JP6074764B2 - 光周波数コム安定化光源および方法 - Google Patents

光周波数コム安定化光源および方法 Download PDF

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本発明は、光の周波数測定等に用いる光周波数コム安定化光源に関するものである。
近年、モード同期レーザー技術の進展により、電気的方法で測定可能なマイクロ波以下のマイクロ波基準周波数を元に、光の周波数を直接測定する新しい技術が開発された(特許文献1、非特許文献1〜9参照)。モード同期レーザーのパルス列は光周波数コム(Comb)を形成し、レーザー繰り返し周波数frepが光周波数コムのモード間隔になり、隣り合うレーザーパルス間のキャリアエンベロープ位相差Δφが光周波数コムのオフセット光周波数δと一定の関係δ=(Δφ/2π)×frepを持って成りたっている。これにより、レーザー繰り返し周波数frepとキャリアエンベロープ位相差Δφを固定することができれば、光周波数コムの波長を安定化することができ、マイクロ波周波数を光の周波数領域にまでつなぐ周波数基準となるルーラーを実現することが可能となった(非特許文献1参照)。
このような光周波数コムの各モード1本1本の波長は、従来の光源では不可能であった10-13以下という高確度なレベルで制御され、オフセット光周波数及び周波数間隔も独立に制御することができる。これらの特徴により、現在の技術は超精密な波長確度を必要とする光周波数計量に用いられるようになっている。
受動モード同期レーザーはパルスレーザー光を発振することができる。レーザーは、通常、光を増幅する利得媒質と、共振器長がLの共振器とを有する。この共振器の縦モードの共振周波数はC/(2L)(cは光速)の整数倍である。そして、レーザーが発振するレーザー光のスペクトルの幅は非常に狭いが、そのレーザー光のスペクトル幅よりも共振器の共振周波数の間が狭いと、共振器において複数のモード(周波数)で共振する。このとき、各モードの位相を揃える(モード同期)ことにより、繰り返し周波数frep=C/(2L)でレーザー光が強められる。これにより、繰り返し周波数frepのパルスレーザー光が生成される。
このモード同期レーザーにより発振されるパルスレーザー光は、図8のパルス包絡線で示すようなパルスが、時間軸上に等しい時間間隔で並ぶ。図8では、光搬送波電界が変化することによるパルスを、光搬送波電界の包絡線として示し、また、1つのパルスを示している。一方、周波数軸上においては、図9に示すように、等しい周波数間隔frepで櫛状に並ぶ多数のモード(線スペクトル)の集合体となる。このように周波数軸上に櫛状に並ぶレーザー光の集合体は「光周波数コム」と呼ばれる。
一般に、パルス包絡線のピークと光搬送波電界のピークは常に一致しているわけではなく、時間的にシフトしていき、その変化も一定でない。パルス包絡線のピーク間の時間幅をTとし、隣り合うパルスの、包絡線のピークから計った光搬送波電界位相のずれをΔφとすると、得られる光周波数コムのモード間隔frepとTとの間にはfrep=1/Tという関係があり、光周波数コムの各モードのスペクトル周波数はfn=n×frep+δ(但し、nは整数)と表すことができる。ここでオフセット光周波数δは、δ=(Δφ/2π)×frepである。
キャリアエンベロープオフセット(Carrier Envelope Offset、以下、CEO)ロック光周波数コムを生成する光周波数コム安定化光源の一般的な構成を図10に示す。図10において、100は受動モード同期ファイバーレーザー増幅器、101〜104はλ/2波長板、105〜108はレンズ、109は高非線形ファイバ、110〜112はミラー、113はロングパスフィルタ、114はディレイ部、115はバンドパスフィルタ、116はQPM−LNリッジ導波路、117は偏光ビームスプリッタ、118はグランレーザープリズム、119はアバランシェフォトダイオード、120は帰還回路である。
フォトニック結晶ファイバーなどの高非線形ファイバ109は、受動モード同期ファイバーレーザー増幅器100からのレーザー光に自己位相変調を生じさせ、帯域1オクターブ以上の白色光を発生させる。そして、QPM−LNリッジ導波路116により白色光の長波長成分(f1=n×frep+δ)の第2高調波を発生させると、その周波数は、f2=2×(n×frep+δ)となる。また、白色光の短波長成分は、f3=2×n×frep+δと表せる。偏光ビームスプリッタ117によって長波長成分の第2高調波と短波長成分の2つの光を結合して干渉させ、アバランシェフォトダイオード119でそのビート信号(うなり信号)を検出することにより、f2とf3の周波数差f2−f3=δの値を測定することができる。
帰還回路120は、このようにして測定したオフセット光周波数δを外部からのマイクロ波参照周波数と比較して得られるこれらのずれの大きさをもとに、受動モード同期ファイバーレーザー増幅器100の共振器内の非線形分散量(非線形屈折率)にフィードバックをかけることで、光周波数コムのオフセット光周波数δを安定化する。一方、受動モード同期ファイバーレーザー増幅器100の繰り返し周波数frepは、このレーザ光を受光しているフォトダイオードからの繰り返し周波数信号をもとに、受動モード同期レーザーの共振器長にフィードバックをかけることにより、ある有限の範囲内に固定することが可能である。
