JP4558134B2 - 電動工具の位置決め装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動工具、例えば、サンダ、ポリッシャ等に適用され、第1軸に対する第2軸の偏心量を調節可能な位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動工具に適用される位置決め装置は、第1軸及び第2軸を備えており、第1軸に対する第2軸の偏心量を調節することができる。通常、第1軸は動力源としてのモータに連結され、第2軸は従動軸、即ち、サンダ、ポリッシャ等のための作動軸として作用する。
【0003】
この種の公知の位置決め装置を、図4を参照しながら、以下に説明する。この位置決め装置は、基板35と、回動体33と、偏心体34と、第2軸32と、規制手段と、調節機構41とからなる基本構成を有している。
【0004】
基板35は、円盤状に形成され、ほぼ中央の位置に貫通孔35aを有している。基板35の一方の面、即ち、図4において上面には、上向きの凹部35eが形成され、この凹部35eは、上記貫通孔35aと連通している。基板35の他方の面、即ち、図4において下面には、下向きの凹部35fが形成され、この凹部35fもまた、上記貫通孔35aと連通している。
【0005】
基板35の上面且つ一方の側において、貫通孔35aと同心円上に複数個のロック溝35b…35bが形成されている。
【0006】
基板35において、貫通孔35aを基準として、ロック溝35bと反対側の位置に、長孔35dが形成されている。長孔35dは、後述する規制手段の一部を構成するもので、基板35の上面及び下面にそれぞれ形成された凹部35e及び35fとそれぞれ連通している。この長孔35dは、基板35のほぼ直径方向に湾曲して伸びている。
【0007】
また、基板35において、上記長孔35dの更に外側の位置には、複数個のバランスウェイト取付孔35hが形成されている。
【0008】
回動体33は、支持部分33X及びケース部分33Yとからなる回動体本体と、第1軸としての駆動軸31とから構成される。
【0009】
支持部分33Xは、基板35の貫通孔35a内に回動可能に嵌合されており、その中央部分には、ネジ孔33cが同軸心的に形成されている。尚、図4において、符号38は、支持部分33Xの抜け止めのために、これに嵌合されるC型リングである。
【0010】
ケース部分33Yは、支持部分33Xの上端に一体的に形成され、基板35の上向き凹部35e内に収められている。ケース部分33Yは、円筒状の内周面、即ち、ボア33fを有しており、このボア33fの中心軸線は、支持部分33Xの中心軸線から偏倚している。また、ケース部分33Yの底部には、長孔33bが形成されている。この長孔33bは、規制手段の一部を構成するもので、基板35の長孔35dに対応する位置に形成されており、これと同様に、ケース部分33Yの底部のほぼ円周方向に湾曲して伸びている。更に、ケース部分33Yの中央部分を基準として、長孔33bと反対側の位置には、調節機構41のための切欠き部33aが形成されている。
【0011】
第1軸としての駆動軸31は、上部にネジ部31aを有しており、このネジ部31aは、上記支持部分33Xのネジ孔33cに螺合されている。従って、駆動軸31は、支持部分33Xと一体的に回動可能である。
【0012】
偏心体34は、外周面に対して内周面が偏心した筒状に形成され、上記回動体33におけるケース部分33Yのボア33f内に回動可能に収容されている。この偏心体34の内側には、ベアリング45、46が組み込まれている。
【0013】
第2軸32は、ベアリング45、46のそれぞれの内輪に取り付けられている。尚、図4において、符号47は、下方のベアリング46における外輪を偏心体34に保持するためのC型リングを示し、符号48は、このベアリング46における内輪を第2軸32に保持するためのC型リングを示す。また、符号37は、偏心体34を回動体33に保持するためのC型リングを示し、符号49は、偏心体34と第2軸32との間をシールするオイルシールである。
【0014】
