JP4780174B2 - 角速度センサ補正装置、角速度算出装置、角速度センサ補正方法、角速度算出方法 - Google Patents

角速度センサ補正装置、角速度算出装置、角速度センサ補正方法、角速度算出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4780174B2
JP4780174B2 JP2008274871A JP2008274871A JP4780174B2 JP 4780174 B2 JP4780174 B2 JP 4780174B2 JP 2008274871 A JP2008274871 A JP 2008274871A JP 2008274871 A JP2008274871 A JP 2008274871A JP 4780174 B2 JP4780174 B2 JP 4780174B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
angular velocity
sensitivity coefficient
velocity sensor
unit
offset value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008274871A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010101810A (ja
Inventor
高広 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Victor Company of Japan Ltd filed Critical Victor Company of Japan Ltd
Priority to JP2008274871A priority Critical patent/JP4780174B2/ja
Priority to EP09013225.9A priority patent/EP2180292B1/en
Priority to US12/606,061 priority patent/US8234091B2/en
Publication of JP2010101810A publication Critical patent/JP2010101810A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4780174B2 publication Critical patent/JP4780174B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C21/00Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00
    • G01C21/26Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00 specially adapted for navigation in a road network
    • G01C21/28Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00 specially adapted for navigation in a road network with correlation of data from several navigational instruments

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Radar, Positioning & Navigation (AREA)
  • Remote Sensing (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Navigation (AREA)
  • Gyroscopes (AREA)
  • Position Fixing By Use Of Radio Waves (AREA)

