JP4560929B2 - 残幹処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、たばこや植木等の残幹を切断する残幹処理装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来のたばこ等の残幹切断装置は例えば次のように構成されていた。即ち、地表上に直立した残幹を機体の側方から前方に亘る長い範囲に設けた挾持ベルトや牽引犁や回転刃等の引き抜き機で残幹全体を引き抜いて、機体後部の切断処理機まで搬送して短い長さに切断していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来装置は前記のように構成されていて、トラクタの機体前部から側部に残幹引き抜き装置を、機体後部には切断処理機を設けているため、機体の全長が長くなり運転操作が面倒である。また、切断処理した残幹を収納する容器が小さいと、何度も容器を取り替えたり、残幹を別の場所に廃棄に行ったりと能率が悪かった。また、切断処理機の天井部に壁やエンジン等を設けていると、残幹の先端部が引っかかって切断する前に残幹が地面から抜け出し、切断作業の能率が低下する場合があった。
【0004】
【問題を解決するための手段】
この発明は、従来装置のこのような不具合を解消しようとするものであって、次のような技術的手段を講じた。即ち、請求項1記載の発明は、平面視C字状の上フレーム(21)と下フレーム(22)の前部に前方開口部(23)を形成し、該前方開口部(23)の左右両側部には左支柱(24)と右支柱(25)を縦方向に溶接して枠体(19)を構成し、前記上フレーム(21)と下フレーム(22)に第1ステー(20a)と第2ステー(20b)を夫々斜設し、該第1ステー(20a)と第2ステー(20b)に第1軸受(18a)と第2軸受(18b)を夫々設け、該第1軸受(18a)と第2軸受(18b)に回転軸(1)の上下を夫々軸承し、該回転軸(1)を所定角度前傾斜した姿勢で設け、該回転軸(1)には上下方向に所定間隔をずらして5組の取付板(17)を取り付け、該取付板(17)には回転刃(2)を周縁部から突出させて夫々取り付け、前記下フレーム(22)の右外側方に取付台(31)を突設し、該取付台(31)にエンジン(3)を搭載し、該エンジン(3)の駆動軸(40)と回転軸(1)とを伝動ケース(32)で連動し、前記回転刃(2)を平面視で反時計方向に回転させる構成とし、前記前方開口部(23)及び枠体(19)の上下面に形成した上開口部(7)と下開口部(8)を除く枠体(19)の外周側面をカバー(4)で覆い、前記カバー(4)内の回転刃(2)の左支柱(24)を基準とする回転方向下手側に形成される空間(9)が、回転刃(2)の左支柱(24)を基準とする回転方向上手側の空間よりも広くなるように回転軸(1)を一側方に偏位させて配置し、前記回転刃(2)の回転方向下手側に位置する左支柱(24)における回転刃(2)との対向位置に夫々受刃(5)を配置し、前記カバー(4)の上方に回転軸(1)の上端部(1a)を突設し、該上端部(1a)に切断装置を取付可能な構成としたことを特徴とする残幹処理装置とした。
【0005】
【0006】
【0007】
【発明の効果】
この発明によれば、残幹を引き抜かずに直接切断するから、切断時に残幹の下部が逃げにくくなって、切断性能が向上する。また、直立した残幹を上端部から順に切断するので、残幹が逃げたり跳ねたりすることがなく、切断性能が向上する。
また、切断された残幹は回転刃(2)の左支柱(24)を基準とする回転方向下手側の空間(9)に移動して下開口部(8)から圃場に落下するので、残幹が詰まることを防止でき、作業能率が向上する。
そして、回転軸(1)の上端部(1a)をカバー(4)の上方に突設させたことにより、回転軸(1)を視認することができ、回転軸(1)の回転または非回転状態が外部から容易に判断できる。
さらに、回転軸(1)の上端部(1a)に切断装置を取り付ければ、丈の長い残幹でも短く切断することができる。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図例に基づき、この発明の実施例の形態について説明する。この実施例は、たばこの残幹を主体に、他の細い枝の植木等の切断排出処理を円滑にしようとする残幹切断処理装置に関するもので、以下その内容について説明する。
【0012】
先ず、構成について説明する。トラクタ等の移動車両11の機体A前部の前ヒッチ12部に、残幹処理装置13下部後方に設けたフック14を引き掛けてボルト等で連結固定している。該フック14は、左右一対の後部支柱15,15下部に一体的に取付けた下部枠16から突出している。該下部枠16と後部支柱15,15で主取付枠を構成しており、この主取付枠の後部支柱15に、以下説明する残幹処理装置13の主要部である切断装置6を、カバー4やエンジン3と同時に上下方向調節自在に取り付けている。
