JP4559056B2 - 変位検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、工作機械や半導体製造装置等の可動部分における相対移動位置を検出するための変位検出装置に関する。
従来より、工作機械や半導体製造装置等の可動部分における相対移動位置を検出する装置として、回折格子を用いた光学式の変位検出装置が知られている。
従来の光学式変位測定装置としては、例えば図14に示すような構成のものが提案されている。
図14は、この従来の光学式変位測定装置100を模式的に示す側面図である。
この光学式変位測定装置100は、工作機械等の可動部分の移動にともない、図14中矢印X1及びX2方向に直線移動する回折格子101と、光を出射する光源102と、光源102から出射された光を2本のビームに分割するとともに回折格子101からの2つの回折光を重ね合わせ干渉させるハーフミラー103と、回折格子101で回折された回折光を反射する2つのミラー104a,104bと、干渉した2つの回折光を光電変換して干渉信号を生成するフォトディテクタ105とを備えている。
光源102から出射された光は、ハーフミラー103により2本のビームに分割される。この2本のビームはそれぞれ回折格子101に照射される。回折格子101に照射された2本のビームは、この回折格子101で夫々回折され、回折光となる(以下、この回折光を1回回折光と称する)。この1回回折光は夫々ミラー104a,104bにより反射される。ミラー104a,104bにより反射された1回回折光は、回折格子101に再度照射されて再度回折される(以下、この再度回折された回折光を2回回折光と称する)。これら2本の2回回折光は、同一の光路を経てハーフミラー103に入射され、夫々重ね合わされて干渉し、フォトディテクタ105に照射される。
このような構成の光学式変位測定装置100では、回折格子101における図14中矢印X1、X2方向の変位を検出することができる。すなわち、光学式変位測定装置100では、回折格子101の移動に応じて、回折格子101に基づく2本の2回回折光に位相差が生じる。このため、この光学式変位測定装置100では、フォトディテクタにより得られる干渉信号から2本の2回回折光の位相差を検出することにより、工作機械等の可動部分の移動位置を測定することができる。
また、他の従来の光学式変位測定装置としては、例えば図15に示すような構成のものが提案されている。
図15は、従来の光学式変位測定装置110を模式的に示す側面図である。
この光学式変位測定装置110は、工作機械等の可動部分の移動にともない、図15中矢印X1及びX2方向に直線移動する回折格子111と、光を出射する光源112と、光源112から出射された光を2本のビームに分割するとともに回折格子111からの2つの回折光を重ね合わせて干渉させるハーフミラー113と、ハーフミラー113により分割された2本のビームを回折格子上111上の同一位置に照射する2つの第1のミラー114a,114bと、回折格子111で回折された回折光を反射する2つの第2のミラー115a,115bと、干渉した2つの回折光を受光して干渉信号を生成するフォトディテクタ116とを備えている。
光源112から出射された光は、ハーフミラー113により2本のビームに分割される。この2本のビームは、それぞれ第1のミラー114a,114bに反射されて回折格子111上の同一位置に照射される。回折格子111に照射された2本のビームは、この回折格子でそれぞれ回折され、1回回折光となる。1回回折光は、それぞれ第2のミラー115a,115bにより反射される。またこの1回回折光は、回折格子111に再度照射されて回折され、2回回折光となる。これら2本の2回回折光は、同一の光路を経てハーフミラー113に入射され重ね合わされて干渉し、フォトディテクタ116に照射される。
このような構成の光学式変位測定装置110では、回折格子111における図15中矢印X1、X2方向の変位を検出することができる。すなわち、この光学的変位測定装置110では、回折格子111の移動に応じて、回折格子111に基づく2本の2回回折光に位相差が生じる。このため、光学式変位測定装置110では、フォトディテクタ116により得られる干渉信号から2本の2回回折光の位相差を検出することにより、工作機械等の可動部分の移動位置を測定することができる。(例えば、特許文献1参照。)
特開昭60−98302号公報
上記従来の光学式変位測定装置は、製造工程において、単独に製作された各光学部品を調整しながら組み立てる必要性があるため、各部品の仕上がり精度や特性のばらつきに対して精密な調整を必要とし、工程が複雑化する上に、装置の経時的な安定性に欠き、また装置全体の小型化、軽量化を図る上で大きな障害となっていた。
また、光源から出射する光の偏光軸が、ハーフミラー103、113で1対1に分配される角度になるように調整しなければならず、さらに複雑な工程を余儀なく導入せざるを得ず、また装置内に余分な面積を要するという問題点があった。
これに対し、本件出願人は、上記問題点を解決した変位検出装置として、例えば特願2002−127525号に記載されている図1に示すようような構成の変位検出装置10を先に提案している。
この変位検出装置10は、工作機械等の可動部分に取り付けられ直線移動する透過型の回折格子11と、発光素子により発光された光を2つの光La1,La2に分離して出射し、回折格子11により回折された2つの2回回折光Lc1,Lc2を互いに干渉させて干渉信号を検出する受発光複合ユニット12と、受発光複合ユニット12から出射された2つの光La1,La2を回折格子11に照射するとともに、回折格子11からの2つの2回回折光Lc1、Lc2を受発光複合ユニット12へ導く反射部材13a、13bと、回折格子11からの2つの1回回折光Lb1、Lb2を反射して再度回折格子11に照射する反射光学系14とを備えている。