Description

本発明は、角速度センサ補正技術および角速度算出技術に関し、特に角速度センサからの出力信号を補正するための値を導出する角速度センサ補正装置、角速度算出装置、角速度センサ補正方法、角速度算出方法に関する。
車両用ナビゲーション装置では、一般的に、自立航法から算出された位置と、GPS(Global Positioning System)から算出された位置とが合成されることによって、最適な位置が推定される。自立航法では、車両の速度を示す速度パルスと、角速度センサによって計測された車両の旋回角速度とをもとに、前回の測位位置を更新することによって、現在の位置が算出される。このような方式のナビゲーション装置によれば、GPS衛星からの電波の受信が困難なトンネル、地下駐車場や高層ビルの谷間であっても、自立航法によって自車位置の導出が可能である。車両の旋回による角速度ωは、次の式によって導出される。
ω=(Vout−Voffset)/S ・・・(1)
ここで、Voutは、角速度センサの出力電圧であり、Voffsetは、角速度センサのオフセット値、S(mV/deg/sec)は、角速度センサの感度係数である。
角速度を正確に求めるためには、角速度センサのオフセット値と、感度係数を正確に求める必要がある。角速度センサの感度係数は、一般的に角速度センサの個体差や角速度センサの車両への取り付け角度により異なる。また、オフセット値は温度変化によって変化する可能性がある。つまり、オフセット値は、車両用ナビゲーション装置に使用される基板等の発熱や、車両用ナビゲーション装置が車両のダッシュボード等に取り付けられた場合の車両エンジン等の発熱による温度上昇の影響を受ける。従来、角速度センサのオフセット値は、角速度が「0」になる車両停止時や直進走行時の角速度センサからの出力電圧を用いて補正されていた。しかしながら、高速道路の走行や、交通量の少ない地域における長時間の走行等、車両の停止頻度が少ないケースでは、角速度センサのオフセット値を定期的に補正することが困難になり、オフセット値の精度が悪化しやすくなる。正確に角速度センサからの出力電圧が「0」になるような直進走行時のオフセット値補正についても、道路形状やドライバの運転状況に左右されやすいので、定期的に行うことが困難になる。また、角速度センサの感度係数は、単位期間内での方位変化量と、角速度センサの出力電圧とから導出される。そのため、式(1)から明らかなように、角速度センサの感度係数は、オフセット値の誤差の影響を受ける。
直進走行以外の走行中であっても角速度センサのオフセットおよび感度係数を補正する技術が提案されている。そこでは、所定期間の角速度センサの出力電圧の平均値と、その平均値が算出される期間の車両の方位変化量をもとに、角速度センサのオフセット値および感度係数が補正されている。具体的に説明すると、角速度センサのオフセット値Voffsetは、次のように導出される。
Voffset=1/n・ΣVout−1/Δt・Δθ/n・S ・・・(2)
ここで、nは、角速度センサの出力電圧のサンプル数であり、Δt(sec)は、サンプリング間隔であり、Δθ(deg)は、方位変化量である。方位変化量は、GPS衛星から取得したGPS方位、あるいは地図データをもとに求められる。また、角速度センサの感度係数については、補正されたオフセット値の変化量が小さい、つまり安定した状態において、次のように導出される。
S=(1/n・ΣVout − Voffset)・n/Δθ・Δt ・・・(3)
ここで、Voffsetは、補正されたオフセット値の変化量が小さいような安定した状態において、既知であり定数とされる(例えば、特許文献1)。
特開2001−330454号公報
このような状況下において、角速度センサの感度係数に対して、オフセット値の変化量が小さいような安定した状態になるまで、式(3)におけるVoffsetが安定しないことによって、サンプル数を増やすと、感度係数の誤差が増大する可能性がある。オフセット値が安定するまでには、一般的に、起動時から30分から1時間以上の期間を要する。そのため、例えば、30分程度以下の走行においては、角速度センサの感度係数を正確に補正することが非常に難しくなるとともに、角速度の導出精度も高くない。起動してから短期間に角速度の導出精度を向上させるためには、角速度センサのオフセット値を短期間で高精度に導出することが要求される。
また、角速度センサの感度係数を導出するための式(3)において、方位変化量Δθが、GPS衛星から取得したGPS方位から求められる場合、GPS衛星からの電波の受信状況によりGPS方位の精度が悪化するので、感度係数に含まれる誤差が大きくなる。また、式(3)において、方位変化量Δθが、地図データに基づいて求められる場合、地図データに基づく道路方位と車両の走行方位とが完全に一致するとは限らないので、感度係数に含まれる誤差が大きくなる。これらの場合でも、感度係数に含まれる誤差の低減が要求される。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、起動してから短期間であっても角速度の導出精度を向上させる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の角速度センサ補正装置は、GPS衛星からの信号をもとに測位された対象物の測位データと、角速度センサから出力された対象物の角速度とを取得する取得部と、取得部において取得した測位データと角速度とをもとに、角速度センサの仮の感度係数を逐次導出する感度係数導出部と、感度係数導出部において逐次導出した角速度センサの仮の感度係数に対して統計処理を実行することによって、角速度センサから出力された角速度を補正するための角速度センサの感度係数を導出する感度係数フィルタ処理部とを備える。感度係数フィルタ処理部は、当該感度係数フィルタ処理部において過去に導出した角速度センサの感度係数と、感度係数導出部において逐次導出した角速度センサの仮の感度係数における平均値との差異に応じて、統計処理の際の忘却係数を変更しており、感度係数フィルタ処理部は、当該感度係数フィルタ処理部において過去に導出した角速度センサの感度係数と、感度係数導出部において逐次導出した角速度センサの仮の感度係数における平均値との差異が小さくなるにつれて、複数段階規定された信頼度のうち、より高い信頼度を段階的に特定する信頼度導出部と、角速度センサの感度係数導出における、過去に求められた仮の感度係数の影響が、特定した信頼度が高くなるほど小さくなるような忘却係数を統計処理の際に使用する忘却係数設定部と、を含む。
この態様によると、過去に導出した感度係数と、仮の感度係数に対する平均値との差異に応じて、統計処理の際の忘却係数を変更するので、現在の仮の感度係数に適した忘却係数を設定できる。この場合、信頼度が高くなるほど、新たな仮の感度係数の影響が大きくなるので、統計処理の精度の悪化を抑制しながら、新たな仮の感度係数を感度係数に反映できる。
感度係数フィルタ処理部における信頼度導出部は、当該感度係数フィルタ処理部において過去に導出した角速度センサの感度係数と、感度係数導出部において逐次導出した角速度センサの仮の感度係数における平均値との差異が同一であっても、感度係数導出部において逐次導出した角速度センサの仮の感度係数における分散値が小さくなるほど、より高い信頼度を段階的に特定してもよい。この場合、差異だけではなく、分散値も考慮して信頼度を特定するので、仮の感度係数のバラツキの影響を信頼度に反映できる。
本発明の別の態様は、角速度算出装置である。この装置は、GPS衛星からの信号をもとに測位された対象物の測位データと、角速度センサから出力された対象物の角速度とを取得する取得部と、取得部において取得した測位データと角速度とをもとに、対象物の走行状態を推定する推定部と、推定部において推定した対象物の走行状態に応じて、取得部において取得した測位データと角速度との組合せを変更しながら、角速度センサの仮のオフセット値を逐次導出するオフセット値導出部と、オフセット値導出部において逐次導出した角速度センサの仮のオフセット値に対して統計処理を実行することによって、角速度センサから出力された角速度を補正するための角速度センサのオフセット値を導出するオフセット値フィルタ処理部と、取得部において取得した測位データと角速度とをもとに、角速度センサの仮の感度係数を逐次導出する感度係数導出部と、感度係数導出部において逐次導出した角速度センサの仮の感度係数に対して統計処理を実行することによって、角速度センサから出力された角速度を補正するための角速度センサの感度係数を導出する感度係数フィルタ処理部と、感度係数フィルタ処理部において導出した角速度センサの感度係数と、オフセット値フィルタ処理部において導出した角速度センサのオフセット値とを使用して、取得部において取得した対象物の角速度を補正する角速度変換部とを備える。推定部は、対象物の走行状態として、対象物が停止あるいは直進している状態である第1状態か、他の状態である第2状態であるかを推定し、オフセット値導出部は、推定部において第1状態であると推定された場合に、取得部において取得した角速度をもとに、角速度センサの仮のオフセット値を逐次導出し、推定部において第2状態であると推定された場合に、取得部において取得した測位データと角速度とをもとに、角速度センサの仮のオフセット値を逐次導出し、オフセット値フィルタ処理部は、推定部において推定した対象物の走行状態に応じて、統計処理の際の忘却係数を変更しており、角速度センサのオフセット値導出における、過去に求められた仮のオフセット値の影響が、第2状態よりも第1状態で小さくなるような忘却係数を統計処理の際に使用し、感度係数フィルタ処理部は、当該感度係数フィルタ処理部において過去に導出した角速度センサの感度係数と、感度係数導出部において逐次導出した角速度センサの仮の感度係数における平均値との差異に応じて、統計処理の際の忘却係数を変更しており、感度係数フィルタ処理部は、当該感度係数フィルタ処理部において過去に導出した角速度センサの感度係数と、感度係数導出部において逐次導出した角速度センサの仮の感度係数における平均値との差異が小さくなるにつれて、複数段階規定された信頼度のうち、より高い信頼度を段階的に特定する信頼度導出部と、角速度センサの感度係数導出における、過去に求められた仮の感度係数の影響が、特定した信頼度が高くなるほど小さくなるような忘却係数を統計処理の際に使用する忘却係数設定部と、を含む
この態様によると、走行状態に応じた忘却係数を使用しながら仮のオフセット値を統計処理することによってオフセット値を導出し、信頼度に応じた忘却係数を使用しながら仮の感度係数を統計処理することによって感度係数を導出するので、起動してから短期間であっても角速度の導出精度を向上できる。
本発明のさらに別の態様は、角速度センサ補正方法である。この方法は、GPS衛星からの信号をもとに測位された対象物の測位データと、角速度センサから出力された対象物の角速度とを取得するステップと、取得した測位データと角速度とをもとに、角速度センサの仮の感度係数を逐次導出するステップと、逐次導出した角速度センサの仮の感度係数に対して統計処理を実行することによって、角速度センサから出力された角速度を補正するための角速度センサの感度係数を導出するステップとを備える。角速度センサの感度係数を導出するステップは、過去に導出した角速度センサの感度係数と、逐次導出した角速度センサの仮の感度係数における平均値との差異に応じて、統計処理の際の忘却係数を変更する。角速度センサの感度係数を導出するステップは、過去に導出した角速度センサの感度係数と、逐次導出した角速度センサの仮の感度係数における平均値との差異に応じて、統計処理の際の忘却係数を変更しており、角速度センサの感度係数を導出するステップは、過去に導出した角速度センサの感度係数と、逐次導出した角速度センサの仮の感度係数における平均値との差異が小さくなるにつれて、複数段階規定された信頼度のうち、より高い信頼度を段階的に特定するステップと、過去に求められた仮の感度係数の影響が、特定した信頼度が高くなるほど小さくなるような忘却係数を統計処理の際に使用するステップと、を含む
本発明のさらに別の態様は、角速度算出方法である。この方法は、GPS衛星からの信号をもとに測位された対象物の測位データと、角速度センサから出力された対象物の角速度とを取得する取得ステップと、取得した測位データと角速度とをもとに、対象物の走行状態を推定するステップと、推定した対象物の走行状態に応じて、取得した測位データと角速度との組合せを変更しながら、角速度センサの仮のオフセット値を逐次導出するステップと、逐次導出した角速度センサの仮のオフセット値に対して統計処理を実行することによって、角速度センサから出力された角速度を補正するための角速度センサのオフセット値を導出するステップと、取得ステップで取得した測位データと角速度とをもとに、角速度センサの仮の感度係数を逐次導出するステップと、逐次導出した角速度センサの仮の感度係数に対して統計処理を実行することによって、角速度センサから出力された角速度を補正するための角速度センサの感度係数を導出するステップと、導出した角速度センサの感度係数と、導出した角速度センサのオフセット値とを使用して、取得ステップで取得した対象物の角速度を補正するステップとを備える。推定するステップは、対象物の走行状態として、対象物が停止あるいは直進している状態である第1状態か、他の状態である第2状態であるかを推定し、角速度センサの仮のオフセット値を逐次導出するステップは、第1状態であると推定された場合に、取得した角速度をもとに、角速度センサの仮のオフセット値を逐次導出し、第2状態であると推定された場合に、取得した測位データと角速度とをもとに、角速度センサの仮のオフセット値を逐次導出し、角速度センサのオフセット値を導出するステップは、推定した対象物の走行状態に応じて、統計処理の際の忘却係数を変更しており、角速度センサのオフセット値導出における、過去に求められた仮のオフセット値の影響が、第2状態よりも第1状態で小さくなるような忘却係数を統計処理の際に使用し、角速度センサの感度係数を導出するステップは、過去に導出した角速度センサの感度係数と、逐次導出した角速度センサの仮の感度係数における平均値との差異に応じて、統計処理の際の忘却係数を変更しており、角速度センサの感度係数を導出するステップは、過去に導出した角速度センサの感度係数と、逐次導出した角速度センサの仮の感度係数における平均値との差異が小さくなるにつれて、複数段階規定された信頼度のうち、より高い信頼度を段階的に特定するステップと、過去に求められた仮の感度係数の影響が、特定した信頼度が高くなるほど小さくなるような忘却係数を統計処理の際に使用するステップと、を含む
