(実施例1)
本発明を具体的に説明する前に、まず概要を述べる。本発明の実施例1は、車両等に搭載されたナビゲーション装置に関する。ナビゲーション装置は、GPS衛星からの信号を使用するとともに、自立航法を実行することによって現在の位置を特定する。ここでは、特に自立航法を中心に説明する。自立航法では、前述のごとく、検出した速度パルスに距離変換係数を乗算することによって移動距離が導出され、検出した角速度センサの出力値(以下、「出力値」という)に角速度変換係数を乗算することによって方位が導出される。また、移動距離と方位とをもとに、前回の位置を更新することによって、現在の位置が特定される。
このような自立航法による位置の特定精度を向上させるために、変換係数の正確性が要求される。一般的に、距離変換係数を導出する際に、速度パルスが、GPS衛星からの信号をもとに測定した測定データに対応づけられる。ここで、測定データには、移動速度(以下、「GPS速度」という)、HDOP等が含まれており、これらの測定に要する期間は、速度パルスの測定に要する期間よりも長くなる傾向にある。さらに、測定データの測定に要する期間は、GPS衛星の捕捉状況に応じてゆらぐこともある。このような状況下において、距離変換係数の導出精度を向上させるために、測定データの測定期間のゆらぎも考慮しながら、速度パルスと測定データとの対応づけがなされる方が望ましい。また、角速度変換係数については、更新の機会の増加が要求される。一方、測定データの測定精度が低い場合に、これを使用すれば、角速度変換係数の導出精度が悪化する。そのため、更新機会を増加させながらも、測定精度の低い測定データの使用を低減することが望まれる。
これに対応するために、本実施例に係るナビゲーション装置は次の処理を実行する。ナビゲーション装置は、速度データを測定する際の測定期間のゆらぎの範囲を想定し、ある程度大きなゆらぎの範囲をウインドウとして設定する。また、ナビゲーション装置は、ウインドウに含まれる測定データのすべてと、速度パルスとを対応づける。その結果、ゆらぎの程度を特定しなくても、ゆらぎの影響を考慮しながら、速度パルスと測定データとの対応づけがなされる。一方、ナビゲーション装置は、出力値に対して有効範囲を定めており、有効範囲に含まれる出力値を角度変換係数の導出に使用する。角度変換係数を導出する際には、出力値の他に、測定データも使用するが、測定データの精度は、移動速度が高速になると高くなる傾向を有する。そこで、ナビゲーション装置は、移動速度が高速になるほど、有効範囲を広げることによって、測定精度の低い測定データの使用を低減しながらも、更新機会を増加させる。
図1は、本発明の実施例1に係るナビゲーション装置100の構成を示す。ナビゲーション装置100は、位置特定部10、データ処理部12、記憶部14、IF部16を含む。また、位置特定部10は、衛星測位部20、パルス検出部22、角速度センサ部24、第1遅延部26、第2遅延部28、距離用判定部30、角速度用判定部32、距離変換係数算出部34、角速度変換係数算出部36、距離変換実行部38、角速度変換実行部40、自立航法計算部42を含む。
衛星測位部20は、図示しないGPS衛星からの信号を受信する。また、衛星測位部20は、受信した信号をもとに、GPS速度、方位、HDOP、衛星数とを測定する。前述のごとく、測定されたGPS速度、方位、HDOP、衛星数は、測定データと総称される。なお、測定データには、これら以外の値が含まれていてもよい。また、測定データの測定は、公知の技術によってなされればよいので、ここでは説明を省略する。例えば、GPS速度は、前述のごとく、ドップラー効果を利用することによって、導出することができる。衛星測位部20は、このような測定データを測定タイミングごとに、つまり周期的に測定する。
パルス検出部22は、図示しない速度センサに接続されており、速度センサは、ドライブシャフトの回転に対応して回転するスピードメータケーブルの中間に設置され、ドライブシャフトの回転に伴った速度パルス信号を出力する。パルス検出部22は、車両の移動に伴って出力される速度パルス信号を所定の期間ごとに計数することによって、周期的にパルス数を検出する。なお、説明を明瞭にするために、パルス数を検出する周期は、測定タイミングの周期であるとする。角速度センサ部24は、例えば、振動ジャイロなどのジャイロ装置に相当し、車両の進行方向の変化を車両の相対的な角度変化として検出する。つまり、角速度センサ部24は、車両の旋回角速度を検出する。ここでは、角速度センサ部24から出力される値は、前述のごとく、出力値とよばれる。なお、ジャイロ装置として、公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。
