JP2003026759A - バッキング層形成用の樹脂組成物およびマットの製造方法 - Google Patents

バッキング層形成用の樹脂組成物およびマットの製造方法

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JP2003026759A
JP2003026759A JP2001220886A JP2001220886A JP2003026759A JP 2003026759 A JP2003026759 A JP 2003026759A JP 2001220886 A JP2001220886 A JP 2001220886A JP 2001220886 A JP2001220886 A JP 2001220886A JP 2003026759 A JP2003026759 A JP 2003026759A
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mat
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Hiroyoshi Yokota
博栄 横田
Junji Goto
潤二 後藤
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Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
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Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 〔1〕タフテッドシートの裏面にバッキング
層が形成されてなるマットの製造工程において、バッキ
ング層を形成するために好適な樹脂組成物を提供するこ
と。〔2〕タフテッドシートに対する接着性が良好で、
厚みの均一なポリウレタン系のバッキング層を形成して
なるマットを簡単な構成の装置により製造することがで
きるマットの製造方法を提供すること。 【解決手段】 本発明の樹脂組成物は、(A)ブロック
イソシアネート、(B)二官能以上の活性水素含有化合
物、(C)平均粒径が250μm以下の粉末を含有し、
常温で液状の一液硬化型の組成物である。本発明の製造
方法は、本発明の樹脂組成物を金型に注入して材料層を
形成し、この材料層の上にタフテッドシートを載置して
なる積層体を加熱処理することにより、当該材料層を硬
化させてバッキング層を形成するとともに、当該バッキ
ング層を、当該タフテッドシートの裏面に接着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タフテッドシート
の裏面にバッキング層を形成するために使用されるウレ
タン系の樹脂組成物、および当該樹脂組成物を使用して
行うマットの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば靴底拭き用のマットとして、パイ
ルを基布に植設してなるタフテッドシートの裏面に、エ
ラストマーからなるバッキング層(マット基材)が形成
されてなるマットが使用されている。このようなマット
は、液状またはゾル状の樹脂組成物を金型に注入して材
料層を形成し、この材料層の上にタフテッドシートを載
置した後、得られる積層体を冷却または加熱することに
より、当該材料層を固化(硬化)してバッキング層を形
成するとともに、当該バッキング層を、タフテッドシー
トの裏面に接着させることにより製造することができ
る。ここに、材料層を形成するための注型操作、タフテ
ッドシートを材料層上に載置する操作、材料層を固化す
るための操作は、通常、ベルトコンベア上で連続的に実
施される。
【0003】タフテッドシートの裏面に形成されてマッ
トを構成するバッキング層としては、軟質ポリ塩化ビニ
ルからなるものが使用されている。然るに、軟質ポリ塩
化ビニルは、DOP等の可塑剤による環境ホルモンの問
題、焼却に伴うダイオキシンの問題などを有している。
このため、環境衛生などの事情から、軟質ポリ塩化ビニ
ルに代わるバッキング層の材料開発が望まれていた。
【0004】最近において、マットを構成するバッキン
グ層として、ポリウレタンエラストマーからなるものが
紹介されている(特公平1−51255号公報,特開平
7−155280号公報参照)。これらの公報記載の技
術において、バッキング層を形成するためのウレタン系
樹脂組成物として二液硬化型のものが使用されている。
【0005】しかしながら、二液硬化型のウレタン系樹
脂組成物を使用してバッキング層を形成するためには、
第1液を収容するタンク、第2液を収容するタンク、第
1液と第2液とを一定の割合で混合するための機構(ミ
キシングヘッド)などの設備が必要となり、マットの製
造装置としての構成が複雑となる。
【0006】また、二液硬化型のウレタン系樹脂組成物
あっては、二液混合後のポットライフが短く、かつ、硬
化速度の制御が困難である。このため、混合してから短
時間で流動性が低下して面積の大きい材料層を形成する
ことができなかったり、形成される材料層の厚みにバラ
ツキが生じたりすることがある。また、材料層の上にタ
フテッドシートを載置する前に、当該材料層を構成する
樹脂組成物の硬化反応が進行することによって、タフテ
ッドシートとバッキング層との接着性が著しく損なわれ
ることもある。
【0007】さらに、バッキング層を形成するために使
用される従来公知のウレタン系樹脂組成物は、液切れが
悪いという問題がある。このため、滴下すべき位置以外
の領域(ベルトコンベア上など、樹脂組成物を注入すべ
き金型以外の領域)に、当該樹脂組成物(吐出後の残
液)が付着し、作業性に悪影響を及ぼすことがある。
【0008】一方、材料層を高温で加熱すると、材料層
を構成する樹脂組成物(未硬化状態または半硬化状態の
組成物)が硬化する前に、その粘度が一時的に低下する
傾向がある。このとき、当該樹脂組成物が注入された金
