JP4558910B2 - 螺旋捻じり軸体とその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯状の金属板部材をねじり加工して軸線方向に伸縮できる構成とされた螺旋捻じり軸体とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、長さを調整する必要のある軸体、例えばロッドの場合、嵌め合わせ構造にされた軸体を軸線方向にスライドさせて所要位置で嵌め合い構造部に対して外部から固定手段によってスライドしない状態に固定する方式が採用されている。
また、ねじ番構造にして長さ調節する方式、例えばターンバックルを使用することもしばしば採用される手段の一つである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のロッドを入れ子式(嵌め合い構造)にして伸縮調整を行う方式の場合は、軸線方向に作用する外力が大きくなると断面強度を高めるために全体的に軸径が大きくなる。また、長さ調整後に所定位置で固定するには挿入されている軸体に対して挿入軸を外部から強力に固定する摩擦力を付勢する必要がある。したがって、嵩低くしようとするとテーパ付きスリーブの組合わせによる締付け摩擦によるロック機構を組込むか、押しネジによって外側の軸体から内側の軸体に固定力を付加する構造とすることが必要となる。
【0004】
また、ターンバックルの形式にあっては右ネジと左ネジとのネジの向きが異なる二種類のネジ軸部を有する軸体を用意して、これら軸体に螺合する向きの異なるネジ部を有する一個の部材を組み合わせて構成されることになる。したがって、左右両ネジ部を有する部材を回動させて簡単に長さ調節ができる点で前者の嵌め合いスライド構造の軸体よりも取扱いが簡単で、しかも長さ調整が細かく行えるという利点がある。しかし、向きの異なる二種類のネジ部を備える必要があって高価につくという問題点がある。
【0005】
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、金属帯板材を組合わせて螺旋構造に形成することで、軸線方向に伸縮可能な、合理的で機能性を備える螺旋捻じり軸体とその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
前述された目的を達成するために、第1発明による螺旋捻じり軸体は、
所要幅の金属帯板二部片を重ね合わせた状態で等ピッチに螺旋捻じり構造とされ、重ね合わされた螺旋捻じり構造の部片が他方の部片に対して螺旋に沿って軸方向に移動可能な構成とされていることを特徴とするものである。
【0007】
本発明によれば、等ピッチで螺旋状に捻じられた二部片にてなる軸体を、その各部片の一端に所要の部材を接続して、前記螺旋捻じりを施された二部片を相互にあるいは一方のものを回動させることにより、捻じり合う二部片の各部片が他の部片に対して螺旋に沿って軸方向に摺動して軸方向に組合わされる軸体を伸長あるいは収縮させることができる。そして、この螺旋捻じりされた二部片によって軸体を構成させるので、その回動を阻止する機構を付加すると、帯板を用いたものであるにもかかわらずその断面係数を大きくすることができて剛性の高い軽量な軸体を得ることができる。したがって、大きな負荷が作用しない用途に用いれば、長さ調整の自在な軸体として利用することができる。
【0008】
前記組合わされる螺旋捻じり部片の各一端を所要長さで平坦部にして、その平坦部を他の物品との接続部とするのがよい。また、組合わされた前記螺旋捻じり部片に固定手段を有する固定部片を被嵌して所要位置で固定手段によって両螺旋捻じり部片の固定ができるようにされるのがよい。こうすると、螺旋捻じり部片を組合わされてなる螺旋捻じり軸体の両端部で形成される平坦部に使用目的に応じた接続部材を取付けることで、伸縮可能な軸体として所要長さに設定後固定部片の固定手段によって両螺旋捻じり部片を固定して、例えば二つの物品の静置間隔を一定に保たせるための間隔調整棒体として使用できる。もちろん、用途についでは長さを調節できる部材として端部の平坦部分に他の部品を一体的に取付けることで各種用途に採用して簡単な構成で目的を達成できる。
【0009】
次に、第2発明による螺旋捻じり軸体の製造方法は、