このように、オフセット光周波数とモード周波数間隔とが一定な光周波数コムを生成する光周波数コム安定化光源が、共振器を備えた受動モード同期レーザーを基本構成として開発されている(特許文献1、非特許文献1〜9参照)。このような超高確度な波長を持つ光周波数コムが受動モード同期レーザー以外のレーザーパルス光源にも適用できれば、超精密分光や次世代コヒーレント通信等の新たな利用分野が飛躍的に広がることが期待できる。
なお、出願人は本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
特願2007−291906号公報
D.J.Jones,S.A.Diddams,J.K.Ranka,A.Stentz,R.S.Windeler,J.L.Hall,andS.T.Cundiff,"Carrier-Envelope Phase Control of Femtosecond Mode-Locked Lasers and Direct Optical Freqency Synthesis",Science,Vol.288,p.635-639,2000 R.Holzwarth,Th.Udem,T.W.Hansch,J.C.Knight,W.J.Wadsworth,and P.St.J.Russel,"Optical Freqency Synthesizer for Precision Spectroscopy",Phys.Rev.Lett.,Vol.85,No.11,p.2264-2267,2000 K.Sugiyama,A.Onae,T.Ikegami,S.N.Slyusarev,F.L.Hong,K.Minoshima,H.Matsumoto,J.C.Knight,W.J.Wadsworth and P.St.J.Russel,"Freqency Control of a Chirped-Mirror-Dispersion-Controlled Mode-Locked Ti:Al2O3 Laser for Comparison between Microwave and Optical Frequencies",Proc.SPIE,Vol.4269,p.95-104,2000 T.R.Schibli,K.Minoshima,F.-L.Hong,H.Inaba,A.Onae,H.Matsumoto,I.Hartl,and M.E.Fermann,"Freqency metrology with a turnkey all-fiber system",Optics Lett.,Vol.29,No.21,p.2467-2469,2004 T.M.Fortier,A.Bartels,and S.A.Diddams,"Octave-spanning Ti:Sapphire laser with a repetition rate>1 GHz for optical freqency measurements and comparisons",Optics.Lett.,Vol.31,No.7,p.1011-1013,2006 I.Hartl,G.Imeshev,M.E.Fermann,C.Langrock,and M.M.Fejer,"Integrated self-referenced freqency-comb laser based on a combination of fiber and waveguide technology",Optics Express,Vol.13,No.17,p.6490-6496,2005 A.Bartles,R.Gibs,M.S.Kirchner,and S.A.Diddams,"Spectrally resolved optical freqency comb from a self-referenced 5 GHz femtosecond laser",Optics Lett.,Vol.32,No.17,p.2553-2555,2007 A.Ishizawa,T.Nishikawa,S.Aozasa,A.Mori,O.Tadanaga,M.Asobe,and H.Nakano,"Demonstration of carrier envelope offset locking with low pulse energy",Opt.Express,Vol.16,No.7,p.4706-4712,2008 D.DingHuan,Z.Li,and X.YuXing,"75-femtosecond all-fiber ultrashort pulse laser",Chinese Science Bulletin,Vol.53,No.13,p.1937-1940,2008
特許文献1、非特許文献1〜9に開示された従来の技術では、自己参照干渉計を用いて超広帯域光におけるCEOビート信号を検出していた。超広帯域光はASE(Amplified Spontaneous Emission)を初めとするインコヒーレントな背景光が広い周波数範囲にわたって重畳している光であり、超広帯域光の発生状態の変化によりCEOビート信号の強度が時間的に揺らぐため、CEOビート信号の検出が困難になるという問題点があった。そのため、光周波数コム安定化可能な光源は受動モード同期レーザー(たとえば、チタンサファイアレーザー、Ybファイバーレーザー、Erファイバーレーザーなど)のみで実現されている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、ASEを初めとする広帯域でインコヒーレントな背景光の信号強度を抑圧することでCEOビート信号の検出感度を向上させて、オフセット光周波数の安定した光周波数コムを実現可能とすることである。
