JP4555676B2 - ガスセンサ評価装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気ガス中の特定成分を検出するガスセンサを評価するためのガスセンサ評価装置に関する。
従来より、ガスセンサを評価するにあたり、試料ガスをガスセンサに接触させて、試料ガスの接触時におけるガスセンサのセンサ出力に基づいて、ガスセンサを評価するガスセンサ評価装置が提案されている(特許文献1、特許文献2)。
つまり、このようなガスセンサ評価装置は、ガスセンサの測定対象ガスと略同様のガス成分を含む試料ガスをガスセンサに接触させて、実使用環境に近い条件下でガスセンサのセンサ出力を検出し、検出したセンサ出力に基づいてガスセンサを評価する。
例えば、内燃機関の排気ガス中における特定ガス成分を検出するためのガスセンサについて評価を行うガスセンサ評価装置は、試料ガスとして内燃機関の排気ガスと同様の成分を含む試料ガスをガスセンサに接触させて、ガスセンサを評価するよう構成されている。
そして、特許文献1に記載のガスセンサ評価装置は、異なる2点以上の空燃比の排ガス成分を含む試料ガスを生成し、ガスセンサに接触させることで、空燃比の変化に対するガスセンサの応答性を評価することが出来る。また、特許文献2に記載のガスセンサ評価装置は、試料ガスの温度を変化させたときのセンサ出力値を求め、試料ガスの温度に対するセンサの出力特性により、ガスセンサの性能を評価するものである。
特許2624531号公報(第1図) 特開平10−274635号公報
しかし、上記従来のガスセンサ評価装置では、測定対象ガス(試料ガス)の成分変化や温度変化に対するガスセンサにおけるセンサ出力の変化特性(応答特性)を評価することはできるが、ガスセンサの定常的な特性(ガスセンサに備えられる構成要素の状態など)を評価するのが難しいという問題がある。
すなわち、ガスセンサは、定常的な特性が異常状態であっても、試料ガスの成分変化や温度変化に対してセンサ出力が変化することがある。これに対して、上記従来の装置は、センサ出力の変化に基づきガスセンサを評価することから、定常的な特性が異常状態のガスセンサであっても、試料ガスの成分変化や温度変化に対してセンサ出力が変化する場合には、そのガスセンサを正常と誤判定することがある。
このため、上記従来の装置による評価は、試料ガスの成分変化や温度変化に対するセンサ出力の変化特性(応答特性)は評価できるものの、ガスセンサの定常的な特性が異常状態であるか否かを適切に評価できない虞がある。
なお、ガスセンサの定常的な特性が異常状態となる原因としては、ガスセンサの構成要素(電極、固体電解質体、リード部など)が設計で定められた形状に形成されていないことや、ガスセンサの構成要素を形成する材料の成分比率が設計で定められた成分比率でないこと等が考えられる。そして、このような構成要素に起因する異常状態を判定する手法としては、ガスセンサを分解して構成要素の形成状態を確認する手法や、ガスセンサを分解して構成要素の成分分析を行う手法がある。
しかし、このようなガスセンサの分解作業や成分分析作業は、多大な時間と労力を要するという問題がある。
そこで、本発明はこうした問題に鑑みなされたものであり、ガスセンサの分解作業や成分分析作業を行うことなく、ガスセンサの定常的な特性を評価するガスセンサ評価装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、固体電解質体からなるガスセンサ素子を有すると共に、内燃機関の排気ガス中の特定成分を検出するガスセンサを評価するためのガスセンサ評価装置であって、試料ガスのガス流路を有すると共に、ガスセンサの検知部がガス流路に配置される状態でガスセンサが取り付けられるセンサ取付部を有するガス流路形成部と、試料ガスに対するガスセンサのセンサ出力に基づきガスセンサを評価するセンサ評価部と、を備え、ガス流路形成部は、少なくとも一酸化炭素を含む予め定められたリッチ空燃比のベースガスを取り入れてガス流路に供給するベースガス取り入れ部と、ガス流路のうちセンサ取付部よりも上流側かつベースガス取り入れ部よりも下流側となる位置において、少なくとも酸素を含む未燃焼の添加ガスを取り入れてガス流路に供給する添加ガス取り入れ部と、を備え、センサ評価部は、ベースガスに添加ガスが添加されて予め定められたリーン空燃比に調整されたリッチ成分含有リーン試料ガスに対するガスセンサのセンサ出力のうち、リッチ成分含有リーン試料ガスの供給開始時点から予め定められた判定用評価時間が経過した後のセンサ出力に基づいてガスセンサを評価するものであり、ガスセンサ素子は、固体電解質体の上に触媒電極を備えており、ガス流路のセンサ取付部における試料ガスの温度は、ガスセンサ素子を活性化させる温度範囲に設定され、センサ評価部は、センサ出力に基づきガスセンサの触媒電極の状態を評価すること、を特徴とするガスセンサ評価装置である。
