JPH0819502B2 - 超塑性加工性に優れたチタン合金及びその製造方法,並びにチタン合金の超塑性加工方法 - Google Patents

超塑性加工性に優れたチタン合金及びその製造方法,並びにチタン合金の超塑性加工方法

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JPH0819502B2 JP3742090A JP3742090A JPH0819502B2 JP H0819502 B2 JPH0819502 B2 JP H0819502B2 JP 3742090 A JP3742090 A JP 3742090A JP 3742090 A JP3742090 A JP 3742090A JP H0819502 B2 JPH0819502 B2 JP H0819502B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、高強度の超塑性加工性に優れたチタン合
金及びその製造方法、並びにチタン合金の超塑性加工方
法に関する。
[従来の技術] チタン合金は、軽量でかつ強靭なことから、近時、飛
行機、ロケット等の航空宇宙機器用材料として盛んに用
いられつつある。しかしながら、チタン合金は難加工性
材料であり、複雑形状部材を製造する場合には製品歩留
りが著しく低く、製造コストが著しく高くなってしまう
という問題点がある。
このような問題点を解消するために有効な加工法とし
て超塑性加工が知られている。超塑性加工は超塑性現象
を利用した加工方法であり、特に微細結晶粒で見られる
微細粒超塑性を利用したものが工業的に重要である。チ
タン合金の中で最も広く用いられているTi−6Al−4V合
金においても、5〜10μmの微細粒組織を有した材料は
超塑性加工が行われているが、その加工温度は875乃至9
50℃と高く、加工治具の寿命が短い、治具として高温強
度を有する高価な材料を用いざるを得ない等、設備上及
び操業上の多くの問題点を含んでいる。
そこで、Ti−6Al−4V合金以上に優れた超塑性特性を
有すること、及び、超塑性加工温度を下げることを目的
として、Ti−6Al−4V合金にFe、Co、又はFe、Co、Niを
添加した合金が開発されている(米国特許4,299,626
号)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、このようなTi−6Al−4V−Fe−Co−Ni
合金においても、超塑性加工温度がTi−6Al−4Vよりも5
0乃至80℃低下しているにすぎず、未だ充分とはいえな
い。また、超塑性伸びも充分でない。
一方、たとえ超塑性加工温度を十分に低下させること
ができたとしても、超塑性加工時の変形抵抗が大きけれ
ば加工が困難になってしまう。
この発明はかかる事情に鑑みてなされたものであっ
て、超塑性加工温度が低く、超塑性加工時の変形抵抗が
小さく、従来のチタン合金よりも超塑性延びが大きい超
塑性加工性に優れたチタン合金及びその製造方法、並び
にこのようなチタン合金の超塑性加工方法を提供するこ
とを目的とする。
[課題を解決するための手段及び作用] この発明に係る超塑性加工性に優れたチタン合金は、
重量%で、Al:5.5〜6.75%、V:3.5〜4.5%、O:0.2%以
下、Fe:0.15〜3.0%、Cr:0.15〜3.0%、Mo:0.85〜3.15
%を含有し、かつ、 0.85%≦(Fe%)+(Cr%)≦3.15%、及び 3%≦{2×(Fe%)+1.8×(Cr%) +(Mo%)}≦8% の条件を満足し、残部がTi及び不可避不純物からなり、
α晶の平均粒径が6μm以下であることを特徴とする。
この発明に係る超塑性加工性に優れたチタン合金の製
造方法は、重量%で、Al:5.5〜6.75%、V:3.5〜4.5%、
O:0.2%以下、Fe:0.15〜3.0%、Cr:0.15〜3.0%、Mo:0.