偏心体34の一方の側には、下方に突出するようにしてピン36が取り付けられている。このピン36は、回動体33の長孔33b及び基板35の長孔35dに通されている。このピン36は、これ等長孔33b及び35dと協働して、基板35に対する回動体33の回動位置に応じて、回動体33に対する偏心体34の回動位置を規制する規制手段を構成する。
【0015】
調節機構41は、基板35に対する回動体33の回動位置を選択的に調節するもので、ホルダ42と、ロックボタン43と、コイルバネ51と、ロックボール44と、基板35に設けられた上記ロック溝35b…35bとから構成される。
【0016】
ホルダ42は、回動体33の切欠き部33aにボルト締めされている。このホルダ42は、切欠き部33aと向かい合う部分に貫通孔42eを有している。
【0017】
ロックボタン43は、ホルダ42内に摺動可能に収容されるボール拘束部分43aと、このボール拘束部分43aの先端面に一体的に形成され、ホルダ42の貫通孔42eから外側に突出する操作部分43bとから構成される。ボール拘束部分43aは、その長さ方向全体に亘って実質的に同一の外径を有する筒状に形成され、その外径は、操作部分43bの外径よりも大きい。ボール拘束部分43aは、その後端部内側にバネ収容穴43cを有している。
【0018】
コイルバネ51は、ホルダ42内に配置され、一端をボール拘束部分43aのバネ収容穴43c内に配置し、他端を回動体33側に当接させている。従って、ロックボタン43はコイルバネ51による弾性力により、図4において矢印M方向に移動して、ボール拘束部分43aの先端面がホルダ42に当接し、これにより、ロックボタン43はロック状態に保持される。コイルバネ51に抗して、ロックボタン43を、図4において矢印L方向に押し込むことにより、ボール拘束部分43aは回動体33側に近接し、これにより、ロックボタン43はロック解除状態に置かれる。
【0019】
ロックボール44は、単一の鋼球からなり、ホルダ42内においてロックボタン43の下方に配置されている。ロックボタン43がロック状態に置かれているとき、ロックボール44は、基板35のロック溝35b…35bのうちの何れか1つに選択的に収められ、この状態において、ロックボール44はボール拘束部分43aの下面に当接する。従って、コイルバネ51に抗して、ロックボタン43を押し込み、これをロック解除状態にすれば、ボール拘束部分43aと操作部分43bとの半径における差に対応する距離だけ、ロックボール44の変位が許容され、これにより、ロックボール44がロック溝35bから離脱可能になる。
【0020】
尚、図4に示すように、基板35のバランスウェイト取付孔35hには、バランスウェイトとしてのボルト40及びナット39が取り付けられている。
【0021】
上述した位置決め装置において、第1軸31と第2軸32との偏心量を調節するためには、先ず、ロックボタン43を、図4における矢印L方向に押し込み、この状態で、基板35に対して回動体33を所定の角度だけ回動させる。即ち、ロックボタン43を押し込むことにより、ロックボール44はロック溝35bから離脱可能な状態に置かれ、ここで、基板35に対して回動体33を回動させると、ロックボール44は係合状態にあったロック溝35bから離脱し、回動角度に対応した他のロック溝35bに係合する。
【0022】
このように基板35に対して回動体33を回動させると、偏心体34は、規制手段36、33b、35dの規制下において、回動体33内を回動する。第2軸32の中心軸線は偏心体34の中心軸線に対して偏倚しているため、偏心体34が回動することによって、第1軸31に対する第2軸32の偏心量が調節される。通常は、1つのロック溝35bからこれに隣接する他のロック溝35bへの1ピッチ分の回動体33の回動操作により、第1軸31に対する第2軸32の偏心量が2mmずつ変化するように設定されている。
【0023】
偏心量の調節後、ロックボタン43の押圧を解除すれば、コイルバネ51によってロックボタン43は再びロック状態に保持され、従って、ロックボール44のロック溝35bへの係合状態が確保され、換言すれば、基板35に対して回動体33がロックされる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した先行技術においては、ロックボタンのボール拘束部分は長さ方向全体に亘って実質的に同一の外径を有する筒状に形成されているので、このボール拘束部分及びロックボールの製造工程において、寸法誤差が生じた場合には、適切な作動が困難になる。即ち、ボール拘束部分及びロックボールの外径の少なくとも一方が適正値よりも小さい場合には、これ等両者間に隙間が形成され、これによりガタツキが生じ、従って、基板に対する回動体の適切なロック状態を得ることができない。