一般的に、リッチ雰囲気の排ガスではCOが存在し、リーン雰囲気の排ガスではCOが存在しないか微量しか存在しない。従って、COが存在する通常のリッチ雰囲気条件下では、固体電解質体からなるガスセンサ素子の状態(特に、固体電解質体上に設けられる触媒電極の状態)に関係なく起電力が発生することになる。そのため、通常のリッチ雰囲気下では、どのセンサも出力が出てしまい、ガスセンサの定常的な特性の差を明瞭に評価することが困難であった。
これに対して、このガスセンサ評価装置は、少なくとも一酸化炭素を含む予め定められたリッチ空燃比のベースガスに対し、少なくとも酸素を含む未燃焼の添加ガスを添加することで、予め定められたリーン空燃比をなす試料ガスを生成している。つまり、この試料ガスは、リーン空燃比としての性質を主に有しつつ、リッチ排気ガス成分を含むリーン用試料ガス(リッチ成分含有リーン試料ガス)となる。
このように本発明では、ガスセンサ(ガスセンサ素子)近傍のガス雰囲気をリーンとしながら、一酸化炭素(COガス)が存在する環境を生成することから、ガスセンサ素子の状態(特にガスセンサ素子を構成する触媒電極の状態)に応じたセンサ出力を得ることができ、そのセンサ出力に基づいてガスセンサの特性(状態)を良好に評価することができる。
さらに、センサ評価部は、リッチ成分含有リーン試料ガスの供給開始時点から判定用評価時間が経過した後のセンサ出力に基づいてガスセンサを評価することから、試料ガスの成分変化や温度変化に伴うセンサ出力の過渡的な状態ではなく、センサ出力が安定した定常的な状態でのセンサ出力に基づきガスセンサを評価できる。これにより、本発明のガスセンサ評価装置は、ガスセンサの応答特性ではなく、ガスセンサの定常的な特性を評価できる。
よって、本発明のガスセンサ評価装置によれば、ガスセンサの定常的な特性を良好に評価できる。また、ガスセンサの定常的な特性を評価するにあたり、ガスセンサの分解作業や成分分析作業が不要となることから、ガスセンサの定常的な特性を容易に評価することが出来る。
また、このガスセンサ評価装置においては、ガスセンサ素子は、固体電解質体の上に触媒電極を備えており、ガス流路のセンサ取付部における試料ガスの温度は、ガスセンサ素子を活性化させる温度範囲に設定され、センサ評価部は、センサ出力に基づきガスセンサの触媒電極の状態を評価する、という特徴がある。
つまり、ガスセンサ素子を確実に活性化温度に維持することで、温度に起因する触媒電極の不活性化状態を防止でき、触媒電極の不活性化によりセンサ出力が未発生となることを防止できる。このため、リッチ成分含有リーン試料ガスを接触させた際にガスセンサからセンサ出力が生じない場合には、温度以外の要因により触媒電極に異常が生じていると判断することができ、例えば、触媒電極の被毒状態や触媒電極の形成不良状態などを評価することができる。
よって、このガスセンサ評価装置によれば、温度に起因する触媒電極の不活性化以外の要因による触媒電極の不良状態(被毒状態、形成不良状態など)を評価することができ、また、センサ出力の未発生に起因する誤判定を防止できるためガスセンサ評価精度の低下を防止できる。
なお、ベースガスは、少なくとも一酸化炭素を含み、予め定められたリーン空燃比に調整されていれば、その組成については特に限定されず、一酸化炭素の他に二酸化炭素や炭化水素を含んでいても良い。また、ベースガスは、一酸化炭素を含む特定のガス成分を用いて予め定められたリッチ空燃比に調整する手法に限定されず、空気と燃料ガス(例えば、メタンガスやプロパンガスなど)とを燃焼させて、予め定められたリッチ空燃比を有する燃料排ガスをベースガスとしても良い。さらに、添加ガスは、少なくとも酸素を含み、予め定められたリッチ空燃比のベースガス(燃焼排ガス)を予め定められたリーン雰囲気に調整できるものであれば、特に限定されない。例えば、酸素の他に窒素を含んでいても良く、大気をそのまま用いて良い。
ところで、一酸化炭素は高温環境下では酸素と化学反応する特性を有することから、高温状態のベースガスに対して酸素を含む添加ガスを添加すると、ベースガスに含まれる一酸化炭素と添加ガスに含まれる酸素とが化学反応してしまい、リッチ成分含有リーン試料ガスに含まれる一酸化炭素の量が減少してしまう。
そこで、上述のガスセンサ評価装置においては、請求項2に記載のように、添加ガス取り入れ部が、ガス流路形成部のガス流路のうち、ベースガスの温度が一酸化炭素と酸素とが化学反応しない温度となる位置に備えられるとよい。
つまり、ガス流路形成部における添加ガス取り入れ部の形成位置をこのように設定することで、ベースガスに含まれる一酸化炭素と添加ガスに含まれる酸素との化学反応を抑制でき、リーン用試料ガスに確実に予め定められた濃度の一酸化炭素を含有させることが出来る。
これにより、このガスセンサ評価装置は、予め定められた濃度の一酸化炭素を確実に含むリーン用試料ガスをガスセンサに接触させることができ、ガスセンサの定常的な特性の状態に応じた良好なセンサ出力を得ることが出来る。
よって、このガスセンサ評価装置によれば、ガスセンサの定常的な特性の状態を精度良く評価することができる。
なお、触媒が存在しない環境下における一酸化炭素と酸素との化学反応は、450[℃]以下の温度環境下では発生しないことから、添加ガス取り入れ部は、ガス流路形成部のガス流路のうちベースガスの温度が450[℃]以下となる位置に備えられると良い。