85〜3.15%、を含有し、かつ、 0.85%≦(Fe%)+(Cr%)≦3.15%、及び、 3%≦{2×(Fe%)+1.8×(Cr%) +(Mo%)}≦8% の条件を満足し、残部がTi及び不可避不純物からなるチ
タン合金を、(β変態点−200℃)以上、β変態点未満
の温度で加熱し、引き続き、β変態点未満の温度で圧下
比を3以上とする圧下を施すことを特徴とする。
この発明に係るチタン合金の超塑性加工方法は、重量
%で、Al:5.5〜6.75%、V:3.5〜4.5%、O:0.2%以下、F
e:0.15〜3.0%、Cr:0.15〜3.0%、Mo:0.85〜3.15%、を
含有し、かつ、 0.85%≦(Fe%)+(Cr%)≦3.15%、及び3%≦{2
×(Fe%)+1.8×(Cr%) +(Mo%)}≦8% の条件を満足し、残部がTi及び不可避不純物からなるチ
タン合金を、(β変態点−200℃)以上、β変態点未満
の温度で加熱し、引き続き、β変態点未満の温度で圧下
比を3以上とする圧下を施し、(β変態点−200℃)以
上、β変態点未満の温度で再結晶熱処理を施し、超塑性
加工を施すことを特徴とする。
本願発明者らは、上述のような特性を有するチタン合
金を開発すべく以下に示す観点から種々検討した結果、
上記構成を有する本発明を完成させるに至った。
高強度であり、かつ超塑性加工が可能であるチタン合
金を得るためには、そのミクロ組織を微細な等軸α晶を
有する組織にしなければならない。また、チタン合金の
超塑性現象が発現するためには、そのミクロ組織におい
て、α相の体積率が40〜60%であることが必要である。
従って、Ti−6Al−4V合金よりも超塑性加工温度を低下
させるためには、β変態点を低下させる元素、すなわち
Fe、Cr、Moを添加すればよい。
しかし、Fe及びCrは強度上昇に大きく寄与するもの
の、これらの含有量が多すぎると、Tiとの間に脆化相で
ある金属間化合物を形成したり、溶解時にβフレックと
称される偏析相を生成し、その結果機械的性質を劣化さ
せるため好ましくない。Moも同様に強度上昇に寄与する
が、添加量が多すぎると、チタン合金の比重を増大さ
せ、高比強度材料であるチタン合金の特色を損なうと共
に、β相中での拡散速度が小さい元素であるため、超塑
性加工時の変形抵抗を増大させ、好ましくない。従っ
て、これらの含有量をこれら不都合が生じない一定範囲
に規定する必要がある。
これらの元素によるチタン合金のβ相安定度は、2×
(Fe%)+1.8×(Cr%)+(Mo%)で示され、この値
が小さいとβ変態点が高く、逆に大きいとβ変態点が低
くなる。チタン合金の最適超塑性温度、すなわち超塑性
現象が発現し得る温度は、上述したようにα相の体積率
が40〜60%になる温度であり、この温度はβ変態点と密
接な関係がある。すなわち、この値が小さ過ぎると超塑
性発現温度が低いという利点を得ることができず、大き
過ぎるとα相の体積率が40〜60%になる温度が低くなり
過ぎ、その温度では原子拡散が不十分となり、十分な超
塑性伸びが得られない。また、(Fe%)+(Cr%)もβ
相安定度を示す値であるが、これらの値が低すぎると超
塑性発現温度が低いという利点を得ることができないと
共に、超塑性成形時の変形抵抗が大きくなってしまい、
また、高すぎると金属間化合物及びβフレックが生成し
延性を劣化させてしまう。従って、優れた超塑性加工性
を得るためには、これらの値を適切な範囲に規定する必
要がある。
また、微細粒超塑性特性はその結晶粒径に大きく依存
し、粒径が小さい程良好な特性を得ることができる。従
