JP4558175B2 - 高度安全施設とその制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高度安全施設とその制御方法に関し、特に、各室間の室圧差を制御せずに各室からの排気量を制御することで、汚染度の低い部分から汚染度の高い部分へと各室間の空気の流れを一方向に維持する高度安全施設とその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
病原体に対する免疫研究、バイオテクノロジーによる制約技術や放射性同位元素による素材の改良技術等、最新技術の開発研究・生産工程向けの高度安全施設では、施設内の汚染空気が外部に漏洩するのを防止するために施設内の室圧を陰圧に保つと共に、施設内の各室間における空気の相互汚染問題を避けるために室圧制御を行っている。
【0003】
例えば、高度安全施設の1つであるバイオハザード対策施設(以下、BH施設と称する)では、施設内の作業室と作業室の内部に在って汚染物質を発生する動物実験を実施する実験用キャビネット及び作業室と扉で接続する前室において、各室間の空気の流れを汚染度の低い部分から汚染度の高い部分へと一方向にするように室圧制御が行われている。
【0004】
図5に示すように、従来のBH施設20は作業室21と前室22から構成されており、その間はドア23によって接続されている。又、作業室21には、汚染物質を発生する動物実験を実施するために開度調整の可能な扉を備えた実験用キャビネット24等が配置されており、扉の開度を小さくした実験用キャビネット24での飼育と扉の開度を大きくした実験作業を実施できるように構成されている。
【0005】
BH施設20には、給気ファン25と排気ファン26とによって外気の供給と室内からの排気が行われている。給気ファン25と前室、作業室のとの間には、それぞれに、定風量装置27A、27Bと高性能フィルタ28とが配置されており、各室と排気ファン26との間には、高性能フィルタ28と変風量装置29A、29Bがそれぞれに配置されている。
【0006】
又、実験用キャビネット24と排気ファン26との間にはモータダンパーMDが接続されており、飼育と実験作業時に応じて実験用キャビネット24の排気風量を2段階に変更できるように速度を切り替え可能にしている。尚、実験用キャビネット24と排気ファン26との間にも、汚染空気が外部に排出されないように、高性能フィルタ28が配置されている。
【0007】
作業室21と前室22とは、それぞれの定風量装置27A、27Bとによって給気風量を一定に保つと共に、作業室21と前室22との間に配置された差圧計31からの差圧信号によって制御装置32が作動し、作業室21が前室22に対して常に陰圧を保つように、変風量装置29A、29Bの流量を互いに調整している。これによって、作業室21と前室22との間には、例えば30(Pa)の差圧が常に保持されるように制御されており、前室22から作業室21に流れる一方向の気流を形成している。
【0008】
実験用キャビネット24は、実験作業時には扉30の開度が大きいので、動物が発する汚染物質が外部に漏れないようにその排気風量を大にしているが、実験終了後には扉の開度を小さくして飼育状態に戻すために、その排気風量を大から小に変更することになる。この過程では、実験用キャビネット24からの排気風量の減少に追随して作業室21の室圧が上昇する。
【0009】
そこで、センサー31からの差圧信号による、制御装置32からの指令が変風量装置29Aと29Bを作動させ、フィードバック制御によって変風量装置29Bの流量を増大させるように制御して、作業室21の上昇した室圧を下げて、空気の流れの方向を前室22から作業室21及び作業室21から実験用キャビネット24に向かうように調整している。
【0010】
しかして、上記制御の第1ステップである、実験用キャビネットの排気風量を大から小に変更するためのモータダンパーMDの操作は短時間で完了するが、上記制御の第2ステップに相当する、変風量装置29Bの流量を必要風量に増大させるための調整は、第1ステップの操作よりも多くの時間を要する。
