JP4558572B2 - 高耐熱性モリブデン合金およびその製造方法 - Google Patents
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平均粒径4μmのMo粉末に0.1〜6.0質量%のTi粉末を添加、混合したのち、200MPaで静水圧プレスし1800℃で10hの水素焼結をした。得られた焼結体を熱間圧延および冷間圧延を施し厚さ1mmの板材とした。加工率(=(焼結体の厚さ−板材の厚さ)/焼結体の厚さx100)は98%である。
上記例1と同様な方法で、厚さ1mmのTi以外の窒化物形成金属元素を固溶したMo合金の板材を作製した。加工率は98%である。得られた圧延材を、例1と同様な方法で、内部窒化処理および再結晶熱処理を施し、組織形態を観察した。その結果を下記表2に示す。
例3では、Ti以外の窒化物形成金属元素を2種以上固溶のMo合金についても検討したところ、本発明の技術によって、組織異方性を少なくできることも確認できた。即ち、上記例1と同様な方法で、厚さ1mmの窒化物形成金属元素を2種以上固溶、あるいはさらに炭化物粒子、酸化物粒子、硼化物粒子が分散したMo合金の板材を作製した。加工率は98%である。得られた圧延材を、例1と同様な方法で、内部窒化処理および再結晶熱処理を施し、組織形態を観察した。その結果を下記表3に示す。本発明の材料(No.14〜24)はTD面、RD面とも「長大粒」で組織の異方性が少なかった。
上記例1と同様な方法で、種々の厚さのMo−1質量%Ti合金の板材を作製した。加工率は50〜98%とした。なお、厚さ1mm以外の板材は熱間圧延のみで仕上げた。得られた圧延材を、上記例1と同様な方法で、内部窒化処理および再結晶熱処理を施し、組織形態を観察した。その結果を表4に示す。本発明の材料は従来技術の加工率85%以上(No.3、25、26)は勿論、従来技術では成しえなかった低い加工率(No.29、30)でも、本発明によれば、TD面,RD面ともに「長大粒」(No.27、28)を示し、組織異方性の少ない材料を得ることができた。即ち、本発明によれば、従来技術では製造することができなかった厚い材料も製造することが可能であることが確認できた。
上記例1と同様な方法で、厚さ1mmのMo−1質量%Ti合金の板材を作製した。加工率は98%である。得られた圧延材を例1と同様な方法で内部窒化処理を施したのち、10−3Paの真空中1600あるいは1800℃で1hの再結晶熱処理を施した。その結果を下記表5に示す。1600および1800℃の再結晶熱処理では、表面が加工組織で、内部が長大粒組織であった。その加工組織の領域は、それぞれ板厚の40%および20%であった。TD面とRD面の「長大粒」の組織の異方性は少なかった。
上記例1〜5で作製した厚さ1mmの代表的な板材について高温耐変形性を調べた。高温耐変形性は、幅20mm、長さ150mmの試験片を支点間距離100mmで両端支持し、試験片中央に150gの荷重を負荷しながら水素気流中1350および1800℃で10h保持した後の試験片中央部の変形量により評価した。ここで、組織の異方性の影響をみるために、試験片の長手方向が圧延方向に平行(RD)および垂直(TD)の両方を試験した。その結果を表6に示す。なお、図2は板圧延方向と試験片の採取方向の関係を示す図である。図2に示すように、板材1の圧延方向7に直交する断面をRD面4、圧延方向7に沿う断面をTD面6とし、TD試験片5は、長手方向が板材1の圧延方向8に直交するように採取し、RD試験片6は、長手方向が圧延方向9に平行となるように採取した。
前述した本発明材料No.22の再結晶熱処理材をN2中1600℃で1hの内部窒化処理を施した。上記例6記載の高温耐変形性を調べたところ、RD、TDいずれの方向においても、また、1350℃、1800℃いずれの温度においても、変形量は≦0.1mmで優れた高温耐変形性を示した。この材料の高温強度を次に示す3点曲げ試験で調べた。即ち、幅2.3mm、長さ18mmの試験片(長さ方向が圧延方向に平行(RD))とし支点間距離11mmで両端支持し、10−3Paの真空中1500℃でクロスヘッド速度0.2mm/minで試験した。なお、比較材料として、No.8の従来材料を用いた。その結果を図1に示す。長大結晶粒の積層組織を形成したあとに再度窒化処理した本発明材料(No.22)の強度は約280MPaで、従来材料No.8の強度(約40MPa)の約7倍であった。