って、結晶粒径の上限を超塑性特性を損なわない程度に
規定する必要がある。このような結晶粒の微細化は、最
終熱間加工を、その後の再結晶熱処理により等軸α晶の
微細再結晶組織が得られるような条件で施すことにより
達成される。すなわち、最終熱間加工条件が適切でなけ
れば、その後の再結晶熱処理によって等軸α晶の微細再
結晶組織を得ることができない。
更に、最終熱間圧延後の再結晶熱処理は、超塑性加工
を行う上での前提であり、この処理を適切に行うことに
より、その後の超塑性加工を良好に行うことができる。
次に、本発明においてこの発明に係るチタン合金の各
成分を上記範囲に限定した理由について説明する。
Al:Alはα+β組織を得るためのα相安定化元素として
添加され、強度上昇に寄与する。しかし、その含有量が
5.5%未満では、目的とする強度を得るのに不十分であ
る。また、含有量が6.75%を超えると、脆化相であるα
相(Ti3Al)が析出し、機械的性質を劣化させるため
好ましくない。従って、Al量を5.5〜6.75%の範囲に規
定する。
V:Vはα+β組織を得るためのβ相安定化元素として添
加され、Tiとの間に脆化相である金属間化合物を形成す
ることなく強度上昇に寄与する。しかし、含有量が3.5
%未満では目的とする強度を得るのに不十分であり、ま
た、含有量が4.5%を超えると超塑性伸びを低減させる
と共に超塑性加工時の変形抵抗を増大させる。従って、
V量を3.5〜4.5%に規定した。
O:Oはα相に固溶して強度上昇に寄与する。しかし、そ
の含有量が0.2%を超えるとβ変態点を上昇させ、ま
た、室温での機械的性質、特に延性を劣化させる。従っ
て、O量を0.2%以下に規定する。
Fe:Feはβ相安定化元素として添加され、β変態点を低
下させることにより超塑性特性の向上(超塑性伸びの増
大及び変形抵抗の低減)に寄与すると共に、主にβ相に
固溶し、室温の強度上昇に寄与する。しかし、その含有
量が0.15%未満ではこれら超塑性特性の向上及び室温強
度上昇への寄与が不十分である。また、3.0%を超える
とTiとの間に脆化相である金属間化合物を形成したり溶
解時にβフレックを生成し、その結果延性を劣化させて
しまう。従って、Fe量を0.15〜3.0%の範囲に規定す
る。
Cr:Crは、Feと同様、β相安定化元素として添加され、
β変態点を低下させることにより超塑性特性の向上(超
塑性伸びの増大及び変形抵抗の低減)に寄与すると共
に、主にβ相に固溶し、室温の強度上昇に寄与する。そ
の含有量は、Feの場合と同様の理由から0.15〜3.0%の
範囲に規定される。
Mo:Moもβ相安定化元素として添加され、β変態点を低
下させることにより超塑性特性の向上(超塑性発現温度
の低下)に寄与すると共に、主にβ相に固溶して強度上
昇に寄与する。しかし、含有量が0.85%未満ではこれら
効果が不十分である。また、3.15%を超えると、Moが重
い金属であることから合金の密度を増大させ、高比強度
であるというチタン合金の特徴を損なうと共に、Moはチ
タン中での拡散速度が小さいために超塑性成形時の変形
応力を増大させてしまう。従って、Mo量を0.85〜3.15%
の範囲に規定する。
(Fe%)+(Cr%)、及び2×(Fe%)+1.8×(Cr
%)+(Mo%)は、チタン合金のβ相安定度を示し、前
述したように、これらの値が小さいとβ変態点が高く、
逆に大きいとβ変態点が低くなる。チタン合金の最適超
塑性温度、すなわち超塑性現象が発現し得る温度は、上
述したようにα相の体積率が40〜60%になる温度であ