反射光学系14は、1回回折光Lb1を反射して再度回折格子11に照射する反射器26と、1回回折光Lb2を反射して再度回折格子11に照射する反射器27と、1回回折光Lb1の偏光状態を変える1/4波長板WP1と、1回回折光Lb2の偏光状態を変える1/4波長板WP2とを有する。
この変位検出装置10における受発光複合ユニット12は、光源51から出射された光を互いに偏光成分が異なる2つの光に分離して外部光学系へ出射し、該外部光学系から反射される上記2つの光を合成して合成光を生成する偏光分離部58と上記光源51の間に配設した位相板43により、上記光源51から出射される光の偏光状態を変化させて偏光分離部58へ導き、上記偏光分離部58により生成された合成光を光分岐膜59により複数に分割し、分割された合成光を夫々所定の偏光成分のみ透過させる偏光部42を介して受光素子52に導くことにより、上記偏光部42を通過した所定の偏光成分のみ干渉光を夫々受光素子52により光電変換して干渉信号を生成する構成とすることにより、上記受光部やハーフミラーなどをパッケージ化させコンパクトに構成することができた。
しかしながら、装置全体の小型化に伴い、ビームの有効径の縮小化によって、光軸ずれの許容範囲が狭くなり、使用温度環境によって光源の波長変動による所謂ケラレを生じてしまことや、装置内に配置するミラー部が余分な体積を要し、これ以上のコンパクト化に困難が発生した。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、光源の波長変動に対する安定性に優れ、小型軽量化に適した変位検出装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下に説明される実施の形態の説明から一層明らかにされる。
本発明に係る変位検出装置は、上述の課題を解決するために、光を出射する光源と、上記光源から出射された光を、互いに偏光成分が異なる2つの光に分離して外部光学系へ出射し、当該外部光学系から反射される上記2つの光を合成して合成光を生成する偏光ビームスプリッタと、上記光源と上記偏光ビームスプリッタの間に配設され、上記光源から出射される光の偏光状態を変化させて上記偏光ビームスプリッタへ導く位相板と、上記偏光ビームスプリッタから出射された2つ光を任意の角度に回折するための第1の回折格子と、変位を検出するための移動する第2の回折格子と、回折光を夫々反射する反射手段と、上記反射手段により反射された回折光が、上記第2の回折格子と第1の回折格子を再び辿って上記偏光ビームスプリッタに戻り、この偏光ビームスプリッタにより合成された合成光を複数に分割する光分割手段と、上記光分割手段により分割された合成光を夫々所定の偏光成分のみ透過させる偏光手段と、上記偏光手段を透過した干渉光を夫々光電変換して干渉信号を生成する受光手段とを備え、上記第1の回折格子と第2の回折格子の格子ピッチが略等しいことを特徴とする。
本発明に係る変位検出装置では、偏光ビームスプリッタから出射された2つ光を任意の角度に回折するための第1の回折格子を配置することによって、光の波長が変動しても、戻り光の光軸を入射側とほぼ同じにすることができ、光学系の有効径の中心付近を通過させることができるため、安定した出力を得ることができる。また、反射板の代わりに第1の回折格子を用いることで、この部分を薄型にすることができ、検出装置全体を小型化することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
先ず、本発明を適用した第1の実施の形態の変位検出装置について説明する。
図2に示す本発明の第1の実施の形態における変位検出装置50は、上述の図1に示した変位検出装置10を改良したものであって、上記変位検出装置10と同一の構成要素には同一符号が付されている。
この変位検出装置50は、工作機械等の可動部分に取り付けられ直線移動する透過型の回折格子11と、発光素子51により発光された光を2つの光La1,La2に分離して出射し、回折格子8により任意の角度に回折された2つの1回回折光Lb1,Lb2を作り出すとともに、戻された回折光Ld1,Ld2を互いに干渉させて、干渉信号を検出する受発光複合ユニット12と、受発光複合ユニット12から出射された2つの光La1,La2を回折格子11に照射するとともに、回折格子11からの2つの2回回折光Ld1、Ld2を受発光複合ユニット12へ導く回折格子8と、回折格子11からの2つの1回回折光Lb1、Lb2を反射して再度回折格子11に照射する反射光学系14とを備えている。
回折格子11は、図3に示すように、例えば薄板状の形状を有しており、その表面に狭いスリットや溝等、又は、屈折率が分布した格子が所定間隔毎に刻まれている。このような回折格子11に入射された光は、表面に刻まれたスリット等により回折し、該回折格子11を透過する。回折により生じる回折光は、格子の間隔と光の波長で定まる方向に発生する。
ここで、本発明の実施の形態を説明するにあたり、格子が形成されている回折格子11の面を格子面11aと称する。なお、回折格子11が透過型の場合には、光が入射される面と回折光が発生する面とをともに格子面11aと呼ぶ。また、回折格子11の格子が形成された方向(図3中、矢印C1、C2方向)、すなわち、格子の透過率や反射率、溝の深さ等の変化の方向を表す格子ベクトルに対して垂直な方向であって且つ格子面11aに平行な方向を格子方向と称する。格子が形成された方向に垂直な方向であり、且つ格子面11aに平行な方向(図3中、矢印D1、D2方向)、すなわち、回折格子11の格子ベクトルに対して平行な方向を格子ベクトル方向と称する。なお、これら回折格子11の各方向については、本発明の第1の実施の形態のみならず、他の実施の形態においても同様に称するものとする。
この回折格子11は、工作機械等の可動部分に取り付けられ、該可動部分の移動にともなって、図3中矢印D1、D2方向、すなわち格子ベクトル方向に移動する。