次に、上述した請求項1または2に記載のガスセンサ評価装置においては、例えば、請求項3に記載のように、センサ評価部は、センサ出力が予め定められたSi被毒判定用閾値よりも大きい場合に、ガスセンサの触媒電極がSi被毒状態であると判定し、センサ出力が予め定められたP被毒判定用閾値よりも小さい場合に、ガスセンサの触媒電極がP被毒状態であると判定するとよい。
まず、触媒電極がSi(珪素)により被毒された状態(Si被毒状態)であるガスセンサは、Siの影響により、少量のCOガスが接触した場合でも大きなセンサ出力を発生する。このようなガスセンサは、リッチ成分含有リーン試料ガスが接触した際にはセンサ出力が大きくなることから、測定データなどに基づいてSi被毒判定用閾値を予め定めておき、センサ出力とSi被毒判定用閾値との比較結果に基づいて触媒電極がSi被毒状態であるか否かを判定することが出来る。
また、触媒電極がP(リン)により被毒された状態(P被毒状態)のガスセンサは、COガスが接触しても、P(リン)による被毒膜の影響により、小さなセンサ出力しか発生しない。このようなガスセンサは、リッチ成分含有リーン試料ガスが接触しても小さなセンサ出力しか発生しないため、測定データなどに基づいてP被毒判定用閾値を予め定めておき、センサ出力とP被毒判定用閾値との比較結果に基づいて触媒電極がP被毒状態であるか否かを判定できる。
よって、このガスセンサ評価装置によれば、ガスセンサの分解作業や成分分析作業を行うことなく、ガスセンサの触媒電極がSi被毒状態であるのかP被毒状態であるのかを判定することができる。
以下に、本発明の好適な実施形態を説明する。
尚、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
図1は、本発明を適用したガスセンサ評価装置1の概略構成を示す構成図である。
ガスセンサ評価装置1は、ガスバーナ装置11と、一次ガス供給装置12と、ガス燃焼室15と、筒状ポート16と、評価装置18と、添加用空気供給装置19と、を備えており、測定対象気体中の特定成分を検出するガスセンサを評価するための装置である。なお、筒状ポート16には、評価対象のガスセンサ31が取り付けられる。
ガスバーナ装置11は、一次ガス供給装置12から供給される燃料ガス(メタンガス、プロパンガスなど)および空気(大気)をガス燃焼室15の内部で燃焼させることで、予め定められたリッチ空燃比の試料ガスを生成する。なお、ガスバーナ装置11は、試料ガスとして、少なくとも一酸化炭素を含むリッチ雰囲気のベースガスを生成する。このベースガスは、内燃機関におけるリッチ空燃比(空燃比λ=0.9)のときの排気ガスに相当する試料ガスである。ガスバーナ装置11により生成されたベースガスは、ガス燃焼室15から筒状ポート16に供給される。
一次ガス供給装置12は、燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置13と、空気を供給する空気供給装置14とを備えており、ガスバーナ装置11に対して燃料ガスおよび空気(大気)を供給する。
ここで、筒状ポート16の概略内部構造を表した断面図を、図2に示す。
図1および図2に示すように、筒状ポート16は、その内部に試料ガスが流れるガス流路17を有すると共に、ベースガス取り入れ部21と、添加ガス取り入れ部22と、センサ取付部23と、を備えて構成されている。
ベースガス取り入れ部21は、筒状ポート16のガス流路17のうち最上流部に設けられており、少なくとも一酸化炭素を含むリッチ空燃比(空燃比λ=0.9)のベースガスをガス燃焼室15からガス流路17に取り入れる開口部である。
センサ取付部23は、筒状ポート16のガス流路17のうちベースガス取り入れ部21よりも下流側に設けられており、評価対象のガスセンサ31の検知部33をガス流路17に配置する状態でガスセンサ31を取り付けるための開口部である。
添加ガス取り入れ部22は、筒状ポート16のガス流路17のうちセンサ取付部23よりも上流側かつベースガス取り入れ部21よりも下流側に設けられており、少なくとも酸素を含む添加ガスを添加用空気供給装置19から取り入れてガス流路17に供給する開口部である。
添加用空気供給装置19は、外部から大気を取り入れ、取り入れた大気からなる添加ガスを筒状ポート16(詳細には、添加ガス取り入れ部22)に供給する。なお、大気には酸素が含まれることから、添加ガスは、少なくとも酸素を含むことになる。
つまり、ガスセンサ評価装置1の筒状ポート16は、ベースガス取り入れ部21から導入されたベースガスに対して添加ガス取り入れ部22から導入された添加ガスを添加してなるリッチ成分含有リーン試料ガスを生成し、そのリッチ成分含有リーン試料ガスを評価対象のガスセンサ31に接触させる構成である。
なお、添加用空気供給装置19による筒状ポート16への添加ガスの添加量は、リッチ成分含有リーン試料ガスが、「内燃機関における空燃比λ=1.1のときの排気ガスに対してリッチ排気ガス成分(一酸化炭素)を添加してなるガス」に相当するように、添加量が定められている。