型がベルトコンベア上で移動する際に受ける振動に起因
して、形成されるバッキング層の厚みが不均一なものと
なったり、粘度の低下した樹脂組成物がタフテッドシー
トの裏面から基布内に浸透して表面(パイル植設面)に
至り、さらに、植設されたパイルの隙間に含浸されて、
得られるマットの表面状態や手触り感を損ねたりするこ
とがある。
【0009】特開2000−279311号公報には、
マット原反(タフテッドシート)の裏面に、ウレタンゴ
ムコンパウンドからなるゴムシート(バッキング層の材
料層)を当接させ、これを加熱加圧処理することによ
り、当該ゴムシートを加熱溶融させるとともに、マット
原反の裏面に接合させることにより、当該マット原反と
マット基材(バッキング層)とからなるマットを製造す
る技術が記載されている。しかしながら、この当該ゴム
シートを構成するウレタンゴムコンパウンドは、高分子
であって、常温で固体(シート体)である。このため、
樹脂の溶融性に不具合を生じ易く、タフテッドシートと
の接着不良が生じる。また、予め当該ゴムシートを用意
しておく必要があり、シートを作製する工程と、シート
を接着する工程とを分けて行う必要があり、工程が複雑
になるなどの問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
事情に基いてなされたものである。本発明の第1の目的
は、タフテッドシートの裏面にバッキング層が形成され
てなるマットの製造過程において、当該バッキング層を
形成するために好適に使用することのできる新規なウレ
タン系樹脂組成物を提供することにある。本発明の第2
の目的は、第1液と第2液の混合機構などを要しない簡
単な構成の製造装置により、タフテッドシートの裏面に
バッキング層を形成することができるウレタン系樹脂組
成物を提供することにある。本発明の第3の目的は、タ
フテッドシートに対する接着性が良好で、厚みの均一な
バッキング層を形成することができるウレタン系樹脂組
成物を提供することにある。本発明の第4の目的は、液
切れの良好なバッキング層形成用のウレタン系樹脂組成
物を提供することにある。本発明の第5の目的は、16
0℃以上の高温条件で硬化させるときの一時的な粘度低
下の程度が小さく、これを注入した金型がベルトコンベ
ア上で移動する際に受ける振動に起因する不具合を発生
させないバッキング層形成用のウレタン系樹脂組成物を
提供することにある。本発明の第6の目的は、タフテッ
ドシートに対する接着性が良好で、厚みの均一なポリウ
レタン系のバッキング層が形成されてなるマットを簡単
な構成の装置により容易に製造することができるマット
の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1乃至第5の
目的は、マットのバッキング層を形成するために使用さ
れる樹脂組成物であって、(A)ブロックイソシアネー
ト、(B)二官能以上の活性水素含有化合物、(C)平
均粒径が250μm以下の粉末を含有する、常温におい
て液状の一液硬化型の樹脂組成物(本発明の樹脂組成
物)により達成することができる。
【0012】本発明の樹脂組成物においては、下記の形
態が好ましい。 〔1〕前記(C)粉末が、(C1)無機粉末からなるこ
と。 〔2〕前記(C)粉末が、(C1)無機粉末と、(C
2)有機粉末とからなること。 〔3〕前記(C1)無機粉末の平均粒径が40μm未満
であり、前記(C2)有機粉末の平均粒径が40〜25
0μmであること。 〔4〕25〜80℃の温度範囲における粘度が30,0
00〜1,000mPa・s〔B型粘度計(2号ロータ
ー使用,6回転)による。以下、同じ〕であること。
【0013】本発明の第6の目的は、タフテッドシート
の裏面にバッキング層が形成されてなるマットを製造す
る方法であって、下記の工程を含むことを特徴とするマ
ットの製造方法により達成することができる。
【0014】(1)本発明の樹脂組成物を金型に注入し
て材料層を形成する工程。 (2)この材料層の上にタフテッドシートを載置する工
程。 (3)前記材料層と前記タフテッドシートとの積層体を
加熱処理することにより、当該材料層を硬化させてバッ
キング層を形成するとともに、当該バッキング層を、当
該タフテッドシートの裏面に接着させる工程。 本発明の製造方法においては、160〜240℃の温度
条件で1〜10分間加熱処理することが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 <本発明の樹脂組成物>本発明の樹脂組成物は、(A)
ブロックイソシアネート、(B)二官能以上の活性水素
含有化合物(以下、単に「(B)活性水素含有化合物」
という。)、(C)平均粒径が250μm以下の粉末
(以下、単に「(C)粉末」という。)を粉末を含有す
る、常温において液状の一液硬化型の樹脂組成物であ
る。
【0016】<(A)ブロックイソシアネート>本発明
の樹脂組成物を構成する(A)ブロックイソシアネート
は、ポリイソシアネートの有するイソシアネート基がブ
ロック化剤によって封鎖された化合物、すなわち、ポリ
イソシアネートとブロック剤とを反応させることによ
り、当該ポリイソシアネートの有するイソシアネート基
を常温で不活化(潜在化)したものであり、これを一定
の温度以上に加熱すると、ブロック剤が解離してイソシ
アネート基が再生(顕在化)するという性質を有する。
【0017】(A)ブロックイソシアネートを得るため
に使用するポリイソシアネートとしては、芳香族系ポリ
イソシアネート、脂肪族系ポリイソシアネート、脂環式
系ポリイソシアネートなどが挙げられる。かかるポリイ
ソシアネートの具体例としては、2,4−トリレンジイ
ソシアネート(以下、「2,4−TDI」と略記す
る。)、2,6−トリレンジイソシアネート(以下、
「2,6−TDI」と略記する。)、キシリレン−1,
4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシ
