JP4559291B2 - 干渉信号増幅装置 - Google Patents

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Description

本発明は、干渉信号増幅装置および方法に関し、特に、光を分光し干渉させて得られた干渉信号の強度を増幅させる干渉信号増幅装置および方法に関する。
近年の可視・近赤外波長領域の極短パルスレーザ技術によって、パルスの半値全幅(パルス幅)が例えば10fs以下という、光の振動時間に極めて近い極短光パルスを容易に発生できるようになってきた。このような極短光パルスは、そのパルス幅の中に光の電界振動を2〜3周期しか含んでおらず、「数サイクルパルス」と呼ばれている。例えば、この数サイクルパルス発生に典型的に用いられるチタン・サファイアレーザでは、その中心波長がおよそ800nmであり、振動周期が2.7fsになるので、パルス幅5fsの光パルスを仮定すると、図4に示すように、極短光パルスはそのパルス幅中に電界振動をおよそ2周期しか含まない。
このような数サイクルパルスにおいては、パルス幅中の電界振動の位相がその光パルスを特徴付ける重要なパラメータとなってくる。この位相は、光搬送波絶対位相と呼ばれ、光パルスの電界(光搬送波電界)をE(t)=A(t)cos(ωt−ΔφCE)とした場合に、位相角ΔφCEで定義される。ここで、ωは電界振動の角周波数、tは時間、A(t)は時間0に尖頭値をとる電界振動の包絡線関数を表す。図4にω=2.35×1015[Hz]、ΔφCE=π/2[rad]、A(t)=sech(1.7627t/Δτ)を仮定した場合(Δτ=5[fs]はパルス幅)の光パルスの電界を示す。この場合、包絡線のピークと電界振動のピークとが、ΔφCE/ω[s]の時間だけずれていることがわかる。
また、レーザパルスを出射するモード同期レーザ発振器内では通常、屈折率変化を生じ、パルス間で光搬送波絶対位相ΔφCEに揺らぎが生じる。パルス間ごとの光搬送絶対位相ΔφCEの変化量は、光搬送絶対位相オフセットと呼ばれている。隣り合うパルスにおいて、包絡線のピーク間の時間幅をtとすると、図5に示すレーザパルスに含まれる縦モードのモード間隔(繰り返し周波数)frepとtとの間に式(1)のような関係がある。
rep=1/t …(1)
また、任意の縦モードの周波数fnは、式(2)で表される。
n=n×frep+δ …(2)
ここで、nは任意の整数である。また、δは光搬送絶対位相オフセット周波数であり、光搬送波絶対位相オフセットをΔφとすると、式(3)で表される。
δ=(Δφ/2π)×frep …(3)
したがって、レーザパルス内の光搬送波絶対位相オフセットΔφは、光搬送絶対位相オフセット周波数δに比例する。
包絡線のピーク強度を考えると、パルス幅中に多数の電界振動を含む「マルチサイクルパルス」の場合には、光搬送波絶対位相ΔφCEの変化に対するピーク強度の違いは無視できる程に小さいのに対して、数サイクルパルスの場合には、その違いは最大数パーセントにも達し、光電界イオン化などの光非線形現象に大きな影響を与えることになる。また、光非線形現象が起こるタイミングも変化する。数サイクルパルスにおける数fsという時間スケールにおいては、このタイミング変化は決して小さなものではない。したがって、光非線形現象に対する極短光パルスの利用を考えた場合に、長期安定化した光搬送波絶対位相の制御方法を確立することが極めて重要である。
近年、モード同期レーザの光搬送波絶対位相オフセットを安定化させる方法が提案された。以下、その方法について説明する。
モード同期レーザ発振器から出射されたレーザ光の一部をフォトニック結晶ファイバに入射し、フォトニック結晶ファイバで生じる自己位相変調効果を用いて、帯域1オクターブ以上の白色光を発生させる。この白色光を、周波数F1=m×frep+δ(mは整数)が含まれる長波長成分と、周波数F2=2×m×frep+δが含まれる短波長成分とに分光する。続いて、白色光の長波長成分に含まれる周波数F1の光の第2高調波を発生させる。第2高調波の周波数はF3=2×(m×frep+δ)となる。この周波数F3の光と周波数F2の光とを干渉させ、得られた干渉信号を電気信号に変換する。この電気信号からδ成分だけを取り出し、参照信号と比較する。両者の差分が一定になるように制御回路でモード同期レーザ発振器内の屈折率を制御することにより、光搬送絶対位相オフセットを安定化させることができる(例えば、非特許文献1を参照)。
