JP4556088B2 - 画像処理システム、画像処理装置及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理システム、画像処理装置及びその制御方法に関し、例えばペットロボットを無線遠隔操作できるようになされたロボットシステムに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、本願特許出願人により4足歩行型のペットロボットが開発され、商品化されている。かかるペットロボットは、一般家庭でペットとして飼育される犬や猫に似せた外観形状を有し、ユーザからの指令や周囲の状況などに応じて自律的に行動し得るように成されたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近、移動型のロボットを無線等により遠隔操作できるようになされたロボットシステムが見受けられるようになってきた。またこのようなロボットシステムの中には、かかるロボットにカメラが搭載され、当該カメラにより撮像された風景が操作側においてモニタ表示されるように成されたものもある。
【0004】
そこで、かかるペットロボットをこのように遠隔操作できるようなロボットシステムを構築できれば、ペットロボットの面白みを向上させてよりエンターテイメント性を向上し得るものと考えられる。
【0005】
ただしこのようなロボットシステムを構築するに際し、ペットロボットに搭載されたカメラにより撮像された風景を操作側において見ることができるようにする場合には、当該ロボットシステムが不正使用されて他人のプライバシーが侵害されることのないよう十分に考慮する必要がある。
【0006】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、不正使用を未然に防止しながらエンターテイメント性を向上させ得る画像処理システム、画像処理装置及びその制御方法を提案しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、操作装置を用いて移動型の画像処理装置を遠隔操作できるようになされた画像処理システムにおいて、画像処理装置に、撮像手段と、画像処理装置には、撮像手段の出力に基づく画像情報に基づいて外部の状態を判断しその判断結果に基づいて画像処理装置の動作を制御する自律モードと、操作装置によって遠隔操作される遠隔操作モードとがあり、当該遠隔操作モードのときにのみ、撮像手段の出力に基づく画像情報を操作装置に順次送信する送信手段と、遠隔操作モードにおいて送信手段が画像情報を操作装置に順次送信しているときにのみ、外部に向けて所定周期で、撮影した画像情報を上記画像処理装置が上記操作装置に送信していることを警告するための所定の音又は光の少なくともいずれかを発する第1の警告手段と、操作装置から送信されるコマンドを受信するための受信手段と、受信手段を介して受信したコマンドに基づいて、必要に応じて撮像手段の撮像方向の向きを上下方向に変動させる変動手段とを設け、変動手段による撮像手段の撮像方向が上向きとなることにより、被撮像者のプライバシーを侵害する場合に、当該変動手段の上方向の向きを制限するようにした。
【0008】
この結果この画像処理システムでは、画像処理装置が操作装置に画像情報を送信していることを、当該画像処理装置が発する第1の警告に基づいて容易に認識することができ、その分当該画像処理システムが盗撮等に利用されるのを未然に防止することができ、且つ他人のプライバシーを侵害するような画像が撮像されるのを防止することができる。
【0009】
また本発明においては、所定の操作装置を用いて遠隔操作できるようになされた移動型の画像処理装置において、周囲の状況を撮像するための撮像手段と、画像処理装置には、撮像手段の出力に基づく画像情報に基づいて外部の状態を判断しその判断結果に基づいて画像処理装置の動作を制御する自律モードと、操作装置によって遠隔操作される遠隔操作モードとがあり、当該遠隔操作モードのときにのみ、撮像手段の出力に基づく画像情報を操作装置に順次送信する送信手段と、遠隔操作モードにおいて送信手段が画像情報を操作装置に順次送信しているときにのみ、外部に向けて所定周期で、撮影した画像情報を上記画像処理装置が上記操作装置に送信していることを警告するための所定の音又は光の少なくともいずれかを発する第1の警告手段と、操作装置から送信されるコマンドを受信するための受信手段と、受信手段を介して受信したコマンドに基づいて、必要に応じて撮像手段の撮像方向の向きを上下方向に変動させる変動手段とを設け、変動手段による撮像手段の撮像方向が上向きとなることにより、被撮像者のプライバシーを侵害する場合に、当該変動手段の上方向の向きを制限するようにした。
【0010】
この結果この画像処理装置では、当該画像処理装置が操作装置に画像情報を送信していることを、当該画像処理装置が発する第1の警告に基づいて容易に認識することができ、その分この画像処理装置が盗撮等に利用されるのを未然に防止することができ、且つ他人のプライバシーを侵害するような画像が撮像されるのを防止することができる。
【0011】
さらに本発明においては、所定の操作装置を用いて遠隔操作できるようになされた移動型の画像処理装置の制御方法において、画像処理装置に搭載された撮像手段により周囲の状況を撮像する第1のステップと、画像処理装置には、撮像手段の出力に基づく画像情報に基づいて外部の状態を判断し、その判断結果に基づいて画像処理装置の動作を制御する自律モードと操作装置によって遠隔操作される遠隔操作モードとがあり、当該遠隔操作モードのときにのみ、当該撮像により得られた画像情報を操作装置に順次送信すると共に、外部に向けて所定周期で、撮影した画像情報を上記画像処理装置が上記操作装置に送信していることを警告するための所定の音又は光の少なくともいずれかを発する第2のステップと、操作装置から送信されるコマンドを受信する第3のステップと、受信したコマンドに基づいて、必要に応じて撮像手段の撮像方向の向きを上下方向に変動させる第4のステップとを設け、第4のステップでは、撮像手段の撮像方向が上向きとなることにより、被撮像者のプライバシーを侵害する場合に、当該変動手段の上向き方向への変動を制限するようにした。
【0012】
この結果この画像処理装置の制御方法によれば、画像処理装置が操作装置に画像情報を送信していることを、当該画像処理装置が発する第1の警告に基づいて容易に認識することができ、その分この画像処理装置が盗撮等に利用されるのを未然に防止することができ、且つ他人のプライバシーを侵害するような画像が撮像されるのを防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0014】