なお、本発明では回折格子の種類は限定されず、上述したように機械的に溝等が形成されたもののみならず、例えば、感光性樹脂に干渉縞を焼き付けて作成したものであっても良い。
回折格子8は、光La1を回折させ回折格子11の格子面11aの所定の位置に照射する。この光Lb1が回折格子11により回折されることにより1回回折光Lc1が得られる。また、上記回折格子8は、光La2も回折させ、回折格子11の格子面11aの所定の位置に照射する。この光Lb2が回折格子11により回折されることにより1回回折光Lc2が得られる。
また、回折格子8には、1回回折光Lc1が回折格子11により回折されることにより生じる2回回折光Ld1が照射される。回折格子8は、この2回目の回折光Ld1を回折させ受発光複合ユニット12に照射する。また、回折格子8には、1回回折光Lc2が回折格子11により回折されることにより生じる2回回折光Ld2が照射される。回折格子8は、この2回回折光Ld2を回折させ受発光複合ユニット12に照射する。
ちなみに、この回折格子8により回折格子11の格子面11aに照射する所定の位置と、格子面11bに照射する所定の位置とを近づけても良い。これにより、回折格子11内の厚みムラ等によって生じる光路長の差を小さくすることができ、スケールの厚みムラ等による誤差を軽減させることができる。
ここで、上記回折格子8の格子ピッチと回折格子11の格子ピッチが、ほぼ等しい時について考えると、温度の変化により光源の波長が変化してしまった場合、回折格子による回折角は、次の式を満たすように変化する。
sinθa+sinθa’=mλ/d
(ここで、m=回折次数、d=格子ピッチ、θa=入射角、θa’=回折角)
したがって、回折格子8がない状態では、図4の(A),(B)に示すように、光源の波長λの変動によって、回折角が変動した分、光軸にずれを生じる。よって光学部品14で所謂ケラレを生じる可能性がある。なお、図4の(A)は格子ピッチdが550nmで光源の波長λが778nmの状態を示し、(B)は格子ピッチdが550nmで光源の波長λが550nmの状態を示している。
これに対して、この実施の形態における変位検出装置50のように回折格子8を配置するで、図5の(A),(B)に示すように、光源の波長が変動しても戻り光の光軸を入射側とほぼ同じにすることができ受発光複合ユニット12の中心を通過させることができるため、安定した出力を得ることができる。なお、図5の(A)は格子ピッチdが550nmで光源の波長λが778nmの状態を示し、(B)は格子ピッチdが550nmで光源の波長λが550nmの状態を示している。
また、回折格子8の格子ピッチと回折格子11の格子ピッチが等しくなくても、角度の補正の効果は減少するものの、従来よりも少ない変動に抑えることができる。従って、例えば、受発光複合ユニット12と反射光学系14の配置を変えず、回折格子8の格子ピッチと回折格子11の格子ピッチの組み合わせを変えることにより、回折格子11の格子ピッチを自由に変えて設計できる。すなわち、回折格子11の格子ピッチを微細化して、この変位検出装置50をバージョンアップする場合に、上記回折格子8の格子ピッチを変えるだけで対応することができる。
また、この変位検出装置50における反射光学系14は、1回回折光Lc1を反射して再度回折格子11に照射する反射器26と、1回回折光Lc2を反射して再度回折格子11に照射する反射器27と、1回回折光Lc1の偏光状態を変える1/4波長板WP1と、1回回折光Lc2の偏光状態を変える1/4波長板WP2とを有する。
反射器26には、1/4波長板WP1を通過した1回回折光Lc1が照射される。反射器26は、この1回回折光Lc1が入射経路と同じ経路を逆行するように、該1回回折光Lc1を垂直に反射する。ちなみに、この反射器26に照射される1回回折光Lc1は、1/4波長板WP1を既に通過しており、またこの反射器26を反射する1回回折光Lc1は1/4波長板WP1を再度通過するため、偏光方向が90°回転された状態で、再度回折格子11へ照射されることになる。
反射器27には、1/4波長板WP2を通過した1回回折光Lc2が照射される。反射器27は、この1回回折光Lc2が入射経路と同じ経路を逆行するように、該1回回折光Lc2を垂直に反射する。ちなみに、この反射器27に照射される1回回折光Lc2は、1/4波長板WP2を既に通過しており、またこの反射器27を反射する1回回折光Lc2は1/4波長板WP2を再度通過するため、偏光方向が90°回転された状態で、再度回折格子11へ照射されることになる。
なお、この反射光学系14は、上述した構成に限定されるものではなく、例えば、反射プリズム、反射型回折格子あるいは反射型ブレーズドホログラムを用いて構成しても良い。
図6は、反射光学系14に反射プリズムを用いた変位検出装置50の構成を示している。
また、図7は、反射光学系14に反射型回折格子を用いた変位検出装置50の構成を示している。なお、この図6及び図7において、図2と同一の構成要素、部材については同一符号を付して、その説明を省略する。
図6に示すように、反射プリズム30には、1/4波長板WP31が順次積層されている。この反射プリズム30の反射面30aには、1/4波長板WP31を通過した1回回折光Lc1、Lc2が照射される。反射面30aは、この1回回折光Lc1、Lc2が入射経路と同じ経路を逆行するように、当該1回回折光Lc1、Lc2を垂直に反射する。ちなみに、この反射面30aに照射される1回回折光Lc1、Lc2は、1/4波長板WP31を既に通過しており、またこの反射面30aを反射する1回回折光Lc1、Lc2は、1/4波長板WP31を再度通過するため、偏光方向が90°回転された状態で、再度回折格子11へ照射されることになる。