本発明材料のNo.22および従来材料のNo.8の再結晶熱処理材(厚さ1mm、幅300mm、長さ300mm)について、プレスブレーキによるボート状への曲げ加工テストを行った。パンチ先端R0.8mmで、ダイV幅8mmである。
板材の他に線棒材にも本発明が適用できることについて説明する。
2 圧延ロール
3 TD面
4 RD面
5 TD試験片
6 RD試験片
7,8,9 圧延方向
Claims (6)
- Ti、Zr、Hf、V、Nb、及びTaの窒化物形成金属元素の内の少なくとも1種を0.1質量%以上5.0質量%以下固溶し、あるいはさらに炭化物粒子、酸化物粒子、硼化物粒子の少なくとも1種が分散しているモリブデン合金加工材を、窒素、アンモニアガス、フォーミングガスの内の少なくとも1種を含む窒化雰囲気中において、再結晶開始温度以下の温度で段階的に昇温させて連続的に内部窒化し、且つ前記再結晶開始温度は各内部窒化段階で処理する加工材各々の再結晶開始温度とし、前記内部窒化の後に、最終内部窒化温度以上の温度で真空中で再結晶熱処理することによって形成させた長大結晶粒の積層組織を有するモリブデン合金であって、その長大結晶粒の短軸の平均長さが50μm以上500μm以下であり、短軸の平均長さに対する長軸の平均長さの比が10以上である
ことを特徴とする高耐熱性モリブデン合金。 - 請求項1に記載の高耐熱性モリブデン合金において、その合金全体が前記長大結晶粒の積層組織であることを特徴とする高耐熱性モリブデン合金。
- 請求項1記載の高耐熱性モリブデン合金において、少なくとも表面領域が加工組織であり、その加工組織の厚さ方向に占める領域が厚さの40%以下であることを特徴とする高耐熱性モリブデン合金。
- 請求項1乃至3の内のいずれか1項に記載の高耐熱性モリブデン合金において、高温強度を向上させるためにさらに再内部窒化を施し、微細な窒化物粒子が析出分散していることを特徴とする高耐熱性モリブデン合金。
- 請求項1乃至3の内のいずれか1項に記載の高耐熱性モリブデン合金を製造する方法であって、
(a)Ti、Zr、Hf、V、Nb、Taの窒化物形成金属元素の少なくとも1種を0.1質量%以上5.0質量%以下固溶し、あるいはさらに炭化物粒子、酸化物粒子、硼化物粒子の少なくとも1種が分散析出しているモリブデン合金加工材を、窒素、アンモニアガス、フォーミングガスの内の少なくとも1種を含む窒化雰囲気中において、再結晶開始温度以下の温度で段階的に昇温させて連続的に内部窒化し、且つ前記再結晶開始温度は各内部窒化段階で処理する加工材各々の再結晶開始温度とする工程と、
(b)前段の内部窒化で得られたモリブデン合金を、最終内部窒化温度以上の温度で真空中で再結晶熱処理する工程と、
を含み、長大結晶粒の積層組織を形成させることを特徴とする高耐熱性モリブデン合金の製造方法。 - 請求項4に記載の高耐熱性モリブデン合金の製造方法であって、
(a)Ti、Zr、Hf、V、Nb、Taの窒化物形成金属元素の少なくとも1種を0.1質量%以上5.0質量%以下固溶し、あるいはさらに炭化物粒子、酸化物粒子、硼化物粒子の少なくとも1種が分散析出しているモリブデン合金加工材を、窒素、アンモニアガス、フォーミングガスの内の少なくとも1種を含む窒化雰囲気中において、再結晶開始温度以下の温度で段階的に昇温させて連続的に内部窒化し、且つ前記再結晶開始温度は各内部窒化段階で処理する加工材各々の再結晶開始温度とする工程と、
(b)前段の内部窒化で得られたモリブデン合金を、最終内部窒化温度以上の温度で真空中で再結晶熱処理する工程と、
(c)再度、窒素、アンモニアガス、フォーミングガスの内の少なくとも1種を含む窒化雰囲気中において900℃以上2000℃以下の温度で再内部窒化し、モリブデン中に固溶した窒化物形成金属元素を再析出させ高温強度を向上させる工程とを含むことを特徴とする高耐熱性モリブデン合金の製造方法。
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