JP4560297B2 - 発泡性塗料組成物、塗装金属板及び複層塗膜 - Google Patents

発泡性塗料組成物、塗装金属板及び複層塗膜 Download PDF

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Description

本発明は、発泡性塗料組成物、塗装金属板及び複層塗膜に関する。
車両、船舶、自動車部品、鋼製家具、建築材料等において、制振性、防音性、断熱性等の種々の機能を付与するために、金属、樹脂成形品上に、発泡性塗料を塗装し、塗料の加熱硬化時に発泡させる方法が知られている(例えば、特許文献1〜7)。このような発泡性塗料組成物を使用すると、簡便な方法によって基材上に発泡性層を形成することができる。
しかし、このような発泡性塗料組成物によって形成された発泡性塗膜は、用途によっては物性が不充分であることから、物性が改善された発泡性塗料組成物の提供が望まれている。特に、塗膜の復元性に優れた発泡性塗膜を形成することができる発泡性塗料組成物が望まれている。
塗膜の復元性とは、圧がかかることによって凹んでも、その後で圧が解除されると自発的に元の形状を回復する性能であるが、従来の発泡性塗料組成物によって得られた発泡性塗膜は、復元性が充分なものとはいえない。このため、製造、運搬、保管等に際して発泡性塗膜に圧がかかる場合には、充分に効果を発現することができない。また、使用に際して圧を受ける可能性がある用途に使用することも困難である。
例えば、塗装金属板においては、防音性、断熱性等を得る目的で、裏側にポリエチレンフォームを貼付することが行われているが、発泡性塗料による裏側の塗装によって発泡性塗膜を形成することができれば、簡便な方法で発泡層を形成することができる。しかし、塗装金属板の製造、運搬、保管においては、塗装金属板をコイル状に巻いたり、切り板を積み上げたりするために、発泡性塗膜に圧がかかる。このため、復元性が高い発泡性塗膜が形成されなければ、目的を充分に達成することが困難になる。
更に、金属性の鋼鈑は陰影感が少ない平板的な外観を有するものであるから、意匠性に優れた外観とは言えない。このような欠点を改善し、厚み感、触った際の暖かみを有する意匠を得ることができる塗膜も望まれている。
特開昭59−12837号公報 特開昭58−15540号公報 特開昭63−227328号公報 特開平10−337531号公報 特開平6−248200号公報 特開2002−69372号公報 特開2001−59067号公報
本発明は、上記現状に鑑み、特に復元性に優れるとともに、断熱性、吸音性等の発泡性塗膜の物性においても優れた性質を有する発泡性塗膜を形成することができるような発泡性塗料組成物、このような発泡性塗料組成物を使用することによって得られた塗装金属板及び複層塗膜を提供することを目的とするものである。
本発明は、1分子あたり平均2.2個以上の水酸基を有する化合物にラクトンを付加して得られたラクトン変性ポリオール、ブロックイソシアネート及びアミド系発泡剤を含有することを特徴とする発泡性塗料組成物(第一の発泡性塗料組成物)である。
上記ラクトン変性ポリオールは、数平均分子量が800〜8000であることが好ましい。上記ラクトン変性ポリオールは、ラクトン成分を20重量%以上含有するものであることが好ましい。
上記ラクトンは、カプロラクトンであることが好ましい。
本発明はまた、1分子あたり2個の水酸基を有する化合物にラクトンを付加して得られるラクトン変性ジオール、1分子あたり平均2.2個以上の水酸基を有するポリオール、ブロックイソシアネート及びアミド系発泡剤を含有することを特徴とする発泡性塗料組成物(第二の発泡性塗料組成物)である。
上記ラクトン変性ジオールは、数平均分子量が500〜5000であることが好ましい。
上記ラクトン変性ジオールは、ラクトン成分を20重量%以上含有するものであることが好ましい。
上記ラクトンは、カプロラクトンであることが好ましい。
本発明はまた、発泡性塗膜を備えてなる塗装金属板であって、上記発泡性塗膜は、上記発泡性塗料組成物によって形成されたものであることを特徴とする塗装金属板である。
上記塗装金属板は、塗装金属板における金属板は、亜鉛めっき鋼鈑、溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼鈑、アルミニウム板又は溶融亜鉛−アルミニウム−マグネシウム−合金めっき鋼鈑であることが好ましい。
本発明は更に、発泡性塗膜及び上記発泡性塗膜上に形成された上塗塗膜からなる複層塗膜であって、上記発泡性塗膜は、上記発泡性塗料組成物によって形成されたものであることを特徴とする複層塗膜である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の発泡性塗料組成物(第一の発泡性塗料組成物及び第二の発泡性塗料組成物)は、樹脂成分中に、1分子あたり平均2.2個以上の水酸基を有するポリオールによる分岐構造とラクトンに由来する(ポリ)ラクトン鎖とを有するものであるため、硬化剤と反応させることによって得られる硬化物に優れた復元性を付与することができるものである。
本発明の第一の発泡性塗料組成物は、1分子あたり平均2.2個以上の水酸基を有する化合物にラクトンを付加して得られたラクトン変性ポリオール、ブロックイソシアネート及びアミド系発泡剤を含有するものである。
