JP3226134B2 - 空調装置 - Google Patents

空調装置

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JP3226134B2
JP3226134B2 JP20954593A JP20954593A JP3226134B2 JP 3226134 B2 JP3226134 B2 JP 3226134B2 JP 20954593 A JP20954593 A JP 20954593A JP 20954593 A JP20954593 A JP 20954593A JP 3226134 B2 JP3226134 B2 JP 3226134B2
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智資 大泉
敬三 大角
博一 石田
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Sanki Engineering Co Ltd
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Sanki Engineering Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無菌動物飼育室,バイ
オクリーンルーム等の空調に使用される空調装置に係わ
り、特に、部屋内を消毒した後に行われる消毒排気時に
おける部屋圧変動を小さくした空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、医薬品を製造するためのバイオ
クリーンルーム、あるいは、無菌動物を用いて実験,研
究を行う動物飼育室等の施設では、部屋内を清潔な環境
に保つとともに、部屋外から細菌,病原体が侵入するこ
とを確実に防止する必要があり、このような施設の空調
では、部屋内の圧力を部屋外の圧力より高くすることに
より外部とのバリアを形成している。
【0003】また、このような施設では、実験内容を変
更する場合、あるいは、製造ラインを変更する場合等に
は、部屋内を密閉状態にして、ホルマリン燻蒸により部
屋内を消毒することが行われている。
【0004】図7は、このような施設の空調装置を示す
もので、図において、符号11は、無菌動物飼育室,バ
イオクリーンルーム等の複数の部屋を示している。これ
等の部屋11には、一台の給気ファン13からの空気を
部屋11内に導くための給気管路15が、それぞれ開口
されている。
【0005】これ等の給気管路15には、上流側から順
に定風量装置17および給気側高気密ダンパ19が配置
されている。それぞれの部屋11には、部屋11からの
空気を一台の排気ファン21に導くための排気管路23
が開口されている。
【0006】これ等の排気管路23には、上流側から順
に排気側高気密ダンパ25および圧力調節用排気ダンパ
27が配置されている。上述した空調装置では、定常状
態においては、給気ファン13および排気ファン21
は、一定回転数で運転されており、給気側高気密ダンパ
19および排気側高気密ダンパ25が全開状態とされて
いる。
【0007】また、コントローラ29により、定風量装
置17は、設定された風量を維持するように開度調節さ
れて運転されている。さらに、部屋11内の圧力は、差
圧調節器31により、圧力調節用排気ダンパ27の開度
を自動調節することにより、部屋11外の圧力と所定の
差圧を有するように維持されている。
【0008】一方、ある一つの部屋11内を消毒する時
には、図8の(b)に示すように、給気側高気密ダンパ
19および排気側高気密ダンパ25が全閉され、部屋1
1が密閉された状態でホルマリン燻蒸による消毒が行わ
れ、この後、給気側高気密ダンパ19および排気側高気
密ダンパ25が全開され、部屋11内から消毒剤が排気
される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の空調装置では、部屋11内から消毒剤を排気
する時に、図8の(c)に示すように、部屋11内の圧
力が大きく変動し、部屋11内と部屋11外との圧力差
が、通常時に設定されている圧力差、例えば、3mm水柱
より大きくなり、部屋11内の空気が外部に漏洩する虞
れがあるという問題があった。
【0010】すなわち、従来の空調装置では、消毒時に
給気側高気密ダンパ19を閉め切ると、定風量装置17
は、風量を確保するために全開状態になり、この状態か
ら消毒排気時に給気側高気密ダンパ17および排気側高
気密ダンパ25を開すると、これ等のダンパ17,25