本発明の光周波数コム安定化光源は、レーザーパルスを生成するレーザーパルス生成手段と、このレーザーパルス生成手段により生成されたレーザーパルスの光スペクトル帯域を拡大させる非線形媒質と、この非線形媒質により光スペクトル帯域が拡大された広スペクトル帯域光の長波長成分の第二高調波を発生させる非線形光学結晶と、この非線形光学結晶を通過した広スペクトル帯域光の短波長成分と長波長成分の第二高調波とを分離する偏光ビームスプリッターと、前記広スペクトル帯域光の短波長成分または長波長成分の光路長を調整する時間差調整手段と、前記広スペクトル帯域光の長波長成分の第二高調波と前記広スペクトル帯域光の短波長成分とを合波した後に2分岐する2分岐手段と、この2分岐手段によって2分岐された光を入力とし、ビート信号を検出するバランス受信手段と、このバランス受信手段で検出されたビート信号の周波数と所定の参照周波数とを比較して、前記ビート信号の周波数が前記参照周波数と等しくなるように前記レーザーパルス生成手段を制御する帰還制御手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の光周波数コム安定化光源の1構成例において、前記レーザーパルス生成手段は、所定の繰り返し周波数を有するレーザーパルスを生成する受動モード同期レーザーであり、前記帰還制御手段は、前記受動モード同期レーザーの励起光強度を制御することを特徴とするものである。
また、本発明の光周波数コム安定化光源の1構成例において、前記レーザーパルス生成手段は、連続したレーザ光を発生するCW光源と、このCW光源により生成されたレーザ光を所定の繰り返し周波数で位相変調する位相変調手段と、この位相変調手段により位相変調された前記レーザ光に波長分散を与える波長分散付与手段とを備え、前記帰還制御手段は、前記CW光源の波長を制御することを特徴とするものである。
また、本発明の光周波数コム安定化方法は、レーザーパルス生成手段によりレーザーパルスを生成するレーザーパルス生成ステップと、このレーザーパルス生成ステップで生成したレーザーパルスの光スペクトル帯域を非線形媒質により拡大させる光スペクトル帯域拡大ステップと、この光スペクトル帯域拡大ステップで光スペクトル帯域が拡大された広スペクトル帯域光の長波長成分の第二高調波を非線形光学結晶により発生させる長波長成分高調波発生ステップと、前記広スペクトル帯域光の短波長成分と長波長成分の第二高調波とを偏光ビームスプリッターにより分離する分離ステップと、前記広スペクトル帯域光の短波長成分または長波長成分の光路長を調整する時間差調整ステップと、前記広スペクトル帯域光の長波長成分の第二高調波と前記広スペクトル帯域光の短波長成分とを合波した後に2分岐する2分岐ステップと、この2分岐ステップで2分岐した光を入力とし、ビート信号を検出するバランス受信ステップと、このバランス受信ステップで検出したビート信号の周波数と所定の参照周波数とを比較して、前記ビート信号の周波数が前記参照周波数と等しくなるように前記レーザーパルス生成手段を制御する帰還制御ステップとを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、波長2分岐手段と非線形光学結晶と時間差調整手段と2分岐手段とバランス受信手段とからなるバランス受信光学系を用いた自己参照干渉計を用いることで、非線形媒質から発生する広スペクトル帯域光に含まれるASEを初めとする広帯域でインコヒーレントな背景光を抑圧することができ、CEOビート信号の信号対雑音比を高めて、CEOビート信号の検出感度を向上させることができ、オフセット光周波数の安定した光周波数コムを得ることができる。また、従来技術では、CEOロックは受動モード同期レーザーに光源が限定されていたが、本発明を使用すれば、受動モード同期レーザー以外のレーザーパルス光源を用いて光周波数コムの安定化を実現可能である。
また、本発明では、非線形光学結晶と偏光ビームスプリッターと時間差調整手段と2分岐手段とバランス受信手段とからなるバランス受信光学系を用いた自己参照干渉計を用いることで、非線形媒質から発生する広スペクトル帯域光に含まれるASEを初めとする広帯域でインコヒーレントな背景光を抑圧することができ、CEOビート信号の信号対雑音比を高めて、CEOビート信号の検出感度を向上させることができ、オフセット光周波数の安定した光周波数コムを得ることができる。また、本発明では、受動モード同期レーザー以外のレーザーパルス光源を用いて光周波数コムの安定化を実現可能である。
また、本発明では、波長2分岐手段と第1の非線形光学結晶と第2の非線形光学結晶と時間差調整手段と2分岐手段とバランス受信手段とからなるバランス受信光学系を用いた自己参照干渉計を用いることで、非線形媒質から発生する広スペクトル帯域光に含まれるASEを初めとする広帯域でインコヒーレントな背景光を抑圧することができ、CEOビート信号の信号対雑音比を高めて、CEOビート信号の検出感度を向上させることができ、オフセット光周波数の安定した光周波数コムを得ることができる。また、本発明では、受動モード同期レーザー以外のレーザーパルス光源を用いて光周波数コムの安定化を実現可能である。