また、ベースガス取り入れ部21から導入されたベースガスは、ガス流路17の移動に伴い筒状ポート16に熱量が奪われることから、上流側から下流側に移動するに従いベースガスの温度は低下する。
そして、本実施形態のガスセンサ評価装置1では、添加ガス取り入れ部22に到達したときのベースガスの温度が、一酸化炭素と酸素とが化学反応しない温度範囲(例えば、450[℃]以下)となるように、ベースガス取り入れ部21から添加ガス取り入れ部22までの距離が設定されている。つまり、筒状ポート16における添加ガス取り入れ部22の形成位置は、ベースガス温度が一酸化炭素と酸素とが化学反応しない温度範囲となる位置に設定されている。
これにより、ベースガスに含まれる一酸化炭素と添加ガスに含まれる酸素との化学反応が生じがたくなり、評価対象のガスセンサ31に到達する試料ガスに一酸化炭素(COガス)を含有させることができ、評価対象のガスセンサ31に対して一酸化炭素(COガス)を確実に接触させることができる。
また、ガスセンサ評価装置1では、センサ取付部23に到達したときのリッチ成分含有リーン試料ガスの温度が、ガスセンサ31のガスセンサ素子(後述する検出素子102)、ひいては触媒電極(後述する外側信号出力電極126および内側信号出力電極127)を活性化できる温度(例えば、350[℃]以上)となるように、ベースガス取り入れ部21からセンサ取付部23までの距離が設定されている。つまり、筒状ポート16におけるセンサ取付部23の形成位置は、リッチ成分含有リーン試料ガスの温度がガスセンサ素子および触媒電極を活性化できる温度となる位置に設定されている。
これにより、リッチ成分含有リーン試料ガスの熱量によりガスセンサ31のガスセンサ素子および触媒電極を活性化でき、温度の影響によるガスセンサ31の不活性化に起因してセンサ出力が未発生となることを防止できる。
評価装置18は、各種のデータ処理を行うマイクロコンピュータや外部からの信号を入力する入力端子などを備える公知の構成の電子機器であり、各種の処理を実行する。そして、評価装置18は、処理の1つとして、試料ガスが接触する際のガスセンサ31が出力するセンサ出力を取り込み、取り込んだセンサ出力に基づいてガスセンサ31を評価するセンサ評価判定処理を実行する。なお、評価装置18にて実行されるセンサ評価判定処理の処理内容は、後述する。
次に、評価対象のガスセンサ31の一例として、内燃機関の排気管等に装着されて排気ガス中の酸素を検出するガスセンサ101(酸素センサ101)について、図3を用いて説明する。なお、図3は、ガスセンサ101の全体構成を示す断面図である。また、ガスセンサ101のうち、図中の下側を「ガスセンサの先端側」として、図中の上側を「ガスセンサの後端側」として説明する。
図3に示すように、ガスセンサ101は、ジルコニア(ZrO2 )を主成分とする酸素イオン伝導性固体電解質体により先端部が閉じた中空軸状に形成された検出素子102(ガスセンサ素子102)、検出素子102の内部に配置された軸状のセラミックヒータ103、検出素子102を収容するケーシング104などから構成されている。なお、ガスセンサ101の先端部(図における下側端部)が、図2における検知部33に相当する。
検出素子102は、測定対象ガスを検出するための検出部125を先端部(図における下側端部)に備えると共に、検出部125にて検出される測定対象ガスに応じたガス検出信号を出力するための一対の信号出力電極(外側信号出力電極126および内側信号出力電極127)を備えて構成されている。なお、外側信号出力電極126および内側信号出力電極127は、例えば、PtあるいはPt合金により形成された多孔質電極(触媒電極)として構成される。
セラミックヒータ103は、棒状形状に形成されると共に、内部に抵抗発熱線(図示せず)を有する発熱部142を備えており、ヒータ用リード線119,122を経て通電されることにより発熱部142が発熱して、検出素子102の先端部(検出部125)を加熱する。
ケーシング104は、検出素子102を保持すると共にその検出部125を排気管等の内部に突出させる主体金具105と、主体金具105の後端側開口部に接続される筒状形状の内筒部材114と、内筒部材114の後端側開口部に接続される筒状形状の外筒部材116と、を備えて構成されている。主体金具105、内筒部材114および外筒部材116が接続されてケーシング104が形成されると、ケーシング104の内部に、ガス検知(本実施例では、酸素検知)に用いる基準ガス(大気)を蓄積するための基準ガス空間158(内部空間)が形成される。
素子用リード線120,121およびヒータ用リード線119,122は、シール部材111のシール部材リード線挿通孔117、セパレータ107のセパレータリード線挿通孔171を通じて、外部からケーシング104の内部に設けられる基準ガス空間158に向けて配設される。素子用リード線120は、素子外面固定金具143を経て、検出素子102の外側信号出力電極126と電気的に接続されている。他方の素子用リード線121は、素子内面固定金具144を経て検出素子102の内側信号出力電極127と電気的に接続されている。