アネート、キシリレン−1,2−ジイソシアネート、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−
ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェ
ニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル
−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニル
プロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジ
メチルジフエニルメタン−4,4′−ジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、
m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイ
ソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネー
ト、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3′
−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネー
ト、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳
香族系ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−メチル−
1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシア
ネートなどの脂肪族系ジイソシアネート;水素添加トリ
レンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシア
ネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネト、水
素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネートなどの脂環式系ジイソシアネー
ト;更に、これらの有機ジイソシアネートのウレタン変
性体、アロフアネート変性体、ウレア変性件、ビウレッ
ト変性体、カルボジイミド変性体、ウレトンイミン変性
体、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体など
を挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を
組み合わせて使用することができる。
【0018】また、(A)ブロックイソシアネートを得
るためのポリイソシアネートとして、上記のポリイソシ
アネートと活性水素含有化合物との反応により得られる
イソシアネート基末端プレポリマーを使用することが好
ましい。
【0019】ここに、イソシアネート基末端プレポリマ
ーを得るために使用するポリイソシアネートとしては、
2,4−TDIと2,6−TDIとの混合物、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、カルボジイミド化ジフェニ
ルメタンジイソシアネートが好ましい。
【0020】また、イソシアネート基末端プレポリマー
を得るために使用する活性水素含有化合物としては、通
常のポリウレタン樹脂の構成成分であるアジペート系ポ
リオール、ラクトン系ポリオール、カーボネート系ポリ
オール、エーテル系ポリオールを挙げることができる。
これらのうち、エーテル系ポリオールを使用することが
好ましい。かかるエーテル系ポリオールの具体例として
は、ポリオキシアルキレンポリオールを挙げることがで
きる。このポリオキシアルキレンポリオールとしては、
2〜4官能の低分子化合物を開始剤として、エチレンオ
キサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキ
サイドを付加させた数平均分子量500〜10,000
のものが好ましい。また、アルキレンオキサイドとして
は、プロピレンオキサイドが過半数を占めるものが好ま
しい。
【0021】イソシアネート基末端プレポリマーの合成
方法は、過剰のポリイソシアネート中に活性水素含有化
合物を添加し、80〜90℃で1〜2時間反応させる方
法が挙げられる。このプレポリマーにおけるイソシアネ
ート基の含有量としては、1〜20質量%であることが
好ましく、更に好ましくは2〜10質量%とされる。
【0022】イソシアネート基の反応活性を封鎖するブ
ロック化剤としては、ε−カプロラクタム、MEKオキ
シム、アセト酢酸エチルなどを挙げることができる。
【0023】ブロック化反応は、上記のプレポリマー化
反応と同様に、ポリイソシアネート中に、前記ブロック
剤を添加し反応させることにより行うことができる。な
お、ポリイソシアネートとして、イソシアネート基末端
プレポリマーを使用する場合には、これを得るためのプ
レポリマー化反応に継続して、当該イソシアネート基末
端プレポリマーのブロック化反応を行うことが、ブロッ
クイソシアネートの調製工程の簡略化を図ることができ
るので好ましい。
【0024】ブロック化剤の使用量としては、ポリイソ
シアネートの有するイソシアネート基のすべてを不活性
化できる(ブロック化率=100%)量とされ、ブロッ
ク化反応に供されないブロック化剤が僅かに残留するよ
うな量であることが好ましい。(A)ブロックイソシア
ネートの有効イソシアネート基含量(ブロック剤が解離
して再生されるイソシアネート基の含量であって、ブロ
ック剤を含む全質量を100質量%としたときの含量を
いう。)としては3〜13質量%であることが好まし
い。(A)ブロックイソシアネートは、常温〜80℃の
温度範囲で液状であることが取扱い上の点から好まし
い。(A)ブロックイソシアネートの活性を顕在化させ
るための加熱温度としては、通常160〜240℃とさ
れ、好ましくは170〜200℃とされる。