即ち、第2ステップの制御は、作業室21の室圧上昇の信号を差圧計31から制御装置32が受けることで、変風量装置29Aと29Bとを制御するものであるが、センサー31の感応速度に比べて変風量装置29A、29Bの応答速度が鈍く、室圧の制御をフィードバック制御で行うと、実験用キャビネットの排気風量を大から小に操作する第1ステップの制御よりも多くの時間を要するからである。
【0011】
このために、変風量装置29Aと29Bとのフィードバック制御によって、室圧が実験終了前の規定の状態に回復する時間内には、作業室21の室圧が前室22の室圧よりも高くなる状況が起こることで、作業室21から前室22に逆流を生じるという問題が発生する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題に鑑みて検討されたものであり、前室、作業室及び実験用キャビネット間の室圧差を制御せずに、各室からの排気風量を直接的に制御することによって、各室間の空気の流れを汚染物質の方向に維持できるように構成した高度安全施設とその制御方法を提供している。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明による高度安全施設は、前室と、前室と扉で接続する作業室及び作業室の内部に在って作業室と開度調整可能な扉で連通し汚染物質を内在している実験用キャビネットから構成され、前室と作業室に接続する固定式給気装置と前室に接続する定風量装置及び作業室と実験用キャビネットに接続する可変風量型定風量装置を装備して、作業室に対する前室からの空気の流れを常に一方向に維持させるために、作業室と実験用キャビネットとの合計排気風量を、前室の定風量の排気風量よりも大きい一定値に維持しながら、作業室と実験用キャビネットとの排気風量の比率を実験用キャビネットの扉の開度に連動させて制御することを特徴にしており、前室、作業室及び実験用キャビネット間の室圧差を制御することなく、各室からの排気風量のみを直接制御することで汚染度の低い部分から汚染度の高い部分へと各室間の空気の流れを常に一方向に維持している。
【0014】
又、本発明による高度安全施設は、上記の高度安全施設において、給気装置を固定式ダンパーにすることを特徴としており、上記機能に加えて、給気装置のコストを削減している。
【0015】
本発明による高度安全施設の制御方法は、上記高度安全施設を制御する方法であって、前室と作業室に接続する固定式給気装置の開度を所定値に固定して給気し、前室の排気風量を定風量に制御すると共に、作業室と実験用キャビネットとの排気風量を可変にして、作業室に対する前室からの空気の流れを常に一方向に維持させるために、作業室と実験用キャビネットとの合計排気風量を、前室の定風量の排気風量よりも大きい一定値に維持しながら、作業室と実験用キャビネットとの排気風量の比率を実験用キャビネットの扉の開度に連動させて制御することを特徴としており、各室からの排気風量を直接的に制御することで、実験用キャビネットの扉の開度の如何や作業室と前室間の扉の開閉に拘わらず、汚染度の低い部分から汚染度の高い部分へと各室間の空気の流れを一方向に維持している。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明による高度安全施設は、前室と、前室と扉で接続する作業室及び作業室の内部に在って作業室と開度調整可能な扉で連通し汚染物質を内在している実験用キャビネットから構成され、前室と作業室に接続する固定式給気装置と前室に接続する定風量装置及び作業室と実験用キャビネットに接続する可変風量型定風量装置を装備して、作業室に対する前室からの空気の流れを常に一方向に維持させるために、作業室と実験用キャビネットとの合計排気風量を、前室の定風量の排気風量よりも大きい一定値に維持しながら、作業室と実験用キャビネットとの排気風量の比率を実験用キャビネットの扉の開度に連動させて制御し、扉の開度に拘わらず各室間の空気の流れを汚染度の低い部分から高い部分への一方向に維持している。
【0017】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明するが、理解を容易にするために、従来と同様の装置等については同符号を付している。