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、起動してから短期間であっても角速度の導出精度を向上できる。
(実施例1)
本発明を具体的に説明する前に、まず概要を述べる。本発明の実施例は、車両等に搭載され、車両の旋回による角速度を導出する角速度算出装置に関する。角速度算出装置は、角速度センサからの出力電圧に対して、オフセット値と感度係数とを使用しながら、角速度を導出する。前述のごとく、起動から所定の期間にわたって、角速度センサは、温度の変動の影響を受けるので、オフセット値が正確に導出されない。また、オフセット値の誤差は、感度係数の算出精度に影響を与える。その結果、このような状態において、角速度の精度が悪化している。これに対応するために、本実施例に係る角速度算出装置は、次の処理を実行する。
角速度算出装置は、車両に搭載された角速度センサから出力電圧を入力するとともに、車両に搭載されたGPS受信機から測位データを入力する。ここで、角速度センサからの出力電圧が、車両の角速度に相当する。また、測位データには、車両の方位、車両の速度、車両の高度等が含まれる。角速度算出装置は、測位データと出力電圧とをもとに、車両の走行状態を推定する。走行状態として、例えば、停止状態、直進走行状態、非直進走行状態のいずれかが特定される。また、角速度算出装置は、走行状態に応じた導出方法にて仮のオフセット値を逐次導出する。さらに、角速度算出装置は、逐次導出した仮のオフセット値に対してフィルタ処理を実行する。ここで、フィルタは、ローパスフィルタに相当する。また、フィルタに設定される忘却係数は、走行状態に応じて決定される。例えば、停止状態や直進走行状態では、仮のオフセット値の精度が高いので、過去の値の影響を小さくするような忘却係数が設定される。一方、非直進走行状態では、仮のオフセット値の精度が低いので、過去の値の影響を大きくするような忘却係数が設定される。フィルタの出力値がオフセット値に相当する。
角速度算出装置は、測位データと出力電圧とをもとに、仮の感度係数を逐次導出する。また、角速度算出装置は、オフセット値の場合と同様に、逐次導出した仮の感度係数に対してフィルタ処理を実行する。ここで、フィルタに設定される忘却係数は、角速度算出装置の動作期間に応じて設定される。例えば、起動直後では、過去の値の影響を小さくするような忘却係数が設定される。一方、起動から一定期間後では、過去の値の影響を大きくするような忘却係数が設定される。フィルタの出力値が感度係数に相当する。最終的に、角速度算出装置は、角速度センサからの出力電圧、オフセット値、感度係数とをもとに角速度を算出する。
図1は、本発明の実施例1に係る角速度算出装置100の構成を示す。角速度算出装置100は、測定部10、パラメータ算出装置12、角速度変換部14、制御部32を含む。また、測定部10は、GPS測位部20、有効性判定部22、傾斜検出部24、角速度センサ26を含み、パラメータ算出装置12は、オフセット値演算部28、感度係数演算部30を含む。さらに信号として、GPS測位データ200、出力信号202、傾斜角度204、オフセット値206、感度係数208が含まれる。
GPS測位部20は、図示しないGPS衛星からの信号を受信して、GPS測位データ200を算出する。GPS測位データ200には、経緯度、車両の高度であるGPS高度、移動速度であるGPS速度、車両の方位であるGPS方位、PDOP(Position Dilution Precision)、捕捉衛星数等が含まれる。ここで、PDOPは、GPS測位データ200におけるGPS衛星位置の誤差が受信点位置にどのように反映されるかの指標であり、測位誤差に相当する。なお、GPS測位データ200には、これら以外の値が含まれていてもよい。また、GPS測位データ200の算出は、公知の技術によってなされればよいので、ここでは説明を省略する。また、GPS測位部20は、GPS測位データ200をサンプリング間隔ごとに、つまり周期的に算出する。GPS測位部20は、GPS測位データ200を有効性判定部22へ逐次出力する。
有効性判定部22は、GPS測位部20からのGPS測位データ200を逐次入力する。有効性判定部22は、GPS測位データ200から、GPS測位データ200それぞれの有効性を判定する。例えば、有効性判定部22は、PDOPの値が第1のしきい値以下であり、かつGPS速度が第2のしきい値以上である場合に、それらに対応したGPS方位が有効であると判定する。また、有効性判定部22は、上記の条件が満たされない場合に、対応したGPS方位が無効であると判定する。これは、一般的にPDOPの値が大きい場合やGPS速度が小さい場合に、GPS方位の精度が低くなる傾向があるからである。さらに具体的に説明すると、PDOPの値が6以下であり、かつGPS速度が20km/h以上である場合に、有効性判定部22は、GPS方位の有効性をフラグで表す。
また、有効性判定部22は、GPS速度が第3のしきい値以上である場合に、当該GPS速度が有効であると判定する。ここで、第3のしきい値は、第2のしきい値と同じでもよい。さらに、有効性判定部22は、所定の期間でのGPS高度の差が、第4のしきい値以下である場合に、当該GPS高度が有効であると判定する。このような処理の結果、有効性判定部22は、GPS測位データ200に含まれたGPS方位等の各値に対して、有効あるいは無効が示されたフラグを付加する(以下、フラグが付加されたGPS測位データ200もまた「GPS測位データ200」という)。有効性判定部22は、傾斜検出部24、オフセット値演算部28、感度係数演算部30へGPS測位データ200を逐次出力する。
傾斜検出部24は、有効性判定部22からGPS測位データ200、特にGPS測位データ200に含まれたGPS高度を逐次入力する。傾斜検出部24は、逐次入力したGPS高度をもとに、サンプリング間隔における車両の平均傾斜角度(以下、「傾斜角度204」という)を検出する。具体的に説明すると、傾斜検出部24は、連続したGPS高度の差異を逐次計算してから、計算結果を平均した後に、平均値をサンプリング間隔で除算することによって、傾斜角度204を導出する。ここで、連続したGPS高度の間隔が、サンプリング間隔に相当する。傾斜検出部24は、オフセット値演算部28、感度係数演算部30へ傾斜角度204を出力する。
角速度センサ26は、例えば、振動ジャイロ等のジャイロ装置に相当し、車両の進行方向の変化を車両の相対的な角度変化として検出する。つまり、角速度センサ26は、車両の旋回角速度を検出する。検出された角速度は、例えば、0V〜5Vのアナログ信号として出力される。その際、時計回りの旋回に対応した正の角速度は5V側への2.5Vからの偏差電圧として出力され、反時計回りの旋回に対応した負の角速度は0V側への2.5Vからの偏差電圧として出力される。また、2.5Vは、角速度のオフセット値、つまり零点であり、温度等の影響を受けドリフトする。
また、2.5Vからの角速度の偏差程度である感度係数(mV/deg/sec)は、水平な状態において許容誤差内に収まる所定の値として定められている。この許容誤差原因は、ジャイロ装置の個体差や経年変化、温度による影響等である。ジャイロ装置の電圧値は、図示しないAD(Analog to Digital)変換装置によって、例えば、サンプリング間隔100msecでAD変換され、その結果のデジタル信号が出力される。当該デジタル信号は、前述の出力電圧に相当し、以下では、出力信号202という用語を使用する。なお、ジャイロ装置として、公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。角速度センサ26は、オフセット値演算部28、感度係数演算部30、角速度変換部14へ出力信号202を出力する。
オフセット値演算部28は、有効性判定部22からのGPS測位データ200、傾斜検出部24からの傾斜角度204、角速度センサ26からの出力信号202を入力する。また、オフセット値演算部28は、感度係数演算部30から感度係数208も入力する。オフセット値演算部28は、GPS測位データ200、出力信号202、傾斜角度204、感度係数208とをもとに、角速度センサ26のオフセット値(以下、「オフセット値206」という)を算出する。なお、オフセット値演算部28での処理の詳細は後述する。オフセット値演算部28は、オフセット値206を角速度変換部14へ出力する。
感度係数演算部30は、有効性判定部22からのGPS測位データ200、傾斜検出部24からの傾斜角度204、角速度センサ26からの出力信号202を入力する。また、感度係数演算部30は、オフセット値演算部28からオフセット値206も入力する。感度係数演算部30は、GPS測位データ200、出力信号202、傾斜角度204、オフセット値206とをもとに、角速度センサ26の感度係数(以下、前述の「感度係数208」という)を算出する。なお、感度係数演算部30での処理の詳細は後述する。感度係数演算部30は、感度係数208を角速度変換部14へ出力する。
角速度変換部14は、角速度センサ26からの出力信号202、オフセット値演算部28からのオフセット値206、感度係数演算部30からの感度係数208を入力する。角速度変換部14は、出力信号202、オフセット値206、感度係数208をもとに、前述の式(1)を計算することによって、車両の角速度ωを算出する。角速度変換部14は、角速度ωを出力する。制御部32は、角速度算出装置100全体の動作を制御する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図2は、オフセット値演算部28の構成を示す。オフセット値演算部28は、状態推定部40、状態別オフセット値導出部42、オフセット値フィルタ処理部44を含む。また、状態推定部40は、停止推定部50、直進走行推定部52、非直進走行推定部54を含み、状態別オフセット値導出部42は、停止時オフセット値導出部56、直進走行時オフセット値導出部58、非直進走行時オフセット値導出部60を含む。さらに信号として、仮オフセット値210、走行状態情報212が含まれる。
状態推定部40は、GPS測位データ200、出力信号202、傾斜角度204を入力する。状態推定部40は、停止推定部50、直進走行推定部52、非直進走行推定部54において、車両の走行状態を推定する。ここでは、車両の走行状態として、車両が停止あるいは直進している状態であるか、残りの状態、つまり非直進走行している状態であるかを推定する。また、状態推定部40は、判定結果を走行状態情報212としてオフセット値フィルタ処理部44へ出力する。
停止推定部50は、図示しない有効性判定部22において有効であると判定されたGPS測位データ200を取得する。また、停止推定部50は、GPS測位データ200からGPS速度を抽出し、GPS速度が「0」であるかを確認する。一方、停止推定部50は、所定期間内における出力信号202の分散値を計算し、分散値と第5のしきい値とを比較する。停止推定部50は、GPS速度が0であり、かつ分散値が第5のしきい値よりも小さい場合に、車両が停止状態であると判定する。前述のごとく、GPS速度が小さい場合、その精度は低くなる傾向があるが、停止推定部50は、出力信号202の分散値を併せて使用することによって停止と判断する。ここで、所定期間は、例えば、GPS速度のサンプリング間隔である1secとされる。所定期間において、出力信号202の分散値が小さいときは、車両の揺れ等がない安定した状態であると推定される。停止推定部50は、停止状態ではないと判定した場合、その旨を非直進走行推定部54へ出力する。
直進走行推定部52は、図示しない有効性判定部22において有効であると判定されたGPS測位データ200を取得する。また、直進走行推定部52は、GPS測位データ200からGPS方位を抽出し、GPS方位の所定期間にわたる変化(以下、「GPS方位変化」という)を導出する。さらに、直進走行推定部52は、GPS方位変化が「0」であるかを確認する。また、直進走行推定部52は、所定期間における出力信号202の分散値を計算し、分散値と第6のしきい値とを比較する。なお、第6のしきい値は、第5のしきい値と同一であってもよい。ここで、所定期間は、例えば、GPS方位変化が連続して0であるような期間に設定される。
