JP4558154B2 - 偏心量調整装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の工具、例えば、サンダ、ポリッシャ等の電動工具に適用され、第1軸に対する第2軸の偏心量を調節可能な偏心量調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の偏心量調整装置は、第1軸と、第2軸と、位置決め手段とから構成される。第2軸は、第1軸の中心軸線と同軸の同軸位置と、この中心軸線から偏倚した偏倚位置間を移動可能であり、しかも、この第2軸は、第1軸に対して独立して回転可能である。位置決め手段は、第1軸に対する第2軸の移動量を調節することができる。
【0003】
上述した構成を有する偏心量調整装置において、通常、第1軸は動力源としてのモータに連結され、第2軸は従動軸、即ち、サンディングパッド、ポリッシングパッド等のアタッチメントのための作動軸として作用する。ここで、偏心量調整装置により、第1軸に対する第2軸の偏心量を所定の長さに設定した状態で、モータを駆動させると、第2軸に取り付けられたアタッチメントは、自転しながら、第1軸の周りを公転して、回転運動と偏心運動とが組み合わされた複合運動、所謂、ランダムアクションを行う。
【0004】
被加工物の加工作業は、被加工物の研磨効率の向上を主目的として行われる重研磨作業と、その精密な表面仕上げを主目的とした軽研磨作業とに大別され、ランダムアクションは、後者の軽研磨作業に適している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した先行技術の偏心量調整装置は、重研磨作業には不適切であり、汎用性に乏しかった。即ち、先行技術の偏心量調整装置においては、第2軸を第1軸と一体的に回転させることは不可能であり、アタッチメントの単純回転運動、所謂、シングルアクションを行うことはできない。
【0006】
従って、重研磨作業を行う場合には、偏心量調整装置を、シングルアクション専用のアタッチメント取付装置に置き換えたり、シングルアクション専用のサンダ、ポリッシャ等を使用する必要があり、その結果、不便且つ不経済な問題を生じていた。
【0007】
本発明の目的は、第2軸を第1軸にロックするためのロック機構を備え、ランダムアクションのみならず、シングルアクションをも行うことができ、ロック機構の構造を極めて簡単にし、製造コストを低減でき、しかも、ロック機構の着脱作業が容易な偏心量調整装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の本発明は、第1軸(1)と、前記第1軸(1)の中心軸線と同軸の同軸位置、及び、前記中心軸線から偏倚した偏倚位置間を移動可能に配置され、且つ、前記第1軸(1)に対して独立して回転可能な第2軸(2)と、前記第1軸(1)に対する前記第2軸(2)の移動量を調節する位置決め手段(PA)と、前記第2軸(2)の中心軸線が前記第1軸(1)の中心軸線に一致した状態で、前記第2軸(2)を前記第1軸(1)にロックするロック機構(LM)とを備えた偏心量調整装置において、前記第2軸(2)は非円形状部分を有しており、前記ロック機構(LM)は、前記第2軸(2)の前記非円形状部分が合致する係合孔(30a)を有するロックプレート(30)と、前記ロックプレート(30)を前記第2軸(2)のためのケーシング(3Y)に着脱可能に取り付けるための取付具(F)とから構成されることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る偏心量調整装置を、図1乃至図4を参照して詳述する。
【0010】
本発明の偏心量調整装置は、第1軸1と、第2軸2と、位置決め手段PAとからなる基本構成を有している。
【0011】
第1軸1は駆動軸として作用するもので、電動工具のモータに連結される。この第1軸1は、その上部にネジ部1aを有している。
【0012】
第2軸2は、第1軸1の中心軸線と同軸の同軸位置、及び、上記中心軸線から偏倚した偏倚位置間を移動可能に配置されている。この第2軸2は、第1軸1に対して独立して回転可能である。第2軸2は、図2における上端部に、後述するロック機構LMと協働する非円形状部分を有している。即ち、第2軸2の上端部は、対向する一対の平面部分2x、2yを有している。従って、この第2軸2は、図1に示すように、所謂、小判状の端面を露呈している。この第2軸2には、サンディングパッド、ポリッシングパッド等のアタッチメント(図示せず)が取り付けられる。