【0025】(A)ブロックイソシアネートとして好適
に使用することのできる市販品としては、TDI系ブロ
ックイソシアネート「C−2532」(日本ポリウレタ
ン工業(株)製)を挙げることができる。
【0026】<(B)活性水素含有化合物>本発明の樹
脂組成物を構成する(B)活性水素含有化合物として
は、官能基の数が2以上のポリオールおよびポリアミン
を挙げることができ、これらの化合物の数平均分子量
は、62〜12,000の範囲にあることが好ましい。
【0027】(B)活性水素含有化合物として使用する
ポリアミンとしては、数平均分子量が500未満である
低分子量のポリアミン、および数平均分子量が500以
上である高分子量のポリアミンを挙げることができる。
【0028】低分子量のポリアミンとしては、イソシア
ネートとの反応性がやや小さいものがよい。また、MO
CAなどハロゲンを含有するポリアミンよりも、ハロゲ
ンを含有しないポリアミンを使用することが環境などの
観点から好ましい。かかる低分子量のポリアミンの具体
例としては、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノ
ジシクロへキシルメタン、3−アミノ−1−シクロヘキ
シルアミノプロパン、イソホロンジアミン、1,3−ビ
ス(アミノメチル)シクロへキサンなどを挙げることが
できる。
【0029】高分子量のポリアミンとしては、ポリエー
テルポリオールの末端における水酸基をアミノ基に置換
したポリオキシアルキレンポリアミンを挙げることがで
き、ハンツマン社から市販され、数平均分子量が1,0
00〜5,000のものを入手することができる。ま
た、アミノ官能基数としては、2〜3のものが市販され
ている。
【0030】(B)活性水素含有化合物として使用する
ポリオールとしては、前記イソシアネート基末端プレポ
リマーを得るために使用するものとして示したアジペー
ト系ポリオール、ラクトン系ポリオール、カーボネート
系ポリオール、エーテル系ポリオールを挙げることがで
きる。また、エチレングリコール、1,2−プロパンジ
オール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,
9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シクロへ
キサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−
ジメタノール、ジメチロールへプタン、ダイマー酸ジオ
ール、トリメチロールプロパン、グリセリン、へキサン
トリオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノー
ルAおよびエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキ
サイド付加物、3級アミノ基を有するヒドロキシル基末
端化合物、例えば、N,N,N′,N′−テトラキス
(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン(THP
EA)などの数平均分子量が500未満の低分子量のポ
リオールを使用することもできる。
【0031】<(C)粉末>本発明の樹脂組成物を構成
する(C)粉末は、平均粒径が250μm以下の粉末で
ある。ここに、(C)粉末の「平均粒径」は、レーザー
式粒度分析計またはコールターカウンター「TA−2」
(コールターエレクトロニクス製)を用いて30μmの
アパーチャーチューブにより測定した粒度分布における
50%累積パーセントの値である。
【0032】(C)粉末は、(C1)無機粉末のみから
構成されていてもよいし、(C2)有機粉末のみから構
成されてもよいし、(C1)無機粉末と(C2)有機粉
末との両方から構成されていてもよい。これらのうち、
(C1)無機粉末のみから構成される(C)粉末が好ま
しく、さらに好ましくは、(C1)無機粉末と(C2)
有機粉末とから構成される(C)粉末である。(C1)
無機粉末と(C2)有機粉末とを併用して(C)粉末と
することにより、(C1)無機粉末または(C2)有機
粉末のみからなるものに比較して、吐出(滴下)する際
の液切れ、流動性、加工特性(硬化物の加工精度・表面
状態)において一層優れた樹脂組成物が得られるという
点で有利であり、当該樹脂組成物は、良質な成形品を得
るうえで最適である。
【0033】(C1)無機粉末を構成する無機化合物と
しては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、ケイ
ソウ土、シリカなどを挙げることができる。(C2)有
機粉末を構成する有機物(高分子化合物)としては、天
然高分子化合物であってもよいが、形状および粒径の均
質な粉末が得られる観点から、合成高分子化合物である
ことが好ましく、特にポリウレタン樹脂であることが好
ましい。(C2)有機粉末として使用するポリウレタン
樹脂粉末は、ポリウレタン樹脂(高分子)を粉砕する方
法、樹脂溶液からポリウレタン樹脂粉末を沈澱させる方
法、水系エマルジョンをを擬固させてポリウレタン樹脂
粉末を得る方法、非水分散重合による方法などにより得
ることができる。これらのうち、粒径分布がシャープ
で、ほぼ均一な球形状を有することから、非水分散重合
法によるポリウレタン樹脂粉末を使用することが好まし
い。非水分散重合法によるポリウレタン樹脂粉末は、日
本ポリウレタン工業(株)から「パールセンシリーズ」
として入手することができる。
【0034】(C1)無機粉末のみから構成される
(C)粉末(請求項2に係る樹脂組成物を構成する
(C)粉末)において、その平均粒径は、250μm以
下とされ、30〜250μmであることが好ましい。ま
た、(C1)無機粉末のみから構成される(C)粉末の
平均粒径は、平均粒径が0.5〜10μmの超微粉末
と、平均粒径が10〜250μmの粉末とを併用するこ
とにより調整することが好ましい。
【0035】(C1)無機粉末と(C2)有機粉末とか