次に、受発光複合ユニット12の詳細について説明をする。受発光複合ユニット12は、図8に示すように発光素子や受光素子を収容する収容部材40と、複数のレンズ(41a,41_1,41_2,41_3,41_4)からなる複合レンズ部41と、所定の偏光成分のみを透過させる偏光部42(42_1、42_2、42_3、42_4)と、光の偏光状態を変化させる位相板43と、回折格子11に照射する光を分割し或いは回折格子11で回折することより得られる2回回折光Ld1、Ld2を分離するための光分岐部44とを備える。
収容部材40は、光Laを出射する光源51と、後述する干渉光を光電変換して干渉信号を生成する受光素子52(52_1、52_2、52_3、52_4)と、光源51を設置して電気信号を印加し或いは反射面53aにより光路制御を行うための半導体基板53と、受光素子を設置して電気信号を取り出すための半導体基板54とを有する。
光分岐部44は、光源51から出射された光Laを2つの光La1、La2に分割して出射するとともに、回折格子8からの2回回折光Ld1、Ld2を合成させて合成光Ldを生成する偏光分離部58と、偏光分離部58から照射される合成光Ldを合成光Lda,Ldb,Ldc,Lddに分割する光分岐膜59_1、59_2、59_3、59_4とを有する。
光源51は、レーザ光等の可干渉光を発光する素子である。なお、この光源51は、例えば可干渉距離の小さいレーザ光を発光するマルチモードの半導体レーザ等であっても良い。
受光素子52は、受光面に対して照射された光を、その光量に応じた電気信号に変換する光電変換素子であり、例えば、フォトディテクタ等からなるものである。この受光素子52は、受光面に対して照射された各干渉光Lda,Ldb,Ldc,Lddを受光して、その光量に応じた干渉信号を生成する。
受光素子52により光電変換されて得られた干渉信号は、半導体基板54を介して図示しない位置検出部により検出される。この図示しない位置検出部は、得られた干渉信号に基づいて位相差を求め、回折格子11の相対移動位置を示す位置信号を出力する。
複合レンズ部41は、所定の開口数を有するレンズ等の光学素子からなるものである。レンズ41aには、光源51から出射された光Laが入射される。レンズ41aは、入射された光Laを所定のビーム径で回折格子11の格子面11aや、反射器26、27に結像させることができる。この第1の実施の形態においては、透過型の回折格子11を採用しているため、出射する光Laは通常反射器26、27に結像させる。このため、格子面11a上において照射されるビーム径を大きくすることができ、格子面11a上のゴミや傷の影響を軽減させることが可能となる。またこのような、外部に出射する光、受光する光のビーム径を共に制御する複合レンズ部41を同一パッケージ内に配置することにより、集積度を高めることができ、また作製工程を簡略化でき、装置全体の信頼性を高めることができる。
またレンズ41_1,41_2,41_3,41_4には、偏光部42から出射された干渉光Lda,Ldb,Ldc,Lddがそれぞれ入射される。レンズ41_1,41_2,41_3,41_4は、入射された各干渉光Ld1,Ld2,Ld3,Ld4を受光素子52_1,52_2,52_3,52_4に結像させる。その結像点は、必ずしもビーム径が最小となる点とする必要はない。またこの複合レンズ部41は、上述のように複数のレンズを連ねた構造に限定されるものではなく、例えば、上述のレンズ41a,41_1,41_2,41_3,41_4を一体として1つのレンズで構成しても良い。また、この複合レンズ部41を構成する各レンズは、ビームを収束させる場合のみならず、例えば平行光を出射させたり、或いは発散光を出射するようにしても良い。
偏光部42_1、42_2、42_3、42_4は、位相板43から入射された各合成光Lda,Ldb,Ldc,Lddについて所定の偏光成分のみを透過させ、干渉光Lda,Ldb,Ldc,Lddとしてレンズ部41へ出射する。各偏光部42は45°間隔(例えば5°、50°、95°、140°)に配置されていれば足り、偏光部42の取り付け時の姿勢について制約を受けずに配置することができる。なお、このような偏光部42を位相板43と複合レンズ部41の間に設けることにより、ユニット全体をコンパクトな構成にすることができる利点もある。
位相板43は、偏光部42と、光分岐部44の間に挟み込まれるように積層される。この位相板43は、例えば1/4波長板からなり、円偏光と直線偏光間の変換を行う。ちなみにこの位相板43は、光源51からレンズ41aを介して光Laが入射される。位相板43は、例えば直線偏光である光Laを円偏光に変換して偏光分離部58へ照射する。また、この位相板43は、光分岐膜59_1、59_2、59_3、59_4から出射された合成光Lda,Ldb,Ldc,Lddを受けて円偏光に変換し、上述した偏光部42へ出射する。すなわち、光源51からの光Laの変換と光分岐膜59からの光Ldの変換とを1つの位相板43により共用する構成を採用する。
偏光分離部58は、例えば偏光ビームスプリッタ等からなり、光源51から出射された光Laが位相板43を介して入射される。この偏光分離部58は、入射された光Laの一部を反射して光La1を生成し、入射された光Laの一部を透過して光La2を生成する。なおこの偏光分離部58は、光La1,La2を、偏光成分が直交するS偏光とP偏光に分割しても良い。この場合光La1はS偏光と光となり、また光La2は、P偏光の光となる。またこの偏光分離部58には、回折格子11からの2回回折光Ld1及び2回回折光Ld2が入射される。偏光分離部58は、2つの2回回折光Ld1、Ld2を重ね合わせて合成させ、該合成光Ldを光分岐膜59へ出射する。
光分岐膜59_1、59_2、59_3、59_4の各反射率は、夫々1/4,1/3,1/2,1に設定されている(すなわち、光分岐膜59_4は全反射面となっている)。このため、入射された合成光Ldをほぼ同一の光量で、合成光Lda,Ldb,Ldc,Lddに分割することが可能となる。
