JP4558923B2 - 機器収納箱 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機器収納箱内にパネルを設け、そのパネル上に機器を装着する構造の機器収納箱に関し、詳しくはパネルの取付構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
機器収納箱内に例えば遮断器や機器制御スイッチ、或いはタイマ等の機器を装着するために箱本体内に設置するパネルは、従来、図6(a)の要部斜視図、及び図6(b)の機器収納箱縦断面図に示すように、箱本体11側に雌ねじ13を設けた当接面12aを突設したパネル固定片12を少なくともパネルの4隅に対応する位置に設け、その固定片12に対応したパネル15の4隅等にねじ挿通孔14を穿設し、小ねじ16をパネル前面から挿通してパネル固定片12に螺入してパネル15を固定していた。これは、取り付けが汎用工具であるドライバーで行うことができ容易であるし、パネル表面には小ねじ16の頭部が露出するだけで、突起部が小さく、電線等を傷つけることがないので、広く採用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、パネル15を取り付ける箱本体11が壁面等に設置されている場合、パネル15を取り付ける際、パネル15が外れないように、また取付位置がずれないようにパネル15を保持しながらねじ締め作業を行わなければならない。特に、パネル15に多くの機器が取り付けられている場合、パネル15は重くなるし重量バランスも悪くなるため、ネジ締め作業をする作業者以外にパネル15を保持する作業者が必要であり、取り付け作業が面倒なものとなっていた。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、機器収納箱が壁面に取り付けられた状態であっても、作業者が一人で容易にパネルを装着することが可能な機器収納箱を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、機器収納箱のパネル取り付け部位端部に雌ねじを有するパネル固定片を突設すると共に、パネルの前記雌ねじ対応位置にねじ挿通孔を設け、該ねじ挿通孔を介してパネルを機器収納箱にねじ止め固定し、該パネルに機器を装着して収納する機器収納箱であって、パネルは少なくとも前記パネル固定片の近傍となる端部に、後方へ折り曲げて形成した側板を具備し、前記パネル固定片が該側板及びパネル背面の双方に当接可能であって、少なくとも前記パネルの上端を固定する前記パネル固定片に上方へ突出する突起を設ける一方、前記側板の前記パネル固定片が当接する当接部位に、前記突起が嵌入可能な孔を設け、前記突起の前記孔への嵌入により機器収納箱の所定位置に配置したパネルを保持可能としたことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の要部である機器収納箱のパネル取付部を示し、パネル上端部の拡大斜視図を示している。図において、2は機器収納箱の箱本体底部に固着されたパネル固定片、3はパネル、4はパネルを固定するねじである。
【0007】
パネル固定片2は、1枚の金属板を凸形状に折り曲げて形成され、中央の突起部をパネル当接面2bとし、その左右に箱本体1に固着するための固着片2aが形成されている。そして、パネル当接面2bには雌ねじ5が設けられ、パネル当接面2bの左右に形成された立ち上がり辺2cの端部には半円状の突起6がパネル当接面の側方へ向けて形成されている。
【0008】
このパネル固定片2は、箱本体1を壁面に取り付けた際にパネルの左右上端となる2箇所に固着されている。その際、突起6が上向きに配置されるよう固着されている。また、パネル下端の左右2箇所にもパネル固定片は設けられている(図示せず)が、上端部以外のパネル固定片は突起のないものが固着されている。
尚、パネル固定片の設置位置はパネルの4隅に限定するものではなく、パネルの大きさに応じて、4隅以外に設置しても良い。また、パネル固定片の箱本体への固着は、溶接やねじ止めで行えばよい。
【0009】
パネル3は、略四角形の金属板から成り、周囲4辺には一定幅で後方へ折り曲げて形成した側板3aを有している。そして、パネル3を箱本体1の所定位置に配置した際にパネル固定片2の雌ねじ5に対応する位置にねじ挿通孔7が形成され、側板3aのうちパネル上辺に形成された上側板9の端部となるパネル固定片2当接位置、正確にはパネル固定片2の突起6の対応する位置には孔8が穿設されている。この孔8は突起6を嵌入して、パネル3を配置した際に位置決め保持させるためのものである。
【0010】
ここでは、端部を切り欠いて側板3aを短くし、左右に設けた突起6のうちの一方のみに孔8が係止するように形成されているが、パネル隅部まで側板3aを伸ばして双方の突起6に係止するようにしても良い。
尚、側板3aは、パネル3の周囲全域に設けずパネル固定片2に当接する部位のみに形成しても良いが、周囲4辺の全域に設ければパネル強度を上げるのに役立つ。また、突起6は一つのパネル固定片に少なくとも1個設ければよい。
【0011】
