面に段部を有する埋金を埋設することにより、埋金の側面段部によってリブ成形用溝を形成するようにしているが、この技術に示される埋金埋設空間部は、比較的広くて浅い溝加工であり、例えば樹脂バンパに塗装を施す際のマスキング治具を装着するためのリブ溝のように、立壁部に隣接して表面から深い位置にあり、また精度を必要とするような溝の加工には適用することが出来ない。
このため、このようなマスキング治具装着用のリブ溝の成形は、該溝以外の箇所を機械加工等により成形した後、図7に示すような金型Gの成形面に対し、放電加工用電極51を使用し、放電加工することにより溝成形するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、機械加工した後、別途、放電加工で溝加工する方法は、加工時間が長くなるばかりでなく、電極作製等において無駄が多く、コストアップの要因になるとともに、加工面の面粗度が粗く、面粗度を上げるためには多大な工数がかかるという問題があった。
また、加工の度に電極51が擦り減るため、加工精度が下がっていくという問題もあった。
【0004】
そこで本発明は、加工時間や所要コストや作業の手間を減らして効率化を図るとともに、加工面の面粗度や加工精度が良好な溝加工が行えるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、金型成形面の一部に、深さ方向に向けて溝幅が狭まる形態の溝が立壁部に隣接して形成される樹脂製品成形用金型を製造する方法において、金型成形面の溝以外の箇所を機械加工にて成形し、次いで溝を、テーパエンドミルを垂直方向に対して斜めに切り込んだ後、水平の一定方向に移動させてダウンカットにより溝壁面を加工し、これを繰り返して徐々に溝の深さを深めることにより成形するようにした。
【0006】
そして、例えばテーパエンドミルの外周側面の形態を先端先細り方向に傾斜するテーパ形状とし、側面外周刃で溝の両側面をダウンカット加工で削ることにより、深さ方向に向けて溝幅が狭まる形態の溝をダイレクトに加工することが出来、放電加工に較べて大幅な工程短縮が図られるとともに、コストダウン化が図られ、しかも加工面の品質が良好となる。
また、ダウンカット加工により成形することで、アップカット加工に較べて加工時のびびりが抑制されて加工面品質が一層良好となり、しかも刃先の寿命を延ばすことが出来、また送りの動力を少なく出来る等の利点がある。
【0009】
尚、前記樹脂製品がバンパ部品であり、加工する溝はバンパ部品にマスキング治具を装着させるリブを成形するための溝であるような場合には好適である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで図1は樹脂パンパの説明図、図2は樹脂バンパ成形用金型の説明図、図3はテーパエンドミルの一例の説明図、図4はテーパエンドミルによる溝加工の説明図、図5は図4の平面方向から見たダウンカットの説明図、図6は深さ方向に斜めに切り込む方法の説明図である。
【0011】
本発明に係る樹脂製品成形用金型の製造方法は、例えば図1に示すような樹脂製品としての樹脂バンパPを成形する金型の製造に適用され、この樹脂バンパPは、例えば中央のラジエータ部分を残して周囲に塗装が施され、その際、中央の未塗装部分に不図示のマスキング治具が装着される。
【0012】
従って、このような樹脂バンパPにマスキング治具装着用のリブを形成するため、図2に示すように、金型Gの成形面Gpには立壁部hに隣接するリブ成形溝mが設けられ、このようなリブ成形溝mは、成形品の引抜き性を確保するため、両壁面に傾斜がつけられ、溝奥側の溝幅に較べて表面側の溝幅が広がるような形状にされている。
また、前述のように、このリブ成形溝mは立壁部hに隣接して深い位置にあり、また溝幅は比較的狭くまた溝の精度が必要なため、従来では、図7に示すような放電加工により成形していた。
【0013】
このため、従来では作製工数が増加して手間がかかり、またコストアップを招く要因となっていたため、本発明では、このリブ成形溝mを図3に示すようなテーパエンドミル1により形成し、作製工数の削減やコストダウン化を図るようにしている。
【0014】
このテーパエンドミル1は、端面と外周面に端面切刃1a、及び外周刃1bを有するとともに、リブ成形溝mの壁面の傾斜形状に合わせて外周面を先端先細り方向に傾斜させており、外周刃1bによりリブ成形溝mの溝内壁がダイレクトに加工出来るようにしている。
またこのテーパエンドミル1の長さは、加工最低限の長さで剛性を持たせて構成されている。
【0015】