【0025】
一方、ボール拘束部分及びロックボールの外径の少なくとも一方が適正値よりも大きい場合には、ロックボタンの摺動動作及びロック溝からのロックボールの離脱動作が困難になり、従って、基板に対する回動体の回動が不可能になる。
【0026】
ボール拘束部分及びロックボールを製造する際に、非常に厳しい寸法管理を実施すれば、上述した問題を解消することは可能であるが、このような寸法管理は、生産コストの高騰化を招く。
【0027】
また、ボール拘束部分及びロックボールの両者の外径が適正値を有していたとしても、これ等の部材の摩耗によりボール拘束部分とロックボールとの間に不適切な隙間が生じる。これにより装置のガタツキが生じ、従って、基板に対する回動体の適切なロック状態を得ることができない。その結果、ロックボタン及びロックボールを頻繁に交換する必要があり、不経済な問題を生ずる。
【0028】
本発明の目的は、ボール拘束部分及びロックボールの製造工程において、寸法誤差が生じても、基板に対する回動体の適切な回動動作並びにロック状態及びロック解除状態への切換動作を確保し、更に、非常に厳しい寸法管理を必要とすることなく、生産コストを低廉に維持し、しかも、ボール拘束部分及びロックボールの両者が摩耗した場合であっても、上述した回動動作及び切換動作が可能である電動工具の位置決め機構を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の本発明は、基板(5)と、前記基板(5)を貫通して、これに回動可能に支持され、そして、前記基板(5)の一方の面側に、前記基板(5)と一体的に回転する第1軸(1)を備え、前記基板(5)の他方の面側に、前記第1軸(1)の中心軸線から偏倚した中心軸線を有するボア(3f)を備えた回動体(3)と、前記ボア(3f)内に回動可能に収容された偏心体(4)と、前記偏心体(4)に回転可能に設けられ、その中心軸線から偏倚した中心軸線を有する第2軸(2)と、前記基板(5)に対する前記回動体(3)の回動位置に応じて、前記回動体(3)に対する前記偏心体(4)の回動位置を規制する規制手段(6、5d、3b)と、前記基板(5)に対する前記回動体(3)の回動位置を選択的に調節する調節機構(11)とを備えた電動工具の位置決め装置おいて、前記調節機構(11)が、前記基板(5)に設けられた複数個のロック溝(5b…5b)と、前記ロック溝(5b…5b)に選択的に係合可能なように、前記調節機構(11)のホルダ(12)内に収容されたロックボール(14)と、前記ロックボール(14)の位置を拘束可能なロックボタン(13)とから構成され、前記ロックボタン(13)は、前記ロックボール(14)と当接可能な傾斜面(13d)を有していることを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る電動工具の位置決め装置を、図1乃至図3を参照して詳述する。
【0031】
本発明の位置決め装置は、基板5と、回動体3と、偏心体4と、第2軸2と、規制手段6と、調節機構11とからなる基本構成を有している。
【0032】
基板5は、円盤状に形成され、ほぼ中央の位置に貫通孔5aを有している。基板5の一方の面、即ち、図2において上面には、上向きの凹部5eが形成され、この凹部5eは、上記貫通孔5aと連通している。基板5の他方の面、即ち、図2において下面には、下向きの凹部5fが形成され、この凹部5fもまた、上記貫通孔5aと連通している。
【0033】
基板5の上面且つ一方の側において、貫通孔5aと同心円上に複数個のロック溝5b…5bが形成されている(図1参照)。
【0034】
基板5において、貫通孔5aを基準として、ロック溝5bと反対側の位置に、長孔5dが形成されている。長孔5dは、後述する規制手段の一部を構成するもので、基板5の上面及び下面にそれぞれ形成された凹部5e及び5fとそれぞれ連通している。この長孔5dは、基板5のほぼ直径方向に湾曲して伸びている。