また、本発明では、非線形光学結晶と2分岐手段とバランス受信手段とからなるバランス受信光学系を用いたコリニア自己参照干渉計を用いることで、CEOビート信号の検出感度を向上させることができ、オフセット光周波数の安定した光周波数コムを得ることができる。また、本発明では、受動モード同期レーザー以外のレーザーパルス光源を用いて光周波数コムの安定化を実現可能である。さらに、本発明では、非線形媒質を、群速度分散が略零の材料で構成することにより、光周波数コム安定化光源の小型化を実現することができる。
また、本発明では、第1、第2の非線形光学結晶と2分岐手段とバランス受信手段とからなるバランス受信光学系を用いたコリニア自己参照干渉計を用いることで、CEOビート信号の検出感度を向上させることができ、オフセット光周波数の安定した光周波数コムを得ることができる。また、本発明では、受動モード同期レーザー以外のレーザーパルス光源を用いて光周波数コムの安定化を実現可能である。さらに、本発明では、非線形媒質を、群速度分散が略零の材料で構成することにより、光周波数コム安定化光源の小型化を実現することができる。
本発明の第1の参考例に係る光周波数コム安定化光源の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の参考例の自己参照干渉法における強度雑音の抑圧効果を検証する検証実験のための装置構成を示すブロック図である。 従来の自己参照干渉計でのRF信号測定結果およびバランス受信光学系を用いた自己参照干渉計でのRF信号測定結果を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る光周波数コム安定化光源の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第2の参考例に係る光周波数コム安定化光源の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第の参考例に係る光周波数コム安定化光源の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第4の参考例に係る光周波数コム安定化光源の構成の一例を示すブロック図である。 光パルスの時間領域におけるキャリアエンベロープ位相を説明する図である。 光パルスの周波数領域における光周波数コムを説明する図である。 一般的なCEOロック光周波数コムの光学系素子の構成を示すブロック図である。
第1の参考例
以下、図面を参照して本発明の参考例について詳細に説明する。図1は、本発明の第1の参考例に係る、バランス受信光学系を用いた光周波数コム安定化光源の構成の一例を示すブロック図である。この光周波数コム安定化光源は、レーザーパルスを生成するレーザーパルス光源1(レーザーパルス生成手段)と、レーザーパルス光源1により生成されたレーザーパルスの光スペクトル帯域を拡大させる非線形媒質2と、非線形媒質2により光スペクトル帯域が拡大された広スペクトル帯域光を長波長成分と短波長成分に波長2分岐する波長2分岐手段3と、広スペクトル帯域光の長波長成分の第二高調波を発生させる非線形光学結晶4と、広スペクトル帯域光の短波長成分の光路長を調整する時間差調整手段5と、非線形光学結晶4から出力された広スペクトル帯域光の長波長成分の第二高調波と時間差調整手段5から出力された広スペクトル帯域光の短波長成分とを合波した後に2分岐する2分岐手段6と、2分岐手段6によって2分岐された光を入力とし、ビート信号を検出するバランス受信器7(バランス受信手段)と、バランス受信器7で検出されたビート信号の周波数と所定の参照周波数とを比較して、ビート信号の周波数が参照周波数と等しくなるようにレーザーパルス光源1を制御する帰還回路8(帰還制御手段)とから構成される。
レーザーパルス光源1は、所定の繰り返し周波数frepを有するレーザーパルスを出力する手段である。レーザーパルス光源1としては、例えば受動モード同期ファイバーレーザー発振器がある。また、CW光源と位相変調部とマイクロ波基準周波数発生器と波長分散付与部とを用い、マイクロ波基準周波数発生器から繰り返し周波数frepの繰り返し基準信号を位相変調部に供給し、CW光源からのCW光を位相変調部により繰り返し周波数frepで位相変調し、この位相変調したCW光に波長分散付与部で適切な波長分散を与えて繰り返し周波数frepの光パルス列に変換することで、レーザーパルスを発生するレーザーパルス光源1を実現するようにしてもよい(特許文献1参照)。
レーザーパルス光源1により生成されたレーザーパルスは、非線形媒質2へ入力される。非線形媒質2は、レーザーパルスの光スペクトル帯域を拡大させた広スペクトル帯域光を発生させる。非線形媒質2として、非線形感受率の大きい材料を使用すれば、高効率に所望の広スペクトル帯域光を発生でき、光周波数コム安定化に必要となるレーザーパルス光源1からの供給エネルギーの最低閾値を低く抑制することが可能である。このような非線形媒質2としては、例えば石英フォトニック結晶ファイバー、テルライトフォトニック結晶ファイバー、高非線形性ファイバー等がある。
