JP6831770B2 - 波長掃引光源 - Google Patents

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Description

本発明は、瞬間的に狭いスペクトルが周期的に波長軸上で掃引される波長掃引光源に関する。
光干渉断層画像診断法(Optical Coherence Tomography,OCT)の一方式に、瞬間的に狭いレーザスペクトルが周期的に波長軸上で掃引される波長掃引光源を用いたスウェプトソースOCT(SS−OCT)がある。SS−OCTは分光器を必要としないフーリエドメインOCT(FD−OCT)の一形態として知られる。
FD−OCTのもう一形態であるスペクトルドメインOCT(SD−OCT)では干渉信号を分光し、空間的な光強度分布としてOCT信号が得られるが、この場合光検出には解像度の高いアレイディテクタが必要となる。ここでのOCT信号とは断層の情報を含む信号であり、干渉させる際の2光波間の遅延差に応じて強度分布の空間周波数が変化する。
一方でSS−OCTでは、狭線幅光源のスペクトルを直接時間的に波長または周波数軸上で掃引するため、時間的に分光されているとみなすことができ、一般的な光検出器により時間波形としてOCT信号を取得できる。奥行き情報は、干渉信号のそのままの周波数に対応する。そのためアレイディテクタの速度でSD−OCTの撮像速度が制限される1μm帯や1.3μm帯といった近赤外より長波長のOCTで主に用いられる。
波長掃引光源を用いるSS−OCTで重要となるのが、深さ方向の計測限界深度に関わる波長掃引光源の瞬時のレーザ線幅である。この瞬時線幅の逆数はコヒーレンス長に比例し、観測対象内部の反射点の深さがコヒーレンス長の1/4にあたるときOCT信号が6dB減衰するため、奥行方向のダイナミックレンジを表す1つの指標として用いられる。
一般的にレーザが発振し、線幅が狭窄化するまでには一定の時間を要するため、発振波長が常に変化する波長掃引光源では、レーザ線幅は掃引速度とトレードオフの関係にあることが報告されている(非特許文献1参照)。つまり掃引周波数の高い波長掃引光源では、波長の時間変化が速く、各波長に許された周回時間が短く周回数も減少するためレーザ線幅が広くなる。
このトレードオフの関係を打破する技術がフーリエドメインモードロック(FDML)レーザである(非特許文献2参照)。FDMLレーザの基本構成要素は光増幅器、波長選択器、光遅延器および光パワーの一部を共振器から取り出す光取り出し器である。これら構成要素間は自由空間もしくは導波路といった光伝搬によって光学的に接続されている。波長選択器により瞬間的な波長および波長の変化が決定され、波長を連続的に変化させることで波長掃引を実現する。
光遅延器では波長選択器の一掃引周期もしくはその整数倍に相当する時間だけ光を遅延させる。これにより波長選択器の掃引動作と光周回を同期させることができ、掃引帯域内の全波長のレーザ光を共振器内に蓄積することができる。そのため掃引周波数が高い場合でも光の共振器周回数を低下させることなく、波長選択器における累積フィルタリング効果によってレーザ線幅を狭窄化できる。
図1に、従来のリング型の波長掃引光源の構成例を示す。このリング型波長掃引光源は、光増幅器110、アイソレータ120、偏波コントローラ130、波長フィルタ140、光カプラ160、光遅延ファイバ170が配置されたリング共振器を構成するファイバリングおよび波長フィルタ140が備える光偏向器145を駆動するドライバ装置150からなる。
光源の掃引帯域幅以上の波長域において光増幅効果を有する光増幅器110から出力された広いスペクトルを持つ自然放出光は、アイソレータ120、偏波コントローラ130を通過し、サーキュレータ141によって自由空間光学系である波長フィルタ140に導入される。ファイバ出射端に配置したコリメータレンズ142によって平行光線とした後、半波長板143、偏光ビームスプリッタ144を通過し、タンタル酸ニオブ酸カリウム(KTN)光偏向器145および回折格子146に入射する。
このとき、偏光ビームスプリッタ144をKTN光偏向器145が有する偏光依存性に適合する偏光状態の光が入射するように配置し、偏波コントローラ130および半波長板143を用いて、偏光ビームスプリッタ144を透過する光パワーが最大となるよう偏光状態の最適化を行う。尚、偏波コントローラ130、半波長板143および偏光ビームスプリッタ144を用いる代わりに、光遅延ファイバ170を含むリングファイバを偏波保持ファイバ(PMファイバ)とし、ファイバリングを周回する光がKTN光偏向器145の偏光依存性に適合する偏光状態を維持するようにしても良い。