このように構成されたガスセンサ101は、先端部が測定対象ガスに晒されると、測定対象ガス中の酸素濃度に応じたガス検出信号(センサ出力)を出力することにより、測定対象ガス中の酸素濃度を検出するよう構成されている。
そのため、ガスセンサ評価装置1によりガスセンサ101を評価する際には、ガスセンサ101は、自身の先端側(検出部125)が筒状ポート16の内部(ガス流路17)に配置される状態で、筒状ポート16のセンサ取付部23に取り付けられる。
次に、評価装置18にて実行されるセンサ評価判定処理の処理内容について説明する。
図4に、評価装置18にて実行されるセンサ評価判定処理の処理内容を表したフローチャートを示す。
なお、評価装置18は、図示しない評価開始スイッチを備えており、使用者等によりこの評価開始スイッチがON操作されると、センサ評価判定処理を実行する。また、評価開始スイッチのON操作は、ガスバーナ装置11によるベースガスの生成と、添加用空気供給装置19による添加ガスの供給とが実行されている場合に実行される。
センサ評価判定処理が起動されると、まず、S110(Sはステップを表す。以下同様。)では、当該センサ評価判定処理の起動時点から判定用評価時間が経過したか否かを判断し、肯定判定する場合にはS120に移行し、否定判定する場合には同ステップを繰り返し実行して、判定用評価時間が経過するまで待機する。
なお、判定用評価時間は、「ガスセンサが試料ガスを検知した時点からその試料ガスに対するガスセンサのセンサ出力が安定するのに要する時間」よりも長い時間が設定される。本実施形態においては、判定用評価時間として50[sec]が設定されている。
S110で肯定判定されてS120に移行すると、S120では、評価対象のガスセンサ31のセンサ出力を検出し、センサ出力の検出結果を評価装置18の記憶部(メモリなど)に記憶する。
次のS130では、検出したセンサ出力がSi被毒判定値よりも大きいか否かを判定しており、肯定判定する場合(センサ出力がSi被毒判定値よりも大きい場合)にはS140に移行し、否定判定する場合(センサ出力がSi被毒判定値よりも大きくない場合)にはS150に移行する。
なお、Si被毒判定値は、触媒電極(外側信号出力電極126)がSi(珪素)により被毒された状態(Si被毒状態)のガスセンサに対して、リッチ成分含有リーン試料ガスを接触させたときのセンサ出力値の最小値に相当する値であり、実際にガスセンサを用いた測定結果などに基づいて設定される。つまり、Si被毒状態のガスセンサは、Siの影響により、少量のCOガスが接触した場合でも大きなセンサ出力を発生することから、検出したセンサ出力がSi被毒判定値よりも大きい場合には、そのガスセンサの触媒電極はSi被毒状態であると判定できる。
S130で肯定判定されてS140に移行すると、S140では、評価対象のガスセンサ31の触媒電極がSi被毒状態であると判定し、判定結果を外部に出力する処理を行う。具体的には、評価装置18の図示しない判定結果出力部(表示部あるいは印刷出力部など)から、評価対象のガスセンサがSi被毒状態であること示す判定結果を出力する。
S130で否定判定されてS150に移行すると、S150では、S120で検出したセンサ出力がP被毒判定値よりも小さいか否かを判定しており、肯定判定する場合(センサ出力がP被毒判定値よりも小さい場合)にはS170に移行し、否定判定する場合(センサ出力がP被毒判定値よりも小さくない場合)にはS160に移行する。
なお、P被毒判定値は、触媒電極(外側信号出力電極126)がP(リン)により被毒された状態(P被毒状態)のガスセンサに対して、リッチ成分含有リーン試料ガスを接触させたときのセンサ出力値の最大値に相当する値であり、実際にガスセンサを用いた測定結果などに基づいて設定される。つまり、触媒電極がP(リン)により被毒された状態(P被毒状態)のガスセンサは、COガスが接触しても、P(リン)による被毒膜の影響により、小さなセンサ出力しか発生しないことから、検出したセンサ出力がP被毒判定値よりも小さい場合には、そのガスセンサの触媒電極はP被毒状態であると判定できる。
S150で肯定判定されてS160に移行すると、S160では、評価対象のガスセンサ31の触媒電極が正常状態であると判定し、判定結果を外部に出力する処理を行う。具体的には、評価装置18の図示しない判定結果出力部(表示部あるいは印刷出力部など)から、評価対象のガスセンサが正常状態であること示す判定結果を出力する。
S150で否定判定されてS170に移行すると、S170では、評価対象のガスセンサ31の触媒電極がP被毒状態であると判定し、判定結果を外部に出力する処理を行う。具体的には、評価装置18の図示しない判定結果出力部(表示部あるいは印刷出力部など)から、評価対象のガスセンサがP被毒状態であること示す判定結果を出力する。
S160またはS170での処理が終了すると、センサ評価判定処理が終了する。