このように、係止手段としてパネル固定片2に突起6を設け、上側板9に孔8を設けることで、パネル3を機器収納箱の所定位置に配置した状態でその状態を保持させることができるので仮止め状態を維持することができる。従って、別途仮止め作業が必要ない。そのため、一人の作業者により容易にパネルの配置作業及び装着作業即ちねじ止め作業をすることができる。
また、パネル3を外す際に、パネル3を保持しなくてもパネルが落下するようなこともなくなるし、孔8に突起6を嵌入させる簡易な構成で仮止め機構は形成されるため安価に構成できる。
【0012】
図2はパネルの取り付け手順を示している。図に基づいて説明すると、先ず図2(a)に示すように、パネル3の上側板9を箱本体1の底板上部の左右に設けた2個のパネル固定片2に載置する。この載置操作の際に、図2(b)に示すようにパネル固定片2の突起6に、側板3aに設けた孔8を係合させ、孔8に突起6を嵌入してパネル3を係止保持させ。この操作で、作業者がパネル3を保持し続けなくとも、図2(c)に示すように、仮止めした状態となりこの状態を維持することができる。そして、図2(d)に示すように前方からねじ4をパネルのねじ挿通孔7を介してパネル固定片2の雌ねじ5に螺入し、パネル3を箱本体1にねじ止め固定する。
【0013】
このように、パネル3を所定位置に配置操作して上部のパネル固定片2に側板3aを載置するだけで、パネルは仮止めできる。また、パネル3に機器が装着された状態であっても、孔8と突起6を嵌合させるので仮止め状態を保持することが可能であり、一人の作業者によりパネル載置操作とねじ止め装着操作を容易に行うことができる。
【0014】
尚、突起6は半円形である必要はなく、他の形状、例えば図3に示すように三角形であっても良く、その場合対応する孔形状も図示するように例えば四角形としても良いし、孔8は貫通孔でなく凹部であっても良い。なお、図4は本発明の参考例を示しており、パネル固定片2に一方の係止手段の孔8を設け、パネル3の上側板9にその孔に係合する他方の係止手段として突起6を折り曲げて形成したものである
【0015】
図5は、本発明の他の形態を示す機器収納箱の縦断面説明図であり、パネル固定片2をパネル4隅に設け、全てのパネル固定片を突起を有するものを使用している。パネル3下端部を固定するパネル固定片2は下向きに突起6を設けてある。そして、上部、下部の突起6、6間の距離Aをパネル3の上側板9、下側板3a間の内寸法Bより僅かに小さくしてある。
このように、パネル下部を固定するパネル固定片2の取り付け位置をパネル下端部から遊びを持たせた位置に設けることで、突起6を設けたパネル固定片2を下端部に使用しても、パネルの装着操作に支障をきたすことが無く、容易に装着でき、上記実施の形態と同様に仮止め状態を形成できる。そして、こうすることで取り付けるパネル固定片を1種類のみとすることができ、部材の種類を削減できるし、製造工程や箱体取り付け作業時に箱体の上下を気にする必要も無くなる。
【0016】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明によれば、パネルを機器収納箱の所定位置に配置した状態で即仮止め状態とすることができるので、仮止め作業を別途必要としない。そのため、一人の作業者によりパネルの配置作業及び装着作業即ちねじ止め作業を容易に行うことができる。
また、パネルを外す際に、パネルを保持しなくてもパネルが落下するようなこともなく、作業者への負担が少ない。
さらに、パネルの側板に設けられた孔にパネル固定片に設けられた突起を嵌入させる簡易な構成でパネルを保持できるため、該保持に係る作業が容易であるし、保持に係る構成(すなわち突起及び孔)も安価に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の一例を示す機器収納箱の要部斜視図である。
【図2】 図1のパネルの取り付け手順を説明する図である。
【図3】 パネル取付部位の他の実施例を示す要部斜視図である。
【図4】 パネル取付部位の参考例を示す要部斜視図である。
【図5】 本発明の他の実施形態を示す機器収納箱の縦断面説明図である。
【図6】 従来の機器収納箱を示し、(a)はパネル取付部の斜視図、(b)はパネル着脱操作の様子を示す縦断面説明図である。
【符号の説明】
1・・箱本体、2・・パネル固定片、2a・・固着辺、2b・・パネル当接面、2c・・立ち上がり辺、3・・パネル、3a・・側板、4・・ねじ、5・・雌ねじ、6・・突起、7・・ねじ挿通孔、8・・孔、9・・上側板。

Claims (1)

  1. 機器収納箱のパネル取り付け部位端部に雌ねじを有するパネル固定片を突設すると共に、パネルの前記雌ねじ対応位置にねじ挿通孔を設け、該ねじ挿通孔を介してパネルを機器収納箱にねじ止め固定し、該パネルに機器を装着して収納する機器収納箱であって、
    パネルは少なくとも前記パネル固定片の近傍となる端部に、後方へ折り曲げて形成した側板を具備し、前記パネル固定片が該側板及びパネル背面の双方に当接可能であって、少なくとも前記パネルの上端を固定する前記パネル固定片に上方へ突出する突起を設ける一方、前記側板の前記パネル固定片が当接する当接部位に、前記突起が嵌入可能な孔を設け、前記突起の前記孔への嵌入により機器収納箱の所定位置に配置したパネルを保持可能としたことを特徴とする機器収納箱。
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