【0013】
主要部の切断装置6は、回転軸1側に取り付けた回転刃2と、カバー4側に取り付けた受刃5から成り、上端が前側に20度程度の所定角度傾斜するように前傾姿勢に斜設した回転軸1としている。回転軸1には上下方向に所定間隔ずらせて例えば5組の取付板17,17…を取り付け、この取付板17,17…には例えば2個の回転刃2,2を周縁部から突出するように180度偏位させて夫々取り付けている。
【0014】
図1〜図4に示すように回転軸1は、軸の上下部を夫々軸受18,18(第1軸受18a、第2軸受18b)で軸承されている。該軸受18,18は、図4で示すように、枠体19の上下に斜設したステー20,20(第1ステー20a、第2ステー20b)部に設けられており、切断装置6の回転外方に位置する平面視C字状の上下フレーム21,22(上フレーム21、下フレーム22)に取り付けられている。上下フレーム21,22の前方開口23部両側には、左右の支柱24,25(左支柱24、右支柱25)が縦方向に溶接され一体化している。上下方向中間部の左右支柱24,25には、平面視C字状の中間フレーム26の前方開口23端部が溶接一体化され、上下フレーム21,22と中間フレーム26の三者の背部は、上下分割した後支柱27,27で溶接一体化されている。
【0015】
さらに、上フレーム21と中間フレーム26には、後方に向かって上下のプレート28,29が突出し、両者間を左右一対の中空パイプ30,30で上下連結している。そして、上下フレーム21,22と中間フレーム26の外周側面を、前方開口23部及び上下面部の上下開口7,8を除いてカバー4で覆っている。中間フレーム26後部に一体突設する下プレート29にはボス35が溶接され、ここにハンドル36付きのネジ棒37をネジ込んでいる。ネジ込み後にネジ棒37の下端にロールピン38を打ち込んで、下部枠16のプレート39部に対して、ネジ棒37が回転は自由で上下方向には規制して取り付けられている。これにより、ハンドル36を回すことによりボス35部が上下移動し、ボス35と一体に構成した枠体19が下部枠16に対し上下調節される。
【0016】
平面視C字状の上下フレーム21,22は、図2で示すように回転刃2付きの回転軸1を一側方に偏位させ、他側方に突出空間9を設けている。そして、回転刃2付きの回転軸1前方に、前述した前方開口23を設けている。回転軸1は、上下フレーム21,22よりも、上下方向に夫々外方突出している。そして、下フレーム22の右側方外方にエンジン3を搭載する取付台31を突設し、エンジン3の駆動軸40と回転軸1を、図2で示す矢印「イ」方向に駆動回転する伝動ケース32で連動連結している。
【0017】
回転刃2,2…の回転下手側の左支柱24内方対抗位置に、夫々受刃5,5…を配置し、平面から見て回転刃2,2…の刃部が固定刃5,5…の刃部に対してオーバーラップし且つ接近して回転する構成としている。移動車両11の前進走行により、残幹処理装置13が前方に移動するとき、切断しようとする作物の茎幹または残幹Sを装置の前方開口23部に入るように操縦して前進走行する。このときエンジン3を駆動して、切断装置6で作物の茎幹または残幹Sを上部から短く切断し、回転下流側の突出空間9側に集め下方に落下させ、下開口8側から圃場上に排出する。切断装置6のカバー4外方にエンジン3を設けているので、切断される作物の茎幹の草丈が長くなった場合に、最上部の茎幹の切断長が長くなるだけであり、装置上部に引っかかることがない。また、回転軸1の突出上端部1aに、延長切断装置を取り付けると長幹の草丈であっても短く切断できる。
【0018】
カバー4のうち、突出空間9回りの平面視180度程度のカバーをナイロンやビニール等の軟質透明材、または、硬質強化ガラス等の透明体カバー10で構成しておくと、切断される作物茎幹または残幹Sの切断状態や詰まり状態が外部から見え、後作業を容易に行なえる。
【0019】
図5を主体に、切断作業について説明する。畦Mに植立しているたばこの残幹Sが前側から入って来ると、残幹Sは先ず上下方向に偏位している取付板17,17,…の周縁部に受け止められ、次いで、平面視反時計方向に回転している回転刃2,2,…の刃部により回転下手側(図2の矢印ロ方向)に送られ、たばこの残幹Sは取付板17,17…の周縁部及び回転刃2,2,…の刃部で支持された状態で回転下手側に移動し、回転刃2,2,…の刃部と受刃5,5,…の刃部により挾持切断される。
【0020】