D.J.Jones, et al., SCIENCE VOL.288, 28 APRIL 2000
現在、一般的な制御回路を用いて光搬送波絶対位相オフセットの安定化を行なうには、干渉信号の強度を30dB以上とする必要がある。
しかし、レーザ光のフォトニック結晶ファイバへの結合効率が悪いため、レーザ発振器からの光のうちオフセット安定化に用いる割合を高くしなければ、30dB以上の干渉信号を得ることはできなかった。オフセット安定化に用いる割合を高くすると、本来の使用目的に使用できるレーザ光の強度が必然的に低下してしまう。
また、ファイバ端面への埃付着などにより、日々、結合効率が下がっていくため、光搬送波絶対位相オフセットを長時間安定させることができなかった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、従来よりも干渉信号の強度を大きくできるようにすることにある。
このような目的を達成するために、本発明に係る干渉信号増幅装置は、帯域1オクターブ以上の光を、所定波長を境界に長波長成分と短波長成分とに分光する第1の分光手段と、第1の分光手段により分光された長波長成分の光をさらにk個(kは2以上の整数)の波長成分に分光するk個の第2の分光手段と、k個の第2の分光手段で分光されたk個の波長成分の光をそれぞれ高調波に波長変換するk個の波長変換手段と、第1の分光手段で分光された短波長成分の光とk個の波長変換手段で波長変換されたk個の波長成分の光とを干渉させた干渉信号を合成する干渉手段と、干渉手段により合成された干渉信号を検出する干渉信号検出手段とを備え、k個の波長変換手段で波長変換されたk個の波長成分の光の中心波長は、それぞれ短波長成分に含まれており、k個の波長変換手段は、干渉信号検出手段により検出された干渉信号の強度が最大となるように波長変換後の中心波長が選択されることを特徴とする。
この際、高調波は、第2高調波または第3高調波または第4高調波であってもよい。
また、上述した干渉信号増幅装置は、k個の第2の分光手段により分光されたそれぞれの波長成分の光が通過する光路毎に光路長を調整する光路長調整手段をさらに備えていてもよい。
また、干渉手段により合成された干渉信号を検出する干渉信号検出手段をさらに備え、光路長調整手段は、干渉信号の強度が最大となるように、光路長を調整することができる
また、上述した干渉信号増幅装置は、光搬送波絶対位相オフセットを含む光パルスを帯域1オクターブ以上の光に変換し、分光手段に出射する広帯域化手段をさらに備えるものであってもよい。
本発明では、帯域1オクターブ以上の光を、所定波長を境界に長波長成分と短波長成分とに分光し、分光された長波長成分の光をさらにk個(kは2以上の整数)の波長成分に分光し、分光されたk個の波長成分の光をそれぞれ高調波に波長変換し、短波長成分の光とk個の波長変換手段で波長変換されたk個の波長成分の光とを干渉させた干渉信号を合成して、この合成された干渉信号を検出し、この際、波長変換されたk個の波長成分の光の中心波長は、それぞれ短波長成分に含まれており、干渉信号の強度が最大となるように波長変換後の中心波長が選択されているものとする。これにより、従来と同じ強度の光を使用して、干渉信号の強度を大きくすることができる。逆に、同じ干渉信号の強度を得るのに必要な光の強度を小さくすることができる。
したがって、本発明を光搬送波絶対位相オフセットの安定化に利用することにより、オフセット安定化に必要な光の強度が小さくなるので、大半の光を本来の使用目的に有効活用することができる。
また、干渉信号の強度が増大した結果、従来よりも長時間、光搬送波絶対位相オフセットを安定化させることが可能となる。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる光搬送波絶対位相オフセット計測装置が適用されたシステムの全体構成を示すブロック図である。
このシステムは、極短パルスレーザ装置1と、白色光発生装置2と、光搬送波絶対位相オフセット計測装置3と、制御回路4とから構成される。
ここで、極短パルスレーザ装置1は、極短パルスレーザ光1aを出射するものである。例えばモード同期発振器で構成される。
白色光発生装置(広帯域化手段)2は、極短パルスレーザ装置1から入射された極短パルスレーザ光1aを1オクターブ以上の帯域を有する白色光2aに変換するものである。例えば、フォトニック結晶ファイバなどで構成され、自己位相変調効果を利用して入射光を広帯域化する。なお、「オクターブ」とは、光の周波数比が2:1となる間隔をいう。