非線形媒質2を光伝搬することにより発生する広スペクトル帯域光には、ASEを初めとするインコヒーレントな背景光が重畳されており、この背景光は時間的に揺らいでいる。この背景光の存在は、CEOビート信号を検出する際に信号対雑音比が低い原因となる。広スペクトル帯域光を自己参照干渉計に入力し、そのうなり信号を検出することにより光周波数コムのCEO信号を測定することができる。
自己参照干渉計は、広スペクトル帯域光の帯域幅によって構成が異なる。例えば、広スペクトル帯域光の帯域が1オクターブ以上のときには、長波長成分の第二高調波と短波長成分の基本波とを干渉させるf‐2f干渉法あるいは差周波発生法によってCEOビート信号検出が可能である。一方、広スペクトル帯域光の帯域が1オクターブ未満のときには、長波長成分の第三高調波と短波長成分の第二高調波とを干渉させる2f−3f干渉法などが有効である。
図1は広スペクトル帯域光の帯域が1オクターブ以上のときでf−2f干渉法を用いてCEOビート信号を検出する構成例を示している。波長2分岐手段3と非線形光学結晶4と時間差調整手段5と2分岐手段6とバランス受信機7とは、自己参照干渉計を構成している。
波長2分岐手段3は、1オクターブ帯域以上の広スペクトル帯域光を長波長成分と短波長成分の2つの光に波長2分岐する。波長2分岐手段3としては、例えばダイクロイックビームスプリッター、ロングパスフィルター、ショートパスフィルター、ノッチフィルターなどがある。
広スペクトル帯域光の長波長成分は非線形光学結晶4に入力される。非線形光学結晶4は、長波長成分の第二高調波を発生させる。非線形光学結晶4としては、例えばBBO結晶、LN導波路などがある。
広スペクトル帯域光の短波長成分は時間差調整手段5に入力される。時間差調整手段5は、波長2分岐手段3から2分岐手段6までの長波長成分の光路長と波長2分岐手段3から2分岐手段6までの短波長成分の光路長とが等しくなるように短波長成分の光路長を調整することで、長波長成分の第二高調波と短波長成分との光路長差を調整する。
2分岐手段6は、非線形光学結晶4から出力された広スペクトル帯域光の長波長成分の第二高調波と時間差調整手段5から出力された広スペクトル帯域光の短波長成分とを合波した後に2分岐する。2分岐手段6としては、ビームスプリッターや光カプラーなどがある。
バランス受信機7は、2分岐手段6によって2分岐された光を入力とし、CEOビート信号(うなり信号)を検出する。バランス受信機7は、2分岐手段6によって2分岐された光のうち一方の光を受光するフォトダイオード(以下、PD)70と他方の光を受光するPD71とからなり、PD70の光電流出力とPD71の光電流出力との差をビート信号として出力するようになっている。広スペクトル帯域光の長波長成分f1の第2高調波の周波数をf2、広スペクトル帯域光の短波長成分の周波数をf3とすると、そのビート信号の周波数、すなわちオフセット光周波数δはδ=f2−f3となる。こうして、ビート信号を検出することにより、オフセット光周波数δの値を測定することができる。
バランス受信機7によるバランス型検出を有効にするためには、2つのPD70,PD71のお互いの光電流出力が相殺されるように(すなわち、PD70の光電流出力の平均値とPD71の光電流出力の平均値との差が最小になるように)、PD70,PD71に入力される光のパワーを予め調整しておく必要がある。
このような光パワーの強度バランス調整を行うためには、2分岐手段6の直前の2光路のうちの少なくとも一方、あるいは2分岐手段6の直後の2光路のうちの少なくとも一方にNDフィルター等を設けるようにすればよい。また、2分岐手段6として偏光ビームスプリッターを使用する場合には、2分岐手段6の直前の2光路に波長板を配置することで、PD70,PD71に入力される光のパワーを調整することも可能である。この光パワーの調整により、ASEを初めとする背景光の信号強度を抑圧することができ、大きなDC信号上の小さな信号変動を検出できる点で有効である。
帰還回路8は、バランス受信機7で検出されたビート信号の周波数(オフセット光周波数δ)と外部から入力されるマイクロ波参照周波数(たとえばGPS信号の周波数)とを比較し、オフセット光周波数δがマイクロ波参照周波数と等しくなるようにレーザーパルス光源1を制御する。こうして、オフセット光周波数δが安定した状態で、レーザーパルス光源1から光周波数コムを得ることができる。
レーザーパルス光源1が受動モード同期レーザーの場合、帰還回路8は、受動モード同期レーザーの励起光強度を制御すればよい。また、レーザーパルス光源1がCW光源と位相変調部とマイクロ波基準周波数発生器と波長分散付与部とからなる場合(特許文献1参照)、帰還回路8は、CW光源の波長を制御すればよい。CW光源の波長制御は、例えばCW光源の注入電流あるいはCW光源の温度を変化させることにより安定化制御可能である。
発明者は、超広帯域光に重畳しているASEを初めとする広帯域でインコヒーレントな背景光が同相モードとして振る舞うという知見を得た。そこで、本参考例では、同相モード成分を相殺するためにバランス受信光学系を導入した自己参照干渉計を用いることで、超広帯域光に含まれるASEを初めとする広帯域でインコヒーレントな背景光を相殺することができ、CEOビート信号の信号対雑音比を高めて、CEOビート信号の検出感度を向上させることができ、オフセット光周波数の安定した光周波数コムを得ることができる。また、本参考例では、受動モード同期レーザー以外のレーザーパルス光源を用いて光周波数コムの安定化を実現可能である。