【0035】
また、基板5において、上記長孔5dの更に外側の位置には、複数個のバランスウェイト取付孔5hが形成されている。
【0036】
回動体3は、支持部分3X及びケース部分3Yとからなる回動体本体と、第1軸としての駆動軸1とから構成される。
【0037】
支持部分3Xは、基板5の貫通孔5a内に回動可能に嵌合されており、その中央部分には、ネジ孔3cが同軸心的に形成されている。尚、図2において、符号8は、支持部分3Xの抜け止めのために、これに嵌合されるC型リングである。
【0038】
ケース部分3Yは、支持部分3Xの上端に一体的に形成され、基板5の上向き凹部5e内に収められている。ケース部分3Yは、円筒状の内周面、即ち、ボア3fを有しており、このボア3fの中心軸線は、支持部分3Xの中心軸線から偏倚している。また、ケース部分3Yの底部には、長孔3bが形成されている。この長孔3bは、規制手段の一部を構成するもので、基板5の長孔5dに対応する位置に形成されており、これと同様に、ケース部分3Yの底部のほぼ円周方向に湾曲して伸びている。更に、ケース部分3Yの中央部分を基準として、長孔3bと反対側の位置には、調節機構11のための切欠き部3aが形成されている。
【0039】
第1軸としての駆動軸1は、上部にネジ部1aを有しており、このネジ部1aは、上記支持部分3Xのネジ孔3cに螺合されている。従って、駆動軸1は、支持部分3Xと一体的に回動可能である。
【0040】
偏心体4は、外周面に対して内周面が偏心した筒状に形成され、上記回動体3におけるケース部分3Yのボア3f内に回動可能に収容されている。この偏心体4の内側には、ベアリング15、16が組み込まれている。
【0041】
第2軸2は、ベアリング15、16のそれぞれの内輪に取り付けられている。尚、図2において、符号17は、下方のベアリング16における外輪を偏心体4に保持するためのC型リングを示し、符号18は、このベアリング16における内輪を第2軸2に保持するためのC型リングを示す。また、符号7は、偏心体4を回動体3に保持するためのC型リングを示し、符号19は、偏心体4と第2軸2との間をシールするオイルシールである。
【0042】
偏心体4の一方の側には、下方に突出するようにしてピン6が取り付けられている。このピン6は、回動体3の長孔3b及び基板5の長孔5dに通されている。このピン6は、これ等長孔3b及び5dと協働して、基板5に対する回動体3の回動位置に応じて、回動体3に対する偏心体4の回動位置を規制する規制手段を構成する。尚、図3に示すように、基板5の凹部5f内には、一対の突起5g、5gが内側に向けて突出しており、これ等の間に、C型リング8の端部が配置されている。従って、これ等突起5g、5gによって、C型リング8の廻り止めが施され、従って、C型リング8が不適切に回転移動して、ピン6に干渉することが未然に回避される。
【0043】
調節機構11は、基板5に対する回動体3の回動位置を選択的に調節するもので、ホルダ12と、ロックボタン13と、コイルバネ21と、ロックボール14と、基板5に設けられた上記ロック溝5b…5bとから構成される。
【0044】
ホルダ12は、回動体3の切欠き部3aにボルト20、20によって締め付けられている(図1参照)。このホルダ12は、切欠き部3aと向かい合う部分に貫通孔12eを有している。
【0045】
ロックボタン13は、ホルダ12内に摺動可能に収容されるボール拘束部分13aと、このボール拘束部分13aの先端面に一体的に形成され、ホルダ12の貫通孔12eから外側に突出する操作部分13bとから構成される。ボール拘束部分13aは、操作部分13b側の位置に傾斜面13dを有しており、この傾斜面13dは後述するロックボール14に当接可能である。即ち、ボール拘束部分13aは、その長さ方向に亘って実質的に同一の外径を有する円柱状部分と、その前方に形成された截頭円錐状部分、換言すれば、テーパ状部分とから構成され、そのテーパ状部分の外径は、操作部分13bの外径よりも大きい。また、この円柱状部分は、ホルダ12の対応する内面によって案内されるように構成される。ボール拘束部分13aは、その後端部内側にバネ収容穴13cを有している。勿論、ボール拘束部分13aに上記筒状部分を設けることなく、傾斜面13dを有する上記テーパ状部分のみからボール拘束部分13aを構成してもよい。