ら構成される(C)粉末(請求項3に係る樹脂組成物を
構成する(C)粉末)において、(C1)無機粉末の平
均粒径は、40μm未満であることが好ましく、更に好
ましくは2.5〜30μmである。また、(C2)有機
粉末の平均粒径は、40〜250μmであることが好ま
しく、更に好ましくは70〜200μmである。(C
2)有機粉末と併用される(C1)無機粉末の平均粒径
は、平均粒径が0.5〜10μmの超微粉末と、平均粒
径が10〜40μmの微粉末とを併用することにより調
整することが好ましい。
【0036】<必須成分の配合割合>本発明の樹脂組成
物において、(A)ブロックイソシアネート100質量
部に対する(B)活性水素含有化合物の配合割合は、3
〜40質量部であることが好ましく、更に好ましくは5
〜25質量部とされる。また、(A)ブロックイソシア
ネートの有効イソシアネート基のモル数と、(B)活性
水素含有化合物の有する活性水素基のモル数との比は、
通常1:9〜9:1とされ、好ましくは2:8〜8:2
とされる。
【0037】本発明の樹脂組成物において、(A)ブロ
ックイソシアネート100質量部に対する(C)粉末の
配合割合は、1〜30質量部であることが好ましく、更
に好ましくは2〜9質量部とされる。(C)粉末の配合
割合が過小である場合には、得られる樹脂組成物を吐出
(滴下)する際の液切れが悪くなる。他方、この割合が
過大となる場合には、得られる樹脂組成物が好適な流動
性を有するものとならない。
【0038】また、平均粒径が40μm未満である(C
1)無機粉末と、平均粒径が40〜250μmである
(C2)有機粉末とから構成される(C)粉末(請求項
4に係る樹脂組成物を構成する(C)粉末)において、
(A)ブロックイソシアネート100質量部に対する
(C1)無機粉末の配合割合は0.5〜20質量部であ
ることが好ましく、更に好ましくは1〜6質量部とされ
る。また、(A)ブロックイソシアネート100質量部
に対する(C2)有機粉末の配合割合は0.5〜10質
量部であることが好ましく、更に好ましくは1〜3質量
部とされる。この場合、(C1)無機粉末または(C
2)有機粉末の配合割合が過小である場合には、(C)
粉末としての配合割合が好適な範囲(1〜30質量部)
であっても、得られる樹脂組成物を吐出(滴下)する際
の液切れが悪くなる傾向がある。他方、(C1)無機粉
末または(C2)有機粉末の配合割合が過大である場合
には、(C)粉末としての配合割合が好適な範囲(1〜
30質量部)であっても、得られる樹脂組成物が好適な
流動性を有するものとならない。
【0039】相対的に小粒径の(C1)無機粉末と、相
対的に大粒径の(C2)有機粉末とを併用する点に特徴
を有する請求項4に係る樹脂組成物によれば、吐出(滴
下)する際の液切れが良好で、流動性に優れ、しかも、
良好な加工特性(硬化物の加工精度・表面状態)を有す
る樹脂組成物を得ることができる。ここに、請求項4に
係る樹脂組成物における、(C1)無機粉末の含有割合
に対する(C2)有機粉末の含有割合の比率は、1:5
〜5:1(質量)とされる。
【0040】本発明の樹脂組成物には、熱分解型の発泡
剤を含有することができる。発泡剤を含有することによ
り、当該樹脂組成物により形成されるバッキング層(エ
ラストマー)は、良好な機械的特性(引張強さ)と、軽
量化およびクッション性(柔軟性)とを兼ね備えたもの
となる。熱分解型の発泡剤としては、炭酸ナトリウム
系、ヒドラジン系、ニトロソ系、アゾ系などを挙げるこ
とができる。これらのうち、アソビスイソブチロニトリ
ル、アゾジカーボンアミドなどのアゾ系の発泡剤が好ま
しい。発泡剤の添加量(含有割合)は、目的とするバッ
キング層の硬さや比重、その他物性のバランスを考慮し
て決定される。添加量が多くなればなるほど、発泡倍率
が大きくなり、比重は小さくなる。それにつれて柔らか
くなるが、圧縮永久歪みなどは逆に低下する。
【0041】本発明の樹脂組成物には、ポリウレタン製
品の製造において通常使用されている触媒、可塑剤、内
部離型剤、補強剤、安定剤などの任意の成分を必要に応
じて使用することができる。触媒としては、例えば、ジ
ブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレー
ト、トリエチルアミン、ネオデカン酸ビスマス、ジアザ
ビシクロウンデセンなどが挙げられる。
【0042】更に公知の各種添加剤を加えることができ
る。例えば、バッキング層の着色を目的とする染料、顔
料;バッキング層の形状保持性および曲げ強度の向上を
目的とするガラス繊維などの無機充填剤;その他難燃性
向上剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、電気絶
縁性向上剤、防かび剤、有機酸の金属塩、アミド系ワッ
クス、金属酸化物、金属水酸化物等の増量剤などを挙げ
ることができる。
【0043】本発明の樹脂組成物は一液型であり、主剤
と硬化剤からなる二液型の樹脂組成物とは異なり、混合
操作が不要で、注型に際してポットライフを考慮する必
要もない。また、金型への注入操作は、容量の小さな吐
出機や手作業でも可能である。本発明の樹脂組成物を一
定の温度に加熱することにより、(A)ブロックイソシ
アネートにおけるブロック剤が解離してイソシアネート
基が再生(顕在化)し、これと、(B)活性水素含有化
合物との反応(硬化反応)が生じる。
【0044】本発明の樹脂組成物は、25〜80℃の温
度範囲における粘度が30,000〜1,000mPa
・sである。このような粘度を有することにより、金型
への注入に際して好適な流動性を示すとともに、良好な
液切れを発揮することができる。
【0045】また、本発明の樹脂組成物は、特定の平均
粒径を有する(C)粉末が含有されているので、160
℃以上の高温条件で硬化させるときに生じる一時的な粘
度低下(硬化前における粘度低下)の程度が小さい。従
って、当該樹脂組成物が注入された金型が振動を受け
て、形成されるバッキング層の厚みが不均一なものとな