(1)ペットロボット1の構成
図1において、1は全体として本実施の形態によるペットロボットを示し、全体として一般家庭で飼育される犬や猫に似せた外部形状を有している。すなわちペットロボット1においては、胴体部ユニット2の前後左右にそれぞれ脚部ユニット3A〜3Dが連結されると共に、胴体部ユニット2の前端部及び後端部にそれぞれ頭部ユニット4及び尻尾部ユニット5が連結されて構成されている。
【0015】
この場合胴体部ユニット2には、図2に示すように、このペットロボット1全体の動作を制御するコントローラ10と、このペットロボット1の動力源としてのバッテリ11と、バッテリセンサ12、温度センサ13、加速度センサ14及びタッチセンサ15などの各種センサとなどが収納されると共に、専用のメモリカード及びPC(Personal Computer)カード用の各スロット(図示せず)がそれぞれ所定位置に配設されている。
【0016】
また頭部ユニット4には、このペットロボット1の「耳」に相当するマイクロホン16、「目」に相当するCCD(Charge Coupled Device )カメラ17、タッチセンサ18、19及び距離センサ20などの各種センサと、「口」に相当するスピーカ21と、外見上の「目」として機能するLED(Light Emitting Diode)22などがそれぞれ所定位置に配置されている。
【0017】
さらに各脚部ユニット3A〜3Dの膝関節や、各脚部ユニット3A〜3D及び胴体部ユニット2をそれぞれ連結する各肩関節、頭部ユニット4及び胴体部ユニット2を連結する首関節、並びに尻尾部ユニット5における尻尾5Aの根元部分などには、それぞれ自由度数分のアクチュエータ231〜23n及びこれらアクチュエータ231〜23nとそれぞれ対をなすポテンショメータ241〜24nが配設されている。
【0018】
そして頭部ユニット4のマイクロホン16は、ユーザから図示しないサウンドコマンダを介して音階として与えられる「歩け」、「伏せ」又は「ボールを追いかけろ」などの指令音や、ユーザから発せられたこれらの音声及びその他の種々の音を集音し、得られた音声信号S1をコントローラ10に送出する。またCCDカメラ17は、周囲を撮像し、得られた画像信号S2をコントローラ10に送出する。
【0019】
さらにタッチセンサ18、19は、図1において明らかなように、それぞれ頭部ユニット4の上部位置及び頭部ユニット4の顎位置にそれぞれ設けられており、それぞれユーザからの「撫でる」や「叩く」といった物理的な働きかけにより受けた圧力を検出し、検出結果を圧力検出信号S3、S4としてコントローラ10に送出する。また距離センサ20は、前方の障害物までの距離を測定し、測定結果を距離測定信号S5としてコントローラ10に送出する。
【0020】
一方、胴体部ユニット4のバッテリセンサ12は、バッテリ11のエネルギ残量を検出し、検出結果をバッテリ残量検出信号S6としてコントローラ10に送出する。また温度センサ13は、ペットロボット1内部の温度を検出し、検出結果を温度検出信号S7としてコントローラ10に送出する。
【0021】
さらに加速度センサ14は、図1におけるペットロボット1の矢印x方向、y方向及びz方向の加速度を検出し、検出結果を加速度検出信号S8としてコントローラ10に送出し、図1のようにペットロボット1の背中位置に設けられたタッチセンサ15は、ユーザからの「撫でる」や「叩く」といった物理的な働きかけにより受けた圧力を検出し、検出結果を圧力検出信号S9としてコントローラ10に送出する。
【0022】
さらに各ポテンショメータ241〜24nは、それぞれ対応するアクチュエータ231〜23nの出力軸の回転角度を検出し、それぞれ検出結果を角度検出信号S101〜S10nとしてコントローラ10に送出する。
【0023】
コントローラ10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含むマイクロコンピュータ構成でなり、予め装填されたメモリカード25に格納されている制御プログラムや、後述の各種モーションファイル、音声ファイル及びLEDファイル等の制御データに従ってこのペットロボット10の動作を制御する。
【0024】
実際上、コントローラ10は、例えば自律モード用の制御データが格納されたメモリカード25(以下、これを自律モード用メモリカード25Aと呼ぶ)が装填されている場合、マイクロホン16からの音声信号S1、CCDカメラ17からの画像信号S2、各タッチセンサ15、18、19からの圧力検出信号S9、S3、S4及び距離センサ20からの距離測定信号S5(以下、適宜これらをまとめて外部情報信号と呼ぶ)と、バッテリセンサ12からのバッテリ残量信号S6、温度センサ13からの温度検出信号S7、加速度センサ14からの加速度検出信号S8及び各ポテンショメータ241〜24nからの角度検出信号S101〜S10n(以下、適宜これらをまとめて内部情報信号と呼ぶ)とに基づいて、外部及び内部の状態や、ユーザからの指令及び働きかけの有無などを判断する。
【0025】
そしてコントローラ10は、この判断結果と、自律モード用メモリカード25Aに格納されていた制御プログラムとに基づいて続く行動を決定し、決定結果に基づき必要に応じて,自律モード用メモリカード25Aに格納された各種動作パターンごとの制御データでなるモーションファイルの中から対応するモーションファイルを再生し、かくして得られた制御データに基づいて対応するアクチュエータ231〜23nに駆動信号S111〜S11nを送出してこれを駆動させることにより、頭部ユニット4を上下左右に振らせたり、尻尾部ユニット5の尻尾5Aを動かせたり、各脚部ユニット3A〜3Dを駆動して歩行させるなどの動作や行動を行わせる。
【0026】
またこの際コントローラ10は、必要に応じて自律モード用メモリカード25Aに格納されている各種音声ファイルの中から対応する音声ファイルを再生し、かくして得られた音声信号S12をスピーカ21に与えることにより当該音声信号S12に基づく音声を外部に出力させる。またコントローラ10は、必要に応じて自律モード用メモリカード25Aに格納されているLED22の各種点滅パターンごとのLEDファイルの中から対応するLEDファイルを再生し、かくして得られた制御データに基づいてLED22を対応するパターンで点滅駆動する。
【0027】
このようにしてこのペットロボット1においては、コントローラ10の制御のもとに、装填されたメモリカード25に格納された制御プログラムや制御データに応じた動作や行動を行い得るようになされている。