光搬送波絶対位相オフセット計測装置3は、白色光発生装置2から入射された白色光2aを分光し干渉させることにより、極短パルスレーザ光1aの光搬送波絶対位相オフセット周波数δを示す信号を得て、この信号と繰り返し周波数frepを示す参照信号とを比較することにより、光搬送波絶対位相オフセット周波数δの揺らぎを示す制御信号3aを生成するものである。光搬送波絶対位相オフセット計測装置3の具体的な構成については、後述する。
制御回路4は、光搬送波絶対位相オフセット計測装置3から入力された制御信号3aに基づき、光搬送波絶対位相オフセット周波数δが一定になるように、極短パルスレーザ装置1内の屈折率を調整する。例えば、音響変調素子(AOM)を用いて励起光源の強度変調を行い、極短パルスレーザ装置1内の屈折率を調整する。
これにより、光搬送波絶対位相オフセットを安定化させることができる。例えば、光搬送波絶対位相オフセット周波数δが繰り返し周波数frepの4分の1となるようにすれば、式(3)から光搬送波絶対位相オフセットΔφがπ/2となるので、4個おきのパルス同士が同じ包絡線と光搬送波電界との関係を持つことができる。
次に、光搬送波絶対位相オフセット計測装置3の構成について説明する。図2は、本装置3の一構成例を示す図である。
本装置3は、帯域1オクターブ以上の白色光2aを3以上の波長成分に分光し、最も短い波長成分の光を除く2以上の波長成分の光を高調波に波長変換した後、最も短い波長成分の光と干渉させ、干渉信号を合成することにより、干渉信号の強度を増幅する機能を有する。
具体的には、本装置3は、第1の分光手段としてのミラー11と、第2の分光手段を構成するk個(kは2以上の整数)のミラー121〜12kと、光路長調整手段を構成するk個の光路長調整器131〜13kと、k個の集光用レンズ141〜14kと、波長変換手段を構成するk個の第2高調波発生器151〜15kと、k個のコリメート用レンズ161〜16kと、1/2波長板17およびk個の1/2波長板171〜17kと、ミラー18と、k個の偏光ビームスプリッタ191〜19kと、干渉手段としての偏光子20と、干渉信号検出器21と、参照信号検出器22と、制御信号生成回路23とから構成される。
ミラー11は、白色光発生装置2から入射される帯域1オクターブ以上の白色光2aを、短波長成分と長波長成分とに分光する。より具体的に言えば、ミラー11は、白色光2aの短波長成分を反射し、長波長成分を透過させる鏡である。ここでは、反射波長と透過波長との境界を、白色光2aのスペクトル帯域の中心波長とする。例えば、白色光2aのスペクトル帯域が400−1200nmの場合には、400−800nmの短波長成分を反射し、800−1200nmの長波長成分を透過させる。ミラー11としては、例えばダイクロイックミラーを用いることができる。なお、ミラー11の反射波長および透過波長は、白色光2aのスペクトル、ミラー11の反射率および透過率、後述する干渉信号検出器21の波長感度特性などを考慮して決定される。
ミラー121〜12kは、ミラー11を透過した長波長成分の光をさらにk個の波長成分に分光する。より具体的に言えば、ミラー121〜12kのそれぞれは、長波長成分を反射し、短波長成分を透過させる鏡である。ただし、反射波長と透過波長との境界が、初段のミラー121から最終段のミラー12kに向かって所定波長ずつシフトしていくものとする。白色光2aのスペクトル帯域が400−1200nmの場合には、例えば、初段のミラー121の境界波長を1170nm、次段のミラー122の境界波長を1140nm、というように境界波長を30nmずつシフトさせ、最終段のミラー122の境界波長を830nmとする。これにより、ミラー121〜12kの反射領域の下限が30nmずつシフトしていき、ミラー11を透過した長波長成分の光がさらに30nmずつ分光される。ミラー121〜12kとしては、例えばダイクロイックミラー、ノッチフィルターなどを用いることができる。ノッチフィルターとは、ある波長域のみを反射させ、それ以外の波長域を透過させるフィルターである。
光路長調整器131〜13kは、ミラー121〜12kにより分光されたそれぞれの波長成分の光が通過するk個の光路上に配置され、それぞれの光路の光路長を調整する。