【0018】
図1は、本発明による高度安全施設とその制御方法を適用した一実施形態であるBH施設の概要図である。
【0019】
BH施設1は、従来例と同様に作業室21と前室22及びその間のドア23から構成されており、作業室21に汚染物質を発生する動物実験を実施するために、開度調整が可能な扉6を備えた実験用キャビネット24を配置することも同様である。
【0020】
本発明を適用したBH施設1では、BH施設1に給気ファン25と排気ファン26とが配置されて、外気の供給と室内からの排気を行っているが、給気ファン25と各室間には、従来のBH施設20と異なって固定式ダンパー2、2’と高性能フィルタ28を配置しており、固定式ダンパー2、2’の風量制御を廃止することで、従来のように定風量装置27A、Bと変風量装置29A、Bもしくは変風量装置29A、B間の相互干渉で発生する外乱等を回避して、制御系統の簡素化を図ると共にBH施設の設備コストを低減している。
【0021】
又、前室22と排気ファン26との間には、定風量装置3と高性能フィルタ28が配置されて、作業室21と実験用キャビネット24とに接続されている排気ファン26との間には、可変風量型定風量装置4、5と高性能フィルタ28とが配置されており、それぞれに稼働することで汚染空気が外部に排出されないように運転制御されている。
【0022】
作業室21と前室22とは、それぞれの固定式ダンパー2、2’の開度を所定値に設定すると共に、作業室21に対する前室22からの空気の流れを常に一方向に維持させるために、作業室21と実験用キャビネット24からの合計された総排気風量を一定値に保持しながら、作業室21に接続の可変風量型定風量装置4と実験用キャビネット24に接続の可変風量型定風量装置5との流量比率を変更できるように制御装置7によって制御されている。
【0023】
即ち、実験作業時に、動物が発する汚染物質が外部に漏れないようにその排気風量を大にしている実験用キャビネット24が、実験中に扉6の開度を変えたり、実験終了後に扉6の開度を小さくして飼育状態に戻すことで、実験用キャビネット24の排気風量が変動したり大から小に変更する場合でも、前室22及び作業室21の固定式ダンパー2、2’の開度や前室22に接続する定風量装置3の排気風量の設定は制御することなくそのままにして、作業室21からの合計された総排気風量を一定値に保持しながら、作業室21と実験用キャビネット24からの各排気風量の比率を変えることで対応している。
【0024】
そして、実験用キャビネット24の排気風量の切り替えと作業室21の排気風量の切り替えとは、給気側の固定式ダンパー2と前室の定風量装置3を所定値に設定したままで同時に制御していることで、従来例で発生していた実験用キャビネット24からの排気風量の減少に追随する作業室21の室圧上昇を回避することになって、作業室21と前室22との各室圧は変化しないことから両室間には一定の室圧差が維持され、結果的に、前室22から作業室21への空気流の方向は一定方向に維持される。
【0025】
又、上記制御によると、実験用キャビネット24の扉6の開度調整が行われている間に、前室22と作業室21とを接続しているドア23を開閉しても、前室22の給、排気風量の設定と作業室21の給、排気風量の設定とはその設定比率において変化のないことから、後述するようにドア23の開放によって前室22と作業室21との室圧が同じになっても、空気流としては前室22から作業室21へと流れ方向が維持されている。
【0026】
以上のように、本発明による高度安全施設は、実験用キャビネットの排気風量を含めた作業室からの合計された総排気風量を一定値に制御するように、各室の給排気風量を予め設定することで、各室間の室圧差はこれを考慮する必要がないことを特徴にしているので、従来における室圧差制御方式のように、実験用キャビネットの排気風量を大から小に変更するモータダンパーMDの操作時間内に、作業室における変風量装置の風量増大が追随できないために発生する作業室の室圧が前室に対して陽圧になることで、作業室から前室の間に生ずる逆流現象や風量装置間の相互干渉等による外乱現象を阻止している。
【0027】