直進走行推定部52は、GPS方位変化が0であり、かつ分散値が第6のしきい値よりも小さい場合に、車両が直進走行状態であると判定する。所定期間において、出力信号202の分散値が小さいときは、微妙な蛇行等の影響がない直進走行状態であると推定される。なお、ドライバの運転状況や道路形状によるが、例えば、市街地等において、直進走行状態の検出頻度は、一般的に、停止推定部50による停止状態の判定よりも少なく、その期間は数秒間程度である。直進走行推定部52は、直進走行状態ではないと判定した場合、その旨を非直進走行推定部54へ出力する。ここで、停止推定部50において停止状態と判定され、直進走行推定部52において直進走行状態であると判定された場合、停止推定部50の判定結果が優先される。非直進走行推定部54は、停止推定部50から、停止状態ではない旨を入力し、かつ直進走行推定部52から、直進走行状態ではない旨を入力した場合、車両が非直進走行状態であると判定する。
状態別オフセット値導出部42は、GPS測位データ200、出力信号202、傾斜角度204、感度係数208を入力する。状態別オフセット値導出部42は、状態推定部40において推定した車両の走行状態に応じて、角速度センサ26の仮オフセット値210を逐次導出する。ここで、停止推定部50において停止状態と判定された場合、停止時オフセット値導出部56が出力信号202をもとに仮オフセット値210を逐次導出する。また、直進走行推定部52において直進走行状態と判定された場合、直進走行時オフセット値導出部58が出力信号202をもとに仮オフセット値210を逐次導出する。
また、直進走行時オフセット値導出部58において非直進走行状態と判定された場合、非直進走行時オフセット値導出部60がGPS測位データ200、出力信号202、傾斜角度204、感度係数208をもとに仮オフセット値210を逐次導出する。つまり、車両の走行状態に応じて停止時オフセット値導出部56から非直進走行時オフセット値導出部60は、GPS測位データ200、出力信号202等の組合せを変更しながら、仮オフセット値210を導出する。
停止時オフセット値導出部56は、停止状態と判定された場合に、出力信号202をもとに、角速度センサ26の仮オフセット値210を逐次導出する。具体的に説明すると、停止時オフセット値導出部56は、停止時に車両の旋回角速度が「0」になることを利用し、出力信号202の平均値を仮オフセット値210として算出する。直進走行時オフセット値導出部58は、直進走行状態と判定された場合に、出力信号202をもとに、角速度センサ26の仮オフセット値210を逐次導出する。具体的に説明すると、ここでも車両の旋回角速度が0であるので、直進走行時オフセット値導出部58は、出力信号202の平均値を仮オフセット値210として算出する。
非直進走行時オフセット値導出部60は、非直進走行状態であると判定された場合に、GPS測位データ200中のGPS方位、傾斜角度204、出力信号202、感度係数208とをもとに、例えば、GPS方位のサンプリング間隔における仮オフセット値210を逐次導出する。ここで、仮オフセット値210は、次のように導出される。
Goffset=1/n・ΣGout−Δθ・Gsensitivity・cos(α) ・・・(4)
ここで、nは、GPS方位のサンプリング間隔における出力信号202のサンプル数であり、ΣGout(mV)は、GPS方位のサンプリング間隔における出力信号202の合計値である。また、Δθ(deg)は、GPS方位変化量であり、Gsensitivity(mV/deg/sec)は、車両取り付け角における角速度センサ26の感度係数208であり、α(deg)は、車両の傾斜角度204である。
感度係数208は、通常、図示しない感度係数演算部30から入力されるが、角速度算出装置100の起動直後などのような状態において、感度係数208が未だ算出されていないこともありえる。そのような場合、非直進走行時オフセット値導出部60は、図示しないジャイロ装置の仕様によって決定される感度係数208を初期値として使用する。また、非直進走行時オフセット値導出部60は、前回の走行終了時に感度係数演算部30からの感度係数208を記憶しておき、初期値として使用してもよい。
オフセット値フィルタ処理部44は、状態別オフセット値導出部42において逐次導出した仮オフセット値210を入力する。オフセット値フィルタ処理部44は、仮オフセット値210に対して統計処理を実行することによって、角速度センサ26のオフセット値206を導出する。以下では、図3を使用しながら、オフセット値フィルタ処理部44での処理を説明する。
図3は、オフセット値フィルタ処理部44の構成を示す。オフセット値フィルタ処理部44は、αi乗算部70、加算部72、1−αi乗算部74、忘却係数設定部76を含む。図示のごとく、オフセット値フィルタ処理部44は、IIR(Infinite Impulse Responce)フィルタを含むように構成されており、IIRフィルタによってローパスフィルタを構成する。αi乗算部70は、仮オフセット値210に忘却係数「αi」を乗算する。ここで、「i」は、1あるいは2である。そのため、忘却係数「αi」は、α1、α2の総称である。なお、α1およびα2については後述する。αi乗算部70は、乗算結果を加算部72へ出力する。
加算部72は、αi乗算部70からの乗算結果と、1−αi乗算部74からの乗算結果とを逐次加算する。加算部72は、加算結果をオフセット値206として逐次出力する。1−αi乗算部74は、オフセット値206に係数「1−αi」を乗算する。なお、係数「1−αi」のうちの「αi」は、αi乗算部70でのαiと同様であるので、ここでは説明を省略する。1−αi乗算部74は、加算部72へ乗算結果をフィードバックする。忘却係数設定部76は、走行状態情報212を入力する。また、忘却係数設定部76は、走行状態情報212にて示された状態に応じて、忘却係数「αi」の値を決定する。さらに、忘却係数設定部76は、決定した忘却係数「αi」をαi乗算部70および1−αi乗算部74へ設定する。
図4は、忘却係数設定部76において記憶されるテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、走行状態欄300、忘却係数欄302が含まれる。走行状態欄300には、走行状態情報212にて示される各状態が含まれる。忘却係数欄302には、各状態に対応した忘却係数「αi」を記憶する。つまり、停止状態と直進走行状態に対して忘却係数「α1」が対応づけられ、非直進走行状態に対して忘却係数「α2」が対応づけられる。ここで、α2<α1の規定がなされる。図3に戻る。忘却係数設定部76は、図4のテーブルを参照しながら、走行状態情報212にて示された状態から忘却係数「α1」あるいは「α2」を選択する。このように、忘却係数設定部76は、車両の走行状態に応じて、フィルタ処理の際の忘却係数を変更する。
ここでは、忘却係数を変更する理由を説明する。オフセット値フィルタ処理部44の構成より、時刻tにおけるオフセット値206Voffset(t)は、次のように示される。
Voffset(t)=αiGoffset(t)+(1−αi)Voffset(t−1) ・・・(5)
なお、Goffset(t)は、時刻tにおける仮オフセット値210である。つまり、αiが大きくなると、Voffset(t)のうちのGoffset(t)の影響が大きくなり、αiが小さくなると、Voffset(t)のうちのVoffset(t−1)の影響が多くなる。これは、前者の場合において新しい仮オフセット値210の影響が大きくなり、後者の場合において過去の仮オフセット値210の影響が大きくなることに相当する。
例えば、停止状態あるいは直進走行状態において、仮オフセット値210は、車両の旋回角速度が0である状態の出力信号202から導出されるので、その信頼度は高い。そのため、これらの状態において順次導出されるオフセット値206に対して、非直進走行状態よりも、新たに導出された仮オフセット値210の重み付けを大きくした平均化処理がなされる。これは、過去の仮オフセット値210の影響が小さくなるような忘却係数を使用することに相当する。
一方、非直進走行時においては、式(4)のGPS方位変化量から求められるΔθや車両の平均傾斜角度αに誤差等が含まれる可能性がある。ここで、仮オフセット値210のドリフトは温度による影響等によるものであるので、仮オフセット値210の変動にはある連続性を持った特性が存在すると推測される。そのため、その特性に適したローパスフィルタを使用することによって、式(4)から導かれたオフセット値に含まれる誤差を吸収できる。具体的には、その特性に適したローパスフィルタとは、過去の仮オフセット値210の影響が大きくなるような忘却係数を使用することに相当する。
図5は、感度係数演算部30の構成を示す。感度係数演算部30は、感度係数導出部80、感度係数フィルタ部82、動作期間管理部84を含む。感度係数導出部80は、GPS測位データ200、出力信号202、傾斜角度204を入力する。また、感度係数演算部30は、オフセット値206も入力する。また、感度係数導出部80は、GPS測位データ200、出力信号202、傾斜角度204、オフセット値206とをもとに、角速度センサ26の仮の感度係数を逐次導出する。
具体的に説明すると、感度係数導出部80は、GPS測位データ200においてGPS方位が有効であると示されている場合、次のように、GPS方位のサンプリング間隔における角速度センサ26の仮の感度係数を算出する。
Gsensitivity=(1/n・ΣGout−Goffset)/Δθ/cos(α) ・・・(6)
ここで、Goffsetは、図示しないオフセット値演算部28から入力されるが、角速度算出装置100の起動直後などのような状態において、オフセット値206が未だ算出されていないこともありえる。式(6)には、Δθによる除算が含まれるので、Δθが所定値以上であるときに感度係数を算出する。Δθの値が所定値以下であるときは、感度係数導出部80は、直前に補正した感度係数を出力する。
感度係数フィルタ部82は、感度係数導出部80において逐次導出した仮の感度係数を入力する。感度係数フィルタ部82は、仮の感度係数に対して統計処理を実行することによって、角速度センサ26の感度係数208を導出する。感度係数フィルタ部82は、図4に示されたオフセット値フィルタ処理部44と同様に、IIRフィルタにて構成されており、IIRフィルタは、ローパスフィルタを構成する。その結果、式(6)におけるGPS方位変化量から求められるΔθや、車両の平均傾斜角度αに含まれる誤差が吸収される。また、感度係数フィルタ部82は、動作期間管理部84からの指示をもとに、IIRフィルタでの忘却係数を設定する。
動作期間管理部84は、角速度センサ26の動作期間に応じて、感度係数フィルタ部82での忘却係数を変更する。また、動作期間管理部84は、変更した忘却係数の使用を感度係数フィルタ部82へ指示する。図6は、感度係数フィルタ部82において記憶されるテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、条件欄310、忘却係数欄312が示される。条件欄310には、忘却係数を決定するための動作期間に関する条件として、「x時間以下」、「x時間より大」が示されている。忘却係数欄312には、条件欄310での各条件に対応した忘却係数の値が示される。具体的には、「x時間以下」の場合に対して、忘却係数α10が設定されており、「x時間より大」の場合に対して、忘却係数α11が規定されている。また、α11<α10の関係が規定されている。つまり、起動からx時間以下の場合において、起動からx時間よりも大の場合よりも、新たに導出された仮オフセット値210の重み付けを大きくした平均化処理がなされる。
また、ここでは、GPS方位のサンプリング間隔における仮の感度係数を算出する例を示したが、Goffsetおよびαの変動が微小である場合、あるいはΔθの値が所定値以上にならない場合は、算出の間隔が大きくされてもよい。つまり、仮の感度係数の導出は、GPS方位のサンプリング間隔に限定されない。
以上の構成による角速度算出装置100の動作を説明する。図7は、角速度算出装置100によるオフセット値の導出手順を示すフローチャートである。有効性判定部22は、GPS測位部20において測位されたふたつのGPS測位データ200の有効性を判定する(S10)。ふたつのGPS測位データ200は、サンプリング間隔時間だけ離れたタイミングでのGPS測位データ200に相当する。有効でなければ(S10のN)、待機する。ともに有効であれば(S10のY)、オフセット値演算部28は、GPS測位データ200のサンプリング間隔における車両のGPS方位変化量と、角速度センサ26の出力信号202の合計値、傾斜検出部24が出力する車両の傾斜角度204、感度係数演算部30が出力する感度係数208を取得する(S12)。
状態推定部40は、取得した各種情報をもとに、車両の走行状態が停止あるいは直進走行状態であるかを判定する(S14)。停止あるいは直進走行状態であれば(S14のY)、停止時オフセット値導出部56あるいは直進走行時オフセット値導出部58は、取得した各種情報をもとに角速度センサ26の仮オフセット値210を算出する(S16)。オフセット値フィルタ処理部44は、忘却係数α1でフィルタ処理を実行する(S18)。一方、停止あるいは直進走行状態でなければ(S14のN)、非直進走行時オフセット値導出部60は、取得した各種情報をもとに角速度センサ26の仮オフセット値210を算出する(S20)。オフセット値フィルタ処理部44は、忘却係数α2でフィルタ処理を実行する(S22)。