なお、受発光複合ユニット12には、上述した収容部材40と、複合レンズ部41と、偏光部42と、位相板43と、光分岐部44が、同一パッケージ内に配設され独立ユニットとして構成される。またこれらの各部材は、夫々積層されて一体となるように構成されている。
すなわち、受発光複合ユニット12は、各部材をパッケージ化して一体構造とすることにより、精密な位置調整が容易になり、また部品の配置スペースを大きくとる必要がなくなり、変位検出装置全体の小型化、軽量化を図ることができる。また、各部材を同一の収容部材内に収納することにより、環境変化や経時変化の影響を軽減させることができ、調整時のずれ等を最小限に抑えることができ、ひいては受発光複合ユニット12全体の信頼性を高めることができる。
次に、本発明を適用した第1の実施の形態の変位検出装置50の動作例について説明をする。
先ず光源51から出射された光Laは、例えば図8に示すように半導体基板53の反射面53aにより反射されてレンズ41aへ照射される。光Laは、このレンズ41aにより像変換され、例えば1/4波長板からなる位相板43へ照射される。
位相板43へ照射された光Laは、該位相板43により円偏光に変化させられる。すなわち、位相板43を介して出射される直線偏光の光Laは、光源51から出射される光の偏光方向の如何によらず、円偏光に変化させることができる。これにより、光源51から出射される光の偏光成分を従来技術の如く、光源51から出射する光の偏光成分を偏光分離部58に対してほぼ45°にすることなく、自由に選択することも可能となる。
位相板43を出射された光Laは、偏光分離部58により例えばS偏光とP偏光の光La1、La2に分離され、回折格子8を介して、回折格子11へ入射させる。ちなみにこの回折格子11における光Lb1の入射角をθa、光Lb2の入射角をθb、また1回回折光Lc1の回折角をθa´、1回回折光Lc2の回折角をθb´としたとき、以下の式(11)、(12)が成立する。
sinθa+sinθa´=mλ/d (11)
sinθb+sinθb´=mλ/d (12)
d:回折格子のピッチ
λ:光の波長
m:回折次数
1回回折光Lc1、Lc2はそれぞれ反射器26、27を垂直に反射する。このとき、1回回折光Lc1、Lc2は、1/4波長板WP1、WP2を2回通過するため、偏光方向は夫々90°回転させられる。このため、元々S偏光であった1回回折光Lc1はP偏光に変換され、また元々P偏光であった1回回折光Lc1は、S偏光に変換される。
次に、反射器26、27を夫々反射した1回回折光Lc1、Lc2は、再度回折格子11により回折されて2回回折光Ld1、Ld2となり、同一の光路を経て再度偏光分離部58へ到達する。偏光分離部58では、このP偏光である2回回折光Ld1と、S偏光である2回回折光Ld2とを重ね合わせて合成させ、合成光Ldを生成する。
合成光Ldは光分岐膜59_1、59_2、59_3、59_4を介してLda,Ldb,Ldc,Lddに分割される。この分割された合成光Lda,Ldb,Ldc,Lddは、夫々位相板43に照射される。このとき2回回折光Ld1、Ld2は、互いに逆周りの円偏光になる。この合成光Ldを特定の偏光成分のみ透過する偏光板を通じて受光すると、この合成光Ldについて、重ね合わせた2つの2回回折光Ld1、Ld2の振幅をA1、A2とし、回折格子11の格子ベクトル方向への移動量をx、初期位相をδとし、またK=2π/d(dは格子ピッチ)として、1回目、2回目の回折で夫々1次の回折光を利用した場合は、特定の偏光成分を取り出すと以下の(13)式のような干渉信号Iが得られる。
I=A12+A22+2・A1・A2cos(4・K・x+δ) (13)
この干渉信号Iは、回折格子11が格子ベクトル方向へd/4移動することにより1周期分変化する。δは、重ね合わせた2つの2回回折光Ld1、Ld2の光路長の差に依存する量である。
この位相板43を出射した各合成光Lda,Ldb,Ldc,Lddは、夫々偏光部42により、所定の偏光成分のみ透過させられる。各偏光部42は、夫々45°間隔になるように設定されているが、本例では偏光部42_1は0°の偏光方向のみ透過させるようにし、また偏光部42_2は45°の偏光方向のみ透過させるようにし、また偏光部42_3は、90°の偏光方向のみ透過させるようにし、さらに偏光部42_4は、135°の偏光方向のみ透過させるようにする。このとき各偏光部42を透過した干渉光Lda,Ldb,Ldc,Lddの強度は、夫々以下の式(21)〜(24)で表される。
B+Acos(4・K・x+δ) (21)
B+Acos(4・K・x+90°+δ) (22)
B+Acos(4・K・x+180°+δ) (23)
B+Acos(4・K・x+270°+δ) (24)
B=1/4(A12+A22)
A=1/2・A1・A2
式(21)は、偏光部42_1を透過した干渉光Ldaの強度を表した式であり、式(22)は、偏光部42_2を透過した干渉光Ldbの強度を表した式であり、式(23)は、偏光部42_3を透過した干渉光Ldcの強度を表した式であり、式(24)は、偏光部42_4を透過した干渉光Lddの強度を表した式である。これらの式で表される干渉光Lda,Ldb,Ldc,Lddは、レンズ41_1,41_2,41_3,41_4を介して、受光素子52_1,52_2,52_3,52_4に結像される。すなわち各受光素子52は、上述の式で表される干渉光Ldを光電変換して干渉信号を生成することとなる。
式(21)と式(23)とを減算すると、干渉信号の直流成分を除去することができる。また式(22)と式(24)とを減算すると、干渉信号の直流成分を除去することができる。また減算された信号は、互いに位相が90°異なるため、回折格子に移動方向を検知するための信号を得ることができる。