第1遅延部26は、パルス検出部22からパルス数を受けつけ、これを遅延させた後に、出力する。つまり、第1遅延部26は、パルス数の出力タイミングを調節し、調節したパルス数を出力する。ここで、第1遅延部26における遅延の期間は、パルス検出部22におけるパルス数の検出タイミングと、衛星測位部20における測定データ、特にGPS速度の測定タイミングとの誤差に応じて定められる。一般的に、後者の方が前者よりも導出するための期間が長い。第1遅延部26は、これらの間の相対的なタイミングのずれを低減するために、パルス数を遅延させる。なお、具体的な遅延期間の値は、実験等によって予め決定されればよい。また、このような第1遅延部26の処理は、パルス検出部22におけるパルス数の検出タイミングを調節することと等価である。
距離用判定部30は、衛星測位部20からの測定データ、パルス検出部22からのパルス数、角速度センサ部24からの出力値をもとに、距離変換係数を導出するか否かを決定する。距離用判定部30は、導出を決定した場合に、距離変換係数算出部34に対して距離変換係数の更新を指示する。距離用判定部30は、このような判定を2段階の処理に分けて実行する。1段階目は、測定データをもとに、各測定タイミングでの測定データの有効性を判定する処理である。2段階目は、有効と判定した測定データを使用しながら、距離変換係数を導出するか否かを判定する処理である。なお、距離用判定部30のうち、1段目に対応した部分が第1判定部とよばれてもよく、2段目に対応した部分が第2判定部とよばれてもよい。これらの処理を具体的に説明する前に、ここでは、処理の前提となるタイミング、データ構造を説明する。
図2は、距離用判定部30にてなされる処理のタイミングの概要を示す。図中の「T1」から「T8」は、前述の測定タイミングに相当し、隣接した測定タイミングの間隔は、一定の値ΔTであるとする。また、ここでは、測定タイミングT1の際に受けつける測定データを要素「1」とし、測定タイミングT2の際に受けつける測定データを要素「2」とする。他の測定タイミングでも、同様に要素が規定される。詳細は後述するが、距離変換係数を計算するときに使用する積算の期間(以下、「積算期間」という)は、4ΔTであるとされ、測定データの有効性を判定するための期間(以下、「有効性判定期間」という)は、3ΔTであるとされる。また、検出タイミングは、測定タイミングと一致していてもい。
図3は、距離用判定部30において使用されるデータの構造を示す。データは、図示のごとく、要素番号欄200、HDOP欄202、衛星数欄204、GPS速度欄206、角速度の分散欄208、パルス数欄210、有効性欄212を含む。要素番号欄200では、図2において説明した要素を識別するための番号が示される。HDOP欄202からGPS速度欄206には、測定データに含まれた値が格納される。角速度の分散欄208には、角速度センサ部24の出力値に対する分散が導出された後に格納される。なお、距離用判定部30は、ΔTの間に複数回出力値を受信し、受信した複数の出力値に対する分散を導出しているものとする。パルス数欄210には、パルス検出部22からのパルス数が格納される。有効性欄212には、距離用判定部30における有効性判定の結果が格納される。有効性判定は、「有効」または「無効」のように決定される。有効性判定の詳細は、後述する。図1に戻る。
まず、距離用判定部30の1段階目の処理を説明する。距離用判定部30は、測定データに含まれたHDOP、衛星数、GPS速度、角速度の分散をもとに、各測定データに対する有効性を判定する。距離用判定部30は、所定の測定タイミングでの測定データの有効性を判定する際に、HDOPの測定に要する期間のゆらぎに応じた測定タイミングでの測定データも反映させる。HDOPの測定に要する期間は、GPS衛星の捕捉状況によって変動するために、距離用判定部30は、ゆらぎの最大値あるいは最大値に近い値を有効性判定期間として規定する。なお、ここでの有効性判定期間は、図2に示したように3ΔTであるとする。つまり、距離用判定部30は、ひとつの測定タイミングにおける測定データの有効性を判定する際に、3つの測定タイミングにおける測定データを使用する。また、有効性の判定は、HDOP、衛星数、GPS速度、角速度の分散と、それぞれに対するしきい値(以下、「HDOP用しきい値」、「衛星数用しきい値」、「GPS速度用しきい値」、「角速度の分散用しきい値」という)とを比較することによってなされる。距離用判定部30は、HDOP、衛星数、GPS速度、角速度の分散のすべてが条件を満足するか否かを調査する。
