JP4560892B2 - 角速度センサ補正装置、ナビゲーション装置、角速度算出方法、および記憶媒体 - Google Patents

角速度センサ補正装置、ナビゲーション装置、角速度算出方法、および記憶媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等の移動体におけるナビゲーションシステムに係り、特に角速度センサの補正を可能としたナビゲーション装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両等の状態を把握することを目的として、振動ジャイロから出力される角速度に応じた信号を用い、車両等における角速度を算出する角速度センサ(ジャイロセンサ)を用いたナビゲーション装置が存在する。この車両等に用いられる角速度センサでは、例えば、一対のアームとこれを連結する連結部により音叉型に形成された圧電体からなる振動子を備え、この振動子に振動検出用の圧電体を設けている。そして、振動子をアームの配列方向である駆動軸方向に振動させ、駆動軸と直交する検出軸方向への振動子の振動変化(コリオリ力によって振動子に発生する応力)をこの圧電体により検出して角速度を検出するように構成したものが存在する。
【0003】
これらの角速度センサにおいて、角速度センサの出力電圧Voutから角速度ωを求める式は、角速度センサの感度をS、オフセット電圧(中点電圧)をVoffsetとすると、
ω = (Vout − Voffset) × ( 1/S )
となる。このオフセット電圧Voffsetは、温度等で変化する場合があり、角速度センサにおける主な誤差要因の一つとなっている。即ち、検知用の圧電体には、振動子の屈曲振動によって圧縮応力と引張り応力が同時に発生し、圧電体の接合位置の誤差、接合ムラ、検出軸方向に生じる不要振動等の原因でオフセット電圧Voffsetが発生するが、例えば振動子の不要振動が温度によって変化する等の理由によって、温度変化によるオフセット電圧Voffsetの変化が見られるのである。これらの角速度センサは、例えばナビゲーション装置本体に設けられることから、回路基板等の発熱体における温度上昇の影響を受けている。
【0004】
ここで、従来の角速度センサにおけるオフセット電圧Voffsetの補正方法では、静止時に角速度ωが0になることを利用し、
静止時のVout = Voffset
としてオフセット電圧Voffsetを求めていた。
また、特開平5−306936号公報では、車速センサから出力されたパルスによって車両が走行中であるか停止中であるかを判別し、停止中における角速度信号を平均化してオフセット値を算出してオフセット電圧Voffsetによる角度変動を少なくする技術について開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図7(a),(b),(c)は、車両が静止時、走行時における角速度センサの出力を説明するための図である。図7(a)に示されるように、車両が静止時には出力特性が一定となることから、前述したようにVout = Voffsetによってオフセット電圧Voffsetを算出することが可能である。また、停止中であっても車両の振動等によって角速度信号が変動する場合には、特開平5−306936号公報に示される技術によってオフセット電圧Voffsetを算出することができる。しかしながら、車両が停止する間隔は不連続であり、車両が停止しない限りは補正をかけることができず、これらの従来技術では定期的な補正を行なうことができない。走行時には、図7(b)に示されるように車の方位変化量によって角速度センサの出力電圧Voutが変化するので、従来技術ではオフセット電圧Voffsetを求めることができないのである。
【0006】
また、図7(c)に示されるように、走行中であっても直線走行時には角速度ωが0となる状態があるので、静止時と同様にしてオフセット電圧Voffsetが求められる可能性はある。しかしながら、一般的にはω=0の条件における連続性が低いことから、即ち、正確に直線走行を連続して行なうことが難しいことから、正確にオフセット電圧Voffsetを算出することができなかった。また、このときには真っ直ぐに走行していることが前提となるが、真っ直ぐに走行しているか否かの判断自体が難しい。例えば、角速度センサにおける出力電圧Voutの変化量が少なく見えたら真っ直ぐに走っていると判断してしまうと、中点がドリフトしているのに出力電圧Voutが変化していない場合もあり得る。この場合には、このドリフトをキャンセルするように車両が動作していることとなり、この状態で補正をかけることは、却って誤差を大きくする結果となってしまう。
【0007】