図2は、本参考例の自己参照干渉法における強度雑音の抑圧効果を検証する検証実験のための装置構成を示すブロック図である。ここでは、レーザーパルス光源1として、CW光源と位相変調部とマイクロ波基準周波数発生器と波長分散付与部とからなる構成を用いる(特許文献1参照)。マイクロ波基準周波数発生器から繰り返し周波数25GHzの繰り返し基準信号を位相変調部に供給し、CW光源からのCW光を位相変調部により繰り返し周波数25GHzで位相変調し、この位相変調したCW光に波長分散付与部で適切な波長分散を与えることで、繰り返し周波数25GHzの光パルス列を発生させる。繰り返し周波数25GHzの光パルス列を繰り返し周波数1GHzの光パルス列に低減した後、非線形媒質2により広スペクトル帯域光を発生させる。ここでは、非線形媒質2としてテルライトフォトニック結晶ファイバーを用いた。
広スペクトル帯域光がバンドパスフィルター9を通過することにより、ビート信号計測時の波長が選択される。本検証実験では、広スペクトル帯域光とCW波長可変光源10からのCW光との干渉計測を行う。2分岐手段6は、バンドパルスフィルター9で波長選択された繰り返し周波数1GHzの光パルス列とCW波長可変光源10からのCW光とを合波した後に2分岐する。本検証実験では、2分岐手段6としてビームスプリッターを用いている。バランス受信機7は、2分岐手段6によって2分岐された光を入力とし、CEOビート信号を検出する。
図3(A)、図3(B)はスペクトルアナライザーを使用してバランス受信機7の信号出力を測定した結果を示す図である。図3(A)、図3(B)における1GHz付近の信号は、広スペクトル帯域光の繰り返し光パルス列の信号を示している。図3(A)は図2に示した構成において2分岐手段6からバランス受信機7へ入力する2系統の光のうち一方の光のみをバランス受信機7へ入力した場合、つまり、従来の自己参照干渉計を用いた場合の測定結果を示している。この場合、広スペクトル帯域光の雑音強度が大きいため、DC成分と繰り返し信号(1GHz)の周波数に存在するビート信号を観測することができない。
一方、図3(B)は図2に示した構成における測定結果を示している。図3(B)の例では、0.35GHz付近の信号がCEOビート信号、0.65GHz付近の信号が1GHzの繰り返し周波数とCEOビート信号との差の周波数の干渉信号である。図3(B)によれば、バランス受信機7によって広スペクトル帯域光の背景光の強度が17dB抑圧された結果、CEOビート信号が観測できることが分かる。なお、背景光強度の抑圧比は、受信回路や光学回路によって変化する。図2の構成を用いた検証実験の結果から、本参考例のようにバランス受信光学系を用いて自己参照干渉計測を行うようにすれば、雑音強度が大きいことが原因でCEOビート信号検出が困難な場合に有効であることが分かる。
なお、本参考例では、時間差調整手段5によって短波長成分の光路長を調整しているが、これに限るものではなく、時間差調整手段5は、波長2分岐手段3から2分岐手段6までの長波長成分の光路長と波長2分岐手段3から2分岐手段6までの短波長成分の光路長とが等しくなるように長波長成分の光路長を調整してもよい。この場合、時間差調整手段5を、波長2分岐手段3と非線形光学結晶4との間に設けてもよいし、非線形光学結晶4と2分岐手段6との間に設けてもよい。
第1の実施の形態
次に、本発明の第1の実施の形態について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態に係る、バランス受信光学系を用いた光周波数コム安定化光源の構成の一例を示すブロック図であり、図1と同様の構成には同一の符号を付してある。レーザーパルス光源1と非線形媒質2については第1の参考例で説明したとおりである。非線形光学結晶11と偏光ビームスプリッター12と時間差調整手段5と2分岐手段6とバランス受信機7とは、自己参照干渉計を構成している。
非線形光学結晶11は、非線形媒質2から出力された1オクターブ以上の広スペクトル帯域光の長波長成分の第二高調波を発生させる。広スペクトル帯域光の短波長成分の偏光方向と長波長成分の第二高調波の偏光方向とは直交しているため、非線形光学結晶11を通過した広スペクトル帯域光を、偏光ビームスプリッター12によって短波長成分と長波長成分の第二高調波とに分離することができる。
広スペクトル帯域光の短波長成分は時間差調整手段5に入力される。時間差調整手段5は、非線形光学結晶11から2分岐手段6までの長波長成分の光路長と非線形光学結晶11から2分岐手段6までの短波長成分の光路長とが等しくなるように短波長成分の光路長を調整することで、長波長成分の第二高調波と短波長成分との光路長差を調整する。なお、複屈折を用いた時間差調整手段を用いることにより、広スペクトル帯域光の長波長成分と長波長成分の第二高調波を共通光路にすることも可能である。
2分岐手段6は、偏光ビームスプリッター12から出力された広スペクトル帯域光の長波長成分の第二高調波と時間差調整手段5から出力された広スペクトル帯域光の短波長成分とを合波した後に2分岐する。
バランス受信機7は、2分岐手段6によって2分岐された光を入力とし、第1の参考例で説明したようにCEOビート信号を検出する。帰還回路8の動作は第1の参考例で説明したとおりである。
本実施の形態では、自己参照干渉計で用いる光学系を簡素化することができ、小型化可能であるため、光周波数コムのオフセット光周波数の長時間安定性にとって有効な構成例である。