り、この温度はβ変態点と密接な関係がある。(Fe%)
+(Cr%)が0.85%未満であると、超塑性発現温度が低
いという本発明の特徴を損なうと共に、超塑性成形時の
変形抵抗が大きくなる。また、この値が3.15%を超える
と、Tiとの間に脆化相である金属間化合物を形成した
り、溶解時にβフレックを生成し、その結果延性を劣化
させてしまう。一方、2×(Fe%)+1.8×(Cr%)+
(Mo%)が3%未満であると超塑性発現温度が低いとい
う本発明の特徴を損ない、また、8%を超えるとα相の
体積率が40〜60%になる温度が低くなり過ぎ、その温度
では原子拡散が不十分となり、十分な超塑性伸びが得ら
れない。
従って、これらの値を、 0.85%≦(Fe%)+(Cr%)≦3.15%、及び 3%≦{2×(Fe%)+1.8×(Cr%) +(Mo%)}≦8%に規定する。
次に、α晶粒径の限定理由について説明する。
α晶粒径は超塑性特性と密接な関係があり、これが小
さい程優れた超塑性特性を示す。この発明に係るチタン
合金においては、α晶の平均粒径が6μmを超えると超
塑性伸びが小さくなるばかりでなく、変形応力が大きく
なり好ましくない。従って、α晶粒径を6μm以下に規
定する。
α晶粒径を6μ以下にするためには以下に示す方法が
採用される。
先ず、熱間鍛造、又は熱間圧延、又はこの両方によ
り、チタン合金インゴットを加工製造してスラブとし、
次いで、このスラブを再加熱して熱間加工を施し最終寸
法とする。最終熱間加工においては、以下の3つの条件
を満足させる必要がある。その加熱温度を(β変態温
度−200℃)以上、β変態点未満とする。加工中に被
加工材の温度がβ変態点以上にならないようにする。
加工の際の圧下比を3以上とする。
このように条件を規定した理由は以下の通りである。
については、加熱温度がβ変態点以上であると、加
工後に再結晶焼鈍を行っても、超塑性成形に適した等軸
組織ではなく、棒状のα晶組織となり、しかも旧β粒界
にα晶が生成し、超塑性特性及び室温での延性を劣化さ
せる。また、加熱温度がβ変態点−200℃未満である
と、温度が低すぎて加工中に割れ等の結果が発生する。
については、加工中に被加工物の温度がβ変態点以
上になると、と同様棒状のα組織となってしまう。
については、圧下比が3未満と小さいと、α晶に再
結晶に十分な歪みが蓄えられず、再結晶熱処理を行って
も、超塑性成形に適した微細粒等軸組織ではなく、棒状
のα晶組織や粗大なα組織となり好ましくない。
次に、超塑性加工に先立って行われる再結晶熱処理条
件の限定理由について説明する。
再結晶熱処理が(β変態点−200℃)未満では、温度
が低すぎて再結晶が十分に行われないため等軸粒が得ら
れず好ましくない。また、熱処理温度がβ変態点以上に
なると、等軸α晶が消失してβ単相となり、超塑性が得
られないので好ましくない。従って、再結晶熱処理温度
を(β変態点−200℃)以上、β変態点未満と規定し
た。
なお、超塑性加工は、再結晶熱処理に引き続いて行っ
てもよいし、再結晶熱処理と同時に行ってもよい。
[実施例] 以下、この発明の実施例について詳細に説明する。
第1表に示す組成を有する合金について、アルゴン雰
囲気のアーク炉にてインゴットを溶製し、熱間鍛造によ
り各種厚みのスラブを製造した。
次いで、これらのスラブを夫々第1表に示す温度に再
加熱し、引続き、これらスラブに対し夫々第1表に示す
圧下比で圧延加工を施して厚さ5mmの板材に仕上げた。
そして、このようにして仕上げた板材に対し再結晶熱処