【0046】
コイルバネ21は、ホルダ12内に配置され、一端をボール拘束部分13aのバネ収容穴13c内に配置し、他端を回動体3側に当接させている。従って、ロックボタン13はコイルバネ21による弾性力により、図2において矢印M方向に移動して、ボール拘束部分13aの先端面がホルダ12に当接し、これにより、ロックボタン13はロック状態に保持される。コイルバネ21に抗して、ロックボタン13を、図2において矢印L方向に押し込むことにより、傾斜面13dを有するテーパ状部分は回動体3側に近接し、これにより、ロックボタン13はロック解除状態に置かれる。
【0047】
ロックボール14は、単一の鋼球からなり、ホルダ12内においてロックボタン13の下方に配置されている。ロックボタン13がロック状態に置かれているとき、ロックボール14は、基板5のロック溝5b…5bのうちの何れか1つに選択的に収められ、この状態において、ロックボール14は傾斜面13dを有するテーパ状部分に当接する。従って、コイルバネ21に抗して、ロックボタン13を押し込み、これをロック解除状態にすれば、傾斜面13dを有するテーパ状部分と操作部分13bとの半径における差に対応する距離だけ、ロックボール14の変位が許容され、これにより、ロックボール14がロック溝5bから離脱可能になる。
【0048】
尚、図2に示すように、基板5のバランスウェイト取付孔5hには、バランスウェイトとしてのボルト10及びナット9がそれぞれ取り付けられている。また、上述した調節機構11のホルダ12もバランスウェイトとして作用する。従って、ボルト10及びナット9、並びに、ホルダ12の組合せにおいて、装置全体の回転バランスが調整可能である。
【0049】
また、図1及び図3において、符号5cはロック溝5b…5bに対応する切欠部を示し、図3において、符号mは偏心量に関する目盛りを示す。図2から明らかなように、本発明の位置決め装置においては、2mmから10mmまで、2mm毎に偏心量を5段階に調節することが可能である。
【0050】
上述した本発明の位置決め装置において、第1軸1と第2軸2との偏心量を調節するためには、先ず、ロックボタン13を、図2における矢印L方向に押し込み、この状態で、基板5に対して回動体3を所定の角度だけ回動させる。即ち、ロックボタン13を押し込むことにより、ロックボール14はロック溝5bから離脱可能な状態に置かれ、ここで、基板5に対して回動体3を、図1において矢印T方向又はS方向に回動させると、ロックボール14は係合状態にあったロック溝5bから離脱し、回動角度に対応した他のロック溝5bに係合する。
【0051】
このように基板5に対して回動体3を回動させると、偏心体4は、規制手段6、3b、5dの規制下において、回動体3内を回動する。第2軸2の中心軸線は偏心体4の中心軸線に対して偏倚しているため、偏心体4が回動することによって、第1軸1に対する第2軸2の偏心量が調節される。通常は、1つのロック溝5bからこれに隣接する他のロック溝5bへの1ピッチP分(図1参照)の回動体3の回動操作により、第1軸1に対する第2軸2の偏心量が2mmずつ変化するように設定されている。
【0052】
偏心量の調節後、ロックボタン13の押圧を解除すれば、コイルバネ21によってロックボタン13は再びロック状態に保持され、従って、ロックボール14のロック溝5bへの係合状態が確保され、換言すれば、基板5に対して回動体3がロックされる。
【0053】
ここで、特に留意すべき事項は、ロックボタン13がロック状態に置かれているときに、ロックボール14は、図2に示すように、ロックボタン13の傾斜面13dに当接していることである。従って、仮に、ボール拘束部分13a及びロックボール14の製造工程において、寸法誤差が生じ、例えば、これ等の部材の外径が適正値よりも大きい場合であっても、その寸法誤差に応じた距離だけ、ロックボタン13がコイルバネ21に抗して引っ込められ、基板5に対する回動体3適切な回動動作並びにロック状態及びロック解除状態への切換動作が確保される。