ここで、触媒電極がSi被毒状態となり実使用が不可能なガスセンサ(Si被毒ガスセンサ)と、触媒電極に僅かにSiが付着しているものの実使用が可能なレベルのセンサ出力を発生するガスセンサ(正常ガスセンサ)とを用いて、それぞれのガスセンサにリッチ成分含有リーン試料ガスを接触させた時のセンサ出力の測定結果を、図5に示す。
なお、本測定では、1個のSi被毒ガスセンサと3個の正常ガスセンサを使用し、図5におけるデータ(1)がSi被毒ガスセンサのセンサ出力であり、データ(2)〜(4)が正常ガスセンサのセンサ出力である。
そして、図5の測定データによれば、Si被毒ガスセンサのセンサ出力が正常ガスセンサのセンサ出力よりも大きい値を示しており、例えば、Si被毒判定値を2.0[V]に設定することで、ガスセンサのSi被毒状態を判定できることが判る。
また、触媒電極がP被毒状態となり実使用が不可能なガスセンサ(P被毒ガスセンサ)と、触媒電極に僅かにPが付着しているものの実使用が可能なレベルのセンサ出力を発生するガスセンサ(正常ガスセンサ)とを用いて、それぞれのガスセンサにリッチ成分含有リーン試料ガスを接触させた時のセンサ出力の測定結果を、図6に示す。
なお、本測定では、1個のP被毒ガスセンサと3個の正常ガスセンサを使用し、図6におけるデータ(14)がP被毒ガスセンサのセンサ出力であり、データ(11)〜(13)が正常ガスセンサのセンサ出力である。
そして、図6の測定データによれば、P被毒ガスセンサのセンサ出力が正常ガスセンサのセンサ出力よりも小さい値を示しており、例えば、P被毒判定値を0.2[V]に設定することで、ガスセンサのP被毒状態を判定できることが判る。
以上説明したように、ガスセンサ評価装置1は、ベースガス(少なくとも一酸化炭素を含む予め定められたリッチ空燃比のベースガス)に添加ガス(少なくとも酸素を含む添加ガス)が添加されてなる予め定められたリーン空燃比に調整されたリッチ成分含有リーン試料ガスを生成し、リッチ成分含有リーン試料ガスを評価対象のガスセンサ31に接触させる。
なお、可燃性ガス(プロパンなど)と空気とを燃焼して得られるガスをベースガスとして用いる場合には、リッチ空燃比の排気ガスに対応するガス成分(一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)など)が十分に含まれる。
リーン空燃比における排気ガスに対応するリーン用試料ガスの模式図を、図7に示す。なお、図7は、リーン用試料ガスを模式的に表すと共に、添加ガス取り入れ部22を備えない筒状ポート16の概略内部構造を表した断面図であり、ベースガス取り入れ部21からベースガスとしてのリーン用試料ガスを導入する状態を示している。そして、図に示すように、リーン用試料ガスは、二酸化炭素(CO2 )、水(H2 )、酸素(O2 )を含むものの、一酸化炭素(CO)を含んでいない。
それに対して、本実施形態におけるベースガスは、内燃機関におけるリッチ空燃比(空燃比λ=0.9)のときの排気ガスに相当する試料ガスであり、図2に示すように、二酸化炭素(CO2 )、水(H2 )のみならず、ガスセンサの反応成分である一酸化炭素(CO)を含んでいる。なお、ベースガスには、酸素(O2 )はほとんど含まれていない。
また、添加ガスは、大気であり、少なくとも酸素(O2 )、窒素(N2 、図示省略)を含んでいる。
そして、リッチ成分含有リーン試料ガスは、「内燃機関における空燃比λ=1.1のときの排気ガスに対してリッチ排気ガス成分(一酸化炭素)を添加してなるガス」に相当するものである。
このように、ガスセンサ評価装置1は、ガスセンサ31(ガスセンサ素子102)近傍のガス雰囲気をリーンとしながら、一酸化炭素(COガス)が存在する環境を生成する。このことから、ガスセンサ評価装置1は、ガスセンサ素子102の状態(特にガスセンサ素子102を構成する外側信号出力電極126および内側信号出力電極127の状態)に応じたセンサ出力を得ることができ、そのセンサ出力に基づいてガスセンサ31の特性(状態)を良好に評価することができる。
さらに、本実施形態においては、評価装置18の評価開始スイッチのON操作がベースガスの生成および添加ガスの供給が実行されている場合に実行されると共に、評価装置18のセンサ評価判定処理のS110において判定用評価時間の経過を判定している。つまり、ガスセンサ評価装置1は、「リッチ成分含有リーン試料ガスの供給開始時点から判定用評価時間が経過した時点」よりも早い時点のセンサ出力ではなく、リッチ成分含有リーン試料ガスの供給開始時点から少なくとも判定用評価時間が経過した後のセンサ出力に基づいてガスセンサ31を評価する構成である。
このため、ガスセンサ評価装置1は、試料ガスの成分変化や温度変化に伴うセンサ出力の過渡的な状態ではなく、センサ出力が安定した定常的な状態でのセンサ出力に基づきガスセンサ31を評価できる。つまり、ガスセンサ評価装置1は、ガスセンサ31の応答特性ではなく、ガスセンサ31の定常的な特性を評価できる。