本発明は、このような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、走行中であってもオフセット電圧や感度をほぼ正確に求め、方位精度を向上させることにある。
また他の目的は、オフセット電圧の計算頻度を上げることを可能とし、オフセット電圧の激しい角速度センサを用いてもほぼ正確に方位を求めることにある。
更に他の目的は、感度の異なる角速度センサを用いた場合や、角速度センサの回転軸を垂直から傾けた場合等であっても、ほぼ正確に方位を求めることを可能とすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的のもと、本発明は、角速度センサの出力電圧の平均値と、その平均値を計算する前後の方位差から、角速度センサのオフセット電圧または感度を計算し、角速度センサの補正を行なうものである。即ち、本発明が適用されたナビゲーション装置は、移動体における角速度を検出する角速度センサから出力される電圧の平均値を算出する平均値算出手段と、平均値が算出される際の移動体における方位変化量を検出する方位変化量検出手段と、算出された平均値と検出された方位変化量とに基づいて角速度センサにおけるオフセット電圧および/または感度を補正する補正手段とを備えたことを特徴としている。
【0009】
ここで、この補正手段は、算出されたオフセット電圧の変化量が小さい場合に、角速度センサの感度を補正することを特徴とすれば、より正確にオフセット電圧と感度を求めることができる点で好ましい。この変化量が小さいか否かは、例えば、予め定めた閾値に対してその変化量が閾値以内であれば小さいものと判断することができる。
また、この方位変化量検出手段は、GPS衛星から取得したGPS方位に基づいて方位変化量を検出することを特徴とすることができる。また、地図データに基づいて、方位変化量を検出することも可能である。GPS方位に基づいて方位変化量を検出するように構成すれば、簡単な構成にてほぼ正確な方位変化量を検出することが可能となる。
尚、これらの手段は、例えばナビゲーション装置に用いられるCPUやセンサデータ制御部等に備えられるものとすることができる。
【0010】
一方、本発明が適用されるナビゲーション装置は、移動体における角速度に応じて電圧を出力する角速度センサと、この角速度センサから出力される電圧を所定回数、測定する出力電圧測定手段と、電圧が測定される所定回数の前後(例えば、所定回数の最初と最後)における移動体の方位変化量を検出する方位変化量検出手段と、測定された電圧および検出された方位変化量に基づいて、角速度センサにおけるオフセット電圧および/または感度を算出する算出手段と、算出されたオフセット電圧および/または感度に基づいて移動体の角速度を算出する角速度算出手段と、算出された角速度を反映して移動体の状態を表示する表示手段とを備えたことを特徴とすることができる。
更に、GPS衛星から発信される信号を受信してGPS方位を検出するGPS受信機とを備え、この方位変化量検出手段は、GPS受信機にて検出されたGPS方位に基づいて移動体の方位変化量を検出することを特徴とすることができる。
【0011】
また、本発明が適用される角速度算出方法は、移動体における角速度を検出する角速度センサから出力される電圧の平均値を算出し、平均値が算出される際の移動体における方位変化量を検出し、算出された平均値と検出された方位変化量とに基づいて角速度センサにおけるオフセット電圧および/または角速度センサにおける感度を算出し、算出されたオフセット電圧および/または感度に基づいて移動体の角速度を算出することを特徴とすることができる。このように構成することで、走行中であってもオフセット電圧または/および感度をほぼ正確に求めることが可能となる。
【0012】
更にまた、本発明は、ナビゲーション装置等のコンピュータ装置に実行させるプログラムをコンピュータ装置の入力手段が読取可能に記憶した、CD−ROM等の記憶媒体において、このプログラムは、移動体における角速度を検出する角速度センサから出力される電圧の平均値を算出する処理と、平均値が算出される際の移動体における方位変化量を検出する処理と、算出された平均値と検出された方位変化量とに基づいて角速度センサにおけるオフセット電圧および/または角速度センサにおける感度を補正する処理とをコンピュータ装置に実行させることを特徴とすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態におけるカーナビゲーションシステムの全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態におけるカーナビゲーションシステムは、システム全体の制御や演算を行なうCPU10、CD-ROMドライブ17等の外部記憶装置を制御する記憶制御装置11、スピーカ18等による音声の制御を行なう音声制御装置12、リモコン(図示せず)やコントロールパネル(図示せず)等からの入力信号を制御する入力制御装置13、LCD(液晶表示ディスプレイ)等からなる表示部19に表示するデータを制御する表示制御装置14、内部記憶装置であるRAM15、ROM16を備えている。本実施の形態にて実行される処理プログラムは、例えばRAM15やROM16等に格納される場合の他、CD-ROM等の外部記憶媒体に記憶された状態にて、CD-ROMドライブ17等から読み込まれる場合がある。また、本実施の形態における補正結果は、表示部19に対する表示に反映される。