上記第一の発泡性塗料組成物は、上記1分子あたり平均2.2個以上の水酸基を有する化合物に由来する分岐構造及びラクトンに由来する(ポリ)ラクトン鎖を有するラクトン変性ポリオールを含むものである。このため、上記第一の発泡性塗料組成物を使用すると、優れた復元性を有する発泡性塗膜を形成することができる。従来から使用されているポリエチレンフォームを備えた金属板は圧力がかけられることによってポリエチレンフォームが凹んだ場合、容易に復元しないものである。このため、コイル状に巻いたり、切り板を積み上げたりしたときに発泡層が凹み、目的とする断熱性、吸音性等の性能が得られない場合がある。これに対して、本発明の第一の発泡性塗料組成物によって形成される発泡性塗膜は、優れた復元性を有するものであるため、コイル状に巻いたり、切り板を積み上げたりした後であっても容易に発泡層が復元し、目的とする断熱性、吸音性等の性能を得ることができるものである。
上記第一の発泡性塗料組成物により形成される発泡性塗膜は、意匠性を有するものとして用いることもでき、また、厚み感、触った際の暖かみにも優れるものとして用いることもできる。よって、上記発泡性塗膜が形成されてなる塗装金属板をこのような用途に好適に使用することもできる。
また、本発明の第一の発泡性塗料組成物を用いて発泡性塗膜が形成されてなる塗装金属板を製造する場合には、従来から使用されているポリエチレンフォームを備えた金属板を製造する場合に比べて、製造工程を削減することができ、製造時間を大幅に短縮することができる。従って、本発明の第一の発泡性塗料組成物を用いることによって、極めて効率的に、発泡性塗膜が形成されてなる塗装金属板を製造することができる。
本発明の第一の発泡性塗料組成物の成分である1分子あたり平均2.2個以上の水酸基を有する化合物〔以下、「化合物(a)」ともいう。〕にラクトンを付加して得られたラクトン変性ポリオールは、化合物(a)中の水酸基に、ラクトンを付加反応させ、鎖状延長反応させることによって得られるスター型のラクトン変性ポリオールである。上述したようなスター型のラクトン変性ポリオールをブロックイソシアネート及びアミド系発泡剤とともに使用することによって、優れた復元性を有する発泡性塗膜を形成することができる。
上記ラクトン変性ポリオールを使用することによって優れた復元性が発揮される理由は明らかではないが、上記化合物(a)によって分岐構造が形成され、更に、上記ラクトンを付加反応させると、ラクトンが開環重合することによって直鎖状の部分が形成され、この直鎖形状のソフトセグメント部によって、特に優れた復元性が発現するものと推察される。
上記ラクトン変性ポリオールは、数平均分子量が下限800、上限8000であることが好ましい。800未満であると、形成される発泡性塗膜の復元性が低下するおそれがある。8000を超えると、形成された塗膜が柔らかくなり、塗膜物性に問題が生じるおそれがある。上記下限は1500であることがより好ましく、上記上限は4000であることがより好ましい。
上記第一の発泡性塗料組成物における化合物(a)は、1分子あたり平均2.2個以上の水酸基を有する化合物である。1分子あたり平均2.2個未満であると、形成された発泡性塗膜の復元性が低下するおそれがある。1分子あたり平均2.5個以上であることが好ましい。また、上記第一の発泡性塗料組成物における化合物(a)は、1分子あたり2個以下の水酸基を有するものを含まないことがより好ましい。
上記第一の発泡性塗料組成物におけるラクトン変性ポリオールは、ラクトン成分を20重量%以上含有することが好ましい。ラクトン成分の濃度が高い方がより好ましい。20重量%未満であると、形成された発泡性塗膜の復元性が低下するおそれがある。
上記第一の発泡性塗料組成物における化合物(a)は、1分子あたり平均2.2個以上の水酸基を有する化合物であれば特に限定されず、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、アクリルポリオール、その他のポリオール、糖類等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記第一の発泡性塗料組成物における化合物(a)は、ポリエステルポリオールとして、例えば、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸の酸無水物及び/又はエステル化合物と水酸基を2個以上持つ化合物とを反応させて得られるポリエステルポリオール等を挙げることができる。