所要寸法の金属帯板を素材として用い、所要長さに切断した前記金属帯板を二枚重ね合わせて両端部を所定位置で固定保持し、その保持間隔を一定に保って一端部もしくは両端部に回転力を加えて前記素材を捻じり、保持する両端部以外の部分を等ピッチで螺旋状に形成し、その後において、重なり合う螺旋捻じり部片の前記保持端部のうち、各一方の保持端部を切除して、これら両螺旋捻じり部片の各部片を他方の部片に対して螺旋に沿って軸方向に移動可能に形成することを特徴とするものである
【0010】
本発明においては、得ようとする軸体の基本寸法として所要外径寸法(板厚、帯状幅、長さ)を予め設定された金属帯板を素材として準備して、その素材を二枚重ね合わせて、加工に適した長さ寸法で両端部を固定保持させ、その保持間隔を一定に保った状態で一方の端部に回転力を付加する。こうすると、帯状の素材は、回転力を加えられる一方から次第に捻じられて螺旋状に形成される。この際、素材の両端部間の寸法は一定に保たれているので、保持されている部分以外の中間部分には緊張力が加えられつつ二枚の素材が回転力により同時に螺旋状に塑性変形されるのである。したがって、回転力を加える側での回転するに応じて形成される螺旋のリードがほぼ一定になって重なり合った二枚の素材が等しく螺旋捻じり部片に形成される。この際の素材に対する回転数は材料が降伏点をやや越えた程度に留められ、過剰な応力による残留応力で劣化しないように考慮するのが好ましい。なお、前記素材に対する回転力の付加は、必要に応じて両端部から加えることも可能である。この場合、両側からは同じ回転力で同一速度にて相反する方向に回転させるようにするのが好ましい。
【0011】
こうして螺旋状に捻じり加工を施された螺旋捻じり部片の両保持端部のうち、各一方の保持端部のみを例えばプレス加工、もしくはディスクカッタによって切除する。こうすることで、螺旋状にされた軸部が相互にスライドできる状態に成形される。
【0012】
本発明によれば、所要寸法の素材を二枚重ね合わせて両端部で固定保持して回転力を加えることで軸部を螺旋状に形成することにより、その軸部には常時軸線方向に緊張力を与えながら捻じり加工を行うので、二枚の帯状素材が等しく塑性変形すると同時にその軸線を自動矯正されて一定に保持される。その結果、端部に平坦部分を備えて一直線に軸線を整えられた螺旋状に捻じり加工されてなる軸体が簡単に得られる。この捻じり加工時に、螺旋のリードを等しくなるように捻じりを加えることが必要であり、そうすることで各一方の平坦な端部を切除すると、二枚重ねて加工されているから、両螺旋状部片が螺旋状部で同一になり、回転力を加えると螺旋のリードによって軸方向に移動自在となり、軸体として長さ寸法を自在に伸縮することができるものとなる。したがって、前記第1発明における作用効果を有する螺旋捻じり軸体として多量生産可能になり、安価に提供できるという効果を奏する。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による螺旋捻じり軸体とその製造方法の具体的な実施の形態につき、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
図1に第1発明にかかる螺旋捻じり軸体の一実施例全体斜視図が示され、図2にその螺旋捻じり軸体の拡大断面図が示されている。
【0015】
本実施例の螺旋捻じり軸体1は、所要外形寸法に切断された鋼製帯板にてなる二枚の素材を重ね合わせて、その両端部5,5で所要長さの平坦部分にして、その平坦部分でなる端部5,5以外の軸部3を所要のリードで捻じられて螺旋部分4に形成された二つの螺旋捻じり軸部片2,2(本発明の螺旋捻じり構造の部片に相当)を組合わせてなる構造のものである。
【0016】
このような螺旋捻じり軸体1は、後述する製造方法によって得られるものであり、組合わされた螺旋捻じり軸部片2,2によって構成される軸体の軸線を一直線に保たれて曲がりなどの歪みがなく、全体的に剛性を備えて無理な外力を加えない限り、全体として真直ぐで剛性を保持している。そして、螺旋捻じり軸部片2,2は回動力を加えると、螺旋部分4(軸部3)でそのリードによって軸線方向に摺動し、長さ寸法を調節することができる。
【0017】