よって、ガスセンサ評価装置1によれば、ガスセンサ31の定常的な特性を良好に評価できる。また、ガスセンサ31の定常的な特性を評価するにあたり、ガスセンサ31の分解作業や成分分析作業が不要となることから、ガスセンサ31の定常的な特性を容易に評価することが出来る。
また、ガスセンサ評価装置1においては、筒状ポート16における添加ガス取り入れ部22の形成位置が、ベースガス温度が一酸化炭素と酸素とが化学反応しない温度範囲となる位置に設定されている。これにより、評価対象のガスセンサ31に対して予め定められた濃度のCOガスを確実に接触させることができる。
よって、ガスセンサ評価装置1によれば、ガスセンサ31の定常的な特性の状態に応じた良好なセンサ出力を得ることができ、ガスセンサ31の定常的な特性の状態を精度良く評価することができる。
さらに、ガスセンサ評価装置1においては、筒状ポート16におけるセンサ取付部23の形成位置が、リッチ成分含有リーン試料ガスの温度がガスセンサ素子および触媒電極を活性化できる温度となる位置に設定されている。これにより、リッチ成分含有リーン試料ガスの熱量によりガスセンサ31のガスセンサ素子および触媒電極を活性化でき、温度の影響によるガスセンサ31の不活性化に起因してセンサ出力が未発生となることを防止できる。
このため、リッチ成分含有リーン試料ガスを接触させた際にガスセンサ31からセンサ出力が生じない場合には、温度以外の要因によりガスセンサ31の触媒電極に異常が生じていると判断でき、触媒電極の被毒状態(Si被毒状態、P被毒状態)を評価することができる。また、ガスセンサ評価装置1は、温度の影響によるセンサ出力の未発生を防止できることから、温度に起因する誤判定を防止できるため、ガスセンサ評価精度の低下を防止できる。
なお、上記実施形態のガスセンサ評価装置1においては、筒状ポート16が特許請求の範囲に記載のガス流路形成部に相当し、評価装置18がセンサ評価部に相当し、外側信号出力電極126および内側信号出力電極127が触媒電極に相当している。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、種々の態様をとることができる。
例えば、筒状ポート16における添加ガス取り入れ部22の形成位置は、ベースガス温度が450[℃]となる位置に限られることはなく、一酸化炭素と酸素とが反応しない温度であればよい。そして、ベースガスの温度が低くなるほど、一酸化炭素と酸素との反応が生じがたくなることから、より低い温度(例えば、420[℃]や400[℃]など)に設定しても良い。
また、筒状ポート16におけるセンサ取付部23の形成位置は、リーン試料ガスの熱量によってガスセンサ31の触媒電極が350[℃]となる位置に限られることはなく、ガスセンサ31のガスセンサ素子および触媒電極を活性化できる温度であればよい。なお、ガスセンサの種類によっては、触媒電極が300[℃]以上となることで活性化することから、筒状ポート16におけるセンサ取付部23の形成位置は、評価対象のガスセンサの種類に応じてそのガスセンサのガスセンサ素子および触媒電極を活性化できるように設定することが望ましい。
他方で、ガスセンサの温度が高くなりすぎると(例えば、800[℃]を超えると)、被毒物が付着した触媒電極が活性化されてしまい、本来であれば触媒電極の被毒によりセンサ出力が生じないガスセンサにおいても、センサ出力が生じてしまう虞がある。
そのため、ガスセンサの温度を被毒物が付着した触媒電極が活性化しない温度範囲(例えば、800[℃]以下)に設定することが望ましい。
さらに、ベースガスに添加ガスを添加するにあたり、一酸化炭素と酸素との反応を完全に防止する必要はなく、少なくとも一酸化炭素がリッチ成分含有リーン試料ガスに残留していれば、ガスセンサの定常的な特性の状態に応じた良好なセンサ出力を得ることが出来る。
また、評価装置18でのセンサ評価判定処理の開始タイミングは、評価開始スイッチの操作に限られず、評価装置18の処理において開始タイミングを判定しても良い。例えば、試料ガス生成完了を判定するガス生成完了センサを備え、そのガス生成完了センサのガス生成完了信号を評価装置18に入力し、ガス生成完了信号に基づきセンサ評価判定処理の開始タイミングを判断する処理を行うのである。
さらに、評価装置18は、制御処理として、ガスバーナの燃焼状態を制御しても良く、例えば、一次ガス供給装置12からの燃料の供給量と空気の供給量とを制御し、燃料と空気との比率を調整することで、ベースガスに含まれる成分を調整可能に構成しても良い。このようにガスバーナの燃焼状態を制御することで、ベースガスの成分調整に限らず、ベースガスの温度制御が可能となり、ひいては、評価対象のガスセンサに供給する試料ガスの温度を制御することも可能となる。
また、センサ評価判定処理の起動タイミングが、リッチ成分含有リーン試料ガスの供給開始から十分に長い時間(判定用評価時間)が経過した後であると判断できる場合には、センサ評価判定処理におけるS110(判定用評価時間を判定するステップ)を省略することもできる。すなわち、このような場合には、センサ評価判定処理の起動時点において、リッチ成分含有リーン試料ガスに対するガスセンサのセンサ出力が既に安定していることから、その時点のセンサ出力はガスセンサの定常的な特性に応じたセンサ出力となり、ガスセンサの定常的な特性を評価することができる。