また、回転軸1はその上部が前側に位置するように前傾姿勢で支架されているので、たばこの残幹Sはその上部側が早く、下部側が遅れて残幹処理装置13に順次送り込まれ、上部側の残幹Sから回転刃2,2,…及び受刃5,5,…により所定長さに順次切断され、切断下流側の突出空間9に向かって移動する。この切断され突出空間9に向かった残幹Sは、自重により下開口8から地面上に放出され、畦M側方の溝部に落下する。たばこ残幹Sは葉を収穫後放置しておくと、新規に小葉が繁茂し、従来のものは切断作業中に切断装置6回りに詰ることがあるが、本件構成では切断装置6の下流側に突出空間9を広く上下方向に設けているので、切断後の残幹に小葉があっても下方落下が妨げられず作業能率の低下がない。
【0021】
移動車両11の機体A後部に、上部リンク,下部リンクからなる3P連結装置41を介してロータリ耕耘装置42を連結する構成とし、機体A前部の残幹切断装置13でたばこ残幹Sの茎切断処理をし、後続のロータリ耕耘装置42により耕耘作業をすることで、残幹Sの切断処理及び土壌中への埋め込み作業を能率的に行なうことができる。
【0022】
移動車両11の前後方向中間部には、運転者が着座するシート43とステアリングハンドル44が設けられており、着座した運転者から残幹処理装置13の回転軸1の回転がエンジン3で駆動されているかどうかを、上端部1aで確認できる。これにより、切断装置6回りに透明体カバー10を設けず、不透明の樹脂板や鉄板等で覆っていても、運転者の駆動確認が容易であり、安心して作業できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 残幹処理装置の、全体側面図である。
【図2】 残幹処理装置の、全体平面図である。
【図3】 残幹処理装置の、全体正面図である。
【図4】 要部の枠体構成を示す、全体斜視図である。
【図5】 機体の前後に作業装置を取り付けた、全体側面図である。
【符号の説明】
1 回転軸
1a 上端部
2 回転刃
3 エンジン
4 カバー
5 受刃
6 切断装置
7 上開口部
8 下開口部
9 空間
10 透明体カバー
11 移動車両
17 取付板
18a 第1軸受
18b 第2軸受
20a 第1ステー
20b 第2ステー
21 上フレーム
22 下フレーム
23 前方開口部
24 左支柱
25 右支柱
Claims (1)
- 平面視C字状の上フレーム(21)と下フレーム(22)の前部に前方開口部(23)を形成し、該前方開口部(23)の左右両側部には左支柱(24)と右支柱(25)を縦方向に溶接して枠体(19)を構成し、前記上フレーム(21)と下フレーム(22)に第1ステー(20a)と第2ステー(20b)を夫々斜設し、該第1ステー(20a)と第2ステー(20b)に第1軸受(18a)と第2軸受(18b)を夫々設け、該第1軸受(18a)と第2軸受(18b)に回転軸(1)の上下を夫々軸承し、該回転軸(1)を所定角度前傾斜した姿勢で設け、該回転軸(1)には上下方向に所定間隔をずらして5組の取付板(17)を取り付け、該取付板(17)には回転刃(2)を周縁部から突出させて夫々取り付け、前記下フレーム(22)の右外側方に取付台(31)を突設し、該取付台(31)にエンジン(3)を搭載し、該エンジン(3)の駆動軸(40)と回転軸(1)とを伝動ケース(32)で連動し、前記回転刃(2)を平面視で反時計方向に回転させる構成とし、前記前方開口部(23)及び枠体(19)の上下面に形成した上開口部(7)と下開口部(8)を除く枠体(19)の外周側面をカバー(4)で覆い、
前記カバー(4)内の回転刃(2)の左支柱(24)を基準とする回転方向下手側に形成される空間(9)が、回転刃(2)の左支柱(24)を基準とする回転方向上手側の空間よりも広くなるように回転軸(1)を一側方に偏位させて配置し、
前記回転刃(2)の回転方向下手側に位置する左支柱(24)における回転刃(2)との対向位置に夫々受刃(5)を配置し、前記カバー(4)の上方に回転軸(1)の上端部(1a)を突設し、該上端部(1a)に切断装置を取付可能な構成としたことを特徴とする残幹処理装置。
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JPH0743558U (ja) * | 1992-12-10 | 1995-09-05 | 献一郎 高村 | 草刈払機に除草と表土を攪拌する働きをもつ回転式除草専用 刃と、土の飛び散りを防止するカバーを取り付けた野菜栽培用の小型管理機。 |
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JPH0743558U (ja) * | 1992-12-10 | 1995-09-05 | 献一郎 高村 | 草刈払機に除草と表土を攪拌する働きをもつ回転式除草専用 刃と、土の飛び散りを防止するカバーを取り付けた野菜栽培用の小型管理機。 |
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