【0028】
(2)本実施の形態によるロボットシステムの構成
ここで図3は、本実施の形態によるロボットシステム30を示すものであり、パーソナルコンピュータ31を用いてかかるペットロボット1を無線遠隔操作できるようになされている。
【0029】
実際上、このロボットシステム30においては、上述のペットロボット1と、当該ペットロボット1のユーザが所有するパーソナルコンピュータ31とから構成される。
【0030】
このときペットロボット1には、当該ペットロボット1を無線遠隔操作できるようにするための遠隔操作モード用のソフトウェア(以下、これをロボット用遠隔操ソフトと呼ぶ)や、必要な動作や行動をペットロボット1に発現させるための制御プログラム並びに各種モーションファイル、音声ファイル及びLEDファイル等が格納されたメモリカード(以下、これを遠隔操作モード用メモリカードと呼ぶ)25Bと、例えばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11B等の所定の無線通信規格に対応した無線LANカード32とが装着されている。
【0031】
またパーソナルコンピュータ31には、例えばCD(Compact Disc)−ROM33に記録されて提供される、このロボットシステム全体としてかかる機能を発揮するためのアプリケーションソフトウェア(以下、これをPC用遠隔操作ソフトと呼ぶ)がインストールされると共に、ペットロボット1の無線LANカード32と対をなす無線LANカード34が装着されている。
【0032】
この場合、ペットロボット1は、遠隔操作モード用メモリカード25Bが装填された後電源が投入されると、当該遠隔操作モード用メモリカード25Bからロボット用遠隔操ソフトを読み出し、これを内部メモリ(図示せず)に展開することにより遠隔操作モードで起動する。
【0033】
そしてペットロボット1は、この遠隔操作モード時、CCDカメラ17からの画像信号S2に基づく画像情報、各タッチセンサ15、18、19からの圧力検出信号S9、S3、S4に基づく圧力検出情報及び距離センサ20からの距離測定信号S5に基づく距離測定情報などの外部情報と、バッテリセンサ12からのバッテリ残量信号S6に基づくバッテリ残量情報、加速度センサ14からの加速度検出信号S8に基づく加速度検出情報及び各ポテンショメータ241〜24nからの角度検出信号S101〜S10nに基づく角度検出情報などの内部情報をロボット情報として無線LANカード32を介して順次パーソナルコンピュータ31に送信する。
【0034】
またパーソナルコンピュータ31は、PC用遠隔操作ソフトの起動時、当該PC用遠隔操作ソフトと、ペットロボット1から順次送信されるロボット情報とに基づく所定のコントロール画面をモニタ表示する。
【0035】
かくしてユーザは、このコントロール画面を用い、マウス、キーボード又はジョイステックによりペットロボット1に行わせるべき各種動作を指定することができる。
【0036】
そしてパーソナルコンピュータ31は、コントロール画面上の所定の動作や行動と対応付けられたボタン等が操作されると、これに応じたコマンドを無線LANカード34を介してペットロボット1に送信する。
【0037】
このときペットロボット1は、パーソナルコンピュータ31からのコマンド等を無線LANカード32を介して受信すると、ロボット用遠隔操作ソフトに基づいて、必要に応じて対応するモーションファイル、音声ファイル及び又はLEDファイルを再生することによりそのコマンドに対応する動作を発現する。
【0038】
このようにしてこのロボットシステム30においては、ユーザがパーソナルコンピュータ31を用いてペットロボット1を遠隔操作し得、これによりペットロボット1のエンターテイメント性をより向上し得るようになされている。
【0039】
(3)ロボットシステム30の詳細構成
ここでパーソナルコンピュータ31は、CPU、ROM、RAM及びハードディスク装置等を有する汎用のパーソナルコンピュータであり、コンピュータ用遠隔操作ソフトの起動時には、例えば図4に示すようなコントロール画面40をモニタ表示する。
【0040】
このコントロール画面40では、画面上部にロボット情報表示欄41が設けられ、ペットロボット1からロボット情報として順次送信される上述の画像情報に基づく動画像が当該ロボット情報表示欄41の左側に設けられたカメラ状況エリア42内に表示される。
【0041】
またロボット情報表示欄41におけるカメラ状況エリア42の直ぐ下側にはパワーランプ43が表示され、ペットロボット1からのロボット情報に基づき、ペットロボットの電源が投入されている場合にはこのパワーランプ43が緑色、投入されていないときには灰色で表示される。なお電源投入されているが、諸原因により制御不能となる時は赤色で表示される。
【0042】
さらにパワーランプ43の右側にはバッテリーインジケータ44が表示されており、ペットロボット1からロボット情報として順次送信される上述のバッテリ残量情報に基づいて、ペットロボット1のバッテリ11のエネルギ残量がバッテリーインジケータ44にランプの点灯数として表示される。
【0043】
一方、ロボット情報表示欄41におけるカメラ状況エリア42の右側にはオブジェクトナビゲータエリア45が設けられており、このオブジェクトナビゲータエリア45に、ペットロボット1からロボット情報として順次送信される上述の距離測定情報と、ペットロボット1の首関節におけるヨー方向のアクチュエータ231〜23n(図2)と対をなすポテンショメータ241〜24n(図2)からの角度検出信号S101〜S10n(図2)に基づく上述の角度検出情報とに基づいて、ペットロボット1の前方に障害物がある場合に、その障害物までの距離及び方向がレーダ形式で表示される。
【0044】
またオブジェクトナビゲータエリア45の下側にはペットロボット1の各タッチセンサ15、18、19(図2)にそれぞれ対応させて複数のランプ46A〜46Cが表示され、ペットロボット1からロボット情報として順次送信される上述の圧力検出情報に基づいて、ペットロボット1のいずれかのタッチセンサ15、18、19が押圧操作されたときに対応するランプ46A〜46Cが緑色表示され、押圧操作されていないときには対応するランプ46A〜46Cが灰色表示される。なおタッチセンサの状態により「なでられた」「たたかれた」等も色別表示される。
【0045】