【0013】
位置決め手段PAは、基板5と、回動体3と、偏心体4と、規制手段6と、調節機構11とから構成されている。
【0014】
基板5は、円盤状に形成され、ほぼ中央の位置に貫通孔5aを有している。基板5の一方の面、即ち、図2において上面には、上向きの凹部5eが形成され、この凹部5eは、上記貫通孔5aと連通している。基板5の他方の面、即ち、図2において下面には、下向きの凹部5fが形成され、この凹部5fもまた、上記貫通孔5aと連通している。
【0015】
基板5の上面且つ一方の側において、貫通孔5aと同心円上に複数個のロック溝5b…5bが形成されている(図1参照)。
【0016】
基板5において、貫通孔5aを基準として、ロック溝5bと反対側の位置に、長孔5dが形成されている。長孔5dは、後述する規制手段の一部を構成するもので、基板5の上面及び下面にそれぞれ形成された凹部5e及び5fとそれぞれ連通している。この長孔5dは、基板5のほぼ直径方向に湾曲して伸びている。
【0017】
また、基板5において、上記長孔5dの更に外側の位置には、複数個のバランスウェイト取付孔5hが形成されている。
【0018】
回動体3は、支持部分3Xと、ケース部分3Yとからなるケーシングを備えている。
【0019】
支持部分3Xは、基板5の貫通孔5a内に回動可能に嵌合されており、その中央部分には、ネジ孔3cが同軸心的に形成されている。尚、図2において、符号8は、支持部分3Xの抜け止めのために、これに嵌合されるC型リングである。
【0020】
ケース部分3Yは、支持部分3Xの上端に一体的に形成され、基板5の上向き凹部5e内に収められている。ケース部分3Yは、円筒状の内周面、即ち、ボア3fを有しており、このボア3fの中心軸線は、支持部分3Xの中心軸線から偏倚している。ケース部分3Yの底部には、長孔3bが形成されている。この長孔3bは、規制手段の一部を構成するもので、基板5の長孔5dに対応する位置に形成されており、これと同様に、ケース部分3Yの底部のほぼ円周方向に湾曲して伸びている。また、ケース部分3Yの中央部分を基準として、長孔3bと反対側の位置には、調節機構11のための切欠き部3aが形成されている。更に、ケース部分3Yの上端面において、切欠き部3a付近には、後述するロック装置LMを取り付けるためのネジ穴3f、3gが形成されている(図3(b)参照)。
【0021】
上述した第1軸1のネジ部1aは、上記支持部分3Xのネジ孔3cに螺合されている。従って、第1軸1は、支持部分3Xと一体的に回動可能である。
【0022】
偏心体4は、外周面に対して内周面が偏心した筒状に形成され、上記回動体3におけるケース部分3Yのボア3f内に回動可能に収容されている。この偏心体4の内側には、ベアリング15、16が組み込まれている。
【0023】
上述した第2軸2は、ベアリング15、16のそれぞれの内輪に取り付けられている。このように第2軸2は、第1軸1に対して独立して回転可能である。上述のように、回転体3は、ボア3f内に第2軸2とベアリング15、16及び偏心体4が収納され、ケーシングとしても機能している。尚、図2において、符号17は、下方のベアリング16における外輪を偏心体4に保持するためのC型リングを示し、符号18は、このベアリング16における内輪を第2軸2に保持するためのC型リングを示す。また、符号7は、偏心体4を回動体3に保持するためのC型リングを示し、符号19は、偏心体4と第2軸2との間をシールするオイルシールである。
【0024】
偏心体4の一方の側には、下方に突出するようにしてピン6が取り付けられている。このピン6は、回動体3の長孔3b及び基板5の長孔5dに通されている。このピン6は、これ等長孔3b及び5dと協働して、基板5に対する回動体3の回動位置に応じて、回動体3に対する偏心体4の回動位置を規制する規制手段を構成する。尚、基板5の凹部5f内には、一対の突起5g、5gが内側に向けて突出しており、これ等の間に、C型リング8の端部が配置されている。従って、これ等突起によって、C型リング8の廻り止めが施され、従って、C型リング8が不適切に回転移動して、ピン6に干渉することが未然に回避される。
【0025】
調節機構11は、基板5に対する回動体3の回動位置を選択的に調節するもので、ホルダ12と、ロックボタン13と、コイルバネ21と、ロックボール14と、基板5に設けられた上記ロック溝5b…5bとから構成される。