波長フィルタ140では、ドライバ装置150がKTN光偏向器145に出力する電圧波形に応じて選択波長が決定される。KTN光偏向器145および回折格子146において波長選択された反射光は、入射経路と同経路を辿ってサーキュレータ141からファイバリングに戻される。
サーキュレータ141によってファイバリングに戻された光は、光分岐素子160でその一部がファイバリングから取り出され、これが波長選択光源の出力光となる。残りの光は、再びファイバリングを辿って光遅延ファイバ170を通過し、光増幅器110に帰還される。
波長フィルタ140はドライバ装置150からの駆動電圧波形に応じた波長選択動作を行う。ここではKTN光偏向器145に対して周波数200kHzの正弦波を印加する。つまりフィルタ波長140は周期的に掃引されており、光遅延ファイバ170の長さは光が共振器全体を一周するのに要する時間が波長フィルタ140の掃引周期と同一またはその整数倍となる。これによって波長フィルタ140によって選択された波長の光はファイバリングを一周したのち再び波長フィルタ140を通過する際に波長フィルタ140の次掃引の同一波長を選択するタイミングと一致し、最小の損失で再度フィルタリング効果を受けることができる。この現象は掃引帯域内の全波長で起こる。
特許第4751389号公報
R. Huber, M. Wojtkowski, K. Taira, J. G. Fujimoto, and K. Hsu, "Amplified, frequency swept lasers for frequency domain reflectometry and OCT imaging: design and scaling principles," Opt. Express 13, 3513-3528 (2005) R. Huber, M. Wojtkowski, and J. G. Fujimoto, "Fourier Domain Mode Locking (FDML): A new laser operating regime and applications for optical coherence tomography," Opt. Express 14, 3225-3237 (2006)
このFDMLレーザの動作条件は、波長選択器の掃引周波数が光の共振器周回時間によって決まる自由スペクトル領域(FSR)と一致もしくはFSRの整数倍に一致することである。一般的なOCT用波長掃引光源の掃引周波数は数十から数百kHzであるため、これに相当するFSRを得るためには光遅延器は数kmの光路長を有する必要がある。この長さの光遅延を与える場合は光ファイバが好適である。
しかしながら、長い光ファイバを使用すると共振器長が変化し易く、それによりリング共振器の周回周期と波長フィルタの掃引周期との同期ずれが生じるという課題がある。kmオーダーの長さを有する光ファイバでは微小な温度変化でもその長さ変化はFDML動作にとっては無視できない程の同期ずれを引き起こす。そのため、従来のFDMLレーザでは安定した動作や狭いレーザ線幅を実現するには、長い光ファイバを含む共振器全体の温度制御を行う必要があった。
一般に温度制御は制御対象の体積に比例して大出力を必要とするが、FDMLレーザでは非常に狭い温度変動範囲に安定化させる必要があるため、大規模な温度制御装置も必要になる。そのため、従来のFDMLレーザでは安定動作および低コスト化に課題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、波長選択器の掃引周波数を共振器長変化に応じて制御することによって安定なFDML動作を実現した波長掃引光源を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る波長掃引光源、所定の波長帯の光を出射する光増幅部と、前記光増幅部から入射された光から、所定の波長掃引周波数で選択波長を変化する波長選択部と、前記波長選択部から出力された光を2分岐して、一方の分岐光を前記光増幅部に帰還させ、他方の分岐光を出力光として出力する第1の光分岐部と、前記光増幅部と前記波長選択部との間に配置された光遅延部と、を含む共振器部、および前記波長掃引周波数を少なくとも前記光遅延部の光路長の変化に応じて調整するよう前記波長選択部を制御する安定化機構部であって、前記波長掃引周波数で強度変調された参照光を出力する光源部と、前記波長選択部にて波長選択した後に前記光遅延部に入力される光と前記参照光とを合波し、前記波長選択部にて波長選択する前に前記光遅延部から出力された前記参照光を分波する光合分波部と、前記光合分波部で分波された前記参照光の光強度を測定する光検出部と、前記光検出部から出力される前記参照光の光強度信号波形と前記光源部の強度変調信号波形との位相差を前記出力光が最大、または、所定の値になるときの位相差になるように、前記波長掃引周波数を調整するフィードバック制御部とを含む安定化機構部を備えたことを特徴する。