例えば、HDOP用しきい値は「6.0」であり、衛星数用しきい値は、「4」であり、GPS速度用しきい値は、「8.0m/s」であり、角速度の分散用しきい値は、「4.0」であるとする。ここでは、距離用判定部30が図3の要素番号「1」に対する測定データの有効性を判定する処理を説明する。距離用判定部30は、要素番号「1」から要素番号「3」のHDOPが、HDOP用しきい値「6.0」以下であるので、HDOPについての条件が満足されていると判定する。また、距離用判定部30は、要素番号「1」から要素番号「3」の衛星数が、衛星数用しきい値「4」以上であるので、衛星数についての条件が満足されていると判定する。また、距離用判定部30は、要素番号「1」から要素番号「3」のGPS速度が、GPS速度用しきい値「8.0m/s」以上であるので、GPS速度についての条件が満足されていると判定する。以上の結果、すべての条件が満足されているので、距離用判定部30は、要素番号「1」の測定データが「有効」であると決定する。
また、距離用判定部30が図3の要素番号「5」に対する測定データの有効性を判定する処理を説明する。距離用判定部30は、要素番号「5」から要素番号「7」のHDOPのうち、要素番号「7」のHDOPが、HDOP用しきい値「6.0」以下でないので、HDOPについての条件が満足されていないと判定する。その結果、距離用判定部30は、要素番号「5」の測定データが「無効」であると決定する。さらに、距離用判定部30は、他の要素についても同様の処理を実行し、各要素に対する測定データの有効性を判定する。有効性の判定結果は、図3の有効性欄212のように管理される。
次に、距離用判定部30の2段階目の処理を説明する。距離用判定部30は、前述の積算期間4ΔTに含まれる測定データのうち、有効である測定データ、およびそれに対応したパルス数が所定の条件を満足する際に、距離変換係数の導出を決定する。具体的に説明すると、距離用判定部30は、4つの測定データのうち、有効である測定データを抽出する。また、距離用判定部30は、抽出した測定データのうち、GPS速度の最大値と最小値とを特定するとともに、抽出した測定データに対応したパルス数を積算する。さらに、距離用判定部30は、最大値と最小値との差が第1しきい値以下であり、パルス数の和が第2しきい値以上であり、有効要素の数が第3しきい値以上であれば、導出を決定する。
このような判定は、例えば以下のような理由にもとづいている。最大値と最小値との差が小さいほど、GPS速度のバラツキが小さいといえるので、GPS速度の精度が高くなる。また、パルス数の和が大きくなるほど、誤差の影響が小さくなるので、パルス数の和の精度が高くなる。また、有効である要素の数が多いほど、判定に使用される測定データ、パルス数の数が多くなるので、これらの精度が高くなる。さらに、距離変換係数は、GPS速度およびパルス数をもとに導出されるので、これらの精度が高くなると、距離変換係数の精度も高くなる。
さらに、具体的に説明するために、第1しきい値が「3.0」であり、第2しきい値が「5」であり、第3しきい値が「2」であるとする。距離用判定部30は、図3の要素番号「1」のデータが有効であると確認する。次に、距離用判定部30は、GPS速度の最大値と最小値を求める。例えば、MAX=0、MIN=100と初期化しておいて、MAXはGPS速度と比較して小さい場合、MAX=GPS速度と置き換えていけばよい。同様にMINはGPS速度と比較して大きい場合、MIN=GPS速度と置き換えていけばよい。要素番号「1」の場合、両者とも置き換わってMAX=16.7、MIN=16.7となる。距離用判定部30は、パルス数の和を導出する。例えばSUM=0と初期化して、パルス数を加算すればよい。要素番号「1」の場合、最初であるので、SUM=45になる。要素番号「2」から「4」に対しても、距離用判定部30は、同様の処理を実行する。その結果、MIN=16.5、MAX=16.7、SUM=180が得られる。
距離用判定部30は、GPS速度の最大値と最小値の差(MAX−MIN)「0.2」が第1しきい値以下であることを確認する。また、距離用判定部30は、パルス数の和(SUM)「180」が第2しきい値以上であり、有効な要素の数「4」が第3しきい値以上であることを確認する。その結果、距離用判定部30は、距離変換係数の導出を決定する。なお、3つの条件のうちの少なくともひとつが満足しない場合、距離用判定部30は、距離変換係数の導出を中止する。
距離変換係数算出部34は、距離用判定部30において導出を決定した場合、第1遅延部26からの測定データのうちのGPS速度と、パルス数とをもとに、距離変換係数を導出する。距離変換係数算出部34は、積算期間内のGPS速度の和ΣV、積算期間内のパルス数の和ΣPをもとに、距離変換係数Kvを次のように計算する。
Kv=ΣV/ΣP (1)
さらに、距離変換係数Kvをもとに、前回求めた距離変換係数Kvn−1を更新することによって、距離変換係数算出部34は、今回求める距離変換係数Kvnを次のように導出してもよい。このような演算によって、ノイズによる変動は抑制される。
Kvn=(1−h)Kvn−1+hKv (2)
(hは0〜1の定数)
なお、式(1)の演算の代わりに、距離用判定部30は、積算期間内において有効と判定された要素のGPS速度の和ΣV’、積算期間内において有効と判定された要素のパルス数の和ΣP’を使用することによって、距離変換係数Kv’を次のように導出してもよい。