の開時に、部屋11内に空気が多量に流れ込み、部屋1
1内の圧力が過正圧となり、部屋11内の圧力が大きく
変動するという問題があった。
【0011】本発明は、上記のような問題を解決したも
ので、消毒排気時における部屋圧変動を従来より大幅に
低減することができる空調装置を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の空調装置は、一
台の給気ファンからの空気を複数の部屋に導く複数の給
気管路と、これ等の給気管路に上流側から順に配置され
る定風量装置および給気側高気密ダンパと、前記複数の
部屋からの空気を一台の排気ファンに導く複数の排気管
路と、これ等の排気管路に上流側から順に配置される排
気側高気密ダンパおよび圧力調節用排気ダンパと、前記
定風量装置の風量を設定するとともに設定された風量を
維持するように前記定風量装置の開度を調節するコント
ローラと、前記部屋内の圧力と部屋外の圧力との差圧に
基づいて前記圧力調節用排気ダンパの開度をPID動作
により自動制御することにより前記部屋内の圧力と部屋
外の圧力との差圧を所定の値に維持する差圧調節器とを
備え、前記給気側高気密ダンパおよび排気側高気密ダン
パを閉じた状態で前記部屋内を消毒した後に、前記部屋
内を排気する時に使用される消毒排気用制御手段を設け
てなり、前記消毒排気用制御手段を、前記定風量装置を
全閉にした状態で前記差圧調節器に設定される比例感度
を定常時比例感度より小さく設定する比例感度変更手段
と、前記定風量装置が作動されると同時に、前記給気側
高気密ダンパおよび排気側高気密ダンパを全開にする操
作を開始するダンパ全開手段と、前記給気側高気密ダン
パおよび排気側高気密ダンパの全開から予め定められた
所定時間経過後に、前記比例感度を定常時比例感度に戻
す比例感度戻し手段とから構成してなるものである。
【0013】
【作用】本発明の空調装置では、消毒排気時には、消毒
排気用制御手段が作動され、先ず、定風量装置を全閉に
した状態で比例感度変更手段により差圧調節器に設定さ
れる比例感度が定常時比例感度より小さく設定される。
【0014】この後、定風量装置が作動されると同時
に、ダンパ全開手段により、給気側高気密ダンパおよび
排気側高気密ダンパを全開にする操作が開始される。そ
して、この後、給気側高気密ダンパおよび排気側高気密
ダンパの全開から予め定められた所定時間経過後に、比
例感度戻し手段により差圧調節器の比例感度が定常時比
例感度に戻される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の詳細を図面に示す一実施例に
ついて説明する。図1は、本発明の空調装置の一実施例
を示すもので、図において符号41は、無菌動物飼育
室,バイオクリーンルーム等の複数の部屋を示してい
る。
【0016】これ等の部屋41には、一台の給気ファン
43からの空気を部屋41内に導くための給気管路45
が、それぞれ開口されている。これ等の給気管路45に
は、上流側から順に定風量装置47および給気側高気密
ダンパ49が配置されている。
【0017】それぞれの部屋41には、部屋41からの
空気を一台の排気ファン51に導くための排気管路53
が開口されている。これ等の排気管路53には、上流側
から順に排気側高気密ダンパ55および圧力調節用排気
ダンパ57が配置されている。
【0018】符号59は、コントローラを示しており、
このコントローラ59は、定風量装置47に設定された
風量を維持するように定風量装置47の開度調節を行う
機能、定風量装置47を全閉にする機能、給気側高気密
ダンパ49および排気側高気密ダンパ55を開閉する機
能、これ等の機能を連続的に制御する制御機能、および
後述する差圧調節器の比例感度を変更する機能等を有し
ている。
【0019】符号61は、差圧調節器を示しており、こ
の差圧調節器61は、図2に示すように、部屋41内の
圧力と部屋41外の圧力との差圧を検出する差圧検出器
63からの差圧信号を入力して、圧力調節用排気ダンパ
57の開度をPID動作により自動制御することによ
り、部屋41内の圧力と部屋41外の圧力との差圧を所
定の値に維持する機能を有している。
【0020】なお、図2において、Kは比例感度を、T
I は積分時間を、TD は微分時間を示している。そし
て、この実施例では、コントローラ59には、給気側高
気密ダンパ49および排気側高気密ダンパ55を閉じた
状態で部屋41内を消毒した後に、部屋41内を排気す
る時に使用される消毒排気用制御手段63が設けられて
いる。