この波長掃引光源において、前記光合分波部は、前記参照光の波長の光を反射して前記光増幅部からの出射光の波長の光を反射しないダイクロイックミラーを含み、前記安定化機構部は、偏光ビームスプリッタと1/4波長板とを含み、前記光源部から出力された直後の前記参照光は直線偏光であり、前記偏光ビームスプリッタは、前記光源部から出力された直後の前記参照光を透過し、前記光源部から出力された直後の前記参照光の偏光軸に対して90度回転した偏光軸を持つ光を反射するように配置され、前記光源部から出力された前記参照光は、前記偏光ビームスプリッタを透過した後に前記1/4波長板を通って円偏光に変換された後に前記光合分波部にて合波され、前記光合分波部にて分波された前記参照光は、前記1/4波長板にて前記光源部から出力された直後の前記参照光の偏光軸に対して90度回転した偏光軸となる直線偏光にした後に、前記偏光ビームスプリッタにて反射されて前記光検出部に入射することは好ましい。或いは、この波長掃引光源において、前記光合分波部は、前記参照光の波長の光を反射して前記光増幅部からの出射光の波長の光を反射しないダイクロイックミラーを含み、前記安定化機構部は、アイソレータとビームサンプラとを含み、前記光源部から出力された前記参照光は、前記アイソレータ、及び前記ビームサンプラの順に透過した後に前記光合分波部にて合波され、前記光合分波部にて分波された前記参照光は、前記ビームサンプラにて一部が反射されて前記光検出部に入射し、前記ビームサンプラを透過した前記参照光は、前記アイソレータにより前記光源部に入射することを阻止することは好ましい。
本発明の上記いずれか1つに係る別の態様では、前記フィードバック制御部は、前記参照光の光強度信号波形が前記光源部の強度変調信号波形に対して時間的に遅れているとき前記波長掃引周波数を低くし、前記参照光の光強度信号波形が前記光源部の強度変調信号波形に対して時間的に進んでいるとき前記波長掃引周波数を高くすることを特徴とする。
本発明の上記いずれか1つに係る別の態様では、前記参照光は、前記光増幅部の増幅帯域に入らない周波数を有することを特徴とする。
本発明の上記いずれか1つに係る別の態様では、前記波長選択部は、KTN光偏向器および回折格子を含むことを特徴とする。
本発明は、FDMLレーザの同期手法として波長選択器の掃引周波数を共振器長変化に応じて制御することによって、温度制御器を使用せずに安定なFDML動作を実現することができる。
従来のリング型波長掃引光源の構成例を示す図である。 本発明の実施形態1に係る波長掃引光源の構成例を示す図である。 ファイバリングを周回した参照光の強度信号とKTN光偏向器の駆動信号との位相変化を示す図である。 本発明の実施形態2に係る波長掃引光源の構成例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(実施形態1)
図2に、本発明の実施形態1に係る波長掃引光源の構成例を示す。実施形態1の波長掃引光源は、リング共振器を用いたFDMLレーザである。FDMLレーザ部の構成は、光増幅器210、アイソレータ220、波長フィルタ230、光カプラ260、光遅延ファイバ270が配置されたリング共振器を構成するファイバリング、および波長フィルタ230が備える光偏向器233を駆動するドライバ装置240からなる。また、光遅延ファイバ270を含むリングファイバに偏波保持ファイバ(PMファイバ)を用いて周回する光の偏光状態を保持する構成としている。実施形態1では、このFDMLレーザ部に加えて、さらにファイバリングの周回周期と波長フィルタ230の掃引周期の1以上の整数倍との差がゼロとなるように波長フィルタ230の掃引周期を調整する安定化機構250を備える。
実施形態1の安定化機構250は、参照光を出力するレーザ光源251、参照光の強度変調を行う強度変調器252、ファイバリングを周回した参照光のみを反射する偏光ビームスプリッタ253、1/4波長板254、ダイクロイックミラー255、ファイバリングを周回した参照光の強度を検出するフォトディテクタ256、遅延線257、ファイバリングを周回した参照光の強度信号とKTN光偏向器233の駆動信号との位相差を計測する位相差計258、フィードバック制御器259からなる。レーザ光源251から出力される光の波長は、ダイクロイックミラー255においてレーザ光源251から出力された光のみを反射できるようにするとともに、光増幅器210の増幅帯域内に入らないように設定する。