Kv’=ΣV’/ΣP’ (3)
距離変換実行部38は、移動体の移動に伴って所定期間ΔT内に発生したパルス数Pと、パルス数から移動距離への距離変換係数Kvとをもとに、図示しない車両の移動距離dを次のように導出する。ここで、距離変換係数Kvは、KvnやKv’であってもよい。
d=KvP (4)
第2遅延部28は、角速度センサ部24から出力値を受けつけ、これを遅延させた後に、出力する。つまり、第2遅延部28は、出力値の出力タイミングを調節し、調節した出力値を出力する。ここで、第2遅延部28における遅延の期間は、角速度センサ部24における出力値の検出タイミングと、衛星測位部20における測定データの測定タイミングとの誤差に応じて定められる。一般的に、後者の方が前者よりも導出するための期間が長い。第2遅延部28は、これらの間の相対的なタイミングのずれを低減するために、出力値を遅延させる。なお、具体的な遅延期間の値は、実験等によって予め決定されればよい。また、このような第2遅延部28の処理は、角速度センサ部24における出力値の検出タイミングを調節することと等価である。
角速度用判定部32は、衛星測位部20からの測定データ、第2遅延部28からの出力値をもとに、角速度変換係数を導出するか否かを決定する。角速度用判定部32は、導出を決定した場合に、角速度変換係数算出部36に対して角速度変換係数の更新を指示する。角速度用判定部32は、このような判定を2段階の処理に分けて実行する。1段階目の処理において、角速度用判定部32は、測定データのうちのGPS速度をもとに、積算期間にわたる出力値の積算値に対する有効範囲を決定する。ここで、角速度用判定部32は、GPS速度が低くなるほど狭くなるような有効範囲を決定する。また、角速度用判定部32は、積算期間にわたって出力値を積算する(以下、積算された出力値を「積算値」という)。2段階目の処理として、角速度用判定部32は、決定した有効範囲と、積算値とをもとに、角速度変換係数を導出するか否かを判定する。つまり、角速度用判定部32は、積算値が有効範囲に含まれていなければ、角速度変換係数の導出の中止を決定する。これらの処理を具体的に説明する前に、ここでは、処理の前提となるタイミングを説明する。
図4は、角速度用判定部32にてなされる処理のタイミングの概要を示す。図4では、道路上の複数のGPS測定地点「P1」から「P11」が示されている。隣接した測定地点間の距離は、前述のΔTの間に車両が移動した距離に相当する。また、4ΔTに相当した距離が「差分期間」として示されている。ここで、差分期間の長さと、積算期間の長さとは、同一である。図1に戻る。
まず、角速度用判定部32の1段階目の処理を説明する。角速度用判定部32は、測定データのうち、差分期間だけ離れた測定地点でのGPS速度を抽出する。例えば、図4のP1でのGPS速度とP5でのGPS速度とが抽出される。ここでは、時間的に先の測定地点P1でのGPS速度を「V1」と示し、時間的に後の測定地点P5でのGPS速度を「V2」と示す。角速度用判定部32は、V1およびV2を高速しきい値、低速しきい値と比較する。ここで、高速しきい値は、低速しきい値よりも大きな値を有する。角速度用判定部32は、V1およびV2が高速しきい値以上である場合に、高速用の有効範囲を設定し、V1あるいはV2が高速しきい値より小さく、かつV1およびV2が低速しきい値以上である場合に、低速用の有効範囲を設定する。また、角速度用判定部32は、V1あるいはV2が低速しきい値より小さい場合に、角速度変換係数の導出の中止を決定する。前述のごとく、高速用の有効範囲は、低速用の有効範囲よりも広くなるように規定されている。一方、角速度用判定部32は、差分期間に対応した積算期間にわたって、各出力値を積算することによって、積算値を導出する。
さらに、具体的に説明する。ここでは、測定タイミングnでの出力値をGnとし、出力値のオフセットをGoffsetとし、積算値をΣGとする。このような積算値ΣGは次のように示される。
ΣG=Σ(Gn−Goffset)ΔT (5)
ここで、右辺のΣは積算期間内の(Gn−Goffset)ΔTを積算することに相当する。角速度用判定部32は、V1が高速しきい値以上かつV2が高速しきい値以上の場合に、上限しきい値Gmaxに高速用上限値、下限しきい値Gminに高速用下限値を代入する。上限しきい値と加減しきい値との間が、前述の有効範囲に相当し、高速用上限値と高速用下限値との間が、前述の高速用の有効範囲に相当する。