さらにこれらランプ46A〜46Cの下側には3Dロボット表示エリア47が設けられており、この3Dロボット表示エリア47内に、ペットロボット1からロボット情報として順次送信される上述の加速度情報及びの角度検出情報やパーソナルコンピュータ31自身がペットロボット1に送信したコマンドなどから推測されるそのときのペットロボット1の立つ、座る、伏せ、歩行又は転倒等の姿勢や状態が3次元コンピュータグラフィック画像48で表示される。
【0046】
なお3Dロボット表示エリア47の右横にはビューホームポジションボタン49及び複数のビュー調整ボタン50が表示されており、ビュー調整ボタン50をクリックすることによって、3Dロボット表示エリア47内に表示されたペットロボット1の3次元コンピュータグラフィック画像48の表示位置や向き又は視点方向等を調整することができ、またビューホームポジションボタン49をクリックすることによって、当該3次元コンピュータグラフィック画像48の状態を初期設定状態に戻すことができる。
【0047】
またビューホームポジションボタン49の上側にはトラッキングボタン51が設けられており、これをクリックすることによってペットロボット1にピンク色のボールを追尾させることができる。
【0048】
実際上、パーソナルコンピュータ31(図3)は、トラッキングボタン51がクリックされると、これに応じたコマンドを無線LANカード34(図3)を介してペットロボット1に送信する。
【0049】
そしてペットロボット1のコントローラ10(図2)は、かかるコマンドを無線LANカード32(図3)を介して受信すると、ロボット用操作ソフトに基づいて、対応するモーションファイルを遠隔操作モード用メモリ25B(図3)から読み出してこれを再生することにより、CCDカメラ17(図2)からの画像信号S2(図2)に基づいてピンク色のボールを探し、これを検出するとこの後対応するアクチュエータ231〜23n(図2)を駆動することにより当該ボールに近づき又は追いかけるようにペットロボット1に行動させる。
【0050】
一方、ロボット情報表示欄41の下側には、ロボット操作ボタン領域60が設けられている。そしてこのロボット操作ボタン領域60の左端にはトーク開始ボタン61が配置されており、このトーク開始ボタン61をクリックすることによって、パーソナルコンピュータ31に予め保存され又はそのときパーソナルコンピュータ31に保存した音声ファイルをペットロボット1に転送して、当該ペットロボット1に再生させることができる。
【0051】
実際上、パーソナルコンピュータ31は、ユーザにより所望する音声ファイルが選択され、トーク開始ボタン61がクリックされると、当該音声ファイル及びその再生命令のコマンドを無線LANカード34を介してペットロボット1に送信する。
【0052】
そしてペットロボット1のコントローラ10は、この音声ファイル及びコマンドを無線LANカード32を介して受信すると、ロボット用操作ソフトに基づいて、かかる音声ファイルを再生し、得られた音声信号S12(図2)をスピーカ21(図2)に送出することにより、当該音声ファイルに基づく音声を出力させる。
【0053】
またコントロール画面40におけるトーク開始ボタン61の右側には、スチルキャプチャボタン62が設けられており、このスチルキャプチャボタン62をクリックすることによって、クリック後警告モーションを再生しおわった瞬間にカメラ実況エリア42に表示されている動画像の瞬間画像を静止画としてパーソナルコンピュータ31に保存することができる。実際上、このときパーソナルコンピュータ31は、かかるスチルキャプチャボタン62がクリックされた瞬間のカメラ実況エリア42に表示されている動画像の瞬間画像の画像データを画像ファイル化して内部のハードディスク装置内に保存する。
【0054】
さらにスチルキャプチャボタン61の右側には、上下左右方向にそれぞれ対応させた複数のカメラアングル操作ボタン63A〜63Dと、チルト・パンホームポジションボタン64とが配置されており、カメラアングル操作ボタン63A〜63Dをドラッグすることによって、ペットロボット1の頭部ユニット4を上下左右方向のうちの対応する方向に回転させることができ、チルト・パンホームポジションボタン64をクリックすることによってペットロボット1の頭部ユニット4の向きを正面を向いた初期状態に戻すことができる。
【0055】
実際上、パーソナルコンピュータ31は、いずれかのカメラアングル操作ボタン63A〜63D又はチルト・パンホームポジションボタン64がドラッグ又はクリックされると、これに応じたコマンドを無線LANカード34を介してペットロボット1に送信する。
【0056】
そしてペットロボット1のコントローラ10は、かかるコマンドを無線LANカード32を介して受信すると、頭部ユニット4の向き(すなわちCCDカメラ17の光学軸方向)を指定された方向又はホームポジションの方向に向けるように、首関節の対応するアクチュエータ231〜23nを駆動する。
【0057】
なおコントロール画面40におけるカメラアングル操作ボタン63A〜63Dの左側にはカメラアングル表示エリア65が設けられており、ペットロボット1からロボット情報として順次送信される上述の角度検出情報に基づいて、ペットロボット1が撮像可能範囲内のどこを現在撮像しているかがこのカメラアングル表示エリア65内に表示される。
【0058】
これに対して、カメラアングル操作ボタン63A〜63Dの右側にはそれぞれ複数のヘディングボタン67及びキックボタン68が設けられており、この中から所望のヘディングボタン67又はキックボタン68をクリックすることによって、ペットロボット1にそのヘディングボタン67又はキックボタン68に応じた方向にボールをヘディング又はキックさせるような動作を発現させることができる。
【0059】
またヘディングボタン67及びキックボタン68の右側には移動方向ボタン69が配置されており、この移動方向ボタン69を上、下、左又は右方向にドラッグすることによって、ペットロボット1を前進、後進、左旋回又は右旋回させることができる。
【0060】
実際上、パーソナルコンピュータ31は、いずれかのヘディングボタン67又はキックボタン68がクリックされ、又は移動方向ボタン69が上下左右方向にドラッグされると、これに応じたコマンドを無線LANカード34を介してペットロボット1に送信する。
【0061】
そしてペットロボット1のコントローラ10は、かかるコマンドを無線LANカード32を介して受信すると、遠隔操作モード用メモリカード25Bから対応するモーションファイルを読み出してこれを再生することにより、指定された方向へのヘッディング動作若しくはキック動作をペットロボット1に行わせ、又は指定された方向への歩行動作又は旋回動作を行わせる。