図8は、角速度算出装置100による感度係数の導出手順を示すフローチャートである。有効性判定部22は、GPS測位部20において測位されたふたつのGPS測位データ200の有効性を判定する(S40)。ふたつのGPS測位データ200は、サンプリング間隔時間だけ離れたタイミングでのGPS測位データ200に相当する。有効でなければ(S40のN)、待機する。ともに有効であれば(S40のY)、感度係数演算部30は、GPS測位データ200のサンプリング間隔における車両のGPS方位変化量と、角速度センサ26の出力信号202の合計値、傾斜検出部24が出力する車両の傾斜角度204、感度係数演算部30が出力する感度係数208を取得する(S42)。
感度係数導出部80は、取得したGPS方位変化量が所定値以上でないと判定すれば(S44のN)、ステップ40に戻る。一方、感度係数導出部80は、取得したGPS方位変化量が所定値以上であると判定すれば(S44のY)、取得した各種情報に基づいて角速度センサ26の仮の感度係数を導出する(S46)。感度係数フィルタ部82は、動作時間に応じた忘却係数にて、仮の感度係数に対してフィルタ処理を実行する(S48)。
本発明の実施例によれば、走行状態に応じた仮オフセット値を導出するとともに、走行状態に応じた忘却係数を使用しながら仮オフセット値をフィルタ処理することによってオフセット値を導出するので、起動してから短期間であってもオフセット値に含まれる誤差を低減できる。また、オフセット値に含まれる誤差が低減されるので、オフセット値の導出精度を向上できる。また、角速度センサのオフセット値について、車両の傾斜角度を考慮するので、導出精度をさらに向上できる。また、GPS方位のサンプリング間隔といった短い時間にて、車両の走行状態に応じた最適なオフセット値を導出するので、オフセット値のドリフトに精度よく追随できる。
また、仮の感度係数を導出するとともに、角速度センサの動作期間に応じた忘却係数を使用しながら仮の感度係数をフィルタ処理することによって感度係数を導出するので、起動してから短期間であっても感度係数に含まれる誤差を低減できる。また、感度係数に含まれる誤差が低減されるので、感度係数の導出精度を向上できる。また、走行状態として実質的にふたつの状態を規定し、仮オフセット値の2種類の導出方法およびα1およびα2の忘却係数を用意するので、処理を簡易にできる。また、角速度センサの感度係数について、車両の傾斜角度およびその変動を考慮して算出するので、傾斜のある道路の走行時においても導出精度を向上できる。また、オフセット値のドリフトに精度よく追随できるので、ナビゲーション装置の起動直後から感度係数を正確に導出できる。また、オフセット値と感度係数との導出精度が向上されるので、角速度の導出精度を向上できる。
(実施例2)
実施例2は、実施例1と同様に角速度算出装置100に関する。実施例1においては、走行状態として、停止状態、直進走行状態、非直進走行状態への分類がなされている。また、状態別オフセット値導出部42、オフセット値フィルタ処理部44は、停止状態および直進走行状態に対して同様の処理を実行しているので、実施例1では、実質的にふたつの状態のそれぞれに対して異なった処理がなされているといえる。一方、実施例2に係る角速度算出装置100は、停止状態に対する忘却係数と、直進走行状態に対する忘却係数とに異なった値を設定する。そのため、実施例2では、3つの状態のそれぞれに対して異なった処理がなされているといえる。実施例2に係る角速度算出装置100、オフセット値演算部28、オフセット値フィルタ処理部44、感度係数演算部30は、それぞれ図1、図2、図3、図5と同様のタイプである。そのため、ここでは、差異を中心に説明する。
図9は、本発明の実施例2に係る忘却係数設定部76において記憶されるテーブルのデータ構造を示す図である。図9のテーブルは、図4と同様に示されている。忘却係数欄302には、停止状態に対応した忘却係数「α1」、直進走行状態に対応した忘却係数「α2」、非直進走行状態に対応した忘却係数「α3」が示されている。ここで、α1>α2>α3となっており、停止状態、直進走行状態、非直進走行状態の順に、過去の仮オフセット値210の影響が小さくなる。忘却係数設定部76は、前述のごとく、当該デーブルを参照しながら走行状態情報212をもとに、忘却係数を選択する。また、忘却係数設定部76は、選択した忘却係数をαi乗算部70および1−αi乗算部74に設定する。
本発明の実施例によれば、走行状態として3つの状態に対して、3つの忘却係数を用意するので、各状態に適合したフィルタ処理を実現できる。また、各状態に適合したフィルタ処理が実現されるので、処理精度を向上できる。
(実施例3)
実施例3は、これまでの実施例と同様に、角速度算出装置100に関し、特に、感度係数演算部30に関する。これまで、角速度センサ26の動作時間に応じて、感度係数フィルタ部82での忘却係数が変更されていた。一方、前述のごとく、GPS衛星からの電波の受信状況によりGPS方位の精度が悪化することによって、感度係数に含まれる誤差が大きくなる。このような場合でも、感度係数の精度の悪化を抑制するために、実施例3に係る感度係数演算部30は、仮の感度係数に対する信頼度を推定し、信頼度に応じて、感度係数フィルタ部82での忘却係数を設定する。実施例3に係る角速度算出装置100は、図1に示された角速度算出装置100と同様のタイプである。また、オフセット値演算部28として、これまでの説明が有効であるので、ここでは、感度係数演算部30を中心に説明する。
図10は、本発明の実施例3に係る感度係数演算部30の構成を示す。感度係数演算部30は、感度係数導出部80、感度係数フィルタ部82、平均値計算部400、信頼度導出部402を含む。感度係数フィルタ部82は、αi乗算部404、加算部406、1−αi乗算部408、忘却係数設定部410を含み、信頼度導出部402は、差分計算部412、信頼度決定部414、信頼度管理部416を含む。
感度係数導出部80は、図5の説明と同様に、GPS測位データ200、出力信号202、傾斜角度204、オフセット値206をもとに、角速度センサ26の仮の感度係数を逐次導出する。感度係数導出部80は、逐次導出した仮の感度係数を感度係数フィルタ部82、平均値計算部400へ出力する。平均値計算部400は、感度係数導出部80から、逐次導出された角速度センサ26の仮の感度係数を入力する。また、平均値計算部400は、一定期間にわたって、感度係数導出部80から順次出力される仮の感度係数を保持することによって、仮の感度係数に対する平均値(以下、「平均値」という)を逐次導出する。ここで、平均値を導出するために、例えば、移動平均が実行される。また、一定の期間は、式(6)でのΔθが連続して所定値以上である期間のように規定される。平均値計算部400は、平均値を差分計算部412へ逐次出力する。
差分計算部412は、平均値計算部400からの平均値を逐次入力する。また、感度係数フィルタ部82から感度係数208も入力する。ここで、感度係数フィルタ部82の構成は、後述する。また、感度係数208は、図示のごとく、感度係数フィルタ部82から差分計算部412へフィードバックされているので、感度係数フィルタ部82において過去に導出した感度係数208といえる。なお、以下では、感度係数フィルタ部82において過去に導出した感度係数208も「感度係数208」という。差分計算部412は、感度係数208と平均値との差分の絶対値(以下、「差分値」という)を導出する。差分値の導出には、例えば、減算が実行される。差分計算部412は、差分値を信頼度決定部414へ出力する。
信頼度決定部414は、差分計算部412から差分値を逐次入力する。信頼度決定部414は、差分値をもとに、感度係数208の信頼度を決定する。信頼度は、段階的に設定された値、もしくは連続値で表される。ここでは、一例として、信頼度が4段階に設定されているとし、図11を使用しながら、その際の信頼度決定部414の処理を説明する。図11は、信頼度決定部414における動作の概要を示す。4つの信頼度として、第0信頼度500、第1信頼度502、第2信頼度504、第3信頼度506が規定されている。ここでは、第3信頼度506の信頼度が最も高く、第0信頼度500の信頼度が最も低いとする。
また、信頼度が高くなるほど、差分値が小さくなるような状態に相当する。さらに、差分値が小さくなるとは、仮の感度係数の変動が小さくなるような状態に相当する。つまり、第0信頼度500は、感度係数の補正が不十分な状態に相当し、第3信頼度506は、感度係数の補正が十分になされた状態に相当する。信頼度決定部414は、信頼度管理部416から現在の信頼度を取得し、差分値が所定の条件を満たした場合に、別の信頼度への遷移を決定する。例えば、初期の状態において、信頼度決定部414は、信頼度管理部416から、現在の信頼度が第0信頼度500である旨を取得する。
信頼度決定部414は、差分値が第1条件510を満たすと、第0信頼度500から第1信頼度502への遷移を決定する。また、信頼度決定部414は、差分値が第2条件512を満たすと、第1信頼度502から第2信頼度504への遷移を決定し、差分値が第3条件514を満たすと、第1信頼度502から第0信頼度500への遷移を決定する。また、信頼度決定部414は、差分値が第4条件516を満たすと、第2信頼度504から第3信頼度506への遷移を決定し、差分値が第5条件518を満たすと、第2信頼度504から第1信頼度502への遷移を決定する。なお、第3信頼度506は、前述のごとく、感度係数の補正が十分に行われた状態であるので、信頼度決定部414は、差分値が第6条件520を満たすと、車両取り付け角が変化する等の要因によるもの判断し、第3信頼度506から第0信頼度500への遷移を決定する。また、信頼度決定部414は、信頼度の遷移を決定すると、その旨を信頼度管理部416へ通知し、信頼度管理部416は、新たな信頼度を管理する。
ここで、信頼度の遷移を決定するために使用される条件について説明する。図12は、信頼度決定部414において記憶されるテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、現在の信頼度欄330、条件欄332、変更後の信頼度欄334が含まれる。現在の信頼度欄330には、現在の信頼度が示されており、条件欄332には、信頼度を遷移させるための条件が示されており、変更後の信頼度欄334には、遷移される先の信頼度が示されている。
つまり、条件欄332に示された条件は、上から順に、前述の第1条件510、第2条件512、第3条件514、第4条件516、第5条件518、第6条件520に相当する。例えば、第0信頼度500である場合、差分値がしきい値1以下になる状態が10回連続すると、信頼度決定部414は、第1信頼度502への遷移を決定する。ここで、しきい値1≧しきい値2≧しきい値3のような規定がなされており、信頼度が高くなるにつれて遷移条件は厳しくなっている。
また、信頼度を高くするための条件では、「10回連続」と規定されており、信頼度を低くするための条件では、「3回連続」と規定されている。つまり、信頼度を高くするための条件での連続回数は、信頼度を低くするための条件での連続回数よりも小さくなっている。これは、信頼度を高くするよりも、信頼度を低くする方が容易になされることに相当する。このように、信頼度が厳しく評価されることによって、誤差の影響が低減される。図10に戻る。以上の処理をまとめると、信頼度決定部414は、差分値が小さくなるにつれて、複数段階規定された信頼度のうち、高い信頼度を段階的に特定するといえる。信頼度決定部414は、信頼度を忘却係数設定部410へ出力する。信頼度管理部416は、前述のごとく、現在の信頼度を管理し、必要に応じて信頼度を信頼度決定部414へ出力する。
忘却係数設定部410は、信頼度決定部414から信頼度を入力し、信頼度をもとにαi乗算部404、1−αi乗算部408に設定すべき忘却係数を決定する。つまり、忘却係数設定部410は、差分値に応じて、感度係数フィルタ部82での統計処理に使用される忘却係数を変更する。図13は、忘却係数設定部410において記憶されるテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、信頼度欄340、忘却係数欄342が含まれており、各信頼度に対応した忘却係数が規定されている。忘却係数設定部410は、当該テーブルを参照しながら、入力した信頼度に対応した忘却係数を特定する。
ここで、信頼度が高くなるほど、忘却係数が大きくなっており、これは、過去に求められた仮の感度係数の影響、例えば、既に導出した感度係数208の影響が、信頼度が高くなるほど小さくことに相当する。つまり、信頼度が高くなるほど、感度係数導出部80によって新たに導出された仮の感度係数の方が、感度係数フィルタ部82において過去に導出された感度係数208よりも信用できると判断され、前者の重み付けが大きくなるような忘却係数が設定される。また、信頼度が低い場合には、逆の説明が有効である。図10に戻る。忘却係数設定部410は、決定した忘却係数をαi乗算部404、1−αi乗算部408へ出力する。
αi乗算部404、加算部406、1−αi乗算部408は、図3のαi乗算部70、加算部72、1−αi乗算部74のそれぞれと同様であるので、ここでは説明を省略する。その結果、感度係数フィルタ部82は、感度係数208を導出し、差分計算部412、図1の角速度変換部14、オフセット値演算部28へ、感度係数208を出力する。図示しない角速度変換部14は、前述のごとく、角速度センサ26からの出力信号202、オフセット値演算部28からのオフセット値206、感度係数演算部30からの感度係数208をもとに、車両の最終的な角速度ωを算出する。これは、出力信号202と感度係数208とを使用しながら、出力信号202を補正することに相当する。