角速度用判定部32は、V1またはV2が高速しきい値以上でなく、V1が低速しきい値以上かつV2が低速しきい値以上の場合に、上限しきい値Gmaxに低速用上限値、下限しきい値Gminに低速用下限値を代入する。なお、低速用上限値と低速用下限値との間が、前述の低速用の有効範囲に相当する。角速度用判定部32は、V1またはV2が低速しきい値以上でない場合、角速度用判定部32は、角速度変換係数の導出を中止して、処理を終了する。一般的に、GPSには、移動速度が高いほど方位精度が高く、低いほど方位精度が悪化するという傾向があるので、角速度用判定部32は、GPS速度に応じて有効範囲を変更させる。その結果、高速の場合は少ない方位差でも学習がなされ、低速の場合は方位差が大きい場合のみに学習がなされる。
次に、角速度用判定部32の2段階目の処理を説明する。角速度用判定部32は、測定データのうち、時間的に先の測定地点P1でのHDOP「HDOP1」、衛星数「衛星数1」を抽出するとともに、時間的に後の測定地点P5でのHDOP「HDOP2」、衛星数「衛星数2」を抽出する。また、角速度用判定部32は、HDOPに対する第4しきい値と、衛星数に対する第5しきい値とを予め規定する。ここで、第4しきい値と第5しきい値は、シミュレーション、実験等によって予め定められればよい。このような状況のもと、角速度用判定部32は、高速用の有効範囲あるいは低速用の有効範囲に積算値が含まれており、HDOP1およびHDOP2が第4しきい値以下であり、衛星数1および衛星数2が第5しきい値以上である場合に、角速度変換係数の導出を決定する。また、上記の条件のうちの少なくともひとつが満足されない場合に、角速度用判定部32は、角速度変換係数の導出を中止する。
さらに、具体的に説明する。角速度用判定部32は、(1)積算値ΣGがGmaxより小さく、かつGminより大きい場合、(2)HDOP1が第4しきい値以下、かつHDOP2が第4しきい値以下の場合、(3)衛星数1が第5しきい値以上、かつ衛星数2が第5しきい値以上の場合に、角速度変換係数の導出を決定する。一方、角速度用判定部32は、(1)から(3)のいずれかを満足しない場合に、角速度変換係数の導出を中止する。以降、角速度用判定部32は、図4における「P2」と「P6」の組合せ、「P3」と「P7」の組合せでも上記の処理を実行する。
以上の処理において、上限しきい値Gmaxは、車両が180度以上旋回した場合に、GPS方位から求められる方位差の方向が分からなくなることを回避するために設定されている。また、上限しきい値Gmaxによって、1周以上旋回した場合が除去される。また、下限しきい値Gminは、ノイズ等によるΣGの微小な変化が角速度変換係数Kωに与える影響を低減するために設定されている。後述のごとく、角速度変換係数Kωは式(6)によって示される。分母のΣGが小さい場合、ノイズ等によってΣGがわずかに変化しても、角速度変換係数Kωが大きく変化してしまう。一方、大きく旋回した場合、つまり(θ2−θ1)およびΣGが大きい方が、角速度変換係数の精度を向上できる。ここで、θ1は、所定の測定タイミングにおいて、GPSにて測位された方位であり、θ2は、θ1を測定した測定タイミングから差分期間経過後にGPSにて測位された方位である。
また、高速用上限値/下限値と低速用上限値/下限値の具体的な値は、次のように設定される。高速用上限値は、低速用上限値と等しい値に設定される。例えば、120度/12秒である。上限しきい値は前述の理由によって設けられているので、上限しきい値は、速度によって変えなくてもよい。一方、高速用下限値は、低速用下限値よりも小さくなるように設定される。例えば、高速用下限値が30度/12秒であり、低速用下限値が80度/12秒である。高速の場合は、GPS方位の精度が高いので、高速用下限値を低くして角速度が小さくても学習を実行することによって、学習の機会が増加される。高速道路の場合、滑らかなカーブが多いので、学習頻度をあげるために、高速用下限値が低くされる方が望ましい。また、低速の場合は、交差点のように速度を落として旋回する場合が多く、その場合GPS方位の精度が悪いので、学習されにくくすることによって、角速度変換係数の精度の悪化が抑制される。また、例えば、20km/h以下は学習せず、20km/h〜50km/hが低速、50km/h以上が高速であるように、速度が定義される。
角速度変換係数算出部36は、角速度用判定部32において導出を決定した場合、測定した測定データのうちの方位に対する差分期間での差異と、出力値の積算値とをもとに、角速度変換係数を導出する。角速度変換係数算出部36は、GPSにて測位された方位θ1、それから差分期間経過後にGPSにて測位された方位θ2、出力値Gn、オフセットGoffsetをもとに、角速度変換係数Kωを次にように計算する。
Kω=(θ2−θ1)/Σ(Gn−Goffset)ΔT (6)
さらに、角速度変換係数Kωをもとに、前回求めた角速度変換係数をKωn−1を更新することによって、角速度変換係数算出部36は、今回求める角速度変換係数Kωnを次のように導出してもよい。このような演算によって、ノイズによる変動は抑制される。
Kωn=(1−h)Kωn−1+hKω (7)