【0026】
ホルダ12は、回動体3の切欠き部3aにボルト20、20によって締め付けられている(図1参照)。このホルダ12は、切欠き部3aと向かい合う部分に貫通孔12eを有している。
【0027】
ロックボタン13は、ホルダ12内に摺動可能に収容されるボール拘束部分13aと、このボール拘束部分13aの先端面に一体的に形成され、ホルダ12の貫通孔12eから外側に突出する操作部分13bとから構成される。ボール拘束部分13aは、操作部分13b側の位置に傾斜面13dを有しており、この傾斜面13dは後述するロックボール14に当接可能である。即ち、ボール拘束部分13aは、その長さ方向に亘って実質的に同一の外径を有する円柱状部分と、その前方に形成された截頭円錐状部分、換言すれば、テーパ状部分とから構成され、そのテーパ状部分の外径は、操作部分13bの外径よりも大きい。また、この円柱状部分は、ホルダ12の対応する内面によって案内されるように構成される。ボール拘束部分13aは、その後端部内側にバネ収容穴13cを有している。勿論、ボール拘束部分13aに上記筒状部分を設けることなく、傾斜面13dを有する上記テーパ状部分のみからボール拘束部分13aを構成してもよい。
【0028】
コイルバネ21は、ホルダ12内に配置され、一端をボール拘束部分13aのバネ収容穴13c内に配置し、他端を回動体3側に当接させている。従って、ロックボタン13はコイルバネ21による弾性力により、図2において矢印M方向に移動して、ボール拘束部分13aの先端面がホルダ12に当接し、これにより、ロックボタン13はロック状態に保持される。コイルバネ21に抗して、ロックボタン13を、図2において矢印L方向に押し込むことにより、傾斜面13dを有するテーパ状部分は回動体3側に近接し、これにより、ロックボタン13はロック解除状態に置かれる。
【0029】
ロックボール14は、単一の鋼球からなり、ホルダ12内においてロックボタン13の下方に配置されている。ロックボタン13がロック状態に置かれているとき、ロックボール14は、基板5のロック溝5b…5bのうちの何れか1つに選択的に収められ、この状態において、ロックボール14は傾斜面13dを有するテーパ状部分に当接する。従って、コイルバネ21に抗して、ロックボタン13を押し込み、これをロック解除状態にすれば、傾斜面13dを有するテーパ状部分と操作部分13bとの半径における差に対応する距離だけ、ロックボール14の変位が許容され、これにより、ロックボール14がロック溝5bから離脱可能になる。
【0030】
尚、図2に示すように、基板5のバランスウェイト取付孔5hには、バランスウェイトとしてのボルト10及びナット9がそれぞれ取り付けられている。また、上述した調節機構11のホルダ12もバランスウェイトとして作用する。従って、ボルト10及びナット9、並びに、ホルダ12の組合せにおいて、装置全体の回転バランスが調整可能である。
【0031】
また、図1及び図3(b)において、符号5cはロック溝5b…5bに対応する切欠部を示し、図4において、符号mは偏心量に関する目盛りを示す。図4から明らかなように、位置決め手段PAにおいては、0mmから10mmまで、2mm毎に偏心量を6段階に調節することが可能である。
【0032】
本発明の偏心量調整装置は、上述した基本構成を有しているが、この偏心量調整装置は、更に、第2軸2を第1軸1にロックするためのロック装置LMを備えている。
【0033】
このロック装置LMは、ロックプレート30と、取付具Fとから構成されている。
【0034】
ロックプレート30は、第2軸2のためのケーシング、即ち、回動体3のケース部分3Yにおける上端面の形状に実質的に対応するように、円盤状に形成されている。ロックプレート30の中央には、係合孔30aが形成されている。この係合孔30aは、上述した第2軸2の非円形状部分が合致するように、その一対の平面部分2x、2yにそれぞれ対応する一対の平面部分30ax、30ayを有している(図3(a)参照)。従って、この係合孔30aも、第2軸2の非円形状部分と同様に、所謂、小判状に形成されている。
【0035】
ロックプレート30は、更に、一対の貫通孔30b、30cを有している。これ等貫通孔30b、30cは、回動体3におけるケース部分3Yのネジ穴3f、3gにそれぞれ対応している。
【0036】