レーザ光源251から出力される参照光は、所定の偏光軸を持った直線偏光であり、強度変調器252においてドライバ装置240から出力された駆動信号によって波長フィルタ230の掃引周期と同期するように強度変調される。また偏光ビームスプリッタ253は、強度変調器252から出力された参照光を透過し、強度変調器252から出力された参照光の偏光軸に対して90度回転した偏光軸を持つ光を所定の方向へ反射するよう配置する。
FDMLレーザ部では、波長掃引光源の掃引帯域幅以上の波長域において光増幅効果を有する光増幅器210から広いスペクトルを持つ自然放出光を出力し、その光はアイソレータ220を通過してサーキュレータ231によって自由空間光学系である波長フィルタ230に導入される。ファイバ出射端に配置したコリメータレンズ232によって平行光線とした後、タンタル酸ニオブ酸カリウム(KTN)光偏向器233および回折格子234に入射する。このとき、光遅延ファイバ270を含むリングファイバは偏波保持ファイバ(PMファイバ)とし、ファイバリングを周回する光がKTN光偏向器233の有する偏光依存性に適合する偏光状態を維持する。
安定化機構250では、レーザ光源251から出力された参照光は、偏光ビームスプリッタ253を透過し、1/4波長板254で円偏光に変換され、ダイクロイックミラー255で反射されてファイバコリメータ232からファイバリングに入力される。ファイバリングを周回した参照光は、ダイクロイックミラー255で反射され、1/4波長板254で強度変調器252から出力された参照光の偏光軸に対して90度回転した直線偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ253で反射されてフォトディテクタ256に入射する。フォトディテクタ256から出力された光強度信号は、ドライバ装置240から出力された駆動信号と共に位相差計258に入力される。
このときドライバ装置240から出力された駆動信号は、回路構成の差異による位相差計258への到達時間のずれを補償するための遅延線257を介して位相差計258に入力される。フィードバック制御器259は、位相差計で検出された位相差に応じて下記のようにドライバ装置240の波長掃引周波数を調整する。
図3に、ファイバリングを周回した参照光の強度信号とKTN光偏向器の駆動信号との位相変化を示す。実線で示す曲線(a)が参照光の強度信号を表し、破線で示す曲線(b)が駆動信号を表す。曲線(a)の位相φと曲線(b)の位相φとの位相差Δφ(=φ−φ)は、光遅延ファイバ270を含むリング共振器が所定の温度下で光カプラ250から出力される出力光の強度が最大、または、所定の値となるときに所定の基準値、例えばゼロとなるよう遅延線257を設定する。
温度変化により光遅延ファイバ270を含むファイバリングの光路長が変化すると、参照光の強度信号を表す曲線(a)の位相が変化して位相差Δφが基準値以外をとる。位相差Δφが基準値よりも小さくなる(基準値がゼロの場合、Δφ<0)とき、ファイバリングの光路長が短くなって周回周期が短くなっていることを意味するため、Δφがゼロになるように掃引周波数Fを高くする。一方、位相差Δφが基準値よりも大きくなる(基準値がゼロの場合、Δφ>0)とき、ファイバリングの光路長が長くなって周回周期が長くなっていることを意味するため、Δφがゼロになるように掃引周波数Fを低くする。このように、位相差Δφの値に応じて駆動信号の周波数、すなわち掃引周波数Fを調整することにより、リング共振器の周回周期と波長フィルタの掃引周期とを同期させることで、光カプラ250から出力される出力光の強度が最大、または、所定の値となるように調整することができる。
ここで、光カプラ250から出力される出力光の強度が最大、または、所定の値となるように調整することについて、若干の説明を加える。
FDMLでは、掃引周期を徐々に変化させた場合、掃引周期の1以上の整数倍の時間と共振器の周回時間が一致する掃引周期を境にして、出力光の強度が劇的変化する。さらに出力光について詳述すると、周期が若干短ければ大きく、周期が若干長ければ小さくなり、周期が一致する場合は、その中間の出力光強度となる。コヒーレンス長が最も長いのは掃引周期の1以上の整数倍が共振器の周回時間と一致する場合であるので、コヒーレンス長が最長となる出力光強度を予め測定しておいて、その強度を目標値として、掃引周期を調整、または、制御することにより、コヒーレンス長を最長の状態に保持することができる。コヒーレンス長最長となる出力光強度は、共振器毎に異なるため、共振器毎に予め測定しておくことが必要である。
上記では、出力光強度そのものを目標値としたが、そうではなく、出力光強度を、1掃引中の出力光強度の時間積分値で割ったもの(規格化したもの)を、目標値としても良い。このようにした場合、光カプラ260から出力される光強度が、何らかの影響(温度変化に起因する光ファイバのボビンへの締め付け強度変化にともなう複屈折変化等)によって変動しても、目標値の変動は抑えられるので、温度等の環境変化に耐性を持つことができる。