ったり、タフテッドシートの表面に植設されたパイルの
隙間に当該樹脂組成物が含浸されて、得られるマットの
表面状態や手触り感を損ねたりするようなことはない。
【0046】<本発明の製造方法>本発明の製造方法
は、タフテッドシートの裏面にバッキング層が形成され
てなるマットを製造する方法であって、(1)本発明の
樹脂組成物を金型に注入して材料層を形成する工程と、
(2)この材料層の上にタフテッドシートを載置する工
程と、(3)前記材料層と前記タフテッドシートとの積
層体を加熱処理することにより、当該材料層を硬化させ
てバッキング層を形成するとともに、当該バッキング層
を、当該タフテッドシートの裏面に接着させる工程とを
含む。
【0047】図1は、本発明の製造方法に使用するマッ
トの製造装置の一例を示す説明図である。同図におい
て、10はベルトコンベア装置であり、このベルトコン
ベア装置10は、連続的または間欠的に回転移動する無
端ベルト11と、この無端ベルト11を回転移動させる
ためのローラ12,13とを備えている。無端ベルト1
1には、その全周にわたり、図2に示すような断面形状
を有する金型20が装着されている。30は、金型20
のキャビティ(凹部)21内に樹脂組成物を注入して材
料層を形成するための樹脂注入装置である。40は、樹
脂組成物からなる材料層の上にタフテッドシートを載置
するためのシート供給載置装置であり、タフテッドシー
トSの保持部41と、タフテッドシートSを保持部41
から材料層の上方まで搬送する無端ベルト42とを有し
ている。50は加熱炉、60は製品回収容器である。
【0048】図1に示す製造装置により、下記のように
してマットが製造される。矢印方向に移動する無端ベル
ト11によって樹脂注入装置30の配置ゾーンに到達し
た金型20のキャビティ21に、当該樹脂注入装置30
から本発明の樹脂組成物が注入されて材料層(未硬化樹
脂層)が形成される。ここに、好適な流動性を有してい
る本発明の樹脂組成物によれば、厚みの均一な材料層を
確実に形成することができる。また、当該樹脂組成物
は、液切れの良好なものであるので、当該樹脂組成物が
キャビティ21以外の領域に付着するようなことはな
い。
【0049】次いで、この金型20がシート供給載置装
置40(無端ベルト42)の配置ゾーンに到達すると、
形成された材料層の上に、タフテッドシートSが載置さ
れ、材料層(未硬化樹脂層)とタフテッドシートSとの
積層体が得られる。タフテッドシートSは、パイルを基
布に植設してなるものである。基布およびパイルは、加
熱処理温度によっても軟化・融解しない材料からなるこ
とが必要である。ここに、基布の構成材料(繊維)とし
ては、ポリエステル繊維などを挙げることができる。ま
た、パイルの構成材料(繊維)としては、基布とは別途
加工されたポリエステル系繊維などを挙げることができ
る。
【0050】次いで、この金型20が加熱炉50内を通
過し、この間に、前記積層体の加熱処理が施される。加
熱温度としては、材料層(樹脂組成物)を構成する
(A)ブロックイソシアネートのブロック剤が解離して
イソシアネート基が再生し、(B)活性水素含有化合物
との硬化反応が生じる温度であることが必要である。ま
た、ブロック剤の解離反応および硬化反応を効率的に行
う観点から、金型20は、熱伝導性に優れた材料によ
り、可能な限り薄肉に作製されたものであることが好ま
しい。ここに、加熱処理条件としては、160〜240
℃の温度で1〜10分間であることが好ましい。加熱処
理により、材料層(樹脂組成物)が硬化してバッキング
層(エラストマー層)が形成されるとともに、このバッ
キング層が、タフテッドシートSに対して強固に接着す
る。これにより、タフテッドシートSの裏面にバッキン
グ層が形成されてなるマットが得られる。そして、硬化
直前における粘度低下の程度が小さい本発明の樹脂組成
物によれば、金型が振動を受けても形成されるバッキン
グ層の厚みが不均一なものとなるようなことはなく、ま
た、当該マットの表面状態が損なわれることもない。
【0051】次いで、加熱炉50内を通過した金型20
が、ローラ12の近傍に到達すると、得られたマット
は、金型20から取り外されて製品回収容器60内に収
容される。ここに、金型20を急冷することにより、マ
ットを容易に取り出すことができる。
【0052】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何等限定
されるものではない。なお、以下の実施例および比較例
において「部」および「%」(バッキング層の厚みの差
を除く)は、それぞれ「質量部」および「質量%」を意
味する。
【0053】<実施例1>下記表1に示す処方に従っ
て、ポリアミン(3,3′−ジメチル−4,4′−ジア
ミノジシクロへキシルメタン)「ラロミンC260」
(BASF製)5.8部と、THPEA(N,N,
N′,N′−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エ
チレンジアミン)3.3部と、TDI系ブロックイソシ
アネート「C−2532」(日本ポリウレタン工業
(株)製)100部とを混合し、次いで、熱分解性発泡
剤(アゾジカーボンアミド)2部と、酸化亜鉛0.5部
と、ステアリン酸亜鉛0.5部とを添加し、更に均一に
混合した。次いで、炭酸カルシウム粉末7部を添加し、
これらの粉末が均一に分散するまで攪拌することによ
り、一液硬化型の樹脂組成物を調製した。
【0054】<実施例2>下記表1に示す処方に従っ
て、熱分解性発泡剤(アゾジカーボンアミド)を添加し
なかったこと以外は実施例1と同様にして、一液硬化型
の樹脂組成物を調製した。
【0055】<実施例3>下記表1に示す処方に従っ
て、ポリアミン5.8部と、THPEA3.3部と、T
DI系ブロックイソシアネート100部とを混合し、次
いで、熱分解性発泡剤(アゾジカーボンアミド)2部
と、酸化亜鉛0.5部と、ステアリン酸亜鉛0.5部と
を添加し、更に均一に混合した。次いで、炭酸カルシウ
ム粉末2部と、シリカ微粉末2部と、ポリウレタン樹脂