【0021】この消毒排気用制御手段63は、図3に示
すように、定風量装置全閉手段65,比例感度変更手段
68,ダンパ全開手段69,比例感度戻し手段72とを
有しており、これ等の手段65,68,69,72は、
コントローラ59のCPU73内に設けられている。
【0022】定風量装置全閉手段65は、消毒排気時
に、人手によりコントローラ59に部屋開放指令が入力
されると、定風量装置47を全閉にする。比例感度変更
手段68は、定風量装置47を全閉にした状態で差圧調
節器61に設定される比例感度Kを、定常時比例感度K
1 より小さく、例えば、定常時比例感度K1 の半分の比
例感度K2 になるように設定する。
【0023】すなわち、図4に示すように、実線で示す
定常時比例感度K1 を、破線で示す比例感度K2 に変更
すると、比例帯幅がPB1 からPB2 になり、PV1
らPV2 の圧力変動に対する圧力調節用排気ダンパ57
の開度出力変化量が、Q1 からQ2 に減少され、圧力調
節用排気ダンパ57の開度変化量が少なくなる。
【0024】ダンパ全開手段69は、定風量装置47が
作動されると同時に、給気側高気密ダンパ49および排
気側高気密ダンパ55を全開にする操作を開始する。ま
た、このダンパ全開手段69は、ダンパ49,55の全
開操作開始と同時に、タイマー75を作動する。
【0025】比例感度戻し手段72は、給気側高気密ダ
ンパ49および排気側高気密ダンパ55の全開から予め
定められた所定時間経過後に、差圧調節器61の比例感
度K 2 を定常時比例感度K1 に戻す。
【0026】すなわち、タイマー75には、予め、給気
側高気密ダンパ49および排気側高気密ダンパ55の全
開操作が開始されてから完全に開くまでの時間が設定さ
れており、この設定時間が経過するとタイマー75から
時間経過信号が比例感度戻し手段72に入力され、この
信号の入力により比例感度戻し手段72は、差圧調節器
61の比例感度K2 を定常時比例感度K1 に戻し、圧力
調節用排気ダンパ57の開度変化量が定常時変化量に戻
される。
【0027】上述した空調装置では、定常状態において
は、給気ファン43および排気ファン51は、一定回転
数で運転されており、給気側高気密ダンパ49および排
気側高気密ダンパ55が全開状態とされている。
【0028】また、コントローラ59により、定風量装
置47は、設定された風量を維持するように開度調節さ
れて運転されている。さらに、部屋41内の圧力は、差
圧調節器61により、圧力調節用排気ダンパ57の開度
を、比例感度K1 で自動制御することにより、部屋41
外の圧力と所定の差圧を有するように維持されている。
【0029】一方、部屋41内を消毒する時には、図5
および図6に示すように、先ず、人手によりコントロー
ラ59に部屋閉め切り指令が入力され(ステップS
1)、給気側高気密ダンパ49および排気側高気密ダン
パ55が全閉され(ステップS2)、部屋41が密閉さ
れた状態でホルマリン燻蒸による消毒が行われる(ステ
ップS3)。
【0030】この後、部屋41内の消毒が完全に終了す
ると、人手によりコントローラ59に部屋開放指令が入
力され(ステップS4)、定風量装置全閉手段65によ
り定風量装置47が全閉にされる(ステップS5)。
【0031】次に、定風量装置47を全閉にした状態で
差圧調節器61に設定される比例感度Kが、定常時比例
感度K1 より小さく、例えば偏差に対する操作量の大き
さが定常時の半分程度になるような比例感度K2 に変更
される(ステップS6)。
【0032】この後、定風量装置47が作動される(ス
テップS7)と同時に、ダンパ全開手段69により給気
側高気密ダンパ49および排気側高気密ダンパ55を全
開にする操作が開始される(ステップS8)。
【0033】このダンパ49,55の全開操作開始と同
時に、タイマー75のカウントが開始される(ステップ
S9)。そして、タイマー75がタイマーアップすると
(ステップS10)、比例感度戻し手段72により、差
圧調節器61の比例感度K2 が定常時比例感度K1 に戻
される(ステップS11)。
【0034】以上のように構成された空調装置では、消
毒排気時には、図6の(a)に示したように、定風量装
置47が全閉の状態から作動する時に、差圧調節器61
に設定される比例感度が定常時比例感度より小さく設定
された状態で、図6の(b)に示したように給気側高気
密ダンパ49および排気側高気密ダンパ55が開にされ
るため、ダンパ49,55の開時に、圧力調節用排気ダ
ンパ57の開度変化量が少なくなり、部屋41内に空気