一方、もし、最大の出力光強度を保持したり、ユーザの欲する出力光強度を保持したりすることが必要であれば、そのようなパワーとなるように掃引周期を調整、または、制御する。
出力光強度を、コヒーレンス長最大となる出力光強度にしたり、ユーザが望む出力光強度にしたりといったような、所定の出力光強度となるように掃引周期を調整する方法としては、たとえば、PID(Proportional−Integral−Differential)制御が考えられる。この場合、目標値は所定の出力光強度、操作量は掃引周期(周波数)、制御量は出力光強度となる。
出力光強度を最大に保持する、掃引周期の調整方法としては、1)現在の掃引周期を中心とした所定の範囲内で周期を変化させた場合の出力光強度を取得して、2)そのうちの光強度の大きな周期を選択し、次に、その周期を中心として、1)2)を何度も繰り返して、光強度が最大(または極大)となるまで繰り返す、という方法がある。この調整方法のパラメータとしては、掃引周期の初期値、現在の掃引周期を中心としたときの変化させる周期の範囲がある。また、掃引周期を離散的に等間隔に変化させる場合は、周期の間隔もパラメータとして設定する。
(実施形態2)
図4に、本発明の実施形態2に係る波長掃引光源の構成例を示す。FDMLレーザ部の構成は実施形態1と同様であり、実施形態1と異なるのは安定化機構280のみである。実施形態2の安定化機構280は、参照光を出力するレーザ光源281、参照光の強度変調を行う強度変調器282、ファイバリングを伝搬する光と参照光を合波する光カプラ283、ファイバリングを伝搬する光から参照光を分波する光カプラ284、ファイバリングを周回した参照光の強度を検出するフォトディテクタ285、遅延線286、ファイバリングを周回した参照光の強度信号とKTN光偏向器233の駆動信号との位相差を計測する位相差計287からなる。
安定化機構280は、光遅延ファイバ270の入出力端近傍に光カプラ283、284を設置し、レーザ光源281から出力され光強度変調器282で変調された参照光を光カプラ283からファイバリングに入力し、光遅延ファイバ270を伝搬した参照光を光カプラ284で分岐してフォトディテクタ285で検出する。位相差計287で計測した参照光の強度信号とKTN光偏向器233の駆動信号との位相差Δφに基づきドライバ装置240の駆動信号、すなわち掃引周波数Fを調整する。掃引周波数Fの調整方法について、説明の簡単化のため、位相差Δφの基準値がゼロの場合について説明する。実施形態1と同様に、位相差Δφが負(Δφ<0)のとき、光遅延ファイバ270の光路長が短くなる、すなわちファイバリングの光路長が短くなり、周回時間が短くなることを意味するため、Δφがゼロになるように掃引周波数Fを高くする。一方、位相差Δφが正(Δφ>0)のとき、光遅延ファイバ270の光路長が長くなる、すなわちファイバリングの光路長が長くなり、周回時間が長くなっていることを意味するため、Δφがゼロになるように掃引周波数Fを低くする。このように、位相差Δφの値に応じて駆動信号の周波数、すなわち掃引周波数Fを調整することにより、実施形態1と同様にリング共振器の周回周期と波長フィルタの掃引周期の1以上の整数倍とを同期させることで、光カプラ250から出力される出力光の強度が最大、または、所定の値となるように調整することができる。調整方法としては、実施形態1に記載した方法が使用可能である。
尚、実施形態1、2ではFDMLレーザ部にリング共振器型の構成を用いた例を示したが、本発明では、FDMLレーザ部は光偏向器および回折格子を含む波長フィルタを用いた構成であればリング共振器型以外の構成であってもよい。波長フィルタ230は、リトロー配置に代えて、さらに全反射鏡を追加してリットマン配置としてもよい。光遅延ファイバ270を含むファイバリングは、PMファイバに代えて、図1に示す構成と同様に偏波コントローラ、半波長板および偏光ビームスプリッタを用いることで変調器内を伝搬する光の偏光状態を保持する構成としてもよい。
また、強度変調器252、282は、レーザ光源251、281を直接変調する場合は不要である。偏光ビームスプリッタ253と1/4波長板254とからなる構成は、ビームサンプラとアイソレータとによって代替することができる。また、強度変調器252、282および位相差計258、287に入力される信号は、ドライバ装置240の駆動信号をそのまま使用してもよいし、駆動信号を整数倍した信号や駆動信号またはその整数倍の信号とピークの位置が一致するスパイク波などでもよい。
110、210 光増幅器
120、220 アイソレータ