この螺旋捻じり軸体1は、使用に際して、その両螺旋捻じり軸部片2,2の端部5,5に別途部品、例えば所要外径寸法で端面に座を有する座板11を取付けて、その座板11(別途部品)によって機器その他に取り付けるようにすることで両座板11,11を介して間隔規制の軸体として使用できる。この場合、一方の座板11を回動させることにより軸体1がその長さ寸法を調節できるので、長さ調節自在なロッドとして活用できる。なお、一定寸法で螺旋捻じり軸体1を固定するには、例えば図3に示されるように、軸部3に押しネジ14を備えたスリーブ13(本発明における固定部片に相当)を被嵌させておいて、寸法が決定した状態で押しネジ14をねじ込んで重なり合う螺旋捻じり軸部片2,2の螺旋部分4に横方向の押圧力を付与することで移動を固定させることができる。もちろん、押しネジ14による押圧力を除けば自在にスライドできて長さ寸法の変更ができる。
【0018】
前述のような端部5に別途部品を装着するには、その端部5が平坦部分を備えているので、例えば装着する部品をプラスチック製とすると、その軸体装着部に端部5が挿入固定できる扁平な取付穴(有底穴であってもよい)を設けておき、その取付穴に螺旋捻じり軸体1の端部5を挿入して固定すればよい。
【0019】
また、例えば別途部品が軸線方向に作用する部材である場合、螺旋捻じり軸体1の端部5,5に一端が接続する別途部品と連結できる形状にして、その他端の軸芯に端部が挿入固定できる扁平な取付穴を設けられた継ぎ手片を用いて接続することで使用できる。この場合、軸線方向に負荷が作用しても、この螺旋捻じり軸体1は二つの螺旋捻じり軸部片2,2を組合わせて構成されているので、その形状構造から軸方向の作用力に対する応力が大であり、剛性も高いので実体軸に優る強度を保持して対向させることができる。このような使用方法においても、前記例と同様の固定手段によって長さ調整その他両螺旋捻じり軸部片2,2の固定を行うのが好ましい。
【0020】
上記実施例の説明において、二つの螺旋捻じり軸部片2,2を固定する手段として押しネジ14付のスリ−ブ13を用いるものを記載しているが、この他に、長さ調整後、再調整せずに固定的に使用されるようなものとして例えばアルミニウムのような変形容易の材料のスリーブを被嵌しておき、軸体1の長さ寸法決定後、前記スリーブを外部から圧縮変形させて螺旋捻じり部での移動を固定するような方式が採用できる。また、もっと簡素化する場合は長さ寸法調整後、針金などで固縛するという方式を採用することもできる。このような固定方式を採用すれば、安価に提供できる。このような方式は固定的に取扱う場合に都合がよい。このような組合わせを採用すると、例えば建設現場で多く使用されるコンクリート打設用の形枠の寸法決めなどに採用して効果的である。
【0021】
次に、本発明の螺旋捻じり軸体1について、その製造方法の一具体例を図4(a)〜(d)によって説明する。
【0022】
まず、図4(a)に示されるように、目的とする螺旋捻じり軸体1の所要外径寸法となるに要する外形寸法の鋼製帯板を素材20として同一のものを二枚準備する。この鋼製帯板は、例えば所要板厚の鋼板から切断して得られたものが用いられる。ここで得ようとする螺旋捻じり軸体1の外径d(図2参照)は、近似的に帯板の幅寸法となる。また、軸体の基準的全長(製品完成後におけるもっとも短い長さ寸法)としては基本的に準備する鋼製帯板の全長Lとする。板厚は使用目的に応じて任意に設定することができる。なお、この板厚については許容できる範囲で薄い寸法のものが加工を容易にすることで好ましい。
【0023】
用意された鋼製帯板(以下、単に素材20という)は、その両端部に取付穴6をそれぞれ加工する。次いで、別途準備されている捻じり加工装置にその素材20を二枚重ね合わせて装着する。ここで使用される捻じり加工装置30としては、図6(a),(b)に示されるような構成のものが用いられる。そこで、次に捻じり加工装置についてその一具体例を説明する。
【0024】