上記第一の発泡性塗料組成物において、上記ポリカルボン酸としては、2個以上のカルボキシル基を持つものであれば特に限定されず、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸等の飽和低分子脂肪族ポリカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和低分子脂肪族ポリカルボン酸;ポリブタジエンジカルボン酸、飽和又は不飽和の長鎖ポリカルボン酸;イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の芳香族ポリカルボン酸等を挙げることができる。上記ポリカルボン酸の酸無水物及び/又はエステル化合物としては特に限定されず、例えば、これらポリカルボン酸の酸無水物、及び/又は、これらポリカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル等のエステル化合物等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記第一の発泡性塗料組成物において、上記ポリカルボン酸以外の酸成分として、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、リノール酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸等の低分子又は高分子の飽和もしくは不飽和モノカルボン酸を含むことができる。
上記第一の発泡性塗料組成物において、水酸基を2個以上持つ化合物(以下「ポリオール(a)」ともいう)であれば特に限定されず、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン;2−ブチン−1,4−ジオール、2−ブテン−1,4−ジオール;ポリブタジエングリコール、ポリイソプレングリコール;グリセリン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グルコース等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記第一の発泡性塗料組成物における化合物(a)は、ポリエステルポリオールとして、上述したポリカルボン酸、ポリカルボン酸の酸無水物及び/又はエステル化合物と水酸基を2個以上持つ化合物とを反応させて得られるものの他に、例えば、ポリカルボン酸とエポキシ化合物との反応物を使用することもできる。上記ポリカルボン酸としては、上述のものを挙げることができる。上記エポキシ化合物としては、エポキシ基を1個以上有するものであれば特に限定されない。
上記第一の発泡性塗料組成物における化合物(a)は、ポリエーテルポリオールとして、例えば、ポリオール(a)に、アルキレンオキシド又は複素環式エーテルの開環重合による得られるポリエーテルポリオールを挙げることができる。例えば、アルキレンオキシド又は複素環式エーテルの開環重合により得られるものを挙げることができる。上記アルキレンオキシドとしては特に限定されず、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等を挙げることができる。
上記第一の発泡性塗料組成物における化合物(a)は、ポリカーボネートポリオールとして、例えば、ポリオール(a)に、アルキレンジカーボネート等を反応させ得られるポリカーボネートポリオール等を挙げることができる。
上記第一の発泡性塗料組成物における化合物(a)は、ポリウレタンポリオールとして、例えば、ポリオール(a)に、ポリイソシアナート化合物とを反応させることにより得られるもの等を挙げることができる。上記イソシアネート化合物は特に限定されず、例えば、トリレンジイソシアナート等を挙げることができる。
上記第一の発泡性塗料組成物における化合物(a)は、アクリルポリオールとして、例えば、水酸基を有するラジカル重合性単量体との共重合により、得られるものを挙げることができる。上記水酸基を有するラジカル重合性単量体としては特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等を挙げることができる。
上記第一の発泡性塗料組成物における化合物(a)は、その他のポリオールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等のトリオール類;ペンタエリスリトール、α−メチルグルコキシド等のテトロール類;ソルビトール、ジペンタエリスリトール等のヘキソール類;シュークロース等のオクトール類等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記第一の発泡性塗料組成物において、上記ラクトンとしては特に限定されず、例えば、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、形成される発泡性塗膜の復元性の点から、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン等のカプロラクトンが好ましい。
上記第一の発泡性塗料組成物において、上記ブロックイソシアネートは、硬化剤として作用するものであり、塗料の硬化剤として一般的に使用されるブロックイソシアネートを使用することができる。本発明の第一の発泡性塗料組成物は、硬化反応と発泡とを同時に生じせしめるものであるため、硬化反応と発泡反応とをバランスよく進行させることが好ましいものである。