このようなテーパエンドミル1による加工は、図6に示すように、最初にテーパエンドミル1を垂直方向に対して斜めに切り込んだ後、水平の一定方向に移動させることにより溝壁面を外周刃1bで加工し、一定の深さの加工が終えると、再びテーパエンドミル1を垂直方向に対して斜めに切り込んだ後、水平の一定方向に移動させて溝壁面を外周刃1bで加工し、これを繰り返すことにより所要の深さのリブ成形溝mを形成するようにしている。
【0016】
ここで、溝壁面を外周刃1bで加工する際は、図5に示すように、被切削物の相対移動方向と回転方向が同一となるようなダウンカット加工により加工するようにしている。
このようにダウンカット加工で切削することにより、アップカットに較べてびびりも発生せずに加工面品質が良くなり、刃先の寿命が長くなるとともに、送りの動力を少なく出来る等の利点を得ることが出来る。
【0017】
また、図6に示すように、溝奥に切り込む際に垂直方向から斜めに切り込むようにすることで、テーパエンドミル1の剛性をむやみに高めなくても良くなり、垂直に切り込むようなエンドミルに較べてより細い溝が加工出来るようになる。
【0018】
因みに、本実施例では、テーパエンドミル1の形状を、図2に示すリブ成形溝mの形状に合わせて構成しており、外周刃1bの傾斜角は、図2に示すようなリブ成形溝mの溝壁面の傾斜角と同一にしており、また、加工はNC制御に基づくNC加工で行うようにしている。
【0019】
次に、金型Gの製造方法等について説明する。
まず、金型Gの成形面Gpのうち、リブ成形溝m以外の部分を例えばボールミル等の機械加工により成形し、その後、リブ成形溝mをテーパエンドミル1で加工する。この際、テーパエンドミル1を垂直方向に対して斜めに切り込んだ後、水平の一定方向に移動させてダウンカットにより溝壁面を加工し、これを繰り返して徐々に溝の深さを深めるような一連の加工パスを設定し、これをNC制御することにより、最終的に所望の深さのリブ成形溝mを成形する。
因みに、以上のような方法でテーパエンドミル1により切削加工した加工面粗度は11μmRmaxであり、従来の放電加工による面粗度25μmRmaxに較べて大幅に改善されることが確認された。
【0020】
尚、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えばテーパエンドミル1の具体的形状等は一例である。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る樹脂製品成形用金型の製造方法は、深さ方向に向けて溝幅が狭まる形態の溝を有する樹脂製品成形用金型を製造する際、溝以外の箇所を機械加工により成形した後、溝を、テーパエンドミルを垂直方向に対して斜めに切り込んだ後、水平の一定方向に移動させてダウンカットにより溝壁面を加工し、これを繰り返して徐々に溝の深さを深めることによりダイレクトに成形するようにしたため、従来の放電加工に較べて大幅な工程短縮が図られるとともに、コストダウン化が図られ、しかも加工面の品質が良好となる。
そしてこのような樹脂製品として、バンパ部品であるようにすれば好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂パンパの説明図
【図2】樹脂バンパ成形用金型の説明図
【図3】テーパエンドミルの一例を示す説明図
【図4】テーパエンドミルによる溝加工の説明図
【図5】図4の平面方向から見たダウンカットの説明図
【図6】深さ方向に斜めに切り込む方法の説明図
【図7】従来の放電加工の説明図
【符号の説明】
1…テーパエンドミル、1b…外周刃、G…金型、Gp…成形面、P…樹脂バンパ、h…立壁部、m…リブ成形溝。
Claims (2)
- 金型成形面の一部に、深さ方向に向けて溝幅が狭まる形態の溝が立壁部に隣接して形成される樹脂製品成形用金型を製造する方法であって、前記金型成形面の溝以外の箇所を機械加工にて成形する工程と、前記溝を、テーパエンドミルを垂直方向に対して斜めに切り込んだ後、水平の一定方向に移動させてダウンカットにより溝壁面を加工し、これを繰り返して徐々に溝の深さを深めることにより成形する工程を備えたことを特徴とする樹脂製品成形用金型の製造方法。
- 請求項1に記載の樹脂製品成形用金型の製造方法において、前記樹脂製品はバンパ部品であり、前記溝はバンパ部品にマスキング治具を装着させるリブを成形するための溝であることを特徴とする樹脂製品成形用金型の製造方法。
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2001
- 2001-01-17 JP JP2001008856A patent/JP4562291B2/ja not_active Expired - Fee Related
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