第2高調波発生器151〜15kは、ミラー121〜12kにより分光されたそれぞれの波長成分の光を第2高調波に波長変換する。よって、第2高調波発生器151〜15kは波長変換器として機能する。第2高調波発生器151〜15kのそれぞれについて、波長変換された第2高調波の強度が最大となる波長を、その第2高調波発生器の中心波長と呼ぶ。第2高調波発生器151〜15kとしては、それぞれの中心波長が、ミラー11により分光された白色光2aの短波長成分に含まれるものを用いる。第2高調波発生器151〜15kとしては、例えばBBO結晶(バリウムボーレート結晶)を用いることができる。
第2高調波発生器151〜15kの前段にはそれぞれ集光用レンズ141〜14kが配置され、後段にはそれぞれコリメート用レンズ161〜16kが配置されている。
1/2波長板17は、ミラー11により分光された白色光2aの短波長成分の光の直線偏光をP偏光に回転させる。
一方、1/2波長板171〜17kは、ミラー121〜12kにより分光されたそれぞれの波長成分の第2高調波の光の直線偏光をS偏光に回転させる。
ミラー18は、ミラー11により分光された白色光2aの短波長成分の光を全反射する鏡である。
偏光ビームスプリッタ191〜19kは、P偏光の光を透過し、S偏光の光を反射する素子である。ミラー11により分光された白色光2aの短波長成分の光は、P偏光であるから偏光ビームスプリッタ191〜19kを透過し、ミラー121〜12kにより分光されたそれぞれの波長成分の第2高調波の光は、S偏光であるから偏光ビームスプリッタ191〜19kで反射されることになる。
偏光子20は、入射されたP偏光の光およびS偏光の光の同一の偏光成分を通過させる。これにより、ミラー121により分光された波長成分の第2高調波の光は、ミラー11により分光された白色光2aの短波長成分の中の近い波長成分と干渉する。その他のミラー122〜12kにより分光された波長成分の第2高調波の光についても同様である。なお、偏光子20を通過する偏光成分は、後述する干渉信号検出器21により検出される干渉信号の強度が最大となるように選択される。
干渉信号検出器21は、各波長成分の干渉によって得られた干渉信号を合成したものを検出し、電気信号に変換する。干渉信号検出器21としては、例えばフォトダイオードや光電子倍増管などを用いることができる。
参照信号検出器22は、ミラー12kにより分光された波長成分の第2高調波の光から繰り返し周波数frepを検出し、繰り返し周波数frepを示す電気信号を参照信号として出力する。なお、参照信号検出器22は、他のミラー121〜12k-1により分光された波長成分の第2高調波の光から繰り返し周波数frepを検出するようにしてもよい。
制御信号生成回路23は、干渉信号に基づく電気信号と参照信号との差分をとり、制御信号3aとして制御回路4に出力する。
次に、光搬送波絶対位相オフセット計測装置3による干渉信号の増幅原理について説明する。
レーザパルスに含まれる任意の縦モードの周波数fnは、上述したように式(2)で表される。したがって、白色光2aの長波長成分の周波数flは式(4)、短波長成分の周波数fsは式(5)で表すことができる。ただし、l,sは整数であり、l<sである。
l=l×frep+δ …(4)
s=s×frep+δ …(5)
本装置3では、長波長成分の光をさらにk個に分光し、それぞれの波長成分を第2高調波に波長変換する。第2高調波の周波数fl1,fl2,…,flkは、それぞれ式(61)〜式(6k)で表すことができる。ただし、l1,l2,…,lkはlに含まれる整数である。
l1=2×(l1×frep+δ) …(61
l2=2×(l2×frep+δ) …(62

lk=2×(lk×frep+δ) …(6k
このように、第2高調波の光搬送波絶対位相オフセット周波数は、2×δとなる。
白色光2aの帯域は1オクターブ以上あり、その中心波長を境界に長波長成分と短波長成分とに分光したので、短波長成分には2×l1×frep+δ,2×l2×frep+δ,…,2×lk×frep+δの各波長成分が含まれている。
したがって、長波長成分を波長変換した光と短波長成分の光とを重ね合わせることにより、それぞれの波長成分が干渉し、光搬送波絶対位相オフセット周波数δを示す干渉信号を合成したものが検出される。
このように、本装置3では2以上の波長域で干渉させることにより、1つの波長域で干渉させていた従来技術と比較して、干渉信号の強度を増大させることが可能となる。