上記第一の発泡性塗料組成物において、上記ブロックイソシアネートとしては特に限定されず、従来公知のものを使用することができ、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメチルシクロヘキサンイソシアネート等の芳香族、脂環式を含む脂肪族のイソシアネート及びこれらをプレポリマー化したもののイソシアネート基をラクタム化合物又はオキシム化合物でブロックしたもの等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記第一の発泡性塗料組成物において、上記ブロックイソシアネートは、上記ラクトン変性ポリオールの樹脂固形分100重量部に対して、20〜400重量部の割合で含有するものであることが好ましい。20重量部未満である場合、400重量部を超える場合には、塗膜物性に問題点が生じるおそれがある。
上記第一の発泡性塗料組成物において、上記アミド系発泡剤は、加熱によって分解してNを主体とする気体を生じ、その気体によって樹脂中に気泡を生じ、発泡性塗膜を形成させるものである。上記アミド系発泡剤としては特に限定されず、例えば、アゾジカルボンアミド、アゾビスブチロニトリル、ジニトロペンタメチレンテトラミン、パラトルエンスルホンヒドラジド、4,4´−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等を挙げることができる。なかでも、発泡特性、発泡剤の分解温度の観点から、アゾジカルボンアミドが最も好ましい。
上記第一の発泡性塗料組成物において、上記アミド系発泡剤は、上記第一の発泡性塗料組成物中の樹脂固形分及び硬化剤固形分の合計量100重量部に対して、2〜10重量部の割合で含有するものであることが好ましい。2重量部未満であると、充分な発泡倍率が得られない場合があり、10重量部を超えると、塗膜物性に問題点が生じるおそれがある。
上記第一の発泡性塗料組成物は、上記ラクトン変性ポリオール以外にポリエステル樹脂、各種変性ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシウレタン樹脂、変性エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アクリルエポキシ樹脂、アクリルフェノール樹脂、アクリルフェノールエポキシ樹脂、アルキド樹脂、イソシアネート硬化型アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酸無水物変性ポリプロピレン樹脂等の他の樹脂を含んでもよい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記第一の発泡性塗料組成物において、上記他の樹脂は、上記ラクトン変性ポリオールの樹脂固形分100重量部に対して、0〜400重量部の割合で含有するものであることが好ましい。400重量部を超えると、復元性が低下するおそれがある。
本発明の第二の発泡性塗料組成物は、1分子あたり平均2.2個以上の水酸基を有するポリオール、1分子あたり2個の水酸基を有する化合物(以下「化合物(b)」ともいう)にラクトンを付加して得られたラクトン変性ジオール、ブロックイソシアネート及びアミド系発泡剤を含有するものである。上記第二の発泡性塗料組成物が1分子あたり平均2.2個以上の水酸基を有するポリオール、ジオールにラクトンを付加して得られたラクトン変性ジオール及びブロックイソシアネートを含むものであるため、これを使用して得られる塗膜中に、平均2.2個以上の水酸基を有するポリオールに由来する分岐構造、及び、ラクトンに由来する(ポリ)ラクトン鎖が形成される。従って、上記第二の発泡性塗料組成物を使用して形成される発泡性塗膜が優れた復元性を有するものとなると推察される。また、得られる発泡性塗膜は、断熱性、吸音性にも優れたものであり、意匠性、厚み感、触った際の暖かみを有するものとして用いることもできる。
上記第二の発泡性塗料組成物に含まれるラクトン変性ジオールの製造に使用される化合物(b)としては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメチロール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール等のジオール類を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記ジオールにラクトンを付加することによって、上記ラクトン変性ジオールを得ることができる。
上記ラクトン変性ジオールは、数平均分子量が下限500、上限5000であることが好ましい。500未満であると、形成される発泡性塗膜の復元性が低下するおそれがある。5000を超えると、形成された塗膜が柔らかくなり、塗膜物性に問題が生じるおそれがある。上記下限は1000であることがより好ましく、上記上限は3000であることがより好ましい。
上記第二の発泡性塗料組成物におけるラクトン変性ジオールは、ラクトン成分として20重量部以上であることが好ましい。ラクトン成分の濃度が高い方がより好ましい。20重量部未満であると、形成された発泡性塗膜の復元性が低下するおそれがある。
上記第二の発泡性塗料組成物において、上記1分子あたり平均2.2個以上の水酸基を有するポリオールは、上記ラクトン変性ジオールの樹脂固形分100重量部に対して、20〜400重量部の割合で含有するものであることが好ましい。20重量部未満であると、充分な復元性が得られない場合があり、400重量部を超えても、充分な復元性が得られない場合がある。