(hは0〜1の定数)
角速度変換実行部40は、出力値Gnと、出力値から角速度への角速度変換係数Kωとをもとに、図示しない車両の角速度ωを次のように導出する。ここで、角速度変換係数は、Kωnであってもよい。
ω=KωGn (8)
自立航法計算部42は、距離変換実行部38から車両の移動距離dを受けつけるとともに、角速度変換実行部40から車両の角速度ωを受けつける。また、自立航法計算部42は、移動距離dと角速度ωをもとに現在の位置を導出する。ここで、地球表面上の任意の位置を原点、東方向を正とした位置の東西方向成分をx、北方向を正とした位置の南北方向成分をy、東方向から北方向に向かう方向を正とした方位をθ、添え字nを現在の時間、添え字n−1を前回の時間とする。自立航法計算部42において、現在位置xn、yn、現在方位θnは、前回位置xn−1、yn−1、前回方位θn−1と、前回位置から現在位置までの移動距離dn−1、前回角速度ωn−1から次のように導出される。ただし、現在の位置および前回の位置は、原点の近傍とする。
記憶部14は、地図データ等をデジタルデータとして記憶する。記憶部14は、ハードディスクなどの記憶媒体によって構成される。IF部16は、図示しない操作部と表示部とを備える。操作部は、ボタン等によって構成されており、ユーザからの指示を受けつける。操作部は、ナビゲーション機能に関連した指示として、行き先の情報を受けつける。また、表示部は、ディスプレイ等によって構成されており、記憶部14に記憶された地図を表示したり、操作部において受けつけた行き先までの経路を表示したりする。データ処理部12は、自立航法計算部42から現在の位置を受けつけるとともに、記憶部14に記憶した地図データを参照しながらナビゲーション機能を実行する。データ処理部12は、操作部から行き先に関する指示を受けつけ、地図データ上において、現在の位置から行き先までの経路を導出する。また、データ処理部12は、地図データを復号して、その結果を地図として表示部に表示する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
以上の構成によるナビゲーション装置100の動作を説明する。図5は、距離用判定部30における導出手順を示すフローチャートである。衛星測位部20は、GPS測位を実行する(S10)。パルス検出部22は、パルス数を検出する(S12)。角速度センサ部24は、出力値を検出する(S14)。第1遅延部26は、パルス数を遅延させる(S16)。距離用判定部30が距離変換係数を導出すると決定した場合(S18のY)、距離変換係数算出部34は、距離変換係数を導出する(S20)。一方、距離用判定部30が距離変換係数を導出すると決定しない場合(S18のN)、ステップ10に戻る。また処理を続行する場合(S22のY)も、ステップ10に戻る。処理を続行しない場合(S22のN)、処理は終了される。
図6は、距離用判定部30における判定手順を示すフローチャートである。図6は、図5のステップ18の処理に相当する。距離用判定部30は、有効性を判定し(S40)、それに続いて、距離変換係数の導出を判定する(S42)。
図7は、距離用判定部30における有効性の判定手順を示すフローチャートである。図7は、図6のステップ40に相当する。また、ここでは、所定の測定タイミングにおける測定データの有効性を判定する場合を説明する。距離用判定部30は、変数iを0に設定する(S60)。HDOPがHDOP用しきい値以下であり(S62のY)、衛星数が衛星数用しきい値以上であり(S64のY)、GPS速度がGPS速度用しきい値以上であり(S66のY)、角速度の分散が角速度の分散用しきい値以下であれば(S68のY)、距離用判定部30は、iに1を加算する(S70)。iが3でなければ(S72のN)、ステップ62に戻る。iが3であれば(S72のY)、距離用判定部30は、当該測定データを有効に決定する(S74)。HDOPがHDOP用しきい値以下でなく(S62のN)、あるいは衛星数が衛星数用しきい値以上でなく(S64のN)、あるいはGPS速度がGPS速度用しきい値以上でなく(S66のN)、あるいは角速度の分散が角速度の分散用しきい値以下でなければ(S68のN)、距離用判定部30は、当該測定データを無効に決定する(S76)。
図8は、距離用判定部30における導出の判定手順を示すフローチャートである。図8は、図6のステップ40に相当する。ここで、積算期間nは、4とされる。距離用判定部30は、変数iを0に設定する(S90)。i要素のデータが有効であれば(S92のY)、距離用判定部30は、GPS速度の最大値と最小値を導出し(S94)、パルス数の和を導出する(S96)。その後、距離用判定部30は、iに1を加算する(S98)。一方、i要素のデータが有効でなければ(S92のN)、ステップ94からステップ98は、スキップされる。iがnより小さければ(S100のY)、ステップ92に戻る。