【0014】
また、GPSアンテナ21にてGPS衛星から発信された信号を受信して測位計算を行なうGPS受信機(GPS)20を備えている。このGPS20は、上空を軌道するGPS衛星を利用して車や航空機、船舶などの移動体が、地球上の位置や速度をリアルタイムで求めることができるように開発された位置測定システムである。GPS衛星からは、スペクトラム拡散された約1.5GHzの信号が発信される。この発信された信号は、その距離に応じた伝播時間後にGPSアンテナ21にて受信される。このGPSアンテナ21にて受信された信号は、GPS20に設けられたRF部によって所定の中間周波数にダウンコンバートされ、信号同期復調部に入る。その後、この信号同期復調部にて信号の逆拡散が行われ、データが復調され、信号処理部にて測位計算に用いられる。GPS測位動作では、周波数サーチが行なわれた後に、ある程度の相関が検出されるとPLL(Phase Lock Loop)を行って位相を合わせ込み、GPS衛星からの信号と内部の信号とを完全に位相同期させる。そして、ビット境界のエッジが検出され、データが取り込めるようになると、時間情報の確認が行なわれる。即ち、階層化された航法メッセージ内のサブフレームにおける2ワード目に格納され、6秒周期で1週間までの信号時刻を表すTOW(Time Of Week)が取り込まれる。このTOWが取り込まれると測位計算に移る。
【0015】
また、センサデータ制御部25は、角速度センサ(ジャイロセンサ)26や車速パルス、バックセンサ等のデータを取得し、CPU10に対して取得したセンサデータを出力している。この角速度センサ(ジャイロセンサ)26は、前述したように、例えば、一対のアームとこれを連結する連結部により音叉型に形成された圧電体からなる振動子と、この振動子に振動検出用の圧電体を設け、振動子を振動させ、駆動軸と直交する検出軸方向への振動子の振動変化をこの圧電体により検出して角速度を検出するように構成している。但し、ここで示したものは一例であって、他の構成からなる角速度センサ26を用いても問題はない。
【0016】
図2(a),(b)は、走行時の車両の状態と角速度センサ26からの出力電圧の状態を説明するための図である。ここでは、図2(a)に示すように、方位測定の最初と最後の時間内に方位変化量Δθがあったものとする。図2(b)では、図2(a)に示すような車両移動があった場合における角速度センサ26からの時間経過に基づく出力電圧の変化を示しており、横軸に時間を、縦軸に出力電圧をとっている。角速度センサ26から出力されるオフセット電圧は、本実施の形態では通常時に約2.5Vとなるように設定されている。この約2.5Vを中心として、車両が右に曲がると電圧が上に振れ、車両が左に曲がると電圧が下に振れる。勿論、この逆に振れるように構成することも可能である。本実施の形態における角速度センサ26からの出力電圧は、車両の曲がる角度が大きくなると電圧が大きく振れるように構成されており、例えば、一定の角速度10deg/secのターンテーブル上に角速度センサ26を置いて測定すると、250mVの出力変動が得られるものを用いている。即ち、感度Sとして、1秒あたり1deg回転すると25mVの出力が得られるものを採用している。
【0017】
図3は、方位変化量Δθがあった場合のオフセット電圧Voffsetを求める一連の式を示した図である。角速度センサ26からの出力電圧をVout、オフセット電圧をVoffset、角速度センサ26の感度をS(V/deg/sec)とすると、角速度ω(deg/sec)は、図3の▲1▼式で表わされる。即ち、出力電圧Voutとオフセット電圧Voffsetとの差をとり、感度Sにて除することで、角速度ωを算出することができる。一方、方位変位量Δθ(deg)は、角速度ωの積分値として図3の▲2▼式で表現することができる。ここで用いられるΔtは、角速度ωのサンプリング間隔である。この▲2▼式の右辺を変形すると、図3の▲3▼式となる。この▲3▼式で用いられるnはサンプル数であり、Voffsetは定数であることから、ΣVoffsetは、サンプル数nを用いて、n・Voffsetで表わすことができる。この▲3▼式をVoffsetについて解くと、図3の▲4▼式のようになる。この▲4▼式の右辺第1項は、出力電圧Voutをサンプル数nで除した値であり、角速度センサ26における出力値の平均値であることがわかる。また、右辺第2項は、方位変化量Δθを電圧値に変換し、その値をサンプル数nで除した値であることが理解できる。