【0062】
さらにコントロール画面40における移動方向ボタン69の右側には3つの速度ボタン70A〜70Cが設けられており、マーク71をドラッグして「Fast」、「Normal」又は「Slow」のいずれかの速度ボタン70A〜70C上に移動させることによって、ペットロボット1の前進速度をその速度ボタン70A〜70Cに応じた速度に設定することができる。
【0063】
実際上、パーソナルコンピュータ31は、マーク71がドラッグされていずれかの速度ボタン70A〜70C上に移動されると、これに応じたコマンドを無線LANカード34を介してペットロボット1に送信する。
【0064】
そしてペットロボット1のコントローラ10は、かかるコマンドを無線LANカード32を介して受信すると、制御のための制御パラメータを対応する制御パラメータに変更し、それ以降の歩行動作の制御はかかる制御パラメータを利用する。
【0065】
さらに速度ボタン70A〜70Cの右側には伏せボタン72A、おすわりボタン72B、立上がりボタン72C及びモーション再生ボタン72Dが設けられており、マーク71をドラッグして伏せボタン72A、おすわりボタン72B又は立上がりボタン72Cのいずれかの上に移動させることによって、ペットロボット1の姿勢を「伏せ」、「おすわり」又は座った姿勢からの「立ち上がり」の姿勢に遷移させることができる。
【0066】
またこれらの下側に設けられたモーション選択ボタン72Dをクリックすることによってそのときペットロボット1に発現させ得る動作の一覧表のプルダウンメニューを表示させることができ、この中から所望する動作を1つ選択した後マーク71をドラッグしてモーション再生ボタン72D上に移動させることによって、当該選択した動作をペットロボット1に発現させることができる。
【0067】
実際上、パーソナルコンピュータ31は、マーク71がドラッグされて伏せボタン72A、おすわりボタン72B若しくは立上がりボタン72Cのいずれかのボタン上に移動され、又はモーション選択ボタン72Dがクリックされて1つの動作が選択された後マーク71がモーション再生ボタン73上に移動されると、これに応じたコマンドを無線LANカード34を介してペットロボット1に送信する。
【0068】
そしてペットロボット1のコントローラ10は、かかるコマンドを無線LANカード32を介して受信すると、遠隔操作モード用メモリカード25Bから対応するモーションファイルを読み出してこれを再生することにより、ペットロボット1の姿勢を指定された姿勢に遷移させるための動作をペットロボット1に発現させ又は指定された動作をペットロボット1に発現させる。
【0069】
さらに移動方向ボタン69の右上には転倒復帰ボタン74が設けられており、ペットロボット1が転倒した場合にこの転倒復帰ボタン74をクリックすることによって当該ペットロボット1に転倒復帰動作を行わせて転倒状態から立った姿勢に戻させることができるようになされている。
【0070】
実際上、パーソナルコンピュータ31は、転倒復帰ボタン74がクリックされると、これに応じたコマンドを無線LANカード34を介してペットロボット1に送信する。
【0071】
そしてペットロボット1のコントローラ10は、かかるコマンドを無線LANカード32を介して受信すると、遠隔操作モード用メモリカード25Bから対応するモーションファイルを読み出してこれを再生することにより、ペットロボット1に転倒状態から立ち上がるための所定の動作を発現させる。
【0072】
このようにしてこのロボットシステム30においては、ユーザがパーソナルコンピュータ31を用いてペットロボット1を自在に無線遠隔操作し得るようになされている。
【0073】
(4)ロボットシステム30におけるプライバシー保護対策
次にこのロボットシステム30における個人のプライバシー保護対策について説明する。このロボットシステム30では、上述のようにペットロボット1のCCDカメラ17(図2)により撮像された周囲の状況がパーソナルコンピュータ31のモニタに表示されるため、これが盗撮等の他人のプライバシーを侵害する行為に使用されないよう種々の対策が講じられている。
【0074】
実際上、このロボットシステム30において、ペットロボット1のコントローラ10は、ロボット用遠隔操作ソフトに基づいて、上述のようにCCDカメラ17からの画像信号S2の出力に基づく画像情報をパーソナルコンピュータ31に送信しているときには、遠隔操作モード用メモリカード25Bに格納されている対応する音声ファイル及びLEDファイルをそれぞれ所定周期で定期的に再生するようになされている。
【0075】
これによりペットロボット1は、遠隔操作モード時、CCDカメラ17の出力に基づく画像情報をパーソナルコンピュータ31に転送しているときには、定期的に所定の音を出力すると共にLED22(図2)を所定パターンで点滅することとなり、周囲の人に対して自己の存在をアピールする。
【0076】
またパーソナルコンピュータ31は、かかるコントロール画面40(図4)におけるスチルキャプチャボタン62(図4)がクリックされたときには、上述のような静止画像データの保存処理に加えて、これに応じたコマンドを無線LANカード34を介してペットロボット1に送信する。
【0077】
そしてペットロボット1のコントローラ10は、このコマンドを無線LANカード32を介して受信すると、遠隔操作モード用メモリカード25Bに格納された対応する音声ファイル及びLEDファイルを選択してこれらを再生する。
【0078】
この結果、パーソナルコンピュータ31においてかかる静止画像データの保存処理が行われるときには、ペットロボット1からこれに応じたシャター音等の特定の音が出力されると共に、ペットロボット1のLED22が特定のパターンで点滅することとなり、かかる静止画像データの保存処理が行われたことをペットロボット1が周囲の人にアピールする。
【0079】
さらにロボットシステム30においては、上述のような光や音による周囲の人への警告に加え、遠隔操作モード時におけるCCDカメラ17の撮像方向の上向き方向の角度を制限するため、遠隔操作モード時にはペットロボット1の頭部ユニット4が、CCDカメラ17の光学軸が水平方向を向いたホームポジションの位置を基準として、これから20度よりも大きく上方向を向かないように首関節の上向き方向の可動範囲が制限されている。これは、ペットロボット1が床面を歩行して移動するため、ペットロボット1が必要以上に上方向を向けるようにすると、個人のプライバシーを著しく侵害するおそれがあるためである。