このように、本発明を適用した変位検出装置50では、位相板43が偏光部42と、光分岐部44の間に挟み込まれるように積層される。この位相板43は、直線偏光である光Laを円偏光に変換して偏光分離部58へ照射することができる。これにより、従来の如く光源51から出射する光Laの偏光成分を偏光分離部58に対してほぼ45°になるように光源51を配置することなく、自由に選択することも可能となる。これに伴い、受発光ユニット12において部品配置に余分な面積を要するという問題点を解消し、よりコンパクトな構成にすることができる。またこの位相板43は、光分岐膜59_1、59_2、59_3、59_4から出射された合成光Lda,Ldb,Ldc,Lddを受けて偏光方向が回転する直線偏光に変換し、上述した偏光部42へ出射することができる。これにより各偏光部42の偏光方向を図9に示す上から見た図のように45°間隔(例えば50°、5°、140°、95°)にすれば足り、偏光部42の取り付け時における制約を緩和させることができ、ひいては製造工程を簡略化や製造コストの削減を図ることも可能となる。また、この位相板43は、光源51からの光Laの変換と光分岐膜59からの光Ldの変換とを1つの位相板43により共用する構成を採用するため、寸法管理や容易となり更なる製造コストの削減を図ることも可能となる。
次に、本発明を適用した第2の実施の形態の変位検出装置について説明する。第1の実施の形態における変位検出装置50と同一の構成要素、部材については同一の番号を付して説明を引用し、本実施の形態における詳細な説明を省略する。
本発明の第2の実施の形態における変位検出装置70は、図10に示すように、工作機械等の可動部分に取り付けられ直線移動する反射型の回折格子71と、発光素子1により発光された光を2つの光La1,La2に分離して出射し、回折格子78により任意の角度に回折された2つの1回回折光Lb1,Lb2を作り出すとともに、戻された回折光Ld1,Ld2を互いに干渉させて、干渉信号を検出する受発光複合ユニット12と、受発光複合ユニット12から出射された2つの光La1,La2を回折格子71に照射するとともに、回折格子71からの2つの2回回折光Lc1、Lc2を受発光複合ユニット12へ導く回折格子78と、回折格子71からの2つの1回回折光Lc1、Lc2を反射して再度回折格子71に照射する反射光学系74とを備えている。
回折格子71は、例えば薄板状の形状を有しており、その表面に狭いスリットや溝等、または屈折率が分布した格子が所定間隔毎に刻まれている。このような回折格子71に入射された光は、表面に刻まれたスリット等により回折し、該回折格子71を反射する。回折により生じる回折光は、格子の間隔と光の波長で定まる方向に発生する。
なお、本発明では回折格子の種類は限定されず、上述したように機械的に溝等が形成されたもののみならず、例えば、感光性樹脂に干渉縞を焼き付けて作成したものであっても良い。
回折格子78は、光La1を回折させ回折格子71の格子面71aの所定の位置に照射する。この光Lb1が回折格子71により回折されることにより1回回折光Lc1が得られる。また、上記回折格子8は、光La2も回折させ、回折格子71の格子面71aの所定の位置に照射する。この光Lb2が回折格子71により回折されることにより1回回折光Lc2が得られる。
また、回折格子78には、1回回折光Lc1が回折格子71により回折されることにより生じる2回回折光Ld1が照射される。回折格子78は、この2回目の回折光Ld1を回折させ受発光複合ユニット12に照射する。また、回折格子78には、1回回折光Lc2が回折格子71により回折されることにより生じる2回回折光Ld2が照射される。回折格子78は、この2回回折光Ld2を回折させ受発光複合ユニット12に照射する。
ちなみに、この回折格子78により回折格子71の格子面71aに照射する所定の位置と、格子面71bに照射する所定の位置とが、同一位置になるように結像させる。このときビーム径は、格子面71a上のゴミや傷の影響を受けないような大きさが望ましい。また、この結像点は、必ずしもビーム径が最小となる点とする必要はなく、ビームの像内での光路長の差が最小となる点が格子面71a上に位置するようにしても良い。
また、この変位検出装置70における反射光学系74は、1回回折光Lc1を反射して再度回折格子71に照射する反射器76と、1回回折光Lc2を反射して再度回折格子71に照射する反射器77と、1回回折光Lc1の偏光状態を変える1/4波長板WP71と、1回回折光Lc2の偏光状態を変える1/4波長板WP72とを有する。
反射器76には、1/4波長板WP71を通過した1回回折光Lc1が照射される。反射器76は、この1回回折光Lc1が入射経路と同じ経路を逆行するように、該1回回折光Lc1を垂直に反射する。ちなみに、この反射器76に照射される1回回折光Lc1は、1/4波長板WP71を既に通過しており、また、この反射器76を反射する1回回折光Lc1は1/4波長板WP71を再度通過するため、偏光方向が90°回転された状態で、再度回折格子71へ照射されることになる。
反射器77には、1/4波長板WP72を通過した1回回折光Lc2が照射される。反射器77は、この1回回折光Lc2が入射経路と同じ経路を逆行するように、該1回回折光Lc2を垂直に反射する。
反射器77には、1/4波長板WP72を通過した1回回折光Lc2が照射される。反射器77は、この1回回折光Lc2が入射経路と同じ経路を逆行するように、該1回回折光Lc2を垂直に反射する。ちなみに、この反射器77に照射される1回回折光Lc2は、1/4波長板WP72を既に通過しており、またこの反射器77を反射する1回回折光Lc2は1/4波長板WP72を再度通過するため、偏光方向が90°回転された状態で、再度回折格子71へ照射されることになる。
この第2の実施の形態における受発光複合ユニット12の詳細と、第2の実施の形態における動作例は、第1の実施の形態の説明を引用する。