iがnより小さくなく(S100のN)、最大値と最小値との差が第1しきい値以下であり(S102のY)、パルス数の和が第2しきい値以上であり(S104のY)、有効要素の数が第3しきい値以上であれば(S106のY)、距離用判定部30は、距離変換係数の導出を決定する(S108)。最大値と最小値との差が第1しきい値以下でなく(S102のN)、あるいはパルス数の和が第2しきい値以上でなく(S104のN)、あるいは有効要素の数が第3しきい値以上でなければ(S106のN)、距離用判定部30は、距離変換係数の導出を中止する(S110)。
図9は、角速度用判定部32における導出手順を示すフローチャートである。衛星測位部20は、GPS測位を実行する(S130)。角速度センサ部24は、出力値を検出する(S132)。第2遅延部28は、出力値を遅延させる(S134)。角速度用判定部32が角速度変換係数を導出すると決定した場合(S136のY)、角速度変換係数算出部36は、角速度変換係数を導出する(S138)。一方、角速度用判定部32が角速度変換係数を導出すると決定しない場合(S136のN)、ステップ130に戻る。また処理を続行する場合(S140のY)も、ステップ130に戻る。処理を続行しない場合(S140のN)、処理は終了される。
図10は、角速度用判定部32における判定手順を示すフローチャートである。図10は、図9のステップ136に相当する。V1が高速しきい値以上であり、かつV2も高速しきい値以上であれば(S160のY)、角速度用判定部32は、Gmaxに高速用上限値を代入し、Gminに高速用下限値を代入する(S164)。一方、V1が高速しきい値以上でなく、あるいはV2が高速しきい値以上でなく(S160のN)、V1が低速しきい値以上であり、かつV2も低速しきい値以上であれば(S162のY)、角速度用判定部32は、Gmaxに低速用上限値を代入し、Gminに低速用下限値を代入する(S166)。
ΣGがGmaxより小さく(S168のY)、ΣGがGminより大きく(S170のY)、HDOP1およびHDOP2が第4しきい値以下であり(S172のY)、衛星数1および衛星数2が第5しきい値以上であれば(S174のY)、角速度用判定部32は、角速度変換係数の導出を決定する(S176)。一方、V1が低速しきい値以上でなく、あるいはV2が低速しきい値以上でなく(S162のN)、あるいはΣGがGmaxより小さくなく(S168のN)、あるいはΣGがGminより大きくなく(S170のN)、HDOP1およびHDOP2が第4しきい値以下でなく(S172のN)、衛星数1および衛星数2が第5しきい値以上でなければ(S174のN)、角速度用判定部32は、角速度変換係数の導出を中止する(S178)。
本発明の実施例によれば、所定の測定タイミングでの測定データの有効性を判定する際に、HDOPの測定に要する期間のゆらぎに応じた測定タイミングでの測定データも反映させるので、ゆらぎによる測定データとパルス数とのタイミングの誤差を低減できる。また、HDOPの測定に要する期間のゆらぎの最大値を想定し、それに含まれるすべての測定データを考慮するので、HDOPの測定に要する期間のゆらぎの正確な値を認識しなくても、HDOPの測定に要する期間のゆらぎの影響を低減できる。また、HDOPの測定に要する期間のゆらぎの正確な値を認識しないので、処理を簡易にできる。
また、HDOPの測定に要する期間のゆらぎに応じた測定タイミングでの測定データも反映させながら有効性を判定するので、判定の精度を向上できる。また、パルス数の検出タイミングとGPS速度の測定タイミングとの誤差に応じて、パルス数の出力タイミングを調節するので、検出タイミングと測定タイミングの誤差を低減できる。また、有効性の判定精度が向上されるので、距離変換係数を導出するか否かの判定精度を向上できる。また、距離変換係数を導出するか否かの判定精度が向上されるので、距離変換係数の精度を向上できる。また、距離変換係数の精度が向上するので、位置の特定精度を向上できる。
GPS速度に応じて決定した有効範囲を基準としながら、角速度変換係数を導出するか否かを判定するので、角速度変換係数の導出機会の低下を抑制できるとともに、角速度変換係数を導出するかの判定精度を向上できる。また、GPS速度が低くなるほど狭くなるような有効範囲を決定するので、GPS速度が低くなることによる判定精度の悪化を抑制できる。また、角速度センサの出力値の検出タイミングと測定データの測定タイミングとの誤差に応じて、角速度センサの出力値の出力タイミングを調節するので、検出タイミングと測定タイミングとの誤差を低減できる。また、有効性の判定精度が向上されるので、角速度変換係数を導出するか否かの判定精度を向上できる。また、角速度変換係数を導出するか否かの判定精度が向上されるので、角速度変換係数の精度を向上できる。また、角速度変換係数の精度が向上するので、位置の特定精度を向上できる。また、角速度変換係数の導出機会の低下が抑制されるので、学習速度の低下を抑制できる。