以上の構成による感度係数演算部30の動作を説明する。図14は、信頼度導出部402による信頼度の導出手順を示すフローチャートである。信頼度決定部414は、信頼度として第0信頼度500を設定する(S60)。差分値が信頼度変更条件を満足した場合(S62のY)、信頼度決定部414は、信頼度を変更する(S64)。差分値が信頼度変更条件を満足しない場合(S62のN)、信頼度決定部414は、信頼度を維持する(S66)。処理が終了でなければ(S68のN)、ステップ62に戻る。一方、処理が終了であれば(S68のY)、終了になる。
本発明の実施例によれば、過去に導出した感度係数と、仮の感度係数に対する平均値との差分値をもとに信頼度を特定するので、仮の感度係数に対応した信頼度を特定できる。また、信頼度に応じて統計処理の際の忘却係数を変更するので、現在の仮の感度係数に適した忘却係数を設定できる。また、忘却係数を使用しながら仮の感度係数に対して統計処理を実行することによって、感度係数を導出するので、起動してから短期間であっても感度係数の導出精度を向上できる。また、起動してから短期間であっても感度係数の導出精度が向上されるので、角速度の導出精度を向上できる。
また、信頼度が高くなるほど、新たな仮の感度係数の影響が大きくなるので、統計処理の精度の悪化を抑制できる。また、信頼度が高くなるほど、新たな仮の感度係数の影響が大きくなるので、新たな仮の感度係数を感度係数に反映できる。また、走行状態に応じた忘却係数を使用しながら仮のオフセット値を統計処理することによってオフセット値を導出し、信頼度に応じた忘却係数を使用しながら仮の感度係数を統計処理することによって感度係数を導出するので、起動してから短期間であっても角速度の導出精度を向上できる。
(実施例4)
実施例4は、これまでの実施例と同様に、角速度算出装置100に関し、特に、感度係数演算部30に関する。実施例3において、信頼度導出部402は、仮の感度係数に対する平均値と、感度係数208とをもとに、信頼度を導出する。実施例4は、信頼度の導出精度の向上を目的とする。実施例4における信頼度導出部402は、平均値と感度係数208とに加えて、仮の感度係数の分散値も導出し、信頼度を決定する際に分散値も使用する。その結果、平均値と感度係数208との間の差分値が小さくても、分散値が大きければ、仮の感度係数の変動が大きいと推定され、その場合の信頼度が低くされる。実施例4に係る角速度算出装置100も、図1に示された角速度算出装置100と同様のタイプである。また、オフセット値演算部28として、これまでの説明が有効であるので、ここでは、感度係数演算部30を中心に説明する。
図15は、本発明の実施例4に係る感度係数演算部30の構成を示す。感度係数演算部30は、図10に示された感度係数演算部30に比べて分散値計算部418をさらに備える。分散値計算部418は、感度係数導出部80からの仮の感度係数を逐次入力するとともに、平均値計算部400からの平均値も入力する。分散値計算部418は、平均値に対する仮の感度係数の分散値を導出する。なお、分散値の導出には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。分散値計算部418は、分散値を信頼度決定部414へ出力する。
信頼度決定部414は、差分計算部412からの差分値に加えて、分散値計算部418からの分散値も考慮しながら、信頼度を決定する。なお、信頼度は、実施例3と同様に規定される。ここでも、信頼度の遷移を決定するために使用される条件について説明する。図16は、信頼度決定部414において記憶されるテーブルのデータ構造を示す。図16は、図12と同様に、現在の信頼度欄330、条件欄332、変更後の信頼度欄334を含む。また、説明を簡単にするために、条件欄332には、信頼度を高くするための条件、つまり第1条件510、第2条件512、第4条件516だけが示されている。実施例3において、現在の信頼度が第0信頼度500である場合、差分値がしきい値1以下となる状態が10回連続すると、つまり第1条件510が満足されると、信頼度決定部414は、第1信頼度502への遷移を決定していた。
一方、ここでは、各条件に、分散値がしきい値4以下であることが追加されている。その結果、現在の信頼度が第0信頼度500である場合、差分値がしきい値1以下となり、かつ分散値がしきい値4以下となる状態が10回連続すると、信頼度決定部414は、第1信頼度502への遷移を決定する。そのため、差分値がしきい値1以下となっても、分散値がしきい値4よりも大きければ、第1信頼度502への遷移につながらない。つまり、信頼度を向上させることにはつながらない。これは、信頼度決定部414において、差分値が同一であっても、分散値が小さくなるほど、高い信頼度を段階的に特定することに相当する。図15に戻る。
ここでは、信頼度を高くするための条件について説明した。信頼度を低くするための条件、つまり第3条件514、第5条件518、第6条件520に対しては、差分値が考慮されなくてもよい。つまり、差分値が各条件を満たした場合に、信頼度決定部414は、低い信頼度への遷移を決定すればよい。
本発明の実施例によれば、差分値だけではなく、分散値も考慮して信頼度を特定するので、仮の感度係数のバラツキの影響を信頼度に反映できる。また、分散値が大きければ、差分値が小さくても信頼度を高くしないので、仮の感度係数に含まれる誤差の影響を低減できる。また、差分値と分散値とをもとに信頼度を決定するので、信頼度を詳細に制御できる。また、平均値に加えて分散値を導出するだけなので、処理量の増加を抑制できる。
(実施例5)
実施例5は、これまでの実施例と同様に、角速度算出装置100に関する。実施例1において、停止状態等の走行状態に応じて、オフセット値フィルタ処理部44に対する忘却係数が設定される。実施例5は、忘却係数をさらに詳細に制御することを目的とする。実施例5では、非直進走行状態に対する忘却係数を決定する際に、信頼度を反映させる。ここで、信頼度の導出は、実施例3や4と同様になされる。非直進走行状態に対する忘却係数は、複数の信頼度のそれぞれに応じて規定されており、現在の信頼度に応じてひとつの忘却係数が決定される。その結果、走行状態に加えて信頼度も反映しながら忘却係数が決定されるので、忘却係数は詳細に制御される。実施例4に係る角速度算出装置100も、図1に示された角速度算出装置100と同様のタイプである。ここでは、差異を中心に説明する。
信頼度導出部402は、図10、図15と同様に信頼度を決定する。信頼度導出部402は、図3の忘却係数設定部76へ信頼度を決定する。忘却係数設定部76は、これまでの実施例と同様に走行状態情報212を入力する。また忘却係数設定部76は、信頼度導出部402からの信頼度も入力する。ここで、忘却係数設定部76は、走行状態情報212にて示された状態、信頼度に応じて、忘却係数「αi」の値を決定する。さらに、忘却係数設定部76は、決定した忘却係数「αi」をαi乗算部70および1−αi乗算部74へ設定する。図17は、本発明の実施例5に係る忘却係数設定部76において記憶されるテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、走行状態欄300、忘却係数欄302が図4や図9と同様に含まれるとともに、信頼度欄320がさらに含まれる。
忘却係数設定部76は、走行状態情報212にて示された状態が停止状態である場合、および直線走行状態である場合、図17に示されたテーブルを参照することによって、忘却係数「α1」、「α2」をそれぞれ選択する。一方、忘却係数設定部76は、走行状態情報212にて示された状態が非直進走行状態である場合、信頼度をもとに、図17に示されたテーブルを参照することによって、忘却係数を選択する。具体的に説明すると、忘却係数設定部76は、第3信頼度506、第2信頼度504、第1信頼度502、第0信頼度500のそれぞれに対応して、忘却係数「α31」、「α32」、「α33」、「α34」を選択する。
本発明の実施例によれば、走行状態だけではなく、信頼度を反映させるので、忘却係数を詳細に制御できる。また、非直進走行状態の際に信頼度を反映させるので、非直進走行状態の際の忘却係数の導出精度を向上できる。また、停止状態および直進走行状態の際に信頼度を反映させないので、処理量の増加を抑制できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例において、オフセット値演算部28、感度係数演算部30は、式(4)、式(6)を計算する際に、GPS測位データ200に含まれたGPS方位をもとにしたΔθを使用している。しかしながらこれに限らず例えば、オフセット値演算部28、感度係数演算部30は、図示しない地図データベースを用いて、車両がマッチングしている道路方位を利用してもよい。なお、地図データベースへの車両のマッチングには、GPS測位データ200が使用される。本変形例によれば、角速度算出装置100の構成の自由度を向上できる。
本発明の実施例において、傾斜検出部24は、GPS高度を利用して車両の傾斜角度204を算出している。しかしながらこれに限らず例えば、傾斜検出部24が加速度センサを備え、加速度センサからの情報を利用して傾斜角度204を算出してもよい。または、傾斜検出部24は、図示しない地図データベースに含まれる道路情報に高度情報が存在する場合に、車両がマッチングしている道路の高度情報を利用してもよい。本変形例によれば、傾斜角度204を高精度に導出できる。
本発明の実施例において、オフセット値演算部28、感度係数演算部30は、仮オフセット値210、仮の感度係数を導出する際に、傾斜角度204を使用している。しかしながらこれに限らず例えば、傾斜角度204は使用されなくてもよい。その際、式(4)、式(6)でのαは0にされる。本変形例によれば、処理を簡易にできる。
本発明の実施例において、状態推定部40は、車両の走行状態判定として、GPS測位データ200に含まれたGPS速度を使用して、停止状態を判定している。しかしながらこれに限らず例えば、状態推定部40は、図示しないパルス検出部からの車両の車速パルス信号を入力し、車速パルスをもとに停止状態を判定してもよい。ここで、パルス検出部は、図示しない速度センサに接続されており、速度センサは、ドライブシャフトの回転に対応して回転するスピードメータケーブルの中間に設置され、ドライブシャフトの回転に伴った車速パルス信号を出力する。本変形例によれば、さまざまな手段によって車両の速度を測定できる。
本発明の実施例において、有効性判定部22は、GPS測位データ200の有効性を判定するために、PDOPを使用している。しかしながらこれに限らず例えば、有効性判定部22は、GDOP(Geometric Dilution Of Precision)、HDOP(Horizontal Dilution Of Precision)等や、これらの組合せを使用してもよい。本変形例によれば、さまざまなパラメータを判定に使用できる。
本発明の実施例において、オフセット値フィルタ処理部44や感度係数フィルタ部82は、IIRフィルタを含むように形成されている。しかしながらこれに限らず例えば、オフセット値フィルタ処理部44や感度係数フィルタ部82は、FIR(Finite Impulse Response)フィルタを含むように形成されていてもよい。その際、忘却係数は、タップ係数として設定される。本変形例によれば、フィルタ構成の自由度を向上できる。
本発明の実施例1に係る角速度算出装置の構成を示す図である。 図1のオフセット値演算部の構成を示す図である。 図1のオフセット値フィルタ処理部の構成を示す図である。 図3の忘却係数設定部において記憶されるテーブルのデータ構造を示す図である。 図1の感度係数演算部の構成を示す図である。 図5の感度係数フィルタ部において記憶されるテーブルのデータ構造を示す図である。 図1の角速度算出装置によるオフセット値の導出手順を示すフローチャートである。 図1の角速度算出装置による感度係数の導出手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例2に係る忘却係数設定部において記憶されるテーブルのデータ構造を示す図である。 本発明の実施例3に係る感度係数演算部の構成を示す図である。 図10の信頼度決定部における動作の概要を示す図である。 図10の信頼度決定部において記憶されるテーブルのデータ構造を示す図である。 図10の忘却係数設定部において記憶されるテーブルのデータ構造を示す図である。 図10の信頼度導出部による信頼度の導出手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例4に係る感度係数演算部の構成を示す図である。 図15の信頼度決定部において記憶されるテーブルのデータ構造を示す図である。 本発明の実施例5に係る忘却係数設定部において記憶されるテーブルのデータ構造を示す図である。
符号の説明
10 測定部、 12 パラメータ算出装置、 14 角速度変換部、 20 GPS測位部、 22 有効性判定部、 24 傾斜検出部、 26 角速度センサ、 28 オフセット値演算部、 30 感度係数演算部、 32 制御部、 100 角速度算出装置。