すなわち、反射型の回折格子71を用いる第2の実施の形態に係る変位検出装置70は、受発光複合ユニット12における各部材をパッケージ化して一体構造とすることにより、精密な位置調整が容易になり、また部品の配置スペースを大きくとる必要がなくなり、変位検出装置全体の小型化、軽量化を図ることができる。また各部材を同一の収容部材内に収納することにより、環境変化や経時変化の影響を軽減させることができ、調整時のずれ等を最小限に抑えることができ、ひいては受発光複合ユニット12全体の信頼性を高めることができる。
また、第2の実施の形態においても、光源51からの光Laの変換と光分岐膜59からの光Ldの変換とを1つの位相板43により共用する構成を採用するため、寸法管理や容易となり更なる製造コストの削減を図ることが可能となる。
ここで、この第2の実施の形態に係る変位検出装置70において、図11に示すように、回折格子78により開口部を閉じた密閉容器75内に受発光複合ユニット12を収納した構造として、回折格子78と受発光複合ユニット12を一体化するようにしてもよい。なお、変位検出装置70を構成する反射光学系74のうち、工作機械等の可動部分に取り付けられ直線移動する反射型の回折格子71は、上記密閉容器75内に収納できないが、反射器76、77は、上記密閉容器75内に収納してもよい。
このように、回折格子78を密閉容器75の窓ガラスとして使用することで変位検出部をシールド構造とすることができ、塵埃や、クーラントによる汚れから変位検出部を保護することができ、変位検出装置70のメインテナンス性を向上させることができる。
さらに、防水構造を採ることで、回折格子78を液体中に入れ、液体中での計測が可能になる。
また、上記回折格子78を耐熱ガラス又は断熱ガラスで構成することで、極めて高い温度環境あるいは極めて低い温度環境での計測が可能なり、変位検出部の結露や熱破損を防止することができる。
また、シールド構造とすることにより、測定環境を真空状態とすることも可能である。逆に、変位検出部の構成要素から放出されるガスによる影響を抑える効果もある。
近年、変位検出装置による測定環境として、このような環境が要求される場合が多々あり、上記シールド構造を採用した変位検出装置70は、これ等に適用して有効である。
なお、ガラス窓を備える密閉容器内に上記受発光複合ユニット12や回折格子78を収納してシールド構造としても、同様な効果は得られる。
次に、本発明を適用した受発光複合ユニット12の作製方法について図12を用いて説明をする。
先ず、ステップS11において、複数の光分岐部44を連ねた光分岐部44層と、複数の受発光複合ユニット12の面積分の位相板43と、複数の偏光部42を連ねた偏光部42層を作製する。そして光分岐部44層と、上記位相板43と、偏光部42層を順次積層して積層板81を作製する。この積層板81を作製する際には、偏光部42層の上に位相板43を積層し、さらにその上に光分岐部44層を積層しても良いし、また光分岐部44層の上に位相板43を積層し、さらにその上に偏光部42層を設けても良い。
次にステップS12へ移行し、作製した積層板81をスライスして複数に分割する。このステップS12において分割した個々の積層板はそれぞれ1個分の受発光複合ユニット12に相当する。
次にステップS13へ移行し、分割した個々の積層板81毎に、複合レンズ部41を接合し、さらにその接合した複合レンズ部41に収容部材40を接合する。
すなわち、本発明を適用した受発光複合ユニット12の作製工程では、最初に加工しやすい大きさの光学部品を張り合わせ、後からスライスして個々の受発光複合ユニット12を構成する大きさまで分割し、最後に複合レンズ部41と、収容部材40を張り合わせて完成させるため、生産工程をより簡単にすることができ、製造コストを削減させることができる。
上記第1及び第2の実施形態における受発光複合ユニット12は、各部材をパッケージ化して一体構造とすることにより、精密な位置調整が容易になり、また部品の配置スペースを大きくとる必要がなくなり、小型化、軽量化を図れる点に利点がある。このため、上述の製造工程を採用することができ、さらなる小型、低価格化等を実現することができる。
以上、本発明を適用した第1〜第2の実施の形態の変位検出装置を説明した。各実施の形態の変位検出装置では、格子が所定の間隔で平行に設けられた回折格子11、71を用いているが、本発明では、このような格子が平行に設けられた回折格子を用いなくても良い。例えばロータリエンコーダ等放射状の格子が設けられた回折格子を用いて角度検出をするようにしても良い。
また、本発明では、明暗を記録した振幅型の回折格子、屈折率変化や形状変化を記録した位相型の回折格子を用いても良く、その回折格子のタイプは限定されるものではない。
また、各実施の形態の変位検出装置では、回折格子11,71を工作機械等の可動部分に取り付けて、この回折格子11が可動部分の移動に応じて移動する場合について説明したが、本発明では、回折格子11,71と、変位検出装置とが相対的に移動すれば良いことは勿論である。
また、本発明は、図13に示す光学式変位測定装置90のように、図15に示した従来の光学式変位測定装置110に適用することもできる。
この光学式変位測定装置80は、工作機械等の可動部分の移動にともない、図13中矢印X1及びX2方向に直線移動する回折格子81と、光を出射する光源82と、光源82から出射された光を2本のビームに分割するとともに回折格子81からの2つの回折光を重ね合わせて干渉させるハーフミラーを用いたビームスプリッタ83と、このビームスプリッタ83により分割された2本のビームを回折格子上81上の同一位置に照射する回折格子84と、上記回折格子81で回折された回折光を反射する2つのミラー85a,85bと、干渉した2つの回折光を受光して干渉信号を生成するフォトディテクタ86とを備えている。