あるいは、センサ出力の検出タイミングは、リッチ成分含有リーン試料ガスの供給開始時点を起点として判定用評価時間が経過した時点に設定してもよい。このようにセンサ出力の検出タイミングを設定する場合でも、リッチ成分含有リーン試料ガスに対するガスセンサのセンサ出力を安定させることができ、ガスセンサの定常的な特性を評価することができる。つまり、リッチ成分含有リーン試料ガスの供給開始時点を起点として判定用評価時間が経過した後の時期であれば、どの時点にセンサ出力の検出タイミングを設定しても、リッチ成分含有リーン試料ガスに対するガスセンサのセンサ出力を安定させることができ、ガスセンサの定常的な特性を評価することができる。
また、外部への判定結果の出力形態としては、LEDあるいは液晶表示ディスプレイなどからなる表示装置に判定結果を表示する出力形態や、プリンタなどの印刷装置により印刷媒体(記録紙など)に判定結果を印字する出力形態や、スピーカなどの音声出力装置により判定結果を音声出力する出力形態などを採ることができる。
さらに、上記実施形態はガスセンサの触媒電極の被毒状態を判定する実施形態であるが、評価の判定対象は、触媒電極の被毒状態に限られることはなく、例えば、ガスセンサの触媒電極の形成不良状態や内部配線(リード部)の異常状態などを評価の判定対象としても良い。
ガスセンサ評価装置の概略構成を示す構成図である。 筒状ポートの概略内部構造を表した断面図である。 ガスセンサの全体構成を示す断面図である。 評価装置にて実行されるセンサ評価判定処理の処理内容を表したフローチャートである。 Si被毒ガスセンサおよび正常ガスセンサにリッチ成分含有リーン試料ガスを接触させた時のセンサ出力の測定結果である。 P被毒ガスセンサおよび正常ガスセンサにリッチ成分含有リーン試料ガスを接触させた時のセンサ出力の測定結果である。 リーン用試料ガスを模式的に表すと共に、添加ガス取り入れ部を備えない筒状ポートの概略内部構造を表した断面図である。
符号の説明
1…ガスセンサ評価装置、11…ガスバーナ装置、12…一次ガス供給装置、13…燃料ガス供給装置、14…空気供給装置、15…ガス燃焼室、16…筒状ポート、17…ガス流路、18…評価装置、19…添加用空気供給装置、21…ベースガス取り入れ部、22…添加ガス取り入れ部、23…センサ取付部、31…ガスセンサ、33…検知部。

Claims (3)

  1. 固体電解質体からなるガスセンサ素子を有すると共に、内燃機関の排気ガス中の特定成分を検出するガスセンサを評価するためのガスセンサ評価装置であって、
    試料ガスのガス流路を有すると共に、前記ガスセンサの検知部が前記ガス流路に配置される状態で前記ガスセンサが取り付けられるセンサ取付部を有するガス流路形成部と、
    前記試料ガスに対する前記ガスセンサのセンサ出力に基づき前記ガスセンサを評価するセンサ評価部と、を備え、
    前記ガス流路形成部は、
    少なくとも一酸化炭素を含む予め定められたリッチ空燃比のベースガスを取り入れて前記ガス流路に供給するベースガス取り入れ部と、
    前記ガス流路のうち前記センサ取付部よりも上流側かつ前記ベースガス取り入れ部よりも下流側となる位置において、少なくとも酸素を含む未燃焼の添加ガスを取り入れて前記ガス流路に供給する添加ガス取り入れ部と、を備え、
    前記センサ評価部は、前記ベースガスに前記添加ガスが添加されて予め定められたリーン空燃比に調整されたリッチ成分含有リーン試料ガスに対する前記ガスセンサのセンサ出力のうち、前記リッチ成分含有リーン試料ガスの供給開始時点から予め定められた判定用評価時間が経過した後の前記センサ出力に基づいて前記ガスセンサを評価するものであり、
    前記ガスセンサ素子は、前記固体電解質体の上に触媒電極を備えており、
    前記ガス流路の前記センサ取付部における前記試料ガスの温度は、前記ガスセンサ素子を活性化させる温度範囲に設定され、
    前記センサ評価部は、前記センサ出力に基づき前記ガスセンサの前記触媒電極の状態を評価すること、
    を特徴とするガスセンサ評価装置。
  2. 前記添加ガス取り入れ部は、前記ガス流路形成部の前記ガス流路のうち、前記ベースガスの温度が一酸化炭素と酸素とが化学反応しない温度となる位置に備えられること、
    を特徴とする請求項1に記載のガスセンサ評価装置。
  3. 前記センサ評価部は、
    前記センサ出力が予め定められたSi被毒判定用閾値よりも大きい場合に、前記ガスセンサの前記触媒電極がSi被毒状態であると判定し、
    前記センサ出力が予め定められたP被毒判定用閾値よりも小さい場合に、前記ガスセンサの前記触媒電極がP被毒状態であると判定すること、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のガスセンサ評価装置。
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