本実施の形態では、時間差調整手段5によって短波長成分の光路長を調整しているが、これに限るものではなく、時間差調整手段5は、非線形光学結晶11から2分岐手段6までの長波長成分の光路長と非線形光学結晶11から2分岐手段6までの短波長成分の光路長とが等しくなるように長波長成分の光路長を調整してもよい。
[第2の参考例
次に、本発明の第2の参考例について説明する。図5は、本発明の第2の参考例に係る、バランス受信光学系を用いた光周波数コム安定化光源の構成の一例を示すブロック図であり、図1と同様の構成には同一の符号を付してある。レーザーパルス光源1と波長2分岐手段3については第1の参考例で説明したとおりである。波長2分岐手段3と非線形光学結晶13,14と時間差調整手段5と2分岐手段6とバランス受信機7とは、自己参照干渉計を構成している。本実施の形態では、非線形媒質2から1オクターブ未満の広スペクトル帯域光が出力される場合について説明する。
広スペクトル帯域光の短波長成分は非線形光学結晶13に入力される。非線形光学結晶13は、短波長成分の第n+1高調波(nは1以上の整数)を発生させる。
広スペクトル帯域光の長波長成分は非線形光学結晶14に入力される。非線形光学結晶14は、長波長成分の第n+2高調波を発生させる。
短波長成分の第n+1高調波は時間差調整手段5に入力される。時間差調整手段5は、波長2分岐手段3から2分岐手段6までの長波長成分の光路長と波長2分岐手段3から2分岐手段6までの短波長成分の光路長とが等しくなるように短波長成分の光路長を調整することで、短波長成分の第n+1高調波と長波長成分の第n+2高調波との光路長差を調整する。
2分岐手段6は、時間差調整手段5から出力された広スペクトル帯域光の短波長成分の第n+1高調波と非線形光学結晶14から出力された広スペクトル帯域光の長波長成分の第n+2高調波とを合波した後に2分岐する。
バランス受信機7は、2分岐手段6によって2分岐された光を入力とし、第1の参考例で説明したようにCEOビート信号を検出する。帰還回路8の動作は第1の参考例で説明したとおりである。
以上のように、本参考例では、広スペクトル帯域光の帯域が1オクターブ未満のときに、短波長成分の第n+1高調波(例えば第二高調波)と長波長成分の第n+2高調波(例えば第三高調波)とを干渉させる(n+1)f−(n+2)f干渉法によりCEOビート信号を検出することができ、第1の参考例および第1の実施の形態のf−2f干渉法と同様の効果を得ることができる。
なお、本参考例では、時間差調整手段5によって短波長成分の光路長を調整しているが、これに限るものではなく、時間差調整手段5は、波長2分岐手段3から2分岐手段6までの長波長成分の光路長と波長2分岐手段3から2分岐手段6までの短波長成分の光路長とが等しくなるように長波長成分の光路長を調整してもよい。時間差調整手段5を、波長2分岐手段3と非線形光学結晶13との間に設けてもよいし、非線形光学結晶13と2分岐手段6との間に設けてもよいし、波長2分岐手段3と非線形光学結晶14との間に設けてもよいし、非線形光学結晶14と2分岐手段6との間に設けてもよい。
[第の参考例]
次に、本発明の第の参考例について説明する。図6は、本発明の第の参考例に係る、バランス受信光学系を用いた光周波数コム安定化光源の構成の一例を示すブロック図であり、図1、図4と同様の構成には同一の符号を付してある。レーザーパルス光源1については第1の参考例で説明したとおりである。非線形媒質2aと非線形光学結晶11と2分岐手段6aとバランス受信機7とは、コリニア自己参照干渉計を構成している。
参考例では、非線形媒質2aとして群速度分散が略零の材料、もしくは長さが小さい高非線形ファイバを用いることにより、広スペクトル帯域光の長波長成分と短波長成分の時間差を少なくすることができ、第1、第2の参考例および第1の実施の形態で用いた時間差調整手段5のような遅延機構が不要となる。したがって、ファイバアップ段と遅延機構を不要とする構成を有することにより、光周波数コム安定化光源の小型化の実現を可能とする。
非線形光学結晶11は、非線形媒質2aから出力された1オクターブ以上の広スペクトル帯域光の長波長成分と短波長成分のうち長波長成分の第二高調波を発生させる。
2分岐手段6aは、非線形光学結晶11を通過した広スペクトル帯域光を2分岐する。
バランス受信機7は、2分岐手段6aによって2分岐された光を入力とし、第1の参考例で説明したようにCEOビート信号を検出する。帰還回路8の動作は第1の参考例で説明したとおりである。
参考例では、第1の参考例および第1の実施の形態と比較して、自己参照干渉計で用いる光学系を簡素化することができ、光周波数コム安定化光源の小型化が可能である。
第4の参考例
次に、本発明の第4の参考例について説明する。図7は、本発明の第4の参考例に係る、バランス受信光学系を用いた光周波数コム安定化光源の構成の一例を示すブロック図であり、図1、図5と同様の構成には同一の符号を付してある。レーザーパルス光源1については第1の参考例で説明したとおりである。非線形媒質2aと非線形光学結晶13,14と2分岐手段6aとバランス受信機7とは、コリニア自己参照干渉計を構成している。本参考例では、非線形媒質2aから1オクターブ未満の広スペクトル帯域光が出力される場合について説明する。
参考例では、第の参考例と同様に、非線形媒質2aとして群速度分散が略零の材料、もしくは長さが小さい高非線形ファイバを用いる。