【0018】
これらのことから、オフセット電圧Voffsetを求めるためには、角速度センサ26の出力電圧の平均値を常に計算で求め、その平均値計算の開始時から終了時までの方位変化量Δθの値を何らかの方法で求めることができれば、オフセット電圧Voffsetを▲4▼式により求めることが可能となる。図2(b)に示した時間と出力電圧Voutとの変化グラフを見ると、まず、Δθ = 0 の直線走行に対して多少左右するような走行時には、約2.5Vのオフセット電圧レベルの上下を行き来するに留まることから、オフセット電圧Voffsetは平均値によって計算される。しかしながら、方位変化量Δθの方向変化が一方向に加わると、出力電圧Voutはオフセット電圧Voffsetに比べて大きな値を示すようになる。このオフセット電圧Voffsetよりも大きな出力電圧Voutが、▲4▼式の右辺第2項に表わされた方位変化量Δθの影響によるものと言うことができる。
【0019】
ここで、算出に用いられる方位変化量Δθは、例えば、GPS20から得られたGPS方位や、地図データから求めることができる。また、サンプル数nの数は大きい方が好ましい。これは、▲4▼式の右辺第2項で示されるように、Δθ/nで計算されることから、サンプル数nを大きくすることで、方位変化量Δθの誤差、即ち、例えばGPS20から得られたGPS方位の誤差等を吸収することができるためである。但し、あまり細かい間隔を用いてサンプル数nをとると、角速度センサ26からの出力が追従できなくなることから、例えば500ms程度の間隔にてサンプルをとることが好ましい。例えば、この500ms程度の間隔にてサンプルをとり、1分後の方位変化量Δθを測定する場合には、サンプル数nは120程度とすることができる。
【0020】
図4は、オフセット電圧Voffsetを計算するための処理フローを示した図である。まず、CPU10は、平均値計算の計算開始時における車両の方位をGPS20や地図データ等から検出し(ステップ101)、RAM15やCPU10等に設けられた作業用のメモリに格納する。次に、角速度センサ26からの出力電圧(出力値)Voutをセンサデータ制御部25を経由して検出する(ステップ102)。この検出された出力値は、例えばRAM15に順次、格納される。CPU10は、時間で制御される場合には所定時間が経過したか否か、または、サンプル数nで制御される場合には所定数からなる出力値が得られたか否かを判断する(ステップ103)。所定時間以上またはサンプル数nが所定数以上となった場合には、例えばGPS20また地図データから、現在(サンプル取得終了時)の車両が走行している状態を把握し、計算開始時からサンプル取得終了時までの方位変化量Δθを検出する(ステップ104)。CPU10は、得られた方位変化量Δθの値を用いて、図3の▲4▼式に示す計算を行ない、オフセット電圧Voffsetを計算する(ステップ105)。その後、例えば、CPU10は得られたオフセット電圧Voffsetをセンサデータ制御部25に転送し、角速度センサ26におけるオフセット電圧Voffsetの補正が行なわれる。このようにしてオフセット電圧Voffsetの補正が行なわれると、この補正値を用いて、図3の▲1▼式によって角速度ωをほぼ正確に算出することができる。また、この角速度ωは、表示部19に対して車両の状態表示として反映することが可能である。
【0021】
次に、角速度センサ26における感度Sの計算について説明する。
図3の▲2▼式を感度Sについて解くと、図3に示す▲5▼式のように変形できる。右辺における (1/n)・ΣVoutは、出力電圧Voutの平均値であり、その値から既知のオフセット電圧Voffsetを引き、(n/θ)・Δt を掛け合わせることで、感度Sを求めることができる。ここで用いられるオフセット電圧Voffsetは、既知であり定数であることが求められることから、オフセット電圧Voffsetの変化がない状況にて感度を計算することができる。即ち、オフセット電圧Voffsetは、その傾向として起動時を経て温度が安定してくると安定した値が得られる。従って、例えば起動時から30分〜1時間程度経過した後、オフセット電圧Voffsetが安定した状態にて、その安定したオフセット電圧Voffsetを用いて感度Sを求めることが可能となる。この▲5▼式では、方位変化量Δθが分母にあることから、ある程度の大きさの方位変化量Δθがなければ誤差が大きくなり、正しい値を算出することが難しくなる。そのために、例えば、方位変化量Δθが大きくなった時点にて計算されることが好ましい。
【0022】