Claims (5)

  1. GPS衛星からの信号をもとに測位された対象物の測位データと、角速度センサから出力された対象物の角速度とを取得する取得部と、
    前記取得部において取得した測位データと角速度とをもとに、前記角速度センサの仮の感度係数を逐次導出する感度係数導出部と、
    前記感度係数導出部において逐次導出した前記角速度センサの仮の感度係数に対して統計処理を実行することによって、前記角速度センサから出力された角速度を補正するための前記角速度センサの感度係数を導出する感度係数フィルタ処理部とを備え、
    前記感度係数フィルタ処理部は、当該感度係数フィルタ処理部において過去に導出した前記角速度センサの感度係数と、前記感度係数導出部において逐次導出した前記角速度センサの仮の感度係数における平均値との差異に応じて、統計処理の際の忘却係数を変更しており、
    前記感度係数フィルタ処理部は、
    当該感度係数フィルタ処理部において過去に導出した前記角速度センサの感度係数と、前記感度係数導出部において逐次導出した前記角速度センサの仮の感度係数における平均値との差異が小さくなるにつれて、複数段階規定された信頼度のうち、より高い信頼度を段階的に特定する信頼度導出部と、
    前記角速度センサの感度係数導出における、過去に求められた仮の感度係数の影響が、特定した信頼度が高くなるほど小さくなるような忘却係数を統計処理の際に使用する忘却係数設定部と、
    を含むことを特徴とする角速度センサ補正装置。
  2. 前記感度係数フィルタ処理部における前記信頼度導出部は、当該感度係数フィルタ処理部において過去に導出した前記角速度センサの感度係数と、前記感度係数導出部において逐次導出した前記角速度センサの仮の感度係数における平均値との差異が同一であっても、前記感度係数導出部において逐次導出した前記角速度センサの仮の感度係数における分散値が小さくなるほど、より高い信頼度を段階的に特定することを特徴とする請求項1に記載の角速度センサ補正装置。
  3. GPS衛星からの信号をもとに測位された対象物の測位データと、角速度センサから出力された対象物の角速度とを取得する取得部と、
    前記取得部において取得した測位データと角速度とをもとに、対象物の走行状態を推定する推定部と、
    前記推定部において推定した対象物の走行状態に応じて、前記取得部において取得した測位データと角速度との組合せを変更しながら、前記角速度センサの仮のオフセット値を逐次導出するオフセット値導出部と、
    前記オフセット値導出部において逐次導出した前記角速度センサの仮のオフセット値に対して統計処理を実行することによって、前記角速度センサから出力された角速度を補正するための前記角速度センサのオフセット値を導出するオフセット値フィルタ処理部と、
    前記取得部において取得した測位データと角速度とをもとに、前記角速度センサの仮の感度係数を逐次導出する感度係数導出部と、
    前記感度係数導出部において逐次導出した前記角速度センサの仮の感度係数に対して統計処理を実行することによって、前記角速度センサから出力された角速度を補正するための前記角速度センサの感度係数を導出する感度係数フィルタ処理部と、
    前記感度係数フィルタ処理部において導出した前記角速度センサの感度係数と、前記オフセット値フィルタ処理部において導出した前記角速度センサのオフセット値とを使用して、前記取得部において取得した前記対象物の角速度を補正する角速度変換部とを備え、
    前記推定部は、対象物の走行状態として、対象物が停止あるいは直進している状態である第1状態か、他の状態である第2状態であるかを推定し、
    前記オフセット値導出部は、前記推定部において第1状態であると推定された場合に、前記取得部において取得した角速度をもとに、前記角速度センサの仮のオフセット値を逐次導出し、前記推定部において第2状態であると推定された場合に、前記取得部において取得した測位データと角速度とをもとに、前記角速度センサの仮のオフセット値を逐次導出し、
    前記オフセット値フィルタ処理部は、前記推定部において推定した対象物の走行状態に応じて、統計処理の際の忘却係数を変更しており、前記角速度センサのオフセット値導出における、過去に求められた仮のオフセット値の影響が、第2状態よりも第1状態で小さくなるような忘却係数を統計処理の際に使用し、
    前記感度係数フィルタ処理部は、当該感度係数フィルタ処理部において過去に導出した前記角速度センサの感度係数と、前記感度係数導出部において逐次導出した前記角速度センサの仮の感度係数における平均値との差異に応じて、統計処理の際の忘却係数を変更しており、
    前記感度係数フィルタ処理部は、
    当該感度係数フィルタ処理部において過去に導出した前記角速度センサの感度係数と、前記感度係数導出部において逐次導出した前記角速度センサの仮の感度係数における平均値との差異が小さくなるにつれて、複数段階規定された信頼度のうち、より高い信頼度を段階的に特定する信頼度導出部と、
    前記角速度センサの感度係数導出における、過去に求められた仮の感度係数の影響が、特定した信頼度が高くなるほど小さくなるような忘却係数を統計処理の際に使用する忘却係数設定部と、
    を含むことを特徴とする角速度算出装置。
  4. GPS衛星からの信号をもとに測位された対象物の測位データと、角速度センサから出力された対象物の角速度とを取得するステップと、
    取得した測位データと角速度とをもとに、前記角速度センサの仮の感度係数を逐次導出するステップと、
    逐次導出した前記角速度センサの仮の感度係数に対して統計処理を実行することによって、前記角速度センサから出力された角速度を補正するための前記角速度センサの感度係数を導出するステップとを備え、
    前記角速度センサの感度係数を導出するステップは、過去に導出した前記角速度センサの感度係数と、逐次導出した前記角速度センサの仮の感度係数における平均値との差異に応じて、統計処理の際の忘却係数を変更しており、
    前記角速度センサの感度係数を導出するステップは、
    過去に導出した前記角速度センサの感度係数と、逐次導出した前記角速度センサの仮の感度係数における平均値との差異が小さくなるにつれて、複数段階規定された信頼度のうち、より高い信頼度を段階的に特定するステップと、
    過去に求められた仮の感度係数の影響が、特定した信頼度が高くなるほど小さくなるような忘却係数を統計処理の際に使用するステップと、
    を含むことを特徴とする角速度センサ補正方法。
  5. GPS衛星からの信号をもとに測位された対象物の測位データと、角速度センサから出力された対象物の角速度とを取得する取得ステップと、
    取得した測位データと角速度とをもとに、対象物の走行状態を推定するステップと、
    推定した対象物の走行状態に応じて、取得した測位データと角速度との組合せを変更しながら、前記角速度センサの仮のオフセット値を逐次導出するステップと、
    逐次導出した前記角速度センサの仮のオフセット値に対して統計処理を実行することによって、前記角速度センサから出力された角速度を補正するための前記角速度センサのオフセット値を導出するステップと、
    前記取得ステップで取得した測位データと角速度とをもとに、前記角速度センサの仮の感度係数を逐次導出するステップと、
    逐次導出した前記角速度センサの仮の感度係数に対して統計処理を実行することによって、前記角速度センサから出力された角速度を補正するための前記角速度センサの感度係数を導出するステップと、
    導出した前記角速度センサの感度係数と、導出した前記角速度センサのオフセット値とを使用して、前記取得ステップで取得した前記対象物の角速度を補正するステップとを備え、
    前記推定するステップは、対象物の走行状態として、対象物が停止あるいは直進している状態である第1状態か、他の状態である第2状態であるかを推定し、
    前記角速度センサの仮のオフセット値を逐次導出するステップは、第1状態であると推定された場合に、取得した角速度をもとに、前記角速度センサの仮のオフセット値を逐次導出し、第2状態であると推定された場合に、取得した測位データと角速度とをもとに、前記角速度センサの仮のオフセット値を逐次導出し、
    前記角速度センサのオフセット値を導出するステップは、推定した対象物の走行状態に応じて、統計処理の際の忘却係数を変更しており、前記角速度センサのオフセット値導出における、過去に求められた仮のオフセット値の影響が、第2状態よりも第1状態で小さくなるような忘却係数を統計処理の際に使用し、
    前記角速度センサの感度係数を導出するステップは、過去に導出した前記角速度センサの感度係数と、逐次導出した前記角速度センサの仮の感度係数における平均値との差異に応じて、統計処理の際の忘却係数を変更しており、
    前記角速度センサの感度係数を導出するステップは、
    過去に導出した前記角速度センサの感度係数と、逐次導出した前記角速度センサの仮の感度係数における平均値との差異が小さくなるにつれて、複数段階規定された信頼度のうち、より高い信頼度を段階的に特定するステップと、
    過去に求められた仮の感度係数の影響が、特定した信頼度が高くなるほど小さくなるような忘却係数を統計処理の際に使用するステップと、
    を含むことを特徴とする角速度算出方法。
JP2008274871A 2008-10-24 2008-10-24 角速度センサ補正装置、角速度算出装置、角速度センサ補正方法、角速度算出方法 Active JP4780174B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008274871A JP4780174B2 (ja) 2008-10-24 2008-10-24 角速度センサ補正装置、角速度算出装置、角速度センサ補正方法、角速度算出方法
EP09013225.9A EP2180292B1 (en) 2008-10-24 2009-10-20 Apparatus and method for correcting the output signal of an angular velocity sensor
US12/606,061 US8234091B2 (en) 2008-10-24 2009-10-26 Angular velocity sensor correcting apparatus for deriving value for correcting output signal from angular velocity sensor, angular velocity calculating apparatus, angular velocity sensor correcting method, and angular velocity calculating method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008274871A JP4780174B2 (ja) 2008-10-24 2008-10-24 角速度センサ補正装置、角速度算出装置、角速度センサ補正方法、角速度算出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010101810A JP2010101810A (ja) 2010-05-06
JP4780174B2 true JP4780174B2 (ja) 2011-09-28