【0080】
この場合このようなペットロボット1における上向き方向の首関節の可動範囲の制限は、ロボット用遠隔操作ソフトに基づきペットロボット1におけるコントローラ10の制御のもとに行われる。
【0081】
実際上、ペットロボット1のコントローラ10は、ユーザがコントロール画面40のカメラアングル操作ボタン63A〜63Dのうち、上方向のカメラアングル操作ボタン63Aをクリックすることにより対応するコマンドがパーソナルコンピュータ31から与えられると、首関節のうちのピッチ方向のアクチュエータ231〜23nを駆動する一方、これと対をなすポテンショメータ241〜24nから出力される角度検出信号S101〜S10nに基づいてペットロボット1における首関節の上向き方向の角度を監視する。
【0082】
そしてコントローラ10は、かかる角度検出信号S101〜S10nに基づいてペットロボット1における首関節の上向き方向の角度が20度に達したことを確認した場合には、かかるアクチュエータ231〜23nの駆動を停止させ、この後はそのアクチュエータ231〜23nをその方向(ペットロボット1の頭部ユニット4を上に向かせる方向)には駆動させないようになされている。
【0083】
なおこの20度という角度は、図5に示すように、身長、座高及び縦(腹)幅がそれぞれ158〔cm〕、85〔cm〕、20〔cm〕の標準的な18歳の女子(平成11年12月発表の文部省学校保健統計調査速報より)を被写体として想定し、当該被写体が常識的に短めと認識される股下20〔cm〕のスカートを装着している状態でペットロボット1から50〔cm〕離れた場所に立っている場合に、ペットロボット1のCCDカメラ17(地上高が25〔cm〕、縦の画角が48度)によってこの図5における星印の個所が撮像できないという条件下で算出された値である。
【0084】
さらにこのロボットシステム30では、ペットロボット1における首関節の上向き方向の可動範囲の制限を越えるような角度にまでCCDカメラ17の光学軸が向くような動作(すなわち、CCDカメラ17における撮像方向の上向き方向の角度(ホームポジションを基準とするCCDカメラ17の光学軸の上向き方向の角度)が20度を超える動作のことであり、以下、これを特定動作と呼ぶ)を発現するときには、ペットロボット1からのCCDカメラ17の出力に基づく画像情報の転送を停止するようになされている。
【0085】
実際上、ペットロボット1のコントローラ10は、例えばユーザがコントロール画面30を用いて所望の動作を選択した後、マーク71をドラッグしてモーション再生ボタン72D上に移動させることにより対応するコマンドがパーソナルコンピュータ31から与えられると、遠隔操作モード用メモリカード25Bに格納されている対応するモーションファイルを再生することによりペットロボット1にその動作を発現させる一方、その動作が特定動作である場合にはパーソナルコンピュータ31に定期的に送信するロボット情報にCCDカメラ17からの画像信号S2に基づく画像情報を含ませないようにする。
【0086】
この結果このときパーソナルコンピュータ31のコントロール画面40では、ペットロボット1がかかる特定の動作を発現開始する直前の静止画像がカメラ状況エリア42に表示されることとなる。
【0087】
このようにしてこのロボットシステム30においては、悪用されるのを未然かつ十分に考慮しながら、ペットロボット1のエンターテイメント性をより一層向上させ得るようになされている。
【0088】
(5)本実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、このロボットシステム30では、ペットロボット1がパーソナルコンピュータ31に画像情報を転送しているときや、当該画像情報に基づく静止画像をパーソナルコンピュータ31が取り込むときには、これをペットロボット1が音や光により周囲の人に警告する。
【0089】
またこのロボットシステム30では、ペットロボットにおける首関節の上向き方向の可動範囲が最大20度に制限されると共に、ペットロボット1が頭部ユニット4の角度がこの上限を越える動作を行うときには、ペットロボット1からパーソナルコンピュータ31への画像情報の転送をその間停止する。
【0090】
従ってこのロボットシステム30では、ペットロボット1の周囲の人がその存在やパーソナルコンピュータ31において静止画像の取り込みが行われたことに気が付き易く、気が付かない場合においてもペットロボット1によって他人のプライバシーを侵害するような画像が撮像されることを未然にかつ有効に防止することができる。
【0091】
以上の構成によれば、ペットロボット1がパーソナルコンピュータ31に画像情報を転送しているときや、当該画像情報に基づく静止画像をパーソナルコンピュータ311が取り込むときには、これに応じた音や光をペットロボット1に出力させる一方、ペットロボット1における首関節の上向き方向の可動範囲を最大20度に制限し、かつペットロボット1が頭部ユニット4の向きがこの上限を越える動作を行うときには、ペットロボット1からパーソナルコンピュータ31への画像情報の転送をその間停止させるようにしたことにより、ペットロボット1が他人のプライバシーを侵害するような画像を撮像するのを未然にかつ有効に防止することができ、かくして他人のプライバシーを有効に保護しながらペットロボット1のエンターテイメント性を向上させ得るロボットシステムを実現できる。
(6)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、本発明を、図1のような4足歩行型のペットロボット1を遠隔操作し得るロボットシステム30に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の形態の移動型ロボットを遠隔操作し得るようになされたロボットシステムに広く適用することができる。
【0092】
また上述の実施の形態においては、CCDカメラ17の出力に基づく画像情報をパーソナルコンピュータ31に送信する送信手段及びパーソナルコンピュータ31でなる操作装置から送信されるコマンドを受信するための受信手段として、コントローラ10及び無線LANカード32を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これ以外の構成の送信手段及び受信手段を広く適用することができる。この場合において、無線通信を適用する場合には例えばいわゆるブルーツース(bluetooth)等のIEEE802.11B以外のこの他種々の無線通信規格に応じた送信手段及び受信手段を広く用いることができ、また無線以外にも有線による送信又は受信を行い得る送信手段及び受信手段などをも広く適用することができる。