図5は、感度Sを計算するための処理フローを示した図である。まず、CPU10は、平均値計算の計算開始時における車両の方位をGPS20や地図データ等から検出し(ステップ111)、RAM15やCPU10等に設けられた作業用のメモリに格納する。次に、角速度センサ26からの出力電圧(出力値)Voutをセンサデータ制御部25を経由して検出する(ステップ112)。その後、例えばGPS20によってある一定以上の方位変化量Δθが検出されたか否かを判断する(ステップ113)。この一定以上として定められる値は、計算時における誤差が大きくならない範囲として予め決定される値であり、ROM16等に格納されている。方位変化量Δθが小さい場合には、最初のフローに戻って各検出がなされる。ある一定以上の方位変化量Δθが検出された場合には、得られた方位変化量Δθの値等を用いて、図3の▲5▼式に示す計算を行ない、感度Sを計算する(ステップ114)。その後、例えば、CPU10は得られた感度Sをセンサデータ制御部25に転送し、角速度センサ26における感度Sの補正を行なうことが可能となる。このようにして補正された感度Sによって、図3に示す▲1▼式を用いて角速度ωをほぼ正確に求めることができ、求められた角速度ωは、表示部19にて車両の正確な状態表示として反映することが可能である。
【0023】
図6は、オフセット電圧Voffsetの変化の大きさおよび方位変化量Δθの大きさによる処理フローを示した図である。まず、CPU10によって、計算されるオフセット電圧Voffsetがそれ以前に計算された値と比較して変化が小さいか否かが判断される(ステップ121)。この変化が小さいか否かは、予め定めた閾値以内であるか否かによって判断され、その閾値は、例えばROM16等に予め格納されている。オフセット電圧Voffsetの変化が大きい場合には、オフセット電圧Voffsetの計算がなされる(ステップ122)。オフセット電圧Voffsetの変化が十分に小さい場合(閾値以内の場合)には、例えばGPS20にて検出されたGPS方位の変化量等から、方位変化量Δθが計算に使用できるか否かが判断される(ステップ123)。この計算に使用できるか否かの方位変化量Δθの値は、前述のように誤差が少なくなると予想できる値として決定されており、ROM16等に予め格納されている。方位変化量Δθが計算に使用できる場合には、前述したような▲5▼式によって感度Sの計算がなされる(ステップ124)。方位変化量Δθの変化が小さく計算に使用できない場合には、元のフローに戻る。このように、本補正方法によれば、例えば起動時等における不安定な温度の影響で角速度センサ26におけるオフセット電圧Voffsetが変化している間はオフセット電圧Voffsetを算出し、オフセット電圧Voffsetの変化が所定の値よりも小さくなって安定した状態にて感度Sを求めることができる。また、方位変化量Δθが小さく、感度Sを求めるためには未だ誤差が大きいと判断される場合には、感度Sの計算を行なわないように構成している。このような構成によって、より正確にオフセット電圧Voffsetと感度Sとを求めることができる。
【0024】
以上、説明したように、本実施の形態によれば、静止時に限定せずに、車両が走行中に生じた方位変化量Δθという変化量を積極的に利用して、角速度センサ26の補正を行なうことが可能となる。即ち、走行中であっても、角速度センサ26のオフセット電圧Voffsetをほぼ正確に求めることが可能となり、車両の方位精度を向上させることができる。
また、オフセット電圧Voffsetの計算頻度を上げることができるので、オフセット電圧Voffsetの変化の激しい角速度センサ26を用いた場合であってもほぼ正確に方位を算出することが可能となる。
更に、感度Sの計算頻度を上げることで、より正確な感度Sが求められるようになり、感度Sの異なる角速度センサ26を用いた場合や、角速度センサ26の回転軸を垂直から傾けた場合などでも、正確に方位を求めることができるようになる。
更にまた、停止中、走行中の区別なく、オフセット電圧Voffsetの計算を行なうことができ、計算処理を簡単にすることができる。
【0025】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、走行中であってもオフセット電圧や感度をほぼ正確に求め、方位精度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態におけるカーナビゲーションシステムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】 (a),(b)は、走行時の車両の状態と角速度センサ26からの出力電圧の状態を説明するための図である。
【図3】 方位変化量Δθがあった場合のオフセット電圧Voffsetを求める一連の式を示した図である。