が多量に流れ込むことが防止され、この結果、図6の
(c)に示したように、消毒排気時における部屋圧変動
を従来より大幅に低減することができる。
【0035】また、上述した空調装置では、消毒排気用
制御手段63をCPU73内に組み込み、一連の動作を
自動制御するようにしたので、消毒排気時における制御
を確実に行うことが可能になり、制御の信頼性を向上す
ることができる。
【0036】なお、以上述べた実施例では、各種制御を
コントローラ59のCPU73により行なった例につい
て説明したが、本発明はかかる実施例に限定されるもの
ではなく、例えば、リレー等を用いてシーケンス制御を
するようにしても良いことは勿論である。
【0037】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の空調装置で
は、消毒排気時には、定風量装置が全閉の状態から作動
される時に、差圧調節器に設定される比例感度が定常時
比例感度より小さく設定された状態で、給気側高気密ダ
ンパおよび排気側高気密ダンパが開されるため、ダンパ
の開時に、圧力調節用排気ダンパの開度変化量が少なく
なり、部屋内に空気が多量に流れ込むことが防止され、
この結果、消毒排気時における部屋圧変動を従来より大
幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空調装置の一実施例を示す配管系統図
である。
【図2】図1の空調装置の差圧調節器を示すブロック図
である。
【図3】図1の空調装置の消毒排気用制御手段を示すブ
ロック図である。
【図4】図2の差圧調節器の比例感度の変更による圧力
調節用排気ダンパの開度出力変化を示す説明図である。
【図5】図1の空調装置の消毒時における動作を示す流
れ図である。
【図6】図1の空調装置の消毒時における動作を示す説
明図である。
【図7】従来の空調装置を示す配管系統図である。
【図8】図5の空調装置の消毒時における動作を示す説
明図である。
【符号の説明】
41 部屋 43 給気ファン 45 給気管路 47 定風量装置 49 給気側高気密ダンパ 51 排気ファン 53 排気管路 55 排気側高気密ダンパ 57 圧力調節用排気ダンパ 59 コントローラ 61 差圧調節器 63 消毒排気用制御手段 68 比例感度変更手段 69 ダンパ全開手段 72 比例感度戻し手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−33447(JP,A) 特開 平1−256743(JP,A) 特開 平4−139337(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 7/04 - 7/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一台の給気ファンからの空気を複数の部
    屋に導く複数の給気管路と、 これ等の給気管路に上流側から順に配置される定風量装
    置および給気側高気密ダンパと、 前記複数の部屋からの空気を一台の排気ファンに導く複
    数の排気管路と、 これ等の排気管路に上流側から順に配置される排気側高
    気密ダンパおよび圧力調節用排気ダンパと、 前記定風量装置の風量を設定するとともに設定された風
    量を維持するように前記定風量装置の開度を調節するコ
    ントローラと、 前記部屋内の圧力と部屋外の圧力との差圧に基づいて前
    記圧力調節用排気ダンパの開度をPID動作により自動
    制御することにより前記部屋内の圧力と部屋外の圧力と
    の差圧を所定の値に維持する差圧調節器と、を備え、 前記給気側高気密ダンパおよび排気側高気密ダンパを閉
    じた状態で前記部屋内を消毒した後に、前記部屋内を排
    気する時に使用される消毒排気用制御手段を設けてな
    り、 前記消毒排気用制御手段を、 前記定風量装置を全閉にした状態で前記差圧調節器に設
    定される比例感度を定常時比例感度より小さく設定する
    比例感度変更手段と、 前記定風量装置が作動されると同時に、前記給気側高気
    密ダンパおよび排気側高気密ダンパを全開にする操作を
    開始するダンパ全開手段と、 前記給気側高気密ダンパおよび排気側高気密ダンパの全
    開から予め定められた所定時間経過後に、前記比例感度
    を定常時比例感度に戻す比例感度戻し手段と、から構成
    してなることを特徴とする空調装置。
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