【0093】
さらに上述の実施の形態においては、ペットロボット1を遠隔操作するための操作装置として汎用のパーソナルコンピュータ31を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の形態の操作装置を適用することができる。
【0094】
さらに上述の実施の形態においては、ペットロボット1に搭載される周囲の状況を撮像するための撮像手段としてCCDカメラ17を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、CCDカメラ17以外のものを適用するようにしても良い。
【0095】
さらに上述の実施の形態においては、ペットロボット1が画像情報をパーソナルコンピュータ31に送信しているときに、外部に向けて発する第1の警告及び画像情報を保存する旨の通知がパーソナルコンピュータ31からあったときに、外部に向けて発する第2の警告として音及び光を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、いずれか一方とするようにしても良く、またこれ以外の警告方法を適用するようにしても良い。
【0096】
この場合において、上述の実施の形態においては、第1又は第2の警告を外部に発する第1及び第2の警告手段として手段としてコントローラ10、スピーカ21及びLED22を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、警告方法に応じてこの他種々の警告手段を広く適用することができる。
【0097】
さらに上述の実施の形態においては、パーソナルコンピュータ31から送信されるコマンドに基づいて、必要に応じてCCDカメラ17の撮像方向の向きを上下方向に変動させる変動手段として首関節におけるピッチ方向のアクチュエータ231〜23nを適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の形態の変動手段を広く適用することができる。
【0098】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、操作装置を用いて移動型の画像処理装置を遠隔操作できるようになされた画像処理システムにおいて、画像処理装置に、撮像手段と、画像処理装置には、撮像手段の出力に基づく画像情報に基づいて外部の状態を判断しその判断結果に基づいて画像処理装置の動作を制御する自律モードと、操作装置によって遠隔操作される遠隔操作モードとがあり、当該遠隔操作モードのときにのみ、撮像手段の出力に基づく画像情報を操作装置に送信する送信手段と、遠隔操作モードにおいて送信手段が画像情報を操作装置に順次送信しているときにのみ、外部に向けて所定周期で、撮影した画像情報を上記画像処理装置が上記操作装置に送信していることを警告するための所定の音又は光の少なくともいずれかを発する第1の警告手段と、操作装置から送信されるコマンドを受信するための受信手段と、受信手段を介して受信したコマンドに基づいて、必要に応じて撮像手段の撮像方向の向きを上下方向に変動させる変動手段とを設け、変動手段による撮像手段の撮像方向が上向きとなることにより、被撮像者のプライバシーを侵害する場合に、当該変動手段の上方向の向きを制限するようにしたことにより、画像処理装置が操作装置に画像情報を送信していることを、当該画像処理装置が発する第1の警告に基づいて容易に認識することができ、その分当該画像処理システムが盗撮等に利用されるのを未然に防止することができ、且つ他人のプライバシーを侵害するような画像が撮像されるのを防止することができ、かくして不正使用を未然に防止しながらエンターテインメント性を向上させ得る画像処理システムを実現できる。
【0099】
また本発明によれば、所定の操作装置を用いて遠隔操作できるようになされた移動型の画像処理装置において、周囲の状況を撮像するための撮像手段と、画像処理装置には、撮像手段の出力に基づく画像情報に基づいて外部の状態を判断しその判断結果に基づいて画像処理装置の動作を制御する自律モードと、操作装置によって遠隔操作される遠隔操作モードとがあり、当該遠隔操作モードのときにのみ、撮像手段の出力に基づく画像情報を操作装置に順次送信する送信手段と、遠隔操作モードにおいて送信手段が画像情報を操作装置に順次送信しているときにのみ、外部に向けて所定周期で、撮影した画像情報を上記画像処理装置が上記操作装置に送信していることを警告するための所定の音又は光の少なくともいずれかを発する第1の警告手段と、操作装置から送信されるコマンドを受信するための受信手段と、受信手段を介して受信したコマンドに基づいて、必要に応じて撮像手段の撮像方向の向きを上下方向に変動させる変動手段とを設け、変動手段による撮像手段の撮像方向が上向きとなることにより、被撮像者のプライバシーを侵害する場合に、当該変動手段の上方向の向きを制限するようにしたことにより、この画像処理装置が操作装置に画像情報を送信していることを、当該画像処理装置が発する第1の警告に基づいて容易に認識することができ、その分この画像処理装置が盗撮等に利用されるのを未然に防止することができ、且つ他人のプライバシーを侵害するような画像が撮像されるのを防止することができ、かくして不正使用を未然に防止しながらエンターテイメント性を向上させ得る画像処理装置を実現できる。
【0100】
さらに本発明によれば、所定の操作装置を用いて遠隔操作できるようになされた移動型の画像処理装置の制御方法において、画像処理装置に搭載された撮像手段により周囲の状況を撮像する第1のステップと、画像処理装置には、撮像手段の出力に基づく画像情報に基づいて外部の状態を判断し、その判断結果に基づいて画像処理装置の動作を制御する自律モードと操作装置によって遠隔操作される遠隔操作モードとがあり、当該遠隔操作モードのときにのみ、当該撮像により得られた画像情報を操作装置に順次送信すると共に、外部に向けて所定周期で、撮影した画像情報を上記画像処理装置が上記操作装置に送信していることを警告するための所定の音又は光の少なくともいずれかを発する第2のステップと、操作装置から送信されるコマンドを受信する第3のステップと、受信したコマンドに基づいて、必要に応じて撮像手段の撮像方向の向きを上下方向に変動させる第4のステップとを設け、第4のステップでは、撮像手段の撮像方向が上向きとなることにより、被撮像者のプライバシーを侵害する場合に、当該変動手段の上向き方向への変動を制限するようにしたことにより、画像処理装置が操作装置に画像情報を送信していることを、当該画像処理装置が発する第1の警告に基づいて容易に認識することができ、その分この画像処理装置が盗撮等に利用されるのを未然に防止することができ、且つ他人のプライバシーを侵害するような画像が撮像されるのを防止することができ、かくして不正使用を未然に防止しながらエンターテイメント性を向上させ得る画像処理装置の制御方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態によるペットロボットの外観構成を示す斜視図である。