次に、本発明による高度安全施設の制御方法について説明する。
本発明による制御方法では、上述のBH施設1において、前室と作業室に接続する固定式給気装置の開度を所定値に固定して給気し、前室の排気風量も定風量に制御している。
【0028】
一方、作業室と実験用キャビネットとの排気風量は可変にしてあり、作業室に対する前室からの空気の流れを常に一方向に維持させるために、作業室と実験用キャビネットとの合計される総排気風量を、前室の定風量の排気風量よりも大きい一定値に維持しながら、作業室と実験用キャビネットとの排気風量の比率を実験用キャビネットの扉の開度に連動させて制御しており、各室からの排気風量を直接的に制御することで、実験用キャビネットの扉の開度の如何や作業室と前室間の扉の開閉に拘わらず、汚染度の低い部分から汚染度の高い部分へと各室間の空気の流れを一方向に維持している。
【0029】
以下に、本制御方法の作動状態を実施の形態に基づいて説明する。
本発明による制御方法を適用しているたBH施設1は、上述のように作業室21と前室22及びその間を連絡するドア23から構成され、作業室21内に開度調整が可能な扉6を備えた実験用キャビネット24を配備しており、汚染物質を発生する動物の実験作業時には、実験用キャビネット24の扉6の開度が大になるが、実験用キャビネット24では扉6の開度に対応する制御装置7が、可変風量型定風量装置5を機能させて排気風量を大にすると共に、実験終了後には、小さくなる扉6の開度に対応させて可変風量型定風量装置5を機能させて排気風量を大から小に変更している。
【0030】
又、実験作業時、実験終了時のいずれの場合にも、ドア23を通して前室22から作業室21に向かう空気の流れは一方向に維持されなければならないが、本発明による制御方法では、実験用キャビネット24の扉6の開度に対応する制御装置7が、可変風量型定風量装置5と共に可変風量型定風量装置4をも流量を変化させており、いずれの場合においても、作業室21からの排気風量と実験用キャビネット24からの排気風量とを合計した総排気風量を一定値に設定していることで、実験用キャビネット24の開度変更にも拘わらず、作業室21と前室22との差圧が一定に保たれることから、気流の一方向性が維持されることになる。
【0031】
しかして、ドア23を開放した際にも、定風量装置3による前室22からの排気風量が一定であることと、上述したように作業室21からの総排気風量が一定であることとから、固定式ダンパー2’から作業室21への給気風量が減少する分だけ、固定式ダンパー2から前室22への給気風量が増加し、その増加分がドア23を通じて前室22から作業室21に流れ込むことになり、これによって、ドア23が開放してもドア23を通じての一方向の風量が増加して、作業室から前室への汚染空気の飛散が防止され、高度安全施設としての安全性が維持されている。
【0032】
次に、上記の制御方法によって、BH施設1における所望の作動状況が確実に遂行されることを確認する。
【0033】
図2は、実験用キャビネット24の扉6の開度を最大にする実験作業時における各部位と、前室22に結合した定風量装置3、作業室21と実験用キャビネット24とに結合した可変風量型定風量装置4、5の機器の圧力と流量の値を表示している。
【0034】
図2(a)は、実験作業時における各部位と機器の圧力と流量の値であり、前室22に結合されている定風量装置3、作業室21に結合されている可変風量型定風量装置4及び実験用キャビネット24に結合されている可変風量型定風量装置5の流量をそれぞれに設定した場合の圧力と流量の値である。
【0035】
本実施の形態における実験作業時では、定風量装置3の設定流量は、230m3/hに設定されるのに対して、可変風量型定風量装置4と可変風量型定風量装置5の設定流量は、170m3/hと620m3/hであって、合計した設定流量は790m3/hに制御されている。
【0036】
そして、これらの流量を維持するための前室22に結合されている固定式ダンパー2の流量と作業室21に結合されている固定式ダンパー2’の流量とは、233m3/hと787m3/hに設定されていることから、結果としてドアからの流れは、3m3/hになると共に、作業室21と前室22との各流量は、790m3/hと233m3/hであり、給気ファンの各数値は287Paと1020m3/h、排気ファンの各数値は−285Paと1020m3/hと、給・排気量がバランスしている。