理を施した。この再結晶熱処理は、実験番号C14以外
は、(β変態点−200℃)以上、β変態点未満の温度域
で行った。この再結晶熱処理に引き続いて超塑性引張試
験を行った。また、再結晶熱処理を施した各板材につい
てα晶粒径(平均粒径)の測定、及び室温引張試験を合
わせて行った。α結晶粒の測定は線分法により行い、ア
スペクト比(長軸と短軸との比)が3以上の棒状組織の
ものについては粒径の測定を行わなかった。
各板材の再結晶熱処理の温度及びα結晶粒径を合わせ
て第1表に示し、室温引張試験及び超塑性引張試験の結
果を第2表に示す。
なお、第1表中、実験番号A1〜A7は本発明の範囲内で
ある実施例を示し、B1〜B4は従来例(従来例中(1)は
Ti−6Al−4V合金、(2)はTi−6Al−4V−Co−(Ni)合
金)、C1〜C14は本発明の範囲から外れる比較例であ
る。また、各実験番号の組成におけるβ変態点も合わせ
て第1表に記した。
なお、超塑性引張試験は、平行部が5mm幅、5mm長さ、
4mm厚さの試験片を用いて、5×10-6Torr以下の真空中
で行った。また、最大変形応力は、最大加重を初期断面
積で除して求めた。
これら第1表及び第2表に示すように、実施例である
実験番号A1〜A7は、合金組成が本発明の範囲内であり、
しかも、製造条件が本発明に係る方法に沿っているた
め、α晶粒径が極めて微細であり、6μm以下を十分に
満足している。また、室温引張特性においても引張強さ
が108kgf/mm2以上で、伸びが15%以上であり、Ti−6Al
−4V合金よりも良好な値を示すことが確認された。
次に、第2表に示す超塑性引張特性について、第1図
乃至第6図を参照しながら説明する。
第1図は、2×(Fe%)+1.8×(Cr%)+(Mo%)
の値と超塑性伸びとの関係を示すグラフである。この図
から明らかなように、この値が本発明の範囲内である3
〜8%の範囲で1500%以上の大きな伸びが得られること
が確認された。
第2図は、(Fe%)+(Cr%)の値と超塑性伸びとの
関係を示すグラフである。この図から明らかなように、
この値が本発明の範囲内である0.85〜3.15%の範囲で15
00%以上の大きな伸びがられることが確認された。
第3図は、Feの含有量と超塑性伸びとの関係を示すグ
ラフである。この図から明らかなように、この値が本発
明の範囲内である0.15〜3.0%の範囲で1500%以上の大
きな伸びがられることが確認された。
第4図は、Crの含有量と超塑性伸びとの関係を示すグ
ラフである。この図から明らかなように、この値が本発
明の範囲内である0.15〜3.0%の範囲で1500%以上の大
きな伸びが得られることが確認された。
第5図は、Moの含有量と超塑性伸びとの関係を示すグ
ラフである。この図から明らかなように、この値が本発
明の範囲内である0.85〜3.15%の範囲で1500%以上の大
きな伸びがられることが確認された。
第6図は、α晶粒径と超塑性伸びとの関係を示すグラ
フである。この図から明らかなように、この値が本発明
の範囲内である6μm以下であれば1500%以上の大きな
伸びが得られることが確認された。
以上のように、本発明で規定された組成範囲及び粒径
範囲で優れた超塑性特性が得られることが確認された。
また、本発明の範囲内である試験番号A1〜A7は上述の
ように超塑性伸びが1500%以上と良好であるのみなら
ず、最大超塑性伸びを示す温度が800℃以下とTi−6Al−
4V合金よりも75〜100℃も低く、更にその温度が極めて
低いのにもかかわらず、その温度における変形応力が1.