【図2】本実施の形態によるペットロボットの内部構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態によるロボットシステムの全体構成を示す略線図である。
【図4】コントロール画面を示す略線図である。
【図5】首関節の上向き方向における制限角度の算定方法の説明に供する略線図である。
【符号の説明】
1……ペットロボット、4……頭部ユニット、10……コントローラ、17……CCDカメラ、25、25A、25B……メモリカード、30……ロボットシステム、31……パーソナルコンピュータ、32、34……無線LANカード、40……コントロール画面、S2……画像信号。
Claims (9)
- 操作装置を用いて移動型の画像処理装置を遠隔操作できるようになされた画像処理システムにおいて、
上記画像処理装置は、
周囲の状況を撮像するための撮像手段と、
上記画像処理装置には、上記撮像手段の出力に基づく画像情報に基づいて外部の状態を判断しその判断結果に基づいて上記画像処理装置の動作を制御する自律モードと、上記操作装置によって遠隔操作される遠隔操作モードとがあり、当該遠隔操作モードのときにのみ、上記撮像手段の出力に基づく画像情報を上記操作装置に順次送信する送信手段と、
上記遠隔操作モードにおいて上記送信手段が上記画像情報を上記操作装置に順次送信しているときにのみ、外部に向けて所定周期で、撮影した画像情報を上記画像処理装置が上記操作装置に送信していることを警告するための所定の音又は光の少なくともいずれかを発する第1の警告手段と、
上記操作装置から送信されるコマンドを受信するための受信手段と、
上記受信手段を介して受信した上記コマンドに基づいて、必要に応じて上記撮像手段の撮像方向の向きを上下方向に変動させる変動手段と
を具え、
上記変動手段による上記撮像手段の撮像方向が上向きとなることにより、被撮像者のプライバシーを侵害する場合に、当該変動手段の上方向の向きを制限する
画像処理システム。 - 上記画像処理装置は、
上記画像情報を保存する旨の通知が上記操作装置からあったときに、外部に向けて、撮影した画像情報を上記操作装置が保存したことを警告するための所定の音又は光の少なくともいずれかを発する第2の警告手段を具える
請求項1に記載の画像処理システム。 - 上記送信手段は、
当該画像処理装置が所定の動作を行う間、上記撮像手段の出力に基づく画像情報の上記操作装置への送信を停止する
請求項1に記載の画像処理システム。 - 所定の操作装置を用いて遠隔操作できるようになされた移動型の画像処理装置において、
周囲の状況を撮像するための撮像手段と、
上記画像処理装置には、上記撮像手段の出力に基づく画像情報に基づいて外部の状態を判断しその判断結果に基づいて上記画像処理装置の動作を制御する自律モードと、上記操作装置によって遠隔操作される遠隔操作モードとがあり、当該遠隔操作モードのときにのみ、上記撮像手段の出力に基づく画像情報を上記操作装置に順次送信する送信手段と、
上記遠隔操作モードにおいて上記送信手段が上記画像情報を上記操作装置に順次送信しているときにのみ、外部に向けて所定周期で、撮影した画像情報を上記画像処理装置が上記操作装置に送信していることを警告するための所定の音又は光の少なくともいずれかを発する第1の警告手段と、
上記操作装置から送信されるコマンドを受信するための受信手段と、
上記受信手段を介して受信した上記コマンドに基づいて、必要に応じて上記撮像手段の撮像方向の向きを上下方向に変動させる変動手段と
を具え、
上記変動手段による上記撮像手段の撮像方向が上向きとなることにより、被撮像者のプライバシーを侵害する場合に、当該変動手段の上方向の向きを制限する
画像処理装置。 - 上記画像処理装置から送信される上記画像情報を保存する旨の通知が上記操作装置からあったときに、外部に向けて、撮影した画像情報を上記操作装置が保存したことを警告するための所定の音又は光の少なくともいずれかを発する第2の警告手段を具える
請求項4に記載の画像処理装置。 - 上記送信手段は、
当該ロボット装置が所定の動作を行う間、上記撮像手段の出力に基づく画像情報の上記操作装置への送信を停止する
請求項5に記載の画像処理装置。 - 所定の操作装置を用いて遠隔操作できるようになされた移動型の画像処理装置の制御方法において、
上記画像処理装置に搭載された撮像手段により周囲の状況を撮像する第1のステップと、
上記画像処理装置には、上記撮像手段の出力に基づく画像情報に基づいて外部の状態を判断しその判断結果に基づいて上記画像処理装置の動作を制御する自律モードと、上記操作装置によって遠隔操作される遠隔操作モードとがあり、当該遠隔操作モードのときにのみ、当該撮像により得られた画像情報を上記操作装置に順次送信すると共に、外部に向けて所定周期で、撮影した画像情報を上記画像処理装置が上記操作装置に送信していることを警告するための所定の音又は光の少なくともいずれかを発する第2のステップと、
上記操作装置から送信されるコマンドを受信する第3のステップと、
上記受信したコマンドに基づいて、必要に応じて上記撮像手段の撮像方向の向きを上下方向に変動させる第4のステップと
を具え、
上記第4のステップでは、
上記撮像手段の撮像方向が上向きとなることにより、被撮像者のプライバシーを侵害する場合に、当該変動手段の上向き方向への変動を制限する
画像処理装置の制御方法。 - 上記画像情報を保存する旨の通知が上記操作装置から与えられたときに、外部に向けて、撮影した画像情報を上記操作装置が保存したことを警告するための所定の音又は光の少なくともいずれかを発する第5のステップを具える
請求項7に記載の画像処理装置の制御方法。 - 上記画像処理装置が所定の動作を行う間、上記撮像手段の出力に基づく画像情報の上記操作装置への送信を停止する
請求項7に記載の画像処理装置の制御方法。
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