【0037】
当然のことながら、この場合における作業室21の圧力は、−52Paであり、前室22の圧力は、−22Paになっており、作業室21と前室22との間の空気の流れは前室22から作業室21への一方向に維持されている。
【0038】
尚、図2(b)には、実験用キャビネット24の扉6の開度を大にした場合における、上記の固定式ダンパーの各流量、各可変風量型定風量装置の設定流量及び前室22から作業室21へのドアからの流れ関連を示しており、同時に、作業室21と前室22との室圧状態を表示している。
【0039】
図3は、実験用キャビネット24の扉6の開度を小さくした実験終了時における各部位と、実験用キャビネット24に結合した定風量装置3、作業室21と実験用キャビネット24とに結合した可変風量型定風量装置4、5の機器の圧力と流量の値を表示している。
【0040】
図3(a)は、実験終了時における同様の各部位と機器の圧力と流量の値である。
【0041】
実験終了時には、実験用キャビネット24を飼育状態に戻すことで、汚染物質が作業室21内に漏れる可能性が減少することから、実験用キャビネット24に結合されている可変風量型定風量装置5の排気流量を、扉6に連動している制御装置7によって大から小に変更させるように制御しているが、この場合でも、作業室21からの排気風量と実験用キャビネット24からの排気風量とは、その組み合わせを変更するのみで、両排気風量を合計した値は一定値を維持するように設定してある。
【0042】
即ち、定風量装置3の設定流量は、230m3/hで実験時の値と同様であるが、可変風量型定風量装置4と可変風量型定風量装置5の流量は、430m3/hと360m3/hと、その設定流量を変えて互いの風量は逆転状態に制御しているものの、両排気風量を合計した総排気流量は790m3/hと実験時と同様のままである。
【0043】
そして、前室22に結合されている固定式ダンパー2の流量は、233m3/h、作業室21に結合されている固定式ダンパー2’の流量は787m3/hと実験時と同様値に維持されており、ドアからの流れも3m3/hになっている。
【0044】
又、給気ファンの各数値も287Paと1020m3/h、排気ファンの各数値は−285Paと1020m3/hと、実験作業時と同じ値である。
【0045】
従って、この場合における作業室21と前室22の圧力も、−52Pa、−22Paになって、作業室21と前室22との間の空気の流れは一定方向に維持されたままである。
【0046】
図3(b)は、図2(b)と同様に、上記の固定式ダンパーの各流量、各可変風量型定風量装置の設定流量及び前室22から作業室21へのドアからの流れ関連を示しており、同時に、作業室21と前室22との室圧状態を表示している。
【0047】
図4は、扉6の開度を大きくした実験用キャビネット24での実験作業時において、作業室21と前室22との間にあるドア23を開放した場合における各部位と、実験用キャビネット24に結合した定風量装置3、作業室21と実験用キャビネット24とに結合した可変風量型定風量装置4、5の機器の圧力と流量の値を表示している。
【0048】
図4(a)は、実験作業時において作業室21と前室22との間にあるドア23を開放した場合の各部位と機器の圧力と流量の値である。
【0049】
実験作業時においてドア23を開放した場合の各部位と機器の圧力と流量の値は、図示のように、定風量装置3の設定流量は、230m3/hであって、可変風量型定風量装置4の設定流量170m3/hと可変風量型定風量装置5の設定流量620m3/hとを合計した総流量は、図2(a)で示した実験作業時における合計の総流量と同じ790m3/hであるが、作業室21と前室22との圧力は、ドア23の開放によっても同じ値の332Paである。
【0050】
一方、前室22に結合されている固定式ダンパー2の流量が233m3/hから増大して244m3/hであるのに対して、定風量装置3の設定流量は、230m3/hであることから、前室22には、14(=244−230)m3/hの空気が残留することになる。