【図4】 オフセット電圧Voffsetを計算するための処理フローを示した図である。
【図5】 感度Sを計算するための処理フローを示した図である。
【図6】 オフセット電圧Voffsetの変化の大きさおよび方位変化量Δθの大きさによる処理フローを示した図である。
【図7】 (a),(b),(c)は、車両が静止時、走行時における角速度センサの出力を説明するための図である。
【符号の説明】
10…CPU、11…記憶制御装置、12…音声制御装置、13…入力制御装置、14…表示制御装置、15…RAM、16…ROM、17…CD-ROMドライブ、18…スピーカ、19…表示部、20…GPS受信機(GPS)、21…GPSアンテナ、25…センサデータ制御部、26…角速度センサ(ジャイロセンサ)

Claims (7)

  1. 移動体における角速度を検出する角速度センサから出力される電圧の平均値を算出する平均値算出手段と、
    記移動体における方位変化量を検出する方位変化量検出手段と、
    前記平均値算出手段により算出された前記電圧の平均値と前記方位変化量検出手段により検出された前記方位変化量とに基づいて、前記角速度センサにおけるオフセット電圧および当該角速度センサにおける感度を補正する補正手段とを備え
    前記補正手段は、前記平均値算出手段により算出された予め定められた期間における前記電圧の平均値から、前記方位変化量検出手段によって検出された当該予め定められた期間における前記方位変化量に応じた電圧を引くことによって算出された電圧に前記オフセット電圧を補正することを特徴とする角速度センサ補正装置。
  2. 前記補正手段は、前記算出された電圧の変化量が小さい場合に、前記角速度センサの感度を補正することを特徴とする請求項1記載の角速度センサ補正装置。
  3. 前記補正手段は、前記平均値算出手段により算出された予め定められた期間における前記電圧の平均値から前記算出された電圧を引くことで得た電圧に応じた値に前記角速度センサの感度を補正することを特徴とする請求項2記載の角速度センサ補正装置。
  4. 移動体における角速度に応じて電圧を出力する角速度センサと、
    前記角速度センサから出力される電圧の平均値を算出する平均値算出手段と、
    記移動体の方位変化量を検出する方位変化量検出手段と、
    前記平均値算出手段により算出された前記電圧の平均値および前記方位変化量検出手段により検出された方位変化量に基づいて、前記角速度センサにおけるオフセット電圧および感度を算出する補正手段と、
    前記補正手段により補正された前記オフセット電圧および前記感度に基づいて前記移動体の角速度を算出する角速度算出手段と、
    前記角速度算出手段により算出された角速度を反映して前記移動体の状態を表示する表示手段とを備え
    前記補正手段は、前記平均値算出手段により算出された予め定められた期間における前記電圧の平均値から、前記方位変化量検出手段によって検出された当該予め定められた期間における前記方位変化量に応じた電圧値を引くことによって算出された電圧に前記オフセット電圧を補正することを特徴とするナビゲーション装置。
  5. 移動体における角速度を検出する角速度センサから出力される電圧の平均値を算出し、
    記移動体における方位変化量を検出し、
    算出された予め定められた期間における前記電圧の平均値から、検出された当該予め定められた期間における前記方位変化量に応じた電圧値を引くことによって算出された電圧に前記オフセット電圧を補正し、
    補正された前記オフセット電圧に基づいて前記移動体の角速度を算出することを特徴とする角速度算出方法。
  6. 前記算出された電圧の変化量が小さい場合に、前記算出された予め定められた期間における前記電圧の平均値から当該算出された電圧を引くことで得た電圧に応じた値に前記角速度センサの感度を補正することを特徴とする請求項5記載の角速度算出方法。
  7. ナビゲーション装置等のコンピュータ装置に実行させるプログラムを当該コンピュータ装置の入力手段が読取可能に記憶した記憶媒体において、
    前記プログラムは、
    移動体における角速度を検出する角速度センサから出力される電圧の平均値を算出する処理と、
    記移動体における方位変化量を検出する処理と、
    前記電圧の平均値を算出する処理により算出された予め定められた期間における前記電圧の平均値から、前記方位変化量を検出する処理によって検出された当該予め定められた期間における前記方位変化量に応じた電圧値を引くことによって算出された電圧に前記角速度センサにおけるオフセット電圧を補正する処理とを前記コンピュータ装置に実行させることを特徴とする記憶媒体。
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