130 偏波コントローラ
140、230 波長フィルタ
141、231 サーキュレータ
142、232 コリメータレンズ
143 半波長板
144 偏光ビームスプリッタ
145、233 KTN光偏向器
146、234 回折格子
150、240 ドライバ装置
160、260、283、284 光カプラ
170、270 光遅延ファイバ
250、280 安定化機構
251、281 レーザ光源
252、282 強度変調器
253 偏光ビームスプリッタ
254 1/4波長板
255 ダイクロイックミラー
256、285 フォトディテクタ
257、286 遅延線
258、287 位相差計

Claims (6)

  1. 所定の波長帯の光を出射する光増幅部と、
    前記光増幅部から入射された光から、所定の波長掃引周波数で選択波長を変化する波長選択部と、
    前記波長選択部から出力された光を2分岐して、一方の分岐光を前記光増幅部に帰還させ、他方の分岐光を出力光として出力する第1の光分岐部と、
    前記光増幅部と前記波長選択部との間に配置された光遅延部と、
    を含む共振器部、および
    前記波長掃引周波数を少なくとも前記光遅延部の光路長の変化に応じて調整するよう前記波長選択部を制御する安定化機構部であって、
    前記波長掃引周波数で強度変調された参照光を出力する光源部と、
    前記波長選択部にて波長選択した後に前記光遅延部に入力される光と前記参照光とを合波し、前記波長選択部にて波長選択する前に前記光遅延部から出力された前記参照光を分波する光合分波部と、
    前記光合分波部で分波された前記参照光の光強度を測定する光検出部と、
    前記光検出部から出力される前記参照光の光強度信号波形と前記光源部の強度変調信号波形との位相差を前記出力光が最大、または、所定の値になるときの位相差になるように、前記波長掃引周波数を調整するフィードバック制御部と
    を含む安定化機構部
    を備えたことを特徴する波長掃引光源。
  2. 前記光合分波部は、前記参照光の波長の光を反射して前記光増幅部からの出射光の波長の光を反射しないダイクロイックミラーを含み、
    前記安定化機構部は、偏光ビームスプリッタと1/4波長板とを含み、
    前記光源部から出力された直後の前記参照光は直線偏光であり、
    前記偏光ビームスプリッタは、前記光源部から出力された直後の前記参照光を透過し、前記光源部から出力された直後の前記参照光の偏光軸に対して90度回転した偏光軸を持つ光を反射するように配置され、
    前記光源部から出力された前記参照光は、前記偏光ビームスプリッタを透過した後に前記1/4波長板を通って円偏光に変換された後に前記光合分波部にて合波され、
    前記光合分波部にて分波された前記参照光は、前記1/4波長板にて前記光源部から出力された直後の前記参照光の偏光軸に対して90度回転した偏光軸となる直線偏光にした後に、前記偏光ビームスプリッタにて反射されて前記光検出部に入射する
    ことを特徴とする請求項1に記載の波長掃引光源。
  3. 前記光合分波部は、前記参照光の波長の光を反射して前記光増幅部からの出射光の波長の光を反射しないダイクロイックミラーを含み、
    前記安定化機構部は、アイソレータとビームサンプラとを含み、
    前記光源部から出力された前記参照光は、前記アイソレータ、及び前記ビームサンプラの順に透過した後に前記光合分波部にて合波され、
    前記光合分波部にて分波された前記参照光は、前記ビームサンプラにて一部が反射されて前記光検出部に入射し、
    前記ビームサンプラを透過した前記参照光は、前記アイソレータにより前記光源部に入射することを阻止する
    ことを特徴とする請求項1に記載の波長掃引光源。
  4. 前記フィードバック制御部は、前記参照光の光強度信号波形が前記光源部の強度変調信号波形に対して時間的に遅れているとき前記波長掃引周波数を低くし、前記参照光の光強度信号波形が前記光源部の強度変調信号波形に対して時間的に進んでいるとき前記波長掃引周波数を高くす
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の波長掃引光源。
  5. 前記参照光は、前記光増幅部の増幅帯域に入らない周波数を有す
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の波長掃引光源。
  6. 前記波長選択部は、KTN光偏向器および回折格子を含
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の波長掃引光源。
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