光源82から出射された光は、ビームスプリッタ83により2本のビームに分割される。この2本のビームは、回折格子84により回折されて回折格子81上の同一位置に照射される。回折格子81に照射された2本のビームは、この回折格子81でそれぞれ回折され、1回回折光となる。1回回折光は、それぞれ2つのミラー85a,85bにより反射され、回折格子81に再度照射されて回折され、2回回折光となる。これら2本の2回回折光は、同一の光路を経てビームスプリッタ83に入射され重ね合わされて干渉し、フォトディテクタ86に照射される。
このような構成の光学式変位測定装置80では、回折格子81における図中矢印X1、X2方向の変位を検出することができる。すなわち、この光学的変位測定装置80では、回折格子81の移動に応じて、回折格子81に基づく2本の2回回折光に位相差が生じる。このため、光学式変位測定装置80では、フォトディテクタ86により得られる干渉信号から2本の2回回折光の位相差を検出することにより、工作機械等の可動部分の移動位置を測定することができる。
この光学式変位測定装置80においても、回折格子81と回折格子84の格子ピッチを略等しくすることよって、上述の光学式変位測定装置50と同様に、温度の変化による光源の波長変化に対する角度の補正の効果を十分に得ることができる。また、回折格子81の格子ピッチと回折格子84の格子ピッチが等しくなくても、角度の補正の効果は減少するものの、従来よりも少ない変動に抑えることができる。また、回折格子81と回折格子84を透過型のホログラムにて形成してもよい。また、2つのミラー85a,85bは、反射型回折格子で構成することもできる。さらに、上記光源82、ビームスプリッタ83、回折格子84及びフォトディテクタ86を一体化した構造を採用することもできる。
先に提案した変位検出装置の構成を説明するための図である。 本発明に係る変位検出装置の構成を説明するための図である。 上記変位検出装置において変位検出に用いる回折格子の斜視図である。 上記変位検出装置において偏光ビームスプリッタから出射された2つの光を任意の角度に回折するための第1の回折格子がない状態での、光源の波長λの変動による回折角の変動に伴お光軸にずれを模式的に示す図であり、(A)は格子ピッチdが550nmで光源の波長λが778nmの状態を示し、(B)は格子ピッチdが550nmで光源の波長λが550nmの状態を示している。 上記変位検出装置において偏光ビームスプリッタから出射された2つの光を任意の角度に回折するための第1の回折格子を備えた状態での、光源の波長λの変動による回折角の変動に伴お光軸にずれを模式的に示す図であり、(A)は格子ピッチdが550nmで光源の波長λが778nmの状態を示し、(B)は格子ピッチdが550nmで光源の波長λが550nmの状態を示している。 反射光学系に反射プリズムを用いた変位検出装置の構成を示す図である。 反射光学系に反射型回折格子を用いた変位検出装置の構成を示す図である。 上記変位検出装置において受発光複合ユニットの構成図である。 上記受発光複合ユニットを上下面から描いた図である。 反射型の回折格子を用いる変位検出装置について説明するための図である。 受発光複合ユニットと回折格子を一体化した構造の光学式変位測定装置の構成を示す図である。 上記受発光複合ユニットの作製方法について説明するための図である。 本発明の光学式変位測定装置の他の構成例を示す図である。 従来の光学式変位測定装置の構成を示す模式図である。 従来の他の光学式変位測定装置の構成を示す模式図である。
符号の説明
8,11,71,78 回折格子、50,70 変位検出装置、12 受発光複合ユニット、14,74 反射光学系、26,27,76,77 反射器、WP1,WP2 1/4波長板、40 収容部材、41 複合レンズ部、42 偏光部、43 位相板、44 光分岐部、51 光源、52 受光素子、53,54 半導体基板、58 偏光分離部、59 光分岐膜

Claims (5)

  1. 光を出射する光源と、
    上記光源から出射された光を、互いに偏光成分が異なる2つの光に分離して外部光学系へ出射し、当該外部光学系から反射される上記2つの光を合成して合成光を生成する偏光ビームスプリッタと、
    上記光源と上記偏光ビームスプリッタの間に配設され、上記光源から出射される光の偏光状態を変化させて上記偏光ビームスプリッタへ導く位相板と、
    上記偏光ビームスプリッタから出射された2つ光を任意の角度に回折するための第1の回折格子と、
    変位を検出するための移動する第2の回折格子と、
    回折光を夫々反射する反射手段と、
    上記反射手段により反射された回折光が、上記第2の回折格子と第1の回折格子を再び辿って上記偏光ビームスプリッタに戻り、この偏光ビームスプリッタにより合成された合成光を複数に分割する光分割手段と、
    上記光分割手段により分割された合成光を夫々所定の偏光成分のみ透過させる偏光手段と、
    上記偏光手段を透過した干渉光を夫々光電変換して干渉信号を生成する受光手段と
    を備え、
    上記第1の回折格子と第2の回折格子の格子ピッチが略等しい変位検出装置。
  2. 上記光源、偏光ビームスプリッタ、位相板、第1の回折格子、光分割手段、偏光手段及び受光手段を一体化してなることを特徴とする請求項1記載の変位検出装置。
  3. さらに、上記反射手段を一体化してなることを特徴とする請求項2記載の変位検出装置。
  4. 上記第1の回折格子と第2の回折格子が透過型のホログラムからなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の変位検出装置。
  5. 上記回折光を反射する反射手段が反射型回折格子で構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の変位検出装置。
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