図3(b)は、第1軸1に対する第2軸2の偏心量が0mmの状態、換言すれば、第2軸2の中心軸線が第1軸1の中心軸線に一致した状態を示しており、この状態において、ロックプレート30は、その係合孔30a内に第2軸2の非円形状部分を嵌め込むようにして、回動体3のケース部分3Yにおける上端面に載置される。
【0037】
取付具Fは、一対のネジ31、32から構成される。即ち、ネジ31、32は、ロックプレート30が上述したようにしてケース部分3Yにおける上端面に載置された状態で、そのロックプレート30の貫通孔30b、30cを貫通して、ケース部分3Yのネジ穴3f、3gにそれぞれ螺合可能である。
【0038】
次に、本発明の偏心量調整装置の使用方法を以下に説明する。
【0039】
先ず、サンディングパッド、ポリッシングパッド等のアタッチメントにランダムアクションをさせて、被加工物の精密な表面仕上げを主目的として行われる軽研磨作業を行う場合には、図3(b)に示すように、ロック機構LMを取り外した状態で、偏心量調整装置を使用する。
【0040】
ここで、第1軸1と第2軸2との偏心量を調節するためには、先ず、ロックボタン13を、図2における矢印L方向に押し込み、この状態で、基板5に対して回動体3を所定の角度だけ回動させる。即ち、ロックボタン13を押し込むことにより、ロックボール14はロック溝5bから離脱可能な状態に置かれ、ここで、基板5に対して回動体3を、図3(b)において矢印T方向又はS方向に回動させると、ロックボール14は係合状態にあったロック溝5bから離脱し、回動角度に対応した他のロック溝5bに係合する。
【0041】
このように基板5に対して回動体3を回動させると、偏心体4は、規制手段6、3b、5dの規制下において、回動体3内を回動する。第2軸2の中心軸線は偏心体4の中心軸線に対して偏倚しているため、偏心体4が回動することによって、第1軸1に対する第2軸2の偏心量が調節される。通常は、1つのロック溝5bからこれに隣接する他のロック溝5bへの1ピッチP分(図3(b)参照)の回動体3の回動操作により、第1軸1に対する第2軸2の偏心量が2mmずつ変化するように設定されている。
【0042】
偏心量の調節後、ロックボタン13の押圧を解除すれば、コイルバネ21によってロックボタン13は再びロック状態に保持され、従って、ロックボール14のロック溝5bへの係合状態が確保され、換言すれば、基板5に対して回動体3がロックされる。
【0043】
従って、モータを駆動させることにより、第2軸2に取り付けられたアタッチメントは、自転しながら、第1軸1の周りを公転して、回転運動と偏心運動とが組み合わされた複合運動を行い、精密な表面仕上げを行うことができる。
【0044】
尚、ロックボタン13がロック状態に置かれているときに、ロックボール14は、図2に示すように、ロックボタン13の傾斜面13dに当接している。従って、仮に、ボール拘束部分13a及びロックボール14の製造工程において、寸法誤差が生じ、例えば、これ等の部材の外径が適正値よりも大きい場合であっても、その寸法誤差に応じた距離だけ、ロックボタン13がコイルバネ21に抗して引っ込められ、基板5に対する回動体3適切な回動動作並びにロック状態及びロック解除状態への切換動作が確保される。
【0045】
その結果、ボール拘束部分13a及びロックボール14の製造工程において非常に厳しい寸法管理を適用する必要がなく、製造コストを低廉に維持できる。
【0046】
図2には、ボール拘束部分13aの傾斜面13dがロックボール14に当接するのみならず、この傾斜面13dを有するテーパ状部分の先端部がホルダ12の内面と当接する形態が示されているが、ロック状態において、このテーパ状部分の先端部をホルダ12の内面に当接させることなく、傾斜面13dとロックボール14との当接のみを維持するように構成することも可能である。このように構成すれば、仮に、ボール拘束部分13a及びロックボール14の製造工程において、寸法誤差が生じ、これ等の部材の外径が適正値よりも小さい場合であっても、その寸法誤差に応じた距離だけ、ロックボタン13がコイルバネ21によって押し出され、基板5に対する回動体3適切な回動動作並びにロック状態及びロック解除状態への切換動作が確保される。
【0047】
また、ロックボタン13のテーパ状部分、ロックボール14、及び、ロック溝5bを形成する基板5の部分の何れかが摩耗した場合であっても、テーパ状部分とロックボール14との上述した接触構造を採用することによって、このような摩耗による寸法変化を吸収でき、従って、ロックボタン13やロックボール14を交換することなく、長期間に亘って装置を使用でき、耐久性が向上する。