上記第二の発泡性塗料組成物である1分子あたり平均2.2個以上の水酸基を有するポリオールは、上記第一の発泡性塗料組成物中の化合物(a)と同様のものを挙げることができる。上記第二の発泡性塗料組成物である1分子あたり平均2.2個以上の水酸基を有するポリオールは、1分子あたり2個以下の水酸基を有するものを含まないことがより好ましい。上記ラクトン変性ジオールの製造に使用されるラクトンとしては、上記第一の発泡性塗料組成物におけるラクトンと同様のものを挙げることができる。また、上記第二の発泡性塗料組成物に含まれるブロックイソシアネート及びアミド系発泡剤としては、上記第一の発泡性塗料組成物中のブロックイソシアネート及びアミド系発泡剤と同様のものを挙げることができる。
上記第二の発泡性塗料組成物において、上記ブロックイソシアネートは、上記第二の発泡性塗料組成物中の1分子あたり平均2.2個以上の水酸基を有するポリオール及びラクトン変性ジオールの樹脂固形分の合計量100重量部に対して、20〜400重量部の割合で含有するものであることが好ましい。20重量部未満である場合、400重量部を超える場合には、塗膜物性に問題点が生じるおそれがある。
上記第二の発泡性塗料組成物において、上記アミド系発泡剤は、上記第二の発泡性塗料組成物中の樹脂固形分及び硬化剤固形分の合計量100重量部に対して、2〜10重量部の割合で含有するものであることが好ましい。2重量部未満であると、充分な発泡倍率が得られない場合があり、10重量部を超えると、塗膜物性に問題点が生じるおそれがある。
上記第二の発泡性塗料組成物は、上記1分子あたり平均2.2個以上の水酸基を有するポリオール、ラクトン変性ジオール、ブロックイソシアネート以外の他の樹脂を含むものであってもよい。上記第二の発泡性塗料組成物における他の樹脂としては、上記第一の発泡性塗料組成物中の他の樹脂等を挙げることができる。
上記第二の発泡性塗料組成物において、上記他の樹脂は、上記第二の発泡性塗料組成物中の1分子あたり平均2.2個以上の水酸基を有するポリオール及びラクトン変性ジオールの樹脂固形分の合計量100重量部に対して、0〜400重量部の割合で含有するものであることが好ましい。400重量部を超えると、復元性が低下するおそれがある。
上記発泡性塗料組成物(上記第一又は第二の発泡性塗料組成物)は、可塑剤、顔料、安定剤、艶消剤、消泡剤、レベリング剤、たれ止め剤、紫外線吸収剤、表面調整剤、分散剤、粘性調整剤、ワックス、骨材等を含有するものであってもよい。
上記顔料としては特に限定されず、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化鉄、酸化鉛、タルク、クロムイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン、ペリレン、アルミニウム粉、アルミナ粉、ブロンズ粉、銅粉、スズ粉、亜鉛粉、リン化鉄、マイカ、天然又は合成雲母、ケイ酸カルシウム、溶融シリカ、二酸化ケイ素、長石、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカ、微粉末タルク、微粉末硫酸バリウム、珪藻土、チタン酸塩、石英、ガラス、タルク、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト、有機架橋性粒子、炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム等を挙げることができる。
上記発泡性塗料組成物の塗装方法も、ロールコーター、カーテンフローコーター、ダイコーター、ロールカーテン、スプレー等の任意の塗装方法によって塗装することができる。
上記発泡性塗料組成物は、金属板に塗装した後、発泡を目的として加熱することにより、金属板上に発泡性塗膜を形成することができるものである。発泡倍率は、通常3〜15倍であり、好ましくは7〜12倍である。
上記発泡性塗膜の乾燥膜厚としては、特に限定されず、例えば、断熱性、意匠性等が要求される用途に応じて適宜設定することができる。上記乾燥膜厚は、断熱性が要求される場合には、通常1000〜5000μmであり、意匠性が要求される場合には、通常200〜5000μmである。
上記発泡性塗料組成物を発泡させるための加熱条件は、使用する発泡性塗料組成物の組成によっても相違するが、一般に、180〜250℃で30〜180秒加熱することが好ましい。加熱時間が30秒以下であったり、加熱温度が180℃以下であったりすると、発泡倍率が低くなってしまうおそれがある。また加熱時間を180秒以上とすると、生産効率が著しく低下するため、好ましくない。更に、加熱温度が250℃以上であると、膜強度が弱くなる。
本発明は、上述した発泡性塗料組成物によって形成された発泡性塗膜を備えてなる塗装金属板でもある。優れた復元性を有する発泡性塗膜を形成した塗装金属板を使用することによって、優れた断熱性、吸音性、意匠性等を付与することができる。即ち、例えば、上記発泡性塗料組成物を塗装すると、吸音性、断熱性に優れた効果を発揮する発泡性塗膜を形成することができる。また、微妙な凹凸感のある意匠性に優れた塗膜を形成することができる。なお、上記塗装金属板は、金属板の片面に発泡性塗膜を形成したものであっても、両面に発泡性塗膜を形成したものであってもよい。