なお、本装置3では、干渉信号検出器21により検出される干渉信号の強度が最大となるように、光路長調整器131〜13kを用いてそれぞれの光路長を調整することができる。例えば、各波長成分の干渉によって得られる各干渉信号の位相が揃うように光路長を調整する。
同じく、干渉信号検出器21により検出される干渉信号の強度が最大となるように、第2高調波発生器151〜15kの中心波長を選択することができる。例えば、各波長成分の干渉によって得られる各干渉信号の位相が揃うように、中心波長を選択する。
本装置3の構成は、図2に示したものに限られるものではない。
例えば、図2では、白色光2aの短波長成分の光をP偏光とし、すべての偏光ビームスプリッタ191〜19kを透過して、長波長成分の光と合成する構成としたが、図3に示すように、白色光2aの短波長成分の光をS偏光とし、偏光ビームスプリッタ311〜31kの最終段で、長波長成分の光と合成する構成としてもよい。この構成では、短波長成分の光路に直線偏光をS偏光に回転させる1/2波長板32が配置され、長波長成分の各光路に直線偏光をP偏光に回転させる1/2波長板321〜32Kがそれぞれ配置される。符号181〜18kはミラーである。
また、図2では、白色光2aの短波長成分の光がすべての偏光ビームスプリッタ191〜19kを透過し、最終段の偏光ビームスプリッタ19kの後段に配置された偏光子20によって、長波長成分を波長変換した光と干渉する構成としたが、白色光2aの短波長成分をk等分し、それぞれが偏光ビームスプリッタ191〜19kを透過し、偏光ビームスプリッタ191〜19kのそれぞれの後段に配置された偏光子によって、長波長成分を波長変換した光と干渉する構成としてもよい。この場合、偏光子がk個必要となるが、それぞれの偏光子を通過する偏光成分をそれぞれの干渉信号の強度が最大となるよう個別に決定することにより、図2の構成よりも干渉信号の総和をさらに大きくすることができる。
また、図2に示した構成において、干渉信号検出器21で検出された干渉信号の強度を示す信号を光路長調整器131〜13kにフィードバックし、干渉信号の強度が最大となるようにそれぞれの光路の光路長を自動調整することも可能である。
また、図2では、白色光2aの長波長成分を第2高調波に波長変換し、短波長成分と干渉させているが、長波長成分を第3,第4高調波に波長変換したものを干渉させてもよい。すなわち、白色光2aの第N高調波(Nは2以上の整数)に波長変換し、短波長成分と干渉させる構成としてもよい。
さらに、第N高調波に波長変換された光同士を干渉させてもよい。
したがって、白色光2aを3以上の波長成分に分光し、その中の2以上の波長成分の光を第N高調波に波長変換し、波長変換された光と他の波長成分の光(他の波長成分の光は、波長変換された光でも、波長変換されていない光であってもよい)とを2組以上干渉させる構成とすることができる。
次に、本実施の形態に関する計算結果を示す。
ここでは、チタン・サファイアレーザを用い、白色光発生装置2によりスペクトル帯域400nmから1200nmまで等しい強度の光を発生させ、光搬送波絶対位相オフセット計測装置3として図2に示した構成のものを用いた場合について計算した。
[第1例]
第1例では、ミラー11,121〜12kとしてダイクロイックミラーのみを用いるものとした。ダイクロイックミラーの特性は、45度反射で、反射率99.5%、透過率90%である。
ミラー11により、400−800nmを反射させ、800nm以上を透過させる。
続いて、ミラー121により、1170−1200nmを反射、800−1170nmを透過させる。ミラー122により、1140−1170nmを反射、800−1140nmを透過させる。以降のミラー123〜12k-1の反射領域を30nmずつシフトさせていき、最後のミラー12kにより、800−830nmを反射させる。
この構成は、800nm以上の長波長の光に損失が多い。これは、一般的に検出器が長波長側に感度が良いことを考慮している。
この構成を用いた場合には、1つの波長領域のみを干渉させる従来の方法と比較し、干渉信号の強度が約9倍に増加するという結果が得られた。
[第2例]
第2例では、ミラー11としてダイクロイックミラーを用い、ミラー121〜12kとしてノッチフィルターを用いるものとした。ダイクロイックミラーの特性は、45度反射で、反射率99.5%、透過率90%である。ノッチフィルターの特性は、反射率99.5%、透過率70%である。