この捻じり加工装置30は、ベース31上で一端部に固定設置される軸受にて回転自在に支持される回転保持手段32と、この回転保持手段32に対向して軸線方向に移動可能な固定保持手段36および保持間隔設定手段40とで構成されている。前記回転保持手段32は、定置する保持ブロック33の軸受部33aにて回転自在で軸方向には定位置に保たれ、軸受部33aから保持部34aを軸線方向に突出すとともにその他端部を反対方向外側に突出させて回転ハンドル35を取付けてなる回転ホルダ34を備えている。その回転ホルダ34の保持部34aは、回転軸芯に沿って取付保持面34bが形成され、この取付保持面34bに軸線上で交叉して保持ピン34cが植設されている。前記固定保持手段36は、ベース31に長手方向で設けられたガイドブロック37に沿い形成されるガイドレール37aに滑合して軸線方向に移動可能に支持された固定ブロック38と、この固定ブロック38の中心部で前記回転ホルダ34と軸心線を合致させた固定ホルダ39とからなり、その固定ホルダ39の軸線に沿って形成される取付面39aには、前記回転ホルダ34と同様に軸線に交叉して保持ピン39bが植設されている。このような固定保持手段36の固定ホルダ39には、ベース31の他端(保持ブロック33と反対側端)に取付く端板41に設けられた雌ネジ部に螺合するスクリュー軸42の先端を回転自在で離脱不能に連結され、このスクリュー軸42の他端部をハンドル43で回転させることにより固定ブロック38をベース31付設のガイドブロック37のガイドレール37aに沿って進退できるようにして保持間隔設定手段40が繋がれている。
【0025】
先に準備された素材20は、図4(b)で示されるように、二枚重ねた状態でその両端部の取付穴6,6をそれぞれ固定ホルダ39と回転ホルダ34の各保持面39a,34aにおける保持ピン39b,34cに係合させて保持させる。この際、図6(a)に示される固定保持手段36の固定ブロック38は、保持間隔設定手段40のスクリュー軸42をハンドル43で回転させて移動させ、固定ホルダ39と回転ホルダ34の両保持ピン39b,34cに素材20の取付穴6が合致するように位置設定を行う。なお、素材20の両端を固定・回転両ホルダ39,34の保持面に保持させたとき、素材20が簡単に外れ落ちないように位置決めしておく。
【0026】
次いで、図4(c)に示されるように、回転保持手段32のハンドル35を回転操作すると、回転ホルダ34が回動して保持している素材20の一方をともに回転してねじり力が加えられる。すると、素材20は、他方端部が固定ホルダ39の保持面39aに保持ピン39bと取付穴6とで係合保持され、一方端部が回転ホルダ34によって回動させられるので、固定端部では緊張力が加えられるだけで固定状態に保たれて、素材20の中間部は二枚重ねのまま捻じられる。
【0027】
この状態を続けて回転ホルダ34を所要回数回転させると、素材20に加えられる捻じり力で中間部分が螺旋状に形成される。この加工状態においては、固定ホルダ39と回転ホルダ34との保持ピン39b,34c間の距離が常に一定であるから、素材20が捻じられるに従って軸線方向に伸長されつつ螺旋状に塑性変形されることになる。したがって、捻じりを加えられた素材は、加工中常に軸線方向に引張力が作用して緊張することになり、しかも二枚重ねにされているので両者は密接状態を保たれて、捻じり回数に応じてほぼ等しいリードで螺旋状にされ、同時に軸芯を真直ぐに保たれて捻じり軸が形成されるのである(図4(d)参照)。この結果、得られた螺旋捻じり軸体の中間製品は、自動的に真直で螺旋状のものとなる。
【0028】
このようにして捻じり加工を終えたならば、保持間隔設定手段40のスクリュー軸42をハンドル43で回転させて固定ブロック38を移動させ、緊張力を除くと螺旋捻じり軸体の中間製品を簡単に取り外すことができる。なお、この捻じり加工に際しては、その加工に伴なうスプリングバック量を想定して、予め多く捻じるようにする。また、製品として取扱い易くなるように、両端部が同一面に揃うように捻じり量を設定して作業を終了させる。
【0029】
捻じり加工によって螺旋部分4が形成された中間製品は、その両端部5,5の平坦部分が二枚ともに重なって平坦であるから、次に図5で示されるように、二枚の螺旋捻じり軸部片2,2の両端部5,5において互いに相反する側の一方の平坦部分を切除する。この加工としては、例えば切除しようとする側の平坦部分を他方の軸部片の平坦部分から浮き上がらせるように重ね合わせ面から引き上げて螺旋形成部(螺旋部分)との境界部分でカッタにより切断するか、ディスクグラインダで切断する。
【0030】
こうして二枚重ねになっていた螺旋捻じり軸部片2,2は、その相反する端部5,5の平坦部分を切除したことにより、各螺旋捻じり軸部片2,2が螺旋状の軸部3でその螺旋のリードに沿ってスライド可能になり、軸方向に伸縮できる螺旋捻じり軸体1として完成する。
【0031】