本発明の塗装金属板は、金属板に、プライマー層を有するものであってもよい。上記塗装金属板における発泡性塗膜は、プライマー層を有しないものであっても、金属板に対する優れた密着性を有するものであるため、密着性の向上を目的としてプライマー層を形成する必要はないものであるが、プライマー層を形成することによって特に防食性を向上させることができる。上記プライマー層は、塗膜と金属板との接着に使用される公知のプライマー塗料(下塗り塗料)を用いて形成することができる。
上記プライマー塗料としては特に限定されず、例えば、アクリル系塗料、エポキシ系塗料、ウレタン系塗料、フェノール系塗料、塩ビ系塗料、ポリエステル系塗料、合成ゴム系塗料、エポキシ変性アクリル系塗料等を用いることができる。なかでも、エポキシ系塗料、ポリエステル塗料が好ましい。
上記プライマー塗料の市販品としては、例えば、フレキコートP600プライマー(日本ペイント社製ポリエステル系プライマー)等を挙げることができる。
上記プライマー塗料の金属板への塗装は、例えば、ロールコーター、カーテンフローコーター、ダイコーター、ロールカーテン、フローコーター、スプレー等の方法によって行うことできる。また、塗装後に、乾燥、焼付けしてプライマー層を形成することができる。
本発明の塗装金属板に使用する基材(金属板)としては特に限定されず、例えば、溶融亜鉛めっき鋼鈑、電気亜鉛めっき鋼鈑、合金化亜鉛めっき鋼鈑、溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼鈑、アルミニウムめっき鋼鈑、ステンレス鋼鈑、冷延鋼鈑、アルミニウム板、溶融亜鉛−アルミニウム−マグネシウム−合金めっき鋼鈑等を挙げることができる。上記基材は、塗装を施す前に、リン酸塩処理、クロメート処理、ノンクロメート処理等の前処理を施したものであってもよい。
本発明の塗装金属板において、発泡性塗膜が形成されてない側(金属板の片面にのみ発泡性塗膜が形成されている場合のもう一方の面)は、特に限定されず、任意の状態でよい。例えば、塗装されていてもよく、塗装されていなくてもよい。また、塗装されている場合、1コート、多層コートのいずれであってもよい。従って、優れた外観を得るために通常使用される塗料組成物を通常の方法により塗装することによって、発泡性塗膜が形成されてない側に、目的の外観を得ることができる。また、発泡性塗膜が形成されてない側に、下塗り塗膜と上塗り塗膜とからなる複層塗膜を形成してもよい。
上記塗装金属板における発泡性塗膜が形成されてない側の塗膜(下塗り塗膜又は上塗り塗膜)の形成に使用する塗料組成物としては特に限定されず、建材用、家電用、意匠用等の一般的なものはすべて使用することができる。
上記塗料組成物としては、例えば、エポキシ樹脂、エポキシウレタン樹脂、変性エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アクリルエポキシ樹脂、アクリルフェノール樹脂、アクリルフェノールエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、各種変性ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂等の塗膜形成性樹脂を含有する塗料組成物を挙げることができる。上記塗膜形成樹脂に加えて、必要に応じてアミノ樹脂やブロックイソシアネート等の架橋剤を添加してもよい。
上記発泡性塗膜が形成されてない側の塗膜の形成に使用する塗料組成物は、目的及び用途に応じ、着色顔料、体質顔料、艶消剤、消泡剤、レベリング剤、たれ止め剤、紫外線吸収剤、表面調整剤、分散剤、粘性調整剤、ワックス等の慣用の添加剤を含有するものであってもよい。上記着色顔料及び体質顔料としては、特に限定されず、上記発泡性塗料組成物と同様のものを使用することができる。更に、意匠性を付与するために、骨材、樹脂ビーズ等を含有するものであってもよい。また上記意匠性塗膜の形成に使用する塗料組成物は、溶剤系塗料、水分散系塗料、粉体塗料等の任意の形態のものを使用することができる。ロールコーター、カーテンフローコーター、ダイコーター、ロールカーテン、スプレー等の任意の塗装方法によって塗装することができる。
顔料は分散樹脂で分散して分散ペーストをつくり、これに主樹脂、硬化剤、アミン、触媒、各種添加剤、溶剤を加えることで得られる。ロールミル、ペイントシェーカー、ポットミル、ディスパー、サンドグラインドミル等の機械を用いて塗料化することができる。
上記塗装金属板において、発泡性塗膜が形成されてない側の塗膜は、プライマー層(下塗り塗膜)上に形成されたものであってもよい。上記プライマー層の形成に使用するプライマー塗料(下塗り塗料)としては特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。
上記発泡性塗膜が形成されてない側のプライマー層の形成に使用するプライマー塗料の市販品としては、例えば、フレキコートP600プライマー(日本ペイント社製ポリエステル系プライマー)等を挙げることができる。