粉末「パールセンU−202B」(日本ポリウレタン工
業(株)製)3部とを添加し、これらの粉末が均一に分
散するまで攪拌することにより、一液硬化型の樹脂組成
物を調製した。
【0056】<実施例4>下記表1に示す処方に従っ
て、THPEA7部と、TDI系ブロックイソシアネー
ト100部とを混合し、次いで、熱分解性発泡剤(アゾ
ジカーボンアミド)2部と、酸化亜鉛0.5部と、ステ
アリン酸亜鉛0.5部とを添加し、更に均一に混合し
た。次いで、炭酸カルシウム粉末4部と、ポリウレタン
樹脂粉末3部とを添加し、これらの粉末が均一に分散す
るまで攪拌することにより、一液硬化型の樹脂組成物を
調製した。
【0057】<実施例5>下記表1に示す処方に従っ
て、ポリアミン6.0部と、トリメチロールプロパン
2.2部と、TDI系ブロックイソシアネート100部
とを混合し、次いで、熱分解性発泡剤(アゾジカーボン
アミド)2部と、酸化亜鉛0.5部と、ステアリン酸亜
鉛0.5部とを添加し、更に均一に混合した。次いで、
炭酸カルシウム粉末4部と、ポリウレタン樹脂粉末3部
とを添加し、これらの粉末が均一に分散するまで攪拌す
ることにより、一液硬化型の樹脂組成物を調製した。
【0058】<実施例6>下記表1に示す処方に従っ
て、ポリアミン5.8部と、THPEA3.3部と、T
DI系ブロックイソシアネート100部とを混合し、次
いで、熱分解性発泡剤(アゾジカーボンアミド)2部
と、酸化亜鉛0.5部と、ステアリン酸亜鉛0.5部と
を添加し、更に均一に混合した。次いで、ポリウレタン
樹脂粉末7部を添加し、これらの粉末が均一に分散する
まで攪拌することにより、一液硬化型の樹脂組成物を調
製した。
【0059】<比較例1>下記表1に示す処方に従っ
て、炭酸カルシウム粉末を添加しなかったこと以外は実
施例1と同様にして、比較用の一液硬化型の樹脂組成物
を調製した。
【0060】上記のようにして得られた樹脂組成物の各
々について、粘度(25℃,80℃)を測定した。結果
を表1に併せて示す。
【0061】<マットの製造>図1に示したような構成
の製造装置を使用し、実施例1〜6および比較例1によ
り得られた一液硬化型の樹脂組成物の各々を金型(2
0)に注入して材料層(170mm×460mm×2m
m)を形成し、この材料層の上に、ポリエステル繊維か
らなるタフテッドシート(S)を載置し、当該材料層と
当該タフテッドシート(S)との積層体を、加熱炉50
内を通過させて加熱処理(180℃×5分間)すること
により、当該材料層を硬化させてバッキング層を形成す
るとともに、当該バッキング層を、当該タフテッドシー
ト(S)の裏面に接着させてマットを製造した。
【0062】<比較例2>一方、樹脂注入装置を二液の
混合機構を備えたものに交換して製造装置を改造し、当
該製造装置を使用して、二液硬化型のウレタン系樹脂組
成物の市販品である「コロネートT−65」(日本ポリ
ウレタン工業(株)製のTDI系イソシアネート)と、
「ニッポラン4032」(日本ポリウレタン工業(株)
製の活性水素含有化合物)との混合物を、上記の樹脂注
入装置から金型(20)に注入して材料層(170mm
×460mm×2mm)を形成し、この材料層の上に、
ポリエステル繊維からなるタフテッドシート(S)を載
置し、当該材料層と当該タフテッドシート(S)との積
層体を、加熱炉50内を通過させて加熱処理(180℃
×5分間)することにより、無触媒下に、NCO基/活
性水素基のモル比が1.0となる割合で反応(材料層を
硬化)させてバッキング層を形成するとともに、当該バ
ッキング層をタフテッドシート(S)の裏面に接着させ
てマットを製造した。得られたマットは表面状態および
手触り感の劣悪なものであった。これは、硬化反応の速
度が過小であったために、タフテッドシート(S)の表
面に植設されたパイルの隙間に多量の樹脂組成物が含浸
されて、パイル自身が硬化樹脂で固結された状態になっ
てしまったからである。さらに、当該二液硬化型のウレ
タン系樹脂組成物(「コロネートT−65」と「ニッポ
ラン4032」との合計量)100部に対して、トリエ
チレンジアミン(触媒)を0.7部の割合で導入したも
のを使用して、上記と同様にしてマットを製造した。得
られたマットは、タフテッドシートの裏面に対するバッ
キング層の接着力がきわめて低いものであった。これ
は、硬化反応の速度が過大であり、タフテッドシート
(S)を材料層上に載置する前に、樹脂組成物の硬化反
応が実質的に完了してしまったからであると考えられ
る。
【0063】以上の製造過程(実施例および比較例に係
る樹脂組成物による製造過程)の各々において、樹脂注
入装置から吐出させた樹脂組成物の液切れ不良に起因し
て、当該樹脂組成物がキャビティ以外の領域に付着して
周囲を汚染したか否かを観察した。結果を表1に併せて
示す。
【0064】<マットの評価>上記のようにして得られ
たマットの各々について、バッキング層の厚みの均一
性、タフテッドシートの表面状態を評価した。これらの
評価基準は下記のとおりであり、「△」〜「×」の評価
がなされたものは、加熱処理の際の樹脂組成物の粘度低
下が大きかったものと解される。結果を表1に併せて示
す。
【0065】(バッキング層の厚みの均一性) 「○」:厚みの差が10%以下である。 「△」:厚みの差が10%を超え、20%以下である。 「×」:厚みの差が20%を超えている。
【0066】(タフテッドシートの表面状態) 「○」:シート表面に植設されたパイルの隙間への樹脂
組成物の含浸が認められない。 「△」:シート表面に植設されたパイルの隙間への樹脂
組成物の含浸が僅かに認めらる。 「×」:シート表面に植設されたパイルの隙間への樹脂
組成物の含浸が顕著に(パイルが硬化樹脂により固結さ
れた状態)認められ、表面状態および手触り感が損なわ
れている。
【0067】さらに、実施例1〜実施例6に係る樹脂組
成物により得られたマットの各々について、JIS K
7312に準拠してバッキング層の物性を測定した。
結果を下記表2に示す。
【0068】
【表1】