【0054】
その結果、ボール拘束部分13a及びロックボール14の製造工程において非常に厳しい寸法管理を適用する必要がなく、製造コストを低廉に維持できる。
【0055】
図2には、ボール拘束部分13aの傾斜面13dがロックボール14に当接するのみならず、この傾斜面13dを有するテーパ状部分の先端部がホルダ12の内面と当接する形態が示されているが、ロック状態において、このテーパ状部分の先端部をホルダ12の内面に当接させることなく、傾斜面13dとロックボール14との当接のみを維持するように構成することも可能である。このように構成すれば、仮に、ボール拘束部分13a及びロックボール14の製造工程において、寸法誤差が生じ、これ等の部材の外径が適正値よりも小さい場合であっても、その寸法誤差に応じた距離だけ、ロックボタン13がコイルバネ21によって押し出され、基板5に対する回動体3適切な回動動作並びにロック状態及びロック解除状態への切換動作が確保される。
【0056】
また、ロックボタン13のテーパ状部分、ロックボール14、及び、ロック溝5bを形成する基板5の部分の何れかが摩耗した場合であっても、テーパ状部分とロックボール14との上述した接触構造を採用することによって、このような摩耗による寸法変化を吸収でき、従って、ロックボタン13やロックボール14を交換することなく、長期間に亘って装置を使用でき、耐久性が向上する。
【0057】
上述した実施形態においては、2mmから10mmまで、2mm毎に偏心量を5段階に調節することが可能であるものとして説明したが、0mmから8mmまで、2mm毎に偏心量を5段階に調節することもできる。勿論、この偏心量の単位及び段階数は任意に変更可能である。
【0058】
【発明の効果】
請求項1の本発明の電動工具の位置決め装置によれば、ロックボタンが、ロックボールと当接可能な傾斜面を有しているので、ボール拘束部分及びロックボールの製造工程において、寸法誤差が生じても、基板に対する回動体の適切な回動動作並びにロック状態及びロック解除状態への切換動作を確保し、更に、非常に厳しい寸法管理を必要とすることなく、生産コストを低廉に維持することができる。しかも、ボール拘束部分及びロックボールの両者が摩耗した場合であっても、上述した回動動作及び切換動作が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位置決め装置を示す平面図
【図2】図1のII−II線断面図
【図3】図2の装置の底面図
【図4】先行技術の位置決め装置を示す断面図
【符号の説明】
1 第1軸
2 第2軸
3 回動体
3f ボア
4 偏心体
5 基板
5b ロック溝
6、5d、3b 規制手段
13 ロックボタン
13d 傾斜面
14 ロックボール
Claims (1)
- 基板と、
前記基板を貫通して、これに回動可能に支持され、そして、前記基板の一方の面側に、前記基板と一体的に回転する第1軸を備え、前記基板の他方の面側に、前記第1軸の中心軸線から偏倚した中心軸線を有するボアを備えた回動体と、
前記ボア内に回動可能に収容された偏心体と、
前記偏心体に回転可能に設けられ、その中心軸線から偏倚した中心軸線を有する第2軸と、
前記基板に対する前記回動体の回動位置に応じて、前記回動体に対する前記偏心体の回動位置を規制する規制手段と、
前記基板に対する前記回動体の回動位置を選択的に調節する調節機構とを備えた電動工具の位置決め装置おいて、
前記調節機構が、前記基板に設けられた複数個のロック溝と、前記ロック溝に選択的に係合可能なように、前記調節機構のホルダ内に収容されたロックボールと、前記ロックボールの位置を拘束可能なロックボタンとから構成され、
前記ロックボタンは、前記ロックボールと当接可能な傾斜面を有している
ことを特徴とする電動工具の位置決め装置。
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2000
- 2000-03-31 JP JP2000097046A patent/JP4558134B2/ja not_active Expired - Lifetime
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