非線形光学結晶13は、非線形媒質2aから出力された1オクターブ未満の広スペクトル帯域光の長波長成分と短波長成分のうち短波長成分の第n+1高調波(nは1以上の整数)を発生させる。
非線形光学結晶14は、非線形媒質2aから出力された1オクターブ未満の広スペクトル帯域光の長波長成分と短波長成分のうち長波長成分の第n+2高調波を発生させる。
2分岐手段6aは、非線形光学結晶13と非線形光学結晶14を通過した広スペクトル帯域光を2分岐する。
バランス受信機7は、2分岐手段6aによって2分岐された光を入力とし、第1の参考例で説明したようにCEOビート信号を検出する。帰還回路8の動作は第1の参考例で説明したとおりである。
参考例では、第2の参考例と比較して、自己参照干渉計で用いる光学系を簡素化することができ、光周波数コム安定化光源の小型化が可能である。
以上、本発明のバランス受信光学系を用いた光周波数コム安定化光源によれば、従来方法では受動モード同期レーザーに限定されているCEOビート信号検出方法及び光周波数コム安定化方法を雑音強度が大きいレーザーパルス光源にも適用することができるので、従来以上に光周波数コムの各モードを利用した通信分野や分光学分野の発展に寄与することができる。
以上、本発明の実施の形態である光周波数コム安定化光源の例について図面を参照して詳述したが、具体的な構成は第1の実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で設計の変更などがあってもこの発明に含まれる。






本発明は、光周波数コムのオフセット光周波数を安定化する技術に適用することができる。
1…レーザーパルス光源、2,2a…非線形媒質、3…波長2分岐手段、4,11,13,14…非線形光学結晶、5…時間差調整手段、6,6a…2分岐手段、7…バランス受信器、8…帰還回路、12…偏光ビームスプリッター、70,71…フォトダイオード。

Claims (4)

  1. レーザーパルスを生成するレーザーパルス生成手段と、
    このレーザーパルス生成手段により生成されたレーザーパルスの光スペクトル帯域を拡大させる非線形媒質と、
    この非線形媒質により光スペクトル帯域が拡大された広スペクトル帯域光の長波長成分の第二高調波を発生させる非線形光学結晶と、
    この非線形光学結晶を通過した広スペクトル帯域光の短波長成分と長波長成分の第二高調波とを分離する偏光ビームスプリッターと、
    前記広スペクトル帯域光の短波長成分または長波長成分の光路長を調整する時間差調整手段と、
    前記広スペクトル帯域光の長波長成分の第二高調波と前記広スペクトル帯域光の短波長成分とを合波した後に2分岐する2分岐手段と、
    この2分岐手段によって2分岐された光を入力とし、ビート信号を検出するバランス受信手段と、
    このバランス受信手段で検出されたビート信号の周波数と所定の参照周波数とを比較して、前記ビート信号の周波数が前記参照周波数と等しくなるように前記レーザーパルス生成手段を制御する帰還制御手段とを備えることを特徴とする光周波数コム安定化光源。
  2. 請求項1に記載の光周波数コム安定化光源において、
    前記レーザーパルス生成手段は、所定の繰り返し周波数を有するレーザーパルスを生成する受動モード同期レーザーであり、
    前記帰還制御手段は、前記受動モード同期レーザーの励起光強度を制御することを特徴とする光周波数コム安定化光源。
  3. 請求項1に記載の光周波数コム安定化光源において、
    前記レーザーパルス生成手段は、
    連続したレーザ光を発生するCW光源と、
    このCW光源により生成されたレーザ光を所定の繰り返し周波数で位相変調する位相変調手段と、
    この位相変調手段により位相変調された前記レーザ光に波長分散を与える波長分散付与手段とを備え、
    前記帰還制御手段は、前記CW光源の波長を制御することを特徴とする光周波数コム安定化光源。
  4. レーザーパルス生成手段によりレーザーパルスを生成するレーザーパルス生成ステップと、
    このレーザーパルス生成ステップで生成したレーザーパルスの光スペクトル帯域を非線形媒質により拡大させる光スペクトル帯域拡大ステップと、
    この光スペクトル帯域拡大ステップで光スペクトル帯域が拡大された広スペクトル帯域光の長波長成分の第二高調波を非線形光学結晶により発生させる長波長成分高調波発生ステップと、
    前記広スペクトル帯域光の短波長成分と長波長成分の第二高調波とを偏光ビームスプリッターにより分離する分離ステップと、
    前記広スペクトル帯域光の短波長成分または長波長成分の光路長を調整する時間差調整ステップと、
    前記広スペクトル帯域光の長波長成分の第二高調波と前記広スペクトル帯域光の短波長成分とを合波した後に2分岐する2分岐ステップと、
    この2分岐ステップで2分岐した光を入力とし、ビート信号を検出するバランス受信ステップと、
    このバランス受信ステップで検出したビート信号の周波数と所定の参照周波数とを比較して、前記ビート信号の周波数が前記参照周波数と等しくなるように前記レーザーパルス生成手段を制御する帰還制御ステップとを備えることを特徴とする光周波数コム安定化方法。
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