ミラー11により、400−800nmを反射させ、800nm以上を透過させる。
続いて、ミラー121により、1190−1200nmを反射、800−1190nmを透過させる。ミラー122により、1180−1190nmを反射、800−1180nmを透過させる。以降のミラー123〜12k-1の反射領域を10nmずつシフトさせていき、最後のミラー12kにより、800−810nmを反射させる。
この構成を用いた場合には、従来の方法と比較し、干渉信号の強度が約15倍に増加するという結果が得られた。
なお、チタン・サファイアレーザとは異なる発振波長のモード同期レーザを用いても、干渉信号の強度の増幅は可能である。
本発明は、例えば極短光パルスを用いる分野に利用可能であり、最小限の光で極短光パルスの光搬送波絶対位相オフセットの揺らぎを抑制することができる。
本発明の一実施の形態にかかる光搬送波絶対位相オフセット計測装置が適用されたシステムの全体構成を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態にかかる光搬送波絶対位相オフセット計測装置の一構成例を示す図である。 本発明の一実施の形態にかかる光搬送波絶対位相オフセット計測装置の他の構成例を示す図である。 時間領域における極短光パルスの光搬送波絶対位相を説明する図である。 周波数領域における極短光パルスの光搬送波絶対位相を説明する図である。
符号の説明
1…極短パルスレーザ装置、1a…極短パルスレーザ光、2…白色光発生装置、2a…白色光、3…光搬送波絶対位相オフセット計測装置、3a…制御信号、4…制御回路、11,121〜12k,18,181〜18k…ミラー、131〜13k…光路長調整器、141〜14k…集光用レンズ、151〜15k…第2高調波発生器、161〜16k…コリメート用レンズ、17,171〜17k,32,321〜32k…1/2波長板、191〜19k,311〜31k…偏光ビームスプリッタ、20…偏光子、21…干渉信号検出器、22…参照信号検出器、23…制御信号生成回路。

Claims (5)

  1. 帯域1オクターブ以上の光を、所定波長を境界に長波長成分と短波長成分とに分光する第1の分光手段と、
    前記第1の分光手段により分光された前記長波長成分の光をさらにk個(kは2以上の整数)の波長成分に分光するk個の第2の分光手段と、
    前記k個の第2の分光手段で分光されたk個の波長成分の光をそれぞれ高調波に波長変換するk個の波長変換手段と、
    前記第1の分光手段で分光された前記短波長成分の光と前記k個の波長変換手段で波長変換された前記k個の波長成分の光とを干渉させた干渉信号を合成する干渉手段と
    前記干渉手段により合成された干渉信号を検出する干渉信号検出手段と
    を備え、
    前記k個の波長変換手段で波長変換された前記k個の波長成分の光の中心波長は、それぞれ前記短波長成分に含まれており、前記k個の波長変換手段は、前記干渉信号検出手段により検出された前記干渉信号の強度が最大となるように波長変換後の中心波長が選択される
    ことを特徴とする干渉信号増幅装置。
  2. 請求項1に記載の干渉信号増幅装置において、
    前記高調波は、第2高調波または第3高調波または第4高調波である
    ことを特徴とする干渉信号増幅装置。
  3. 請求項1に記載の干渉信号増幅装置において、
    前記k個の第2の分光手段により分光されたそれぞれの波長成分の光が通過する光路毎に光路長を調整する光路長調整手段を備えることを特徴とする干渉信号増幅装置。
  4. 請求項3に記載の干渉信号増幅装置において、
    前記干渉手段により合成された干渉信号を検出する干渉信号検出手段をさらに備え、
    前記光路長調整手段は、前記干渉信号検出手段により検出された前記干渉信号の強度が最大となるように前記光路長を調整することを特徴とする干渉信号増幅装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の干渉信号増幅装置において、
    光搬送波絶対位相オフセットを含む光パルスを前記帯域1オクターブ以上の光に変換し、前記分光手段に出射する広帯域化手段をさらに備えることを特徴とする干渉信号増幅装置。
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