また、GPSからのHDOP、衛星数等のデータ遅延を考慮し、所定の条件を満足するときに距離変換係数の算出を行うので、距離変換係数の精度を向上できる。また、学習の条件を緩和して学習回数を増加させるとともに、GPS内部における絶対方位算出の遅延を考慮するので、短時間において高精度に角速度変換係数を導出できる。また、方位差を求めるための2点のGPS方位測位の時間間隔を固定して道路の形状に係わらず、GPSデータおよびジャイロのデータが所定の条件を満足する場合、常に学習させて学習機会を増加させると共に、GPS内部における絶対方位算出の遅延を考慮し、所定の条件を満足するときに角速度変換係数の算出するので、短時間において高精度に角速度変換係数を導出できる。
(実施例2)
本発明の実施例2は、実施例1と同様に、ナビゲーション装置に関する。実施例1において、距離変換係数算出部34は、第1遅延部26において出力タイミングが調節されたパルス数と、衛星測位部20からの測定データとをもとに、距離変換係数を導出する。一方、距離用判定部30は、衛星測位部20からの測定データ、パルス検出部22からのパルス数、角速度センサ部24からの出力値とを入力する。つまり、パルス数に対するタイイング調節がなされていない。距離用判定部30は、有効性判定期間や積算期間にてタイミングの誤差を吸収する。あるいは、距離用判定部30は、図3に示したデータを生成する際に、タイミングの誤差を調節している。つまり、距離用判定部30がタイミングを調節している。また、出力値についても、距離用判定部30がタイミングを調節している。角速度用判定部32、角速度変換係数算出部36には、第2遅延部28において出力タイミングが調節された出力値が入力されている。
一方、実施例2に係るナビゲーション装置100では、距離用判定部30は、パルス検出部22からのパルス数の代わりに、第1遅延部26において出力タイミングが調節されたパルス数を入力する。つまり、距離用判定部30は、出力タイミングが調節されたパルス数を使用する。その結果、距離用判定部30では、有効性判定期間や積算期間が短縮されたり、タイミング調節の処理が軽減されたりする。一方、出力値についても同様に、第2遅延部28において出力タイミングが調節された後に、距離用判定部30に入力される。
図11は、本発明の実施例2に係るナビゲーション装置100の構成を示す。ナビゲーション装置100は、図1と同様の構成要素にて構成される。しかしながら、図11のナビゲーション装置100において、第1遅延部26からの出力は、距離変換係数算出部34に加えて、距離用判定部30にも接続され、第2遅延部28からの出力は、角速度用判定部32、角速度変換係数算出部36に加えて、距離用判定部30にも接続される。ここでは、図1の差異を中心に説明する。
第1遅延部26は、遅延させたパルス数を距離用判定部30および距離変換係数算出部34へ出力する。また、第2遅延部28は、遅延させた出力値を距離用判定部30、角速度変換係数算出部36、角速度用判定部32へ出力する。距離用判定部30は、第1遅延部26からのパルス数、衛星測位部20からの測定データ、第2遅延部28からの出力値を入力する。つまり、距離用判定部30は、測定データに加えて、第1遅延部26において出力タイミングが調節されたパルス数、第2遅延部28において出力タイミングが調節された出力値も入力する。距離用判定部30は、前述の処理を実行するために、パルス数、速度データ、出力値を使用する。
本発明の実施例によれば、出力タイミングが調節されたパルス数および出力値が距離用判定部においても使用されるので、距離用判定部での処理量を低減できる。また、有効性判定期間や積算期間の期間が短縮されるので、処理量を低減できる。また、有効性判定期間や積算期間の期間が短縮されるので、処理遅延を低減できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例において、精度低下率としてHDOPを使用している。しかしながらこれに限らず例えば、精度低下率として、GDOP(Geometric Dilution Of Precision)、PDOP(Position Dilution Of Precision)等や、これらの組合せを使用してもよい。本変形例によれば、さまざまなパラメータを判定に使用できる。
10 位置特定部、 12 データ処理部、 14 記憶部、 16 IF部、 20 衛星測位部、 22 パルス検出部、 24 角速度センサ部、 26 第1遅延部、 28 第2遅延部、 30 距離用判定部、 32 角速度用判定部、 34 距離変換係数算出部、 36 角速度変換係数算出部、 38 距離変換実行部、 40 角速度変換実行部、 42 自立航法計算部、 100 ナビゲーション装置。