41kgf/mm2以下と小さいことが確認された。
これに対し、比較例であるC1〜C14は全て超塑性伸び
の値が実施例よりも低いことが確認された。
比較例の中でC1〜C9は組成が本発明の範囲から外れる
ものであり、これらのうちC2、C3、C5及びC9は1200%以
上と比較的大きな伸びを示すが、最大超塑性伸びが得ら
れた温度が825℃以上と実施例のものよりも50℃程度高
く、超塑性特性が実施例のものよりも明らかに劣ってい
ることが確認された。C6、C7は最大超塑性伸びが得られ
た温度が750℃と極めて低いが、超塑性伸びが夫々1080
%、860%に止まり、変形応力が夫々2.92kgf/mm2、2.98
kgf/mm2と極めて大きい値となった。C1、C4において
も、超塑性伸びが1000%以下と不十分であった。なお、
C8は常温での伸びが6%と小さく実用に耐えないため、
超塑性引張り試験を行わなかった。
C10〜C14は製造条件及びα晶粒径が本発明の範囲から
外れるものであり、C10〜C12は圧下比が本発明の範囲か
ら外れ、C13は最終熱間圧延加熱温度が本発明の範囲か
ら外れ、C14は再結晶熱処理温度が本発明の範囲から外
れるものであるため、微細粒等軸組織とならず、塑性伸
びが500〜1090%と不十分であった。なお、C11、C13及
びC14はα晶が等軸粒にならずアスペクト比が3以上の
粗大な棒状晶となったため粒径を測定しなかった。
[発明の効果] この発明によれば、優れた強度を維持しつつ、超塑性
加工温度が低く、超塑性加工時の変形抵抗が小さく、従
来のチタン合金よりも超塑性延びが大きいといった超塑
性加工性に優れたチタン合金及びその製造方法を提供す
ることができる。
また、この発明に係るチタン合金は、これら優れた特
性を生かして、航空宇宙機器用材料を始めとして、超塑
性加工性に鈴れた高強度チタン合金として広く用いるこ
とが可能である。
更に、この発明に係るチタン合金は、変型抵抗が小さ
いという特長から、超塑性を利用した加工法だけでな
く、恒温鍛造や通常の熱間鍛造、あるいは温間鍛造等の
加工法においても優れた加工性を有することは明らかで
あり、極めて広範な適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は2×(Fe%)+1.8×(Cr%)+(Mo%)の値
と超塑性伸びとの関係を示すグラフ、第2図は(Fe%)
+(Cr%)の値と超塑性伸びとの関係を示すグラフ、第
3図はFeの含有量と超塑性伸びとの関係を示すグラフ、
第4図はCrの含有量と超塑性伸びとの関係を示すグラ
フ、第5図はMoの含有量と超塑性伸びとの関係を示すグ
ラフ、第6図はα晶粒径と超塑性伸びとの関係を示すグ
ラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、 Al:5.5〜6.75% V:3.5〜4.5% O:0.2%以下 Fe:0.15〜3.0% Cr:0.15〜3.0% Mo:0.85〜3.15% を含有し、かつ、 0.85%≦(Fe%)+(Cr%)≦3.15%、及び 3%≦{2×(Fe%)+1.8×(Cr%) +(Mo%)}≦8% の条件を満足し、残部がTi及び不可避不純物からなり、
    α晶の平均粒径が6μm以下であることを特徴とする超
    塑性加工性に優れたチタン合金。
  2. 【請求項2】重量%で、 Al:5.5〜6.75% V:3.5〜4.5% O:0.2%以下 Fe:0.15〜3.0% Cr:0.15〜3.0% Mo:0.85〜3.15% を含有し、かつ、 0.85%≦(Fe%)+(Cr%)≦3.15%、及び 3%≦{2×(Fe%)+1.8×(Cr%) +(Mo%)}≦8% の条件を満足し、残部がTi及び不可避不純物からなるチ
    タン合金を、(β変態点−200℃)以上、β変態点未満
    の温度で加熱し、引き続き、β変態点未満の温度で圧下
    比を3以上とする圧下を施すことを特徴とする超塑性加
    工性に優れたチタン合金の製造方法。
  3. 【請求項3】重量%で、 Al:5.5〜6.75% V:3.5〜4.5% O:0.2%以下 Fe:0.15〜3.0% Cr:0.15〜3.0% Mo:0.85〜3.15% を含有し、かつ、 0.85%≦(Fe%)+(Cr%)≦3.15%、及び 3%≦{2×(Fe%)+1.8×(Cr%) +(Mo%)}≦8% の条件を満足し、残部がTi及び不可避不純物からなるチ
    タン合金を、(β変態点−200℃)以上、β変態点未満
    の温度で加熱し、引き続き、β変態点未満の温度で圧下
    比を3以上とする圧下を施し、(β変態点−200℃)以
    上、β変態点未満の温度で再結晶熱処理を施し、超塑性
    加工を施すことを特徴とするチタン合金の超塑性加工方
    法。
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