【0069】*1:「C−2532」(日本ポリウレタ
ン工業(株)製),〔TDIとポリオキシアルキレング
リコールから得られるイソシアネート基末端プレポリマ
ー(イソシアネート基の含有量:4.6%)をε−カプ
ロラクタムでブロック(ブロック化率=100%)し
た、粘度60,000mPa・s(25℃)のブロック
イソシアネート〕 有効イソシアネート含量=4.1%. *2:3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジシク
ロへキシルメタン,「ラロミンC−260」(BASF
製), 官能基数=2,分子量=238. *3:N,N,N′,N′−テトラキス(2−ヒドロキ
シプロピル)エチレンジアミン. *4:三共精粉(株)製 ,平均粒径=30μm. *5:「ニップジェルAZ200」(日本シリカ(株)
製),平均粒径=2.5μm *6:熱可塑性ポリウレタン樹脂パウダー「パールセン
U−202B」(日本ポリウレタン工業(株)製),平
均粒径=100μm.
【0070】
【表2】
【0071】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物によれば、第1液と
第2液の混合機構などを要しない簡単な構成の製造装置
により、タフテッドシートの裏面に、ポリウレタンエラ
ストマーからなる均一な厚みのバッキング層を強固に接
着させてマットを製造することができる。本発明の樹脂
組成物は、液切れの良好なものであり、金型のキャビテ
ィ以外の領域に付着して当該領域を汚染するようなこと
はない。本発明の樹脂組成物は、高温条件で硬化させる
際の一時的な粘度低下の程度が小さいので、当該樹脂組
成物が注入されている金型が振動を受けても、形成され
るバッキング層の厚みが不均一なものとなるようなこと
はなく、また、当該マットの表面状態や感触が損なわれ
ることもない。本発明の製造方法によれば、タフテッド
シートに対する接着性が良好で、厚みの均一なポリウレ
タンエラストマーからなるバッキング層が形成されてな
るマットを簡単な構成の装置により容易に製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に使用するマットの製造装置
の一例を示す説明図である。
【図2】図1に示す製造装置を構成する金型の断面図で
ある。
【符号の説明】
10 ベルトコンベア装置 11 無端ベルト 12,13 ローラ 20 金型 21 キャビティ 30 樹脂注入装置 40 シート供給載置装置 41 タフテッドシートの保持部 42 無端ベルト 50 加熱炉 60 製品回収容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 75/04 C08L 75/04 101/00 101/00 // B29K 75:00 B29K 75:00 B29L 9:00 B29L 9:00 Fターム(参考) 4F100 AA01B AK01B AK41 AK51B AT00A BA02 BA07 DE01B EC182 EJ082 EJ422 GB90 JB12B JL02 YY00B 4F204 AA42L AA45 AB02 AB16 AB19 AB24 AD16 AG03 AG20 AH51 EA01 EA03 EA04 EB01 EB13 EE02 EF02 EK04 EK13 EK17 EK24 4J002 CK021 DE236 DG046 DJ006 DJ016 DJ036 FD016 GJ01 4J034 CA15 CB03 CB07 CC03 CC07 CC08 CC26 CC45 CC52 CC61 CC62 CC65 DA01 DA03 DB04 DB07 DG02 DG03 DG04 DG05 DG06 DG08 HA01 HA07 HC03 HC12 HC13 HC22 HC52 HC61 HC64 HC71 HC73 HD04 HD12 HD15 MA03 MA04 MA24 QB12 QC03 RA08 RA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マットのバッキング層を形成するために
    使用される樹脂組成物であって、(A)ブロックイソシ
    アネート、(B)二官能以上の活性水素含有化合物、
    (C)平均粒径が250μm以下の粉末を含有する、常
    温において液状の一液硬化型の樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記(C)粉末が、(C1)無機粉末か
    らなることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記(C)粉末が、(C1)無機粉末
    と、(C2)有機粉末とからなることを特徴とする請求
    項1に記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記(C1)無機粉末の平均粒径が40
    μm未満であり、前記(C2)有機粉末の平均粒径が4
    0〜250μmであることを特徴とする請求項3に記載
    の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 タフテッドシートの裏面にバッキング層
    が形成されてなるマットを製造する方法であって、下記
    の工程を含むことを特徴とするマットの製造方法。 (1)請求項1乃至請求項4の何れかに記載の樹脂組成
    物を金型に注入して材料層を形成する工程。 (2)この材料層の上にタフテッドシートを載置する工
    程。 (3)前記材料層と前記タフテッドシートとの積層体を
    加熱処理することにより、当該材料層を硬化させてバッ
    キング層を形成するとともに、当該バッキング層を、当
    該タフテッドシートの裏面に接着させる工程。
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