上記金属塗装板は、金属板に形成された発泡性塗膜上に、更に、上塗り塗膜が形成されたものであってもよい。上述した発泡性塗料組成物によって形成された発泡性塗膜は、表面に微妙な凹凸を有するものであることから、平面的で陰影感が乏しい被塗物の表面に微妙な凹凸を付与することによって、陰影感のある上品で柔らかな外観を与えることができる。従って、上記発泡性塗膜上に上塗り塗膜が形成されてなる複層塗膜は、平板な被塗物上に直接上塗り塗膜単層の場合とは異なった意匠性を有するものとなる。
上記発泡性塗料組成物によって形成された発泡性塗膜上に上塗り塗膜を形成してなる複層塗膜も本発明の一部である。本発明の複層塗膜の形成方法としては特に限定されず、例えば、発泡性塗料組成物を塗装した後に、加熱によって発泡及び硬化を行うことによって発泡性塗膜を形成し、次いで、上塗り塗装を施し、その後で加熱硬化によって複層塗膜を形成する方法等を挙げることができる。
上記上塗り塗膜を形成する上塗り塗料としては特に限定されず、上述した発泡性塗膜が形成されてない側の塗膜の形成に使用する塗料組成物を挙げることができる。更に、上記上塗り塗膜は、2層以上の塗膜層からなるものであってもよい。また、ロールコーター、カーテンフローコーター、ダイコーター、ロールカーテン、スプレー、ローラー等の任意の塗装方法によって塗装することができる。
本発明の発泡性塗料組成物は、優れた復元性を有するものであることから、良好な性質を有する発泡性塗膜を形成することができるものである。上記発泡性塗料組成物を使用することによって製造された塗装金属板は、極めて簡便な方法で効率よく、吸音性、断熱性、意匠性等の性質を付与することができるものである。更に、上記発泡性塗料組成物を使用することによって形成された複層塗膜は、意匠性に優れ、かつ塗膜の復元性に優れることから、塗膜性能としても優れたものである。
以下本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限り「重量部」を意味する。
樹脂製造例1
加熱装置、攪拌機、還流装置、水分離器、精留塔及び温度計を備えた反応槽に無水フタル酸138重量部、ネオペンチルグリコール79重量部、トリメチロールプロパン66重量部を仕込み加熱した。原料が融解し、攪拌が可能となればジブチル錫オキサイドを0.2重量部投入し攪拌を開始し、反応温度を210℃に昇温し、縮合反応を行い水を17重量部留去した。100℃まで冷却した後ε−カプロラクトンを733重量部仕込み、反応温度を150℃に昇温し、保温3時間後、100℃まで冷却し、シクロヘキサノン110重量部を加えて、1分子あたり平均3.4個の水酸基を有する加熱残分90%のラクトン変性ポリオール(樹脂A)を合成した。
樹脂製造例2
加熱装置、攪拌機、還流装置、水分離器、精留塔及び温度計を備えた反応槽に1,6−ヘキサンジオール59重量部、ε−カプロラクトン941重量部を仕込み加熱した。原料が融解し、攪拌が可能となればジブチル錫オキサイド0.2重量部を投入し攪拌を開始し、反応温度を150℃に昇温し、保温3時間後、冷却し、1分子あたり2個の水酸基を有する加熱残分100%のラクトン変性ジオール(樹脂B)を合成した。
樹脂製造例3
加熱装置、攪拌機、還流装置、水分離器、精留塔及び温度計を備えた反応槽に無水フタル酸588重量部、ネオペンチルグリコール190重量部、トリメチロールプロパン77重量部、1,6−へキサンジオール215重量部を仕込み加熱した。原料が融解し、攪拌が可能となればジブチル錫オキサイドを0.2重量部投入し攪拌を開始し、反応温度を210℃に昇温し、縮合反応を行い水を70重量部留去した。100℃まで冷却し、シクロへキサノン430重量部を加えて、1分子あたり平均3.4個の水酸基を有する加熱残分70%ポリオール(樹脂C)を合成した。
塗料調製例1
ラクトン変性ポリオール(樹脂A:1分子あたり平均3.4個の水酸基、加熱残分90%)556重量部、ブロックイソシアネート(コロネート2507、日本ポリウレタン工業社製、加熱残分80%)313重量部、発泡剤(アゾビスカルボアミド)25重量部、顔料(酸化チタン)500重量部、溶剤(イソホロン)50重量部を配合して発泡性塗料1を調製した。
塗料調製例2〜6
表1で示したように配合した発泡性塗料2〜5及び塗料6を調製した。
Figure 0004560297
実施例1(発泡塗装金属板の製造)
0.45mm厚の溶融亜鉛めっき鋼鈑を金属板(基材)として使用し、以下のようにして金属板の表側及び裏側を塗装した。
〔表側〕
下塗り塗料として、フレキコートP600プライマー(日本ペイント社製ポリエステル系下塗り塗料)を塗装し、215℃で45秒間焼き付けることによって乾燥膜厚5μmの下塗り塗膜を形成した。
次いで、上塗り塗料として、フレキコート5000(日本ペイント社製ポリエステル系上塗り塗料)を塗装し、230℃で45秒間焼き付けることによって乾燥膜厚15μmの上塗り塗膜を形成した。
〔裏側〕
発泡性塗料;塗料調製例1で調製した発泡性塗料1を乾燥塗布量450g/mになるよう塗装し、225℃で120秒間焼き付けることによって、乾燥膜厚2000μmの発泡塗膜を形成した。
実施例2〜3
塗料調製例1で得られた発泡性塗料1の代わりに、発泡性塗料2〜3をそれぞれ使用した以外には、実施例1と同様にして発泡塗装金属板を作成した。
実施例4
0.45mm厚の溶融亜鉛めっき鋼鈑を金属板(基材9)として使用し、以下のようにして金属板の表側及び裏側を塗装した。
〔表側〕