【0051】
他方では、作業室21における固定式ダンパー2’の流量は788m3/hから減少して776m3/hであるのに対して、可変風量型定風量装置4、5の合計した総流量は、790m3/hであることから、作業室21では、−14(=776−790)m3/hとなって、14m3/hの空気が不足することになる。
【0052】
このために、作業室21と前室22との間では、両室の圧力差が零状態になるように開放されたドアを通って空気の流動が発生し、前室22から作業室21へへの流量は14m3/hと、閉鎖されたドアの隙間を通っての流量3m3/hから増大する状態を形成している。
【0053】
尚、図4(b)には、上記の固定式ダンパーの各流量、各可変風量型定風量装置の設定流量及び前室22から作業室21へのドアからの流れ関連を示しており、同時に、作業室21と前室22との室圧状態を表示している。
【0054】
そして、この状態を維持するための給気ファンの各数値は、287Paと1020m3/hであり、排気ファンの各数値は、−285Paと1020m3/hであって、実験作業時と同値のままである。
【0055】
従って、作業室21の実験用キャビネット24で実験作業を続けながら、作業室21と前室22との間にあるドア23を開放した場合にも、従来施設のように、作業室と前室との間に室圧差を形成する必要性から各室と結合した変風量装置を制御することで室圧の調整をしなくても、作業室21の可変風量型定風量装置4と実験用キャビネット24の可変風量型定風量装置5とを直接制御するのみで、作業室21と前室22間の空気の流れを一方向に維持することができる。
【0056】
上記説明で明らかなように、本発明による制御方法は、前室22に結合されている定風量装置3を一定風量に設定した状態で固定し、作業室21の可変風量型定風量装置4と実験用キャビネット24の可変風量型定風量装置5との合計した総風量を、前室22の定風量の排気風量よりも大きい一定値に維持しながら、両可変風量型定風量装置の風量の組み合わせを2段階もしくは無段階に設定して置き、実験用キャビネット24の実験終了時と実験時もしくは実験時の扉の開度に連動させてこれを切替制御するものであるが、これによって、実験用キャビネットでの実験終了時と実験時のいずれかにおいて作業室と前室との間のドアを開閉したとしても、各室間の空気の流れを常に汚染度の低い部分から汚染度の高い部分へと一方向に維持できる。
【0057】
以上のように、本発明による高度安全施設と制御方法は、前室と、前室と扉で接続する作業室及び作業室の内部に在って作業室と開度調整可能な扉で連通し汚染物質を内在している実験用キャビネットから構成され、前室と作業室に接続する固定式給気装置と前室に接続する定風量装置及び作業室と実験用キャビネットに接続する可変風量型定風量装置を装備して、作業室に対する前室からの空気の流れを常に一方向に維持させるために、作業室と実験用キャビネットとの合計排気風量を、前室の定風量の排気風量よりも大きい一定値に維持しながら、作業室と実験用キャビネットとの排気風量の比率を実験用キャビネットの扉の開度に連動させて制御し、扉の開度に拘わらず各室間の空気の流れを汚染度の低い部分から高い部分へ一方向に維持しており、従来のように作業室における変風量装置の風量増大が実験用キャビネットの扉の作動に追随できないことで、作業室の室圧が前室に対して陽圧をなることから、作業室から前室に逆流を生ずる現象や風量装置間の相互干渉による外乱等の現象を阻止している。
【0058】
以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明による高度安全施設とその制御方法は、上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、高度安全施設の内部設備と用途、実験用キャビネットでの実験内容等、発明の趣旨に反しない範囲において、各種の変更が可能であることは当然である。
【0059】
【発明の効果】