【0048】
一方、サンディングパッド、ポリッシングパッド等のアタッチメントにシングルアクションをさせて、被加工物の研磨効率の向上を主目的として行われる重研磨作業を行う場合には、上述と同様の方法で、基板5に対して回動体3を回動させて、第1軸1に対する第2軸2の偏心量が0mmの状態、換言すれば、第2軸2の中心軸線が第1軸1の中心軸線に一致した状態の保持する。
【0049】
次いで、ロックプレート30を、その係合孔30a内に第2軸2の非円形状部分を嵌め込むようにして、回動体3のケース部分3Yにおける上端面に載置する。ここで、一対のネジ31、32を、ロックプレート30の貫通孔30b、30cに貫通させ、更に、ケース部分3Yのネジ穴3f、3gにそれぞれ螺合する。
【0050】
即ち、ケース部分3Yに取り付けられたロックプレート30によって、ケース部分3Yに対する第2軸2の回転が阻止される。このケース部分3Yは第1軸1と一体的に回転するため、第2軸2は、その中心軸線が第1軸1の中心軸線に一致した状態で、第1軸1にロックされ、これと一体的に回転する。これにより、アタッチメントのシングルアクションがもたらされ、研磨効率の良い作業が可能になる。
【0051】
上述したロックプレート30の着脱は、取付具Fとしてのネジ31、32の締め付け、または、取外しによって容易に行われる。従って、ランダムアクションとシングルアクションとの切替えが極めて容易に行われる。
【0052】
上述した実施形態においては、0mmから10mmまで、2mm毎に偏心量を6段階に調節することが可能であるものとして説明したが、この偏心量の単位及び段階数は任意に変更可能である。
【0053】
ロック機構LMは、第2軸2の中心軸線が第1軸1の中心軸線に一致した状態で、第2軸2を第1軸1にロックするものとして説明したが、第2軸2が第1軸1に対して所定の距離だけ偏倚した状態で、第2軸2を第1軸1にロックするように構成してもよい。
【0054】
第2軸2の上端部と、ロックプレート30の係合孔30aとはそれぞれ小判状に形成されたものとして説明したが、これ等は非円形状であればよく、例えば、三角形、四角形、六角形等の多角形状であってもよい。
【0055】
また、ロックプレート30は、円盤状の形状を有しているものとして説明したが、その形状は任意である。
【0056】
更に、取付具Fは、一対のネジ31、32からなるものとして説明したが、ロックプレート30をケース部分3Yに着脱可能に取り付けることができるものであればよく、例えば、C型リングや割ピン等を用いてもよい。
【0057】
【発明の効果】
請求項1の本発明の偏心量調整装置によれば、第2軸を第1軸にロックするためのロック機構を備え、第2軸に非円形状部分を形成し、ロック機構を、第2軸の非円形状部分が合致する係合孔を有するロックプレートと、ロックプレートを第2軸のためのケーシングに着脱可能に取り付けるための取付具とから構成しているので、ロック機構の構造を極めて簡単にし、製造コストを低減でき、しかも、ロック機構の着脱作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偏心量調整装置を示す平面図
【図2】図1のII−II線断面図
【図3】図1の偏心量調整装置におけるロック機構と、同装置からロック機構を取り外した状態を示す平面図
【図4】図1の偏心量調整装置の底面図
【符号の説明】
1 第1軸
2 第2軸
3 回動体(ケーシング)
3Y ケース部分
PA 位置決め手段
LM ロック機構
30 ロックプレート
30a 係合孔
F 取付具
Claims (1)
- 第1軸と、前記第1軸の中心軸線と同軸の同軸位置、及び、前記中心軸線から偏倚した偏倚位置間を移動可能に配置され、且つ、前記第1軸に対して独立して回転可能な第2軸と、前記第1軸に対する前記第2軸の移動量を調節する位置決め手段と、前記第2軸の中心軸線が前記第1軸の中心軸線に一致した状態で、前記第2軸を前記第1軸にロックするロック機構とを備えた偏心量調整装置において、
前記第2軸は非円形状部分を有しており、
前記ロック機構は、前記第2軸の前記非円形状部分が合致する係合孔を有するロックプレートと、前記ロックプレートを前記第2軸のためのケーシングに着脱可能に取り付けるための取付具とから構成される
ことを特徴とする偏心量調整装置。
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