このようにして得られた螺旋捻じり軸体1は、前述のように、帯板を螺旋状に形成することで適度な加工硬化を生じ、その加工硬化とねじり構造により全体的に剛性の高い軸体として仕上げられる。しかも、二枚の軸部片を同時に捻じり加工して形成されるので、そのリードを等しいピッチに仕上げることで回転力を加えると螺旋によって相互に軸方向にスライドして軸体の長さを伸縮させることができるのである。
【0032】
したがって、前述のように螺旋捻じり軸体1としての両端部、言換えれば各螺旋捻じり軸部片2の平坦部分を有する端部5に、その平坦部分と組合わせることで取付られる別途取付部品を固着させ、それら取付部品によって目的とする機器や部材などに取付けることで、取付間隔の調整可能な軸体(ロッド)として使用することができる。なお、この螺旋捻じり軸体1は、両端部に取付ける部品の形状構造によってロッドの中間部に介在させてターンバックルのような部品として使用することもできる。
【0033】
本実施例では、素材として鋼板から切断した帯板を使用したもので説明したが、これに代えて所要寸法の平帯材を引抜き材によって使用するようにすれば、鋼板から帯状に切断する加工を省略でき、かつ必要寸法に切断する際のロスをなくし、経済効果を高めることができる。また、前記螺旋捻じり加工装置30による捻じり加工に際して、素材の両端部をクランプにより把持して捻じり加工することもできる。このようにすると、取付穴加工を省略できる。また、以上の実施例の説明においては、素材に螺旋捻じり加工を施すのに、一端部に回転力を加えて捻じる方法について述べたが、必要に応じて両端部から素材を回転して行うことも可能である。この場合は、両方から同様な回転力を加えるのが好ましい。
【0034】
本発明による螺旋捻じり軸体は、上述したような長さ調節自在な軸体としてのみならず、他の分野での物品として使用できるものであり、端部に形成される平坦部を利用して他の物品に対する取付(連結)を容易にすることで各種用途に利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかる螺旋捻じり軸体の一実施例全体斜視図である。
【図2】図2は、螺旋捻じり軸体の拡大断面である。
【図3】図3は、本発明の螺旋捻じり軸体に固定用のスリーブを付設したものの一例を示す図である。
【図4】図4(a)〜(d)は、本実施例の軸体の加工手順を説明する図である。
【図5】図5は、螺旋捻じり加工を施された中間製品の端部を切除して製品とする説明図である。
【図6】図6は、本発明螺旋捻じり軸体の捻じり加工装置の一実施例図で、(a)は全体斜視図、(b)は要部を表わす図である。
【符号の説明】
1 螺旋捻じり軸体
2 螺旋捻じり軸部片
3 軸部
4 螺旋部分
5 端部(平坦部分)
6 取付穴
11 座板
13 スリーブ
14 押しネジ
20 素材
30 捻じり加工装置
32 回転保持手段
33 保持ブロック
34 回転ホルダ
34c,39b 保持ピン
35 ハンドル
36 固定保持手段
38 固定ブロック
39 固定ホルダ
40 保持間隔設定手段

Claims (4)

  1. 所要幅の金属帯板二部片を重ね合わせた状態で等ピッチに螺旋捻じり構造とされ、重ね合わされた螺旋捻じり構造の部片が他方の部片に対して螺旋に沿って軸方向に移動可能な構成とされていることを特徴とする螺旋捻じり軸体。
  2. 前記組合わされる螺旋捻じり部片の各一端を所要長さで平坦部にして、その平坦部を他の物品との接続部とする請求項1に記載の螺旋捻じり軸体。
  3. 組合わされた前記螺旋捻じり部片に固定手段を有する固定部片を被嵌して所要位置で固定手段によって両螺旋捻じり部片の固定ができるようにされる請求項1または2に記載の螺旋捻じり軸体。
  4. 所要寸法の金属帯板を素材として用い、所要長さに切断した前記金属帯板を二枚重ね合わせて両端部を所定位置で固定保持し、その保持間隔を一定に保って一端部もしくは両端部に回転力を加えて前記素材を捻じり、保持する両端部以外の部分を等ピッチで螺旋状に形成し、その後において、重なり合う螺旋捻じり部片の前記保持端部のうち、各一方の保持端部を切除して、これら両螺旋捻じり部片の各部片を他方の部片に対して螺旋に沿って軸方向に移動可能に形成することを特徴とする螺旋捻じり軸体の製造方法。
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