本発明による高度安全施設は、前室と、前室と扉で接続する作業室及び作業室の内部に在って作業室と開度調整可能な扉で連通し汚染物質を内在している実験用キャビネットから構成され、前室と作業室に接続する固定式給気装置と前室に接続する定風量装置及び作業室と実験用キャビネットに接続する可変風量型定風量装置を装備して、作業室に対する前室からの空気の流れを常に一方向に維持させるために、作業室と実験用キャビネットとの合計排気風量を、前室の定風量の排気風量よりも大きい一定値に維持しながら、作業室と実験用キャビネットとの排気風量の比率を実験用キャビネットの扉の開度に連動させて制御することを特徴にしており、前室、作業室及び実験用キャビネット間の室圧差を制御することなく、各室からの排気風量のみを直接制御することで汚染度の低い部分から汚染度の高い部分へと各室間の空気の流れを常に一方向に維持できる効果を奏している。
【0060】
又、本発明による高度安全施設は、上記高度安全施設において、給気装置を固定式ダンパーにすることを特徴としており、上記効果に加えて、給気装置のコストを削減できる効果を奏している。
【0061】
本発明による高度安全施設の制御方法は、上記高度安全施設を制御する方法であって、前室と作業室に接続する固定式給気装置の開度を所定値に固定して給気し、前室の排気風量を定風量に制御すると共に、作業室と実験用キャビネットとの排気風量を可変にして、作業室に対する前室からの空気の流れを常に一方向に維持させるために、作業室と実験用キャビネットとの合計排気風量を、前室の定風量の排気風量よりも大きい一定値に維持しながら、作業室と実験用キャビネットとの排気風量の比率を実験用キャビネットの扉の開度に連動させて制御することを特徴としており、各室からの排気風量を直接的に制御することで、実験用キャビネットの扉の開度や作業室と前室間の扉を開閉しても汚染度の低い部分から汚染度の高い部分へと各室間の空気の流れを一方向に維持できる効果を奏している。
【図面の簡単な説明】
【 図1】本発明による高度安全施設の概要図
【 図2】本発明における実験時の流量設定と空気流の状態図
【 図3】本発明における飼育時の流量設定と空気流の状態図
【 図4】本発明において実験時にドアを開放した際の空気流の状態図
【 図5】従来の高度安全施設の概要図
【符号の説明】
1 BH施設、 2、2’ 固定式ダンパー、 3 定風量装置、
4、5 可変風量型定風量装置、 6 扉、 7 制御装置、
20 BH施設、 21 作業室、 22 前室、 23 ドア、
24 実験用キャビネット、 25 給気ファン、 26 排気ファン、
27A、27B 定風量装置、 28 高性能フィルタ、
29A、29B 変風量装置、 30 扉、 31 差圧計、
32 制御装置、

Claims (3)

  1. 前室、該前室と扉で接続する作業室及び作業室の内部に在って作業室と開度調整可能な扉で連通し汚染物質を内在している実験用キャビネットから構成される高度安全施設であって、前室と作業室に接続する固定式給気装置、前室に接続する定風量装置、作業室と実験用キャビネットに接続する可変風量型定風量装置から成り、作業室に対する前室からの空気の流れを常に一方向に維持させるために、作業室と実験用キャビネットとの合計排気風量を、前室の定風量の排気風量よりも大きい一定値に維持しながら、作業室と実験用キャビネットとの排気風量の比率を実験用キャビネットの扉の開度に連動させて制御することを特徴とする高度安全施設。
  2. 給気装置が、固定式ダンパーであることを特徴とする請求項1に記載の高度安全施設。
  3. 請求項1又は2に記載される高度安全施設の制御方法であって、前室と作業室に接続する固定式給気装置の開度を所定値に固定して給気し、前室の排気風量を定風量に制御すると共に、作業室と実験用キャビネットとの排気風量を可変にして、作業室に対する前室からの空気の流れを常に一方向に維持させるために、作業室と実験用キャビネットとの合計排気風量を、前室の定風量の排気風量よりも大きい一定値に維持しながら、作業室と実験用キャビネットとの排気風量の比率を実験用キャビネットの扉の開度に連動させて制御することを特徴とする高度安全施設の制御方法。
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