Family

ID=41527799

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008274871A Active JP4780174B2 (ja) 2008-10-24 2008-10-24 角速度センサ補正装置、角速度算出装置、角速度センサ補正方法、角速度算出方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8234091B2 (ja)
EP (1) EP2180292B1 (ja)
JP (1) JP4780174B2 (ja)

Families Citing this family (39)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7948769B2 (en) 2007-09-27 2011-05-24 Hemisphere Gps Llc Tightly-coupled PCB GNSS circuit and manufacturing method
US7885745B2 (en) 2002-12-11 2011-02-08 Hemisphere Gps Llc GNSS control system and method
US8634993B2 (en) 2003-03-20 2014-01-21 Agjunction Llc GNSS based control for dispensing material from vehicle
US8138970B2 (en) 2003-03-20 2012-03-20 Hemisphere Gps Llc GNSS-based tracking of fixed or slow-moving structures
US8265826B2 (en) 2003-03-20 2012-09-11 Hemisphere GPS, LLC Combined GNSS gyroscope control system and method
US8686900B2 (en) 2003-03-20 2014-04-01 Hemisphere GNSS, Inc. Multi-antenna GNSS positioning method and system
US8190337B2 (en) 2003-03-20 2012-05-29 Hemisphere GPS, LLC Satellite based vehicle guidance control in straight and contour modes
US8594879B2 (en) 2003-03-20 2013-11-26 Agjunction Llc GNSS guidance and machine control
US8271194B2 (en) 2004-03-19 2012-09-18 Hemisphere Gps Llc Method and system using GNSS phase measurements for relative positioning
US8140223B2 (en) 2003-03-20 2012-03-20 Hemisphere Gps Llc Multiple-antenna GNSS control system and method
US9002565B2 (en) 2003-03-20 2015-04-07 Agjunction Llc GNSS and optical guidance and machine control
US8583315B2 (en) 2004-03-19 2013-11-12 Agjunction Llc Multi-antenna GNSS control system and method
USRE48527E1 (en) 2007-01-05 2021-04-20 Agjunction Llc Optical tracking vehicle control system and method
US7835832B2 (en) 2007-01-05 2010-11-16 Hemisphere Gps Llc Vehicle control system
US8311696B2 (en) 2009-07-17 2012-11-13 Hemisphere Gps Llc Optical tracking vehicle control system and method
US8000381B2 (en) 2007-02-27 2011-08-16 Hemisphere Gps Llc Unbiased code phase discriminator
US7808428B2 (en) 2007-10-08 2010-10-05 Hemisphere Gps Llc GNSS receiver and external storage device system and GNSS data processing method
US9002566B2 (en) 2008-02-10 2015-04-07 AgJunction, LLC Visual, GNSS and gyro autosteering control
US8018376B2 (en) 2008-04-08 2011-09-13 Hemisphere Gps Llc GNSS-based mobile communication system and method
US8217833B2 (en) 2008-12-11 2012-07-10 Hemisphere Gps Llc GNSS superband ASIC with simultaneous multi-frequency down conversion
US8386129B2 (en) 2009-01-17 2013-02-26 Hemipshere GPS, LLC Raster-based contour swathing for guidance and variable-rate chemical application
US8401704B2 (en) 2009-07-22 2013-03-19 Hemisphere GPS, LLC GNSS control system and method for irrigation and related applications
US8174437B2 (en) 2009-07-29 2012-05-08 Hemisphere Gps Llc System and method for augmenting DGNSS with internally-generated differential correction
US8334804B2 (en) 2009-09-04 2012-12-18 Hemisphere Gps Llc Multi-frequency GNSS receiver baseband DSP
US8649930B2 (en) 2009-09-17 2014-02-11 Agjunction Llc GNSS integrated multi-sensor control system and method
US8548649B2 (en) 2009-10-19 2013-10-01 Agjunction Llc GNSS optimized aircraft control system and method
US20110188618A1 (en) * 2010-02-02 2011-08-04 Feller Walter J Rf/digital signal-separating gnss receiver and manufacturing method
US8583326B2 (en) 2010-02-09 2013-11-12 Agjunction Llc GNSS contour guidance path selection
KR20110134633A (ko) * 2010-06-09 2011-12-15 엠텍비젼 주식회사 속도 측정 장치 및 측정된 속도 보정 방법
JP5273127B2 (ja) * 2010-11-08 2013-08-28 株式会社Jvcケンウッド 角速度センサ補正装置および角速度センサ補正方法
WO2012070595A1 (ja) * 2010-11-23 2012-05-31 日本電気株式会社 位置情報提供装置、位置情報提供システム、位置情報提供方法、プログラム及び記録媒体
JP6222425B2 (ja) * 2013-04-24 2017-11-01 セイコーエプソン株式会社 物理量検出回路、物理量検出装置、電子機器及び移動体
JP6287804B2 (ja) * 2014-12-16 2018-03-07 株式会社Jvcケンウッド 方位推定装置および方位推定方法
JP6372339B2 (ja) * 2014-12-16 2018-08-15 株式会社Jvcケンウッド 角速度センサ補正装置および角速度センサ補正方法
EP3236206B1 (en) * 2014-12-16 2019-06-05 JVC KENWOOD Corporation Direction estimation device and direction estimation method
JP6369320B2 (ja) * 2014-12-16 2018-08-08 株式会社Jvcケンウッド 角速度センサ補正装置および角速度センサ補正方法
JP7006080B2 (ja) * 2017-09-25 2022-01-24 カシオ計算機株式会社 移動状態判別装置、電子時計、移動状態判別方法及びプログラム
CN107942090B (zh) * 2017-12-28 2019-10-29 北京航空航天大学 一种基于模糊星图提取光流信息的航天器角速度估计方法
GB2590429A (en) * 2019-12-17 2021-06-30 Stephen Mitchell John Intelligent speed mapping

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0238916A (ja) * 1988-07-29 1990-02-08 Nec Home Electron Ltd 角速度計測装置
JP2734150B2 (ja) * 1989-12-21 1998-03-30 住友電気工業株式会社 オフセット補正装置
JP3140130B2 (ja) * 1992-01-16 2001-03-05 パイオニア株式会社 ナビゲーション装置
JP3081781B2 (ja) * 1995-12-01 2000-08-28 富士通テン株式会社 ナビゲーション装置
JP2857091B2 (ja) * 1995-12-01 1999-02-10 富士通テン株式会社 ジャイロ装置
JP3320981B2 (ja) * 1996-07-01 2002-09-03 三菱電機株式会社 ロケータ装置
JPH10206177A (ja) * 1997-01-27 1998-08-07 Casio Comput Co Ltd 位置計測装置、角速度センサの出力補正方法及び記録媒体
JP4560892B2 (ja) * 2000-05-22 2010-10-13 ソニー株式会社 角速度センサ補正装置、ナビゲーション装置、角速度算出方法、および記憶媒体
JP2002333321A (ja) * 2001-05-07 2002-11-22 Pioneer Electronic Corp 角速度検出方法及び装置、角度検出方法及び装置、ナビゲーションシステム及びコンピュータプログラム
EP1258708B1 (de) * 2001-05-16 2010-03-17 Robert Bosch Gmbh Verfahren und Vorrichtung für die Bestimmung von Offsetwerten durch ein Histogrammverfahren
EP1258407B1 (de) * 2001-05-16 2008-08-20 Robert Bosch Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Ermittlung eines korrigierten Offsetwertes
JP2008032591A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Alpine Electronics Inc 角速度算出装置およびそのオフセット決定方法並びに車両停車検出装置
JP4780168B2 (ja) * 2008-09-29 2011-09-28 日本ビクター株式会社 角速度センサ補正装置および角速度センサ補正方法

Also Published As

Publication number Publication date
US8234091B2 (en) 2012-07-31
EP2180292A3 (en) 2013-01-09
EP2180292B1 (en) 2015-02-18
US20100106445A1 (en) 2010-04-29
EP2180292A2 (en) 2010-04-28
JP2010101810A (ja) 2010-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4780174B2 (ja) 角速度センサ補正装置、角速度算出装置、角速度センサ補正方法、角速度算出方法
JP4780168B2 (ja) 角速度センサ補正装置および角速度センサ補正方法
JP2961966B2 (ja) 車両位置方位算出装置
JP5273127B2 (ja) 角速度センサ補正装置および角速度センサ補正方法
JP5074950B2 (ja) 航法装置
CN111536972B (zh) 一种基于里程计刻度系数修正的车载dr导航方法
JP5821609B2 (ja) 傾斜角算出装置及び傾斜角算出方法
JP5365606B2 (ja) 角速度センサ補正装置および角速度センサ補正方法
JP6248559B2 (ja) 車両用走行軌跡算出装置
WO2016098703A1 (ja) 角速度センサ補正装置、角速度センサ補正方法、方位推定装置、方位推定方法
JP6555033B2 (ja) 角速度センサ補正装置および角速度センサ補正方法
JP6287804B2 (ja) 方位推定装置および方位推定方法
JP6699355B2 (ja) 角速度センサ補正装置および角速度センサ補正方法
JP6369320B2 (ja) 角速度センサ補正装置および角速度センサ補正方法
JP6673106B2 (ja) 角速度センサ補正装置および角速度センサ補正方法
JP6372339B2 (ja) 角速度センサ補正装置および角速度センサ補正方法
JP4983770B2 (ja) 変換係数の導出方法およびナビゲーション装置
CN111344600B (zh) 用于确定机动车位置的方法
JP3287084B2 (ja) 方位検出装置
JP4983769B2 (ja) 変換係数の導出方法およびナビゲーション装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100916

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110315

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110607

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110620

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4780174

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350