下塗り塗料として、フレキコートP600プライマー(日本ペイント社製ポリエステル系下塗り塗料)を塗装し、215℃で45秒間焼き付けることによって乾燥膜厚5μmの下塗り塗膜を形成した。
中塗りとして、塗料調製例1で調製した発泡性塗料1を乾燥塗布量450g/mになるよう塗装し、225℃で120秒間焼き付けることによって乾燥膜厚2000μmの上塗り塗膜を形成した。
上塗りとして、フレキコート5000(日本ペイント社製ポリエステル系上塗り塗料)を塗装し、230℃で45秒間焼き付けることによって乾燥膜厚15μmの上塗り塗膜を形成した。
〔裏側〕
裏面塗料として、フレキコート800(日本ペイント社製ポリエステル系裏面塗料)を塗装し、215℃で40秒間焼き付けることによって乾燥膜厚8μmの裏面塗膜を形成した。
比較例1〜2
塗料調製例1で得られた発泡性塗料1の代わりに、発泡性塗料4〜5をそれぞれ使用した以外には、実施例1と同様にして発泡塗装金属板を作成した。
比較例3
塗料調製例1で得られた発泡性塗料1の代わりに、塗料6を使用した以外には、実施例1と同様にして塗装金属板を作成した。
(評価方法)
上記実施例及び比較例によって製造された塗装金属板を下記方法によって評価した。
<吸音性試験>
図1に示した装置によって測定を行った。ガラスビーズ(ガラスビーズGB503M;ポッターズ・バロティーニ社製、中心粒径1.4〜2.0μm)120cc(26000個)を1mの高さから塗装金属板(表側を上向きに設置)上に落下させ、塗装金属板下における落下時の音の大きさを測定した。使用した測定機は、普通騒音計(NL−21;リオン社)であった。結果を表2及び3に示した。
<断熱性試験>
熱源として、東芝レフランプRF110V200W(東芝社製)を用い、図2に示した装置で塗装金属板の上塗り塗膜(表側を上向きに設置)への熱照射を行った。測定は、開放系で外気温20℃の条件で行い、熱照射後20分経過時の塗装金属板の表側(上塗り塗膜形成面)及び裏側(発泡性塗膜形成面)の温度を測定した。使用した記録計は、サーモレコーダーRT−10(タバイエスペック社製)であった。表側及び裏側の温度差を表2及び3に示した。
<復元性試験>
加熱成型プレス(小松製作所社製)を用い、40℃、40kg/mの条件で5日間加熱圧縮し、23℃で1時間放置後の復元性(%)を測定した。結果を表2及び3に示した。
Figure 0004560297
Figure 0004560297
表2、3の結果から、実施例で作成された塗装金属板は、吸音性、断熱性及び復元性に優れるものであった。
本発明の発泡性塗料組成物は、建築用材料等の用途に幅広く使用することができるものである。
実施例における吸音性の測定方法を示す図である。 実施例における断熱性の測定方法を示す図である。
符号の説明
21.ガラスビーズ
22.音量測定装置
23.測定対象サンプル
24.ガラスビーズガイド
31.電球(熱源)
32.測定対象サンプル
33.温度測定装置
34.温度センサー
35.温度センサー

Claims (11)

  1. 1分子あたり平均2.2個以上の水酸基を有する化合物にラクトンを付加して得られたラクトン変性ポリオール、ブロックイソシアネート及びアミド系発泡剤を含有することを特徴とする発泡性塗料組成物。
  2. ラクトン変性ポリオールは、数平均分子量が800〜8000である請求項1記載の発泡性塗料組成物。
  3. ラクトン変性ポリオールは、ラクトン成分を20重量%以上含有するものである請求項1又は2記載の発泡性塗料組成物。
  4. ラクトンは、カプロラクトンである請求項1、2又は3記載の発泡性塗料組成物。
  5. 1分子あたり2個の水酸基を有する化合物にラクトンを付加して得られるラクトン変性ジオール、1分子あたり平均2.2個以上の水酸基を有するポリオール、ブロックイソシアネート及びアミド系発泡剤を含有することを特徴とする発泡性塗料組成物。
  6. ラクトン変性ジオールは、数平均分子量が500〜5000である請求項5記載の発泡性塗料組成物。
  7. ラクトン変性ジオールは、ラクトン成分を20重量%以上含有するものである請求項5又は6記載の発泡性塗料組成物。
  8. ラクトンは、カプロラクトンである請求項5、6又は7記載の発泡性塗料組成物。
  9. 発泡性塗膜を備えてなる塗装金属板であって、
    前記発泡性塗膜は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の発泡性塗料組成物によって形成されたものであることを特徴とする塗装金属板。
  10. 塗装金属板における金属板は、亜鉛めっき鋼鈑、溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼鈑、アルミニウム板又は溶融亜鉛−アルミニウム−マグネシウム−合金めっき鋼鈑である請求項9記載の塗装金属板。
  11. 発泡性塗膜及び前記発泡性塗膜上に形成された上塗塗膜からなる複層塗膜であって、
    前記発泡性塗膜は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の発泡性塗料組成物によって形成されたものであることを特徴とする複層塗膜。
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